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バトル・ロワイアル Lost Paradise

108一かけらのユウキ ◆vV5.jnbCYw:2021/01/21(木) 01:47:13 ID:FRuF94Io0

ここは、会場の最南端。
潮風が吹き、波の音が聞こえる。
雰囲気を作るためか、ヤシの木まで生えている。
上を見上げれば、雲一つない青空と、眩しく輝く太陽。


輝く青と緑に覆われたこの地にいれば、高揚した気分になれるはずだが、そんなわけにもいかなかった。
事実、この地に降り立つことになった、市松模様の服を着た少年も、表情に憤りを見せていた。

(絶対に許さない……。)
少年の名は竈門炭治郎。
人に仇名す鬼を殺す、「鬼殺隊」の一員である。

(ふらうぃ……とか言ってたな。あいつも鬼なのか?それとも別の生き物なのか?)
このような醜悪な催しを開き、そして平然と人を殺す。
やっていることは卑劣な鬼と変わらないような気もするが、花の姿をしたフラウィーは、炭治郎から見ても異質な存在だった。


(そうだ…。)
炭治郎はフラウィーに言われた言葉を思い出し、いつの間にか肩にかかっていた鞄をひっくり返す。
様々な物が出てくるが、彼は真っ先に手に取ったのは名簿だった。


(禰豆子!?善逸!?伊之助!?義勇さん!?)
本をめくってみると、最初のページに妹、同期の鬼殺隊、そして自分を鬼殺隊に導いてくれた人物の名前が一度に載っていたことに驚く。
だが、それ以上に炭治郎が驚くことがあった。

(煉獄さん!?それに……累だって?)
名簿の下の方には頸を斬られて、灰に帰したはずの下弦の鬼、累の名があった。
さらに、かつて共に任務へ向かい、上弦の鬼との戦いで命を落とした炎柱、煉獄杏寿郎。
何の因果か、その煉獄杏寿郎を殺した鬼にして、絶対に殺さなければならない猗窩座までも。



(どういうことだ!?まさか、死んだ人や鬼を生き返らせたのか!?)
そんなことは鬼の首魁、鬼舞辻無惨でさえ不可能なはずだ。
花の怪物のしでかした恐ろしさに、死線を潜り抜けてきた炭治郎の背筋も寒くなる。


とりあえず、鬼である累、猗窩座に注意を払いながら、善逸達を見つけ、ともにこの不気味な世界から脱出しようと決めることにした。
幸いなことに、自分や他者を守るための武器は見つかった。


(日輪刀とは違うみたいだな……。)
鬼殺隊が使い慣れている刀とは異なる、両刃のデザインに違和感を覚える。
(いや、武器だけじゃない。何か、違う。)


この世界から、いつもの野山とは全く異なる臭いを感じ取った。
ありふれた嗅覚の持ち主ならそうしたものは感じないはずだが、人の怒りまでも臭いで嗅ぎ取れる炭治郎は違っていた。

そこら中から、薄っすらとだが血のような臭いが漂ってきた。


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