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500字くらいでプレレンすうヌレ^p^

100とらたん×薄幸みっき:2010/11/21(日) 20:09:47
「ユリコ、僕はどうすれば幸せになれるんだろう」
みっきはお気に入りの木陰に腰を下ろし、傍らのユリコに問いかけた。
ユリコの砲身は今日も一点の曇りもなく磨きあげられており、そこに映るみっきの姿もまた、我ながらほれぼれするほど美しい。
みっきはその容貌が示す通り、恋多きおのこだった。
しかし、これまで誰一人としてその手中には残らなかった。
たっき、もんもん、しょっせさん…
「どうしてみんな、僕だけのものになってくれないんだ?」
眉目秀麗で成績優秀な自分に、たった一つ足りないのは真実の愛だ。
そしてそれはみっきの心にぽっかりと大きな穴を開け、常々お前は不完全だと耳元で囁かれているような心持ちにさせるのだ。
ぽとり、ぽとり、ユリコの上に、真珠のような涙の粒が落ちた。
どれほどそうして一人悲しみにくれていただろうか。
ふいに、一本の指が伸びて、ユリコに映ったみっきの像の涙をすくった。
まだ小さな子供の指。
その行く先を追ってほんの少しだけ視線を動かすと、みっきとは逆さま向きに映ったとらたんの顔が見えた。
「なんだ、笑いに来たのか」
「違います」
憮然としたみっきの問いを、とらたんはまじめくさった顔で否定した。
頭巾をとって、ユリコを濡らしたみっきの涙を丁寧に拭い、それから。
「てんぱい…。僕じゃ、いけませんか?」
ふいに、とらたんはそう言った。
緊張しているのか、丸い頬の描く線がわずかに震えていた。
「僕は、もんもんてんぱいやたっきてんぱいやしょっせさんみたいに強くもかっこよくもないですけど…。でも僕、もうみっきてんぱいがおちんこでるところを見るのは嫌なんです。てんぱい、僕は絶対みっきてんぱいを悲しませたりしませんから。だから…」
少ない語彙から懸命にみっきに気持ちを伝えるための言葉を拾い上げる。
そのつぶらな両目もいつしか真っ赤に上気した頬も、ひたすら真摯にみっきを想っていた。
「とらたん…」
「てんぱい、あと五年時間をくれませんか。僕、きっとてんぱいを幸せに出来る男になってみせますから」
くしゃり、とみっきの顔が泣き笑いに歪む。
何度も何度も手に入れかけては失って、求め続けていたいたもの。
本当はこんなに近くにあったのに、どうして今まで気づかなかったのだろう。
「…ああ、期待しないで待ってる」
ありがとう。
ユリコの艶めいた砲身に映った二人の少年の顔が、一瞬一つに重なって。
学園の鐘が、遠くで福音のように響いていた。


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