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真実の……バトルロワイアル 2

551前園甲士様は告りたい-元公安の生存頭脳戦- ◆KbC2zbEtic:2020/03/05(木) 21:48:42 ID:Afhk/Tfo0

―――マシュ・キリエライトのミスは三つ。
一つは累の血鬼術によって作られた繭に包まれていたため、鬼舞辻無惨が教会のすぐ傍まで来ていることに気づけなかった事。
もしその事に気づいていれば、一刻の猶予もない程逼迫した状況を鑑みて、
彼女は銃を向ける前園を無視、そのまま教会に向かえずとも、命を落とすことは無かっただろう。

もう一つは情報交換の際、急ぐあまりBBについての情報を提示するのを怠ってしまった点だ。
主催と関りがあると言えば、誰もがその情報に食いつく。
そしてそれは、前園すら例外ではなかっただろう。
だが、しかしBBとの複雑な関係を話せばカルデアや人理の修復等の説明をしなければならず、確実に情報交換に時間を割かれる。
そうなれば、自分が情報交換をしている間に累とクロオが窮地に陥る恐れがあった。
加えて、前園が鬼の情報に食いついた事もあり、最低限の情報交換にとどめてしまった。
もし、BBとの関係を匂わせていれば、前園の中での彼女の利用価値はより高い物となり、圧裂弾を放たれることもなかったはずである。

そして―――累とクロオが彼女の説得に心を揺さぶられてしまった事。
もし、彼らがマシュの説得に応じずとも、オルテナウスの出力を最大まで上昇させれば脱出は可能だった。
その場合、彼女の警戒心は高いまま維持され、前園を前にしても奇襲を許すことは無かっただろう。
しかし人理を巡る旅路の果てに色彩を得た彼女は、手を差し伸べることを選び、それを成功させた。
その成功は麻薬の様に作用し、危機に対する嗅覚を鈍らせたのである。

人の悪意を知らなかったわけではない。人理修復の旅路で幾度となく彼女も直面してきた。
しかし、その時は隣には常にダヴィンチが、Dr.ロマンが、ホームズが、抑止力によって召喚された英霊が、そして藤丸立香が居た。
彼らが常にマシュを守り、導いてきたために、個人として人の悪意と相対する対峙した経験が彼女には足りなかった。

信頼は美徳であり、それによって生まれる絆は強く尊い。それは一つの真理だ。
けれど彼女はこの世には煮ても焼いても食えない人間もいる。その事を今一度心しておくべきだった。
金のためなら同僚の刑事を殺し、国をも裏切り、殺した同僚の息子すら利用する事を厭わない男。
―――生き恥。誰もがそう評する所業である。しかし前園甲士に生き恥を感じるような羞恥心はない。
それ故に、魔術王ゲーティアすら成しえなかった人類完殺を成功させることができたのだ。


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