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コンペロリショタバトルロワイアル Part5

402残酷な宿命を嗤え ◆lvwRe7eMQE:2025/05/04(日) 19:14:07 ID:hFBrpIWg0
空間が震えあがり、罅割れるような轟音が木霊する。

悟飯の打撃が散弾のように炸裂し、両腕を楯にした悟空がその全てを防いでいく。

悟空は重厚な岩石のように、微動だにしない。
ひたすらにじっと打ち付けられる拳に耐え続ける。

「──────ッ!!」

だが、空へと突き上げるアッパーが悟空のガードを砕いて、顎へと刺さる。
悟空はそのまま打ち上げられ、宙を舞う。
ヒュンッと音だけを残して悟飯が消えた。
飛ばされた悟空の頭上へと移動し、両手を組んで振り下ろす。
ハンマーのように落ちたそれは悟空の顔面に直撃し、真っ逆さまに地面へと激突。
クレーターを作り、砂塵を巻き上げる。
もくもくと土煙があがるなか、それらを呑み込んで青の光弾が降り注ぐ。
数十メートルのクレーターはさらに規模を広げ、窪んだ地形はどんどん大地を侵食する。
ものの二秒の間に百を超える気弾が放たれた。
クレーターは消失し、大地はさも最初から平面であったかのように更地となってしまう。
舗装された道路も、脇に植えられた木も、人の生活を支える電柱も、住宅や店といったあらゆる施設も。
人間が築き上げた文明が一瞬にして原始時代にまで還ったのだった。

「……何故、やり返さないんだ」

悟飯はゆるやかに空から下降しながら、何もない場所に立つ自身の敵へと問いかける。

「……」

胴着の所々に穴や切れ目を作り、土や埃で顔を汚しながら、悟空はそこに生存していた。
体の節々から血を流しているものの、何も残らない無の中で、ただ一個の生命として健在。
力強い瞳を濁さないまま、悟飯を見つめていた。

「ふざけているのか……何なんだよォ!!!」

誰に対しても礼儀正しく、父親にすら敬語で話す悟飯らしからぬ荒々しい声。

ゼオンの消失を合図に、幕が下りた孫親子の戦闘。
常に攻撃を仕掛けるのは悟飯で、防御に回っているのは悟空であった。

殴っている間は痒みが消える。蛆が見えない。
だが、やられっぱなしの悟空が不気味に見えないといえば嘘になる。

雛見沢症候群の凶暴性をも上回る怪訝さが、悟飯に全力を出させるのを躊躇わせた。

「何を企んでいるんだ……お前はァッ!!!」

悟空も為すがままだが、しっかりと防御は固めており、ダメージを最低限に抑えている。
死ぬ気がないのは伝わってくる。だからといって、何も話さずただただ殴られ続けているのが分からない。

「時間稼ぎか……一体……く、ぅ……ぎゃ、ぁ……ッ!!?」

思案にふけようとした途端、首の痒みが再発。
まだ見えないが、このままでは蛆が体内から肉と皮を喰い破って続々と出てくると、直感する。

痒みを振り払うように大地を蹴る。風を切って加速する。
悟空へ肉薄し、拳を見舞う。立てた腕に阻まれる。
もう片方の腕で打撃を放つもいなされる。
常人では目で追う事すら困難な打撃の応酬、その実態は悟飯の拳を悟空が常にさばきながら後退していく、防戦一方の光景。
これを、悟飯は自分の実力で追い込んでいるなどとは考えない。悟空はあえて、防御の姿勢しか取っていない。

それが────無性に腹立たしい。


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