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真実の……バトルロワイアル 2
364
:
獣性目掛けて銃声は鳴る
◆3nT5BAosPA
:2019/11/01(金) 00:32:35 ID:umByYa/g0
だが。
全身を焼く痛みに悶絶していた童磨の姿が、溶け落ちる様子も焼け落ちる様子も一向に見られない。どころか、爛れていた肉も徐々に元通りになりつつあるではないか。
先のベノサーベルの突きを脳天に受けても平気だったことから、浅倉は童磨をただ者ではないと思っていたが、まさかここまで化物じみた生命力を持っていたとは。
「ガハッ……あはは、いやあ、ごめんねえ。俺の体に毒は効かないんだ。鬼だからね。でも、炎と毒を一緒に喰らうなんて体験はとても面白かったよ」
肉体を完全に修復した後で、そんな感想を述べるくらいには余裕だ。
どれだけの破壊を与えても、瞬時に回復する敵との戦いなんて、成立するはずもない。
なんて絶望的な状況だ。
しかし当の浅倉は、
「ハハハ! ハァーハハハッ!!」
と狂ったように笑うだけだった。まるで上質な喜劇を見ているかのような笑い方だ。
肺胞が壊死した状態でそんな大声を上げれば、ますます傷が広がるというのにお構いなしであり、仮面の下で血を吐き散らす。
「鬼、か。中々面白え体じゃねえか……退屈しねえなあ!」
ライダーバトルに勝利した際に叶える願いとして決めていたほどに永遠の戦いを求めている浅倉にとって、豊富で強力な手札を使いこなし、どれほど傷ついても立ち上がる童磨はまさに夢のような敵だ。そんな相手を前にすれば、こうして笑うのも必然というものである。
歓喜に震えながら、カードデッキから一枚のカードを取り出し、ベノバイザーに挿入する。
ユナイトベント──無機質な音声が再び響く。
すると巨大なサイとエイが現れた。ベノスネーカーと同じく王蛇との契約下にある二体のミラーモンスター、メタルゲラスとエビルダイバーである。
場に揃った三体の怪物を目にし、総攻撃を仕掛けられると思った童磨であったが、その予想は外れた。
ベノスネーカー達は一か所に集まったかと思うと、眩い光と共に合体し、一体の大きな怪物へと変化した。融合したのだ。
その名もジェノサイダー──三体だった頃よりも遥かに強い力を感じさせられるその造形は、敵対者への絶対的な殺意を目に見える形にしたかのようである。
ジェノサイダーは童磨目掛けて突進する。その巨体が動くだけで地面は抉れ、空気は悲鳴のような音を鳴らした。とはいえ、サイズが大きくなっていた分、機動力は低下しているので、童磨は横に飛ぶことであっさりと回避した。派手な音を立てて氷像を破壊しながら、ジェノサイダーはその場を通過した。
回避に成功した童磨であったが、その時になってようやく気付く。自分が王蛇とジェノサイダーに挟まれる位置に来てしまったことに。というより、これが狙いの突進だったのか。
とはいえ気づいた時にはもう遅い。浅倉は童磨に向かって走りながら、次のカードをベノバイザーに入れ終わっていた。ここまで迫れては、防御も回避も間に合わない。
ファイナルベント──終わりを告げる声と共に、王蛇は飛び蹴りを放った。
X X X X X
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