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辺獄バトル・ロワイヤル【第3節】

1 ◆2dNHP51a3Y:2021/06/25(金) 21:22:55 ID:riCoyL6w0
―――ソラを見よ、血染めの月が、世界を侵食(おか)す

717ワザップの誤解に巻き込まれたキッズ ◆EPyDv9DKJs:2023/07/29(土) 18:22:20 ID:KIFQ.e860
「えーっと、申し訳ないのです。
 ジョルノはちょっと思い込みが激しいのですよ。」

 さっきまでの張り上げた声色とは別物の、
 猫なで声にそれどころじゃないフェイト以外の三人は何とも言えない顔になる。
 とんでもない猫被り女だと察するのにはなんとなく察した。

「侮辱罪を避けながらも僕の人物像を説明する。
 成長している……冷静だ。流石は古手さんです。
 貴方、弁護士や探偵の助手になるのをお勧めしますよ。」

 ワザップは何も今の行動からの判断ではない。
 百年かけて輪廻の輪から脱出する根気はその手の仕事では重宝できるし、
 百年もかけていれば相応の知識や目敏さと言ったものも出てくるはず。
 思いもよらぬ発想もまた別の視点を必要とする部分においても強みになる。

「……考えておくわ。」

 もう慣れたわ、こいつの思考回路。
 とでも言わんばかりに呆れ顔でとりあえず肯定しておくことにした。
 地獄の輪から抜け出してやりたい仕事かどうかはまた別として、
 まあそう言うのも悪くはないかもとは思いつつ。

「思い込み通り越して冤罪を吹っ掛けられたわけだが
 その前にとりあえず服の用意だ。これはやばい。まずすぎる。
 肉体年齢およそ二十歳だが精神年齢十歳の少女とか、児童ポルノも真っ青だぞ。」

「それでしたら僕の支給品に女性の服があります。」

「何であるんだ。お前男ではないのか。」

「主催が、僕の性別を想定してなかったのでしょう。」

 梨花がパイプ役となったのもあり、一先ずの誤解は解くことができた。
 一先ず着替え目的もあり適当な家屋へと足を運んだあと、
 フェイトの着替えが終わってから改めて話を進めることにする。
 戻ってきたフェイトは学生服に近しい黒を基調とした制服に白い羽織と、
 全体的に和服をイメージした格好となって、魔法少女とは近しいが雰囲気は別物だ。
 胸元が大きく開いていて更にミニスカートで、それはそれとしてかなりあれだが。
 まともな恰好ではあるものの、幼いフェイトとしてはかなり恥ずかしく顔が赤い。

「これ、青少年健全育成会に訴えられるのではないかね、ワザップよ。」

「隊服とあることから職権乱用を行使した可能性が高いですね。
 犯人はかなりのやり手だ……これでは裁判に訴えることができません。」

「あの、ワザップさんと古手さん。本当にありがとうございます。」

「あのまま放置すればあなたは公然猥褻罪と言う、
 冤罪を着せられてしまいます。此処に法はなくとも、
 その可能性が僅かにでもあった以上必要な事でしたから。」

「それに、困ったときはお互い様なのですよ。にぱー。」

(口調は全然違うけど、この子と話すとなんだかなのはを思い出すな……)

 根本的に見るところが違うことだけは分かる男子の意見をよそに、
 服の件や事態を止めてもらったことについて感謝を述べておく。
 新たに参加者が増えたことで改めて情報交換をしはじめるのだが、

「やってられん。」

 ついに征史郎は別の意味で両手を上げた。
 二人はミスティやら童磨やらを倒したり退けた後、
 情報交換しあった間柄なのだそうだが、問題はPDA絡みの二人。
 真島は初音と同じ世界線でも其方では出会ってないせいで判断はできないし、
 由衣の方は全員生きて脱出を目指すはずだった矢先に彼女が死ぬことになっている。
 一人でも死ねばセカンドステージが始まってしまうのにはるなの話ではまだ生きていた。
 もう滅茶苦茶でわけが分からない。こんなのもうどうにもならないのではないかと。
 幸い、どちらも知る限りの参加者が全員味方だと言ってるのがまだ救いではあるので、
 当面の問題は修平、Zルートの二名がいかような存在かと言ったところだ。

「ワザップよ。嘘を見抜くスタンドとかないのか。」

「嘘しかつけなくなるスタンドなら恐らくですが見かけましたよ。」

「駄目だこりゃ。」

 初音としては安心だと思えた。
 懸念があるならばあとは修平ぐらいだ。
 それを乗り越えれば───

(本当に、そうなのですか?)

 自分を危険人物だと告げる相手はこれでいないはず。
 だが、だからと言って充が敵となったパターンはないのだろうか。
 或いは、自分が手ずから殺した世界線から来た可能性だってある。
 安堵と思えば寧ろ逆だ。一番頼れるであろう充が一番不安になってしまう。
 一人不安になりながらも、話は進んでいく。

「それにしても、鬼くびれ大羅漢は一体何体いるんだ。」

 ワンパターンにもほどがあるぞと溜め息しか出てこなかった。
 人間で化け物なエスデス、鬼の童磨、デビルマンの明、人間をやめたギース。
 もういい。これ以上打ち切り漫画みたいな出鱈目四天王を出すんじゃあない。
 諦めるつもりはないにしても、勝利条件を悉く踏みつぶそうとする連中に頭痛がしてきた。

718ワザップの誤解に巻き込まれたキッズ ◆EPyDv9DKJs:2023/07/29(土) 18:23:14 ID:KIFQ.e860
「当面の問題はエスデス、童磨、不動明、ギース、アーナスだ。
 貴真については正直こいつらと比べると論外級の弱さになる。
 日ノ元については、まあとりあえず保留と言う扱いとしておこう。
 だがはっきりと言おう。この現状の僕達ではフェイト以外で勝てる奴がいない。
 そしてフェイトがいたとしても不動明は厳しいらしいから、出会えばまず詰むだろう。」

 フェイトは間違いなくこの中でも最高戦力でもあり、
 不動明とも戦って結構な成績を叩きだしてる戦果自体はある。
 堂島と彼の言うドミノ、日ノ元に次ぐぐらいの強さと見ていい。
 だがそれはフェイトだけであって、他を見てみれば場数こそ踏んでるが、
 三分の一は素人、一人は得たばかりの力の練習中とガタガタすぎる。
 これでは一番負傷していて倒せそうなエスデスですら倒すのに難儀するだろうし、
 犠牲者はまず免れない上に人数の減りも相当早い。有力な人材との合流は必要不可欠。
 アルーシェから聞いた夜の君とされるアーナスも、どのような状態か判断はつかない。

「人数も増えたことだから安定して戦力供給のための人材確保に励みたいが、
 堂島は戦力になるものの色々わけありらしい。余り頼りにしてはいられない。
 ドミノと日ノ元士郎だったか。どちらかの傘下に入ることで安全圏を得たいが、正解が分からん。」

 堂島曰く日ノ元よりはドミノの方が安全と言う話ではあるが、
 どちらもどういった人物か又聞きでしかない以上会ってから次第だ。
 先に出会った方の庇護下か傘下に入るのがいいのか、悩ましく思う。

「問題は山積みですが、此処は一先ずフェイトさん。
 彼女の傷を癒やす方が我々にとって優先ではないかと。」

「そうだな。桃太郎役となるであろうフェイトにはありったけ回復アイテムをつぎ込む。」

 ギース戦の時は使わずとも何とかなると、
 有事に備えて出し渋っておいた、はるなの遺品となる五芒星のお守り。
 使えば体力回復に繋がり、来夢のマジックポーションと合わせることで、
 体力も魔力も相応に戻ってくれるだろう。

「え、でも私でいいんですか?」

「来夢からしたら、誰よりも優先するべきだと思う。」

 人数は増えても均等に回復したところで、個々の力には限度と言うのがある。
 リフレクターにさえなれない自分では、この舞台では下位に当たると自覚はしていた。
 だったらこの舞台で勝てる見込みのあるフェイトにBETしておくのが適切だと。
 来夢にとっては託されたしんのすけやひろし、そして元より助けたいヒナの為にも。

「すまんな、子供に桃太郎役を押し付け……いや桃太郎も子供だったか。」

「確か桃太郎って旅に出たのが十五歳と聞いたので、もっと若いのです。」

「(肉体だけで言えば)僕よりも幼いのですから、いろいろ申し訳ないのです。」

「気にしないでください。戦いの覚悟は、できてるので。」

 母の為に必死に戦ってきたフェイトにとって、
 幼いながらも既に戦いの覚悟と言ったものはできたこと。
 今更何か戸惑ったり慌てたりするようなことではない。
 ただ、なのはと同じ年頃として過ごせなくなったことについては、
 後悔があるかないかで言えば後ろ髪を引かれるところもなくはなかったが。

「それで夕月のは君に……」

「貴方が持ってて。」

 残る支給品は夕月のもの。
 だったら来夢へ渡そうとするが、
 即座に来夢から静止の手を翳される。

「いやしかしだな。」

「私も、託されたものがあるから。
 貴方もユズから託されたものを使って。」

 征史郎と同じように誰かから、
 来夢もみさえから手にした支給品を持つ。
 厳密には征史郎は置いていたものをバレない程度にかっぱらったので、
 少々意味合いは異なってくるが、細かいことは言わないでおく。

「それはそれで助かる。」

 これを渡すと支給品を使い切ることになる。
 そうなるとスタンドだけでやっていくしかない。
 自棄になって押し付けようとしている節があったなと、
 先の行動を少しばかり反省しながらそのデイバックを背負う。
 和馬のように自棄になるな。分かりやすい代表例ではないかと。

「ところで人数の振り分けですがフェイトさんは迅速に動く方がいい。
 なるべく人数を少なめにして、移動できる編成で組むのがベストだと僕は思います。」

「となればスタンドで軽快に移動できる征史郎とフェイトの二人がいいわ。
 梨花、初音とワザップは疲労も大きいし、体力的にも人並みだと足並みは難しいし。
 私とワザップが守りながら休憩を挟んで、そこから移動……と言うのがベストだと思う。」

「次から次へと大役を担うのだな、僕は。」

719ワザップの誤解に巻き込まれたキッズ ◆EPyDv9DKJs:2023/07/29(土) 18:24:11 ID:KIFQ.e860
 来夢がたとえ提案しなくても、
 ジョルノか梨花、征史郎でも似た答えになっただろう。
 体力のない初音、挙句連戦に連戦を重ねた二人の体力は割と限界に近い。
 特にジョルノは皆の外傷や血液の為更にスタンドも行使して限界気味だ。
 満足に動けるのは結果的に来夢を含めた三人で、原付では二人を追いかけられないし、
 疲弊した二人を疲弊してるジョルノ一人に任せるのはかなり危険な行為になる。

「征史郎。流石に貴方とこうして情報を共有してないとは思っていますが、
 彼女に手を出すようであれば刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいてください。いいですね?」

 BGMは流れてこないし言動もやんわりとしたものだ。
 三島の時と違って大分ジョルノに比率が寄っているので、
 完全ではないにせよ扱いと言ったものも変わってきている。

「安心しろ。意中の相手は既にいる……今も生きてるかは知らんが、
 彼女が生きていても死んでいたとしても、それについては変わらんからな。」

 結末はどうなったかはともかく、好きになった彼女に生きてほしいと願った。
 違法幼女趣味なんていう、かなり業の深そうなものに手を出すつもりはない。

「じゃあ、行ってくるね。」

 普段のフォーム、ブレイズフォームになりながらフェイトは飛んでいく。
 壁やジッパーを付けたりして、高速で征史郎が追走するように駆けていく。
 ジョルノ・ジョバァーナの知識、つまり本来の持ち主となるブチャラティ。
 その知識を貰ったことで他にも様々な応用を覚え、今の移動手段を覚えた。
 なるほど、これは便利だと。応用すれば壁を滑るように昇れたりして更に幅が広がる。

(麻薬嫌いのギャング、か。)

 簡単にだがブチャラティの人柄も知れた。
 ギャングと言うアウトローな世界においても真っすぐいた男。
 元よりそのつもりだが猶更Stand Up、立ち向かわなければならないな。
 一人静かに思いながら、足並みを揃えたフェイトと共に辺獄を駆け抜ける。

【C-4/一日目/午前】



【フェイト・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:疲労(中)、魔力消費(小)、罪悪感(大)、成人の姿、みさえに対して安らぎと悲しみの心情、羞恥心(大)、ブレイズフォーム
[装備]:甘露寺蜜璃の隊服@鬼滅の刃、バルディッシュ・アサルト@魔法少女リリカルなのはA’s、病気平癒守(残り二回)@東方project、マジックポーション×1@東方project
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜2
[思考・状況]
基本方針:みさえさんの家族、来夢さんと明さんの仲間を探す。
1:征士郎と行動する。
2:家族って、良いものなんだね…
3:他の人達もそれぞれ別々の世界からつれてこられてるのかな…
4:明さんを止める。もしも明さんが死ぬことになるとしても。
5:私の知らないバルディッシュ。でも、私を知ってるバルディッシュ。
6:キャスター・リンボ……あなたは絶対に倒す。
7:ひろしさんやしんのすけに会った時、謝る。

[備考]
※参戦時期は少なくとも第一期のプレシア事件の後です。
※来夢の事情を知りました。(せつ菜を殺めた顛末)
※来夢からブルリフの世界について簡単な知識を得ました。
※明からデビルマンの世界について簡単な知識を得ました。
 最愛の人である美樹を人間に殺されたことは察してます。
※成長そくしんライトによって原作におけるストライカーズの年齢まで成長してます。
 バリアジャケットはその場で変化させているため格好に問題はありませんが、
 このまま元の服装に戻れば元の服のサイズが合わない為、どうなるかはお察しです。
※バルディッシュの参戦時期はA’s最終話までなので、
 真・ソニックフォームなどそれ以降の時期のフォーム等にはなれません。
※主催にキャスター・リンボ(名前は知らないが芦屋道満)の存在を知りました。
※征史郎、ワザップジョルノ、梨花、初音と情報交換しました。
 初音に関しては嘘も混ざってます(琴美に攻撃の件、アカメが怖くて逃げた等)

720ワザップの誤解に巻き込まれたキッズ ◆EPyDv9DKJs:2023/07/29(土) 18:25:01 ID:KIFQ.e860
【城本征史郎@トガビトノセンリツ】
[状態]:精神疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜1(夕月×0〜1確認済み)、スフォリアテッレ×1(箱入り)@クライスタ
[思考・状況]
基本方針:殺し合いに反抗する。
1 :はるなの遺志を継ぐ。
2 :ジャマイカ一行(悠奈)とは敵対はしないが、方針的に共同は難しいな。
3 :はるな、夕月、アルーシェの知り合いを探す。
   特に城咲充優先かつ、前者二名の知り合いにも謝っておきたい。
   ただ平行世界の件もあるのでその辺気を付けないと痛い目を見そうだ。
4 :スタンドでできることを試そう。できて当然と言う認知が大事だ。
5 :ついでにスタンドを使える奴がいるか探す、或いは警戒をしておく。
6 :あっさりと終わったがこれでいい。語られなかった物語とは、そういうもので。
7 :生きたまま首輪が外せるかを乗った参加者で試す。できないとは思うが。
8 :首輪について調べておく。
9 :……ふむ、生きて帰れたら生物学でも齧ってみるとするか。
   あ、パンドラボックスの齧るとは別の意味だ。
10:オカルトか。このご時世で必要とはな。
11:フェイトと行動。

[備考]
※参戦時期は死亡後です。
※リベリオンズ、ブルーリフレクション、よるのないくに2の情報を得ました。
 リベリオンズ勢は全ルートの人物と遭遇か共有した結果概ね把握こそしましたが、
 逆に判断が困難を極める結果となった為若干これについて思考停止気味になっています。
 また、初音に関しては2ndステージ以降の話は聞いてません。
※おおよそスタンドでできることを把握しています。
 ワザップジョルノから何か応用の仕方を聞いてるかも。
※マネーラ、ギャブロ、藤丸立香の情報を簡易的に得ました。
※キヨスから幡田零の情報を得ました。(外見と妹を探していることについてのみ)
※二日目の昼にE-3にあるかなでの森博物館に人が集まる情報を得ました。
※ロック(バンパイア)の危険性について知りました。
 爆発させる能力はスタンドによるものではないかと推測しています。
※フェイト、来夢、初音、ワザップジョルノ、梨花と情報交換しました。
 初音に関しては嘘も混ざってます(琴美に攻撃の件、アカメが怖くて逃げた等)



【司城来夢@BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣】
[状態]:疲労(小)、罪悪感(大)、服全身血まみれ、みさえに対して安らぎと悲しみの心情、腕に打撲
[装備]:火車切広光@11eyes -罪と罰と贖いの少女-、成長そくしんライト@ドラえもん、銀時の原付@銀魂、飛鳥了の猟銃@デビルマン
[道具]:基本支給品一式、みさえのデイバック(基本支給品、ランダム支給品×1)
[思考・状況]
基本方針:乗らない。そして、せつ菜さんやみさえさんの知り合いのを探して謝る。
1:リフレクターになる指輪を探したい。
2:せつ菜を殺した事実を受け止めて、関係する人達に謝罪する ※ヒナにも隠さず伝える。
3:明がアモンに人格を乗っ取られた今、ライムは―――
4:みさえさんのエーテル……とても温かかった。
5:ユズについては、仕方なかったと思う。でも……
6:ライムも、フェイトのそれを背負うわ。
7:皆が休めるように見張りを務める。

[備考]
※参戦時期は11章、原種イェソド1戦目終了後から
※優木せつ菜を殺めたことで精神が不安定になっていましたが、
 みさえの愛情で頭痛は鳴りやみ、落ち着きました。
※みさえからクレヨンしんちゃんの世界について簡単な知識を得ました。
※明からデビルマンの世界について簡単な知識を得ました。
 牧村の件はなんとなく察せてます。
※主催にキャスター・リンボ(名前は知らないが芦屋道満)の存在を知りました。
※征史郎、梨花、ワザップジョルノ、初音と情報交換しました。
 初音に関しては嘘も混ざってます(琴美に攻撃の件、アカメが怖くて逃げた等)

721ワザップの誤解に巻き込まれたキッズ ◆EPyDv9DKJs:2023/07/29(土) 18:25:34 ID:KIFQ.e860
【阿刀田初音@リベリオンズ Secret Game 2nd stage】
[状態]:精神的疲労(大)、疲労(大)、全身にダメージ、不安(大)
[装備]:霊撃札×3@東方project、壊れた如意棒@ドラゴンボール、バショー扇@ドラえもん
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜1(アカメ、琴美が確認済み。ボウガンや危険物以外)
[思考・状況]
基本方針:初音にどうしろというのですか……
1:充を探……すべき、なのですか?
2:修平、アカメには要警戒する。アカメは逃げなくてもいいようにはできた?
3:琴美……ユカポン……
4:どうして、みんなそんな風にカルネアデスの板を譲れるのですか。
5:今は休む。

[備考]
※参戦時期はBルート、充の死亡直後より。
※自分が琴美を殺したと思ってます。
※如意棒は伸びなくなってます。
※バショー扇には攻撃の風と指定されてます。
※征史郎、梨花、ワザップジョルノ、フェイト、来夢と情報交換しました。
 彼女の発言は嘘も混ざってます(琴美に攻撃の件、アカメが怖くて逃げた等)



【古手梨花@ひぐらしのなく頃に 業】
[状態]:精神復調、後頭部にたんこぶ、精神的疲労(大)、疲労(大)、ボミオス状態、舌を改造
[装備]:いつもの服、インパスの指輪@トルネコの大冒険3(英吾の支給品)
[道具]:基本支給品、不思議な杖三本セット(封印の杖[0]、ボミオスの杖[0]、ふきとばしの杖[0])@ドラゴンクエスト外伝 トルネコの大冒険 不思議のダンジョン
     ランダム支給品(0〜1)
[思考・状況]
基本方針:繰り返しを脱する手がかりを掴む
0:生き残り惨劇の舞台を壊す。
1:沙都子…
2:頑張れるだけ、頑張る。
3:三島…ごめんなさい
4:あれは人工呼吸だからノーカン…ノーカンよ…
5:今は休む。

[備考]
※参戦時期は16話で沙都子に腹を割かれている最中(完治はしています)
※ワザップジョルノ、プロシュートを危険人物と認識しています。
※ミスティの黒針の効果で興奮すると感度が増して体力と引き換えに他者の体力を回復させる唾液が分泌されるようになりました。
※征史郎、初音、フェイト、来夢と情報交換しました。
 初音に関しては嘘も混ざってます(琴美に攻撃の件、アカメが怖くて逃げた等)



【ワザップジョルノ@ワザップ!】
[状態]:主催者への怒り(極大)、全身にダメージ(中〜大)、全身やけど、疲労(大)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3
[思考・状況]
基本方針:主催者を訴え、刑務所にぶち込む
1:梨花を護りつつ脱出への糸口をつかむ。
2:今は休まなければ。裁判と逮捕は根気との戦いだ。

[備考]
※外見はジョルノ・ジョバァーナ@ジョジョの奇妙な冒険 です。
 記憶も五部完結まで保持しているようです。
※ゴールド・エクスペリエンスも使えますが、
 矢をスタンドに刺してもレクイエム化はしないと思われます。
※CVは想像にお任せします。
※古手梨花、北条鉄平、プロシュートを犯罪者と認定していますが、
 梨花に対してはかなり軟化していると思われます。
 征史郎については情状酌量の余地ありとして釘を刺す程度に留めてます。
※犯罪者の認定は完全な主観です。罪が重いほど対象に対する怒りは大きくなります。
※犯罪者対応は拘束が目的ですが、対応時に手加減はあまりしないようです。
※ワザップ状態が完全に解けてもジョルノ・ジョバーナ@ジョジョの奇妙な冒険にはならないようです。
※梨花の唾液を注入されて体力と怪我が少し回復しました。
※陰茎が生えたことによりワザップ成分よりもジョルノ・ジョバーナ成分が強まり、暴走も比較的緩和されたようです。

※全員ゴールド・エクスペリエンスで外傷を治し、
 一部人物は血液を補充してます。

722ワザップの誤解に巻き込まれたキッズ ◆EPyDv9DKJs:2023/07/29(土) 18:26:09 ID:KIFQ.e860
【甘露寺蜜璃の隊服@鬼滅の刃】
梨花に支給。恋柱、甘露寺蜜璃が着ている隊服。
鬼殺隊の事後処理部隊『隠』に属する前田まさおが、
職権乱用によってぶっちぎりに魔改造された隊服であるため、
通常の女性の隊服と違って胸元が開いてたりミニスカートだったりと、
女性は肌をみだりに晒すべきではないとされた大正と言う時代において、
当時の時代とは思えぬぐらいに露出度の高い相当アレな恰好だったりする。
なお蜜璃は最初はそれが普通だと勘違いしたのもありそのまま着ていた。
こう書くとアレだが、通気性はいいし防水も防炎性能共に比較的高く、
並であれば鬼の爪や牙は通さない防刃性能も持っていて結構頑丈。
隊服だが彼女の服装一通りが支給されてるので、
煉獄の就任祝いの白い羽織り、伊黒から貰った編み上げのハーフブーツも含む。
下着もある。ちゃんと下着もある(大事なことなので二度言ってきます)。

【病気平癒守@東方project】
はるなに支給。非想天則にシステムカードだが、
本ロワででは五芒星の形状をしたお守りと言った扱いとする。
使用してる間体力が回復するが、使用中は無防備になる。
使用できる回数は四回で、回復の量は四回使えば四割ほど。

723 ◆EPyDv9DKJs:2023/07/29(土) 18:26:55 ID:KIFQ.e860
以上で投下終了です
後タイトル間違えてました
「ワザップの誤解に巻き込まれたキッズ(キッズではない)」です

724名無しさん:2023/10/03(火) 06:24:20 ID:exduHxts0
投下します

725我ら一つ、等しく辺獄を漂う ◆EPyDv9DKJs:2023/10/03(火) 06:24:52 ID:exduHxts0
あ、間違えましたトリップ忘れてました
投下します

726我ら一つ、等しく辺獄を漂う ◆EPyDv9DKJs:2023/10/03(火) 06:25:32 ID:exduHxts0
 それはもう通夜というべきだろう。
 病院は使える部屋はあれどほぼ半壊状態と化した。
 都古を、晄を、そして帰りが遅いと確認しに戻ったらロックが。
 病院にいた六人の人物はたった一度の戦い、否三人の襲撃者によって、
 半分にまで減らされると言う痛ましい事態を前にしてはそうなるのも無理からぬことだ。
 加えて零はアナムネシスの言葉で未だ頭の中に整理がついているわけでもない。
 全員揃って意気消沈しており、淀んだ空気が流れていた。

「えっと……埋葬だけでもする?」

 この空気の重さに耐えきれなかったのと、
 誰が何を言い出すか決まらずウォーハンマーを取り出しつつ愛は提案する。
 可奈美とフェザーが舞衣の埋葬をした時と同じであり、何事もなくスムーズに進む。
 支給品を回収した後、都古と晄にも同じように武器を回収して話を進めていく。
 首輪については今後も必要と言う事で、ひろしがその役割を背負うことにする。
 女の子に仲間の首を斬れなんてこと、させたくなかったが故に。
 とは言え彼とてそんな作業は初めてだ。震えた手で首を可奈美から借りた刀で斬り落とし、
 首輪を回収してから埋葬して、一つの作業を終える。

「それで聞きそびれたが、この子は誰なんだ?」

「……幡田零、です。」

 機械的な返事だけの挨拶。
 何かあったことは想像に難くないものの、
 そこは可奈美がなんとかフォローして話を進めていく。
 殺し合いに乗っていた可能性については一応伏せた状態で。
 今の状況でそれを伝えては色々面倒ごとになるのもある。
 この人達なら受け入れると分かっていても少し余裕が必要だから。

「そっか、妹さんが……」

 想像の数倍斜め上の状態。
 家族揃って摩訶不思議な連中と戦うことの多かったひろしでも、
 彼女のような陰鬱とした戦いに挑むと言う事はほぼほぼなかった。
 余りに救いがない。今まで唯一残された家族のために抗ったのに、
 生き返らえせたい妹が最悪、大量殺人を犯してる可能性があること。

 言うなればしんのすけがマサオを手に掛けたりしていた、
 と言われたようなものだ。それを親として受け入れられるものではない。
 敵の言うことを素直に信じるべきかどうかはあるかもしれないが、
 嘘を言ってると断じられる状況でもないことは分かっている。

「だったら、妹さんにまず会わないとな。」

「え……あの、あっさりしてませんか?」

 殺し合いに乗った妹を抱えてる姉なんだから、
 もっと疑ってしかるべきだろうに。何故可奈美含め、
 こうもあっさりと受け入れる姿勢に思わず零も素に戻ってしまう。

「確かに驚いたが、家族が心配なのは当たり前のことだ。
 俺だって此処に息子も妻もいるんだ。気になるのは当然だろ?」

「ですが、野原さんの場合別に家族が……」

 別に悪いことをしていたわけではない。
 自分のように止めるべき凶行を行ったわけでもなく。
 様子を見るに、さぞ仲睦まじい一般的な家族なのだろう。
 自分のように血で染めた手で妹を取り戻そうとしていたのに、
 その妹も数多くの人の命をの上に立っているかもしれないのとは違う。

「家族だったらその間違いを止める。違うか?」

 もししんのすけがそんなことをしてるのであれば。
 これ以上そんなことをさせるわけにはいかない。
 それが、道を違えた息子のためにできる親の行動だと。

「兄や姉は妹を守る者って言うだろ?
 押し付けるつもりはないし、もししんのすけが何かしてた場合だがあいつは兄ちゃんだ。
 それなら、親である俺が止めなくちゃいけない。零ちゃんの家族の事情は分からない。
 けど生き返らせたいほど大切な妹だと思い続けてたんだろ? 会わなくちゃ始まらないだろ?」

 言ってることは間違いではない。
 零の両親はもういない。事故で亡くなっている。
 セレマもいなければ、彼女の親しい友人も記憶から妹の記憶は消えた。
 だから、もし彼女の凶行を止められるものがいるとするのならば、
 それは自分以外にいないと言う事を。

「やったことはどうしたって無理なのは分かってる。
 アナムネシスって奴も納得は難しいとは思う。けど、
 これ以上妹さんの暴走を止めるのも必要だと思うぜ?」

 過去はどうにもならない。
 でも今や未来ならばすぐに変えられる。
 ありふれた言葉、ありふれた説得の仕方。

「……私は、野原さんのように前向きにはなれません。
 家族を喪った時、涙すら流せなくなってしまった私には。
 零って名前も、きっと何もない私に対してつけたものだと……」

727我ら一つ、等しく辺獄を漂う ◆EPyDv9DKJs:2023/10/03(火) 06:25:49 ID:exduHxts0
 そんなもので納得ができるのであれば、彼女はとっくに変われている。
 どんどん心をやつれさせ、壊れさせ、涙すら流せなくなった空っぽの心。
 そんな自分に一体何ができるのか。何も成せやしないんだと思わずにはいられない。

「あーもう、湿っぽい!!」

 そんな空気を破ったのは愛。
 思わずほかの三人は面食らった表情になる。

「レイレイはミラを止めたい! そういえばいいだけだよ!
 悩む必要なんかないし、まずは会えばいいって野原さんも言ったじゃない!」

「レ、レイレイにミラ?」

 勢いの強さに、思わずたじろぐ零。
 小衣以上に押しの強い性格をしてるようで、
 彼女を思い出すのもあり返事に少し戸惑う。

「仲間や家族が無茶をしてたら誰だって止める。
 愛さんも野原さんもカナミンだってそこは同じだよ!」

「ですが……」

「幡田さん。さっきも言ったけど、
 私は絶対に見捨てることができない。
 凄く似ているから。私の知り合いに。」

 誰に頼ることもできない。
 ただ一人進むことしかできない。
 そんな殉教のような道を辿る彼女。
 余りにも重なってしまうのだ。十条姫和に。

「そう、ですか……分かりました。」

 無限にはいと言わせるまで行動しそう。
 そういう考えもあって零の方が先に折れる。

「それで、どこに行くのが正解なんだ?」

「愛さん的には北か北東じゃないかな。」

「理由は?」

「因縁がある相手と同じ方向へ行くかな、って思っただけだったり。」

 因縁のあるアナムネシスが同じ方向を選ぶとは考えにくい。
 となれば東から来ていたと思しき彼女の反対方向がありうるだろう。

「さ、まずは妹さん探しかアナムネシスを止めねえとな!」

 自分が一番弱い立場ではあるが、
 同時に一番年上の立場であるのは今も変わらない。
 年長者として、子供たちを落ち込ませるわけにはいかず元気に振る舞う。
 手を潰された以上、流石に脂汗は滲み出ていたが。

『ミサエかシンノスケが死んだら、どうするつもりだ?』

 空元気を出したいのは、
 ギースから言われた言葉を振り切りたいのもある。
 本当に、自分はどちらも喪った場合それを貫けるのか。
 本当に僅かなレベルではあるが、疑念として残ってしまっていた。

 武装や首輪等、持つべき人に渡しておく。
 最悪は想定したくない。でも最悪はきっとありうる。
 なければロック達も、フェザーたちも、舞衣も死ぬことはないのだから。
 だからある程度、零はまだ受け取れないと首輪を断ったのもあり、三人にそれぞれとひろしは追加でギースの首輪を。
 更に武器になりえるものや相性を考えて道具を交換し、軽く情報交換を交えながらの食事をしていく。
 零についてはまだあまり話せる状況ではないのでもう少し後でと言う事になったものの、
 ようやく可奈美に限らず、多くの人が別々の世界だと言う事が認識に至れている。
 多くの情報を纏め、ひとしきり一服も終えたことで最初に可奈美が立ち上がり、
 続けてひろし、愛、零も立ち上がって動き出す。

 誰しも平等にして不平等に訪れる死の辺獄。
 そこに足掻く者達の新たな旅立ちが始まる。

【F-4/一日目/午前】

【宮下愛@ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会】
[状態]:頬に傷(処置済み)、肩に裂傷(処置済み)、耳たぶが少し削れてる(処置済み)、疲労(中)、精神疲労(大)、覚悟完了
[装備]:レッドカード@ポケットモンスターシリーズ、特注の日傘@東方project、浪漫砲台パンプキン@アカメが斬る!、
[道具]:基本支給品×2(自身、夕月)、ランダム支給品×0〜1(少なくとも愛に使えない武器、回復系でもない)、包帯×2、絆創膏×1、洸のデイバック(基本支給品、手榴弾×3@現実)、晄の首輪
[思考・状況]
基本方針:殺し合いには乗らない。でも戦わないつもりはない。
1:ゆうゆ(有)達を探しつつ首輪も何とかしたい。
2:みんな……無事でいてね……
3:病院の皆と合流しなくちゃ。
4:みっつん。少しの間待ってて。愛さん頑張るから。
5:あの変装をする何か(マネーラ)に警戒しないと……どうやって見分けよう。
6:愛さんも、戦うよ。
[備考]
※参戦時期はアニメ最終回後。
※マネーラの本来の姿を別の参加者を模倣した姿と思ってます。
 また姿だけですが立香、あかり、零の姿を覚えてます。
※右足のコンクリートはウォーハンマーで強引に破壊して元に戻ってます

728我ら一つ、等しく辺獄を漂う ◆EPyDv9DKJs:2023/10/03(火) 06:26:09 ID:exduHxts0
【野原ひろし@クレヨンしんちゃん】
[状態]:左手粉砕骨折(止血済み)、疲労(大)、精神疲労(特大)、罪悪感
[装備]:こおりのいぶき×2@スーパーペーパーマリオ、スモークボール@大貝獣物語2×4、黒鍵×5@MELTY BLOOD、スピリット・オブ・マナ@グランブルーファンタジー、都古とギースの首輪

[道具]:基本支給品(水が少し減ってる)、予備のショットガンの弾、ランダム支給品×0〜1、包帯×3、都古デイバック(基本支給品、ランダム支給品×0〜1、ニュートンの林檎×4@へんなものみっけ!)、ギースの写真@餓狼伝説
[思考・状況]
基本方針:殺し合いはしない
1:しんのすけ達を探しつつ首輪も何とかしたい
2:とりあえず今はロック達と病院で休む
3:都古ちゃん……すまねえ……!!
[備考]
※少なくとも『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』までの映画版での出来事は経験しています。



【衛藤可奈美@刀使ノ巫女】
[状態]:精神疲労(特大)、疲労(大)、左肩弾痕(処置済み)、右手に傷(包帯で処置済)
[装備]:孫六兼元@刀使ノ巫女、白楼剣@東方project、司城夕月の指輪、 悪鬼纏身『インクルシオ』の鍵@アカメが斬る!、仙豆@ドラゴンボール
[道具]:基本支給品×3(自身、舞衣、ギース、ロックの分。舞衣とロックのみランダム支給品×0〜1×2)、スタミナドリンク100×4、黒河のPDA(機能使用可能回数:2回)@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage、包帯×2、ロックの首輪

[思考・状況]
基本方針:殺し合いはしない。姫和ちゃんやみんなを探したい。
1:幡田さんを放っておくわけにはいかない。
2:姫和ちゃんは千鳥がないと……ううん。それでも私が止めないと!
3:お母さん、薫ちゃん、舞衣ちゃん……私、生きるよ。
4:皆と早く合流しなきゃ。
5:フェザーさん……私、頑張るね!
6:アナムネシスの反応、どういうことなんだろう。
7:みらいちゃんを探して止める。

[備考]
※参戦時期はアニメ版21話、融合した姫和と戦闘開始直後です。
※舞衣の理念の残滓との影響で孫六兼元で刀使の力が使えるようにはなりましたが、
 千鳥と比べたら半分以下の制限となります。(人外レベルの相手は難しい)
※情報交換したため世界の違いに気付いてます



【幡田零@CRYSTAR -クライスタ-】
[状態]:涙は流れない、精神不安定(極大)、疲労(中)
[装備]:代行者の衣装と装備、オチェアーノの剣@ドラゴンクエスト7エデンの戦士たち
[道具]:基本支給品一式×2(自身、はるな)、不明支給品×0〜2
[思考]
基本方針:???
1:私は……
2:千さん……
3:あの男(修平)とは、次にあった時は殺し合う事になる。
4:吹石琴美って、あの琴美さん?
5:立花特平のような参加者に化けた幽鬼に警戒。
6:みらいが幽鬼の姫……? アナムネシスを殺したのはみらい?
7:この雰囲気、みらいに会わないと話が進まないような……
  とは言え、会って確かめないと……

[備考]
※参戦時期は第四章、小衣たちと別れた後です。
※武器は使用できますが、ヘラクレイトスは現在使用できません。
※参加者の一部は主催によって何か細工をされてると思っています。
 ただし半信半疑なので、確信しているわけではありません。 
※彼女のこの舞台での経緯についてまだ聞いていません。
 つまり、マネーラのことも伝えていません。

※F-4病院の周辺に以下のものが落ちてます
 ギース・ハワードの灰
 ギース・ハワードの遺灰物

 F-4病院にて
 折れたハイドラ@バイオハザードシリーズ
 が落ちてますが、瓦礫に埋もれて回収は困難です

 F-4病院前の駐車場にて
 少しへこんだ鉄バット@ひぐらしのなく頃に
 鉄バットはコンクリートに埋まってるので普通の手段では回収は困難です。
 があります。

我ら一つ、等しく辺獄を漂う

729我ら一つ、等しく辺獄を漂う ◆EPyDv9DKJs:2023/10/03(火) 06:26:35 ID:exduHxts0
以上で投下終了です
最後の一文ただのミスです

730堀敏雄:2023/10/07(土) 22:05:49 ID:derw9/FI0
岐阜県羽島郡笠松町西金池町96番地
昭和29年5月16日
09041193020

731ジェイル・ハウス・ロック ◆EPyDv9DKJs:2023/10/21(土) 15:18:15 ID:k/ynSJxI0
投下します

732ジェイル・ハウス・ロック ◆EPyDv9DKJs:2023/10/21(土) 15:19:28 ID:k/ynSJxI0
 帝具、魔法少女、刀使、リフレクター、ヴァンパイア。
 様々なものがこの舞台には混在している。多くは異能や武具を駆使し、
 主催にとっては舞台を大いに盛り上げる要因となっているのだが、

「はは、やるじゃないか!」

「このッ!」

 この四人、貴真と悠奈。
 レオーネと木刀政こと鈴木政雄の戦いは人間的なものだ。
 銃と銃、籠手と木刀。人間が持ちうる普通の武器での戦いになる。
 勿論彼等、特に貴真にとっては悠奈は最優先事項の存在だ。
 しかし、余りにやりすぎて素を出せば政にも疑われかねない。
 向こうにも味方がいる以上、長続きはしない関係なのは分かっている。
 だからやりすぎない程度に戦うと言う風をなるべく装っていた。

「アンタもよくあんなのと付き合ってるなぁ!」

「そっちも言えたことじゃねえけどな!」

 戦ってる最中だからだろうか。
 向こうの二人は真面目に話し合う様子はなかった。
 彼にとって都合がいい。今の内に悠奈さえ仕留めればこちらのものだ。
 とは言えローションは足並みが揃わなくなるのと有限なので、
 使わなかったのもあり使う暇はないので素の実力での戦いを越えられないが。

(分かってはいたけど、鍛えてるわね……!)

 貴真はゲームの為にある程度鍛えた上で参加していた。
 なので悠奈以上に心得があり、それで地道に攻めている。
 もっとも悠奈のスペックはあの瞳とある程度応戦できるぐらいだ。
 いかに彼が鍛えたと言っても、致命的なレベルにはなりえない。
 だからと言って、ローション抜きでの生身での戦いは危険だ。
 悠奈は殺しはしないが、言い換えれば殺さなければ撃てる人間。
 経験者である彼自身が味わった以上、その確信が存在する。

(ってことだから、諦めてこれを使うか。)

 ポロリと移動の中まほうの玉を落としておく。
 めまぐるしく動いて戦うそれに彼女が気付く余裕は、

「させない!」

(そこまでやるか!)

 なんと躊躇せずそれを蹴り飛ばす。
 互いの間に起こる爆発に双方が辺獄の路地を転がっていく。
 互いに受け身を取りながら立ち上がることで互いの持つ銃を構える。
 狙いは足元と頭部。どちらもその狙いは分かっており放つと同時に避けていた。

(一筋縄じゃ行かないね……まあいいか。もし負けたらこれを使うし。)

 ほくそ笑みながら隠し持ったそれを大事そうに思い浮かべる。
 最高の理不尽になるために、ここぞという時に使いたいそれを。

「よそ見する程強くなったわけ?」

 足元を掠める弾丸。
 咄嗟に足を上げてなければ当たっていたのは間違いない。

「逆に強くなりすぎたんじゃない?君、何人殺したらそうなるのかな?」

「ないわよ。アンタと違って!」

 互いに銃を使わず肉薄。
 走りながら当てるのは簡単なことではなく、
 揃って弾丸を放ちこそするが全体的に威嚇射撃の類だ。
 当然揃って当てられないまま銃より体術が有効な射程に入れば、
 その途中で銃をしまった二人は徒手空拳による戦いへと入る。





 まほうの玉の爆発はレオーネ達も反応せざるを得なかった。
 残りの二人も思わず反応したが、先に我に返ったたのはレオーネ。
 いかに悪魔と戦ったと言えど暗殺者の方がどうしても経験が違う。
 交差して防いだ木刀を押し返し、銅ががら空きの所へ右ストレートをかます。
 即座に政がバックステップで距離を取ったことで射程外へ逃げ込むも、
 すかさずレオーネが右足を踏み込ませてアッパーカットへと変更。
 すぐに木刀を振り下ろして左の籠手でガードをさせることで追撃を免れる。
 反撃の為続けて突きを見舞うも、今度は白刃取りの要領で止められてしまう。

(やっぱ場数の違いが目に見えるぜ……!!)

 隙を見せたかと思えば誘われたもの。
 本物の隙を見せたとしても対応が速い。
 敵ながら彼女が牧村家にいたら、なんて思う程の実力だ。
 即座に鳩尾を蹴り飛ばして強引に木刀を手放させ距離を取る。

(素人のはずだけど気迫はタツミにも負けないね。
 どんな修羅場をくぐったんだろうね、この相手は。)

733ジェイル・ハウス・ロック ◆EPyDv9DKJs:2023/10/21(土) 15:20:40 ID:k/ynSJxI0
 強さで言えば帝具抜きでも相手できており、
 イェーガーズと比べたとしても遠く及ばないだろう。
 けれど彼の覚悟や気迫は肌でビリビリと感じ取れる。
 いや、本当にビリビリとした感覚がしていた

「これマジでビリビリしてるなアタシ!?」

 蹴られた部位を中心に全身が電流を流された感覚だ。
 微小なレベルではあるが、無視できるものでもなかった。
 ライオネルがあればまだ別だっただろうがそうはいかない。

「悪いな姉ちゃん。こっちも勝つためには必要でな。」

 戦闘中にさらりと政はビリビリキャンディを食べていた。
 食べると帯電した状態になるので、物理攻撃に電撃属性がついたようなものだ。
 拳は武装してたので気付かなかったが振れれば電流による反動を受けてしまう。

 ただ、それでも互いの攻防は一進一退だ。
 元よりレオーネは毒だなんだのを受けても戦えた。
 特に雷撃ならばブドー将軍のアドラメレクの方が圧倒的に上。
 また籠手越しに殴っていれば問題はないと言うのが何よりも大きい部分だ。
 手段を選べないと政は言ったが、それでも五分五分と言ったところになる。

 一番の差は対人経験の差だろうか。
 悪魔とやりあった政ではあるものの、
 対人経験は不良や暴徒の範疇を余り超えていない。
 一方でレオーネは暗殺者。相手は人間である場合が基本だ。
 その経験の差もまた、埋め切れない差を作っている。

「っていうかその木刀硬すぎんだろ!?」

 彼にも籠手使って攻撃してるのに、
 折れるとかそんなの一切無縁の形状を保つ。
 一体何をしたらそうなるのかツッコミどころしかない。

「悪魔相手にも壊れなかった武器だからな!
 俺はこの木刀達と共に、アイツを止めなきゃいけねえんだよ!」

(アイツ?)

 彼の発言に疑問を持ったそのとき、

「横槍!」

 踵落としで二人の間へ割って入り、政の方へと刃を向けるエレンが登場する。
 後方からは侑とミスターLも参じており、先行した意味はあったことが分かる。

「お、そっちは上場か……って、
 なんかしばらく見ない間にやばい状態だね。」

 左腕の欠損。
 同じく腕の欠損の経験はある為、
 うへぇとげんなりとした顔つきでその状態を見やる。

「色々訳ありデース。それで、敵は彼なので?」

「エレンさん、速すぎ……」

「トジってこんな速いのかよ。」

 戦いの音により、迅移で加速して参じた。
 なので二人は半ば置いて行ったに近く、
 足が特別速いわけではない二人は息切れを起こしている。

「……おい、ちょっと待て。
 ひょっとしてだが、俺は誤解してないか?」

 悠奈は修平とも繋がりがある。
 だから敵となる参加者だと思っていたが様子が違う。
 エレンはともかく、侑は明らかに一般人にしか見えない。
 彼女と仲間である状態を維持するメリットがあるとは思えなかった。
 もし潜伏目的であれば、知り合いである修平を味方などとは言わない。
 修平に対する言い淀んだあの返答も、今となっては引っかかる部分になってきた。
 何かがおかしいことに気付き、一先ず木刀を降ろして話を伺うことにする。

「お、帝都時代のアカメみたいなパターンか。」

 話し合いができそうなのはラッキーと、
 早々に構えを解いて情報を提供する。
 聞いてみれば、にわかには信じがたい事実。
 情報交換からそう時間は経過してないので、
 はっきり言うと彼との友情とかがあるわけではない。
 なのでそうだったとしても『そういうのもあるか』と納得できる。
 信じがたいのはその思考の方だ。自信を理不尽そのものになりたいとか、
 まるで宗教の教えのような思考に反吐が出そうになる。

「余りにぶっ飛びすぎてて、
 こうしておたくらが俺を野放しにしてても信用しづれえな。」

734ジェイル・ハウス・ロック ◆EPyDv9DKJs:2023/10/21(土) 15:21:42 ID:k/ynSJxI0
「あたしも聞いた時は意味不明だったね。
 概念そのものになりたいってことなのかね、ありゃ。」

 その為に殺されるとか、
 ただ殺されるよりもよっぽど意味不明で納得いかないね。
 なんて溜め息を吐きながらレオーネがごちる。

「ギースって人や禄郎って人といい、なんでそんなに……」

 人を殺したがるのか。
 人を殺し殺される世界にいない以上、
 侑からすれば理解できない領域にある。
 もしかして、自分がそうは思っていないだけで、
 同好会の誰かもそう言うことを考えてるのではないか。
 なんて疑心暗鬼すら出てきそうになってしまう。

「人間は単純なもんだ。殺された経験から来るものもあるがな。」

「あ、それ同意―。クソみてえな連中ばかり見てきたから分かるー。」

 殺された身でありながら、
 まるでコーヒーブレイクの時のような会話のやりとりをする二人。
 さっきまで殺気立って戦っていた間柄とは思えなくなる。

「んで、どっちを信じるかは自由だよ。
 アンタは不意打ちはするような奴じゃないだろうし、
 だから考えがまとまるまでの間此処で好きにするといいさ。
 ま、どっちにしても真実を知る手段が簡単にあるわけだけど、試す?」

「なんだと?」










 貴真と悠奈の肉弾戦は貴真の法が優勢だった。
 殺し合いの為に技術と殺し合いに叛逆するための技術。
 そも貴真は裕福な環境の人間だ。だから鍛えたにしても、
 ちゃんと相応の場所を与えられている。此処が覆せない差だった。
 悠奈の拳を払い鳩尾へと拳が叩き込まれ、軽く大地を転がされる。

(この男、正面からでも強いのもむかつくわね……!!)

 彰だったら余裕でこの接近戦は行けたのだろう。
 そこらの棒きれでボウガンを弾くと言う無茶苦茶をした彼であれば。
 無論、剣術が使える何かしらの棒があればの話ではあるだろうが。
 銃口に狙われる前に動くことで放たれた弾丸は地面に埋まるだけに留まる。
 その勢いで起き上がりながら近くの路地を壁にするよう潜り込む。

(油断はしないよ。)

 油断したから負けたからね。
 と内心生前の事を思い出しながら、
 せつ菜の支給品を取り出そうとする。

「ちょいと待ちな。」

 物陰に隠れた悠奈を見る彼の背後から、
 政が先ほどまでとは裏腹に静かに声をかける。

「あれ、そっちは片付いたのかい?」

「貴真。俺は不良だから特別頭はよくねえ。
 親は宗教にはまっちまってたのもあるからな。
 だが、そんな俺でも流石に気づくこともあるぜ。」

 悠奈以外は少なくとも敵じゃない。
 それだけは断言できるものだと。

「ステルスがうまいなら、
 つまり悠奈以外は敵じゃあねえ。
 だったら俺たちと同じ仲間になるはずだ。
 それなのにテメエは説得を欠片もしてこなかった。
 そして話を聞く気があるような対応を最初にしたアイツ。
 どう考えても俺の中で、信用できる度合いが違うんだよな。
 念の為聞くぜ。てめえはどっちだ? 乗ってるのか、乗ってないのか。」

 疑念が早くも出てしまった。
 確かにその辺をおろそかにしすぎたのはよくなかった。
 どうもうまくいきそうにないが、念のため粘ることにしてみる。

「何を言ってるのさ。乗るつもりなんて全く───」

「嘘だよ。」

 冷静に、残念そうに。そしてどこか怒りがこもったかのような声で。
 物陰から侑が出て割って入るように静かに呟いた。
 表情も悲しいやら怒りやら、複雑な感情が入り乱れたものだ。

「理不尽になりたい。その為に多くの人を陥れたい……そういう考えだって。」

735ジェイル・ハウス・ロック ◆EPyDv9DKJs:2023/10/21(土) 15:22:41 ID:k/ynSJxI0
 スペクテッド。
 心を読むことのできるそれは、
 ある意味彼にとって天敵と言ってもいいものだ。
 あらゆる思考が見透かされてしまうのだから。

「残念だが嘘を見抜ける手段があったらしい。
 これで決まりだな。性能は既に確認済みだ。
 テメエとは、短い付き合いだったな。言い残すことはあるか?」

 騙されたのは自分の方にも問題がある。
 なのでその辺についての怒り自体はそこまでない。
 もっとも、殺しはせずとも一発ぶん殴らせてもらうつもりではあったが。
 木刀を振り降ろし、それを綺麗に転がりながら回避してすぐに身を起こす。

「これは詰んでそうだね。」

 流石にどうしようもなかった。
 生き返ったことではやる気持ちを抑えきれず、
 早々に同行者を切り捨ててしまったのもあるが、
 よもや心を読む手段を確立されてはどうにもならない。
 肩を竦めながら、どこかおどけた様子で返す。

「逃がさないわよ。アンタは殺さないけど、
 最後までこっちにいてもらうから。」

 土ぼこりを祓いながら、路地から出てゆっくりと近づく悠奈。
 悠奈の方にも三人、政の方にも三人、即ち六対一になってしまう。
 チーターローションは塗る暇がなく、まほうの玉では自分もろとも吹き飛びかねない危険物。
 いくら自爆上等な行為をしたからと言っても、それではただの道連れでしかなく。
 彼が求める理不尽との同化と言うのは、もっと違うものになる。それでは意味がない。
 つまるところ、もう彼にはどうすることもできない。残された武器を使ったとしても。

「……悠奈ちゃん。忘れてないかな。別に俺は理不尽になる為なら───」















 命すら捨てられる異常者だって。
 そう静かに呟くと、空を見上げながら高らかに叫ぶ。

「メフィス! 『檻』を使う!!」

 不殺主義は敵であれ同じ。
 誰であれ生かす。それが悠奈の一番のミスだ。
 だからギースを逃がし、最悪の展開へと招くこととなる。
 彰との別れの時と同じ、命の取捨を選択することになるのだから。
 彼が叫びながら右手首から飛び出たカードを翳した瞬間、
 周囲に地ならしが起きる。

「何この音!?」

 地ならしに驚嘆する六人だが、
 それが何の音かはすぐに分かった。
 近くの地面から西洋よりの黄金の柵が突き抜けて、
 道を阻み始めていたのだから。

「わ、ちょ、俺だけ外かよ!?」

 運がいいのか悪いのか、
 ミスターLは丁度その境界線上にいて咄嗟に後ろへ下がった。
 彼のジャンプ力をもってすれば策など容易に越えられるが、
 謎の壁が阻んで策を越えても皆の下へとたどり着けなかった。

「ほう、思ったよりも多く収穫できたではないか。」

 スマホを片手に、突如七人の前にメフィスが空中に現れる。
 突然現れた主催者を前に、五人は警戒態勢に入り、 

「おい貴真、テメエ何しやがった!?」

 政だけが貴真の胸ぐらを掴みそちらを優先する。
 策はさらに伸びて五メートルを超えた状態だ。
 物理的に入るのは困難だが、ミスターLですら壁に阻まれて通れない。
 出入りすることは叶わないと言う事だ。

736ジェイル・ハウス・ロック ◆EPyDv9DKJs:2023/10/21(土) 15:23:41 ID:k/ynSJxI0
「説明はワシがするから落ち着け。
 何、簡単なことじゃ。この檻が出たければ───」















「このエリア内の参加者を半分殺せ。そうすれば出れるぞ。」

 辺獄と言う檻の中で、更なる絶望の檻で地獄が今始まろうとしていた。

「今回の俺の最期、理不尽の始まりさ。」

※D-3が歯車の塔の檻@CRYSTAR-クライスタ-+オリジナルで封鎖されてます。
 同エリア内の参加者が半分死亡しない限り、出入りすることはできません
 また、今回登場した人物=このエリア全域の人物とは限りません。
 (巻き添えになった人物は後続にお任せします。仮にいなくても問題ありません)
 少なくとも悠奈、レオーネ、エレン、侑、政、貴真が入っており、
 ミスターLは外側にいるためこの影響を受けません。

【D-3とD-2の境界線(D-2側)/一日目/午前】

【ミスターL@スーパーペーパーマリオ】
[状態]:精神ダメージ(特大)
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0〜2
[思考・状態]
基本方針:悠奈のバカバカしい生き方とやらで主催共を叩き潰す。
1:ユウナ・レオーネと行動を共にする。
2:伯爵さまを殺した奴は殺さないがとりあえずぶん殴る。
3:ヒーロー……か。
4:ユウナ! ジュネーヴ条約にジャマイカって何だ!?
5:伯爵さまの遺志を継いでマネーラ、ナスタシアと共に脱出する。
6:工学だけではだめって、どうすりゃいいんだこれ。
7:一足先に侑達の所へついたがまさかアンナがいるとはな!
8:二日目の昼にはE-3のかなでの森博物館へ行き、キヨスと呼ばれる人たちと情報交換。
9:なんじゃこれぇ!?
[備考]
※参戦時期は6-2、マリオたちに敗北した直後
※悠奈からリベリオンズの世界について簡単な知識を得ました。
※名簿から伯爵さまたちが参加していることを知りました。
※悠奈から”拳銃”の脅威を知りました。
※レオーネからアカメの世界について簡単な知識を得ました。
※征史郎経由でマネーラ、ギャブロ、藤丸立香、キヨス、零、アルーシェ、夕月、ロックと関連人物の情報を得ました。
※ギャブロ、立香、侑、エレンと情報交換しました。
※立香から芦屋道満が関わってる可能性を示唆されてます。



【D-3とD-2の境界線(D-3側)/一日目/午前】

【藤堂悠奈@リベリオンズ Secret game 2nd Stage】
[状態]:健康 緑髪、ちょっと複雑、ダメージ(小)、疲労(小)
[装備]:コルトパイソン@リベリオンズSecret game 2nd Stage
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1〜2 予備弾数多め
[思考・状態]
基本:なるべく多くの人を助け、殺し合いを止める
1 :ミスターLとレオーネと行動を共に侑って子のところへ向かう。
2 :私の周りに集まるのってもしかして変なのばかりなのかしら。
2 :彰……私は……
3 :殺し合いに乗っていない参加者達を一つにまとめる。乗った参加者は無力化して拘束する。
4 :もう少し、威力が低い銃もほしいわね……あと、逃走用の対策も練らないと……
5 :たとえ、どんな状況でも挫けず信念を貫く。
6 :征史郎はどうするべきだったのかしら……
7 :鬼くびれ大羅漢に時間停止ってもう別次元じゃない。
8 :修平を止めないといけない。
9 :パラレルワールド、ややこしくなりそう。
10:精神や魂に詳しい参加者っているのかしら。
11:貴真……!!
[備考]
※参戦時期はAルート、セカンドステージ突入語で修平達と別れた後
※緑髪に染めました。
※運営が死者を蘇らせる力を持っていると推測しています。
※ミスターLからスパマリの世界について簡単な知識を得ました。
※レオーネからアカメの世界について簡単な知識を得ました。
※金髪の男は簀巻きにするとケツイしました。
※パラレルワールドの可能性を認知しました。
※征史郎経由でマネーラ、ギャブロ、藤丸立香、キヨス、零、アルーシェ、夕月、ロックと関連人物の情報を得ました。

737ジェイル・ハウス・ロック ◆EPyDv9DKJs:2023/10/21(土) 15:24:09 ID:k/ynSJxI0
【レオーネ@アカメが斬る!】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)
[装備]:ホープナックル@グランブルーファンタジー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜2(確認済み、ライオネルなし)
[思考・状況]
基本方針:メフィス達、覚悟できてんだろね。
1:民の為にもう一度戦いますかね。正義のマッサージ師として。
2:アカメを探……さなくても大丈夫だよね。親友を信じろって。
3:帝具なしでエスデスとかは会いたくねーな! あっても会いたくねーな!
4:優勝するしかなくなったらどうしよ。いや、正義のヒーローが勝つって決まってる。
5:ねぇユウナ。ジュネーヴ条約にジャマイカって何?
6:あのドS将軍に首輪で自爆してくんねえかな。いや無理か引っかからんよな
7:呪術的なのあたし論外ー! あの錬金術師とかなら知ってそうだけど殺しちまったわ!
8:おいおいなんだいこれ!?
[備考]
※参戦時期は漫画版死亡後。
※悠奈からリベリオンズの世界について簡単な知識を得ました。
※ミスターLからスパマリの世界について簡単な知識を得ました。
※征史郎経由でマネーラ、ギャブロ、藤丸立香、キヨス、零、アルーシェ、夕月、ロックと関連人物の情報を得ました。
※二日目の昼にE-3にあるかなでの森博物館に人が集まる情報を得ました。



【木刀政@デビルマン(漫画版)】
[状態]:左腕に矢傷、疲労(小)、ビリビリ状態
[装備]:妖刀『星砕き』@銀魂
[道具]:基本支給品、ドス六のドス@デビルマン(ドス六の支給品)、チェーン万次郎のチェーン@デビルマン(万次郎の支給品)、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本方針:不動を止める。
0:不動に一発お見舞いして目を覚まさせる。
1:修平と見知らぬ襲撃者・藤堂悠奈・彰・来夢・佐藤マサオ・針目・アーナス・日ノ元士郎に警戒する。(一部懐疑的)
2:とりあえず北に向かうか。
3:こいつが藤堂悠奈か……
4:何をしやがった、てめえ!!
[備考]
※参戦時期は死亡後。



【古波蔵エレン@刀使ノ巫女】
[状態]:貧血、左腕欠損
[装備]:越前康継@刀使ノ巫女
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜2(確認済み)
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗るつもりはありまセーン。
1:片腕でも私のやることはかわりまセン。
2:薫や可奈美達が心配デスが、特に不安なのは姫和デスね。
3:ゆんゆん……あのとき身に纏っていた雰囲気は一体?……ちょっと心配デスね
4:二日目の昼にはE-3のかなでの森博物館へ行き、キヨスと呼ばれる人たちと情報交換
5:Oh! 越前康継! Thanks!
6:What!?
[備考]
※参戦時期はアニメ版21話、可奈美が融合した十条姫和との戦闘開始直後です
※ギャブロ・立香の世界について簡単に知りました
※ロックの危険性について知りました。
※立香から芦屋道満が関わってる可能性を示唆されてます。
※御刀を得たため刀使の能力を行使できます。



【高咲侑@ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会】
[状態]:疲労(大)、腰打撲、右肩脱臼、ロックに対する怒り、エレンに対する自責の念(大)
[装備]:五視万能スペクテッド@アカメが斬る!、神木・黒那岐丸@Re:CREATORS
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜2(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:みんなの事が心配。
1:みんな無事かな……レオーネさんも。
2:ごめんなさい、エレンさん……私のせいだ……
3:レオーネさんもエレンさんも、愛さんみたいな……
4:帝具……オーバーテクノロジーすぎない?
5:ロック(禄朗)さん……私は貴方を許せない。
6:ミスターLさんとエレンさんと行動する。
7:え、何!?
[備考]
※参戦時期は参戦時期は11話〜12話の間
※デイバックや基本支給品、ランダム支給品(×0〜2)は、
※ギャブロ・立香・アンナの世界について簡単に知りました
※ロックから零の妹について知りました。
※立香から芦屋道満が関わってる可能性を示唆されてます。

738ジェイル・ハウス・ロック ◆EPyDv9DKJs:2023/10/21(土) 15:24:27 ID:k/ynSJxI0
【崎村貴真@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage】
[状態]:健康
[装備]:チーターローション残り8/10@ドラえもん、コルトポケットもどき@クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝、まほうの玉×8@ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0〜1(優木せつ菜の分、武器の類)
[思考・状況]
基本方針 : この殺し合いにおける『理不尽』を楽しむ
1:政ついていくことを選んだら、まさかもう出会うとはね!
2:参加者に『理不尽』を振り撒く。
3:来夢ちゃん・せつ菜ちゃんの関係者に出会ったら、
  この顛末を上手く利用して、『理不尽』を振りまくはずだったんだけどね。
4:さあ、理不尽の始まりだ。
[備考]
※Zルート死亡後からの参戦となります。

【ビリビリキャンディ@スーパーペーパーマリオ】
政に支給。食べた対象を帯電状態にする。
電気技とかが使えると言うよりは触れるとダメージが出るや、
打撃に電撃が入り混じった攻撃になるタイプ。

【歯車の塔の檻@CRYSTAR-クライスタ-+オリジナル】
せつ菜に支給。原作におけるの3週目の終盤にて四人が分断された西洋の柵。
使用者のいるエリアの端を覆い、条件を満たすまで出入り不可能のエリアとする。
条件は【エリア内に生存する参加者の半数が死亡】によって解除される。
エリア内であれば使用者の場に居合わせてなくとも巻き添え。
制限時間不明だが、禁止エリアにされないとは限らない。

739ジェイル・ハウス・ロック ◆EPyDv9DKJs:2023/10/21(土) 15:25:11 ID:k/ynSJxI0
以上で投下終了です
ちょっと範囲の広すぎたり特殊な支給品なので、
ダメでしたら破棄にしてください

740ジェイル・ハウス・ロック ◆EPyDv9DKJs:2023/10/21(土) 16:00:15 ID:k/ynSJxI0
あ、すいません
場所ですがC-3とD-3でした

741 ◆2dNHP51a3Y:2023/11/24(金) 18:28:04 ID:CoyyKizw0
草壁美鈴、天王寺璃奈で予約します

742 ◆2dNHP51a3Y:2023/11/25(土) 13:04:46 ID:s908zpj.0
投下します

7433001 ◆2dNHP51a3Y:2023/11/25(土) 13:06:46 ID:s908zpj.0
辺獄に包まれた平安京において、朝昼夜という概念は存在しない。
ただ、赤く染まった夜だけがゲームが終わるまで続く。
そう、最後の一人が決まるまで。願いを手にするたった一人になるまで。


これは混迷蔓延る殺し合いの、ほんの小休止とも言える出来事の、その1ページ






考えなかった、というわけではなかった。でも、目を背けようとしていた、というのは間違ってはいない。
青春は他人が思っているほど長くはない、学生の3年間なんでほんの一瞬で過ぎ去っていくもの。
それが輝かしく、長く思えるだけであって。

それでも。別れの時は全員で、なんて幻想を抱いていたのかもしれない。
10人揃って円満に卒業して、お別れの挨拶を言い合えるものだと思っていたのかもしれない。
でも、そうはならなかった。そんなものはただの夢で、簡単に消えるものだと、思い知らされた。


『優木せつ菜』


その名前を聞いた時に思った、何かが抜け落ちていくような感覚。
同好会がこの先どうなってしまうだとか、侑さんは大丈夫なのだろうかとか。
呼ばれたのが愛餐じゃなくてよかったとほんの少しでも思ってしまった自分が恥ずかしくもなった。
現実味が恐ろしく薄かった。まるで夢のようだと。
心が、何処かへ行ってしまう。自分の知らない所で、散って、消えて、失われていって。
誰かの死は、紛れもなく喪失で。心がぐしゃぐしゃになりそうで。
友達が、大切な仲間が、同じ用に無くなっていくことが怖くて。


ふと、自分がどんな顔をしているのか、気になった。
平安時代の民家にも鏡みたいなものがあるのかなと、調べてみたらそれっぽいのがあるのを見て。
それで、ちゃんと自分の素顔は写っていたみたいだった。




―――こんな感情(かお)、出来れば知りたくなかった。

7443001 ◆2dNHP51a3Y:2023/11/25(土) 13:08:30 ID:s908zpj.0




◯ ◯ ◯


「……璃奈」

エリアB-5、とある民家の片隅で。
草壁美鈴が憂いていたのは現状の天王寺璃奈の精神面。
軽い急速を挟みながらも会場を歩き回っていた中で流れたディメーンによる死亡者の放送。
あの童磨という鬼の名前がなかったのは兎も角、この6時間内で38名が死んだという事実は悠長に構えていられるなどという次元をすでに超えていた。
呼ばれた名前の中に、璃奈の知り合いの名前があったのだろう。民家で休ませ、心を落ち着かせようとした。
軽く彼女の様子を覗いてみれば、あまりいい有様ではなかったのだろう。
自分の顔を抑え、鏡に映るそれを見たくないと言わんばかりに咽び泣いていた。
死による喪失は、初めてだったのだろう。

「誰にも、慣れることではないよ。喪失(それ)は」

誰もそうだ。仲間の死、戦友の死、親友の死、大切な人の死。そう簡単に割り切ることは出来ない。
草壁美鈴はそれを知っている。その後に起こってしまった惨劇も踏まえた上で。
黒騎士の一人にして美鈴の憧れであった草壁操/黒騎士スペルビア。彼女による奇襲によって赤嶺彩子を殺されて起こった田島賢久の暴走。
歯止めの効かぬ憎悪から生じた破壊衝動の暴走。その果てに、同じ仲間であった広原雪子によって介錯された。
その後の広原雪子は不安定だ。あの一件で情けない姿だった自分が言えた立場ではなかったが、その後の彼女は無貌にも黒騎士たちに特攻を仕掛け、そして一度死んだ。
ここで一度死んだという表現をしたのは、自分を含めあの赤い夜の一件で命を落とした皆が文字通り何事もなかったかのように蘇っていたから。

ここからの安易な立ち直りは、スクールアイドルという枠でしかない天王寺璃奈という只人には酷な話だ。
今は落ち着く為の時間が必要と、ただ見守ることしかできなかった。

「……我ながら、情けないな」

どうにも、他人に発破をかけたりするのは慣れているが、こういうのは不得意だと。
自分には、今は待つしかないと、不用意な発破は逆に精神の均衡を悪い方向に偏らせかねない。

「私は外を見張っておく。……心配しなくても大丈夫だ」

未だ蹲る璃奈に、そう優しく語りかける。
待つだけでは何も変わらない、けれど彼女はそう強くはないのだ。
自分のような強さを求めるのも酷である。彼女は本当に普通の人なのだ。
その奥底に何かが宿っていた、なんて卓袱台返しなど存在しない。
スクールアイドルと言う肩書きだけがあるだけの、ただの。
だから今は、その心が休まる時間が必要と、そう考えて待つしかなかった。



【B-5 民家の外/一日目/朝】
【草壁美鈴@11eyes -罪と罰と贖いの少女-】
[状態]:健康、術の多用による疲労(小)
[装備]:小烏丸天国+雷切+童子切安綱@11eyes -罪と罰と贖いの少女-
[道具]:基本支給品一式
[思考・状況]
基本方針:殺し合いの打破と、草壁七剣の回収。
1:璃奈と行動を共にする
2:この赤い夜もどきは一体何だ?……魔術によるものなのか?
3:次、外道(童麿)と相まみえたら、頸を刎ねることを試す
4:勇者……奴のあの才は危険だ……
5:璃奈……今は、落ち着く時間が欲しいだろう……
[備考]
※参戦時期は本編終了後です。皐月駆と体を重ねています。
※モッコスが名乗るエドワードハインリッヒは偽名だと思っています。
※モッコスから松坂さとうの危険性について聞きました(半信半疑)
※頸を刎ねれば、童麿を祓うことができるのではないかと推測しています。
※璃奈からスクールアイドルについて簡単に知りました。
※モッコスが空白の才を手にしたことを知りました。
※残りの草壁七剣は以下の4本です。
 ・火車切広光
 ・鉋切長光
 ・鬼切(別名:鬼切安綱、髭切など)
 ・蜘蛛切(別名:膝丸、薄緑など)

7453001 ◆2dNHP51a3Y:2023/11/25(土) 13:08:46 ID:s908zpj.0



「………」

遠く離れた対岸の火事の如く現実味のなかった『死』という現象が、ひたすらに怖く感じた。
ぽろぽろと、このままじっとしていたままじゃあまた誰か居なくなってしまうと思ってしまう。

「……みんな、無事、なの、かな……」

心配だけが頭の中を埋め尽くしている。
自分が知らない間にもう死んでしまっているのではないか、そんな不安に苛まれる。

「もしか、したら……!」

悪い予感というのは、払拭したいと考えれば考えるほど偏ってしまう。
頭に浮かぶ最悪の結末。肉片、破壊痕、血溜まり。そしてその上に倒れている―――。

「っっっ!!!!!」

血溜まりの中に沈む友人たち、そんな最悪の光景が過ぎってしまい、悪寒だけがざわめいて。

「……っ……っ!」

動悸が止まらず、絶えず心臓の鼓動は聞こえ続ける。
恐怖と不安。最悪の未来。晴れる事のない赤い夜だけが璃奈の心を絶望が侵している。
美鈴さんもああは言ってくれたけど、もしも、もしもなどと思いこんでしまう。
自分に出来ることはあるかもしれないけれど、自分が立ち上がるまでに死んでしまっては、なんて。
頭の中が、心の中がぐちゃぐちゃになって。

「愛さん、私、どうしたら……」

抗う力はあるというのに、友達が一人居なくなってしまった途端に、その恐怖を自覚してしまった。
余りにも、自分は脆いものだと突きつけられて。


――それじゃあ、”味見”といこうじゃねぇか。……俺様の〇〇〇はBIGだから安心して感じろや。前の男のことは忘れさせてやるよ

「――――ぁ」

何故か、あの邪悪な勇者を自称する変態の顔が頭の中に浮かぶ。
それは、女をモノ扱いして、壊してしまう最低な男のただの欲望に満ちた発言だというのに。

「……あ、う」

あの時の、身体の疼きが、また。
下腹部にこみ上げる熱さが、一時的にとは言え恐怖を忘れさせる。

「どうして……?」

だが、それが齎すのは快感と同時に困惑。
濡れた下着の感触と、湿った床の感覚。
まだ、違和感。「どうしてあんな恥ずかしい事を思い出したのか」何ていう疑問程度のもの。
けれど、それでも。忘れられた。苦しい未来を、ほんの一瞬だけ。

「………なん、で」

天王寺璃奈は分からない。モッコスの手によりほんの一瞬だけでも刻まれたそれは。
死と喪失の恐怖を埋め合わせるように浮かび上がったそれは。
間違いなく彼女に対して逃げ道を与えたようなもので。
その濡れに触れる事はしなかったとして、その違和感は。
穢れと逃避の選択肢が与えられという意義は。
斯くも、天王寺璃奈という少女に堕落とい逃げ道が与えられたということで。
彼女が受け入れようと受け入れまいと、それは残酷で無慈悲な赤い現実(レッド・リアリティ)だけが続いていくのだ。

【B-5 民家内/一日目/朝】
【天王寺璃奈@ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会】
[状態]:発情(極小)、精神的疲労(第)、肉体的疲労(小)
[装備]:ドミネーター@PSYCHO-PASSシリーズ シャンバラ@アカメが斬る 璃奈ちゃんボード@ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
[道具]:基本支給品、
[思考・状況]
基本方針:殺し合いには乗らない。
1:美鈴さんと行動を共にする
2:愛さんや同好会の友達と合流したい。でも、もし、みんな、もう……
3::……さっきの人達(童磨・エドワードハインリッヒ)とは、もう会いたくない。
4:力(ドミネーター)を使う意義が来たら撃つ
5:美鈴さん……大人の女性……璃奈ちゃんボード「ドキドキ」(?□!) ///
6:……どうして?
[備考]
※参戦時期はアニメ最終話の後です。
※ドミネーターはエリミネーター1発分の電力を消費しましたが、充電しました。
 会場のどこかに充電設備が存在するかもしれません。(B-7※他にもあるかもしれません)
※結果的に殺してはいないものの、自分が銃の引き金を引いて血だまりを生み出してしまったことに内心動揺していましたが、美鈴の言葉から落ち着きを取り戻しました。
※モッコスのことを名乗ったエドワードハインリッヒと思っています。
※モッコスから松坂さとうの危険性について聞きました(半信半疑)
※モッコスが空白の才を手にしたことを知りました。
※美鈴から”赤い夜”の出来事について簡単に知りました。
※ドミネーターの使用について理解しました。(使用方法や犯罪係数など)
※モッコスによって刻まれた快楽的感覚が彼女の中でまた燻り始めました

746 ◆2dNHP51a3Y:2023/11/25(土) 13:09:08 ID:s908zpj.0
投下終了します 念のためageておきます

747 ◆2dNHP51a3Y:2023/11/25(土) 13:09:19 ID:s908zpj.0
age

748 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:10:21 ID:Yl5987lc0
久しぶりの投下お疲れ様です
とりあえず感想を

>ギアチェンジ
ダメージのお陰で辛うじて戦えてるけど、
やっぱエスデス相手だと致し方ないんだよね
萎えたり昂ったりもうこの将軍色々ダメなんじゃないかな
嫌元が良かったかどうかと問われると、うん……

>3001
モッコスウゥ!! 禍根を残して死ぬんじゃあない!!
この禍根果たして大丈夫なんですかねぇ……いや大丈夫じゃない
やべー奴らは減ったけどいないわけじゃないからなぁ……

それはそれとして投下します

749 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:12:32 ID:Yl5987lc0
 歯車の塔の檻。
 それは最終的に仲間同士で殺し合うこととなった破滅の檻。
 全ては双子の悪魔の手の上で踊らされ続けた結末を迎えたそれは、
 今この舞台となる異なる辺獄にも現れていた。

「ちくしょう、頑丈すぎて壊せねえ!隙間もあるように見えて見えない壁がある!」

「銃器もダメ。多分本当に条件を満たすまで出られないみたい。」

「……で、だれが犠牲になるつもりだ?」

 脱出を図ろうとする緑コンビを前に、
 木刀政による冷徹な判断の声が紡がれる。
 条件はこのエリア内の参加者の半分が死亡すること。
 此処にいるのはエリア外のミスターLを除けば丁度六人。
 つまり、どうあっても此処で三人は死ななければならない。
 一人は決まっている。他者を謀る理不尽を体現したい男だ。
 だがそれだけでは足りない。後二人は必要になってしまう。

「待ちなさいよ! 方法を探せば……」

「そんな生温いことをする奴らかよ。
 寧ろこうやって、言い争う方が楽しんでる奴らだろ。
 そこんとこどうなんだよ、メフィス。」

 確認と言わんばかりに空を見上げる。
 メフィスの表情はお返しとばかりに笑みを浮かべ、
 その通りだと言葉にせずとも返事をするかのようだ。
 最早言葉を聞くまでもなく、脱出は不可能なのだろう。

「けどそれは、こっちから二人死ねって言ってるようなもんだけど?」

 此処で一番反発するのはレオーネだ。
 レオーネにとっては無辜の民でもあり、仲間である。
 はいそうですかと死なせるつもりはないし、
 自分も率先して死ぬつもりもない。

「悪いが俺はデビルマンを、
 不動明をぜってぇ止めなきゃいけねえ。
 それができるまでは死んでも死にきれねえんだよ。」

 生きて帰る以上に大事なことだ。牧村を守れなかったその贖罪もある。
 どのような間柄かは知らないものの、先の戦いでもその覚悟を見せた。
 名前だけでも厄介そうな存在に軽くレオーネは頭を悩ませる。

「それにしてもあっさり支給品を渡してきたな。何か隠し持ってるのか?」

 貴真は詰みであり目的そのものは達成できた。
 だからか支給品についてはあっさりと手放してそのまま政へ提供されている。
 それと、余計なことをしないよう適当な布を調達して両足と両手も縛ってはいる。
 余りにもあっさり受け入れすぎていて逆に不気味に感じてしまう。

「いいや、何も。と言うかそっちの子が心を読めるなら、
 いくら隠し持ったところで、何の意味ないだろう?」

「うん、嘘は言ってないよ。」

 スペクテッドの能力には透視も含まれる。
 それらしいものを持ってる様子は見受けられない。
 心を読んだ上で何も問題ないとは思うが、同時に気味が悪い。
 理不尽になりたい。その為であれば自分の命すら簡単に捨てられる。
 知ることができても、本当にそんな理解不能な思考をするのかと思えてしまう。
 これ以上見続けてたら吐き気を催しかねないので見ないようにしているほどだ。

「俺はこれから君達がどうするかを知りたいだけさ。
 不殺を貫くかい? それとも俺を殺して道を開くかい?
 まあ、どんなことをしたって君等には後二人犠牲が必要だけど。」

 そう、あの時以上の人数がね。
 不敵に笑みを浮かべる彼を政は思い切りぶん殴るが、
 だからと言って状況が好転するわけではなかった。

「念のため聞くけどさぁメフィス。
 仮に三人になったら本当に檻は消えるんだよな?」

「半分になったら必ず戻る。しかし一つ勘違いしておらぬかお主らは。」

「あ?」

「……ッ!? 皆! 離れろ!!」

 レオーネの一言と共に全員がその場から飛びのく。
 切羽詰まった声は経験の浅い侑ですら行動に出れた。
 飛びのけば互いを裂くように氷の壁が縦一閃に出来上がっている。
 彼女が感じた殺気と、この氷は間違いなくなく奴のものだ。
 一人逃げ遅れた貴真は氷に足を囚われて身動きが取れなくなってるが、
 この状況でははっきり言って気を回す余裕など誰もいない。

750 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:14:35 ID:Yl5987lc0
「誰も此処にいるのが『六人』とは言ってないぞ?」

「この氷、最悪なのが───」

「南に大人数いると聞いてみれば、
 ナイトレイドか。あの時の決戦の場にいなかった方と出会うとはな。
 以前よりも姿が違うようだが、タツミと同じで帝具とでも混ざったのか?」

「……誰だお前えええええぇ!?」

 脳裏で予想してた相手ではある。
 だが想像を絶する状態に思わずレオーネは叫ばずにはいられない。
 あのドS将軍がハイグレになっている時点でツッコミどころ満載だ。
 だと言うのに股間の部分は女性では明らかにありえない膨らみをしており、
 一体全体何をどうしたらそうなるのかが知りたくなるほどに変わり果てている。
 しかも胸元から垂れているのは汗ではなく母乳の類であり、
 帝国将軍の肩書きは何処へ行ったのかとすら思えてしまう。

「私はエスデスだぞ? もっとも、
 帝国の将軍なんて肩書きは地に落ちたがな。」

「そりゃ落ちるだろうねその見た目から!
 そんなの見たら大臣だってドン引きするよ!?」

 Dr.スタイリッシュやワイルドハントとはもっとベクトルが別の、
 斜め上すぎる姿には敵であるレオーネですら突っ込み役に回らざるを得ない。

「だが存外悪くなくてな。酸いも甘いも嚙み分けるとはこのことだと理解している。」
 
 だめだこいつ、話が前以上に噛み合わない。
 一番出会いたくない相手で、一番厄介な相手なのに。
 出会ってみたら最早同一人物かと疑いたくなってしまっていた。

「あれ、本当にエスデス?」

 流石の悠奈もレオーネの言ってた情報と別物で、
 真偽を確かめたくなってしまう部分は出てきてしまう。

「あたしの知ってるドS将軍のはず、
 なんだけどなぁ……けど殺気は本物だよ。」

 思うところはいくらでもあるにはある。
 それでもあれがあのエスデスと言うのは変わらない。
 いくら悠奈の頼みでもこの女だけは絶対に止められない。
 たとえ首だけになろうとも殺し合いを楽しむだろう狂人であり、
 デモンズエキスによって生半可な拘束は全て無力化してくるだろう。
 彼女だけはどんな理由があろうとも、殺さなければならない一人だ。

「あの小娘と同じ制服か。知り合いがいたのか。」

「……どうやら、私にとっても無関係な相手ではないようデスね。」

 エレンを一瞥しての一言。
 同じ制服の小娘。それが誰かなど分かりきっている。
 彼女には聞かなければならないことが増えたものの、その答えはすぐに出された。

「私が下手人ではないがな。知りたくば北にいる堂島と言う男にでも尋ねればいい。
 それよりも、いい加減おしゃべりも飽きていてな。精々私を楽しませて見せることだ!」

 エスデスも傷だらけだ。
 ミスティのお陰でいくらか回復していても、
 善や堂島達を筆頭とした強者殿連戦は疲労を極めており、
 普段ならばまともに攻撃を受けることなどないだろうロックの攻撃も簡単に受けた。

 疲労困憊なのは確実だ。
 それでも止まらない。腕を斬り落とそうと、
 どんなことがあっても最期まで戦いを楽しまんとする。
 マゾヒストになったところで、サディストであることは未だ健在だ。

 肉薄するエスデスに最初に動けたのは迅移で加速したエレン。
 はかぶさの剣と切り結び、甲高い音が無数に響き渡る。

「片腕だと言うのにやるではないか。」

「鍛えてますからネ。」

「だが足りないな!」

 アカメとも渡り合えるエスデスにとって、
 この程度ならば疲労していたところで押し返せる。
 容易に胴をがら空きにさせ袈裟斬りを見舞うが、

「そうはいきませんよ!」

 膂力を上げる八幡力は薫の方が上だが、
 全身を硬化させる金剛身ならばエレンの方が上手た。
 逆に弾かれたことで隙だらけの鳩尾へと蹴りを叩き込む。

「いい蹴りだ。さっきよりも興奮するぞ!」

(なんだか相手にしたくないタイプですね……)

 ハイグレから見え隠れする『ソレ』が別の意味で忌避感が強く感じさせられる。
 薫について何か知ってはいる様子だが、その様子を見るとあまり聞きたくはない。
 同じような目に遭っていると言う可能性の方が圧倒的に高いのだから。
 仮にも八幡力で強化した蹴りをものともせず肉薄する姿なのも、
 相手にしたくない要因ではあるが。

「あたしを忘れるとはいい度胸だなドS元将軍!」

751 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:18:00 ID:Yl5987lc0
 横やりの如く乱入するレオーネのホープ・ナックルによる拳の乱打。
 丁寧に受け流しながら逆に隙をついて剣による突きを見舞う。
 確実に当てられると思ったそれは、想像以上の速度で躱し逆に右ストレートが頬を直撃。
 威力も跳ね上がったそれに軽く吹き飛びながらもすぐ姿勢を整え、
 ヴァイスシュナーベルを使い氷の剣をガトリングの如く大量に飛ばす。
 後方にいた全員は近くの塀や建物に身を隠しながらその攻撃を防ぐ形ではあるが、
 レオーネだけは走りながら移動して氷の壁もぶち破って掻い潜りそのまま肉薄する。

「貴様、何か仕込んだな?」

 以前ブドーの時の戦いよりもはるかに動きが良くなっている。
 ダメージの差ではない。何かしらの支給品を使ってると見ていい。
 ライオネルなしでこれだけの動きをすることはまず不可能だ。

「さぁて、どうだか。」

 彼女がエレンと戦ってる間に、
 レオーネはある錠剤を一つ口にしている。
 アカメが対エスデス用にと用意したドーピング薬だ。
 帝具パーフェクターで調整されたのでリスクは大分抑えられたが、
 それでも薬物。今後支障をきたすことだってありうるだろう。
 だとしても、レオーネにとってエスデスが現状の最強格となる存在だ。
 此処で倒せれば殺し合いで死ぬ人数は大幅に減ると言ってもいいだろう。
 彼女を倒せるのであれば、お釣りは間違いなく大きい。

(悠奈にはちょっと悪いけども。)

 なるべく人を殺さず無力化させていく。
 その方針にそぐわない動きだがこればかりは仕方がない。
 相手はあのエスデスだ。どうしたって止まらない相手だ。
 こいつだけは此処で殺す。その覚悟の表れでもある。

 足元からの氷の刃が飛び出す。
 バックステップで回避するも続けざまに飛び出していく。
 近くの塀を足場としながら移動し、背後へと回り込む。

「いくら仕込んだところでアカメ以下だ貴様は!」

 回り込んだところで対応はエスデスが上。
 はかぶさの剣が首を斬り落とさんとする。

「だったら俺ならどうだ!」

 その刃を防ぐのは星砕きこと木刀政。
 はかぶさの剣を叩き落とし、そのまま側頭部を殴りつけんとする。

「遅すぎる凡夫だな。」

 凍らせた腕を挟む形で防御され、そのまま彼の顔へと振れる。
 帝具スサノオをして一瞬で氷漬けにし、奥の手をなくしては復帰できない氷像の完。

「凍れ───ッ!?」

752 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:18:57 ID:Yl5987lc0
 にはならない。
 まだビリビリキャンディの効果により、
 振れれば電流が流されることを彼女は知らない。
 彼岸が見えた気がしたものの、首の皮一枚繋がった。

「サンキュー、木刀の人!」

 その隙を見逃すことはない。
 麻痺して身動きが止まったところを顔面に右ストレートを叩き込む。
 大きく吹き飛ばされ転がりながらもすぐに受け身を取って起き上がる。

「グッ、騙されたと言うわけか。
 だが良いぞ。今の一撃も悪くない。」

 興奮が冷めやらぬことは、
 そのハイグレから見え隠れするものを見て誰もが察する。
 全員が全員して引きつった顔になるのは言うまでもないことだ。

「あいつ、ドSどころかドMも獲得したのか?」

「あたしが知りたいよ! あれで人間だから恐ろしいよ。」

「冗談きついぜ。」

「ところであんた。ちょっと支給品でいいのあるかい?」

「あるぜ。やべーやつ含めてな。」



 ◆ ◆ ◆



「随分、落ち着いてるんですね。」

 悠奈も加勢して戦って言う最中。
 侑は両足が凍って動けない貴真を一瞥する。
 足には追加で流れ弾の氷の刃が刺さっていて脂汗はあれど、
 特に先程と様子があまり変わっていなかった。

「まあ俺は目的達成しちゃったからね。
 これが俺の大好きさ。君の仲間の受け売りでもあるけどね。」

 大好きと仲間の受け売り。
 彼が誰と一緒にいたかを察して手に力がこもる。

「おっと、俺はとどめは刺してないよ。
 来夢って子が首を刎ねた。その事実は変わらないさ。
 信じられないなら確認すればいいさ。俺ならそうさせる。違うかい?」

 スペクテッドで頭の中を読まれている。
 なら深く語らずとも彼女は自分の存在を、
 存在理由を理解はせずとも知ってはいる。
 まるで旧友のような風に語りかけてきた。

「どうしてそんなに……理不尽になりたいんですか。」

「なりたかっただけだよ。彼女の大好きのように。
 俺も大好きを追いかけた。内容が違った。それだけだろ?」

 同好会の皆はそれぞれがバラバラだ。
 マイペースな彼方、コミュニケーションが苦手な璃奈、逆に元気な愛さん。
 十人そろっての同好会だが、それぞれが自分の得意分野を、好きに対し邁進している。
 だからこそ嫌悪感が凄まじい。彼の言い分が僅かにでも理解できてしまうことに。
 そんな彼から一秒でも離れたい。そう願うかのように背を向ける。

「戦いに行くのかい? 君だと戦力外だと思うけどね。」

「私にだってできることの一つぐらい、あるので。」


 ◆ ◆ ◆



 四対一。圧倒的な人数差だ。
 だと言うのに詰め切ることはできない。
 銃、拳、木刀、御刀。ゲーム参加者、暗殺者、悪魔とも戦えた不良、刀使。
 それぞれが得物や戦いにおける経験を持ち合わせていたとしても、
 帝国最強と呼ばれたエスデスと帝具デモンズエキスには通用しない。
 皆が死を免れてるのは、ひとえにこれまでの彼女のダメージが甚大だからだ。
 善との戦い、集団との戦い、更にロックとの戦いでも少なからず負傷している。
 それでも食らいついているのは、ドーピングして強化しているレオーネだけだ。

(クソッ、このドS将軍やっぱ強すぎんだろ!!)

 これで大分弱体化してるのだから、
 こんなのを相手したアカメを称賛したくなる。
 レオーネを中心に三人がサポートに回りながら攻撃を狙おうとするすが、
 それでもなおエスデスが上回っていて的確な対応をしていく。

(一瞬でもつける隙さえあれば!)

753 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:20:35 ID:Yl5987lc0
 彼女の周囲の地面から生える刃の如き氷柱。
 全員が回避に専念するとエスデスは後方へと跳躍。
 そのまま再びヴァイスシュナーベルで悠奈を狙う。
 ダッシュで回避に専念するも一本の剣が彼女の足を掠め転倒させる。

「この……!」

 着地したエスデスへ肉薄するレオーネ。
 迎撃のための準備を整えようとするエスデスだが、
 エスデスが斬りにかかろうとした彼女の姿が変わる。
 十代半ばの少年。茶色い髪と緑の瞳の彼を忘れはしない。
 自分が恋焦がれて手に入れることのなかった少年、タツミ。

「残念だがその手は既に受けたことがある。」

 即座に幻影を、レオーネを斬る。
 彼女の後方にいた侑のスペクテッドによる幻視。
 相手の一番思ってる相手に見せかける能力ではあるが、
 スペクテッドの幻視は生前に既に一度受けたことがある。
 その時も彼女にとってはタツミであっても斬り捨てる選択をした。
 幻覚が消えれば、レオーネの腹部に真一文字の傷が刻まれていた。
 スペクテッドの能力を使おうとも相手になどなりはしない。
 彼女のことは捨て置いて、そのまま戦闘を続行する。

「どうだかね! ちょっとだけ気がそれたお陰で間合いだよ!」

 ダメージをものともせず、
 レオーネは回り込んでエスデスを羽交い絞めにする。
 振り解こうにも疲労の蓄積が邪魔をしていく。

「分かってるのか? 私の氷は背中だろうと……」

「悠奈! 後は頼んだ!」

「……分かったわ。」

 エスデスだけは説得できないし、
 殺さないと絶対に止まることを知らない。
 それだけは情報交換の時に伝えられている。
 誰も殺さないし殺させない。その志は変えたくはない。
 でもどうにもならない存在だ。無から氷を出す存在を縛る方法などない。
 だからレオーネにも『こいつばかりは諦めてくれ』と念押しされている。
 貴真とは別ベクトルの狂人だと。彼女を縛る手段は存在しない。
 もしあるとするならば、帝具イレイストーンぐらいだろう。
 もっとも、ライオネルを破壊したのを見るに、使った瞬間身体が爆散するかもしれないが。
 だからいかに不殺主義を掲げている悠奈でも此処ばかりは躊躇うわけにはいかない。
 本当の意味で理解した。彼女がどれだけ危険な存在なのかを。
 止めなければ此処にいる全員が皆殺しにされてしまう。
 覚悟は一瞬。心臓と頭部を狙った正確な射撃をお見舞いする。





 銃弾は頭部と胸に吸い込まれるも、心臓は氷の壁に阻まれ停止、
 額に風穴を開けたであろう弾丸も氷の壁で弾道がずれ頭部を掠めるだけに留まる。
 悠奈の射撃は正確だ。当たればまず普通の人間は死んでいただろう。
 それ以上にエスデスが出鱈目な存在だった。ただそれだけの事だ。
 更に後方に氷柱を背中から突き出し、レオーネの脇腹を貫く。

「ガッ……!」

「本当に甘いな。その程度で死ぬわけがないだろう。
 帝具もなしに戦って、本気で勝てるとでも思ったのか?」

 元々エスデスへの対抗は帝具使いを複数人と、
 ドーピングをしたアカメがいてようやく勝てた存在。
 ダメージの差を鑑みたところで、優勢には足りえない。

「銃弾を防ぐだけの分厚い氷ってありかよ───なんてな。」

「何?」

 なんてことのない渾身の一撃を防がれた、
 かと思えば背後のレオーネは表情は笑みを浮かべる。

「此処までは読んでたんだよ。
 氷柱で繋がったのも想定済みさ。
 木刀の! ちゃんとやったんだよなぁ!」

「ああ、やったが……死ぬんじゃ───!!」

 その言葉をかき消すように、二人の周囲を大爆発が襲う。
 政がやったのは、貴真から回収したまほうの玉をありったけ使っての爆破だ。
 悠奈の銃撃はそれをばらまく音を隠す為のカモフラージュに過ぎない。
 勿論これは悠奈は知らない。知ればまず反対するだろうからと。
 言うなれば自爆特攻に等しい行為だ。反対するのは当然である。
 だがレオーネにはこれを生き延びる自信は一応あった。

754 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:21:50 ID:Yl5987lc0
 爆発で周囲は見えない。
 倒せたのか、レオーネは無事なのか。
 やがて二人の姿は見えるようになるも、

「グ……やってくれたな……!!」

 それでもなお、倒せない。
 氷の障壁を咄嗟に張ったものの、
 まほうの玉の威力は並の爆弾を凌駕する。
 彼女とて無傷ではいかず、痛々しい傷跡が全身の至るところに残す。
 だが、それでも倒れないのがエスデスと言ったところだ。
 当然レオーネも無傷と言うわけには行かなかったものの、

「やっぱ、再生力が上がってるか……ゴハッ。」

 吹き飛んだ先で起き上がったレオーネも、
 脇腹の穴以外にもダメージを負ってるが思ってるよりも無事な方だ。
 危険種との融合。タツミがイクルシオを使いすぎたことのと同じように、
 ライオネルを使いすぎたことで常人よりも回復力が高いものになっている。
 あくまで回復力が高いだけであって、まほうの玉のダメージは十分すぎるぐらい受けた。

「良い攻撃だったぞ……だがまだ足りないな!!」

 倒れるレオーネへと向けて氷の塊、
 ハーゲルシュプルングが空中に形成される。
 疲労も相まって規模は小さいが、人一人ぐらいは圧殺は余裕だ。

「!」

 だがそれは叶わない。
 突如飛来する大砲のような爆音。
 音と同時に迫るそれを避けるのに専念し、
 その爆風で吹き飛ばされ距離を強制的に取らされてしまう。

「ッ……よもやあんな初歩的な攻撃を受けそうになるか。
 興奮のし過ぎと言うのも、余り良いものではないか。」

 エスデスは咄嗟に氷の盾を使って爆風に乗って吹き飛んだことで、
 辛うじて一命をとりとめることができたもののダメージは限界に近い。
 負けるつもりはないが、緑郎にぼやかれても余り文句は言えないだろう。

「流石に休むべきか……」

 闘争はいくらでもしたい。
 だがエスデスと言えども永久機関ではない。
 腹も減るし休息も必要だ。善と戦ってからと言うもの、
 ろくに休んでないのもあり一度戦場に戻るのを諦め、
 適当に移動しながら支給品の食料を取り出し口にする。

【エスデス@アカメが斬る!】
[状態]:ハイグレ人間、火傷(中)、負傷(特大)、疲労(特大)、内臓損傷(治療済)、乳首母乳化、アナル拡張済み、ふたなり化、処女喪失
[装備]:破壊神シドーとからっぽの島、中長ナス@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜1 ロックの目玉(冷凍保存済み)
[思考・状況]:ドSもドMも愉しみ尽くす
0:殺し合いという名のSMプレイを愉しみ尽くす。
1:ロックと言うペットを使ってみる。使えないようなら嬲って殺す
2:堂島とは再戦したい。が、仮に再戦できなくてもその虚しさを堪能できればそれはそれで...
3:優勝出来たら善かミスティでも蘇らせるとしよう。
4:北条沙都子と北条鉄平は別にどうでもいいが見つけたら狩る。
5:せっかくふたなりになったことだし帰ったらタツミに使ってみるか。
6:今は休む。とりあえずロックと合流だ。
[備考]
※参戦時期は漫画版死亡後より。
※ナスで処女喪失しました。
※ハイグレ光線銃によりハイグレ人間となりました。
※摩訶鉢特摩は使用したため、2日目以降でないと使用できません。
※戦闘は支障なく行えます。
※デモンズエキス本来の効果によりハイグレ光線の洗脳効果を食らいつくしました。

(まったく、皆揃って想定しておらんのが痛快じゃな。
 此処に巻き込まれた参加者は六人ではなく十人だと言うことを。)

755 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:24:45 ID:Yl5987lc0
 いつのまにか舞台から消え、
 歯車の塔の上からメフィスは戦況を眺めている。
 半分と言ったのに、誰もその人数を理解していない。
 何も知らず行動する滑稽な姿は、セレマを殺した零を思い出させる。











 砲撃が飛んできた路地から飛び出す影。
 悠奈にとっては忘れない、見覚えのある男の姿。

「修平……!」

「悪いな悠奈。理由は……聞く必要はないだろ。」

 理由は分かっている。此処で仕留めるのだと。
 大事な存在である琴美を生き返らせるために。
 最早それを騙る理由は何処にもない。

「させな───」

 銃を構えるも、違和感に気付いた。
 彼が持っていたのは所謂ハンドガンの類だ。
 じゃあ、大砲は一体どこから湧いてきたのか。
 それに気づくころには手遅れだった。

 腕に突き刺さるボウガンの矢。
 痛みの余り銃をうまく握れず手放してしまう。

(もう一人!? しかもあの男、あの時の───)

 気付くころにはもう遅かった。
 修平だけではなかった。向こうも徒党を組んでいる。
 しかも彼女にとっては見覚えのある、軍服の男だ。
 エスデスとの戦いに加え修平の存在が彼女の判断を鈍らせた。
 その隙を修平は見逃すことはしない。手筈通りに事を進める。
 コルトM1911A1の銃口へ向けられ、弾丸が放たれた。

「させる、かよぉ!!」

 爆発から復帰したレオーネが猛ダッシュで弾丸をキャッチ。
 何事もなかったかのようにその辺へと放り投げ捨ててしまう。

(な、弾丸を素手で掴んだだと!?)

 棒切れでクロスボウを弾いた少年の比ではない。
 最早人間をやめているかのような所業……と言うより、
 危険種との融合なので実際人間をやめているが。

「クソッ、どこまで化物揃いなんだよ!」

 修平も軍服も狙いの優先を変えた。
 悠奈は銃を落とした状態で戦力外なのもある。
 銃を、バズーカを放つがそれらを素手で掴むわ素手ではじき返すわ、
 生身で受けても尚彼女の突撃は止まることを知らない。

(狙いは、バズーカの方!)

 獣のような足であるレオーネにとって、
 間合いを詰めるなど容易な事だった。
 そして間合いへ入った軍服の男はガッツの義手で防ごうとするが、

「オラァ!!!」

 そのまま義手をぶち抜き、
 顔面を思いっきり殴り飛ばされた。
 ミシリ、と人間からなってはならない音と共に。
 特殊な鍛え方をした大臣ですら二回受けて沈めるほどの威力だ。
 並の人間が受ければ、最悪即死してもおかしくないレベルのものだ。

「残るは……アンタだけだよ。」

 バズーカや爆発におり血だらけで思考が回ってないのもあり、
 悠奈の言う不殺主義に提案するレオーネではなくなっている。
 嘗てのように変わらずドブ攫いをする、猛獣か或いは暗殺者眼差しを前に、
 修平へたじろいでしまう。

「グッ……!!」

 どうすれば助かるか。考えるだけ無駄だった。
 彼にはもうこの状況で使える武器はない。
 しかし、レオーネは一歩踏み出した後から動こうとしなかった。
 どういうことかと疑問を持ったが、すぐに答えは出た。

756 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:26:20 ID:Yl5987lc0
「立ったまま、死んでいる。」

 まほうの玉は八個も使った。
 並じゃない威力のそれを生身で受けて、
 悟空と言えどダメージを受けたバズーカも生身で受けて、
 生きている、と言う方がおかしいと言うものだ。

「レオー、ネ……!!」

「結果だけで言えば、俺の一人勝ち、か。」

 立ったまま死んでいるレオーネを一瞥し、再び銃を悠奈へと構える修平。
 銃を回収こそしたものの、腕の痛みで狙いを定めるのは難しいし、
 何より悠奈は修平を殺す気はない。撃つ前に撃たれるのは確定だ。

「今度こそ、言葉は不要だろ。」

「ええ、そうね……でも私を引き継ぐ者はいるわ。
 無理に彼女のことを忘れろなんて言えないけど、それだけは覚悟しなさい。」

 その一言を最後に、彼女の額に赤い花が咲いた。



 ◆ ◆ ◆



 一方その頃。
 レオーネが弾いたバズーカで周囲が破壊され、
 煙が充満する悠奈達の後方においては。

「エレンさん!」

 背後の煙の中かから聞こえる聞きなれた声。

「ゆんゆん! 余り近づいては危険で……」

 言葉を紡ぐ最中、強烈な痛みが走った。
 自分の腹部を見やれば、見たことのない腕が生えている。

「残念だったな、俺だよ。ロックさ。」

 侑の声で紡がれる男の口調。
 キラークイーンが背後から彼女の胴体を貫いたからだ。
 土煙によって声だけでは気づけなかったことではあった。
 よくみれば侑は装備してる筈のスペクテッドがなければ、
 服も制服とは全くの別物なのだから。

(ハハハ、やっぱり俺はこうでなくちゃあなぁ。)

 ガイアファンデーション。エスデスから使わないと与えられた支給品だ。、
 女装も声も同じにできるそれは演技もできるロックにとっては慣れた支給品とも言えるものだ。
 特に煙の濃い混戦であれば服が違ってたとしてもごまかしがきくのが大きかった。
 だが計算違いなこともある。彼女がただの人間であればそれで決着がついた。

「な、腹をぶちぬいたのに無事だと!?」

 拳を引き抜けば血も出ていない。
 ロックがいない間にエレンは越前康継を手にした。
 写シによって物理ダメージはなかったことにされる。
 たとえ上半身と下半身が分断される一撃だとしても。
 刀使を知らない彼にそんなことを予見することは不可能だ。

「甘かったデスね……刀使には通じませんヨ。」

 物理ダメージが軽減されるだけなので、
 ある程度の痛みがあることは否定できないものの、
 左腕の借りを返さなければならない相手がいる。

「チッ、だったら逃げるしかないか。
 もう既に俺の『目標』は終えたしな!」

 だが捨て台詞と共に、
 文字通り煙に巻きながらあっさりと逃げていく。
 追跡しようと思うも先の写シのダメージの肩代わりで軽くふらついてしまう。

「エレンさん!」

 二度目の同じ声。
 それを侑が肩を掴んで受け止める。
 スペクテッドだし制服であり、間違いなく本物だ。

757 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:27:17 ID:Yl5987lc0
 少しばかり安堵の息を吐くが、それはすぐに終わった。










 その瞬間、侑の身体は消し飛んだから。

「───ゆん、ゆん……?」

 今起きた状況に、エレンは困惑が隠せない。
 これはロックが自分にやった爆破と同じものだ。
 爆弾化したものに触れたものを爆破させる効果の類だと。

(まさか、爆弾にされていたのはッ!?)

 禄郎は確かにエレンを仕留めそこなかった。
 しかしその一瞬の判断でエレンを爆弾に変えている。
 爆弾に変えた後に点火でもよかったがまた写シで回避されるのと、
 先ほどの仕返しとばかりに触れるであろう侑を爆弾にして始末した。
 これでスペクテッドは消えた。誰も自分の心を読む者はいなくなった。
 蛇のような男は、一先ず協力者が何処へ行ったかを探しに走り出す。

(混戦ならかかると思ったが、想像通りだ。
 やはり俺にはこれこそが性に合っている。)

【D-3/一日目/午前】
【間久部緑郎/ロック@バンパイヤ】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(大)、腹に裂傷(治療済み)・左目喪失 汚れ、零に対して少しだけ同情 侑に対してイラつき(大)、ちょっとスッキリ
[装備]:キラークイーンのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜2(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:秩序なきこの場を楽しむ。
1:エスデスをどうにかして利用するはずだったが……
2:トッペイと出会ったときはどうしたものか。
3:アナムネシスとみらいに警戒。ただみらいは利用できるかも。
4:零は利用できるか?
5:……西郷……
6:アイツ(ギャブロ)がうっとおしいな。
7:目玉を失ったって、生き延びて見せる。
8:侑を始末で来てちょっとスッとした。
[備考]
※参戦時期はバンパイア革命に失敗し、西郷を殺害した後。
※クライスタの世界を(零視点から)大まかに把握しています。
※侑とエレンの世界を(侑の知識から)大まかに把握しています。
※侑の額の支給品(スペクテッド)の効果は洞視だけでなく幻視も使えるのだと思っています。




「何もないんだな、お前には。」

 悠奈は仕留めた。
 後何人かは知らないが、
 少なくとも最も始末しやすい男がすぐそこに転がっている。
 だと言うのに、焦りも何もない。至って落ち着いた様子でそこにいた。
 支給品も、利用価値はおろか、命乞いすら彼にはない。

「もう俺のやることは終えたからさ。
 俺の理不尽に協力してくれて、ありがとう。」

 結果はより混迷を極めた。
 自分一人で一体何人が死に、
 何人が理不尽な目に遭ったのだろうか。
 想像するだけでぞくぞくするが、それも終わりだ。

「別にお前の為のつもりはない。」

 軍服と違って利用価値は何もない。
 あるとするならこの檻からの脱出要因。
 ただそれだけで、悠奈と同じように頭部を弾丸が貫く。

『既定の人数の半分になった。
 よってこのエリアの檻を終わらせるとしよう。』

(……軍服の奴、死んでいたのか。)

 あと一人誰が死んだかまではわからないが、
 分かる範囲で三人。軍服はあれを受けて生きてたら逆に奇跡だ。
 もっとも、生きてたとしても利用価値がない以上とどめをさしてたが。
 とにかく今は自分一人では対処不可能なエスデスから離れるのが得策だ。
 三人の支給品だけでも回収し撤退しようとしたその時。

758 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:27:59 ID:Yl5987lc0
「な……」

 悠奈の遺体だけは奪われた。
 近くの家屋の天井にはミスターLが静かに立つ。
 仮面のせいで表情は全部は伺えないものの、
 怒気が含まれるのだけは分かった。

「お前が修平って奴だな。
 お前については、後で考えてやる。
 だが今大事なのはこっちの仲間の安否の方だ。
 俺はミスターL! 伯爵さまの遺志を継ぎ、
 悠奈のヒーローの遺志を継ぐ者だ! 覚えておけ!!」

 その捨て台詞とともに、ミスターLは去っていく。
 人一人を抱えながら逃げていく様は並の動きではない。
 今から追ったとしても、戦えば苦戦は強いられたはずだ。
 運がいいのか悪いのか。なんとも言えぬまま修平も逃げ出す準備をする。

『ええ、そうね……でも私を引き継ぐ者はいるわ。
 無理に彼女のことを忘れろなんて言えないけど、それだけは覚悟しなさい。』

「……そんなもの、最初から決まっている。」

【藤田修平@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage】
[状態]:ダメージ(小)、怒り・絶望(大)
[装備]:コルトM1911A1@サタノファニ、
[道具]:基本支給品×5(自分、フェザー、絶鬼・軍服・レオーネ)、神戸しおの靴下@ハッピーシュガーライフ パンツァシュレッケ(弾数1)@ドラゴンボール、ビター・チョコレート×3@クライスタ ラーの鏡@ドラゴンクエストシリーズ、コルトパイソン@リベリオンズSecret game 2nd Stage、コルトM1911A1@サタノファニ、ホープナックル@グランブルーファンタジー、ランダム支給品×0〜1(レオーネの分、ライオネルなし)、クロスボウ@現実 関の短刀@忍者と極道 バクダン岩のカケラx5@ドラゴンクエスト8、US M84 スタングレネード×5@PSYCHO-PASSシリーズ
[思考]
基本:どんな手を使ってでも優勝して琴美を蘇らせる。
0:優勝する。琴美を蘇らせる。ただそれだけ
1:どうすれば灰が使えるんだッ……!!!
2:琴美……ッ!!!
3:あの女(零)は……いや、もう今となってはどうでもいい。
4:ミスターL、か。
5:今はこの場を離れる
[備考]
※エピソードA、琴美死亡後からの参戦です。
※放送で琴美の死を知り、様々な感情が渦巻いています
※このままの状況では、灰が適合することはありません。
※ラーの鏡はただの鏡で外れ支給品と認識しています。





「クソッ、状況はどうなってるんだ!?」

 そこら中で銃声や爆発が聞こえるせいで、
 下手に政は攻めに出ることができないでいた。
 近くの家屋に隠れていたが、アナウンスで死者が半数を出たのは分かった。
 後は脱出。合流はどうしたものかと思ったら、
 そんな中、エレンとミスターLが青ざめた表情で合流する。

「マッサー……」

「木刀の!」

「おい、そいつ……それにお前の方の連れもか……」

 全員が誰かまでは分からない。
 だが此処にいないと言うことは、つまりそういうことだ。

「私の判断ミスで侑は……」

「あの野郎、絶対許さないぞ……!」

 かたやじせき、かたや怒りの表情だ
 積もる事情はあるだろうが、状況は最悪の一途を辿る。
 戦力的にも、精神的にも、いろいろな意味で。

「とりあえず移動だ。エスデスに出会ったら終わりだ。」

 かくして、理不尽の怪物による檻の中の戦いは幕を閉じた。
 しかし、この先に広がるのもまた変わることのない、
 理不尽の辺獄である。

【(Zルートでソフィアに返り討ちにされた)軍服の男@リベリオンズ Secret Game 2nd stage@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage 死亡】
【高咲侑@ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 死亡】
【レオーネ@アカメが斬る! 死亡】
【藤堂悠奈@リベリオンズ Secret game 2nd Stage 死亡】
【崎村貴真@リベリオンズ Secret Game 2nd Stage 死亡】

759 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:28:27 ID:Yl5987lc0
【古波蔵エレン@刀使ノ巫女】
[状態]:貧血、左腕欠損、ショック(大)
[装備]:越前康継@刀使ノ巫女
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0〜2(確認済み)
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗るつもりはありまセーン。
1:片腕でも私のやることはかわりまセン。
2:可奈美達が心配デスが、特に不安なのは姫和デスね。
3:二日目の昼にはE-3のかなでの森博物館へ行き、キヨスと呼ばれる人たちと情報交換
4:Oh! 越前康継! Thanks!
5:……
[備考]
※参戦時期はアニメ版21話、可奈美が融合した十条姫和との戦闘開始直後です
※ギャブロ・立香の世界について簡単に知りました
※ロックの危険性について知りました。
※立香から芦屋道満が関わってる可能性を示唆されてます。
※御刀を得たため刀使の能力を行使できます。

【木刀政@デビルマン(漫画版)】
[状態]:左腕に矢傷、疲労(小)、ビリビリ状態
[装備]:妖刀『星砕き』@銀魂
[道具]:基本支給品、ドス六のドス@デビルマン(ドス六の支給品)、チェーン万次郎のチェーン@デビルマン(万次郎の支給品)、ランダム支給品×0〜1
[思考・状況]
基本方針:不動を止める。
0:不動に一発お見舞いして目を覚まさせる。
1:修平と見知らぬ襲撃者・来夢・佐藤マサオ・針目・アーナス・日ノ元士郎に警戒する。(一部懐疑的)
2:くそ、どうなってんだよこいつぁ……
3:エスデスから逃げる。とりあえず当面の通り北だ。
[備考]
※参戦時期は死亡後。

【ミスターL@スーパーペーパーマリオ】
[状態]:精神ダメージ(特大)、悲しみ、修平に対する怒り
[装備]:悠奈の死体
[道具]:基本支給品一式×2(自分、悠奈)、ランダム支給品×0〜2、コルトパイソン@リベリオンズSecret game 2nd Stage(予備弾数多め)、基本支給品一式、ランダム支給品×1〜2(悠奈の分)

[思考・状態]
基本方針:悠奈のバカバカしい生き方とやらで主催共を叩き潰す。
1 :政とエレンと行動を共にする。
2 :伯爵さまを殺した奴は殺さないがとりあえずぶん殴る。
3 :ヒーロー……か。
4 :ユウナ! ジュネーヴ条約にジャマイカって何だったんだ……?
5 :伯爵さまの遺志を継いでマネーラ、ナスタシアと共に脱出する。
6 :工学だけではだめって、どうすりゃいいんだこれ。
7 :一足先に侑達の所へついたがまさかアンナがいるとはな!
8 :二日目の昼にはE-3のかなでの森博物館へ行き、キヨスと呼ばれる人たちと情報交換。
9 :悠奈……
10:修平の野郎は許さない。
[備考]
※参戦時期は6-2、マリオたちに敗北した直後
※悠奈からリベリオンズの世界について簡単な知識を得ました。
※名簿から伯爵さまたちが参加していることを知りました。
※悠奈から”拳銃”の脅威を知りました。
※レオーネからアカメの世界について簡単な知識を得ました。
※征史郎経由でマネーラ、ギャブロ、藤丸立香、キヨス、零、アルーシェ、夕月、ロックと関連人物の情報を得ました。
※ギャブロ、立香、侑、エレンと情報交換しました。
※立香から芦屋道満が関わってる可能性を示唆されてます。


※歯車の塔の檻は消えました
※D-3にはかぶさの剣が落ちています。
※侑の支給品、神木・黒那岐丸、スペクテッドは消滅してます

【ブレンドされたドーピング剤@アカメが斬る!】
レオーネに支給。アカメにはリヴァが使ったもの、
クロメのお菓子、強化組の錠剤などあるがこれはアカメがエスデス戦で使用したもの
強化組の錠剤を帝具『パーフェクター』によってに調整、基ブレンドされているが、
ブレンドした人物でも障害や感覚の低下を恐れる程度のリスクは存在する。
但し強化組のような依存性は恐らくないと思われる(ヒノワが征く参照)

【変身自在『ガイアファンデーション』アカメが斬る!】
エスデスに支給。元々はチェルシーが用いていた帝具
化粧品型の帝具で動物、人間など様々な姿に変身できる。
あくまで見た目だけなので動物とかでもなければ服はそのままで、
せんとうのうりょくも上がっているわけではないので注意

760 ◆EPyDv9DKJs:2023/11/28(火) 18:29:36 ID:Yl5987lc0
以上で『JUST LIVE MORE Helheim』投下終了です
人数が多いのでミスとかあるかもしれないのでもしありましたらお願いします

761たった一つの想い貫く ◆EPyDv9DKJs:2024/01/07(日) 20:13:20 ID:NGSKSOXQ0
投下します

762たった一つの想い貫く ◆EPyDv9DKJs:2024/01/07(日) 20:14:41 ID:NGSKSOXQ0
 この舞台にはヴァンパイア並の危険な参加者が存在する。
 それはドミノも認識しており、事実それは体験済みだ。
 自分達と似たヴァンパイアのような怪物との戦いによってより理解が深まっている。

(にしたってこれは限度がある気がするんだけど。)

 しかし、それを差し引いても立ち入ったエリアは中々の惨状である。
 桐生の酸性雨は敵も味方も、建物も何もかも関係なく溶かしていた。
 与り知らぬことだが、首輪が解除された状態なので威力は別物となっている。
 まるで粘土細工で作りかけたような建物ばかりに変形している建物をよそに、
 流石にドミノでも軽く警戒する。

(と言っても曇り空もなくなってるし、戦いは終わったと見ていいか。)

 天候も途中で元に戻ってしまっている。
 誰が生き残ったかを注意深く耳を澄ませば、
 すぐにその存在に気付いてそっちの方へと向かう。
 この惨状の中歩くのは躊躇いたくなるものの、
 ドミノの場合は空を飛べるため何ら問題はない。

「ねえ、そこのあなた。ちょっといいかしら?」

「!」

 声をかけられると同時に、
 日菜子は青い剣を構えながら警戒する。
 相手が凄い恰好をしているとか思うところはあるが、
 先ほど騙し討ちされたばかりなのもあってか、
 他人に対してどうしても警戒してしまった。

「身構えなくても良いわ。私は別に乗るつもりはないから。」

 周りの遺体や返り血、何より彼女の流す涙を見るに、
 相手が敵になりうる人物ではないことはすぐに分かる。

「……それで一度騙されてるんですよ、私達は。」

 あくまでドミノからしたら、だ。
 針目縫はつかみどころのない性格であり、
 不意打ちもすれば正面からでも恐らく戦いを仕掛けてくる。
 だから態々声をかける行為をするドミノでも警戒は緩まない。

「あー、そういう展開もあるか……じゃあ後何人か集まるまで待つわ。
 それまでお互い手出しすることはしない。それでどう?」

 周囲にもまだ人がいるようなので、集まってから話を進めることを選ぶ。
 思いのほか簡単に待ってくれる相手に呆気を取られる日菜子だが、
 やはりどうしても針目縫の存在が拭うことはできないのもあり、
 警戒は緩むことはなかった。

「で、何故私だ。」

「年長者の方に見えるので、つい。」

 身動きが取れないアニ達を除き、
 集った五人の中でムラクモが相対する。
 カインはしんのすけを連れてきたこと以外は、
 どういった人物か余り分からないので選ぶに選べなかった。

「結論だけで言えば、敵ではないだろう。」

 この数を態々待つ必要性は皆無だ。
 乗っているならば各個撃破を狙っていくのが賢い選択になる。
 先の敵はそうではなかったが、あの時の相手は怒りの感情が強かった。
 此方は五人を前にしても平静を保ち続けていて対照的な存在だ。
 寧ろ、五人相手だろうと構わないと言う態度にすら感じていた。
 先の桐生と同じか、それ以上かもしれないのに乗るつもりがない。
 ならば敵対する理由もないとムラクモは判断し、
 此処でようやく日菜子も警戒を緩めることにする。
 残されたアニのいる家屋へと案内し、複数人による情報交換を進めていく。
 しんのすけとアリサはまだ目覚めてないものの、支障はないのでそっとしておいた。
 
「とりあえず、針目縫だっけ?
 明に化けてたってことは今後も化ける確率が高いけど、
 日菜子や放送までの間なら沙耶香や宮藤って子にも化けれそうね。」

 化けれる条件が曖昧な現状、
 彼女が今誰になってるのか、誰になれるのか。
 全てが曖昧なせいで彼女への対処は困難を極める。
 そうして頭を抱えることも策の内だろうから質が悪い。

「にしても理念(イデア)か……得られた情報は大きいな。」

 辺獄の関係者であるみらいを経由しての情報。
 刀使が多く集まってるのも理念の為と言われれば、
 十分に納得できるものではある。

763たった一つの想い貫く ◆EPyDv9DKJs:2024/01/07(日) 20:16:05 ID:NGSKSOXQ0

 加えて首輪解除に貢献できるかもしれないので、
 この繋がりは今まででも特に大きいものだと思える。

「それとカインだけど。」

「ああ、分かってる。」

「何故、自分が殺し合いに乗った参加者って明かしたの?」

 カインは自分が乗った側の人間だと明かした。
 今までの状況であれば乗ってない参加者を貫くこともできただろうに、
 態々敵を作るような発言をする彼に、ドミノは訝る。

「私には願いがある。そしてそれはもう頓挫する願いだった。
 だから優勝を目論んだが……土台優勝は無理だと悟ったのだよ。」

 十条姫和と思しき人物、先の異形(桐生)、
 土壇場で裏切ればチャンスがあると思っていたが更にドミノの存在。
 出会った参加者の何人もが一枚どころではなく、上手の存在ばかりだ。
 針目縫ですら手を焼くであろう状態の自身が優勝すると言う考えは、
 最早とてもできたものではないと確信を持つに至ってしまった。
 ならばせめて生還した方がまだチャンスがあるというものだ。
 故に、カインはあえて自分のこれまでの行動を詳らかに語った。
 当然、フェザーと交戦した部分も含めて。

「アンタの言うフェザーは死亡している。
 そいつがアンタとの戦いが原因の可能性もあるな。」

 部屋の隅で腕を組みながら立つアニが呟く。
 ごもっともな話であり、もしそうなら貴重な戦力を失わせた原因、または遠因だ。
 だがそれを証明することができる人間は此処にはいない。

「別にアタシはアンタが味方になる、
 その点については構わない。他が納得できるかは別だが。」

 チラリと日菜子を見やるアニ。
 この中で余り納得しかねる表情なのは彼女だけだ。
 他は戦場で命懸けで戦った経験者。そういうのを一々気にしないか、
 気にした上で受け入れていることが多いが日菜子だけコモンでの戦い故別である。
 植木も一応そっちの部類なのだが『まあいいんじゃね?』程度にあっさりとしていた。

「この男が齎した情報は大きい。
 情報の対価として味方につけるならいいに越したことはない。」

「え、どういうこと?」

「何故あの異形の男の首輪が外れたか、だ。」

 ムラクモがカインから得た情報で着目したのはその点だ。
 十条姫和は八将神と名乗り、沙耶香はそのことについて何も語ってない。
 後で仕込まれたものが原因で八将神を名乗っていることになるのが推測できた。
 マサオを殺害した後から外れたのではなく『八将神』を倒したから外れたのだと。

「八将神は陰陽道の神、太歳等の木星の精ですね。
 それにあてはめられた参加者が何人かいる、と見てよさそうです。
 確かに思い返せば、彼も自身のことを八将神と名乗っていました。」

「可能性の話にすぎないけど、ギミックとしてはありえる話でしょうね。
 マサオって子の様子が変だったのを考えると少なくとも分かるのは二人。
 一人はカインの言う十条姫和らしき人物。もう一人は私が戦った怪物だと思うわ。
 そいつも似た症状を抱えていたからってだけだけど。でも、どっちにしても困ったものね。
 暴走した参加者を見るに、味方になりえる人物を八将神に割り振ってるとみてよさそうか。」

 天井を見上げながらやれやれと手を挙げるドミノ。
 明は無事なようだがこれだと今までの情報があろうと八将神でない保障はなくなった。
 味方が敵の情報になってしまうと言うのは、余計に面倒ごとになっている。
 元に戻そうと躍起になる参加者もいることを考えれば、余計に不要な争いが起きるだろう。

「とりあえず当面の目的を纏めるとなると。」

 ①針目縫の討伐
 ②眼鏡の異形(ナスタシア)の討伐、可能であれば服部の奪還
 ③暴走してる参加者である八将神を戻す方法。最悪討伐

「最低限はこうなるだろうな。私にとっては、
 八将神は寧ろ倒す方が利だと……思うが、
 あくまで利益になるだけだ。本気で受け取るな。」

764たった一つの想い貫く ◆EPyDv9DKJs:2024/01/07(日) 20:17:36 ID:NGSKSOXQ0
 ムラクモの発言に対し日菜子が少しばかり睨む。
 十条姫和は沙耶香の友人だ。倒すなんて方法は認めたくない。
 だからムラクモも一応は最悪討伐と言う形で言葉を濁している。

「そうね……私の仲間にこの首輪を渡したいのもあるから、
 あんた達三つのチームに別れるっていう選択肢は取れる?」

「と、言うとどういう感じだ?」

「寝てる子供をうちの仲間に預けるチーム、
 服部って子を敵から奪還するためのチーム、
 それと、北に向かってほしいカインの同行者兼監視役。
 可奈美って子が他の人と合流してたら厄介になりそうだし、
 西には私が行って話を通しておく方がよさそうだからね。」

「……助かる。」

 此方の処遇を大分譲歩された対応に感謝せざるを得ない。
 セカンドサウスそのものを彼は諦めたわけではないものの、
 この場での身の安全を得られたことについては大きいものだと感じた。

「それで、服部奪還だけど……」

「私が行きます。」

 即座に挙手して志願する日菜子。
 あの場で一番動けた筈なのに動くに動けなかった。
 その後悔もあり、チーム分けされる時点で決めていたことだ。

「なら俺も行く。服部とは長い時間関わってるからな。」

 同じように挙手する植木。
 神器は使わない考えをしてるため、
 電光石火などを使うことはしないとしても、
 立体起動装置によって移動を賄えるのも大きい。

「カインには私が同行しよう。」

 もしものときに対して、
 一番彼に対応できるのは誰かと問われれば、
 村雨を所持しているムラクモが一番対応が速い。
 チーム分けの時間はスムーズに進んでいく。

「となると消去法でマシュ、アニは子連れで私の知り合いと合流しなさい。
 今は三人で行動してる筈だから西よりの北を目指すと見つかるかも。
 場合によっては二人組の方に出会うかもしれないけどそっちはやめときなさい。
 敵じゃないけど、色んな意味で危ないから。首輪についても全部回収しておくように。」

「はい、分かり───」

「待って……!」

 苦しそうな声と共に、
 アリサが会議の中へと参入する。
 後ろには目をこすりながらしんのすけもやってきた。

「マサオ君や、宮藤さんはどうなったのよ……」

 この場にもいなければ、
 同じく寝かされてもいない。
 意味は分かっている。だが信じたくなかった。

「二人とも死んだ。」

「そんな……」

 あれだけの死闘を経て、
 たった一言で話は済まされる。
 まだ病み上がりもあってアリサは膝をつく。

「ムラクモさん!」

 澄ました顔で冷徹に応えるムラクモに、日菜子が声を荒げる。
 それを前にしてもムラクモは冷たい眼差しで言葉を紡ぐ。

「隠したところで放送でいずれ露呈する。
 後か先か、その程度の違いでしかない。」

「それは、そうですけど……」

 放送までそう長くはない。
 いずれ知って肝心な時動けなかったでは困る。
 それならば先に事実を述べるべきだと判断するのは、
 決して間違ってることではないことなのは日菜子も分かっていることだ。

「マサオ君……」

 しんのすけは大事な存在との別れの経験は少なくない。
 データが消滅したぶりぶりざえもんや機能が止まったロボとーちゃん、
 死別だって又兵衛のようになかったわけではなかったが、今回は身近な友達だ。
 やっと仲直りできた友達と、さよならを言うこともなく友達との死別。
 現実感がなく、逆に涙が出てこないと言う事態になっていた。

「目覚めたことだ、マシュとアニは二人を預けに北寄りに、
 私とカインは北へ、植木と白井は服部の奪還、ドミノは西。あってるな。」

765たった一つの想い貫く ◆EPyDv9DKJs:2024/01/07(日) 20:19:10 ID:NGSKSOXQ0
「ええ、あってるわよ。時間もかけたことだし解散ね。
 合流場所は……D-4にでもしておけばいいかしら。」

 空気が悪くなったのもあってか、話を簡潔にまとめてドミノが促す。
 それぞれが各々の準備を進める中、立ち尽くすしんのすけにドミノは声をかける。

「アンタの知り合いのマサオ君だけど、
 皆の為に敵に立ち向かったって言ってたわ。」

「マサオ君が?」

 又聞きだけどね、と注釈をつけて話す。
 彼女にとっては又聞きである以上よくは知らない。
 アリサも今しがたおきたばかりなので、余計に。
 事実、八将神だから行動を起こしたに過ぎないので嘘になる。

「そのお陰で生きてるってことだけは忘れないことね。」

 彼の行動がなければ、
 きっと此処にいた参加者は全滅していた。
 そう───彼のおたすけがあったから。

「……おねーさん、名前は? オラ、野原しんのすけだゾ。」

 いつもならばナンパしていたり照れくさそうにしてるところだが、
 マサオの一件もあってか、普段通りのようにはいかず名前だけを訪ねる。

「ドミノ・サザーランドよ。」

 そう名乗り彼女は空を舞う。
 赤黒い辺獄の空を舞う姿は怪物のようでもあるが、
 しんのすけにとってはとどこか幻想的に見えた。

「マサオ君。オラも、マサオ君みたいにがんばるゾ。」

「しんのすけ……私も、同じ気持ちよ。」

 二人は手を繋いでマシュとアニの後を追う。
 おたすけは繋がる。例え、死に別れようとも。


【F-6/一日目/午前】

【ドミノ・サザーランド@血と灰の女王】
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(大)、身体を再生中、主催に対する強い怒り
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0〜2、応急手当セット@現実
[思考・状況]
基本方針:メフィスとフェレスとかいうクソ野郎二人は必ず叩き潰す
1 :攻勢にでるわよ。西に行って様子を確認する。
2 :下僕たち(佐神善、日ノ元明)に充や彰の知り合いを探す。ニアミスなのは残念
3 :首輪及び紋章を何とかするために、主催を知ってそうな参加者は見つけた。後はどうするか……
4 :あの悪魔(不動明)がまた挑んでくるようなら迎え撃つ。
5 :日ノ元士郎はここで斃しておきたいけど今は待つ。堂島は信用しない。
6 :しおが『下僕』になるかは彼女次第。
7 :日ノ元とは何とか協定を結べたけど、下僕たちはどうするのやら。
8 :強姦魔(モッコス)とヘルメット(ジャギ)は出会ったら潰す。
9 :蒔岡彰、先に出会ってたら下僕だったんだけどねぇ……
10:伯爵の関係者も漁ってみる。
11:ユーベン……まさか?
12:零や可奈美にあったら、まあ軽く仲裁はしておく。

[備考]
※参戦時期は88話から。
※真祖の能力に制限が課せられています
※主催者の関係者にユーベンが関係してる可能性を考えてます。
※ドミノ、しお、日ノ元、彰、オフィエル、みらい、沙夜と情報交換をしました。
 充はDルートなのではるなと彼女から話を聞いた人物、
 途中までならCルートと同一なので途中までは結衣と話が嚙み合います。
※ムラクモ達と情報交換をしました。



【白井日菜子@BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣】
[状態]:負傷(中)、疲労(小)、怒り、精神疲労(大)
[装備]:リフレクターの指輪@BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣、ギャレンラウザー@仮面ライダー剣、顔のない王@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品一式、モノメイト(3/5)@ファンタシースターオンライン2、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本方針:殺し合いになんて乗らない。こんなふざけた事は止めてみせる。
1:ユズ、ライム……
2:衛藤さんの捜索。そこから十条さんを止める。
3:それとあの人(アナムネシス)は止めないと。
4:此処はコモン? もしかして原種がいる? 後者はいやかな……
5:まずは目の前の相手との対峙を乗り切る。
6:ナスタシアとハサミの子(針目)は一発殴ってやりたい。

[備考]
※参戦時期は第12章「最後の一歩 the First Step」で、
 ユズとライムとの最後の別れをしてリフレクター絡みの記憶を全て忘れた後から。
※忘れていた記憶は思い出しました。
※帝具や刀使、進撃の巨人について知識を得ました(ただし帝具は浅く、村雨の性能も知りません)
※ムラクモと情報交換をしました。

766たった一つの想い貫く ◆EPyDv9DKJs:2024/01/07(日) 20:21:53 ID:NGSKSOXQ0
【植木耕助@うえきの法則】
[状態]:負傷(中)、疲労(小)、溶解(軽微)
[装備]:立体起動装置&スナップブレード(1本折れている)@進撃の巨人(ガス半分)
[道具]:基本支給品、アクション仮面人形@クレヨンしんちゃん 優木せつ菜のカレー@ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、替えのブレード×4
[思考・状況]
基本方針:自分の正義を貫く
1:森達のところに戻りたい…とは思うけど、殺し合いには乗らねぇ。
2:日菜子と行動を共に服部奪還を目指す。
3:空白の才が支給されていたらヤバイな……。
4:針目の奴……
5:ムラクモって男……針目に似たような雰囲気がするな。

[備考]
※参戦時期は16巻の第153話「最終決戦!!」にて、アノン相手に最後の魔王を撃った直後からです。
※「ワールドウィッチーズ」世界についてある程度の知識を得ました。
※互いが別々の世界もしくは別々の時代から会場に呼ばれたと推測から確信になりました。
※自分が死亡後参戦だと勘違いしています。
※神器やゴミを木に変える能力のレベル2にはある程度制限がかけられていますが、どれぐらいの制限がかかっているかは後続にお任せします。
※神器は自分の世界の神様を決める戦いに参戦している人間”以外の人間には使用しないと決めています
※「キルラキル」世界についてある程度の知識を得ました。
※縫から日ノ元明は危険人物だと伝えられています。(半信半疑)
※ムラクモを少しだけ警戒しています。(あくまで自分の勘)
※ムラクモと情報交換をしました。



【ムラクモ@アカツキ電光戦記】
[状態]:負傷(中)、疲労(小)、溶解(軽微)
[装備]:ブラッディピアース@グランブルーファンタジー、一斬必殺村雨@アカメが斬る! 六〇式電光被服+六〇式電光機関@アカツキ電光戦記、
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜1(確認済み) 家紋タクシー@ニンジャスレイヤー
[思考・状況]
基本方針:メフィス達を始末して願いの力を手にし、悪用を避ける。すべては人類救済の為だ。
1 :北上しつつ衛藤可奈美の捜索。そこから十条姫和の制圧、或いは討伐。
3 :司城夕月、司城来夢、古波蔵エレン、安桜美炎の捜索。
4 :電光機関の無駄遣いは避けなければならない。
5 :紋章を知る、或いは他の世界の住人を探して首輪解除の手段を模索。
6 :完全者は此処で確実に始末したいが、徹底するのは控える。
7 :紫の女(アナムネシス)に要警戒。
8 :高津と言う女については多少は懸念しておくか。
9 :シャンバラ、探してみる価値はあるか?
10:カインと共に北へ向かう。

[備考]
※参戦時期は不明。(少なくとも完全者を一度殺害後でエヌアイン完全世界ED前)
※六〇式電光機関をそのままの代わりに支給品の枠を使ってます。
※村雨がアニメ版か漫画版かは後続の書き手にお任せします。
 (どちらか次第で奥の手の内容が変わります)
※刀使、リフレクター、エルディア人、の知識を得ました。
※ドミノ達と情報交換しました。

【カイン・R・ハインライン@餓狼MARK OF THE WOLVES】
[状態]:打撲のダメージ(軽微)、ダメージ(小)、疲労(大)、少し酸化
[装備]:万里飛翔『マスティマ』@アカメが斬る!、バーリやー@スーパーペーパーマリオ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜1(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:優勝しセカンドサウスの夢を叶えたかったが……
0:優勝は困難だ。素直に生還を重視するべきかもしれない。
1:彼女(姫和)の対策の考案と関係者の捜索。トジのことを知ってる参加者がいればいいが。
2:二人(フェザーと可奈美)を倒し損ねたのは大きな損失かもしれない。
4:雷に引き寄せられてるが、気のせいか?
5:暇があれば帝具をもう少し試す。
6:君の目に宿るおたすけ、観させてもらったよ。しんのすけ君。
7:ムラクモと共に行動する。偶然にも臨んだ相手だが、今更な気もするな。

[備考]
※参戦時期は少なくとも敗北前です
※マスティマとの相性は高いです。
※八将神の存在を知りました。
※ドミノ達と情報交換しました

767たった一つの想い貫く ◆EPyDv9DKJs:2024/01/07(日) 20:22:46 ID:NGSKSOXQ0
【マシュ・キリエライト@Fate/Grand Order】
[状態]:喪失感(大)、深い悲しみ、混乱 負傷(中)、疲労(小)、溶解(軽微)
[装備]:オルテナウス、オルテナウス盾部分
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1〜2、桐生の首輪(討伐報酬による解除)、首輪×3(沙耶香、マサオ、宮藤)
[思考・状況]
基本方針:生き延びて、先輩と再び逢う。
1:参加者と接触し、先輩の目撃情報を調べる。
2:先輩が見つかるまで、アニさんと行動する。
3:桐生との戦闘が終わり次第、マサオから事情聴取する
4:疑似霊核……カルデア? それとも……サーヴァント?
5:アニさんと共に沙夜と言う人物達を探す

[備考]
※参戦時期は少なくとも第二部第二章以降
※マサオの疑似霊核から、この殺し合いにカルデアの関係者か、
 サーヴァントが関わっているのではないかと考えています。
※ムラクモと情報交換をしました。

【アニ・レオンハート@進撃の巨人】
[状態]:マシュに対して不安、眼に巨人化の痕 ムラクモに対して警戒 負傷(中) 疲労(小)
[装備]:地禮@PROJECT X ZONE2 BRAVE NEW WORLD、まりょくのみ@大貝獣物語2(半分未満)
[道具]:基本支給品×3(自分、宮藤、桐生)、ランダム支給品×0〜1(武器類はもうない)
[思考・状況]
基本行動方針:マシュ・キリエライトと共に行動する。
1:参加者と接触し、ベルトルトと立体機動装置を探す。
2:巨人化能力が再び戻るまでは、マシュと行動する。場合によっては再び対峙するかもしれない。
3:植木という少年からなんとか立体起動装置を譲ってもらいたかったが、仕方ないか。
4:ムラクモ……警戒を怠れないな
5:マシュたちと一緒に沙夜と言う女を含む三人組を探す。

[備考]
※参戦時期は第132話、ヒィズルの船に乗った直後からの参戦です
※この殺し合いの主催者にエレン・イェーガー、もしくは『始祖の巨人』を所有したエルディア人がいるのではと考えています。
※ムラクモと情報交換をしました。
※F-7に女型の巨人の残骸(数十分で蒸発する)が残されています。
※女型の巨人には制限が掛けられています、制限は以下の通りです
 身長は10m級に調整されている
一度巨人化すると一定時間経過しないと再び発動できない

【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:疲労(大)
[装備]:
[道具]:基本支給品、シリマルダシ(ミライマン)※残り4回@クレヨンしんちゃん、又兵衛の馬手差し@クレヨンしんちゃん、まどわし草×3草@トルネコの大冒険3
[思考・状況]基本行動方針:困ってる人をおたすけする
1:アリサちゃん、マシュちゃん、アニちゃんと一緒に行動する
2:芳佳ちゃんのお友達(服部静夏)を探す
3:マサオくんをこんなにした”ンンンおじさん”にカンチョーする
4:オラもマサオ君みたいにがんばるゾ。

[備考]
※殺し合いについて理解しました。
※ぷにぷに拳を使用することができます。(作中習得した九まで)

【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのはA’s】
[状態]:ダメージ(極大・治療済)、疲労(大)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いは絶対しない
1:しんのすけ、マシュさん、アニさんと行動する。
2:目が覚めたらマサオに謝りたかったのに……

[備考]
※参戦時期は11話、なのは達が魔法少女だと知った後です

768たった一つの想い貫く ◆EPyDv9DKJs:2024/01/07(日) 20:23:24 ID:NGSKSOXQ0
※F-6の状況は以下の通り
 ・F-6の広範囲に酸性雨の跡(ドキュンサーガ9話④の町の惨状少し近しい)
 ・同じエリアの死体のユカポン、ユカポンのファンの吸血鬼の遺体とデイバックは、
  後続の書き手にお任せします

≪考察≫(ムラクモ、アニ、マシュ、日菜子、ドミノ、カイン、植木、しんのすけ、アリサ)
リフレクターの変身について
①コモンの可能性:フラグメントも魔物もいない為低い。
②原種が存在する:現状ではなんとも。移動ついででいるかどうかを調べてみる。

刀使の多さについて
①刀使の力をメフィス達か関係者が必要としている。
②タギツヒメを倒せる刀使が必要だったから(タギツヒメの力を手に入れる為)。
③高津雪那が運営関係者で、タギツヒメの障害となる刀使を参加者にした。
 (折神紫はいないが、私怨を晴らす為か?)
④理念の為?

見せしめに藤丸立香を選んだ理由
①藤丸立香に関係している人物が主催に関わっている。
②選ばれたのは旅を続けられると、主催にとって不味い事態があるもしくは起こる。
③名簿に記載されている同姓同名の藤丸立香については、ひとまずは保留。
④理念の為?


①首輪が科学と魔術ではなく魔術のみの可能性。
 念には念を入れて紋章を知る参加者を探しておく。
②シャンバラと呼ばれるものが使えるかもしれないが、現状はついで。
③主催側には、いくつかの世界の関係者たちが連合を組んでいる可能性がある。

769たった一つの想い貫く ◆EPyDv9DKJs:2024/01/07(日) 20:24:11 ID:NGSKSOXQ0
短いですが以上で投下終了です

770名無しさん:2024/02/20(火) 22:36:56 ID:pfbuhIQg0
アルーシェ・アナトリア、松坂さとう、ベルトルト・フーバー、パンドラボックス、立花特平、清棲あかりで予約します

771 ◆4Bl62HIpdE:2024/02/20(火) 22:37:28 ID:pfbuhIQg0
トリ付け忘れてました

772 ◆4Bl62HIpdE:2024/02/21(水) 00:42:35 ID:bkTUj3cg0
投下します

773最後の巨人 ◆4Bl62HIpdE:2024/02/21(水) 00:44:40 ID:bkTUj3cg0


何処かに 行きたくて

駆け出した足で







誰かを――踏み潰した。




「赤城みりあ」


「以上、死んだのは38名。いやぁ、みんな張り切ってるようで何より何より!」
アイドル――赤城みりあが死んでから、どのくらい時間が経っただろうか。
建物が燃え盛る中、死亡者名簿が読み上げられた。
早朝の放送が終わり、朝が過ぎようとする中、皆、直ぐには動けなかったし声を掛けなかった。それくらい、疲弊していた。



この場に残されたのは、ベルトルトとアルーシェ。……そして。
「.....立てるか!?ベルトルト!」
「.....ぁあ.......」
アルーシェはよろよろと立ち上がり、ベルトルトの肩をつかむ。
「ここは直に焼け落ちる、脱出するぞ」
「あぁ...一先ず、安全な場所に

言いかけたが、直ぐに彼は口を閉じた。
威圧。
松坂さとうが、アルーシェとベルトルトの前方に立ち塞がっていた。

「.....行かせない。もう、徒党ごっこは終わり。」
ベルトルトは、意を決してその少女、松坂さとうに向き直る。
「....さとう、そこをどいてくれ。」
「何で?」

「僕は故郷に帰らないといけない。――だから、どいてくれ」
ベルトルトは、右腕でブレードを構える。……その男は、ついに砕けた右鎖骨を再生した。蒸気と共に、アーナスに受けた傷が治癒されていく。
ただ一つ、さとうに最初に血を浴びせるために付けた傷を除いて。…彼は"その気"だった。
「駄目。――もう、わかるでしょ。諦めて」
「……しおちゃんのことは、もういいのか?」
それは、ベルトルトにとっては、最期の望みを掛けた、揺さぶりのつもりだった。
だが―――
「わかるでしょ。――もう、私は私のみの力で、ハッピー・シュガー・ライフに帰還する」

774最後の巨人 ◆4Bl62HIpdE:2024/02/21(水) 00:45:14 ID:bkTUj3cg0

無駄だった。ベルトルトが判ったのは、そんなことに動じるさとうでは無かった、ということだけ。
彼は推測する。…みりあの死。それはさとうにある変化をもたらした。
もう、他者には頼らない。血に染まった手で、松坂さとうはそれを抱く。
自分の力でハッピーシュガーライフを取り戻す。――さとうの中にあるのは、その決意だった。

「そうか、さとう」……彼の方を背負いながら、蒸気とともに治っていく傷を、奇怪に見つめるアルーシェを。

「ぐっ…!?」…突き飛ばした。「……どういうことだ、ベルトルト!?」
眼の前の状況が解らず、アルーシェはベルトルトに問う。
「僕にはもうどうすればいいのか分からない。ただ、自分のしたことに対して」


「…何を、言っ」予感。…とてつもない、予感がした。
それが戦士としての予感か、半妖の直感によるものかは判らなかった。
だけど。――"今すぐここから離れろ。さもなくば自分は死ぬ。"

その感覚が正しかったことを証明したのは、もう数秒後のことだった。
――まだ、まだ私はこの殺し合いでリリアと逢えていない。
元の世界で月の女王もまだ倒せていない。リリアも救えちゃいない。アーナスさんのことだって……
まだ、まだ私は―――


アルーシェには、それが、ベルトルトの姿が、破壊を司る神のように視えた。

「戦士として、最後まで、責任を果たすことだ」



ベルトルトは、ブレードを構えた。
さとうはそんな健気な抵抗を、一笑に付した。
「無駄なの、わかるでしょ」
「……そうだ、君のせいで、無駄になる。全部、仕方なかったんだ」

「(止まって―――)」
「だって、世界はこんなにも残酷じゃないか」

瞬間、ベルトルトの身体は光る。

そして、さとうの時間は止まり。

爆風が、アルーシェとさとうを包んだ。

「あ”ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

一番傍にいて、痛みを感じる間もなく消し飛ばされたアルーシェは幸運だったかもしれない。
……わずかに、しかし永すぎる五秒間。松坂さとうは止まった時の中で、思考の中でただ焼き切れる事となった。
……最期にこいつだけでも減らさなければ。……だがスタンドの拳を出す前に腕が削れ落ち、肉と脂肪は蒸発に架せられた。

「し”お.........ちゃん………ご、め」



ごめんね。そんな事を云おうとした。
だけど、そんな事を考える前に、脳と喉が消し潰されていた。

775最後の巨人 ◆4Bl62HIpdE:2024/02/21(水) 00:45:38 ID:bkTUj3cg0







そして、時は、動き出す。
松坂さとうは、跡形もなく消し飛んだ。



ベルトルトは、ついに巨人化した。
超大型巨人――。破壊の神は、ここに顕現する。




「………………うっ」
何があったのか。気づけばそこは消し飛び、瓦礫に埋もれて月の紅い光が差し込んでいた。
…私は何とか、瓦礫の底から四肢を這い上げようとする。
清棲あかりには知る由もないが、超大型巨人の爆風には制限がかけられており、この半径程度の爆風が襲うだけで済んだのだった。

瓦礫から這い出した先。そこにあったのは、炎獄と、その周りに独り突っ立っている巨大な化け物、巨人だった。
――周りの家屋は爆風の炎で包まれている。
その傍らには、家屋の柱に胴が突き刺さって死んでいるトッペイ君がいた。
「……トッペイく、ん」……その巻き付いていた舌を見た。…そうだ、エルピスは。
…ひゅー、ひゅうと息が聴こえた。
……トッペイ君を巻き付けていたエルピスも、その舌が千切れて瀕死の状態だった。

私だけは、何とか瓦礫から抜け出すことができた。……だけど、エルピスとトッペイ君の遺体は瓦礫と屋根の瓦に挟まれていた。

「エルピス……!!!」私は何とか、瓦礫をどかそうとした。
……だけど。無駄だった。…時間を掛ければ、瓦礫は確かにどかせたかもしれない。

だけど、"そいつ"はそんな時間さえも、与えてはくれなかった。
巨人が。
「...............こっちに、向かってくる」
キヨスは、絶望しながらそれを見つめた。





爆風は使い果たした。肉の消費も早い。後は――出来る事をするだけだ。

何をすべきか。…ベルトルトには、解っていた。
……もう超大型巨人になってしまったのだ。推測する限り、もう巨人にはなれない。できる事は一つ。
こうなった以上、僕はこの身体で極力参加者を減らさなければならない。その為には、……ジーク戦士長。彼と同じことをすればいい。
ベルトルト、超大型巨人は爆風で火の付いた周辺の家屋を持ち上げ――


投擲した。

エリアの周りが崩壊し、火が燃え移る。
これではエリア全体どころか、僕がいる周囲しか破壊できなかったが、もう全てが仕方なかったと思う。
後はこれを出来る限り繰り返し、災いを散布するだけだ。

「……ベルトルトさん、本当に、それでいいの?」

「………君か」

幻覚が見える。僕は、幻覚のきみ……赤城みりあに話しかけた。
「いいんだ。これでみんなを殺して、僕は故郷に帰らなきゃ――」
「…無理だよ」

「え?」

「"無理だよ。あなたの物語は、ここで終わりなんだから"」

「っっ……!!!」…突如、心臓が凝固する。力無く、崩れ落ちてしまう。…何故だ。何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ何故だ…!!いったい、何処で、間違えたんだ。

僕は、故郷に、帰らなきゃ――



ザラキ。――”精神的に不安定” ”体力・気力が果てるような状況"の相手にのみ効力が発せられる呪文。
ベルトルトは……超大型巨人は、再度持ち上げた家屋に居たエルピスのザラキを、受けてしまった。


心臓が止まる。血液が凝固する。
これで、終わりか。

眠い。何だかとても、眠くなっていたんだ。


…僕は結局、何も無しえなかった。
僕は結局、彼女に何も告げられなかったじゃないか。

でも―――今際の際、幻覚として現れたアニとみりあを見る。

――僕はもう、何も傷つけなくていいんだ。



よかった。

僕は、少しだけ、嗤うことが出来た。

776最後の巨人 ◆4Bl62HIpdE:2024/02/21(水) 00:46:14 ID:bkTUj3cg0






わたしは、卑怯者だ。


生きた証を残すと言っておきながら、トッペイ君をその一部すら回収できなかった。


「"逃げて"」、そう目で訴えてくるエルピスに、何もしてあげる事はできなかった。







私は、卑怯者だ。

この炎獄と、巨人が倒れ、崩れ落ちたなかで……わたしだけが、生き残ってしまった。




「みんなの生きた証を記さなければならない」、それは建前のつもりじゃなかった。だけど、トッペイ君とエルピスは……




爆炎と巨人の身体に潰され、もう何も残っていなかった。







時を止められるのは、松坂さとうだけではなかった。
エルピスの最後の支給品は「スペードのラウズカード」。その中にあった解説書と……ラウズカードスート10「time」。

この一度だけの"切り札"を使用し、清棲あかりは何とか巨人の崩落から逃げ果せ、スート7「metal」とキングラウザーのバリアを使用し爆風から身を守る事ができた。

…他の犠牲に目を瞑ってまで、自分だけが、生き残ってしまった。


『命だったものを奪って。死者の生きた証に涙を流して――それで、死者は報われるんですか?』

『"私は知ってるんです。死者の、私たちを妬む声も、恨む声も。苦しみも、嘆きも。目を瞑っても、耳を塞いでも、ずっとずっと心の奥に溜まってる。"』

幡田零の言葉が、今になって反芻する。

777最後の巨人 ◆4Bl62HIpdE:2024/02/21(水) 00:46:29 ID:bkTUj3cg0


「――そんなあなたの『エゴ』に……私を■■■■■■■■■■■■■■――――」



「…何も、言い返せないな」

私は、エルピスの舌を採取してしまった。「生きた証」を残すためだと自分に言い聞かせながら。
これは、エゴなのかな。――私のやった事、駄目なことなのかな。

……私は、エゴでその時になったら、又みんなを見捨てて生きようとして、たくさんの”いたんだ”を造りつづけるのかな。

ただの、自己満足の為に。



…あはは、はは。

【アルーシェ・アナトリア 死亡】
【松坂さとう 死亡】
【パンドラボックス(エルピス) 死亡】
【立花特平/トッペイ 死亡】
【ベルトルト・フーバー 死亡】

【E-4/一日目/午前】

【清棲あかり@へんなものみっけ 】
[状態]:心身が不安定、爆風で煤けて汚れている
[装備]:ポケモン図鑑@ポケットモンスター モンスターボール×8 ひかりのドレス@ドラクエ7 キングラウザー・スペードのラウズカード@仮面ライダー剣
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜1 Eー3かねでの森博物館から持ってきたフィールドワークや解体用の道具(双眼鏡・ハイヒール(大型動物解体・調理用刃物)など) 火山灰(一人分の量)@血と灰の女王 エルピスの舌
[思考・状況]
基本方針:???
0:………。
[備考]
※参戦時期は原作1話 事故死したカモシカを博物館に持って帰ったところ
※ロックの危険性について知りました。征史郎との会話から爆発させる能力はスタンドの力ではないかと推測しています。
※マネーラ・ギャブロ・藤丸立香の世界について簡単に知りました。
※トッペイとの情報交換でクライスタの世界観を大まかに把握しました。
※征史郎との情報交換でリベリオンズ、ブルーリフレクション、よるのないくに2の情報を得ました。
 ただしリベリオンズはDルートの為充、琴美以外の人物とは話が合いません。
※トッペイの治療により、本来の服装であるパーカーを足りない包帯代わりに使用しました。
※トッペイの治療でかなでの森博物館から持ってきたフィールドワーク用の包帯は使い切りました。治療に使える薬はまだあります。
※スペードスートのラウズカードの内、スート7メタルトリロバイト、スート10タイムスカラベを使用しました。


ベルトルトが家屋を投擲した先。
そこは、ベルトルトが好意を寄せていた者が現在、戦っている場所だった。


※超大型巨人の爆発により、少なくともE-5は壊滅状態となっています。
※ベルトルトが家屋を投擲した先の範囲にF-6も入っています。どのような影響を及ぼすかは後続の書き手にお任せします

778最後の巨人 ◆4Bl62HIpdE:2024/02/21(水) 00:46:42 ID:bkTUj3cg0
投下を終了します

779双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:08:51 ID:5nQPH81Q0
投下します

780双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:10:30 ID:5nQPH81Q0
「と、このように話が噛み合わない知り合いがいるわけだ。」

 征史郎は新たに合流できた参加者、
 とりわけこの場合美炎について事を説明する。
 2ndStageが始まってない筈のはるな、
 琴美が死んでない筈の悠奈、悠奈と面識がある筈なのにない初音。
 当然、美炎とフェイトの世界線も違うことついてには時間はかからなかった。
 (これは彼女にとっては外見的な問題も一因しているが。)
 リリアーナや鉄平は何が何だかさっぱりではあったが、
 そっくりさんということで話を受け入れることにした。

「そっか。だったら初めましてだね、フェイト……さん?」

 幼い小学生の魔法少女は此処にはいない。
 今ここにいるのはちい姉並みのスタイルのいい大人の女性だ。
 見上げる年下と言う、なんだかよく分からない構図に美炎は戸惑う。

「中身は子供のままなので、普段通りでお願いします。」

「まあ、私は可奈美達ほど関わりは薄いんだけども。
 遠慮なくフェイトちゃんって呼ぶことにするね。」

「北条鉄平もその辺なのやもしれぬな。明らかに人物像が噛み合わない。」

「ん? わしを知っとるっちゅーことは……」

 沙都子は既に死んでいて、出会ったのも零児達だけ。
 彼の知り合いは残されているのは梨花のみになる。
 沙都子のことばかりにかまけてて彼女の存在については、
 放送後になってからようやく気付いたようではあるが。

「友人を虐待されてると聞いてはいる。
 無論、これも噛み合ってないのを見るに違うようではあるが。」

「───いや、それは全部事実や。
 沙都子の友達が言うちょったことは。」

 気落ちした表情で鉄平は紡ぐ。
 自分がどれだけのことをしてきたのかを。
 虐待をしてなかった世界線はきっとありえないのだろう。
 それこそ、あれだけろくでもない死に方をしてきた夢のように。

「あ、あの! 鉄平さんはそのことを……」

「リリアーナの嬢ちゃん。
 今更悔いたところで過去は変えられへんね。
 沙都子も言うちょったわ。ムシのいい話やと。」

 庇おうとするリリアーナを静止する。
 結局のところ、都合のいい看病してくれる人が欲しかっただけかもしれない。
 そのことを否定しきれなかった、あの夕焼けの中の出来事を思い出す。

「悪いが事情はどうあれ、今の彼は此方にとっては味方だ。
 禍根については色々あるとしても、後か当人らで話し合うべきだろう。」

「それは僕も同意見だ。」

 改心したのが本当かどうかの議論を此処でする余裕はない。
 もっとも、あれだけ涙を流し苦悩していた彼の様子を見た零児にとっては、
 問題は余りなさそうと思えるようになってはいるのだが。
 とは言え、古手梨花とはひと悶着ありそうなのは否めない。

「それはそうと、美炎は大丈夫か。」

 零児が気にかけるのは鉄平だけではない。
 刀使の使命は命懸けだ。最悪死ぬことだってありうる。
 舞衣や薫だってその覚悟は決まっていただろうが、荒魂を祓う話の中だ。
 殺し合いなんてものとは無関係であり、受け入れがたいことでもある。
 辺獄の舞台に降り立ってから時間は経過はすれど状況はよくはならない。
 姫和の件もあり、気落ちした表情と共にすぐに動きたくなってしまう。
 けれどそれをすることは、鉄平たちを置いていくと言うことに他ならない。
 リリアーナや鉄平は戦えこそできるものの、同時に得意と言うわけではない。
 特に鉄平は薬物によるドーピングで賄っている。当然使う前提なのは論外だ。
 加えて可奈美の千鳥を人殺しの道具に使ってしまった事実、沙都子を死なせた重責。
 多くの事が重くのしかかっている。刀使と言えど中学生が背負えるものではないだろう。

781双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:11:14 ID:5nQPH81Q0
 零児は数多くの仲間と出会ってきた。
 その中には彼女よりも幼い子供もいるにはいたが、
 このような過酷な環境での戦いかと言うと少し別である。
 ストライダー、レプリロイド、格闘家、弁護士……他にも様々な仲間と共にあり、
 同時に仲間が死ぬようなことなく目的を達成し続けてきたのが零児でもある。
 (既に死んでいた奴もいたりはしたのだが、その辺については割愛)

「大丈夫じゃないけど……そうも言ってられない、ですよね。」

 殺したくはなかったが殺めた以上はもう覆せない。
 彼女もまた覚悟を決めて、千鳥をジッと見つめる。
 不殺では守り抜けないと言う無情な現実を知った今、
 可奈美には申し訳なく思うが、この刃を振るって戦う覚悟を。

「無理はしないことだぞ。余り思いつめるとZルートまで考えることになりかねん。」

「ぜ、ぜっとルート?」

 ふざけた態度のように見えて、
 征史郎もまた仲間を死なせてしまった側の人間。
 だから彼女の気持ちは痛いほど理解しており、彼もまた気に掛けている。
 余りにも突拍子もない一言だったので、彼女はそれに気づくことはないが。

「ところで、首輪についてなんだが分かることは?」

「残念だが俺はそこまで専門じゃないんだ。役に立たずすまないな。」

『だが君は大祐と言う少年から首輪を外したんだな?』

「むぅ……やはりはるなの言う充かミスターLを頼るしかないのか。」

 筆談をしながら、適当な会話で情報を共有していく。
 ミスターLとは方針の違いで諦めてしまったものの、
 やはり機械に強い人間を探すのは至難だと言うことが伺える。

『ああ。ジッパーで首輪ではなく首を落としたら簡単にできたぞ。』

「だが紋章が何を意味するかをしなければ、解決しようがないな。」

『少しおかしくないか?』

「紋章か……一体どういう意味があるのやら。」

『おかしい?』

『君みたいに思慮深い参加者なら、
 これで即座に首輪を外すとは考えず慎重に行くはずだ。
 首輪ではなく人体に使えば簡単に外せるような行為、主催者がすると思うか?』

 大祐ならやりそうだがな、
 などと征史郎は脳内でごちりながら零児の筆談に頷く。
 事実、それを試そうとして慎重に動いているのが現状ではある。
 生きた人間の首を外した場合に首輪はどういう反応を起こすのか。
 その実験の真っ只中なのだが、どうにもならない壁が一つ。

『肝心の対象が出鱈目に強い連中ばかりでどうしようもないがな。
 貴真あたりならば現状、説得不可能かつ制圧できそうなものだが……』

 エスデス、アーナス、不動明、童磨と明らかに格が違う連中ばかり。
 生け捕りと言う点において、一番手軽なのは彼になるだろう。
 言い換えると彼以外にまともな候補が出てこないと言うのが難易度の高さを伝える。
 複数で相手してもなお倒しきれない傑物、否怪物揃いに頭を抱えたくなってしまう。
 もっとも、その彼も既に死んでいるのだが。

『ひょっとしたらだが、主催連中はそれほど首輪の拘束力に執着してないかもしれないな。』

 紋章や首輪と言った生殺与奪の権利はあれど、
 別にそれがなくても殺し合いが進行するシステムが確立されてる可能性。
 それがアーナス達と言った並みの参加者では太刀打ちできない存在なのだろう。
 何より、タギツヒメに取り込まれた姫和が参加者にいるのもそういう事かもしれない。
 それであれば、筆談が許されたりこうして徒党を組むことも問題視してないのも頷ける。
 征史郎が出会ったPDA関係者のような世界線が違う可能性は否定しきれないが、
 余り楽観的に物事を考える余裕は彼等にはない。

「あ、紋章と言えば城本さんと私達、紋章の色違いますよね。」

「ああ、やはりそうか。レオーネ達も違っていたが何か意味があるのか?」

 レオーネや征史郎は赤色の紋章。
 此処にいる他のメンバーの首輪には白色の紋章が刻まれている。
 紋章の色については細かい説明は何処にも記載されておらず、
 それが何を意味するかは現状においては不明なので後回しとする。

「にしても進展はなし、か……厄介だな。」

 戦いはさらに激化していくであろうこの状況で、
 敵を数人倒せただけの情報を得たと言うのは芳しくない結果だ。
 人数の減りから敵は多い。一人二人倒しただけでは止まりはしないだろう。

「さて、これからだが僕としては───」

 話を遮るような轟音が六人の脳裏に警鐘を鳴らす。
 近くの塀を突き破って出てきた者の姿は初めて見るが知っている。
 銀色の長い髪に青い服装。白い肌はアルーシェから聞いている姿と一致する。
 出会ってはならないとしていた筆頭の存在が一人。

「───ッあれがアーナスか!!」

782双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:11:49 ID:5nQPH81Q0
 零児の発言と同時に最初に動いたのは美炎。
 今度こそ守り抜かんとするその意志が彼女を焚きつける。
 美炎の持つ千鳥と、アーナスの黒と赤の大剣ヨルドがぶつかり合う。
 轟音と共に周囲へと広がる衝撃。戦車の砲撃と見まがう攻撃は、
 後方で見ていた五人の男女は満足に近寄ることすら許されない。
 元より伝説の半妖に、八将神として強化された膂力は常人の比ではない。
 まさに怪物の一撃。普通の武器であればまず砕けてるだろう一撃だが、
 そこは錆びず折れないとされている御刀。お陰で無事だ。

(一撃が重い! これがアルーシェって人が言ってたアーナスなんだ……!)

 単純な力比べは不利だ。
 八幡力を全力で引き出しても押しきることができない。
 このままだとまずいと攻めるのを一旦やめようとするが、

「グッ……! 貴様、人間ではないな。」

「え?」

 有利だったはずの鍔迫り合いを、
 苦悶の声と共にアーナスからやめると同時に距離を取る。
 自ら優勢を捨ててまで出た疑問に、美炎も戸惑いを隠せない。

「何者だ。先の奴に気配が似ているような気がするが。」

 歩夢と同じ荒魂の気配を彼女は持つ。
 だがそれとは比にならない大荒魂カナヤマヒメ、或いはカグツチの力を彼女は内包する。
 恐れではない。沙夜たちにも行った交渉の余地があると判断したが故に中断したのだ。

「───私は人だよ。正真正銘、誰かを守るための刀使、安桜美炎だよ!」

 無論、時期の都合そんなこと知る由もない美炎にとって、
 自分が人間かどうかと問われれば人間と答えるだけだ。
 たとえそれを自覚していたとしても彼女のやることに対して、
 反対の異を唱えることは誰もが予想できることだが。

「そうか……ならば殺すだけだ。」

 交渉の余地はない。
 他の連中も賛同するものはいない表情や眼差し。
 ならばと再び美炎との剣戟を再開する。

 ヨルドは蛇腹剣の如く無茶苦茶な軌道で動くこともできる。
 魔剣と言うよりは鎖や鞭、或いは生物のように動く剣先に離れざるを得ない。
 リーチが長いとか、そんな次元とは別の領域で伸びて彼女を追尾していく。
 迫る刃を次々と払うも、自由自在の刃が首元を狙う。

「させない!」

 ソニックフォームへと変身を終えたフェイトが乱入し、
 バルディッシュが迫るヨルドを叩き落とす。

「ハーケンセイバー!」

 その勢いのまま振り上げながら、
 お返しとばかりに追尾性能のハーケンセイバーが飛び交う。
 剣を引き戻し弾くも背後から回り込んで刃が彼女を斬らんとする。
 気付いたアーナスは即座に跳躍で回避をすると、ヨルドを戻した後二人へと叩き込む。
 二人は散開して離れると、地面が砕けて隆起しながら同時に周囲へ広がる衝撃。
 威力の強さに軽く吹き飛んで転がる二人の隙を狙わんと動き出すアーナスだが、残された人物も同じ。
 肉薄した零児の雪走とヨルドの剣戟が数回行われ、彼もまたその重みを味わう。

(これは正面戦闘は不利か!)

 名刀であろうとなかろうと、まともに打ち合えば此方の身体の方が圧し折れかねない。
 その脇から征史郎が得たスタンド、スティッキィ・フィンガーズがジッパーで伸ばした拳が迫る。
 アーナスは転がりながら回避し、優先順位は其方へと変わる。

「させるかぁボケが!」

 間を挟むように鉄平が立ちはだかり、
 地獄の回数券を服用した粗雑な拳が飛び交う。
 素人の攻撃などいくら強化されたところで掠りもせず、
 邪魔だと言わんばかりに回し蹴りで蹴り飛ばされてしまう。

「美炎、畳みかけるぞ!」

「はい!」

 その隙を突いて美炎、零児が挟むように迫る。
 二人による剣戟はヨルドの刃で防がれていく。
 二対一で左右を対応することができるのはヨルドの性能と彼女自身の強さだ。
 元々二人とも普段とは違う得物による弱体化も差し引いてもアーナスが圧倒している。

「ギースと言い、本当にクソゲーみたいなバランスだな。」

 理不尽極まりない厄介さに苦虫を嚙み潰したような顔で、
 征史郎は地面にジッパーを取り付け、それを広げて穴を作って隙を狙う。
 迫るジッパーに気付き剣戟をやめ、全速力で今度はリリアーナに狙いを定める。
 一人残された彼女はリリィバーストの準備をしていることを気付かれたことで中断。
 縦に振るわれたヨルドを横へ転がる形でギリギリ回避に成功する。
 ただし避けれたのは斬撃だけ。衝撃までは躱せず吹き飛ばされてしまう。

783双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:13:35 ID:5nQPH81Q0
「キャア!」

 元々前線に立つタイプではない彼女にとってこの回避は奇跡に等しい。
 一応、征史郎がスタンドで引っ張ったのもあるにはあるのだが。
 そのまま追撃の牙を剥けるが、直角に追尾する光の弾丸がいくつも迫る。
 フェイトのプラズマランサーの回避を優先し、近くの家屋へと降り立ちヨルドでそれらを弾く。
 続けざまにバルディッシュと切り結ぶも、その一撃の重さに手に痺れが走った。

(駄目、この人に接近戦で挑めない!)

 単純な強さに加え技巧を併せ持つ。
 だからこそフェレスが選んだ八将神が一人。
 夜の君と呼ばれるその存在は参加者としても指折りの強さを持つ。
 いくら強引に成長したと言えども限度がある。

「たああああッ!」

 だがそれでも近接戦を挑まなければならない者の姿あり。
 カナヤマヒメの力となる赤いオーラを無自覚に纏いながら、
 美炎が交代で刃を交える。

(先程よりも重いな。)

 破竹の勢いで迫る美炎の刃。
 先とは比べ物にならない重みと鋭さを持つ。
 一時はその勢いに受けに回らざるを得なかったものの、
 清光ではなく千鳥である以上本来のものよりも見劣りする。
 十数回も剣戟を続ければ、交代と言わんばかりにアーナスの反撃が始まった。
 文字通り伸びながら迫る斬撃。当たれば写シで防げると言えども死神の鎌のようだ。
 防ぐことを諦め回避に専念するが、ヨルドは執拗に伸びては美炎の写シを削っていく。

(あれ、使うべきなのかな……)

 零児にも黙っていたある支給品。
 あれを使えばこの状況を打開か好転できるかもしれない。
 けれど鉄平の使う地獄の回数券のようにリスクもある。
 だからどうしても使用を躊躇ってしまっていた。

(いや、此処で使わないと勝てない!)

 力がなければ何も救えない。
 嫌と言う程それを味わった彼女にとって、
 それを使わないと言う理由にはならなかった。
 相手はアーナスだ。余裕をもって戦える相手ではないのは既に分かっている。
 だから使う。危険なものだと分かってたとしても。

「フェイトちゃん! 援護お願い!」

「はい!」

 フェイトが援護のフォトンランサーを放ち、防御の優先順位の変更がされる。
 その隙を突いて距離を取るとデイバックから支給品を取り出す。

「力を貸して……魔晶!」

 手に握ったそれを力強く握りしめると、彼女の姿が変わる。
 魔晶。ある帝国が実験の副産物として誕生した代物であり、
 こうして力を与える支給品として今回彼女に支給された。
 そうして姿を変えた美炎は黒と白を基調とした、巫女服に近しい恰好をする。
 だが神聖な巫女服とは裏腹に黒ずんだ腕や額を覆っている黒い装飾品は、
 少女を禍々しい姿にしている。さながら悪鬼羅刹の擬人化とも言えよう。

「うわ、絶対やばそうだ……でも!」

 腕の状態に嫌悪感をあらわにするが、
 今までとは比にならない力の高揚感。
 戦える。一人では無理でも皆であればきっと。
 戦線に復帰しながら刃を振るう。

「ッ!」

 屋根の上から地上へ移動しながら繰り広げられる剣戟。
 先ほどまでと比べ物にならない一撃はアーナスも目を張るものがある。
 互角とまではいかないが、十分に打ち合えるだけの力を手にしていた。
 甲高い音が辺獄へと何十回と聞こえるのがその証左でもある。
 だが、それでも届かない。彼女が弱いのではなく、ヨルドの性能の問題だ。
 伸縮自在の刃は先ほどとまではいかずとも身体を刻んでいく。
 このまま剣戟を続けたところで、写シが剝がされるだけの未来。

「アークセイバー!」

 そこに加勢するのは強引に大人へと至った魔法少女。
 フェイトがそう叫ぶと同時に、先と同様にサイズフォームの刃がブーメランのように舞う。
 咲の攻撃と同じで類かと剣戟の合間に些末事のように弾こうとするアーナズだったが、

784双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:13:54 ID:5nQPH81Q0
「セイバーブラスト!」

 そう宣言すると、弾く寸前に爆発を起こす。
 アークセイバーは投擲武器だけでなく爆発と言った芸当もこなす。
 防ぐのに失敗したことで顔面に焼けるようなダメージを残し怯ませる。
 そのできた隙を美炎が見逃すことなく、逆袈裟斬りを見舞う。

「ッ!」

 寸前、右手で強引に刀を防御して防がれる。
 防がれるも勢いを殺せたわけではなく胴ががら空きになり、隙を晒す。
 今度こそできた隙を逃さず、真一文字の傷を胸元へと刻む。
 だが当たったからと言って油断は一切しない。御前試合でも、
 この程度で写シが剥がれるような軟な刀使はいないだろう。

「美炎! 下がれ!」

 援護をする暇はなくとも策は練れる。
 零児の指示により彼の元まで引き下がる。

「太陽の意志、我が胸に正義を与えたまえ!」

 伯爵の時と同じ。
 リリィバーストによる一撃を叩き込む。
 あの時は事故も相まって成功した以上今回のは無謀にも見えるが、

「な、動けん……ッ!」

 隙を突いてフェイトのバインドによる両腕の拘束。
 デビルマンですら動きを止めるそれは、
 流石のアーナスと言えどもすぐには解除できない。
 その動きを止める時間さえあればいいが、ヨルドはそれを許さない。
 真っすぐ、リリアーナを貫かんと弾丸のように迫ってくる。

「嬢ちゃん!!」

 地獄の回数券によって無茶な回復力を得た鉄平は、
 自分の身体を張った壁としてリリアーナを守る。
 一番敵として認識してなかった存在による妨害。
 そのままヨルドを伸ばし貫けばいいだけの話を、
 敵と認識してなかった存在により思考の外へと追いやってしまう。
 ある意味それが、この戦いにおいてアーナスが最も隙を晒した瞬間だ。

「光よ!!」

 伯爵の時同様に、天より一筋の光が降り注ぐ。
 狙いは太陽の意志とは真逆の夜の君へと一直線に。
 辺獄の空を照らすことはできずとも、誰かの希望のように照らす光を。
 その一撃による轟音と衝撃を前に吹き飛ばされそうになるも、何とか耐える六人。

「美炎、その姿は一体……いや、後で聞く。まずはアーナスを───」

 あれで倒しきれたとは思えない。
 早急に対処しよう。そう思った時だった。
 パッと。殺気が背後から突如現れ言葉を紡ぐことはない。
 間違いなく攻撃を受けた筈のアーナスが、何故か零児の背後に立つ。
 瞬きなどしていない。美炎からは本当にそうアーナスが出現したのだから。
 零児もそれに気づいたが対応は間に合わず、ヨルドによる斬撃が袈裟斬りで刻まれる。

「───零児さんッ!!」

 斬られながら今の彼女に違いがあることを気付くのであれば。
 彼女の右手には懐中時計が握られていたことだろうか。
 ストップウォッチ。使えば一秒時間を止められる懐中時計。
 たった一秒ではあるが、戦場にとっての一秒は別物だ。
 停止時間の中を駆け抜け、司令塔となる零児に致命傷を与えた。

 血を夥しく流しながら倒れる零児を一瞥すると、
 次の狙いはリリアーナ。リリィバーストをもう一度受ければ、
 アーナスと言えども身が持たないと判断したからだ。

「させない───え?」

 間に割り込んで迎え撃つフェイト、
 後方から迅移を使って移動する美炎の二人をスルーし、
 最後の砦となる鉄平をも捨て置いて二度目の静止した時間を駆け抜けリリアーナの背後へ到達。
 零児ですら対応不可能だったそれを、リリアーナが対処できるはずがない。
 動き出すと同時に目の前に立つ夜の君の刺突を、無情にも受け入れるしかなかった。

「フェイト! 右手の懐中時計を狙え!」

 致命傷を受けながらも新羅のエージェントは声を張り上げる。
 振り向きながらその右手のものに対処しようとするも、三度目の時間停止。
 次に狙うはフェイトではなく、謎の強化を得ている美炎だ。
 負けることはないが、人間ではない何かが万が一を想定しての行動になる。
 そう思って今度はフェイトを置き去りに美炎の背後を取り、
 時間解除と共に上半身と下半身を分断する。

「ウグッ!」

「何!?」

 だがアーナスは知らない。
 写シによるダメージの軽減の存在を。
 斬ったと思ったら斬れていない事態に困惑し、一手遅れる。

785双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:14:37 ID:5nQPH81Q0
「盗み癖(スティッキィ・フィンガーズ)が悪いんでな。没収だ。」

 運よく近くにいた征史郎がアーナスの右手をスタンドで殴る。
 同時に右手にジッパーを取り付けられ、ポロリとストップウォッチを落としてしまう。
 そのまま落ちたそれを手にしてから、ジッパーで滑って移動する。
 移動をすると同時に、征史郎がいた場所へ叩き込まれるヨルド。
 つくづくスタンドがあってよかったと実感せざるを得なかった。

「ちょこまかと……」

 先ほどまで美炎を優先したかったが、
 現状の中でブレインとなりうるのは眼鏡の青年。
 先に仕留めておくべきだったと顔をしかめている。

(だがどうする? どうすればこの状況を打開できる?)

 零児もリリアーナも致命傷だ。
 此処で捨て置いて逃げるにしても散開する以外の選択肢が、
 誰かを一人犠牲にしなければ生き残る手段が見つけられない。
 征史郎はアーナスが警戒する程、妙案を立てられるわけではなかった。

「まずは貴様から───?」

 言葉を紡ぐのを遮るように、
 近くに星形の何かが落ちてくる。
 何事かと空を見上げれば、流星群の如く小さな星が落ちてきたからだ。

「な……」

「キラキラ、おとし……!!」

 救いの流星が降り注ぐ。
 致命傷を受けたリリアーナだったが、
 まだ辛うじて動くだけの気力は残されていた。
 残された最後の支給品『キラキラおとし』による攻撃だ。

「皆、逃げ、て……!!」

 アーナスは降り注ぐ流星群を防ぐことに手一杯となる。
 当然、征史郎達を相手にする暇がない。
 今が逃げるチャンスで間近で聞いた鉄平は、
 それを噛みしめながら応じ、流星群の中を駆け抜ける。

「嬢ちゃんからや! 残った四人で逃げんね!!」

「逃げるって、二人は───」

「置いていくしかない。支給品は片方だけは回収してある。」

 幸い近くにいたお陰で、
 スティッキィ・フィンガーズを利用して即座に零児のデイバックは回収した。
 リリアーナの方の回収は不可能なのは誰が見ても分かり切っている。

「そうだ、それでいい……」

「零児さん!」

 血反吐を吐きながら、何とか立ち上がる零児。
 誰が見ても傷は深く、今すぐ処置しなければ危険な状況だ。
 当然、そんなことをしている暇など今の状況では何処にもない。

「俺も足止めする……だから全力で行け!」

「でも───」

「全滅が、お前の望みじゃないだろう。」

 最初に出会って、
 今まで自分を気遣った相手。
 そんな人物を見捨てることになる。
 納得はいかないがその選択を取らざるを得ない。
 誰かに任せるのではなく、誰かを置いていくと言う非情な決断。
 守るはずの刀使が、守られなければならない状況を歯がゆく思う。

「俺は手遅れだ。だから、後は任せたぞ。
 友人や同じ仲間を、守るのが刀使なんじゃないのか。」

「ッ……分かり、ました。」

 それを受け入れざるを得ず、美炎も走り出す。
 鉄平が先導すると、征史郎もそれについていく。

「フェイト、悪いが最後に頼みたいことがある。」

「え?」





「なんだったんだ、今のは……」

 大量の流星群に少なからずダメージを受けたが、
 致命傷と言える程のダメージは負うことはなかった。
 疑念に浸ってる暇はない。早急に負わなければと動き出すが、

786双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:15:14 ID:5nQPH81Q0
「よそ見をする暇があるのか!」

 余っていたタマゴバクダン七個、全てをアーナスへと投げつける。
 ジャスタウェイ程の威力もなければ、キラキラおとしと比べるまでもない。
 多少爆発を受けることでダメージを受けたものの、所詮微々たるものだ。

「小癪な……この程度で私を倒せると思うな。」

 一刀を以って切り伏せ、今度こそ零児にとどめを刺す。
 倒れゆく零児を一瞥し、彼の狙いに気付く。
 爆発による目くらましが目的だった。
 彼の背後にはフェイトが構え、雷撃の光線を放つ。

「サンダースマッシャー!!」

 先の戦いで使ったプラズマスマッシャーの原型となる攻撃、サンダースマッシャー。
 命中時の破壊力は雷撃の都合なのはのディバインバスターより上で、
 建物や塀の壁をいくつも貫きながらアーナスは零児ごと飛んでいく。
 それを一瞥した後、フェイトも三人の後を追った。

【D-4/午前/1日目】

【北条鉄平@ひぐらしのなく頃に 業】
[状態]:疲労(大)、精神的疲労(絶大)、身体にダメージ(大)
[装備]:ヘルズクーポン(半数以上使用及び廃棄)@忍者と極道
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜2
[思考・状況]
基本方針:双子から願いを叶える力を手に入れて沙都子を生き返らせる。
0:ワシにできるのは、それぐらいや。
1:兄ちゃん(零児)達と行動する。
2:沙都子や嬢ちゃん(あゆり)の為にも生きにゃいかんね。
3:アーナスから逃げる。
[備考]
※参戦時期は本編23話より。
※リリア―ナ、あゆりと簡単な自己紹介だけしました。(名前のみ)
※あゆりとの年代の違いはまだ知りません。
※ヘルズクーポンの強化時間は大幅に制限されてます
※零児、美炎、リリアーナ、征史郎、フェイトと情報交換しました。

【安桜美炎@刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火】
[状態]:疲労(大)、精神疲労(絶大)、自責の念、複雑(鉄平に対して)、魔晶による変化
[装備]:千鳥@刀使ノ巫女、魔晶@グランブルーファンタジー
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める。
1:今は使うしか無いけど、可奈美に出会えたら千鳥を返さないと
2:みんなの事が心配。
3:十条さん……私が救う!
4:清光、どこかなぁ……
5:沙都子ちゃん、零児さん、リリアーナさん……

[備考]
※参戦時期は第四部第二章終了後〜第四部第三章開始前
※ゆらぎや特務機関森羅、逢魔に関する情報を知りました
※本来は刀使でもその御刀に選ばれないと写シ等はできませんが、
 この場では御刀を持てば種類を問わずに使用可能です(性能は劣化)
※大荒魂カナヤマヒメの力は美炎が『力を求めたとき』発動します。
※カナヤマヒメは美炎の生存を第一に考えています。(優勝してでも)
※カナヤマヒメは沙都子の本性に気づいていました。
※何度もカナヤマヒメの力が発動、及び美炎の身に死の危険が訪れると、
 カグツチに意識を完全に乗っ取られる可能性があるかもしれません。
 参戦時期の関係から美炎は自分の体内にカナヤマヒメが封じられていることは知りません。
 また、カナヤマヒメとカグツチとの関係も然りです。
※名簿から巻き込まれている知り合いを確認しました。
※十条姫和はタギツヒメに取り込まれている状態だと思っています。
※首輪に関する話は筆談で行います。
※沙都子からエスデスの危険性を聞きました。
※リリアーナ、鉄平、征史郎、フェイトと情報交換しました。

787双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:16:08 ID:5nQPH81Q0
【フェイト・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:疲労(中)、魔力消費(大)、罪悪感(大)、成人の姿、みさえに対して安らぎと悲しみの心情、羞恥心(大)、ブレイズフォーム
[装備]:甘露寺蜜璃の隊服@鬼滅の刃、バルディッシュ・アサルト@魔法少女リリカルなのはA’s、病気平癒守(残り二回)@東方project、マジックポーション×1@東方project
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1〜2
[思考・状況]
基本方針:みさえさんの家族、来夢さんと明さんの仲間を探す。
1:征士郎と行動する。
2:家族って、良いものなんだね…
3:他の人達もそれぞれ別々の世界からつれてこられてるのかな…
4:明さんを止める。もしも明さんが死ぬことになるとしても。
5:私の知らないバルディッシュ。でも、私を知ってるバルディッシュ。
6:キャスター・リンボ……あなたは絶対に倒す。
7:ひろしさんやしんのすけに会った時、謝る。
8:アーナスから逃げる。
[備考]
※参戦時期は少なくとも第一期のプレシア事件の後です。
※来夢の事情を知りました。(せつ菜を殺めた顛末)
※来夢からブルリフの世界について簡単な知識を得ました。
 明からデビルマンの世界について簡単な知識を得ました。
※成長そくしんライトによって原作におけるストライカーズの年齢まで成長してます。
 バリアジャケットはその場で変化させているため格好に問題はありません。
※バルディッシュの参戦時期はA’s最終話までなので、
 真・ソニックフォームなどそれ以降の時期のフォーム等にはなれません。
※主催にキャスター・リンボ(名前は知らないが芦屋道満)の存在を知りました。
※征史郎、ワザップジョルノ、梨花、初音と情報交換しました。
 初音に関しては嘘も混ざってます(琴美に攻撃の件、アカメが怖くて逃げた等)

【城本征史郎@トガビトノセンリツ】
[状態]:精神疲労(小)、ダメージ(中)
[装備]:スティッキィ・フィンガーズのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品×3(自分、あゆり、零児)、ランダム支給品×0〜3(夕月×0〜1確認済み、零児×0〜1、あゆり×0〜1)、スフォリアテッレ×1(箱入り)@クライスタ、ストップウォッチ(残り一回)@東方project
[思考・状況]
基本方針:殺し合いに反抗する。
1 :はるなの遺志を継ぐ。
2 :ジャマイカ一行(悠奈)とは敵対はしないが、方針的に共同は難しいな。
3 :はるな、夕月、アルーシェの知り合いを探す。
   特に城咲充優先かつ、前者二名の知り合いにも謝っておきたい。
   ただ平行世界の件もあるのでその辺気を付けないと痛い目を見そうだ。
4 :スタンドでできることを試そう。できて当然と言う認知が大事だ。
5 :ついでにスタンドを使える奴がいるか探す、或いは警戒をしておく。
6 :あっさりと終わったがこれでいい。語られなかった物語とは、そういうもので。
7 :生きたまま首輪が外せるかを乗った参加者で試す。できないとは思うが。
8 :首輪について調べておく。
9 :……ふむ、生きて帰れたら生物学でも齧ってみるとするか。
   あ、パンドラボックスの齧るとは別の意味だ。
10:オカルトか。このご時世で必要とはな。
11:フェイトと行動。

[備考]
※参戦時期は死亡後です。
※リベリオンズ、ブルーリフレクション、よるのないくに2の情報を得ました。
 リベリオンズ勢は全ルートの人物と遭遇か共有した結果概ね把握こそしましたが、
 逆に判断が困難を極める結果となった為若干これについて思考停止気味になっています。
 また、初音に関しては2ndステージ以降の話は聞いてません。
※おおよそスタンドでできることを把握しています。
 ワザップジョルノから何か応用の仕方を聞いてるかも。
※マネーラ、ギャブロ、藤丸立香の情報を簡易的に得ました。
※キヨスから幡田零の情報を得ました。(外見と妹を探していることについてのみ)
※二日目の昼にE-3にあるかなでの森博物館に人が集まる情報を得ました。
※ロック(バンパイア)の危険性について知りました。
 爆発させる能力はスタンドによるものではないかと推測しています。
※フェイト、来夢、初音、ワザップジョルノ、梨花と情報交換しました。
 初音に関しては嘘も混ざってます(琴美に攻撃の件、アカメが怖くて逃げた等)










「グッ……ハァ、ハァ。」

788双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:16:27 ID:5nQPH81Q0

 何処かの家屋に叩きつけられたアーナス。
 ダメージは甚大ではあるが動けない程ではない。
 ヨルドを杖代わりに立ち上がると、再度敵か味方を求め歩き出す。

「私は、人間を……? 何故、だ……分からない───」

 救いの手など最早ありはしない。
 彼女を救おうとした半妖は、既にこの舞台から去った。
 此処にあるのは、ただのフェレスのお気に入りと化した玩具でしかない。

【有栖零児@PROJECT X ZONE2 BRAVE NEW WORLD 死亡】
【リリア―ナ・セルフィン@よるのないくに2 〜新月の花嫁〜 死亡】

【???/午前/1日目】

【アーナス(歳刑神)@よるのないくに2 〜新月の花嫁〜】
[状態]:ダメージ(大)、混乱・困惑(大)魔力消耗(中)、吸血衝動(低下中)、人間への激しい憎悪?、顔面打撲(中)
[装備]:魔剣ヨルド 盤古幡@封神演義
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1
[思考・状況]
基本方針:『夜の君』としての本能に従い、人間を殺していく
1:?????
2:『人間』を見つけて殺す?。
3:小夜達(傘下)を利用する。
4:『人間』以外の参加者と出会えば、利用できそうなものであれば使役する
5:リュリュ……リュリ―ティス……その名が頭から離れない……ッ!!
[備考]
※参戦時期は暴走状態の頃からとなりますが、
 主催者からの改竄により「夜の君」としての理性だけは取り戻しております。
※また主催者の改竄により「大切なもの」を奪いとったものは、
 「人間」であったと認識させられていたのが、本当にそうなのか、懐疑的になりました。
※人間だった頃の記憶及び半妖だった頃の記憶については、欠落から時折、フラッシュバックするようになりました。
※ディメーンとのやり取りから主催陣に懐疑的な感情が芽生えました。
※フォームチェンジは魔力と引き換えに連続して使用可能

※D-4にリリアーナのデイバック(基本支給品のみ)、雪走@ONE PIECEがあります

【ストップウォッチ@東方project】
アーナスに支給。東方非想天則におけるシステムカードの一枚で十六夜咲夜の懐中時計。
使用時に一秒時間を停止させ、その間自由に動ける。四回使うとただの懐中時計になる。

【魔晶@グランブルーファンタジー】
安桜美炎に支給。エルステ帝国が星晶研究によって生み出した結晶。
星の力の模倣とし危険な実験を経て作成され、力を得るが使用には代償を伴う。
過剰に使えば精神の崩壊などの恐れがある。
美炎が使う場合、姿は安桜美炎(Another)になる。

【キラキラおとし@スーパーペーパーマリオ】
零児に支給。文字通り星を流星群のように落としてダメージを与える。
ダメージを与えるタイプのアイテムの中で最も威力とスコアを叩きだせる。

789双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:17:49 ID:5nQPH81Q0
投下終了です

790双眸赫翠 ◆EPyDv9DKJs:2024/02/22(木) 22:19:12 ID:5nQPH81Q0
また「JUST LIVE MORE Helheim」ですが、
木刀政の状態表を変更します(貴真から没収した支給品を忘れてました)

【木刀政@デビルマン(漫画版)】
[状態]:左腕に矢傷、疲労(小)、ビリビリ状態
[装備]:妖刀『星砕き』@銀魂
[道具]:基本支給品×3(自分、貴真、せつ菜)、ドス六のドス@デビルマン(ドス六の支給品)、チェーン万次郎のチェーン@デビルマン(万次郎の支給品)、ランダム支給品×0〜1、チーターローション残り8/10@ドラえもん、コルトポケットもどき@クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝、まほうの玉×8@ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島、ランダム支給品×0〜1(優木せつ菜の分、武器の類)

[思考・状況]
基本方針:不動を止める。
0:不動に一発お見舞いして目を覚まさせる。
1:修平と見知らぬ襲撃者・来夢・佐藤マサオ・針目・アーナス・日ノ元士郎に警戒する。(一部懐疑的)
2:くそ、どうなってんだよこいつぁ……
3:エスデスから逃げる。とりあえず当面の通り北だ。
[備考]
※参戦時期は死亡後。
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0〜1(優木せつ菜の分、武器の類)

791戦火の残滓 ◆EPyDv9DKJs:2024/03/19(火) 19:30:17 ID:jn8LoDm60
投下します

792戦火の残滓 ◆EPyDv9DKJs:2024/03/19(火) 19:31:21 ID:jn8LoDm60
 ナスタシアと服部は思いのほか早く敵と邂逅することになった。
 来夢に桐生と言う洗脳をはねのけた人物がいたのも相まって、
 洗脳をより強固なものとするべく時間をかけたからなのはある。
 一方で、それを見つけたのは本来奪還組であるはずの日菜子たちではない。

「まさかあたし達が見つける側とはね。」

 見つけたのは沙夜と合流を目指していたマシュ、アリサ、アニ、しんのすけだ。
 マシュが三人の前に立ち、臨戦態勢へと入る。
 アニも戦闘可能ではあるが、問題なのは洗脳を受けた服部だ。
 服部の持つ棍棒が銃器であることは桐生との戦いで把握している。
 下手に前に出ればハチの巣にされてしまう以上マシュが頼みの綱だ。

「時間をかけすぎたようね……けれど、かけた分働いてもらうわ。」

「ビバ! 伯爵!」

 洗脳は十分だと言わんばかりに放たれる特殊棍棒の無数の弾丸。
 木偶を粉々にする弾丸もマシュの持つ盾であれば防ぐことは可能。
 だが問題はストライカーユニット震電により正面だけでなく、空からも攻撃が可能だ。
 空へと舞えばマシュもアニも空中の相手に戦う術はない。
 ただ盾で防ぐ以外にない防戦一方かと思いきや。

「変身!」

 盾の背後でミライマンを逆さに掲げるとしんのすけが変身。
 赤と白の衣装に身を包み、しんのすけマンとなって丸出しの尻から炎を噴き出し空へと飛ぶ。
 当然、攻撃される可能性のあるしんのすけへと服部はターゲットを変更するも、

「ひとつひとより和毛和布!」

 くねくねした動きでガトリングが如き攻撃を回避していく。
 ミライマンによる変身の身体能力の強化とぷにぷに拳が合わさることで、
 武器の性能を前にしても華麗(?)に躱していく。

(何故避けれるのか分からないが、動くなら今しかない。)

 端から見ればシュール極まりない光景ではあるが、
 傍観してる暇はなく、アニは隙を突いてナスタシアへと肉薄。
 地禮で斬りかかろうとするもナスタシアは自分の弱さを理解している。
 不意打ちが来るだろうことは予想済みで風火輪を起動させ空へと逃げていく。

(向こうも飛べるのかよ!)

 舌打ちしながら今の戦況に頭を抱えるアニ。
 やはり植木から立体機動装置を貰うべきだったと思える程に、
 相手は双方空中と言う優位な場所へと逃げ込まれてしまう。

(けど向こうも攻撃してこないってことは支給品が尽きてるな。)

 ナスタシアは空を飛んでいるものの、
 攻撃はせず流れ弾の方を警戒している様子を見ていた。
 此方へと攻め入るわけではないと言うのが何となく察した。
 あくまで風火輪は逃げの為のもの。そういう意味では救いだ。
 アニの読みの通り、ナスタシアには攻めになりうる支給品がない。
 だから欲しいのはチョーサイミンジュツを使えるそのタイミングだ。
 戦況を目敏く把握しながら機会を伺う。

「アリサさんとアニさんは近くの建物に避難を!」

「分かったわ!」

「これだと仕方ないか……」

 本当ならば戦うべき場面なのだが、
 マサオとの戦いのダメージは数時間眠った程度では回復しきれない。
 このままではマシュが身動きが取れず足手纏いなのは分かり近くの家屋へと避難。
 アニも現状空中の敵に対しての攻撃手段がないのでは戦力外にしかならない。
 動きに余裕ができたマシュはしんのすけが十分に服部を引き付けてるのもあり、
 ブースターを使うことで空中のナスタシアへと肉薄していく。
 オルテナウスを軽々と振るい、風火輪の破壊を優先とする。

「ッ!」

 予想外の速度にかなりギリギリ、風圧が全身を掠めるだけに留まるが、
 空中と言う優位は完全ではないとは言え失っていることは十二分に伝わった。
 一方でそれだけの戦闘が行えると言うことは人材確保としては有益だ。
 何としてでも洗脳して此方側の戦力としたい人材である。

(問題は武器がないこと……針目縫から分けてもらうべきだったか。)

 マシュの攻撃は基本直線的なので回避は難しくないが、
 反撃の為の武器が風火輪しかないのが一番の問題点だ。
 風火輪の炎を用いれば攻撃は一応可能ではあるのだが、
 それができるほどナスタシアは使いこなしてるわけではない。

(肝心の服部は……)

 ちらりと向こうの様子を見るが、
 しんのすけの珍妙な動きで銃器としての意味をなさず、

「みっつみだらに猫手反発!」

 ぷにぷに拳を用いた動きで特殊棍棒を弾き返し、
 棍棒としての攻撃の性能もまた意味をなさない。
 一方で年上の女性であるのと宮藤の友達ともあってか、
 ぷにぷに拳で一番の攻撃技であるはずの柔軟弾丸を使わずにいる。
 お陰で実力伯仲とまではいかないが、拮抗した状態へと持ち込まれていた。

793戦火の残滓 ◆EPyDv9DKJs:2024/03/19(火) 19:32:16 ID:jn8LoDm60
(このままペースを乱されるのであれば、彼女を利用するのが得策か。)

 眼鏡を光らせ、空中を移動してしんのすけへと向かう。
 マシュもさせまいと妨害をするもブースターだけでは、
 空中を自在に移動できる風火輪の前では対応しきれない。
 だがナスタシアの目的はしんのすけではなく、服部の特殊棍棒を奪取した。
 服部の武器はそれだけなのに何事かと疑惑を持ったが、マシュは先に感付く。

「二人とも動かないように。動くのであれば私は『彼女』を撃つので。」

 人質だと。
 ナスタシアの視点からしたらまだ仲間がやってくる可能性があり、
 特に空を飛んでいた男(カイン)に来られては戦況は覆りかねない。
 早急に物事を解決するのであれば、これが一番手っ取り早い。
 滞空する服部の背中へと、特殊棍棒を突き付ける。

「おねーさんを人質にするなんて卑怯だゾ! 顔色の悪いおばさん!!」

「私のこれは地肌です! 何とでも言いなさい。
 私には生き返らせなければならないお方がいるのですから。」

 僅か六時間。その時間で思慕するノワール伯爵が亡くなった。
 マネーラでもミスターLでも、ましてや自分でもなく先に逝く。
 ありえないことだと思った。疑いたくなるような放送内容だ。
 ディメーンの性格を考えれば嘘を吹き込むことは考えられたが、
 そも伯爵と目的が一致してる自分にその事実を突き付ける意味はない。
 手段も戦術も選ぶ気など最初からないが、より一層覚悟を決めている。

(あの人も、私と同じだ。)

 最初は先輩を、藤丸立香の復活を考えた。
 彼女にとって殺し合いの悲願は最初のマシュと同じなのだと。
 だがそんな理解や共感はすれども、今の状況を無視できるものではない。

「少年は変身をやめて、盾の其方は武器を捨てなさい。」

 服部の救出が目的である以上逆らうことはできない。
 マシュは盾を置いて、ホールドアップの構えを取る。

「いいコね。そこの少年も早くその奇妙な恰好をやめなさい。」

 変身を解けばどうなるかしんのすけでも分かっている。
 武装解除したところで服部を盾に此方を狙ってくると。
 だからと言って変身を解除しなければどの道服部が危ない。
 どうするべきか悩みながら空中を漂う。

「服部のおねーさんはそれでいいの!?」

「伯爵様の為であれば、惜しくありません!」

 洗脳を解けないかと試すも、強固に洗脳した服部には通用しない。
 今ならば死を望まれれば喜んでその首を差し出すだろう。

「無駄よ。さあ、三秒数えるまでにやめないなら撃つわ。」

 相手は戦意喪失ではあるが万が一がある。
 ナスタシアは念には念を入れて再度要求する。
 時間制限を与えられた以上やめる以外に方法はなく、
 しんのすけも変身をやめようとしたその時。

「───え?」

 ナスタシアの右腕が斬り落とされた。
 勿論持っていた特殊棍棒は腕と共に宙を舞い、地面へと落ちていく。
 どういうことか、洗脳された服部以外は強く反応する。
 ナスタシアが背後を見やれば、アニがいつの間にか背後に存在していた。
 十メートルはあるであろう、この空中において。

「な、どうやってこの高さを……!?」

「世の中には浮く石があるんだとさ。」





 ◆ ◆ ◆





「クソッ、やっぱり攻めきれないか。」

794戦火の残滓 ◆EPyDv9DKJs:2024/03/19(火) 19:32:54 ID:jn8LoDm60
 家屋に隠れた後、二人の様子を見るアニとアリサ。
 二対二ではあるものの、優位とは言い難い状況だ。
 地禮しか武器を持っていないアニでは戦力にならない。
 もどかしくもある中、アリサが言の葉を紡ぐ。

「あの、アニさん。」

「なんだ?」

「これ、アニさんなら扱える?」

 そう言って渡されたのは注連縄が縛られた石、要石。
 使えば飛び道具にもなるが、別の使い方も存在する。
 空中に滞空させることで、足場として扱うことも可能だと。
 元々はある天人が戦術として組み込んでいた代物の産物だ。
 アニは屋根から要石に乗ることで空中へ乗り込み、届かなかったナスタシアの背後に回り込んだ。
 最初は飛び道具目的で使おうかと考えこそしたものの、
 こんな珍妙なものをぶっつけ本番で当てれる自信がないのもあるが、
 これの方が安全かつ迅速に対応できるからと判断した末の結果である。
 立体機動装置による足場のない空中での戦いに比べれば、十分狙いやすい。
 一方で慣れない支給品の使用と足場の悪さも相まって、
 首を刈り取ることはできず腕を斬り落とすだけに終わってしまう。

「グッ……この程度の痛み如きで!!」

 それが仇となり腕を切断される激痛をもってしても、ナスタシアは止まらない。
 振り向きながら眼光を輝かせ、チョーサイミンジュツをアニへとかける。

「な、ぐ……!!」

 間近で攻撃を受け、瞳が赤くなっていく。
 見たこともない人物の記憶が混在し頭を抱えるアニ。

「早く武装を解きなさい! 今度は二人の首を───」










 その後の言葉は紡がれることはなかった。
 燃える家屋が彼女に飛来し、激突したからだ。
 ベルトルトが投擲した家屋。それは幸か不幸か、ナスタシアに直撃した。
 無論、すぐそばにいた服部、しんのすけ、アニも巻き添えにして。
 飛来した家屋は轟音と共に他の家屋を蹴散らし破壊していく。
 絢爛な屋敷も、舞台に似合わぬカフェも全てをお構いなしに轢いていき、
 止まるころには、周囲は惨状と化していたのは語るまでもない。

「何が起き……!?」

 余りにも予想してない展開に呆然とするマシュ。
 飛来してきた方角に何か見えた気がしたがそれどころではない。
 飛来した家屋は燃えており、このままだと燃え広がって大惨事になる。
 早急に生存者を確認し、アリサと共に避難する必要がある。

「ねえ、しんのすけ達は!?」

 投擲された建物の揺れで身動きが取れなかったが、
 ようやく収まったことでアリサはマシュと合流し、件の場所へ到着する。
 目の前には燃える何処かの家屋と建物が倒壊して融合した惨状であり、
 とても人が生きていると呼べるものではなかった。

「これでは四人とも、潰されたとしか……」

 単純な質量の塊の衝突。
 無事である可能性があるのであれば、
 変身して強くなっているしんのすけだが、
 彼もマサオとの戦いで大分消耗していたので望みは薄い。

「何よ、それ……」

 膝をついて燃える家屋を見やるアリサ。
 この殺し合いが過酷なことは理解していたつもりだ。
 寝ていた間にもすさまじい戦いで犠牲者は増えてるのだから。
 だが、こうまざまざと見せつけられると精神的に折れそうになる。
 なのはやフェイトが魔法少女だと知っていたとしても、
 あくまで彼女は一般人と相違ないのだから。

「勝手に、殺すな……」

「アニさん!? 無事だったんですか1?」

 頭部から出血してるせいなのと顔つきのせいで、
 ホラーチックな姿ではあるが生きてはいた。

「あいつが、しんのすけが咄嗟に突き飛ばしたんだよ。
 要石で足場を作ったから死にはせずに済んだ。
 破片が頭にぶつかったお陰でこの有様だがな……後まだ近づくな。
 ……油断してると伯爵のことを考えちまう状態になってて危険だ。」

795戦火の残滓 ◆EPyDv9DKJs:2024/03/19(火) 19:34:54 ID:jn8LoDm60
 ナスタシアが死んだからなのか、
 咄嗟の出来事で洗脳の度合いが軽かったのか。
 伯爵の為に行動しそうになるが十分自制ができる。
 万々歳とまではいかないが、生存者は多いに越したことはない。

「だが他の三人は完全に下敷きになった。
 探すのは見ての通りだ。探すのはやめておきな。」

 肉体は完全に潰れている。
 とても子供に見せられるものでもないだろう。
 そう思っていると、瓦礫の隙間から顔を出す一人の少年。

「おねーさん、無事で……よかった、ゾ。」

「しんのすけ!」

 瓦礫の下からしんのすけが這いずって出てくる。
 子供だから隙間から出ることはできたものの、
 その頭は血は止まらず、命が尽きようとしてることは誰から見ても明白だった。
 この状況をなんとかできる支給品は三人は持ち合わせていない。
 アリサは涙を流しながら、しんのすけの手を取る。

「あたしに構わず避けていれば、
 あんたは無事だったはずだ。何で態々アタシを助けた?」

 唯一の疑問。
 しんのすけがいなければアニは死んでいた。
 だがしんのすけが庇ったお陰でアニは頭を打った程度で済んだ。
 それが疑問でならなかった。マサオなら友達だから助けただろう。
 アリサなら此処での付き合いも短くない。だがアニは違う。
 アニとしんのすけの関係があるならば、精々寝てるところを見張っただけ。
 それをしんのすけが知っているわけでもない。なおの事助ける理由が見つからない。

「困ってる人がいたら、おたすけしなくちゃって……」

 あの時アニは洗脳との状況のせいで、
 見えていたはずの投擲に対応できてなかった。
 だからしんのすけは咄嗟に動いて助けた。ただ、それだけ。

(───ああ。こういうのを『いい人』って言うのか。)

 嘗てのアルミンのように対話したかっただからとか、
 争いを避けるためだからとか打算や目的があるわけではない。
 実に子供らしい単純な理由。それだけで助けられた。それだけで命を拾うことができた。

「……助かったのは事実だ。礼は言っておく。」

 アリサが握っていたしんのすけの手をアニもまた握る。
 それを見ると、やがて安心したようにしんのすけは眠りについた。
 今度こそ目覚めることのない、死と言う眠りに。

『申し訳ない。私の力が至らなかったばかりに。』

 しんのすけがでてきた瓦礫の中から、ミライマンもまた姿を現す。
 流石に少し傷がついているがまだ原形は留めており、支給品としての役割はまだ担える。

「いいえ。突然の事でしたから……ですがこの質量を投げ飛ばせるとは。」

 一体どんな参加者なら可能なのか。
 変身したマサオのような事例は滅多にない。
 どんな人物か想像もつかなかった。

「……しんのすけの分、あたしが絶対おたすけするから。」

 受け継がれる遺志のように、
 ミライマンを手に取りアリサは立ち上がる。
 一方でアニは家屋が飛んできた方角を見やり思案する。
 これができる人物は、一人しかいないと。

(あたしの知る限り、今のはベルトルト以外ありえない。)

 こんなぶっ飛んだことができるのは彼ぐらいだ。
 ベルトルトが何を考えてこれを投げたかは定かではない。
 余程追い詰められたのか、それとも自分含め全滅を狙ったのか、ただの事故か。
 答えなど知るよしもない。そのベルベルトも与り知らぬところで命を散らした。
 ただ言えるのは、この戦いは余りにも無意味な結果に終わってしまったことだ。
 奪還するはずの服部は助けられず、しんのすけまでもが犠牲になった。
 無駄な死は慣れたものだ。女型の巨人で暴れた際にも経験している。
 だからと言って、アリサは納得できるものではないだろう。
 マシュも同様だ。他の世界を滅ぼして自分達の世界を守る。
 そういう旅をしてきていたのだから。

 せめて救いがあるとするのならば。
 おたすけの意志は未だ潰えずだろうか。


【ナスタシア@スーパーペーパーマリオ 死亡】
【服部静夏@ストライクウィッチーズシリーズ 死亡】
【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん 死亡】

【F-6 昼/一日目】

796戦火の残滓 ◆EPyDv9DKJs:2024/03/19(火) 19:35:15 ID:jn8LoDm60
【マシュ・キリエライト@Fate/Grand Order】
[状態]:喪失感(大)、深い悲しみ、混乱 負傷(中)、疲労(小)、溶解(軽微)
[装備]:オルテナウス、オルテナウス盾部分
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1〜2、桐生の首輪(討伐報酬による解除)、首輪×3(沙耶香、マサオ、宮藤)
[思考・状況]
基本方針:生き延びて、先輩と再び逢う。
1:参加者と接触し、先輩の目撃情報を調べる。
2:先輩が見つかるまで、アニさんと行動する。
3:桐生との戦闘が終わり次第、マサオから事情聴取する
4:疑似霊核……カルデア? それとも……サーヴァント?
5:アニさんと共に沙夜と言う人物達を探す

[備考]
※参戦時期は少なくとも第二部第二章以降
※マサオの疑似霊核から、この殺し合いにカルデアの関係者か、
 サーヴァントが関わっているのではないかと考えています。
※ムラクモと情報交換をしました。

【アニ・レオンハート@進撃の巨人】
[状態]:マシュに対して不安、眼に巨人化の痕 ムラクモに対して警戒 負傷(中) 疲労(小)、とうぶからしゅっけつ、洗脳(超軽微・時期治癒完了)
[装備]:地禮@PROJECT X ZONE2 BRAVE NEW WORLD、まりょくのみ@大貝獣物語2(半分未満)、要石(射撃用×3、足場用×1)@東方project
[道具]:基本支給品×3(自分、宮藤、桐生)、ランダム支給品×0〜1(武器類、回復類はない)、特殊棍棒(エクスカリバー)
[思考・状況]
基本行動方針:マシュ・キリエライトと共に行動する。
1:参加者と接触し、ベルトルトと立体機動装置を探す。立体起動装置はは諦め気味。
2:巨人化能力が再び戻るまでは、マシュと行動する。場合によっては再び対峙するかもしれない。
3:植木という少年からなんとか立体起動装置を譲ってもらいたかったが、仕方ないか。
4:ムラクモ……警戒を怠れないな。
5:マシュたちと一緒に沙夜と言う女を含む三人組を探す。

[備考]
※参戦時期は第132話、ヒィズルの船に乗った直後からの参戦です
※この殺し合いの主催者にエレン・イェーガー、もしくは『始祖の巨人』を所有したエルディア人がいるのではと考えています。
※ムラクモと情報交換をしました。
※F-7に女型の巨人の残骸(数十分で蒸発する)が残されています。
※女型の巨人には制限が掛けられています、制限は以下の通りです
 身長は10m級に調整されている
一度巨人化すると一定時間経過しないと再び発動できない

【アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのはA’s】
[状態]:ダメージ(極大・治療済)、疲労(大)、悲しみと覚悟
[装備]:シリマルダシ(ミライマン)※残り3回@クレヨンしんちゃん
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いは絶対しない
1:マシュさん、アニさんと行動する。
2:目が覚めたらマサオに謝りたかったのに……
3:しんのすけの分もおたすけするわよ!

[備考]
※参戦時期は11話、なのは達が魔法少女だと知った後です



【要石@東方project】
アリサに支給。比那名居天子が用いる要石。
武器から足場と多種多彩な使用が可能で、
射撃用と滞空する足場用の二種類がそれぞれ三つずつ支給されている。
射撃用は東方緋想天の天子の2Bのように、
ドリルみたいに回転しながら飛んでいく
滞空する足場は十秒間滞空する

797戦火の残滓 ◆EPyDv9DKJs:2024/03/19(火) 19:35:36 ID:jn8LoDm60
※ストライカーユニット震電@ストライクウィッチーズシリーズ じわじわキノコカン×4@スーパーペーパーマリオ、ビブルカード×2(針目縫、ムラクモ)@ONEPEACE、風火輪@封神演義、まどわし草×3草@トルネコの大冒険3は潰れた家屋の中にあります
回収は困難です


≪考察≫(ムラクモ、アニ、マシュ、日菜子、ドミノ、カイン、植木、アリサ)
リフレクターの変身について
①コモンの可能性:フラグメントも魔物もいない為低い。
②原種が存在する:現状ではなんとも。移動ついででいるかどうかを調べてみる。

刀使の多さについて
①刀使の力をメフィス達か関係者が必要としている。
②タギツヒメを倒せる刀使が必要だったから(タギツヒメの力を手に入れる為)。
③高津雪那が運営関係者で、タギツヒメの障害となる刀使を参加者にした。
 (折神紫はいないが、私怨を晴らす為か?)
④理念の為?

見せしめに藤丸立香を選んだ理由
①藤丸立香に関係している人物が主催に関わっている。
②選ばれたのは旅を続けられると、主催にとって不味い事態があるもしくは起こる。
③名簿に記載されている同姓同名の藤丸立香については、ひとまずは保留。
④理念の為?


①首輪が科学と魔術ではなく魔術のみの可能性。
 念には念を入れて紋章を知る参加者を探しておく。
②シャンバラと呼ばれるものが使えるかもしれないが、現状はついで。
③主催側には、いくつかの世界の関係者たちが連合を組んでいる可能性がある。

798戦火の残滓 ◆EPyDv9DKJs:2024/03/19(火) 19:36:01 ID:jn8LoDm60
以上で投下終了です

799雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 06:43:20 ID:A5.VQRHU0
皆さん、投下お疲れ様です!
投下します。

800雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 06:45:39 ID:A5.VQRHU0
注意!このお話は一部の描写に対魔忍があります。
対魔忍への耐性がない方は読むのはお控えください。

801雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 06:45:55 ID:A5.VQRHU0
「帰ろう、姫和」
斬る。

「おい、無理を承知で言うぞ。制御しろ」

斬る。

「諦めて受け入れるなんて、ひよよんらしくありまセンよ!」

斬る。

「姫和ちゃん、これがあなたの戦う理由なの?」

斬る。

「日和ちゃん」

……

……斬「御前試合の決勝の続き、今、お願いしてもいいかな?」


☆彡 ☆彡 ☆彡

802雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 06:46:14 ID:A5.VQRHU0

「---ッ!?」

意識が戻る。
先ほどのは……夢?
辺りを見渡すが、人気を感じない。

「……本当に悪趣味だな」

左目を抑えつつ自傷気味に笑う。
修羅の道を進むと確かに決めた。
だが、夢とはいえ、わざわざ鮮明に友人達を切り捨てる姿を見せつけられるのは、気分が悪い。
先ほどの原因は、おそらく龍眼の暴走にそれに加えた八神将ゆえの悪意の賜物。
八神将とされた身ではあるが、食欲があるのは、先の携帯食料を食べたことで証明されている。
なら、全身が重く圧し掛かる疲労感。
身体が休みを求めていた。
そこで、休息の手段。強制的に意識がとんだのだろう。
人間には三大欲求がある。
その一つが睡眠欲。
もっとも、内容が内容なため、回復にまったく繋がっていないのがこれまた悪趣味。

「だが、修羅の道とはこういうことなのだろう」

夢は夢。
しかし、八神将の役割から解放されない限りは、いつか起こり得る出来事。
先ほどの夢が直ぐに実現してもおかしくない。

「……それでも、私は決めた。後戻りはするつもりはない」

あのときも。
折紙紫を母の仇として討つと決めたあのときも。
私はブレない。
死ぬまで、まだまだまだまだ止まらない。
……いや、止まれない。
豹尾神として役割を努める。

☆彡 ☆彡 ☆彡

803雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 06:47:12 ID:A5.VQRHU0

「それにしても……くっ」
(身体が火照る……ん゛ん゛ん゛!!)

ビリィィィィィィ!!!!!

豹尾神。
万事不浄を忌み嫌う。
そんな豹尾神と化した自分の身体に変化が起きていた。
不浄の穴に女性として大切な性器に強い違和感。
違和感の正体―――電撃蟲。
姫和が知る由もないが、ミスティが利用して、益子薫の精神を破壊した刀使にとって因縁が深い蟲。
この蟲はミスティだけでなく伊藤大祐にも支給されていた。

(くっ!……夢だけで終われば良かったのだがっ!?)

先ほどの悪夢を見ていた隙に潜り込んでいたようだ。
電撃蟲は生きている。つまり意思がある。
八神将だろうが関係ない。
蟲は……女性の存在を確認し、私に寄生したのだ。

「何とかしなけれッ!?あっ、がぁっ!!!!!?????」

電撃と快楽が押し寄せる。
癒着した神経系に強い電流が流れる。
三大欲求最後の欲。
それは性欲。
人間と言う種である以上は食欲・睡眠欲・性欲を捨て去ることはできないのだ。

負けてたまるものか

804雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 06:47:57 ID:A5.VQRHU0



注意 ここから対魔忍です

805雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 06:48:27 ID:A5.VQRHU0
脳裏に浮かぶ。

「八神将になるだけでなく、乙女も散らすことになるとは、笑いが止まらぬ喜劇じゃな」
「うふふ、かわいそう〜姫和ちゃん。初めての相手は蟲さんだなんて。壊れちゃうのは寂しいよう……しくしく」

メフィスとフェレスの顔が。

「い゛っ!?あ゛あ゛あ゛!!??」
ブチブチブチィィィ!!!!!
ズンッと貫かれて処女膜が破られた。
破瓜の激痛で乳房がブルブルと震える。
女性としてもっとも大切な秘所から血が流れ落ちる。
本来なら愛する人と出会い、愛の結晶を宿す行為の果てに失うはずが、蟲に奪われる現実。精神が崩壊してもおかしくない。
それでも私は壊れない。

負けてたまるものか!

脳裏に浮かぶ。

「どうした?そのまま快楽に身を委ねれば楽になるぞ?小烏の刀使」

タギツヒメの顔が。

「で……でるなぁぁぁ!!!」
(くっ……だめ……だ、も……漏れるっ!)

ジョロロロォッ……
ジョバジョバとおしっ……黒タイツの繊維を潜り抜け、尿が滝のように流れ出て水溜りができる。
地面から湯気が立ち昇る。
膀胱が緩くなり、女性としての尊厳を傷つけられた。
それでも私は壊れない。

負けてたまるものか!!

ドバドバ押し寄せてくる快楽。
不浄の穴が動き出す

「まっ、まさかっ……!?」

嫌な予感というのは当たるもの。
既に処女にお漏らしと存分に辱められた。
顔面が蒼白になる。

「お、おい……んっぐぅうううううぅぅっ!?」
(理解できない……そこは排泄する場所だぞ!?)

メリメリメリィィと不浄の穴が必要に穿られる。
未成熟な腸壁を穿り殺してくる。

「あ゛ぎぎっ……お゛ォお゛ォォ!!??」

目がカッと見開き、苦悶に満ちた悲鳴と嬌声が混じる。

「いっっっくぅぅぅううううう!!!!!?????」
(き……気持ちいい!!!!!)

尻穴でイク。それは、彼女の不浄の穴が後戻りできない領域に達した証。
それでも私は壊れない。

脳裏に浮かぶ。

「ごめんね。姫和」

―――母の顔が。

私は……負けないッ!!!!!

カッ―――

「これは……!?」

驚愕を隠しきれない。
なんと、電撃蟲の電撃を身に纏うことに成功した。

(なるほど……そういうわけか)

参加者を殺すための舞台装置である八神将。
それが、快楽で戦力がダウンしては元も子もない。
むしろ、快楽で戦力がアップするように仕組まれていたのだろう。
ちなみに胸の先が反応で固くなってるのは目を背ける。

「可奈美の守る剣と違い、私は斬る剣。この力で……■す」

性と同時に力を得た。
しかも、確実に強化された。

「心を新たにして事に當れ……か」

望まぬ展開で性の花が咲いた。
だが、それは強い花。
性欲の刃を鋼色の花束とする。
改めて決意をしたと同時に、放送が流れた。

☆彡 ☆彡 ☆彡

806雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 06:49:09 ID:A5.VQRHU0

「では放送はこれまで、次の放送も楽しみにしていてね、ボン・ボヤージュッ!」

「……」

放送が終わった。

―――ああ。

もう二度と流した涙を笑って話す日はこないのだな

全てを薙ぎ払える力が私にあれば
全てを守り抜ける力が私にあれば


【C-4とD-4の境界線/朝/一日目】


【十条姫和(豹尾神)@刀使ノ巫女】
[状態]:禍神、疲労(極大・再生中)、混濁した意識、狂気度低下、龍眼の暴走、精神疲労(絶大)、自殺願望  強い三大欲求 強い自己嫌悪 アナル・子宮に電撃蟲寄生(豹尾神の影響により肉体に刻みみはりついた)、攻撃するたびに身体に快楽と電流が纏います 性の花が咲きました
[装備]:小烏丸@刀使ノ巫女、召喚石バアル@グランブルーファンタジー(現在使用不可能)、タブレット(スペクトラムファインダー@刀使ノ巫女のアプリ起動) 電撃蟲@対魔忍アサギシリーズ 
[道具]:基本支給品×4(大祐、千、トッペイ、自分)、麻痺の杖(残り1)@少年ヤンガスと不思議なダンジョン、疾風のレイピア@ドラゴンクエスト8、ピオリムの杖(残り3)@トルネコの大冒険、 ブルーマリーのスタンガン@ RB餓狼伝説SP DOMINATED MIND、 火炎放射器@北斗の拳 じゅもんのしょ@大貝獣物語2
[思考・状況]
基本方針:殺■/■したくない。
1:■す。■す。■す。■す。■したくない。
2:■でもいい、■を■してくれ───
3:私は……禍神だ。
4:可奈美……私は……
5:く……体が疼く……お゛ォお゛お゛ォォ……い……■くぅぅぅぅ!?
[備考]
※参戦時期はアニメ版二十一話。タギツヒメと融合直後です。
※魂の状況により意思の疎通については普段と変わりませんが、
 身体は八将神としての役割を全うする立場にあります。
 ただ、自意識を保つ為で本来の時ほどまともな会話は望めません。
※タギツヒメと融合した影響により周囲に雷光が勝手に放出されます。
 龍眼も使えるようになってますが暴走状態で、本人の意思とは関係なく行います。
 死亡時、或いは彼女の抑えが限界を迎えた際にタギツヒメが肉体を乗っ取るかは不明です。
 (同時にタギツヒメがそのまま八将神を引き継ぐかも不明です。)
※迅移(主に三、四段階)の負担が大幅に減ってます。
 ある程度の時間を置けば動けるレベルに回復できますが、
 デメリットが完全緩和ではないので無暗には使いません。
※名簿は見ていませんが、刀使ノ巫女の参加者は把握しました。
※スペクトラムファインダーの表示に参加者が含まれていることに気付いていません。
※短時間ですが夢を見ました。
※禍神でありますが、食欲・睡眠欲・性欲が存在します。
※電撃蟲により身体に電流を纏うようになりました。(電撃蟲は排除できません)

807雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 06:49:27 ID:A5.VQRHU0

【電撃蟲@対魔忍アサギシリーズ】
伊藤大祐に支給された朧が井河アサギの調教のために用意したイモムシ型の淫蟲。攻撃の意思を示すと強烈な電撃を放つ。姫和のアナルと子宮に深く潜り込んだ上に豹尾神とされた肉体との寄生により、即時再生機能が付与されました。アサギが行ったように仕留めることはできず、排除することは不可能。ただし、タギツヒメと融合した影響と豹尾神とされた肉体により快楽だけでなく、身体に電流を纏うことができるようになり、結果として+に働きます。ミスティが薫に対して行ったことを考えると、この結果は皮肉。もし、大祐が生きていたら碌なことに使われていただろうと推測できる。

【ブルーマリーのスタンガン@RB餓狼伝説SP DOMINATED MIND】
恵羽千に支給されたブルーマリー愛用のスタンガン。↓↙←+C 。ちなみにレディーはみんな持っているらしい。マジか。
「もう、スタンガン使ったっていいじゃない!レディーはみんな持ってるわよ」byブルーマリー

【じゅもんのしょ@大貝獣物語2】
トッペイに支給されたドラゴバードを成長させる呪文の書。ドラゴラビグーラ

808雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 06:49:37 ID:A5.VQRHU0
投下終了します。

809雷桜 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 08:47:50 ID:A5.VQRHU0
すみません。
火炎放射器@北斗の拳は、執筆中の名残です。
表記から削除でお願いします。

810 ◆EPyDv9DKJs:2024/03/31(日) 09:37:47 ID:LMqTxIvk0
投下お疲れ様です
とりあえず滞ってた感想を

>最後の巨人
愛によって決裂した文字通りの爆発
盛大にやってくれたなベルトルト
やらかしまくったのに何こいつ満足して死んでるんだろうね
あかりは生き延びたと言うよりも生き残ってしまった感があって、
哀愁が漂うのがまたなんとも……

>雷桜
え、何この注意書きからの尊厳破壊
何処まで尊厳凌辱されるのこの娘……?
その上もうすでに半分、刀使がいなくなってる上に沙耶香もいない
何処まで彼女を曇らせれば気が済むんだメフィス達は
と言うか主催でリンボぐらいでは彼女に何もしてないの
元より厄介なのに更に厄介になっていく八将神
これでまだ一人しか倒せてないってマジ?

それと、また面倒くさい指摘で申し訳ないのですが一つ。
元々タギツヒメを吸収したことで姫和は電撃を操れることが朗読劇で判明しています。
朗読劇は時間軸で言えば半年後なので現時点でそれができるかは少し怪しいのですが、
作中でも雷を斬ったと言われていたことから当時でもそれなりに扱えていたと思います。
なので、電撃蟲を使っての強化と言うのは余り期待できないかと……
(タギツヒメ以上の電撃の強化ができる電撃蟲、と言うのも流石に変なので)

重箱の隅をつつくような指摘ですみませんが、
そこについての考えをお聞かせいただければ幸いです。

811 ◆vV5.jnbCYw:2024/03/31(日) 13:33:26 ID:EZIBRLBw0
投下乙です。
夢の中でも何を言われても「斬る」しか言わないの、本当に手遅れって感じがしました。
マジで生き恥じゃないか。たとえメフィス達から解放されてもどうしようもなくないか?
あと大祐、お前そんな物支給されてたのか…トッペイが早いうちに殺害しておいてマジで正解だったな。

電撃蟲の件は修正するのか丸ごと消すのか分かりませんが、
久々に氏の投下が読めて楽しかったです。次の投下も楽しみにしてます。

812 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 20:45:09 ID:A5.VQRHU0
返答が遅くなりなりました。申し訳ありません。
まず、面倒くさくもなく重箱の隅とつついているとは思っておりませんので、大丈夫ですよ。
正直に申し上げますと、アニメ後のその後を描いていた朗読劇の存在は知りませんでした。
アニメ後も物語が続くなんて素敵ですね。
なので、指摘のように参戦時期後になる21話で、可奈実が姫和(雷)を切ったと舞や薫が言及したことから姫和に御刀で雷を扱うことはできるとは思っておりましたが、電撃を操って身に纏うことも可能であるとは思いませんでした。
それを踏まえた上で私の考えを書かせていただきます。
多数の作品のキャラが混ざり合う物語が魅力ですので、電撃蟲の威力がタギツヒメ以上であるとはいいません。一方、対魔忍もネット上では感度3000倍を中心にネタ扱いされておりますが、主人公である井河アサギは、3でエドウィン・ブラックを消滅させる力を有する対魔忍(あくまでゲームのルートの一つですが)です。
そんなアサギでも抗えぬほどの威力があります(アサギを苦しめるのが大好きおばさんの朧クローンが用意した魔界の改造蟲)ので、雷での更なる強化となると判断しました。
以上が私の考えです。
私は、【共にリレーをしている書き手様の指摘や考えを最大限優先にしたい】がスタンスでありますので、強化という表現ではなく、”雷を扱う幅が広がった”(半年後並みの経験値をここで手に入れた)という表現といたします。それでどうでしょうか?

813 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 20:45:25 ID:A5.VQRHU0


カッ―――

「これは……!?」

驚愕を隠しきれない。
なんと、身体に流れてきた電流が放出されず帯電しだした。

(なるほど……そういうこともできるのか)

余談であるが、本来の物語の半年後には電撃を自在に操れるようになる。
電撃蟲の存在が半年分前借するかのように姫和に天啓を授けた。
もっとも天ではなく獄だが。
ちなみに胸の先が反応で固くなってるのは目を背ける。

「可奈美の守る剣と違い、私は斬る剣。……何も変わりはしない。■すことに」

性と同時に戦術の幅が広がった。

「心を新たにして事に當れ……か」

望まぬ展開で性の花が咲いた。
だが、それは強い花。
性欲の刃を鋼色の花束とする。
改めて決意をしたと同時に、放送が流れた。

☆彡 ☆彡 ☆彡

814 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 20:45:49 ID:A5.VQRHU0

【電撃蟲@対魔忍アサギシリーズ】
伊藤大祐に支給された朧が井河アサギの調教のために用意したイモムシ型の淫蟲。攻撃の意思を示すと強烈な電撃を放つ。姫和のアナルと子宮に深く潜り込んだ上に豹尾神とされた肉体との寄生により、即時再生機能が付与されました。アサギが行ったように仕留めることはできず、排除することは不可能。ただし、タギツヒメと融合した影響が早まり、電撃の扱いの幅が増えた。ミスティが薫に対して行ったことを考えると、この結果は皮肉。もし、大祐が生きていたら碌なことに使われていただろうと推測できる。

それと差し支えければ、私の方も面倒くさいお願いをできたらしたいのです。朗読劇の内容(辺獄で刀使の巫女を書く上で知っておくと言い情報)を知っている範囲でかまいませんので、ご教授してくださると大変助かります。
私も一人で、作品のあらゆる把握ができるとは己惚れていませんので……

最後に感想ありがとうございます!

雷桜

ヒヨヨンごめんね……と謝罪しながら書きました。
自責の念も込めて今日は、駅近くの31でチョコミントアイスを食べました。
自分も書いている一端はあるのですが、本当にメフィス達は参加者に干渉したがり主催者ですね。

815 ◆s5tC4j7VZY:2024/03/31(日) 20:47:06 ID:A5.VQRHU0
感想ありがとうございます!

雷桜
八神将とされた姫和が早く■してくれと願うのはこういうことかなと思い書きました。
女の子って何で出来てる?や平安京での狂騒を投下しておいてなんですが、こういう展開は一歩間違えると、大惨事となり書き手・読み手の皆さんが悲しむこととなるので、投稿する前に大丈夫かな……といつも不安です。
トッペイが早いうちに殺害しておいてマジで正解だったな。

きっとミスティ並みに活用されてますね。なので、同意です!
久々に氏の投下が読めて楽しかったです。次の投下も楽しみにしてます。
↑ありがとうございます。その一言があるから次も書いていこうとモチベーションが保てますので。私もvV5.jnbCYw さんの作品はいつも学びと楽しませてもらっております。

816 ◆EPyDv9DKJs:2024/03/31(日) 21:38:29 ID:LMqTxIvk0
返答ありがとうございます。
これについては本当に知る人ぞ知るコアネタすぎるので、
知らないと言われても無理からぬことですので余りお気になさらず。

朗読劇で判明したネタで気を付けておかなければならないのは実は余り少なく、
・姫和はタケミカズチの力が残留。これに伴い短時間なら雷を使役することが可能
なことぐらいなので実際のところ、ピンポイントにぶつかっただけだったりします。
(薫が八幡力を使えば理論上300メートルは飛べるとかは今となっては使えませんし)
因みにソシャゲの方の姫和【Another】でも帯電してたりします。
なので多分ですが、その修正で大丈夫だと思います。
お手数おかけしました。


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