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真実の……バトルロワイアル 2

52ファイナル本能寺・エピソード2(前編) ◆hqLsjDR84w:2019/07/29(月) 21:59:38 ID:hTGsSQhI0
 
「そこまでにしてください、沖田さん! もう新選組の時代じゃないんですよ!」

 炭治郎がなにを言っているのか、真司にはよくわからなかった。まるで本物の沖田総司に対してのような言葉だ。
 たしかにこうして家に入る前に、炭治郎と沖田は二人でなにやら話をしてはいたが、まさかそのような可能性が――ありえるのだろうか。
 困惑する真司を置いて、炭治郎は声音を落としてさらに続ける。

「それに……さすがに」

 視線を廊下のほうに泳がせての一言。
 本格的に会話の意味がわからなくなってきた真司をよそに、沖田は苦々しい表情となる。

「機を逃しましたね」

 猛田のほうを一瞥したのち、沖田は冷たく言い残してリビングから廊下に出て行く。
 しばらくして玄関が開く音が響いたので、どうやら荷物も持たずに民家の敷地内から足を踏み出したらしい。

「私、沖田さんのほう見てくるよ。ごめんね、炭治郎くん。あとをよろしく」

 椅子から立ち上がって、大きく伸びをしたのは立香だ。
 最低限の荷物だけを持って、沖田を追いかけるように家を飛び出していく。

「…………なんなんだよ、アイツは! ワッケわかんねえよ!」

 いきなり急変した事態に、真司の頭はまったくついていけていない。
 行き場のない感情を籠めて床を殴りつけようとすると、炭治郎が飛びかかってきて腕を掴んでくる。

「いけません、城戸さん! あんまり怖がらせないでください!!
 大きな音がしたり、怒声が響いたり、床が揺れたりするの、結構怖いんですよ!!」
「…………はあ!?」

 その行動もまた理解の範疇を超えており、真司は困惑する他にない――が、すぐに理解することになった。
 程なくして、眠っていたはずの三人の少女がおそるおそるといった様子で、リビングを覗き込んできたのだ。
 起こしてしまったのも、怯えさせてしまったのも、沖田と真司が立てた音によってなのは、あまりにも明白であった。


 ◇ ◇ ◇


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