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リリカルなのはクロス作品バトルロワイアル13

123夢と誇りをとりもどせ ◆gFOqjEuBs6:2010/04/28(水) 17:43:20 ID:Zke0Tok.0
 
「殺す前に聞いておこう。お前の名前は?」
「俺は天の道を往き、総てを司る男――天道、総司」
「そうか。俺はソルジャー・クラス1st――アンジール・ヒューレー」

 二人は再び、剣を構えた。
 これで、思い残す事は何もないだろう。
 戦士として戦い、戦士として葬ってやるまでだ。
 魔晄の輝きを宿したその瞳に、再び殺意が込められた。

「ハァッ!」

 アンジールはその片翼を羽ばたかせ、カブトへと突貫した。
 振り下ろす大剣を、しかしカブトは難なく回避する。
 そのままカブトの横を通過したアンジールは、振り向き様に片手を翳した。
 刹那、アンジールの手から灼熱の業火が放たれた。
 マテリアルパワーの一つ、ソルジャーが使う“魔法”。

「チッ」
「ハァァァァァッ!!」

 仮面の下で、舌を鳴らしながら地面を転がって回避した。
 しかし、ファイガは容赦なくカブトの周囲を焼き尽くす。
 火球の直撃を避けた所で、周囲の炎による熱がカブトを蝕む事に変わりは無い。
 炎を振り払う様に足掻くカブトに、アンジールは大剣を構え再び突貫した。

 戦力を見誤ったのはアンジールであった。
 マスクドライダーの装甲は、炎に焙られた程度で傷つきはしない。
 それどころか、内部の装着者には熱は全く届かない。
 ただ反射的に腕を振り払ったのを、アンジールは炎による攻撃が利いていると勘違いしたのだ。
 きぃん! と、甲高い金属音が鳴り響いた。
 アンジールの大剣を、カブトクナイガンが受け止めたのだ。
 そのまま大剣の刀身を滑らす様に、クナイガンを振り抜いた。
 切先が胸元を切り裂く前に、アンジールが上体を後方へと逸らす。
 追撃の右回し蹴りを放てば、左腕の厚い筋肉で受け止められた。
 マスクドライダーの蹴りを生身の筋肉で受け止めるなど、考えられない。
 しかし、驚愕の暇など与えられる筈も無く、アンジールはその手で受け止めた脚を弾いた。
 体勢を崩した一瞬の隙に、再び大剣を振り下ろされる。

「プットオン」

 ――PUT ON――

 咄嗟の判断だった。
 アンジールの大剣がカブトに届くよりも先に、重厚な装甲がカブトに装着されていく。
 先程アンジールの一撃を受け切ったマスクドアーマーが、再びカブトの身を包んだのだ。
 腕を交差させ、その装甲でバスターソードによる一撃を受け止める。
 ずどぉん! と、轟音を響かせて、カブトの身体と共に、コンクリートの地面が崩壊した。




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