>>The Great War
砂漠の魔王マハティールと、十二崩壊の金獅子ライラのド迫力で繰り広げられる殺し合い。設定的にもこの二人が殺し合ったらこうなるだろうなという納得感があり、然し予想は超えてくる息つく間もない強者同士の激闘が手に汗握る。
戦闘描写の巧さは勿論の事、個人的にはマハティールとライラが戦いながら交わすやり取りがまさに強者と呼ぶべき余裕と箔に満ちていて嬉しかったです。激しい戦闘も無論良い物ですが、やはり舌戦もまたバトル物の花だなと改めてそう感じました。
中でも好きなシーンが、マハティールがライラに対して『化け物が』と漏らす所。傍若無人な殺戮者であり、神とは何ぞの定義を胸に一本据えたマハティールにこれを言わせるという一点で、金獅子という十二崩壊の恐ろしい強さをガツンと示している。
取り込んできた兵器を相手が沈黙するまで只管放つマハティールと、一方でひたすら個の強さを体現し続けるライラという対称性も読み応えに一役買っていた印象。拙作でもそうでしたが、当然のようにエリアに大規模な損害を刻みながら戦う辺りにもこの世界の図抜けた強者とは何ぞや、という点が一つ示されている気がします。凄まじく上質な戦闘話でした。
素敵な作品の投下、誠にありがとうございました。