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【日常γ】異能都市ストライク!【その12】

977アーリル:2019/06/06(木) 23:13:36 ID:ORmT3UkU0
>>976
「……犯人も極力助ける、ですか。本来はそのようにするべきなのでしょう。それが正道であるのでしょう。
ですが、……民草が脅かされたのなら…怖い思いをさせてしまうのなら……!」

少女は少女であるからこそ、感情を卸しきれない。感情を律する手段としての手綱が外れている様は、戦士としての顔を覗かせて。
戦士としては優秀でも、精神性はまだまだ幼いと言わざるを得ない。これは先の言葉から読み取ることは容易だ。
感情が少し露わになると、少女の力が発現する。
背には後光、体表を覆うのは赤い業火。

「『どう転んでも、困るのは護るべき普通の人』…………そう、ですよね。怖い思いをしているのです。だから、騎士がいますものね。
シュメントさん、ありがとうございます。騎士として見逃してはいけないものを、見逃してしまいそうになっていました。」

業火は収束し、少女の体から光が消える。
少女は快活そうな笑みを浮かべて、クレイグに頭を下げた。

「(そっか…私、普通じゃありませんでした…)」

真祖のヴァンパイア。自らを至高と謳う一族の直系の一人。刺されても即座に傷は修復されるし、それなりの訓練を積んで強さを持っている。
並の人間など歯牙にもかけない。そんな者が撫でたら死んでしまうような、普通の人の気持ちなんて分かるはずが無いのだから。
だからこそ、クレイグの言葉は、少女の心の根に大きな衝撃を与えたのだ。

「ううっ……やっぱりそうですよね。炎でなら色々と形作れるのです。」

先の収束した炎を利用し、パーティーで踊るカップルを作って、空中で踊らせて見せる。回転もしているし、時々パートが変わっているようでもある。
自身が出した炎ならば、この程度は朝飯前なのだが、こういった手先の技術の“出始め”から“生成”までが僅かな時間もある。
炎という性質上、民草にまで余計な危害を与えてしまう。そんな性質である以上、少女は炎以外の方法を取ろうとしていた。

「ですが、炎では余計な危害を生み出してしまいます。
…鏡です!鏡なら持っていても不思議ではないでしょう?鏡に付与してあげれば良いのです!」

フフーン、名案でしょう、と少女は胸を張った。




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