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真実の……バトルロワイアル 2

606名無しさん:2020/04/11(土) 00:15:27 ID:tE7O.78I0



雅の気配が遠ざかった。
ブーメランが迫る気配もなく、これを好機と捉えた明は目を拭い視界を晴らす。
だが、眼前に奴はおらず。

(どこだ。どこだ雅!?)

キョロキョロ、と辺りを見回し、見つけた。
ブーメランを背中に突き立てられ、血だまりに沈む炭治郎。

その傍で、大口を開けて佐藤を身体ごとをかみ砕いていく雅の姿を。

「ハッ。亜人だったか。悪くない味だ」

肉片の一つも余すことなく食した雅は、ご満悦な表情で感想を漏らした。

「て...テメェ、雅...!」

明の手がわなわなと震えだす。
なぜ雅があんな小細工を仕掛けたのかを理解する。
明の目を潰すことで炭治郎たちへの干渉を防ぎ、確実に二人を殺すためだったのだ。

怒りと悲しみの入り混じる明の表情を見て、雅は愉悦に顔を歪ませる。


雅は好戦的ではあるが、戦闘狂ではない。
強力な獲物の存在を喜ぶのは、そんな強者が絶望する顔を見る為であり、戦闘などはその趣味の一環でしかない。
故に、正々堂々とした勝負など眼中になく。敵への嫌がらせの為には手段を択ばず。
嘘をつけず不意をつけない正直な少年には不意打ちで応え。戦闘の刺激でしか満たされぬ者には戦闘すらなく敗北を与え。
仲間との繋がりを重んじる者ならば眼前で仲間を傷つけ応える。
それが雅という男の性。吸血鬼の王たる証だ。

「そうだ明。その顔が見たかった。希望があると信じ、それを絶望に塗り替えられたその顔...たまらなく愛おしいぞ、明!」

腹部に手を当て、明を指さしケラケラと嗤い声をあげる。

「あまりにも哀れで腹がよじれそうだ!!」

ボコォ。

雅の腹から、腕が突き出した。


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