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【予備スレ】異能都市予備用スレッド
1
:
名も無き異能都市住民
:2010/09/03(金) 18:54:57 ID:nt2rofAoO
【このスレッドは】
・このスレは、他のスレッドの『代用』として利用する、所謂予備スレです。
目的のスレが空いていない場合にどうぞ。
・例えば、雑談スレッドでの議論を、中〜長期的なものとする場合に雑談と分ける場合や、
イベントを行いたい時にイベントスレが全て埋まってしまっている場合など。
・このスレとしてのルールは『ありません』。
利用の際はその時に代用とする元のスレのルールに従って下さい。
・勝手な名無しが勝手に立てたスレなので、不要でしたら雑談ででも罵ってから削除依頼でも出してください。
もし不要だったら板汚しすみません。
2
:
◆4P0/.B83oU
:2010/11/13(土) 01:36:35 ID:FqpkYigM0
ひっそりとちぇき
3
:
名も無き異能都市住民
:2011/01/29(土) 23:25:46 ID:kQg/pa9Q0
なんの事とは言わないけどテスト。(1/2)
1:リ***
2:N***
3:バ*****
4:レ****
5:ヴ*****
6:リ***
7:N***
8:バ*****
9:レ****
0:リ*
4
:
名も無き異能都市住民
:2011/01/29(土) 23:26:39 ID:kQg/pa9Q0
なんの事とは言わないけどテスト。(2/2)
1:リ***
2:N***
3:バ*****
4:レ****
5:ヴ*****
6:リ***
7:N***
8:バ*****
9:レ****
0:リ*
5
:
名も無き異能都市住民
:2011/02/06(日) 20:08:00 ID:KE2UskXwO
てす
7
:
名も無き異能都市住民
:2011/04/18(月) 00:56:58 ID:6IfkJPTM0
専ブラバグ阻止用レス。
8
:
【イベント】鱗怪帝復活編最終章
:2011/08/07(日) 21:05:05 ID:3EaBc40s0
異能都市、港の倉庫付近。
観測局が取り囲む中で、また爆音が鳴り響いた。
「やれやれ、これで五体目だ。
一体何体居やがるんだ、この……蜂?の怪人は」
武装した観測局員が、足元に転がる黄色と黒の縞模様の腕を蹴飛ばす。
「大して強くは無いからいいものの……この様子だとまだまだ居やがるな。
なんてったって蜂だ。大方あの倉庫が巣って所だろうな」
先ほどから、観測局員は怪人が集まっているという倉庫付近に出没する怪人を倒しながら、戦いに参加する異能者を待っていた。
「中にいる奴にはばれてるんだろうな。
俺達が取り囲んでること」
「まあ、こいつ等倒したら爆発するから。
音でばれてるんじゃないか」
そう言って局員はレシーバーを取る。
「あー、募集かけた異能者達、まだ来てませんか?……まだだってよ」
「怪人が何か行動起こしてくる前に異能者達が来てくれればいいんだがな」
9
:
名も無き異能都市住民
:2011/08/30(火) 07:11:06 ID:WVrfsEdY0
長期になりそうなレスもこちらで可能になります。
10
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2011/11/25(金) 23:44:26 ID:WVrfsEdY0
【病院から一人の少女が出ていく。】
「変わんなかったな。お姉ちゃん…」
【…病室の窓をじっと見て微笑んだ】
「……強くならなきゃいけない。そうだよね。」
【そうつぶやいて、少女はまた外に向けて歩いて行く。】
11
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/27(金) 23:07:52 ID:WVrfsEdY0
【異能都市・箱庭システム内】
「さて…ようやく手に入れた本物の武器…」
【制服を着た少女は鞘に収まったサーベルと、実弾の拳銃を持っている】
「どれほどの威力になるかは確かめておかないといけませんね」
【緊張した顔つきで光り輝く力を送り込み始めた】
【威力がどれほどになるかを考えているようだ】
//戦闘歓迎
12
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/27(金) 23:32:09 ID:muCJEX0E0
>>11
そこにあの昨日辺りに聞いた音楽が聞こえてくる。
武器を預けた私立探偵の…。
「おんやぁ?、お譲ちゃん、こんなところで出会えるなんて
奇遇だね?」
13
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/27(金) 23:34:50 ID:WVrfsEdY0
>>12
「あ、あなたは昨日お会いした」
【気づいて振り向いた】
「こんなところでお会いできるとは思いませんでした。
ここがどういうところかはご存知ですか?」
【特訓のために持ち出してもらったもののようで、
鶫が持ち歩いていたアイテムがそこかしこにおいてある】
14
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/27(金) 23:39:05 ID:muCJEX0E0
>>13
「どうも、こんばんは。」
お辞儀をする。
「えぇ無論、事務所の近くにありましてね。
夜の散歩代わりに…ね。」
15
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/27(金) 23:42:45 ID:WVrfsEdY0
>>14
「確かにここは散歩に最適ですね。
いろんなところに行けますし…実際そう使われることもあったりするようですね」
【そういって軽く笑う】
「でもここにはもう一つ使い方があるんですが…
持ってるものを見たらなんとなくわかりますかね?」
【確かに鶫はその手に武器を持っている。】
「ちょっとここで力の使い方を試そうとしていたところなんです」
16
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/27(金) 23:45:48 ID:muCJEX0E0
>>15
「ふぅ〜む。」
防人の持っている物をマジマジと見る。
「能力によって出したものなんですかい?」
17
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/27(金) 23:47:33 ID:WVrfsEdY0
>>16
「えーっと。
一応自分の持っていたものなので、思えば持ってくることができますよ!」
【軽く微笑んでいった】
「もちろん効果は実物と一緒なんですよ
電子空間ですから本物は別の場所にあります」
18
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/27(金) 23:49:39 ID:muCJEX0E0
>>17
「ふぅ〜ん、思えば出せるのか。」
そう言うと、少し目を閉じる。
数秒立つと、右手に紅い鞭が現れる。
「なるほど、これは便利だ。」
実はこれは彼自身の能力の物でわなく少し頑丈な鞭である。
19
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/27(金) 23:54:15 ID:WVrfsEdY0
>>18
「なかなか便利ですよね?
もちろん、自分の所有物に限りますが」
【そういって笑う】
「ところで…どうです?
あなたもここで戦ってみたりするのは」
【鶫の顔つきが若干変わる。】
「まあ…簡単に言うと特訓の相手になってほしいなと思ってるんですよ」
【でもまた顔つきが普通ののほほんとした顔に戻る】
20
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/27(金) 23:55:39 ID:muCJEX0E0
>>19
「まぁ、そうだな。」
一応補足しておくが早見川にSMな趣味は無い。
……、多分。
「あぁ、構わんぜ。」
アッサリと了承する。
21
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/28(土) 00:02:59 ID:WVrfsEdY0
>>20
「それがあなたの武器ですか…
どんなものなのか…はこれからわかりますね」
【そういって軽く顔を上げる】
「わかりました。
念のため言っておきますが遠慮はいりませんよ」
【そういって拳銃を健治に向けた】
「ここでは死んでも外で復活しますからね。
まあ…痛かったりはしますけど」
【何やら拳銃に腕から光るエネルギーが流れ込まれていくのが見えるかもしれない】
22
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/28(土) 00:06:52 ID:muCJEX0E0
>>21
「フフ、あんまりレディには痛みを与えたくないんだがねぇ。」
諦めたように呟く。
「…。」
死んだら復活という言葉に顔を曇らせる。
(ここでは『本当の』死を迎えられない
だからこの鞭もなんら普通のものと変わりないな。
ま、防人さんが納得するまで相手をしようか)
と、思っていると拳銃の異変に気付く。
「へぇ、ビームガンみたいなものか。」
小さくつぶやくとその射線に当たらないように側転をする。
23
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/28(土) 00:12:15 ID:WVrfsEdY0
>>22
「いえ、どうぞお構いなく!」
【そういって拳銃をジッと向けようとする】
「まあ、初めてなので威力が心配ですけどね。
ひとまず…撃ちます!」
【そういって引き金を引くと】
ドガァァァァン!!
「うわぁあああ」
【すさまじい勢いの弾丸が発射され。健治の側面をかすめ飛ぶ】
【だが、地面に着弾した瞬間に】
ドゴォォォォン!!
【地面に小さなクレーターを作り上げるほどの爆発が発生する】
【健治は直撃を食らっていないのでさほど巻き添えにはならないだろうが、余波も凄まじいだろう】
24
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/28(土) 00:16:45 ID:muCJEX0E0
>>23
「ッ!」
その弾丸の威力を見た瞬間、顔が強張る。
(おいおい冗談キツくねぇか?
あそこまで威力があるって、まぁ切り札みたいなものか。)
そこまで考えると体に衝撃が来る。
「余波だと!?
チッ。」
舌打ちすると、鞭を振りあげて横に振る。
すると的確に自分に直に来る余波だけを落とす。
「お譲ちゃん、大丈夫かい?」
反動が凄いのか叫び声を上げた彼女に声を掛ける。
25
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/28(土) 00:22:04 ID:WVrfsEdY0
>>24
【撃たれたほうはどうやら無事で済んだようだ、発射した当人は】
「…いった…くっ…」
【何メートルか先で仰向けで倒れこんだまま体を震わせている】
【見ると、地面に少女が体を刷らせていったあとが出来上がっている。発射した時の反動がすさまじかったのであろう】
「か…完全に…見誤りまし…く…」
26
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/28(土) 00:24:08 ID:muCJEX0E0
>>25
「…、フゥ。」
呆れたように溜息をつく。
「大丈夫かいお譲ちゃん?」
そう言うと近付いて手を貸す。
27
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/28(土) 00:28:46 ID:WVrfsEdY0
>>26
「あ、はい…
世話をかけてすいません…」
【そういって健治の手を握り、ゆっくりと起き上がる】
「実物に使うのは今回が初めてだったので…
力の調節を…間違えたみたいです…いたた…」
【背中を痛そうにさすりながら言う。制服もところどころが裂けてボロボロになっている】
28
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/28(土) 00:36:53 ID:muCJEX0E0
>>27
「ふ〜む、それじゃこれからは
その力のセーブ方法を鍛えなきゃならんな。」
そう言うと鞭が消える。
「ま、なんにせよ、これは人に向けて撃つのは危険すぎるな。
今はただ、威力の調節をしたほうがいいだろう。
それに見た所撃つまでの硬直が威力によって違うみたいだし。」
あくまでラストの文は個人的見解である。
29
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/28(土) 00:39:22 ID:WVrfsEdY0
>>28
「そうですね…
おもちゃの武器で使ったときはこれくらいで何とかなったんですが…」
【そういって拳銃をジッと見る。あれだけの威力の球を打ったにもかかわらず拳銃は何ともないようだ】
「ああ、タメ時間によって威力が変化するんです。
そんな感じですから…
タメ時間を短縮できるというくらいの認識で今はいいでしょうね」
【そういってうなずいた】
30
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/28(土) 00:46:00 ID:muCJEX0E0
>>29
「ジョジョのスタンドのエンペラーの威力増強版っぽいな。」
…、あっちは弾道も変えられるんだが。
「それじゃ、これからはタメによる威力の確認をしんきゃならんわけだ。」
31
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/28(土) 00:48:47 ID:WVrfsEdY0
>>30
「なるほど…あんな風なものと考えればいいんですね」
【納得しているようである】
「そうですね。
威力を確かめていかないといけませんね。
あるいはこっちのほうがまだ安全でしょうかね」
【傍らには鞘に収まったサーベルが置いてある】
32
:
早見川 健治
◆5s2/gBPZGA
:2012/04/28(土) 00:56:10 ID:muCJEX0E0
>>31
「ま、ものは考えようだ。」
「ふむぅ。」
今度はサーベルをマジマジと見るが。
「おっとすまん、現実世界で電話が入った。
だからこのへんでお別れだ。」
名残惜しそうに言い放つ。
「それじゃ、アディオス!」
そして、システム内から彼はいなくなった。
//すみません!、まさかのパソコンのバッテリー切れが近い状態なので
//この辺で終わらせます、それでは。
33
:
防人 鶫
◆My6NsjkSfM
:2012/04/28(土) 00:58:29 ID:WVrfsEdY0
>>32
「そうですね。
もっといろいろ考えてみます。」
【そういってほほ笑んだ】
「あ、そうですか。
ではまた一緒に戦いましょうねー!」
【大きく手を振りながら見送っていった】
「もうちょっと試してみますか」
【鶫はしばらくの間特訓を続けていたようである】
//お疲れ様でした
34
:
神無 鏡華
:2012/05/09(水) 22:35:12 ID:dL8H4NjE0
「…………」
ぼーっとしながら鎌をくるくると回す。
人気の少ない通り、神無 鏡華はベンチに座って暇を持て余していた。
「……はあ」
右手で回し、左に持ち変えて軽く振り。
感覚を失わないための手の運動なのだろうが、みていてかなり危ないものがある。
35
:
八代真人
:2012/05/16(水) 23:50:17 ID:1sJsd2CgO
【図書館】
およそ正午、昼休みの頃合い。
書庫棚に挟まれた狭い空間、背表紙を視線でなぞる極めて平々凡々な男がいた。
このメガネ、名前は八代真人。
無期限の暇を出され、ここのところは仕事の忙しさと無縁な暇人である。
「……何が面白いのか、全く見当が付かない……」
小脇に二冊の本を抱え、壁のように聳え立つ国内外のあらゆる文庫本を前に表情は固い。
先程から小一時間、どれにするか決めかねている。
(……あくまで形式は“ついで”だ。とはいえ、この選択はそれなりに重要だよなぁ)
真人が手にしているのは、地図とガイドブック。
『よろずの地図出版第二十七版 パーフェクトシティーマップ』
『神出鬼没の神社百選』
それぞれこんなタイトルである。
36
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/21(月) 22:24:31 ID:7gFzKdaU0
箱庭、荒野ステージ。
「――せ、ェいッ!」
そんな声と同時に、轟音が冷気漂う荒野に響き渡った。
何かの砲撃音かのような音の出処には、一人の少女。
動きやすいカーキ色のツナギ姿で、血と錆鉄の中間地点の赤毛と浅黒い肌が目立つ。
体格のみを見れば、平均よりも遥かに小柄な部類、若い。
「……ぬ、とりゃぁーッ!」
また、虚空に向かって蹴り足を叩きこむ。
その瞬間、ばごぉん、と何かが射出されるかのような音が続き、大地が震動した。
少女の姿でこそあるが、その力は重機とおそらく大差ない、そう言って仔細無い筈だ。
その少女は暫くして疲れたのか、座り込んで息を荒げていた。
大の字で岩の上にねころび、星空を見上げて、おもむろに口を開く。
「――――うーん、わたし、凄い強いとは思うんだけど。
扱いきれてないのかな、わたし、わたしの力」
うぬぬ、と悩みながら、瓦礫だらけの荒野で、一人少女は己に埋没しているのであった。
37
:
名も無き異能都市住民
:2012/05/21(月) 22:40:11 ID:SSMHlh/20
>>36
――『黒沢小百合』さんがログインしました。
機械的な女性のアナウンスがふいに荒野に響き
渦を巻くように、赤土が巻き上がる。0と1のデータの奔流が一箇所に集まり、
ほんの数秒で、一人の女性の姿を形作った。
オリエンタルな雰囲気の腰まで届くような黒髪。
切れ長の瞳と、完璧に仕立てられた黒いスーツ。
千夜グループの都市警備主任、黒沢小百合その人だ。
「……ふむ。人はいないようですね。」
静かな夜の荒野。
ドーラが寝転んでいた事もあってか
誰も居ないと勘違いしたようで、手持ち無沙汰に辺りを見回している。
38
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/21(月) 22:47:11 ID:7gFzKdaU0
>>37
「わっちゃ、人が来た」
そんな、脳天気な声が相手の背後から投げかけられる。
後ろを向けば、砕かれた岩の群れ、その中でまだ形を残している岩の上に座る少女が居る。
とん、と降りて、むー、と双眸を相手のほうに向けて。
「とりあえず、こんばんは?」
と、なんとも気の抜けるような態度で少女は挨拶をしてきた。
悪意の類はなさそうであるが、少女からは異能の気配とはまた異なる、人ならざる者の気配が有る。
もっと掘り下げて言えば、戦場そのものがそこに居る様な気配が有った。
頭を下げて頭を上げると少女は。
「そんな動きづらそうな格好で、鍛錬でもしに来たの?」
何となく気になったのか、気楽な様子でそう問いかけてくるのだった。
39
:
黒沢小百合
:2012/05/21(月) 23:03:50 ID:SSMHlh/20
>>38
「おや、人がいましたか……。」
ドーラの声に気づき、そちらへと体を向ける。
破壊跡と、年端も行かぬ少女と言う一見、不似合いな組み合わせも
この都市では日常的にこなれた物。
特に、小百合のような戦闘を生業とするものにあっては。
(ふむ、異能者ですか。
なるほど。それなりにやるようですが……何より。)
――何より、雰囲気が違った。
鉄の匂い、火薬の匂い。焦げ付く血と、火と、煙の匂い。
なんとも心地よく、また日常に近いソレ。なるほど、この少女は
私と同類であるらしいと、小百合は一人笑みを零した。
「ええ、鍛錬を怠ると異能と言うのはすぐに鈍ってしまう。
その様子では、あなたも鍛錬していたのではないのですか?」
40
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/21(月) 23:11:17 ID:7gFzKdaU0
>>39
相手の問いかけに、苦笑を浮かべる。
首肯を返して、己の右腕を握りしめて、ひゅひゅ、と何度か突きを繰り出す。
その動作は、我流の流れも有るが、その根底には戦場での対人格闘が見え隠れする。
「ん。忘れてるもの、薄くなったものを取り戻したくてね。
だから、わたしはわたしをいじめ抜いていたんだ。――と言っても、まだ、なんとも言えないんだけどさ」
屈伸して、ふぅ、と息を吐いて。首を鳴らしながら回して、伸び。
自然体が崩れないのが、この少女の一番の美徳で長所だろう。
すんすん、と鼻を鳴らして、得心する。
「お姉さん、アレでしょ。軍人とかそういうタイプの人でしょ。
このドーラちゃんには分かっちゃうんだな、ふふふん」
ずばり、と言いながら指を指す少女。
悪意は無いが、相手が同類だということに、この少女もまた気づいていた。
41
:
黒沢小百合
:2012/05/21(月) 23:26:55 ID:SSMHlh/20
>>40
「薄くなった物……それが何を意味するかは
あえて聞かないでおきましょう。しかし、それは恐らく鍛錬によって
達しえる物とは、少し違う。」
実戦と訓練にはそれこそ、雲泥の違いがある。
両者それぞれ、得られる物には違いがあり実戦でのみ
磨かれる形容しがたいなにかがたしかに存在するのだ。
「軍人、とは少し違いますが……。
まあ同じような物でしょうか。」
戦いのにおいを感じ取った少女。
なるほど、やはり尋常の異能者ではない。
42
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/21(月) 23:35:53 ID:7gFzKdaU0
>>41
「うん。そりゃ、当然わかってるんだ。
どうすれば、取り戻せるかは答えがあってね、だから、誰かが来るのを待ってたんだけど」
少女の発する戦場の気配が、増して行く。
銃撃、硝煙、血、叫び、熱、痛み。それらが、発露していき。
それを、少女は理解していて、おそらくその感覚を取り戻し、見つめることが今の己に必要だとも分かっていた。
「――――ん、でさでさ。
お願いがあるんだけど、鍛錬しに来ているみたいだし、どうせならわたしと戦わないかな?
これでもそこそこ歯ごたえはあるし、良い相手にはなると思うよ?」
と、笑みを浮かべながら、少女は相手に戦闘の誘いを持ちかける。
両の腕に、両足には銀色の具足が装着されていた。
43
:
黒沢小百合
:2012/05/21(月) 23:47:23 ID:SSMHlh/20
>>42
「よろしい。」
その言葉を待っていた、とでも言うように。
吊りあがった口の端から、獰猛に歯を覗かせる小百合。
その艶やかな黒髪は静電気を浴びたかのように、ぞわぞわと逆立っている。
「……少し、遊んであげましょう。
後でくれぐれも、泣き言など漏らさぬよう。」
小百合にとっても、久方ぶりの訓練。
この高揚感と、何も気にせず思い切り能力を振るう際に感じる、
心臓の昂ぶりは何度感じても良い物だ。
「……さあ、どこからでもどうぞ。」
無防備に見せかけ、手には確りと己の武器たる『紙片』を握りこむ。
攻撃、防御、奇襲、迎撃。ここからどのように展開させるかはドーラの出方しだい。
44
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/21(月) 23:59:29 ID:7gFzKdaU0
>>43
「当然」
短く応えて、ドーラは息を吸う。
相手を見据えた時点で、違和感に気がつくだろうか。
その違和感は、ドーラが口を開いた時点でその理由を現出させる。
『――――我が名はレギオン、我らは大勢であるが故に』
声は、おそらく数百人分が重なっていた。
数百人分の声が、同時に一つの口から響き渡り。
身体から、エンジンの音が響き、全身が軋む音が続き、ドーラは一歩を踏み出し、姿を消した。
轟音。
足元が粉微塵に粉砕され、ドーラは頭上に居た。
頭上でドーラは両の腕を振りかぶり、振り落とす。
途端、手元で魔方陣が展開、そこから絨毯爆撃の様に燃焼する魔弾が射出されていく。
ドーラを構成するのは、死に絶えた一個連隊、その残骸の魂たち総勢500名と少し。
だが、異形と化した身だからこそ、連隊でなければ運用不能な彼女を駆動させることが出来る。
故に、ドーラを相手にする場合は、精兵集う大規模な中隊を相手にする覚悟が必要だった。
45
:
黒沢小百合
:2012/05/22(火) 00:18:06 ID:SSMHlh/20
>>44
「レギオン、この私の前で
その言葉を呟くか。面白い小娘だ事……!」
口を歪め、興奮にややうわずった声を漏らしながら
手に握りこんだ紙片の一つを具現化する。選んだ行動は、防御。
――ドガァッ、ガッ、ドゴォォッ!!!
ドーラの目測より、幾分か上で起こる爆発、そして崩落音。
小百合を守るように聳え、魔弾を受け止めたのは東ローマ帝国の偉大なる守護者。
『コンスタンティノープルの三重防壁』であった。
「まずは、『対等』の条件として地に下りていただこう。
ククッ……面白い事になるぞ。きっと面白い事になるぞ。」
爆炎が晴れると、城壁の至るところから無数の兵士が現れる。
といっても、その装束は現代の戦闘服などではなく中東風の古風な物。
「さあ、落せ。羽虫をl叩き潰すようにだ。」
彼らはオスマントルコ帝国イェニチェリ軍団。
当時としては最新鋭の兵器であった大砲、そして銃で武装し
永遠に続くかと思われたコンスタンティノープルの繁栄に終止符を打った精鋭どもだ。
――バババババッ
当時の技術では、精密な狙撃などは望めない。
しかし、本当に脅威なのはその圧倒的な『数』。小百合の真骨頂である、
圧倒的大多数による、圧殺こそ初期の『銃』の運用法である。
ドーラは、この無数の鉄のつぶてを回避する事ができるだろうか。
46
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/22(火) 00:32:23 ID:7gFzKdaU0
>>45
「――――駆動、開始。術式展開。
教えてあげるよ、どんだけ数が多かろうと、絶対の個の前には全てが吹き飛ばされるってことをさ!」
己の中にある、兵器の記憶を呼び覚ましていく。
そして、己に渦巻く鉄の中から、ある物を組み上げ、魔方陣を展開。
召喚の陣となるそこから射出されるのは――巨大な鉄の塊の様な物。
その名、V2ロケット。
世界初の軍事用液体燃料ロケット、である。
当然、粗悪だ。現在使用されている軍事ミサイルに比べれば雲泥の差。
当時に於いても、その着弾率の低さも、コストも有り、性格な射撃など不可能であった。
だが、音速を超える速度で迫り、破壊を齎すそれの恐怖は、既存兵器のそれとは遥かに違うものであった。
相手が数を並べてくるのならば、此方は数を持って個を運用する。
絶対のスペックを持つ兵器を持って、数などを物ともせずに戦場を蹂躙するのだ。
それこそが、ドーラの存在の本質。その名が示す兵器の在り方。
「発射――――!」
V2ミサイル、軍団に向けて射撃。
当時の銃で、ミサイルを落とすことが、出来るだろうか。
目標地点は軍団の中心地点だが、軌道がそれ右に向かって軌道はずれて飛翔していくことだろう。
47
:
黒沢小百合
:2012/05/22(火) 22:41:57 ID:SSMHlh/20
>>46
「V2?まさか、この私と同じタイプの――。」
――ドガァアァッ
V2は城壁上に展開する部隊左翼部に対して着弾。
爆発によって近辺の兵士ごと城壁を抉り飛ばした。
レギオン
「近代兵器を使うというなら、『ローマ軍団』では少し分が悪いか。
ならばこちらもそれなりの物を持って相手せねばなるまい?」
小百合は、展開した城壁だけを残しイェニチェリ消し去ると
ある意味では『武器庫』とも言える書物の切れ端を無数に仕込んだ己の袖口へと、
指を滑り込ませ、その中からよどみなく一枚を取り出す。
「ボリス・エリツィン曰く『銃剣で王座に長くは座れない。』
絶対の個など存在しないことは歴史が証明している。
それが『力』によってであるならば、なおさらの事。」
ルフトバッフェ
新たに具現化せしは、第三帝国誇る『大ドイツ空軍』から女王を守り抜いた、
ロイヤルエアフォースの主力戦闘機――『スーパーマリン・スピットファイア』。
機体側面のラウンデルも特徴的な傑作戦闘機が、
雲霞の如く、ドーラへと攻め寄せる。少しでも動きを誤まれば
マウントされた8門の7,7mmの餌食となるだろう。
48
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/22(火) 23:45:39 ID:7gFzKdaU0
>>47
ショートカットの錆鉄色の髪が、爆風でかき乱される。
その中で、ドーラは地上に降り立ち、相手を真っ直ぐと見据えてみせた。
火力こそが己の本分。その本分を発揮してこその己である、そう言っていた。
「――――わたしの火力、舐めないほうがいいんだから。
……熱が回ってきた、良い感じ。そろそろ、おっきいの打てるかな?」
腕を回して、深呼吸しながら。
ごうん、ごうんと周囲の空気をドーラはかき回す。
相手の言葉にドーラは苦笑。そして、具現化されるそれを見て、驚きの表情を浮かべ。
「――知ってるさ、わたし達の国は、だから負けたんだから。
だけど、わたし達は勝つよ、それだけの話だもん」
術式を展開していく。
己の中の炉で火を燃やし、魔方陣を展開していく。
相手の其れとは、術理も理論も根っこから違うが、似ているようにも思える力。
一面に、数基の魔方陣が出現、そこから砲塔が飛び出し、陣の中で魔弾を生成。
ドーラの炉は、着火し、魔弾は天へと射出される。
「8.8 cm FlaK 37 ―――― Acht-Acht[アハト・アハト]が迎撃してあげる」
大口径、そして後の世の高射砲の原型となった高射砲。
クルップ社の、FlaK37、アハト・アハト。
中に篭められ射出される砲弾こそ、魔弾であるがその破壊力には何ら遜色は無い。
5発の魔弾は、天より迫る癇癪持ちを撃ちぬくために――飛翔した。
49
:
黒沢小百合
:2012/05/23(水) 00:04:14 ID:SSMHlh/20
>>48
「……フン、やはり頭の足りぬ小娘。
結局は己の武力のみに頼る猪武者にすぎん。
どれほど威力が大きかろうが、貴様がいくら私の部隊をなぎ払おうが……。」
魔弾は空を焼く。
しかし、威力がいくら大きかろうが結局はたった一基の高射砲に過ぎない。
Flak37は分あたり18発の砲弾を吐き出す事が限度であり、それらを全て命中させたとしても
四方八方から迫るスピットファイアを全て叩き落すには到底、至らない。
「私の部隊は無尽蔵。
防戦一方では、なあ……?」
銃弾の嵐。
7.7mm弾とはいえ、人体に当たれば容易に命をもぎとりうる。
それが一機辺り8門装備されているのだから、吐き出される弾幕は最早
人の形を持つドーラにかわしきれる物ではない。
50
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/23(水) 00:16:53 ID:7gFzKdaU0
>>49
「――――そうだねぇ」
ひときわ大きい轟音と同時に、巨大な魔弾が天へと舞い上がる。
銃弾の嵐も、砲弾としてのコートを受けた状態であれば、速度による弾きと相俟って、致命傷を防ぐことが出来る。
そう、射出したのはドーラ本人。ドーラは、スピットファイアの真上を取った。
「わたしの魔弾は、砕けず砕く。撃たれず撃ちぬく。
――――発射」
空中でドーラは空気を蹴り、足に魔方陣を展開。
同時に、地上で高射砲が10基展開され、一気に射撃を開始。
ドーラはカール自走臼砲の砲塔を再現する術式からから己を射出。
凄まじい推進力を発揮しながら、自己を魔弾として小百合に向かって飛翔していく。
ここまで、現実の兵器の再現を見せていたが、本領はここから。
ドーラの本領は、兵器の運用でもなんでもなく、高威力の『砲撃魔術』。
小回りこそ効かないが、火力と直線的速度に於いては現代兵器にも遜色ない。
身体の表面からは、次第に赤黒い火の玉が出現していっており、死臭が当たりに満ち始めていた。
拳を振り被りながら、音速に近い速度で相手へと接近していくドーラ。
小さく速いそれを、射撃によって捉えるのはそうそう出来ることではないだろう。
51
:
黒沢小百合
:2012/05/23(水) 00:57:57 ID:SSMHlh/20
>>50
「ククッ、やはりだなあ……!
大抵、私を相手にした者はやぶれかぶれか……
それとも、本体を叩けばいいという思考で私へと向かってくる。」
そう、小百合の言葉どおり
小百合と対峙した相手は雲霞と現れる軍団・兵器に業を煮やし、
その元凶である本体を遅かれ早かれ、潰しに掛かってくる。
ゆえに、小百合側としてもそこは狙いどころ。
軍団を瞬時に出現させられるという性質上、迎撃や伏兵も容易なのだ。
「この我が軍団の中を、どこへ逃れる?
どこへいこうというのか?どこにも行けんさッ、小娘なんぞになァ!」
ドーラの行く手を塞ぐは、空に浮かぶ銀色の要塞。
『B-17フライングフォートレス』爆撃機の編隊であった。
密集隊形をとったこの機はまさに要塞。
圧倒的な防衛火力と、装甲をそなえるこの機への生半可な攻撃、
および接近は戦闘機であっても死を招くだろう。
さらには、編隊の中にはB-17を改造し、機動力を犠牲にさらなる防衛力を増強した
『YB-40』護衛爆撃機が編入されており、さらなる防衛力を獲得している。
常軌を逸した弾幕の海に、ドーラは飲み込まれていく。
52
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/24(木) 21:27:48 ID:7gFzKdaU0
>>51
「――だって、本体を叩けばいいなら、そうすればいい。
猪武者なのには理由がある。『それで全く問題がない』からなんだから」
眼前に出現した、巨大な要塞群。
だが、物怖じはしない。それらに勝つ事が出来る存在こそが、能力者なのではないだろうか。
相手は、個を全体よりも弱いと断じていた。だが、相手には、矛盾が存在している。
その全体の力を誇示するのは、相手個人の力に因るものだということを。
多の力で全てを蹂躙するが、その多を生み出しているのは、間違いなく個。
個人に収束し、個人から発露しているのは、間違いないのだ。
弾幕の海の中で、肉を千切られ、骨を砕かれながら、思考の海に埋没していく。
揺蕩う――――朧げに、数百の意思に千切れて、そして数百が己と認識する。
額部が粉砕され、腐肉が飛び散り、黒血が垂れ流される。
その中で、穴の開いた喉笛から、空気が漏れだした。
「我が名は――――――レギオン」
声と共に、呪いが渦を巻き、腐肉の肉片、ミンチの中から。
無数の瞳が、要塞群を居抜き、そして――――〝取り憑く〟。
相手の意志による抵抗、または能力の解除を持って、憑依については抵抗できることだろう。
だが、機体が多ければ多いほど、『彼ら』はその力の本質を発揮する。
軍団、集団に取り憑く事。豚の群れを自害させたように、相手の力を御し、相手を自害させる力。
徐々に、一部の機体の弾幕が、相手へと迫っていくだろう。
そして、その一部は、相手の制御が効かない形となり、乗っ取られていく事も分かるはずだ。
同時に、爆撃機の上部に、朧げだが、一人の少女の姿が形成されつつあることも。
「…………ッ、っは、……ァ。死んでるのに、死ぬかと……!
後一発、あと――――一発だけ、だけど。……撃たなきゃ」
空間の裂け目を展開、魔力を練り、ドーラはその存在感をじょじょに強めていくことだろう。
53
:
黒沢小百合
:2012/05/24(木) 22:56:57 ID:SSMHlh/20
>>52
小百合の具現化した爆撃機群が、
ただの異能によるものであったなら、憑依は容易であったろう。
しかし、今回ばかりはいささか様子が違う。
「ふむ、異能によるコントロール奪取というわけか?
しかしだ。それは私の心を。精神を屈服させるという事だ。
私は、魂の戦いですら負けては居ない。」
そう、この一つ一つは小百合の『精神』の断片――。
彼女の意思と思考を糧として動く、いわば『意思』の塊であるのだ。
そして、小百合が弱っている時ならまだしも精神的にも、肉体的にも十二分に健在な
現状で、こうした攻撃を仕掛けてしまった事。
それらは、いずれもドーラのマイナスとして働くだろう。
「『魂を私から奪うことはできない。』、
貴様にマルティン・ルターの言葉を送ろうッ!」
奪い取る事のできる機体の数は予想以上に少ない。
――――いや、少なすぎる。
次々と、具現化される『新手』。そのど真ん中で、憑依、形成。
このままでは、自ら墓穴を掘った形で終わる事もありえる。
54
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/24(木) 23:22:05 ID:7gFzKdaU0
>>53
意思の塊とのぶつかり合い、だが、ドーラは笑う。
不敵に。窮地だからこそ、笑う。絶望しては、勝機など見えない。
僅かにも、一手でも。ドーラは筋を探すために動いている。
「――――ぐ、ッ…………!
ふ、ふふ……、ま、だだ。まだ、まだ、まだッ!!
ドーラ列車砲、砲塔――――形成ッ!!」
空間の裂け目から生まれ出ずるのは、巨大、長大な砲塔。
マイナスなど、一手でひっくり返してみせると言う、ドーラの鬼札。
奪取した、僅かな機体は、ドーラを隠すように動き、弾幕の海に飲み込まれていく。
僅かな間、そうして、砲塔の中で魔弾が装填、整形されていく。
奪取した僅かな機体も落とされ、再生しつつ有った肉も千切れ始める。
だが――――分かるだろうか。
肉を削ぎ、骨を砕く度に、負担が重なる度に、砲塔に篭る魔力が増大していくことが。
旧世代の遺物、破壊力に特化しすぎた時代遅れの兵器。
錆びついたそれは、血を浴び、魂を吸い、呪いの兵器として、そのあり方を誇示している。
「死んだ後でも、生き続けたい。――結局の所、わたしたちは、それ。
死ねない、死にたくない、まだ何も成していないのに、何も守れていないのに、救えていないのに。
なのに、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ。だから、だから――――我らの魂は、未練がある限り不滅。
不滅の魂を燃料とする兵器の力を、貴様の前に開帳しよう」
命なき身体を砕き、魂が四散していく中で。
ドーラは、砲塔を操作し、小百合にその砲塔を向けた。
中に渦巻くのは、鋼と焔を骨肉と鉄血で押し固めた、魔弾。
弾幕で、右半身が吹き飛んだ状態で、一矢報いるために。
半壊した身体にむち打ち、声を張り上げる。
「80cm cannon 〝Dora〟 ―――― 発射ァッ!!」
轟音と同時に、魔弾は射出された。
砲身長28,9m、その長いレールの中を渦巻く魔弾が駆け抜ける。
距離も、命中率も問題ではない。当たれば、当たった場所もろとも全てを吹き飛ばす。
都市区画一つを粉砕する威力は、魔弾を以て更に助長。
人間一人に撃つには無用の長物とも言える威力は、だが相手にとってはむしろ丁度いいか。
一軍を相手にしているも同然な相手、そして堅牢な砦に守られているも同義の相手を倒すには、コレ以外には無い。
黒の魔弾は ―――― 小百合に向けて飛翔。
間に何かを召喚しても、それを粉砕しながら迫っていくことだろう。
55
:
黒沢小百合
:2012/05/24(木) 23:54:07 ID:SSMHlh/20
>>54
「むッ――。」
ドーラを取り囲み、滅多打ちにする航空機群は、
先ほども述べたように、小百合の魂の欠片。言わば移し身にも等しい。
それらから、ドーラが何をしようとしているのか。何が形成されつつあるのか。
情報が、小百合へと滂沱の如く流れ込んでくる。
「ほう……面白いな。
やはり、貴様と私の能力は『とても似ている』……。」
にちゃあ、と音を立てて小百合の口の端が吊りあがり、
さながら狂気じみた喜色が、その美しい顔を醜悪に染め上げる。
相手の思考は、やりたい事は読めた。
――どうしてやろうか。
勝ち誇った小百合の思考は、
既に相手を『どう嬲り殺すか』へとシフトしており、その答えとして。
「……何も、ソレは貴様だけの専売特許ではないのだ。
似たような能力。クク、いや『同じ』と言ってもいい……。」
さながら煙突のような永い砲身。
そしてそれをサポートする、無数の人員が蠢く。
――『80cm列車砲』。
その醜悪な考えの元。事もあろうに、小百合はドーラの同型を具現した。
黒の魔弾を、もう一つの魔弾が迎撃する――。
56
:
ドーラ
◆NSEW/xeQlk
:2012/05/25(金) 00:00:56 ID:7gFzKdaU0
>>55
「舐めるな。――――即席、即興の同型に。
磨き上げられ続けてきた一発が、負ける道理など有りはしないッ!」
目の前で形成された列車砲、そして、その魔弾を迎撃するための魔弾を見て、鼻で笑う。
ぶつかり合う、二つの魔弾。食い合い、打ち合い、ぶつかり合い。
砕ける事に再生し、再生する事に砕け散り、拮抗。
だが、拮抗を破り――小百合に向かい、魔弾は迫っていくものの。
半ばで霧散、その形を崩してしまう。
「――――……ムカつくね。
今度有ったら顔面に右ストレートで左フックでハイキックだ」
形を失った少女の言葉が、どこからか響きわたって。
ドーラは、この箱庭から姿を消していったことが感覚で分かるだろう。
要は。この勝負、小百合の勝利であった。
57
:
高向谷 司朗
:2012/05/30(水) 23:11:22 ID:NntjvIzM0
【箱庭 昼の荒野フィールド】
「……中々、能力が進化しないなあ。
こういうのって筋トレとかしないと駄目なのかなあ?」
司朗は荒野のど真ん中で、立ったまま瞑想をしていた。
「なあ、どうなの?」
「残念だが知らないな。
邪気眼という能力は個性が強すぎる、それこそ人それぞれではないのか?」
腰にぶら下げたエンブレムの声を聞いて、司朗は唸って荒野に倒れた。
「……必然性が無いのかなあ。
必死さというか……」
58
:
クラウス・ハインツ・フォン・シュミット
:2012/05/30(水) 23:23:26 ID:IrsgDsYs0
>>57
半分が空になった一升瓶を右手に、トランクを左手に歩いてくる男が一人。
「おう、そこの青年。能力の強化を望むのか?」
どうやら話を聞いていたようだ。
「うじうじ考えてねェで、経験を積むのが近道だ…俺の経験上はな。」
酒瓶を呷った後、ずいと司郎に近づく。
かなり酒臭いだろう。しかし微塵も酔ってはいない。
「どうだ、俺と一丁バトってみるか?はははははは!」
陽気に笑った。
妖気に笑った。
59
:
高向谷 司朗
:2012/05/30(水) 23:27:59 ID:NntjvIzM0
>>58
「……バトる?」
司朗はガバッと起き上がった。
「……グッド!
そういう安直なのは俺、大好きだ!
いいぞ、やろう!」
クラウスに向かって親指を上げた。
そして、早々に構えを取る。
ノリノリのようだ。
「俺は"気流眼"の司朗。
高向谷司朗だ!アンタは?」
拳をクラウスに突きつけて、問うた。
60
:
クラウス
:2012/05/30(水) 23:42:49 ID:IrsgDsYs0
>>59
「俺の名はK.H.Schmidt.ドラゴンだ。」
突き上げた右腕が金色の鱗に覆われ、すぐに元に戻る。
酒瓶に栓をしてトランク(かなりの数の酒瓶と金のインゴットが入っている。重そうだ)をその辺に投げる。
「お先にどうぞ!」
ひとっとびで後ろに20mほど距離をとると、その場で仁王立ちになった。
61
:
高向谷 司朗
:2012/05/30(水) 23:51:07 ID:NntjvIzM0
>>60
「ドラゴンかあ……」
ちらりとエンブレムに目をやった。
(……まっず、いきなり距離とられちった。
なあ、今日は何発?)
「三発だ」
司朗はヒソヒソとエンブレムに話しかける。
「なら一発ぐらい良いか……。
いきなり大技いくぜ!」
エンブレムを腰から外し、クラウスに向けて突き出した。
次の瞬間、エンブレムの周囲に四種類の紋章が浮かび上がる。
ドラグブラスト
「食らえ……竜震裂!」
四つの紋章の中央から、凄まじい竜巻が噴出した。
その威力は、岩すら引き裂かれてしまうほどの旋風刃の塊。
竜震裂――司朗の現在持つ竜道術の中で、最大であり唯一の攻撃技であった。
62
:
クラウス
:2012/05/31(木) 00:00:27 ID:IrsgDsYs0
>>61
「やっべ、でか過ぎる…」
チタン合金すら凌ぐ強度を持つ鱗を以てしても、正面からぶつかってはただでは済まないだろう。
経験がそう言っている。
「南無三!」
全力で走り、竜巻に逆らわぬよう…気流に半ば乗るように走る。
「ぐぅ…厳しいな、コリャ。」
浅くない切り傷を負いながら、弧を描いて司郎に接近する。
63
:
高向谷 司朗
:2012/05/31(木) 00:05:24 ID:NntjvIzM0
>>62
「っしゃ、まずは一撃!」
幸先の良いスタートに、ガッツポーズ。
そして、そのまま突き上げた拳を横に振りぬいた。
「そして、気流眼発動!
気流眼の結界!」
司朗の邪気が、空間に染み渡る。
これにより、大きな気流の動きは全て司朗に感じ取られてしまう。
簡単に言うと、司朗の回避能力が上がり、隠れても動き回っていればばれるということだ。
隠れる場所は無いのだが。
司朗はカウンターを狙い、接近してくるクラウスに拳を突き出した。
64
:
クラウス
:2012/05/31(木) 00:19:55 ID:IrsgDsYs0
>>63
数百ガロンの血を持つクラウスにとって、失血という概念は無いに等しい。
しかし、何ヶ所かの骨格筋をズタズタにされ、肉弾戦闘能力は大きく落ちた。
「結界…シールドの類か?」
完全に読み違えている。
「なら、力技で叩き割るまで!」
右腕が竜のそれに変わり、頭を吹き飛ばそうとする。
カウンターには気付いているようで、打ち込まれる寸前に鱗がそれを防ごうとするだろう。
65
:
高向谷 司朗
:2012/05/31(木) 00:31:40 ID:NntjvIzM0
>>64
「……!?
不味い……!!!」
クラウスの腕が目の前まで迫り、司朗は気流眼によってその攻撃の威力を知った。
司朗はカウンターを諦め、必死に横に避けようとする。
「ぐ……ぎゃあああああ!!!」
確かに直撃は避けた。
しかし、肩の一部と耳を持って行かれる。
鮮血を撒き散らしながら、司朗そのものはその余力で吹き飛ばされた。
吹き飛ばされながら司朗は、自分から噴出す鮮血を見ていた。
「……!」
そして、司朗は地面に叩きつけられる。
奪われた右耳を押さえつけ、司朗はそれでも立ち上がった。
「……さ…すがドラゴンだ……いてえ、いてえよ……!
だが諦めねえ……見えた……一瞬、俺の血で……」
司朗は呟いた。
「だがまだ足りない……。
そいつを掴むまでは諦めねえ!」
司朗はそう言って、クラウスに向かって左足での蹴りを敢行する。
66
:
クラウス
:2012/05/31(木) 00:39:55 ID:IrsgDsYs0
>>65
「浅かったか…」
すたっ、と降り立とうとするが
どこかの筋肉がいかれているらしく、膝立ちで止まった。
「痛っ…」
状況を把握する間もなく、胴体を抉りにくる左足。
なんの対応もできず、内蔵のいくつかが潰される。
「がっ…」
まともに声も出せず、そのまま宙に舞った。
67
:
高向谷 司朗
:2012/05/31(木) 00:47:23 ID:NntjvIzM0
>>66
「どうしたドラゴン、そんな程度か……?」
司朗はクラウスを挑発した。
そう、司朗は自分を追い込もうとしていた。
「クラウス、右耳だけで満足か?
首ごと食いちぎったらどうだ、なあ……!」
クラウスが与えた傷はただ一つ。
しかし、それは大きすぎ、司朗は血を流しすぎている。
さっきの攻撃すらまともに食らえば一撃で死んでいた。
68
:
クラウス
:2012/05/31(木) 00:56:51 ID:IrsgDsYs0
>>67
「喰いちぎる…か。
元の姿に戻っても良いということか?」
冗談である。
そんなことしようものなら、丸飲みの方がいくらか近くなってしまう。
「まぁいい。はたして避けられるかな?」
口が開き、火球が真っ直ぐ司郎めがけて飛んでいく。
回避されようとも、地面にぶつかればその場で爆発を起こすだろう。
69
:
高向谷 司朗
:2012/05/31(木) 01:04:06 ID:NntjvIzM0
>>68
「そんな物、気流眼の前では無意味……!」
大口を叩き、司朗は火球を避けようとする。
確かに、気流眼ならばその熱の塊も読めたであろう、しかし、司朗は体力を消耗しすぎている。
火球は司朗の背中をかすめ地面に衝突、同時に爆発が起こり、司朗は吹き飛んだ。
「……見えた……これだ……!」
爆炎による砂埃を見て、司朗は笑った。
「気流眼……!」
大気に邪気が満ち、爆風が周囲に拡散する。
気流眼が、爆風の流れを変えたのだ。
「気流を……操れ……!」
熱波がクラウスと司朗を飲み込んだ。
70
:
クラウス
:2012/05/31(木) 01:13:25 ID:IrsgDsYs0
>>69
竜の状態であれば、屁でもなかったはずの熱波。
「ぐっ…ああああああああ!!」
しかし人の姿をとっているうえに多数の傷を負っている今なら。
炎が体を灼き、内蔵器官に深刻なダメージを被ったことを悟った。
人型でいる限り、戦闘の続行は不可能だろう。
「降参だ、司郎。強いじゃないか。」
背中から地面に倒れ、そう言った。
71
:
高向谷 司朗
:2012/05/31(木) 01:19:56 ID:NntjvIzM0
>>70
「いや、この勝負、引き分けだな」
通り過ぎた熱波の中から、声が聞こえた。
司朗が腰にぶら下げているエンブレムだった。
「……あっちい……動け……ねえ……」
司朗自身もまた熱波に飲み込まれていた。
全身の火傷、出血多量。
恐らく、もう立つことは出来ないだろう。
「……お前も……クラウ……ス……」
ヒューヒューと呼吸音を上げながらも、クラウスに答えた。
72
:
クラウス
:2012/05/31(木) 01:38:31 ID:IrsgDsYs0
>>71
「なんだなんだ、司郎も巻き込まれていたのか。」
血の固まりを吐き出した後、ふらふらと歩きだし、トランクを回収してから司郎の下まで歩く。
「ま、いい経験になった。ありがとな。」
おもむろにトランクを開くと、茶色の瓶を取り出した。
「礼だ。ニッカウイスキー。極上だぜ?」
そのあと、辺りを見回して
「その辺に散らばっている鱗、好きに持っていけ。
金やその他のレアメタルがかなりの割合で含まれているから、売ればまとまった金になる。」
じゃあ、またな。
そう言って手を振ると、そのままログアウトした。
//乙かれ様でした。
//遅くまで続けてしまってすみません。
73
:
高向谷 司朗
:2012/05/31(木) 01:41:45 ID:NntjvIzM0
>>72
(……箱庭内で渡されても困るんだけどぉ!?)
箱庭、そこはバーチャル空間である。
当然物品の持出など出来るわけが無い。
(動けねえから酒も飲めねえ!
なにあいつ、かなりの天然さん!?)
頭の中でぶつぶつ言いながら、司朗はログアウトしたのだった。
74
:
モルフィ
:2012/06/09(土) 22:50:40 ID:IrsgDsYs0
光速さん、すみませんが
β>776の返信を
ここにお願いします。
75
:
高向谷 司朗
:2012/06/09(土) 22:52:03 ID:NntjvIzM0
β
>>776
「むむむ……」
周囲に邪気が満ちていた。
司朗は公園の真ん中で、手の中に気流を集め、圧縮していた。
「ふっふっふ、これぞお前に頼らずに使える俺だけの技!
そうだな……名づけて"圧縮弾"(バースト)って言うのはどうだ?」
掌に凝縮されたピンポン玉ほどの気流の塊はかなりの力を秘めているのか、
その部分の空気が歪んで見える。
「おらっしゃああああ!」
司朗は飛び上がり、それを地面に叩き込んだ。
踏み固められている筈の公園の地面が、砕け散る。
「どわあああああっ!」
そして、その反動も勿論、司朗に襲い掛かった。
衝撃で、司朗はモルフィの居るベンチに吹っ飛んでいった。
「ちくしょー……」
「今度からは炸裂の方向も制御するんだな。
実用にはまだ遠そうだ」
腰にぶら下げたエンブレムがカチカチと音を立てて喋った。
司朗は大の字に寝っ転がり、空を見上げた。
視界の端に入ってくるモルフィ。
「……野生児だ」
76
:
モルフィ
:2012/06/09(土) 23:07:18 ID:IrsgDsYs0
>>75
「あっ、きゃ!?」
率直に言えば、すごくびっくりした。
公園の真ん中で何かの練習をしてた人が、いきなり吹っ飛んできたのだから。
後ろに放り投げられた食べかけの果物は、物理的に有り得ない軌道で茂みの中に消えた。
「だっ、大丈夫ですか?
お怪我は?」
ひらひらと司郎に近寄る。
「私はモルフィ。住所不定無色です。」
口に出してしまえば分からないミスをしながら、軽い自己紹介をする。
「あの、ドクダミの葉、持ってきましょうか?」
自他ともに認める野生児である。
77
:
高向谷 司朗
:2012/06/09(土) 23:15:09 ID:NntjvIzM0
>>76
「いや、対した怪我はしてないから」
手を閉じたり開いたり、足を上げたり下げたりするが、何所にも怪我は無い。
「どくだみの傷薬か、懐かしいな。
小学校の教科書で読んだっきりだ」
小学校時代を懐かしむ。
「……あ、こいつはご丁寧に。
俺は高向谷司朗」
78
:
モルフィ
:2012/06/09(土) 23:24:43 ID:IrsgDsYs0
>>77
「小学校ですか。
行ったこと…教育を浮けたこと冴えないので機会があれば行きたいです。」
誤変換がよくあるのはそれ故に。
もっとも、一文無しで学校どころではないのだが。
「司朗さんですね。よろしくです。」
ぺこりと頭を下げた。
79
:
高向谷 司朗
:2012/06/09(土) 23:34:03 ID:NntjvIzM0
>>78
「ったくよー、教育受けたい家も無い子供が街うろついてるってのに、
政治は何をしとるのか!」
口を尖らせて言うと、足を勢い良く動かして飛び上がる。
「あーもー、次こそ成功させてやる。
気流がああぁぁん!」
司朗が両手を自分の腹の辺りに構えると、
再び周囲に邪気が満ち始めた。
手の中に、パチンコ玉ほどの気流の球が現れた。
「極小圧縮弾(マイクロバースト)!」
破裂音とともに、司朗がよろめいた。
また、破裂による気流の方向の制御を誤ったらしい。
「うおっと、まだまだぁ……」
気流の球をいくつも作っては、破裂させる。
80
:
モルフィ
:2012/06/09(土) 23:46:24 ID:IrsgDsYs0
>>79
風でまともに飛んでいられなくなったので、その辺に着地して羽を畳む。
「すごーい!空気を綾釣れるのですか?」
斯く言う彼女はサイコキノ。
「個体と液体はそれなりに綾釣れるのに、気体はてんでダメなの。」
しょぼくれながら、司朗の方をみる。
花火みたいだな、と思いつつ空気の破裂する音を聞いた。
81
:
高向谷 司朗
:2012/06/09(土) 23:53:54 ID:NntjvIzM0
>>80
「俺が操ってるのは空気じゃなくて、気流だぞ」
同じようで違う。
空気を動かすのではなく、空気の流れる方向を変えるのだ。
「炎を操る能力に例えると、炎を操るけど炎を発生させることは出来ないって感じかなあ」
とは言え、気流は人が動くだけでも発生し、
何所にでも存在するので変わらないといえばほぼ変わらない。
82
:
モルフィ
:2012/06/10(日) 00:15:49 ID:IrsgDsYs0
>>81
「そうなんですか。じゃあ、私と同じですね。」
少し離れた噴水から、お猪口一杯分位の水が飛んでくる。
「わたしも今そこにあるのは綾釣れるけど、作り出したり消したりはできません。」
びしっ、と右手の人差し指を立てる。
飛んできた水がその指の周りを回り、小さな渦ができた。
「あの、何かコツとかありませんか?」
体重がグラム単位の彼女は、風が強めだと塵や埃も同然である。
気流を操ることができるようになれば、強風の日に茂みに閉じこもる必要もなくなると考えた。
83
:
高向谷 司朗
:2012/06/10(日) 00:27:13 ID:NntjvIzM0
>>82
「いやあ、気流眼は俺の固有能力だから無理だと思うけど……」
「空気も水も流動する物体だ。
空気は水と違って目に見えないから操りにくい、まずは空気を認識するところから始めれば良い。
そうだな、煙を焚けば解りやすいだろう」
突然、司朗が腰にぶら下げていたエンブレムが口を開いた。
「人に教えるの大好きだなあ、お前」
「以上はあくまで私の知っている大気操作能力の訓練法だ。
お前の能力でこれが有効はどうかは保障しない」
司朗はエンブレムを取り外して、モルフィの目の前に翳した。
「だってさ、試す価値はあると思うぞ。
こいつの指示は結構的確だから。
俺も普段はこいつの指示通りに修行してるから」
今日はただの自主練だったが。
84
:
モルフィ
:2012/06/10(日) 00:42:48 ID:IrsgDsYs0
>>83
「煙…ですか。うん、やってみる!」
人差し指の周りを回っていた水が地面に落ち、代わりにいくつかの小石が浮き上がって茂みに飛び込む。
何かが折れた音の後に入れ替わりに出てきた小枝。普通の人の両手に少し余るほどのそれが彼女の前に積み上げられる。
「さあて、一丁やりますか。」
小枝のうち一本が高速で回り、他の小枝に触れているところから煙が昇る。
数十秒後、一条の煙は太くなり、積み上げられた枝が燃え始めた。
「ふぃ〜、疲れちゃったなァ。」
額の汗を拭った後、じっと煙を見つめる。
集中力を高めているようだ。
//あの、今日はもう落ちていいでしょうか。
85
:
高向谷 司朗
:2012/06/10(日) 00:48:58 ID:NntjvIzM0
>>84
「おおー、すげえ。
焚き火が風で吹き飛んでいくのを逆再生したみたい」
微妙に解りにくい喩えを言いながら感嘆した。
「液体を操れるなら、認識さえすれば操作の仕方は解っているはずだ。
後は根気よくやれば良いだろう――成功の保障はしないが」
「この保身的思考め……」
司朗はエンブレムを腰に引っ掛けた。
「まあ頑張れよー。
俺はさっきの練習で疲れたから帰ることにする、集中の邪魔になるだろうしな。
それじゃあな、モルフィ、成功したら教えてくれ」
手を振って、司朗は公園を去った。
86
:
モルフィ
:2012/06/10(日) 19:24:31 ID:IrsgDsYs0
>>85
「焚き火が吹き飛ぶほどの風なら私が先に飛ばされてしまうので、見たことはないんです。
なるほど、認識できればいいんですね。がんばってみます。」
煙は見えるが、空気は見えない。
認識することが難しい、見えない物体。
見えないのに有る、
有るのに見えない。
……………………、
……………………。
……………………、
……………………。
うにー。
謎の言葉を発しながら、葉っぱの服に火が移ったことに気づくまで頭を抱え続けた。
//これで〆。
//乙でした。
87
:
ベアトリーチェ
:2012/06/10(日) 21:58:01 ID:IrsgDsYs0
「あああ〜ムカつくあのクソオヤジ〜!」
中央公園のど真ん中、どこから入ったのか白い車が
「乗り心地が悪い〜!?知ったことか!
アタシはスピード自慢のタクシーなんだ、見て分かんねーのか!!」
甲高い爆音をあげつつ、憂さ晴らしとばかりにタイヤから砂埃と白煙をあげてぐるぐる回っていた。
ストレスに任せ、傍若無人。
迷惑極まりない。
88
:
シュヴァルティア・リントヴルム
:2012/06/10(日) 22:13:46 ID:dL8H4NjE0
>>87
そこから少しだけ離れたベンチ。
「……」
『何かのパフォーマンス、というわけではなさそうだな』
一人の少女(と、もう一つ見えない何か)がその光景を見ていた。
少女はサンドイッチを口に加えながらしばらく何もせず見ていたが、
『まあ我らには関係な……主?』
「……」
不意に立ち上がると、何かが少女を呼び止める声もスルーして車に近寄っていく。
89
:
ベアトリーチェ
:2012/06/10(日) 22:32:46 ID:IrsgDsYs0
>>88
…ん、何だぁ
近付いてくる人影を認め、危険運転を止める。
砂煙が晴れていくと同時に鼻を突くであろう焦げたゴムの臭い。
ハイビームにしたままのヘッドライトをリントヴルムに向け、クラッチを切ってから一瞬だけアクセルをふかす。
車らしからぬ、ソプラノのエンジン音がした。
「動いている車に近付く、どころか暴走車に近付くとは。
やるねぇ、嬢ちゃん。」
しかしエンジン音がうるさいことに今更ながら気付いたようで。
イグニッションが勝手に回り、すとんと爆音が消えた。
「アタシの名はベアトリーチェ。
…勇敢なヤツは嫌いじゃねぇんだ、宜しくな。」
スケ番のような口調で、そうのたまった。
90
:
シュヴァルティア・リントヴルム
:2012/06/10(日) 22:42:54 ID:dL8H4NjE0
>>89
車が止まり、話しかけられるが、
「……」
少女はコクリと頷くと元の場所に戻っていく。
いったい何がしたかったというのだろうか。
『すまないな、主が邪魔をした』
突然、どこからともなく厳格そうな声が聞こえてくるだろう。
少女のことを主と呼ぶ声は申し訳なさそうに謝罪した。
91
:
ベアトリーチェ
:2012/06/10(日) 22:53:50 ID:IrsgDsYs0
>>90
「いや、アタシは憂さ晴らしに暴れてただけだからいーんだ。
さっき乗せた客が…クレーマー、て言うのか?
病院送りにしたがまだ足りねぇ。」
愚痴り始めた。
92
:
シュヴァルティア・リントヴルム
:2012/06/10(日) 23:04:41 ID:dL8H4NjE0
>>91
『病院送りにしたなら許してやってもいい気がするが……』
何かの声は若干呆れ気味だ。
『まあいい、それで、ここでさっきのように憂さ晴らしをしていたという訳か』
『……いつも思うが、この街に常識人はいないのか?』
この街にきてから日が浅いせいか、そんな疑問が口にでる。
因みに、少女は二人(?)の会話を眺めながら食事に戻っている。
93
:
ベアトリーチェ
:2012/06/10(日) 23:21:10 ID:IrsgDsYs0
>>92
「いや、むしろ非常識な輩の方が少数派だと思うが…
目立つんだよなぁ、アタシみたいな輩は。」
ハイビームにしたままエンジンを止めているとバッテリーが上がる心配があるので、もう一回エンジンをかける。
「あ〜、食事中に排ガス撒き散らすのはヤバいわな。」
それも普通のものではなく、超ハイオクの鉛入り。
「つうわけで、アタシは帰るよ。ばっいばーい!」
できるだけ砂埃を立たせないようにその場を離れると、そこから一気に加速。
出口で盛大にドリフトをかますと、常識外れなスピードで夜の街に消えた。
//諸事情によりおちるです。
//乙でした。
94
:
シュヴァルティア・リントヴルム
:2012/06/10(日) 23:33:40 ID:dL8H4NjE0
>>93
/乙でした!
95
:
光速
:2012/06/14(木) 23:16:49 ID:NntjvIzM0
ローカルルール追加に関しての投票を行いたいと思います。
1.ロールの中断は、次回の日時を決めてから行うと今後の進行が楽になります。
2.同じスレで一週間以上ロールの進展が見られない場合は、新しくロールを始めることを奨励します。
来週金曜日、「六月二十二日の午前0時」までにこの書き込みに対して、
「上記1、2の両方、またはどちらかの採用/不採用」
をレスしてください。
票が同数の場合は否決です。
可決した場合、イベントスレローカルルールに上記の文章が追加されます。
日常スレには追加されません。
また投票期間中は雑談議論スレのローカルルール「意見等を言う時はコテ強制」を適用します。
96
:
光速
:2012/06/14(木) 23:20:10 ID:NntjvIzM0
>>95
というわけで、
1、2両方の採用に一票
97
:
アイリス
:2012/06/14(木) 23:23:58 ID:do5XJmGE0
>>95
>2.同じスレで一週間以上ロールの進展が見られない場合は、新しくロールを始めることを奨励します。
のみに賛成。
98
:
とーざい
◆NSEW/xeQlk
:2012/06/14(木) 23:32:25 ID:7gFzKdaU0
>>95
2、のみに賛成
99
:
じお
:2012/06/14(木) 23:33:47 ID:IrsgDsYs0
>>95
上記1,2の両方に投票します。
100
:
てんさい
:2012/06/14(木) 23:38:35 ID:ElM9U72Y0
>>95
共に反対。意識の改善でフォローできると思うので必要ないと思います。
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