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真実の……バトルロワイアル 2

478触れた指の先が運命を待ちわびている ◆0zvBiGoI0k:2020/01/05(日) 22:20:57 ID:T68FIAzU0


 上下関係に拘る猗窩座ではないが、明らかな格下の意を呑み込むのも業腹である。
 どの道夜が来るまで外には出れないのだ。此処で待ち構え、外から強者がのこのことやって来るならばそれはそれで都合がいい。
 こいつが此処で斥候の真似事をするなら要らぬ手間が省ける。そう考えれば適切な役割分担だと腑に落ちてきた。
 上弦の参と無銘の鬼。同種である事以外に近寄る余地はない。鬼は群れて徒党を組まないよう性質を付与されている。
 本来なら顔を合わす機会も皆無で、今回は様々な異常事態が重なってできた例外だ。
 誰かに技を教え、学ばせ、強くする。
 そんな、師範と弟子のような関係ではないのだから。

 

 鬼になった人間は、人であった頃にはなかった多くを得る。
 尽きぬ寿命。並外れた再生力。圧倒的に密度を増す筋肉量。世の理に反した異能を操る。
 鬼になった人間は、人であった頃に持っていた多くを失う。
 理性を失い、記憶を失い、倫理を失い、食欲に狂う。
 肉を満たし強くなるにつれ理性を得て人格を構築するがそれは後付の外装に過ぎない。
 たとえ人間の記憶を有していても、そこには不可逆の変容の弊害による『歪み』が生じる。
 始祖である無惨の影響か、わけても力への固執は強固かつ短絡に定められる。

 白銀御行。
 この地ではじめて無惨が鬼にした人間。無惨の時代から百数年越えた先に生きている人間。
 猗窩座は多量でないと捉えたが、それはあくまで上弦の鬼からの基準だ。せっかく作る手駒を軽々に失うのも癪と考えたのか、与えられた血の量は比較的多寡であった。
 血に適合できなければ細胞が破壊して死に至る中、その身は見事耐えきってみせた。更には早期に知識を駆使して作戦を立案する知性までも有している。
 総数の鬼が例外なく力の暴威でに酔い人を襲う様において、これは驚くべき性質である。

 赤貧とはいえ、大正の頃より大幅に質が向上し滋養もついた生活環境にいた健常者の肉体。
 平成の世の常識を備え、学生基準で最上位に位置する学力の知識。
 この時代には本来起きない要素を備えた鬼の誕生。無惨も、鬼殺隊も知り得ない未知の可能性。
 その事実を――――――まだ誰も知らない。



 妨害も、他の参加者と遭遇する事もなく、目的の武器庫には難なくつけた。
 国内最大を誇る自衛隊基地となれば、積まれた武器弾薬の総数は計り知れない。
 もし仮に、一個人がこの倉庫を占領し、あらゆる火器を十二分に扱える技能を有しているとしたら。
 更にそれが人智の及ばぬ不死の存在としたら。
 齎される被害、人間に与えられる損害は計り知れないものとなろう。


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