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真実の……バトルロワイアル 2

453鬼気怪壊 ◆0zvBiGoI0k:2019/12/15(日) 22:48:47 ID:jtH9pDfU0

 

「―――――おんやぁ?」

 そうして二輪と車とで北上している途中である。馬に乗る上田の後ろで風雅に景色を眺めていた酒呑童子が、ふと首を不思議そうに傾けた。

「これは、ん―――あの牛女とも違うしなぁ。どっちかいうなら茨木あたりかね?こないなとこで奇遇やわぁ」
「おや、どうしました酒吞さん」
「うん?そやなぁ、ちょっと懐かしい匂いがしたってとこやね」
「ははは、またまた。私はこの通り若々しく肉肉しい健康体。まだまだ加齢臭には遠いですよははは。
 ……え?臭う?ほんとに?」
「上田はん、ほい。これ持っといて」

 自分の腕に鼻を擦りつける上田をよそに、酒吞はUSBを投げてよこし白馬の上で立ち上がった。

「え、酒吞さんどちらに?」
「上田はん達は先に行っとき。うちはちょっと、ご同輩に挨拶していくわ」
「呆れた。わざわざ自分から血を見に行くなんて。鬼ってのはみんなそんな野蛮なの?」
「血……!?」

 メルトリリスから出た言葉に血の気が引き思わず気絶しかける上田。
 数々のインチキ霊能力者が起こした事件を時に物理学的に、時に物理的に解決に導いてきた上田である。血を見た事件も一度や二度ではない。
 ただそれはそれとして、怖いものは怖い。ビビるものにはビビる。経験があるからといってそう簡単に耐性がついたりはしなかった。
 本人は頑なに認めないが。

 酒吞が首を向けた方向―――崩れた教会から漂う気配には当然メルトも気づいていた。先刻まで自分もいて、怪人二人と見えていたところだ。
 メルトにしてみればそんな見えてる地雷に首を突っ込むのは、優美とは程遠く離れた愚にもつかない行為だ。

「雅も華も好きやで?酒はもっと好きや。せやから、祭の気配があったら近寄ってみたくなるんは当たり前やない」
「さっきまで研究所に行くって息巻いといてよく言うわ。私の毒を受けるまでもなく、とっくに頭も蕩けてるようね」
「あは、わかっとるやないか。気の儘に、鬼の儘に動く。鬼はそういう生き物や」


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