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【オリスタ】FullBlackHabit 【SS】
143
:
FBH
:2016/05/15(日) 18:55:11 ID:3atvsi3M0
オービー、と俺は小声でクソ役にも立たない、身体がデカいだけの男に声を掛ける。
しっかりしろ、すぐにでも行動を起こさないと殺されるぞ。
オービーはすっかりうろたえて、なんなんだこのクソ野郎が! と俺に怒鳴り散らす。どうしろっていうんだ! 俺たち殺されるぞ!
落ち着けよ! と俺はオービーの眼を見る。冷静なら俺たちは助かる。小さな声で話せ。
俺はテロリストに聞こえないように、慎重に話す。落ち着いて聞け。大きな反応をするな。今、あのクソキチガイ女の銃には弾が入ってない……かもれない。
なに? かもしれないだって? 適当なことを、と言いかけるオービーの口を俺は塞ぐ。黙って最後まで聞け。この眼で見たから間違いない。あの女の銃はCA380。9mm弾だ。当たりどころによっては死ぬ。でも滅茶苦茶な威力ってわけでもない。そして重要なのが……あの銃の弾倉は五発しか入らない、ってことだ。
憶えているか? さっき銃声がした、って俺は言ったよな。一発だ。そしてスカイラーに一発。最後にキンバリーに三発……あのキチガイ女が、ここに来るまでの弾を込め直していたとしても、あと「一発」しかない。俺たち二人が別れて突撃すれば、少なくとも一人は助かる。頭をうまく守れば、運がよければ二人とも……だが、ここでボケっとしてれば、確実に俺たちは死ぬ。準備をしろ、覚悟も決めろ。3カウントで走るぞ。
さっ、とオービーの顔が青褪めていくのを見る。考える時間は与えたくない。
行くぞ、1、2、そして俺はオービーを突き飛ばす。畜生、とオービーは両腕で顔面を覆い隠し、テロリストに向かって走りだす。
そして、俺はソファの反対側から飛び出すフリをする。
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