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決闘バトルロイヤル part4

80Judge End ─アドバンス・カーニバル─ ◆ytUSxp038U:2024/09/12(木) 21:16:40 ID:/fKPqQI.0
仲間達の話題が出たタイミングで、名簿上での不可解な記載にも言及があった。
海馬とココア、彼らの名前が何故か二つ記載されている。
一人だけなら単なる印刷ミスと考えられなくも無いが、二人もあれば流石に不自然。
こちらの疑問は平行世界の存在を把握し、実際転移した経験を持つイリヤとルビーがいた為スムーズに解決された。
恐らく海馬とココアの両名は、別の世界からも参加している。
荒唐無稽な答えだが、それを言えば自分達が巻き込まれた殺し合いが既に何でもありのメチャクチャな場だ。
頭から煙を出しショートし掛けるも、そういうものだとチノも受け入れる。

「ココアさんが二人…ラビットハウスの中に台風が吹き荒れそうです……」
「チノはココアをどっちも独り占めしたいの?」
「えっ!?そ、そんなことありません。二人もいたら、私もリゼさんも今以上に振り回されてしまいますっ」

赤い顔で否定するチノを尻目に、イリヤは平行世界の人間について考え込む。
殺し合いに関わる人物で、彼女が知っている者は二人。
一人は人質として紹介された美遊・エーデルフェルト。
もう一人は参加者名簿に記載された青年。

「…ねえルビー。ずっと気になってたんだけど……」
『皆まで言わずとも、ルビーちゃんにはお見通しですよー。士郎さんのことですね?』

衛宮士郎、過去にイリヤの父が養子に迎えた義理の兄。
一つ屋根の下で暮らす彼もまた、殺し合いの会場に拉致されてしまった。
自身の生まれた世界でクラスカード回収を行っていた頃のイリヤなら、そう考えただろう。
しかし平行世界でエインズワースと戦い、『彼』の存在を知った今ならもう一つの可能性が思い浮かぶ。

『参加している士郎さんは美遊さんのお兄さんの方、その可能性は高いです。むしろ大々的に美遊さんの存在を公表した以上、あっちの世界の士郎さんの方が受ける衝撃は大きいでしょうね。
 檀黎斗もそれが分かっているからこそ、ああいった行動に出たのだと思いますよ』
「…っ」

自分の兄が危険な目に遭うのも最悪だが、もう一つの可能性も言うに及ばず。
平行世界の士郎が美遊を助ける為にどれ程傷付き、苦難の果てに絶望へ打ち勝ったか。
衛宮邸で過去に起きた聖杯戦争の話を聞き、込み上げるものの大きさに涙を流した瞬間は忘れない。
なのにどうだ、兄妹は再び引き裂かれた。
士郎がどんな思いで美遊を平行世界に飛ばし、牢獄で自分と初めて会い感涙したのか。
それらを檀黎斗は、ゲームを盛り上げるスパイスの一環程度にしか見ていない。
やるせなさと黎斗への激しい怒りが胸を焦がし、同時に士郎への不安も高まる。
美遊を助け出した時点で、既に彼の体はボロボロだった。
そんな状態で美遊を黎斗の元から助ける為に無茶な戦い方を繰り返し、その果てに待ち受けるのは死か、或いは無銘の英雄(エミヤ)の完全侵食。
どちらだろうと、到底納得のいく結末では無い。


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