したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【第1回放送〜】平成漫画バトル・ロワイヤル【part.2】

711『焔のはにかみや』 ◆UC8j8TfjHw:2025/06/02(月) 20:21:34 ID:cFeuEibI0
「…ごめんよ、野咲くん」

「っ、ぅう…………。……謝らなくても、いいから………………。…もう、構わないで………………」


「…………」


気が付けば、彼女の手はもうナイフを握る力もなく弱々しい。
弱々しいといえば抵抗の時、閣下の手は微弱ながら震えていたけども、あれは純粋な恐怖の表れだったんだろね。

僕にとっての野咲春花くんはもはや天の上の存在。閣下だ。
「眼の前から消えて」との、閣下の命令があらば、従うのは下僕の使命。
それが例え不服な指示だとしても、どんなに屈辱的で…殺したいくらいの怒りを覚えたとしても……僕は従わなきゃいけない。
なぜなら、僕はどうしようもないくらいに…野咲閣下を愛してしまったからさ……。


「……………ごめんね、……野咲くん」


「……………………………っ、ぅっ………、ぅぅ…」



 彼女のスベスベした右手を離し、それと同時に僕はこの場から身も離れていく…………。
心の痛みを堪えつつも、僕が向かう先は出口付近。
ゆっくりと重い足取りで、僕は指先をまっすぐ伸ばしていった。






 ピッ

 ──『モ●バーガー 単品 330円』



「………………えっ?」


「……ふふふ! 見て驚くなよ、野咲くん!!──」

「──不思議なもんだよね。…券売機でボタンを押したら三十秒後…………こうだ!!」



 ポンッ!!


「わ!!」


野咲閣下のただでさえ大きい瞳が、さらに丸く開かれる。
…ふふふふ。無理もないね。
なんの前触れもなくテーブル上にて、自分の眼の前にポンッと!! 温かいハンバーガーが現れ出したのだからさ。



 ふふふ。
ふっふふふふふ…!!
君達、僕がこんな簡単に諦めるような男だと思ったかい?
悪いが、僕は自他共に認めるネッチネチな粘着質でね……。

野咲閣下に拒絶された位で泣く泣く後を去るようじゃ、あの時真宮君とともに野咲討伐計画は立てていないってのさ!!
ふふふふふ…。


「ほら、面白いだろう? それよりもお腹空いてないかい? よかったら遠慮なく食べていいんだよ! 僕の奢りさ」

「…え、え…………?」

「トマト入ってて、トローリとしたチーズにミートソースが合うこと!! モ●バーガーだよ。僕ら田舎者からしたら馴染みのない店だけどね。ふふ……」

「…………なに、これ…?」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板