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真実の……バトルロワイアル 2

603名無しさん:2020/04/11(土) 00:09:39 ID:tE7O.78I0
「くだらん。実にくだらないよ明」

そう語る明を、雅は無情に吐き捨てる。
雅は集団の王であり、手下には比較的寛容ではあるが、そこに彼が信頼をおくことはない。
いくら自分が慕われようとも、見込みがあった上で吸血鬼化させた者であっても、その喪失に悲しむことも憤ることもない。
彼にとって部下など遊びの駒でしかないからだ。
だから、そんなものを大切にしようとする明の考えは、雅にとっては本当に「くだらない」ものなのだ。

「まあ、お前が私を楽しませてくれるのならどうでもいいことだがな...フンッ」

言うが早いか、雅はブーメランを明めがけて投擲する。
無論、いくら高速とはいえ正面から飛来するそれをやすやすと食らう明ではない。

「ハッ!」

気合一徹、刀を振り下ろしブーメランを弾き返す。

バフッ

「!!?」

同時に、ブーメランから砂があふれ、明の目を潰す。
砂袋だ。先ほど、構えた際にさり気なく即席の砂袋を着けていたのだ。

「テメェ雅、ふざけやがって!」

明は激昂しつつも、耳を済ませることに集中する。
目を拭っている暇はない。まず間違いなく雅は追撃を仕掛けてくる。
その予感は当たっていて。

―――ヒュゥゥ

(来たっ!)

風を切る音を頼りに、明は再び投擲されたブーメランを察知し、身を屈めて躱す。
本来ならばはじき落としたいところだが、目が見えない以上、正確に刃を合わせるのは難しい為、躱すのを余儀なくされた。

(よしっ、躱せた!)

だが、油断は禁物だ。ブーメランは旋回して戻ってくる。いまここで、気配頼りに雅に斬りかかればその追撃を受けてしまう。

―――ヒュゥゥ

(来るっ!)

背後から迫るブーメランを再び躱す明。
それを見た雅は、嗤った。


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