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真実の……バトルロワイアル 2

772鬼神爆走愚連隊・愛 ◆0zvBiGoI0k:2020/11/23(月) 20:32:35 ID:JA.y83Y60


 ───兄、さ……。


 発狂する寸前の思考、白滅した視界の中で、累は最後の思考を走らせる。
 自分は間もなく死ぬ。それはいい。了解している。
 こうまで扱われながら、首輪の実験台として無惨に確かな貢献ができる喜びすらもあった。
 だから気に留めるのは、部屋の奥にいる『兄』であるクロオだ。
 自分の絶叫から作戦が頓挫したのは理解しているはず。出入り口はひとつしかなく逃げ場はない。
 ならば彼はどうするか。一か八かで作戦を決行するだろうか。だが既に累を通して作戦は露呈している。
 今は実験を優先してるが、動きを察知したら何かする前に早く動き、呆気なく頸を狩り落とすだろう。


 ───逃げ……。


 動かない舌で、届かない声で無意味に呼びかける。
 まるで本当の家族のように身を案じる。その心境に気づくこともなく。

 
「やはり、一度見て確かめるに限るな」

 もう精査は十分と見て、辛うじて繋がっている頸に引っかかっている首輪に無惨の指がかけられる、その寸前。
 物理的に、明確な意思の元で叩きつけられた拳によって、轟音と共に背後の階段が崩れた。

 取り払われた壁から光が差し込み。舞う砂埃を可視化させる。
 陽光がより広く地下に差すように。
 鬼をより奥に追い込み逃がさないように。
 破壊は瓦礫で下を埋め立てるのではなく、外との穴を広げる意図で行われたものだった。

「ドアも見つからず、ノックもしない不躾な訪問だが許せ。鬼の界隈での作法なぞわからんのでな。
 なにせ成ってからまだ日が浅い。一度も夜を超えてないほどにな」

 砂塵の中から、凛とした覇気を放つ躯体。
 満身に光を背負いながら現れた、烈花のように激しくも美しさと血鬼を孕むのは少女。
 人間でありながらその範疇を逸脱した異常の極点であり。
 化物でありながら人間を捨てられないか弱き凡庸の成れ。
 誰よりも強く正しく険しく厳しく、そのために誰からも見捨てられた『天才孤児』。




「まあ仮にあっても、今は守る気は一切ないがな!」

 箱庭学園第99代生徒会長(任期切れ及び次期選挙に落選済)黒神めだか。
 登場早々、鬼神モードでの殴り込みである。




 ◆


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