したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

真実の……バトルロワイアル 2

635名無しさん:2020/04/11(土) 00:59:29 ID:tE7O.78I0

「あ、ああああああああ」

まただ。また失ってしまった。
どうしてこんなに消えていく。どうして私たちは奪われる。
膝が笑い、涙が溢れへたり込みそうになる。

けれど、この場にいる風太郎の存在が、一花の自棄を押しとどめる。

逃げなければ。あんな状態の風太郎が誰かに襲われれば今度こそ死んでしまう。
逃げて、立香たちのもとに戻って...

(戻って、どうするの?)

いま戻ったところで、果たして自分は皆を守り切れるのか?
炭治郎がここにいて、沖田と真司がいないということは二人も死んでしまった可能性が高い。
となれば、戦える味方はもはや誰もいない。
もしも皇城ジウが現れたら。もしも奴が炭治郎を殺した男や千翼と共に襲ってきたら。
奪われるのを黙って見ているのか?自分は頑張って戦った。そうやって自分を慰めて、風太郎や二乃や三玖が殺されるのを看過するのか?

(―――違う)

自分がここにやってきたのは何のためだ。二乃や三玖、猛田ですらなく、皆を振り払ってまで自分が炭治郎たちを迎えに来たのは。
皆を守るためだ。いざという時に手を汚してでも守るためだ。

(ごめん、タンジローくん。私がもう少しでも早く着いてたら、あの男を殺してでも助けられたのに)

ギリリ、と拳が強く握りしめられる。
あの男がなぜ彼を殺したのか。そんなことは知る必要はない。
それを知ろうとした五月やミクニは殺された。
どんな事情があろうが、彼らが殺されていい理由などあるはずがない。
だったら、会話も情報も必要ない。
奴らがやったように、聞く耳持たずに殺してやればいい。

(あなたの仇は私がとる。タンジローくんたちの意思は、私が引き継ぐ)

仮面の奥の彼女の視界は酷く歪んでいた。悲しみ、怒り、恨み。全てが宿った瞳が、眼前の男をただ見据えていた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板