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デザイナーズ Birth

1トキ:2022/08/15(月) 15:55:34 ID:lFTssTB20
ここがDB ホスピタルか。
DBホスピタルはデザイナーズベイビー専門の病院で、
ここでは審査が通れば赤ん坊を授かることができる。
結婚願望がないが、結婚しないなら学生のうちに後継者を作れという両親の命でここにきた。托卵を防ぐため、後継者をデザイナーズベイビーで作るのが財閥系で流行っている。両親に逆らうと面倒だから、ここは従っておくかと思い、やってきた。
コースは親が決めてもう金も振り込んであるらしい。
受付に話しかける。
すると、看護師さんに案内され、まずは健康診断からとのことだそうだ。
そういえばまだ18歳になったばかりだ。
健康診断といっても採血とかレントゲン撮影とか意外にもあるらしい。
「ではこちらへ」と言われ奥へと進む。
そこにはカプセル型のベッドがあった。
「そこに横になってくださいねー」と言われた通りにする。
すると、俺の体はスキャンされ始めた。
そして卵の殻のようにベットが円状に締まっていき、ピッピっと音がなり、
「ふむふむ」と言いながら看護師のお姉さんはその機械を操作している様子だった。身体の中が、特にお腹辺りがぽかぽかして気持ちよくてうとうとしてきた。
気づくと俺は眠っていたようで、起きたら目の前にはさっきの美人な看護師がいた。
「これで終わりです。結果が出たのですが、あなたは妊娠できる体であることがわかりました。」
ん?俺、男なんだけど。
デザイナーズベイビーって試験管とか代理母のコースで依頼していると思った。
「はい?」
意味がわかんなくて思わず聞き返してしまった。
「なのであなたの子供を産むことができますよ!
お申込み内容も本人が出産となっていますし。デザイナーズベイビーで本人出産って珍しいんですよ!」
えっ!?ちょっと待ってくれ……
話についていけないのだが…….. とりあえず落ち着いて整理しよう。
・デザイナーズベイビーは試験管とか代理母ではなく俺が産む
・俺は産める身体の適性がある
・既に身体は変更済み
・申込み済みでキャンセル、変更不可
つまりどうやら俺は子供を作れる体にされただけでなく、子供が欲しいと思っていた両親が勝手に申し込んだことで強制的に孕まさせられることになってしまったということなのか? なんてことだ……
こんなことになるとは思わなかったぞ……
でもどうやって作るんだろう……まさか本当にヤッちゃったりするのか? そんなことを考えてるうちに看護師さんが説明してくれたけど、また爆弾発言がでた。
「花月さんは性別男の双子のお子さんご希望ですね。」
ん?双子?っていっぺんに2人も産むのか!?
しかも1人じゃなく2人とかあり得ないぞ……。
俺の両親何考えてるんだ!!
でもここで断ってももう遅いだろうし、仕方ないから覚悟を決めるしかないようだな……。
もうこうなったら開き直るか。
「はいわかりました。よろしくお願いします……」
こうして俺はデザイナーベビーをお腹に宿すことになった。

【登場人物】
花月 那央(かげつ なお) 18歳
大学一年
華道の花月流総本家の家元の父と茶道の如月流の家元の母の元に生まれた一人息子。

この世界では托卵を防ぐためにも後継を作るためにデザイナーズベイビーによる人工授精が推奨されていたりする。
託卵を防ぐという目的もあるが、自分の遺伝子を持つ子供を作りたいという親心もあるため、デザイナーズベイビーの需要は高いらしい。
両親からは後継者を作れと言われているものの結婚願望がなく、恋人すら作ったことがないくらい恋愛に興味がない。
イケメンではないが、母親に似たおかげで綺麗めで悪くもない顔立ちをしているが、無表情のせいで冷たく見える。
黒髪に黒い瞳、身長178cm。
どちらかというと男にモテる。
本人は気づいてないが。

2名無しのごんべへ:2022/08/16(火) 00:31:26 ID:l0JtRiQY0
検査が終わったのかカプセルの扉が開いた。
「次は隣の処置室に移動してください」
俺は言われるがままに隣の部屋へ移る。
隣の部屋では別の看護師が専用の服を準備して待機していた。
「服を全部脱いでこちらに着替えてください。あ、下着も脱いでくださいね!」
そういい残すとカーテンの向こうへ行ってしまった。
(え!すっぽんぽんてこと?)
戸惑いながらも言われた通り、全裸に浴衣のような服を着た。
終わったことに気がついた看護師がこえをかけてきた。
「着替え終わったらそこにある椅子に座ってくださーい」
「わかりました」
俺は目の前にあるマッサージチェアのような椅子に座った。
「いいですか?倒しまーす」
さっきの看護師とは違う女性の声がした。
途端にゆっくりと椅子の背もたれが後ろに倒れる。
ある程度まで倒れたところでフットレストが左右に開いた。
「え??ちょっ…!」
パンツもはいてないので大股開きの丸出しだ。
(マジかよ!いったい何するんだ???)
半ばパニックになっている。
なんたってこんな辱しめは受けたことがない!

3名無しのごんべへ:2022/08/16(火) 02:01:00 ID:l0JtRiQY0
上半身と下半身を隔てる様にカーテンがかかっている。
カーテンの向こうでは俺の下半身が晒しものになっている…
すると下半身側から声が下。
「まず触診をしますね」
そういうとその女性は俺の陰茎と玉を持ち上げた。
「うはっ…!」
驚きと変な感触で声が漏れてしまった。
しかしその後、玉と肛門の間あたりを指でなぞられる。
「んああぁ!?」
今までにない感覚が走る。
穴の周りを触られた様な感覚だ。
「ちょっと指入れますよー」
(ど…どこに!?まさかケツの穴??)
当然だが那央にはそういった経験がない。
そうこうしているうちにじわじわと指が入ってきた。
「ひぁああああ!んぁああんっ」
(なんだこれはぁぁ!?)
穴に指を入れられているが肛門ではない。
しかしなんの穴だか、なんで自分にこんなものがあるのか、もう頭が追いつかない。
ただ不思議なことに指を入れられている間、痛みとかは全くないどころか、なんとも言えない快感に近い感覚だった。
「産道はしっかりあるね。伸縮性も大丈夫そう」
指を抜くと女性はそう言った。
「先生、エコーの準備ができました」
どうやら俺の謎の穴に指を入れていたのは医師の様だ。
「今度は腹腔の中を見ますよ」
フックーってなんだろう。
すると今度は謎の穴から棒の様なものが入ってきた。

4トキ:2022/08/16(火) 10:26:42 ID:op5Dj6Qw0
「子宮のサイズも形も問題ないね。
これなら早速卵子を作ることができそうだ。」
医師はモニターをみて確認しているようだ。
てかなんで俺の中に穴や子宮があるんだよ!!
ツッコミたいこともあったがとりあえず黙って診察を受けていた。
「無事産道も子宮もできてますね。
これなら早速人工卵子を作りましょうか。」
「はい」
どうやらこれで妊娠できる体になったようだ。
そしていよいよ俺の体内に卵子の素を注入するらしい。
「じゃあいきますよ。少しチクッとしますけど我慢してくださいね。」
「はい……」
チューブのついた針が入ってくる……プスッ……
「痛っ……」
「ちょっと我慢してくださいね。」
そう言うとそのまま何か液体を流し込まれた。
「はいお疲れさまでした。
今入れたのは卵子を生成する液体です。一日経つと何個か卵子が作られるのでそれを出して花月さんの精子と受精させて受精卵を作ります。」
「はい……」
「では今日はここまでです。明日夕方くらいにまたきてください。
もし身体に不具合があったらすぐに連絡くださいね。
今日は性交禁止でお願いします!」
「わかりました……」
なんか色々あって疲れた……
家に帰ろう。
家につき、疲れたし休もうと思っていたが電話が鳴る。
画面を見ると母さんからだ。
「はい……もしもし?」
『あ、なおくん?今日ちゃんと病院行けた?』
「うん……行ったよ。てか俺が産むってなんだよ!代理母とか試験管じゃダメなのかよ!!」
俺は思わずキレ気味で言ってしまった。
『ええ……だって……せっかくのデザイナーズベイビーだからやっぱなおくんが産んだほうがって思って。』
母さんは悪びれる様子もなく、むしろそれが当たり前かのように言っている。
「俺の意思とか関係ないわけ?」
『なおくんの気持ちを考えてなかったのは謝るわ。ごめんなさい……。』
「わかった……もういいよ。」
俺は諦めることにした。母さんに甘いんだよな、結局。
「ところでなんで双子なわけ?」
俺は一番気になっていたことを聞いた。
『それは、私も充さんも一人っ子でしょ?花道と茶道の家元を継がないといけないのよ。私達の子供はなおくんだけだからなおくんに2人子供がいればどっちも継げるでしょ?』
なるほど。
確かに俺達の両親は二人とも一人っ子で俺しか子供がいなかった。
でもだからって双子って……しかも俺、男だし。
でもこの世界では男でもデザイナーズベイビーなら子供産めるからおかしくはないのか……? まあ、でも俺が産むのは変わりないか。

5名無しのごんべへ:2022/08/17(水) 12:35:43 ID:Y91ycarg0
翌日ーー
俺は言われた通りの時間に病院を訪れた。
昨日とは違う看護師が対応してくれた。
「ではこちらのベッドに横になってくださーい」
「そうしたら服を捲ってお腹を出してくださいね」
「あ、はい」
俺は言われた通りお腹を出した。
すると…
「ちょっとごめんなさいね」
看護師が俺のジーパンのホックを取り、さらにファスナーまで下げてきた。
「え?!あの…」
そしてジーパンをさげ、局部の寸前で止めた。
「こんにちはー」
「あ、どうも」
そうこうしているうちに看護師とはちがうユニフォームの女性が入ってきた。
(この声は昨日の医者か…!)
医師も美人だ。
(ここは美人揃いだなぁ)
「では今日は採卵ですね」
そういうと女医は太くて長い針の注射器を出してきた。
「この針を子宮に刺して、昨日入れた卵子を取り出します」
「…はい」
俺は身構えた。

6名無しのごんべへ:2022/08/17(水) 14:42:09 ID:a0bKQ7lY0
「リラックスしててくださいねー。
あー5つできてるみたいなのですべて取り出しますね。」
医者は声をかけてくれるが、俺はそれどころじゃないんだけど。
チクッとはらに鋭い痛みが走る。
「っ!?」
「我慢してくださいねー。
卵子を元気なまま取るために麻酔できないので痛いですけど耐えてくださいねー。」
俺はレバーを握りしめて苦痛に耐えた。

「はーい。お疲れ様でした。
少し休憩していただいて大丈夫そうなら精子も今日取っちゃったほうがいいんですけどどうですか?」
「じゃあお願いします...」
「わかりました。
1時間くらい休んでいただいてそれから採取室に案内しますね!」
俺はベットに案内されて横になってひと休憩する。

7トキ:2022/08/18(木) 01:53:29 ID:o89W3zmU0

「では1時間後くらいにまた来ますね」
「はい」
こうして俺は1時間の休息をとった。
精子採取室にてーー 精子を採取するための部屋に連れてこられた。
部屋の中にはAVやエロ本、大人のおもちゃが置かれている。
(おいおい、まじかよ……! ここでヤれってことかよ……!)
「こちらのカップにこの線より多く精液を溜めてください。」
看護師が透明なカップを渡してきた。
「溜まったら教えてくださいねー」
(こんなところで出来るかー!!てか俺、まだ童貞だったけど。)
俺は心の中で叫んだ。
しかしもう既に退出して看護師はいなくなっている。
(仕方ない……やるしかないのか……)
俺はベットに座り、覚悟を決めてズボンとパンツを脱ぎ、下半身裸になる。
(えっと……こんなとこでこんな事やって恥ずかしいな……。早く出てくれ……)
俺はオナニーをする要領でチンコをしごく。
しばらくするとムクムクと勃ち始めた。

8名無しのごんべへ:2022/08/30(火) 13:17:23 ID:kWQFKSC20
想像よりも早く勃ち、すぐに精液が溜まった。
(俺って結構単純なんだな…)
そう思いながら後処理をし、服を整えた。
まだ1時間はたっていなかったため看護師が来るまで少し休むことにした。

9名無しのごんべへ:2022/08/30(火) 14:18:00 ID:9G2giUys0
そして戻ってきた精液を渡し、今日は終了となった。
来週受精卵ができたら胎内に戻すらしい。
俺は家に帰って疲れてそのまま眠った。
1週間後無事に受精卵ができたと連絡が来た。
受精卵自体は4つできたらしいからその中で優秀な遺伝子を持った男児になる受精卵を2つ選び
胎内に戻すことになった。
俺の場合全て男児だったぽい。
多胎児で受精卵が想定通りできるのは結構珍しいらしい。
「花月くん、じゃあこの台に乗ってくれる?」
女医さんに言われて卵子をとった時と同じ台に横になると足を開かされた。

10名無しのごんべへ:2022/09/18(日) 03:28:33 ID:3Hj7q3bc0
「今からこのスポイトで2つの受精卵を入れるわね。」
女医さんは俺が不安にならないように細長いスポイトみたいな器具を見せてくれるけどが怖いよ!
「ちょっとちくっとするけどゆっくり深呼吸してね。」
俺はお腹あたりに手を当てて深呼吸をする。
「っ!?」
「ほら、すーはーすーはーよ」
「ーーーすーーーはぁーーーすーーはぁーーー」
下腹部にちくっとした痛みを感じ声を殺そうとしたけど女医さんに声をかけられて
深呼吸する。

12名無しのごんべへ:2022/09/19(月) 15:49:40 ID:9cfM2aY60
「はーい、これで処置は終わりよ。」
(これから妊夫生活が始まるのか…)
そんなことをぼんやり考えていたら、いつの間にか処置が終わったようだ。
ちょっと意識を飛ばしていたみたい?だ。

女医さんは処置が終わるとそうそうに退散にそれと同時に看護師がやってきた。
「経過観察のため2時間ほど横になっていてください。それで、今日は終わりになします。
身体に不具合があったらすぐにこのナースコールを押してください。」
「はい。分かりました。」
「次は、1週間後にお越しください。その際に受精したかの確認を行います。」
「わかりました…」

13名無しのごんべへ:2022/09/19(月) 16:15:03 ID:7ZDgx2mU0
ほんとにこの腹にいるのか?
俺は無意識にお腹を触る。
なんか不思議な気分だ.....。

2時間何もなく終わり、病院を出た。
歩いて帰ろうかとも思ったけどなんとなくタクシーで帰った。
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「ちゃんと着床してますね。
おめでとうございます。」
一週間経過しホスピタルで健診を受けに来ていた。
未だに自覚症状がないから不安だったけどちゃんと着床できたようだ。

14名無しのごんべへ:2022/09/22(木) 23:21:00 ID:8FCDf6R.0
特に何の変化もなくDB ホスピタルに行ったことを忘れかけていたある日の事
一人暮らしをしている俺は多少は自炊を行っており、今日もいつも通りご飯を炊いた。
出来たてのご飯をよそおうと炊飯器を開けた瞬間
猛烈な吐き気に襲われシンクに駆け込んだ。

15名無しのごんべへ:2022/09/23(金) 00:15:27 ID:Yw0A8qwk0
「うげっ・・・・・げほっげほっ・・・・・」
胃がムカムカするし、匂いで気持ち悪いとかどっか体調崩したっけ。
胃腸炎でもなったかな?
病院行くかと保険証を見て(これってつわりか)と思い、スマホで検索する。
「つわり 吐き気っと・・・・・妊娠の初期症状に当てはまるな」
俺はベットで横になり、まだ全く膨らんでいないお腹を触る。
(ここに本当に子供ができたのかな・・・・・)

16熊猫:2023/01/15(日) 13:27:41 ID:gBGzhlfM0
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当掲示板管理者の熊猫です。
直近書き込みである「2022/09/23」から約3ヶ月が経過しておりますが、
その後の投稿がない状態が続いております。
未だに妊娠出産に関する具体的なシーンと、エロないしグロ要素が出てきておりません。
当掲示板は、エロorグロ要素込みの妊娠出産に関する小説を投稿する場となっております。
一週間後の01/22 24:00まで待ちます。
それまでに妊娠・出産シーン及びエログロ描写が出てこないようであれば、当掲示板の趣旨に反するということで、
この小説は削除させて頂きます。

各位よろしくお願いします。

 くまねこ
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17名無しのごんべへ:2023/01/17(火) 00:47:47 ID:kR6Bl4Ws0
それからというもの、吐き気は日増しに強くなっていった。
数週間経ったある日-
「うぅ〜…気持ち悪い…」
腹をさすりながらヨロヨロとトイレに雪崩れ込む。
「はぁ…はぁ…う゛ぉえぇぇっ…げほっ…げぇぇぇ…」
最初は匂いで吐き気を催していたが今では何もせずとも猛烈な吐き気、そして嘔吐に毎日苦しめられていた。
(これが…つわり…)
スマホで軽い気持ちで調べてた頃からは想像を絶するものだった。
「う゛っ…」
(まだ出る…!)
「げぇっ…げぇぇぇぇっ…はぁ‥はぁ…」

それでも家元に生まれた以上、稽古を欠かすわけにはいかない。
今日は久しぶりに母親直々の稽古が入っている日だった。
ドタキャンなんてもっての外、余計な心配もかけたくない。
素直につわりが酷いと言えば良いものの、男がつわりだなんて違和感があった。
那央は吐き気を堪え実家へと赴いた。

実家に着くとすでに母親が茶室で準備を終えていた。
「あら、来たのね。こっちはもう準備ができてるから着替えたらすぐに来てね」
やはり稽古となると顔つきも口調も厳しくなる。
那央は返事をすると着替えに自分の部屋へ入る。
練習用の着物に着替え帯を占めるが…
「うぷっ…」
那央は口を手で覆う。
しっかり占めると圧迫感で吐き気が込み上げてくる。
(これはまずいな…少し緩くしていかないと…)
しかし帯を緩めると当然ながら着物がヨレる。
母は練習でも身だしなみに厳しい人だ。
「怒られるだろうけど…今は無理…ごめんなさい…」
もたもたしてもいられないのでそのまま茶室へと向かった。






(

18名無しのごんべへ:2023/01/17(火) 09:49:51 ID:58mxYni60
「あら、やっと準備できたの?」
母親はすでにお茶をたてる準備が終わっているようだ。
「すみません···」
着崩れしそうな着方に眉が動いてるけど、ぎりぎり許しているようだ。
助かったー。
正座をすると着物だとやっぱり胃のあたりがヤバい。
なんとか我慢して始めた。
「うっぷっ!?」
棗の蓋開け、茶碗に抹茶を入れて湯を入れた時に抹茶の匂いに一気に吐き気を催し、口を抑えた。
「那央!?」
母親は心配そうにこちらやってきて背中を擦ってくれるけど、余計に吐きそう。
「だ、だいじょう、ぶ。お手洗い行くわ!」
俺はプライド的にも茶室で吐くわけにも行かず、すぐ立ち上がって1番近いトイレまで急いで、ギリギリトイレに間に合った。
吐くだけ吐いて部屋に戻ると、心配そうな母親が座布団を畳んで横になれるように準備をしていてくれた。

19名無しのごんべへ:2023/02/05(日) 23:59:26 ID:GC78ef/Y0
「スミマセンでした…」
那央は稽古中の醜態を謝る。
「大丈夫?あなたそれ悪阻でしょう?」
「え…?」
母にはお見通しのようだった。
「クリニックでの処置がうまく行ってればとっくに妊娠してるだろうと思ってたのよ。母さん報告待ってたんだけど」
(そっか…ちゃんと言ってなかった)
「はい、一ヶ月ちょっと前に着床したって医者が言ってました…」
「それならそうと言いなさい。その様子じゃつわりが治るまで稽古は無理ね」
「はぁ…」
那央も稽古が嫌なわけじゃない。
ただ休むと感覚を取り戻すのに倍以上の時間がかかる。

20名無しのごんべへ:2023/02/06(月) 05:28:55 ID:3rkWKs1I0
「とりあえず妊娠できてよかったわ。大事な体なんだから今は無理をしない事!」
厳しい口調ながらも那央の妊娠に嬉しそうな様子だ。
「わかったよ母さん。でも…この気持ち悪いのいつまで続くんだろう?」
一番身近な出産経験者に聞く。
「うーん、人それぞれよねぇ…安定期までって言われてるけど。それに私は吐き気じゃなくて眠気だったわ」
「そっか…」
悪阻には種類があるのか…だったら母さんみたいに眠気の方が良かったな…
とりあえず母の勧めもあり帰らせてもらうことにした。
しばらく稽古も休んでいいとのことだった。
「定期検診ちゃんと行くのよ!」
帰り際に母に言われたのだけど、そういえばあの日から一度も行ってい。
いついつ来てくれって言われてたような気もするけど、悪阻が酷くて気にする余裕が無かった。

次の日、予約を入れようかと思ったが――
「うぐっ…ぅげえぇぇ…げほっげほっ…げぇぇっ」
(気持ち悪すぎて無理…)
昨日の今日でつわりが治るわけがなく、嘔吐ばかりしてた。
クリニックまでは自力で行けないこともないが、実家より結構距離がある。
「ちょっと電話で聞いてみようかな…はぁ…うっぷ…」

21名無しのごんべへ:2023/02/06(月) 09:32:15 ID:N9r6XHMg0
purururu
「もしもしDBホスピタルです。」
「···すみませ····予約したいんですけど、うっぷ!おぇええ·····」
電話中我慢できずに床に嘔吐してしまった。
「大丈夫ですか?妊夫さんで間違いないですよね?」
「はーあはぁ····すみません。診察番号21067の花月です·····」
「確認取れました。週数的に悪阻ですかね?病院まで来れそうですか?」
「ちょっと····むずかしそうで、····」
「こちらで悪阻用救急車を手配するので今日来ていただくことは可能ですか?」
悪阻救急車?
「大丈夫、です·····」
住所の確認を行い、悪阻救急車が向かうことになったらしい。
そしててっきりサイレンとか鳴ってくるかと思ったら見た目は普通のバンだ。
後頭部座席がベットになっていて嘔吐用の桶やビニールが用意されていた。

22名無しのごんべへ:2023/04/08(土) 13:47:58 ID:4Yc6Onxs0
そこには運転手と、前に処置をしてくれた看護師が乗っていた。
「花月那央さんでいらっしゃいますか…」
名前などを確認が終わると、車へ乗りこみ病院へ向かうことになった。
ここから病院まで車で20分ほどかかる。
「うっぷっ!?」
細心の注意は払ってくれているようだが、やはり車の揺れは辛く出発して早々に猛烈な吐き気を催した。
「は…吐きそう…で…うぅっぷ」
嘔吐感に口を押さえる。
すかさず看護師がビニール袋を用意してくれた。
「我慢しなくていいですからね」
「うぐっ…ぉえ゙え゙ぇ……けほっけほっ……えっく…げえぇっ」
その間、ずっと看護師が背中を摩って介抱してくれた。

23名無しのごんべへ:2023/04/08(土) 19:58:54 ID:BHkothtU0
「つわり酷そうですね。
吐き止めの点滴気休め程度になりそうですけどしますね」
看護師がすぐに点滴をしてくれる。
少し気分は優れたけど、まだ気持ち悪い。
結局20分の間に出せるものはすべて出した気がする。
ついたらそのまま診察室に通してくれた。
その間も人目につかず車椅子で運んでくれるからほんとに助かる。
人に見られたら恥ずかしいし。
そして診察台に乗って待ってると前の女医さんが入ってきた。
「花月くん、久しぶりね。早速だけど診察するわね」

24名無しのごんべへ:2023/04/08(土) 23:43:31 ID:4Yc6Onxs0
まずはエコーをしてもらいその後に血液検査と問診が行われた。
「妊娠7週目になりますね。
かなり悪阻が強いみたいね。血液検査の結果から栄養状態も芳しくないわ。」
ここ数週間まともなものは何も食べれていないにもかかわらず、常に吐き気があり嘔吐を繰り返していたため当然であろうと感じた。さらに医者の話では前に病院に来た時より4kg近く体重が落ちていると言われた。

「花月くんの場合、男の子の妊娠と双子のダブルパンチで重たい悪阻になってるわね。
栄養状態が改善するまで少し入院治療した方がいいかもしれなきわ」
俺としても家で一人でいるより誰かに見て貰えた方がありがたい。
そういうことで、俺は少しばかり入院することとなった。


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