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真実の……バトルロワイアル 2
531
:
打々(蝶々)発止
◆0zvBiGoI0k
:2020/02/09(日) 21:33:25 ID:tHjlpQeg0
◆
外から見ただけでも分かってたが、やはり内部も広く入り組んでいる。
しのぶが抱く感想はそんなものだった。
目当ての道具は首尾よく見つけて鞄に詰めてある。
この鞄、見た目より遥かに中に物が入る。物理的にあり得ない体積で収まってしまっている。
嵩張って移動の邪魔になると思って考慮の外だった薬箱や医療器具も、まとめて持ち出す事も出来たのは収穫だろう。
鬼殺隊を支援する藤の花の家紋の家でもないのに拝借するのは行儀の良い行いとはいえないが、そもそもこの会場を設えたのがBB達であるのだから遠慮する意味はなかった。
音を消して院内を歩きながら、ひとりとなったしのぶは今後の方針を思案する。
この半日間が勝負所だ。そうしのぶは予測を立てている。
日が昇り出してから沈みゆく時間帯。鬼の身を焼き尽くす太陽がある時間。
鬼舞辻無惨を始めとした鬼が自由を奪われている今は、道中で鬼と遭遇する可能性を無くせる事で迅速に仲間との合流、情報の交換が叶う、邪魔なく状況を有利に動かすまたとない好機だ。
装備と人員が整えられれば、こちらから打って出る目も出てくる。柱といえども苦戦は免れない上弦、さらには頭目たる無惨でさえも、太陽に身を晒されれば死は免れない。
鬼にとって、太陽光とはそれほどの大敵なのだ。無惨が千年かけて克服の手段を模索し続けるほどに。
この箱庭病院に鬼の気配は感じられない。参加者の配置が悪かったのか、巡り合わせが悪かったのか、自分達が最初に足を踏み入れたらしくまったくの手つかずだ。
病院、という治療施設を先んじて押さえられたのも後に大きな利になるだろう。
戦いが激しくなれば負傷者も多くなる。動けない味方は時として重荷になってしまう。
多くの傷病者を収容、治療出来るこの施設が先に鬼に陣取られては、持久力で鬼に劣る人間は息切れしてしまう。
今後も戦いが起きて傷を負った参加者が、治療を目的に病院を目指して来る事だろう。
悠長に居を構える猶予もないが、そこに鬼が待ち受けて迎撃される、という顛末を阻止出来ただけでも十分だ。
そもそも設備を用意しているのが主催者の側、というのに不信と不満は尽きないが。
当然だが、鬼が動けなくなるといって殺し合いが一時的に停止するなどとは考えてない。そんな杜撰な設計をする主催ではあるまい。
人と人は争う。兵器があり、戦争がある。人の世の裏で活動する鬼殺隊であってもそれは知っている。
鬼のような破壊を齎し、鬼の如き残虐を犯す事がある。
鬼殺隊は人の世に極力干渉しない。鬼の存在を伝聞する事もない。
鬼殺隊を認める事は、鬼を認める事であり。
鬼の力と、鬼狩りの剣士の力を認めるという事だ。
その力に魅入られ、悪用せんとする者が少なからず現れる。だからこそ政府非公認という組織の体を崩してないのだろう。
鬼殺隊は悪鬼を滅殺するのみに殉ずる純粋な集団であるべきだと。権力に囚われてはいけないと。
此処ではその縛りも通用しない。
恐らくいるのだろう、人でありながら人を殺す者との遭遇。
恐怖に取り乱し追い詰められての行為ならいい。保護し、気を宥めて匿うつもりでいる。だがそうでない―――喜々として人を殺める徒がいたのならば。
今までとはまた別種の苦境を強いられるかもしれない。しのぶも柱の決断をせねばならなくなる刻が来る可能性がある。
現状はしのぶの理解の範疇を逸し、あまりにも不確定な要素に満ちている。
会場の地理は。主催の正体は。殺し合いの意図は。
どれも不明瞭であり情報不足。未だ生きた参加者と一人しか会えてないのは、幸運とは呼び難い。
中々に前途多難な中でひとつだけ、思案する考察がある。
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