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真実の……バトルロワイアル 2
534
:
打々(蝶々)発止
◆0zvBiGoI0k
:2020/02/09(日) 21:36:31 ID:tHjlpQeg0
美術館からバイクを走らせて、目的地の箱庭病院には何事もなく辿り着いた。
襲撃もなければ、他に参加者との遭遇もない。殺し合いという現状を認識していた割には拍子抜けもいいところだ。
だが安穏とするほど腑抜けられる筈もない。窓の外を見れば街中で一際大きなマンションが完全に倒壊して姿を消し、そこかしこで火の手の煙が上がっている。
紛争地もかくやの治安の悪さを誇るリトルアジア並の規模で、事態は紛れもなく進行している。それに偶然居合わせていないというだけの事。
危機に直面しないのは幸運と呼べるが、自分が無視されて置いてけぼりにされるのは、単純に気に食わない。
さりとて闇雲に動き回るわけにもいかず、兄に繋がる手がかりもなく。雨宮広斗の気分は少しばかり斜め上だった。
しのぶは同伴していない。病院内の探索に別行動を取るとそそくさと中に入ってしまった。
明確にここに来た目的があるしのぶと違って、こちらは手持ち無沙汰だ。
はじめは適当にぶらついていたが、何もしない方がかえって苛々が溜まってくる。
これで何一つ成果がありませんでしたと言った時のしのぶの顔を想像するとなお癪だ。
雨宮の仕事は運び屋であって調達屋ではない。なのでこういう施設で目星のつく場所は限られていく。
――――――重要なもんは普通、偉い奴が持ってるもんだろ。
そんな短絡ながら真実の一端を突いた理由で辿り着いた、変哲のない『院長室』のプレートが提げられた部屋のドアノブを握る。
鍵もかかっておらずあっさりと扉が開いた。中に入っても、そこは小綺麗にまとめられた普通の部屋だ。
とりあえず、デスクの棚に詰まった資料を引っ張り出した。
『歴代炎柱の書』『特異点記録亜種Ⅲ〜下総国〜』『亜人耐死実験報告書』『鬼哭指南書〜著・吉備津彦命〜』『アマゾン計画書』『OREジャーナル特集〜失踪事件の真相〜』『フラスコ計画・過負荷の部』『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE』…
重要そうな研究資料から民話集じみた古い書物、胡散臭いゴシップ記事まで、雑多に揃えられたものを数ページ適当に流し読む。
どうやら『鬼』『怪物』『不死』といった種族について調べた資料らしい。
さわりだけでも読み取れるほど、内容は突飛で、それでいていやに真実味のある書かれ方だ。
まるで本当にそれらを見て、研究してきたような。
綿密な実験結果の詳細や取得したデータが記されてるものもあり、冗談にしても手が込んでいる。
院長の趣味か。それとも、『それ』を目的にした施設なのか。
―――鬼とか鬼殺隊とか、あいつも言ってやがったな。
さんざ専門であると言っていたのだ。彼女の方が知っている事も多いだろう。そうなればさっさと渡すに限る。
デイバッグに資料を片っ端から詰めていく。どれだけ中に入れても膨らまず重さが変わらない不思議極まる道具だが便利ではある。普段の仕事道具にしたいぐらいだ。
そんな風に別の事を考えてたからだろうか。無造作に掴んだ本と本に挟まっていた一枚の紙片が床へと滑り落ちた。
「あ?」
拾おうと屈んで厚紙を拾うが、そこに書かれた文字に広斗は疑問の声を上げた。
超常的なものは半ば受け入れていただけに、広斗に唯一馴染みのある名称だったことでかえって反応したのだ。
「なんで無名街の地図なんかがあるんだ……?」
長兄・尊龍の居所を探して訪れた地区のひとつ。この殺し合いにも呼ばれているスモーキーが率いるRUDE BOYSが守る治外法権の街だ。
「……地下か?」
構造や階層の表記を見るに、どうも地下空間の見取り図らしい。
無名街にそんな場所が存在するのも謎なら、そんなものがここに紛れ込んでるのも謎だ。
それとも逆接として、ここに意味があるのか。そういえば南部の島と切り離されたエリアにも無名街が―――
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