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真実の……バトルロワイアル 2
387
:
アザナエル
◆0zvBiGoI0k
:2019/11/09(土) 04:10:30 ID:lo0/.jkY0
一笑に付していいはずのその言葉を、猛田はすぐに否定できなかった。
そんな理由などどこにもないはずなのに。ジウの言うように、ミクニを追い落とそうとした猛田にそんな資格はありはしないのに。
分からなかった。
どうしてジウがここまで豹変したのか。
立香がどんな顔をして戦っているのか。
ミクニが殺されてここまで狼狽えている自分自身の心理状態が。
何も分からない。全てが猛田を置き去りにしたまま、戦況は進行していく――――――
(やっぱり意識が無い……カルデアとの繋がりが薄いんだ)
手の甲で疼く熱を感じつつ、立香は思考を回し続ける。
物言わぬ戦士を従える姿はもう只の少女でなく、一介のマスターに切り替わっている。
直接の戦闘での判断はその道の玄人であるサーヴァントに任せるのが最適だが、現場での状況判断はマスターが担う役割だ。
自分だけでない、他人の命を背負う選択はいつまで経ったって慣れはしない。だからといって、歩みを止めることだけは最悪なのだと既に知っているから。
英霊の召喚は問題なく行えた。カルデアとは相変わらず連絡は取れないが、繋がりは生きている。
マスター単独ではサーヴァントの召喚・維持を行えない事実からそれはわかる。これは力量不足が大いにあるが。
影ではなく自意識がある正規でのサーヴァントであるのが一番だったが贅沢は言ってられない。
召喚の為の下地……霊地、触媒、魔力等、必要な条件があるのだろう。それらを一気に飛ばし実行に移す手段があるとすればそれは―――
(……今はまだ温存。使い所を誤るなよ。まずはここを切り抜けることを考えろ)
一旦棚に置き、眼前の敵対者へと意識を傾ける。
親友であるはずのミクニを斬り、狂気を以て凶器を携える皇城ジウ。
対応できないものではない。ただ倒すだけならば楽かもしれないが、それを望んだりはしない。猛田も、きっとミクニも、そして自分自身も。だからこその選んだ英霊だ。
レオニダス一世。スパルタ国の王にして英雄。他者を守ることにこそ真価を発揮する炎門の守護者。その影法師。
自分の身を守り、猛田を守り、ジウすらも殺さずに守り切る。立香の選択に一番似つかわしい能力を持ったサーヴァントだった。
再び猛然と貫きに向かってくる突きを円盾が絶妙な角度で弾き、返す槍が刀身を砕いた。
そのまま押さえつけて無力化しようとしたが、すぐさま引き抜かれた次の刀がそれを阻んだ。
武器の機能を果たさない柄をジウは未練なく捨てる。周囲の道路には、何本も突き刺さって、投棄された、刀の墓場が形成されていた。
(全部同じ刀だ……鈴鹿の宝具?いや折れた刀も残ってる。分裂してるんじゃなくて本当にたくさんあるんだ)
BBの仕掛けか、デイバッグが中身が幾らでも入る仕組みなのは知っていたが、あれではあとどれだけ本数があることか。武器を失くして無力化という手段は取れそうもない。
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