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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル13
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と、そんな状況下で、金居はすぐに次の作戦を立案した。
金居の目的はスバル達と戦っている黒いライダーだけだという。
他の奴と戦うつもりはないし、黒のライダーが居る以上、スバル達にも興味は無い。
故に、ヴィヴィオがエネルを引き付けてくれている間に、金居がホテルに潜入。
機を見計らって、黒いライダーに戦闘を吹っ掛ける。
その際スバル達には、「外ではやてが待っている」などと伝えて貰う。
そしてこの場での戦闘は金居に任せて、スバル達には先に離脱を促す。
簡単な作戦だが、この状況ではこれが最善の策だと思えた。
そして数分後、ホテルから出て来たのは、一人の少女を背負った男であった。
まるで箒のような、黒髪トンガリ頭にサングラス。赤いコートを靡かせて、男は走る。
何者かと目を細めるはやてに、先に声を掛けて来たのは男の方であった。
「やぁ、あんたが八神はやてかい!?」
「え……えぇ、そうですけど……」
男はとても悪人とは思えない、ともすれば馬鹿とも思えるような口調だった。
◆
時は数分前に遡る。
ヴァッシュを殺す為に、参加者を皆殺しにする為に。
それだけを目的にホテルの目前までやってきたエネルは、一人の少女と出会った。
全身を漆黒で塗り固めた、金髪の少女。緑と赤のオッドアイには、気味が悪い程の虚が宿っていた。
闇に溶けるその姿は、まるで周囲を凍てつかせるような気迫を放って居た。
そんな第一印象を抱いた後に、エネルは自分の考えを否定した。
神たる自分が、こんな小娘一人に何を考えているのだ。
一撃で殺して、終わりにしてやればいいだけの話ではないか。
そう判断して、エネルは片腕を挙げた。
同時に、エネルの腕は雷と化し、天を埋め尽くす雷雲へと昇って行く。
それから間もなく、空全体がぴかりと光って――計り知れない威力を秘めた雷が、少女へと降り注いだ。
ごろごろ、ごろごろと。周囲の電気を自分の電気を合わせた一撃は、生半可な威力では無い。
アスファルトを焼いて拡散した電力は、再び自分の身体へと舞い戻る。
無限ループの雷地獄。あんな小娘一人が耐えきれる訳が無い。
そう思っていた。
「ほう……?」
雷が止んだ後、小娘はそこに変わらず立ち尽くしていた。
エネルが殺そうとした相手・聖王ヴィヴィオは、聖王の鎧という先天固有技能を持っている。
それはあらゆる障害から聖王を守る、強固な盾となりて、雷からヴィヴィオを救った。
エネルは知らない。ヴィヴィオの命を削るレリックが、同時にヴィヴィオを強くする事を。
身体に深刻なダメージを与える一方で、ヴィヴィオの命の炎を燃やし尽くさんと稼働している事を。
「まずはお前から殺してやる……!」
ヴィヴィオが、憎悪を吐き出すように絶叫した。
瞳には僅かな涙を浮かべて、その表情を醜く歪ませて。
虹色の魔力光を宿した鬼神・ヴィヴィオの命はもう、長くは持たない。
消えゆく命の輝き。その恐ろしさを、出会った参加者全てに刻みつける。
そして、愛する者を傷つけた全ての参加者を血祭りにあげてやる。
例え死んでも構わない。例え地獄に落ちても構わない。
それだけの決意が、ヴィヴィオを動かしているのだ。
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