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真実の……バトルロワイアル 2
706
:
FILE04「辻斬り出没!首狩り武者」
◆0zvBiGoI0k
:2020/07/11(土) 22:05:18 ID:GpLTpfs60
鳴り響く轟音。
狼煙となって上がる排気ガス。
それこそが明白な開戦の印であると、空気が揺れ動いて───────────
「────な!?」
警戒は怠ってなかった。
突然銃を突きつけられた時の備えに、構造から分解まで事前に練習していた善吉である。
平凡であると弁えてるが故に、徹底的に相手の手の予測を立てる。
正体が判然としない参加者に、箱庭学園で巻き起こる数々の突発的バトルの時よりも、危機意識のレベルを上げていた。
女が弓らしき形状のものを出した時点でいつでも身を動かせるよう気構えていたし、矢をつがえた瞬間には意識を戦闘用に切り替えられた。
半身を逸して射線から外れようと足を組み換え───同時に放たれていた一矢目が善吉の眉間の位置を精確に捉えていた。
「人吉少年。下がれ」
眼前で火花が飛び散った様を、呆然と眺めるしかできなかった。
首が繋がっていられているのは、矢と善吉の間に割り込んで煉獄が切り払った為だ。
「煉獄さん……!」
「君も軽傷じゃないんだ。それよりは姐切少女達の介抱と避難を。
俺が戦い、君が守る。これこそ誰も死なせない最適な役割分担だろう」
視線を落とせば、愛刀を抜いた煉獄達の足元には十数本はあろうかというバラバラに折れた矢が散乱していた。
狙ったのは善吉のみではなかった。ここのいる全員を、等しくアレは標的と見做している。
ただ会ったというだけで、首を狩りに来たのだ。
「工藤よ、録れているか」
矢の重乱射を捌いたのは煉獄のみではなかった。
首元に迫った矢に腰を抜かす工藤の前に立つは剣士、武蔵。
「目を離すな。鬼から。武蔵の剣から」
その手には大小二刀の剣。『武蔵拵え』が仕込まれた、武蔵本来の得物。
圭から武蔵に渡された煉獄の日輪刀が煉獄本人の手に戻り、空いた手に工藤が支給品として持っていた武蔵の刀が送られた。
二人の剣士が万全の装備を満たし、そこに工藤の望み通りに鬼が現れた。
刀が、鬼と武蔵達を引き寄せた。まるで巨大ななにかに導かれたように。
「鬼よ。武蔵は殺(と)るぞ」
戦いの因果は巡り出し、絡み合う。
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