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真実の……バトルロワイアル 2

523命ノゼンマイ ◆ZbV3TMNKJw:2020/02/03(月) 23:38:46 ID:T2WSd5fE0

「なっ、なんで...」
「いいのか明?そこの小僧はお前ほどではないが、確かに腕が立つ。私に勝つ千載一遇のチャンスを失うことになるぞ?」

雅の言う通りだ。
自分はまだ動ける。戦える。
いかに明といえど、あの男に一人で勝てるとは思えない。

「奴の血は他者に感染する。ひとたび奴の血が身体に入れば、吸血鬼となり奴と同類になってしまう。奴に、戦力の差など関係ないんだ」

それに、と言葉を切り、炭治郎へと真っすぐに向き合う。

「これは俺たちの問題なんだ。だから、俺の手で決着を着けさせてくれ」

そして、くるりと背を向け改めて雅と向き合う。
炭治郎が共に戦ってくれようとするのは嬉しかった。力不足ではないとも思っている。
だが、既に至る箇所に傷口を刻まれている炭治郎では感染のリスクが高すぎる。上杉を守りながらではなおさらだ。
なにより奴との決着はこの手で着けたい。数多の墓前の前で誓った自分の手で奴を斬りたい。
そんな子供じみた我が儘を、明は譲ることはできなかった。

炭治郎は思う。
沖田さんは自分と別れたところで死んでしまった。城戸さんは、自分が気を失っている時に死んでしまった。
いま、ここではいと頷けば、明さんも死んでしまうかもしれない。
けれど。
彼も言った通り、雅の血が感染するのなら、下手に組んで戦わない方がいい。
それも、一般人である風太郎を守りつつ、自分に明に類するの実力がないのならばなおさらだ。

悔しい。自分は、煉獄の言葉を受けてから経験を積み、確かに強くなった。
けれども遠い。
もしもこの場にいるのが煉獄さんなら。義勇さんなら。しのぶさんなら。城戸さんなら。沖田さんなら。
明さんも、素直に背中を預けてくれたかもしれない。
自分はまだ未熟だ。
肝心な時に、いつも力が足りない。

炭治郎はぐっ、と息を呑み、言葉を吐き出した。

「一花さんたちと合流したらすぐに迎えに来ます!だから絶対に死なないでくれ!!」

炭治郎の叫びを背に受けた明は、そのまま返事を返した。

「お前の方こそ死ぬんじゃないぞ!上杉もだ。こんなところで死んだら球磨川に笑われるからな!」


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