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【第1回放送〜】平成漫画バトル・ロワイヤル【part.2】
21
:
『徘徊老人かな?』
◆UC8j8TfjHw
:2024/09/16(月) 18:00:36 ID:kOdSzS8M0
「………………てか、今何時か分かんなくない…?」
あいにく時計台らしいもんは見当たらないので、これは随分と精神的長丁場になりそうだった。
「…〜♪」
夜中に口笛を吹いたらヘビが来る──。
…だなんてのは、さすがに今では迷信だと分かってるし、信じちゃいないが。
調べたところによると、空き巣や泥棒仲間のコミュニケーションの一環で口笛がされるらしく、タブーになるのもそういう理由があるからと知った昨今。
か細い笛の音色が、木々に浸透する夜にて。
後々、アタシはフエラムネを吹いたことを激しく後悔させられることとなる。
ガサッ
「…ブフォッ!! ひっ、ひぎっ!!!?」
少し離れた草むらから、パーカッションが発せられた。
アタシの情けない声とラムネが、ポンと口から飛び出る。
イノシシか、シカか、…参加者か。
どれにしろ、心臓はとんでもない勢い加速して、全身は凍りついたみたいに動けなくなってしまう。
ガサ…
ガサッ ガサガサ…
ザッ、ザッ、ザ
「…………、ぁ………………。………っ」
ギギギ、と無理やり動かすように、アタシは砂利が踏まれる音の方へ首を向けた。恐る恐るに。
街灯もない山道だ。
目が慣れなくてはっきりと確認できなかったが、人形の影がヨロヨロと徐々に大きくなってくるのが分かる。
そいつは、間違いなくこちらに近づいている…。
もし、そいつが幽霊や妖怪だとしたら。
──泡を吹いてぶっ倒れるくらい直感的に怖い。アタシはホラーが大の苦手だ。
もし、そいつが人間だとしても。
──殺される可能性はやっべーから怖い。
二つの未知なる恐怖が螺旋のように絡み合って、恐怖のピークに達する寸前のとき。
そいつは、既にベンチのすぐ近くへと歩き切っていた。
「……ぁ、あ…………。ぁあ…ひっ……………………──」
「──…あ?」
そいつは、持っている杖をピタリと止め立ち尽くす。
いかにも高級そうな気品高い和服を着たそいつは、ボリボリと人差し指で頬を掻く。
シワだらけの年季が入ったその頬。
続いて、鼻の下に伸びる三日月のヒゲは真っ白で、…というか髪の毛も何もかもが白髪染めであった。
ヨボヨボと杖を持つ手を震わすそいつと目が合ったのは、しばらく眺めて十数秒後。
ごわついた声で、なおかつ独特なトーンと間を置きながら、そいつはアタシに向かってニタニタと語りかけるのだった。
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