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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル13

65Lを継ぐ者/Sink ◆7pf62HiyTE:2010/04/16(金) 17:27:00 ID:/eJ4eeQc0





『それの何処が間違っているのですか、Ms.明日香の力はMr.ユーノが身を以て体験した筈です』
「あれから今までずっと考えていたんだ、ジュエルシードの力は本当にあの程度なのかという事をね――
 そして気付いたんだ――あの程度がジュエルシードの全力じゃない事をね――」

 ユーノは語る――なのはとフェイトが出会う前、街に現れた巨大な大樹の怪物の話を――
 それはジュエルシードの力によって生み出された怪物――そしてそれを生み出したのは少年だったのだ――
 ジュエルシードは強い想いを持った者が願いを込めて発動させた時、一番強い力を発揮する――
 だが、生み出した少年はジュエルシードの事など何も知らない、発動させたとしてもその願いは恐らくささやかなものだっただろう――
 つまり――最初から強い願いを込めて意図的に発動させたならば、当時のなのはでは対処しきれない程の怪物になっていた可能性はあったという事だ――

 ここで明日香がジュエルシードの力を引き出した時の事を思い出して欲しい。
 明日香は既にジュエルシードがどういう物かについて大まかに説明を受けていた。
 彼女がそれを発動したのは強い衝動に押されてというのもあっただろうが、おおむね意図的と考えて良い――

『今更な話ですが彼女は何故ジュエルシードを発動したのでしょうか――?』
「それについてはある程度推測出来るよ――そう、僕が刺されてから彼女がどうしていたのかを含めてね――」

 ルーテシアがユーノを刺した時、明日香はその場所にいた――
 突然のルーテシアの凶行を目の当たりにし、一般人である明日香が恐怖を感じるのは想像に難くない――
 あの現場を見れば大抵は『ルーテシアがユーノを刺殺し、次は自分を襲う』と考えるだろう――
 故に明日香はその場から逃げ出した――

「その時にルーテシアの持っていたデイパックを持ち去った。いや、奪ったんだろうね――」
『成る程、そのデイパックの中にジュエルシードと夜天の書が入っていたと――』
「ルーテシアに持たせた筈のそれを明日香が持っていたからそれはほぼ間違いないよ」
『すみませんMr.ユーノ、あの現場を見ていた筈でしたがその事に気付けませんでした――』
「仕方ないよ、事態が事態だったからね」

 そして逃げ出した明日香はどのルートを通ったのかこそ不明だが十中八九海鳴温泉にたどり着き暫しその場所で身を休めていたのだろう。
 だが、彼女の心中にはルーテシアに対する恐怖が強く刻み込まれた可能性が高い。
 そして、次に襲われた時に対処する為にジュエルシードをと夜天の書を使おうかと考えていたのだろう――

『しかし、Mr.ユーノが襲われてから彼女との再会まで6時間あった筈――
 何故、彼女はそれまでジュエルシードを使わなかったのでしょうか?』
「それは勿論、その危険性を理解していたからだよ。それについてはしっかり説明しておいたからね――
 でも、ある2つの出来事が彼女のタガを外してしまい――衝動的に発動させてしまった――
 1つが死んだはずの僕が姿を現した事――」

 仮に目の前に死んだはずの人間が現れたらどう思うだろうか――
 子供染みた理論ではあるが、恐らく死者の国へ連れて行くと考えてもおかしくはない――
 つまり、自分を殺す為に現れたのだろうと――恐怖が刻み込まれている彼女がそれを考えてもおかしくはない――
 故に、自らの身を守る為に――

『ですが放送さえ聞けばMr.ユーノの生存は確認出来る筈では?』
「簡単な事だよ、既に明日香の中では僕の名前が呼ばれるのが確定していた――
 そして、その部分を聞き逃していたとしたら――僕の名前は呼ばれたものとして補完する筈――」
『その可能性はありますが彼女は大事な放送を聞き逃す様な人物なのでしょうか?』
「行動を共にしていたのは短い間だけど、少なくとも彼女はそんな不用意な人間じゃない。
 頭に入らなかったんだ――多分、その前後で彼女の大切な人物の名前が呼ばれたんだと思う。
 その時の放送で順番的に僕のすぐ近くになるのは遊城十代――恐らく彼の死のショックでその前後が頭に入らなかったんだ――
 同時にそれがもう1つの理由――」

 大切な仲間である十代の死亡、その直後で死亡したはずのユーノとの遭遇――
 それでなくても強い恐慌状態に陥っていた彼女に冷静な判断を求める事は不可能――
 理性や良心は完全に駆逐され、恐怖を振り払う為に触れてはならない領域に足を踏み入れてしまったのだろう――
 その願いは自分を傷付ける物を全て駆逐する――その為の力を手に入れる事――




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