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真実の……バトルロワイアル 2

597悪鬼滅殺(1) ◆ZbV3TMNKJw:2020/04/11(土) 00:01:19 ID:tE7O.78I0



グシャリ。
雅の拳が佐藤の顔を潰し、地面に打ち倒す。
脳まで破壊されたのだ。専門家が見なくても即死だと判断できるだろう。
なんだこんなものか?
あまりの呆気なさに落胆しかける雅だが、しかしそれは杞憂というものだった。
ぐじゅり、となにかが蠢くような音が鳴ると共に、佐藤の頭部は傷一つなく再生。どころか、撃たれた腕やかすり傷、あますことなく万全な状態になっていた。
そのまま立ち上がり、再び戦闘態勢をとる。

「なるほど素晴らしい。再生能力に限れば私や鬼の王にも劣らんかもしれん。だが、それだけだ。それだけでは私には勝てんよ」
「そうかい。それは楽しみだ」

佐藤は両拳を握りしめ、格闘家のように構え、対する雅は、構えもなく、無造作に拳を振るう。
一撃受ければ致命的。そんな攻撃にも、しかし佐藤は恐怖も焦燥もなく、冷静に攻撃を捌いていく。

佐藤の拳がパシリ、と雅の胸を軽く叩き、上体が崩れた隙を狙い、雨のように佐藤のジャブが放たれる。
ダメージは少ないとはいえ、弾かれれば体勢は崩れてしまう。
為すすべもなく、雅は佐藤の拳をその身に受け続け、ラッシュの締めのアッパーカットにより、雅はそのまま仰向けに倒れた。

相手は人間よりも遥かに強靭な吸血鬼。
その存在を肉弾戦において地面に転がせるのは、亜人の不死身性関係なく、佐藤の力だ。
己の圧倒的な暴力にものを振るわせる雅や、彼ら異形の者を倒す為に鍛え上げられた明や炭治郎の技術では培われない、対人においての経験、軍隊的格闘・戦闘技術。
それこそが、亜人の特性以上に、佐藤を真に脅威たら占めるのだ。

「う〜ん、吸血鬼なんて初めてだけど、これならあのお侍さんの方が手ごわかったかな」
「...ハハハ、失望させてしまったか?では信頼を取り戻さねばな」

むくり、と何事もなく立ち上がる雅に、佐藤はポカンと口を開ける。
殴打による雅の傷は、皮膚の細胞が蠢き瞬く間に治癒していた。

「驚いた。きみは死ななくても再生できるんだね」

思わず漏れた佐藤の呟きに、雅の眉がピクリと動く。

「生物は死ねば終わりだ。だから人間は不死を求め生き永らえようとする。それは貴様もそうだろう」
「いやあ、私は楽しめればいいかなぁ」
「...ハッ、違いない。生において京楽を忘れるほど愚かなことはない」

ヌッ、と雅はブーメランを取り出し構える。

「卑怯とは言うまい。やはり私は手で弄べるものがあった方が調子がいいのでな」
「もちろんさ。それで楽しませてくれるならそっちの方がいい」

互いに構え、一呼吸の後に同時に駆け出す。
振りおろされる雅のブーメラン。それを屈み躱し、懐に潜り込む佐藤。

トッ。

ザ ン ッ

―――その両者の腕を切断した、明の奇襲。


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