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真実の……バトルロワイアル 2

323だんだん遠くなってく君を追いかけていく ◆7ediZa7/Ag:2019/10/24(木) 17:01:16 ID:vI0lfPY20



「十三人ねぇ……」

沖田総司は噛みしめるように声を漏らした。
放送のどこからともなく音が響く感覚は、彼の常識からすると奇怪な感覚だったが、今更そんなことで驚く彼でもなかった。

多いのか、少ないのか、その数については沖田はあえて考えない。
問題はそこではない。
見るべきは、最初に島に飛ばされたのが70人、最初の6時間で13人が死んだということ。
成り行き次第ではあるが、人が減っていけばその分殺しの速度も落ちていくだろう。

「とすれば刻限はもって三日というところですか……」

ざっとした感覚で試算した沖田はやれやれと細い手で頭を抑える。
余裕があるとは全く思っていなかったが、どうにかするにはあまりにも時間がない。
とはいえ、あの元の時代から追い出された時から、いや、それより前から、状況が楽だった時の方が少ない。

「何とかするしかありませんか」

そう呟いたのち、彼は愛刀、菊一文字をすっと抱き寄せる。
その視線の先には、少年少女がいる。
二乃を初めとする、この島で出会った市井の子供たちだ。
今ではどうやら若殿という少年を中心に何やら声をかけあっている。
事情はだいたいわかる。先ほど告げられた死者の中に、若殿の口から告げられたものが混じっていたように思う。
確か愛月しのと清姫というのが、新たに告げられた中で仲間とされていた名前のはず。
彼女らの死に対して、言葉を交わす必要があるのだろう。

その中には、あの猛田という罪人もいた。
どの面を下げて──と思いはするが、彼自身そのことを自覚しているのか、少し輪から離れているようにも見える。

「────」

彼らの感傷について口を挟む気は無い。
何も間違ってはいないからだ。死を悼むこと、その痛みに共感すること、どちらも文句をつける気はない。

だが──

「いやいや城戸くんはこっちでしょう」

声をかけに行こうとした城戸を、沖田は静かな声で呼び止めた。

「これからどうするのか、城戸くんの考えを教えてくださいよ」
「え、でも、あの子……」
「言ったでしょう、鬼退治は私たち三人でやると」

彼は戸惑いの表情を浮かべたが、沖田は言葉を遮ってぴしゃりとそう告げた。

「竈門くんもわかってますね?」
「……はい」

話を振った炭治郎は神妙な顔をして、しっかりと頷いた。
彼とて、年齢であればあちらの少年たちと変わらないだろう。
だが、彼はやはり──こちら側だ。
彼もまた一人の友が死んだはずだというのに、今自分たちがまさに戦っているのだということを明瞭に理解している。


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