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真実の……バトルロワイアル 2

311完【りそうのかたち】 ◆ZbV3TMNKJw:2019/10/24(木) 01:16:47 ID:Zpzw676o0

「プハァ!小娘よ、貴様の血は美味だぞい!...ん、どうした?」

此方を見つめるめだかの悶々とした表情に、ご満悦だった権三にも不安がよぎる。
いくら切り離されていたものとはいえ、血を絞られた己の腕を見て不快に思ったのだろうか。

「なぜそんなに遠慮をしている。貴様は血が必要なのだろう」
「なに?」

権三は思わずキョトンとしてしまう。
少々豪快にやりすぎたか、と反省しかけた矢先に遠慮をしていると指摘されたのだから当然だ。

「血を絞るのにも限度があるだろう。そのまま食えば残さず取り込めるではないか」

再び権三を襲う衝撃。いま、この小娘は何を言った。
人肉を食えと...超人とはいえ人間である権三に対してだ。

「い...いやいや、わしをなんだと思っとるんじゃ。人肉なんぞ食えるわけないじゃろうが」
「むっ、そうか」

顔色一つ変えないめだかに、浮かれていた権三の気分が落ち込む。

権三は感染し初めて血を吸った時からある程度の人間を殺し血を補給してきたが、それでも直接食らいつくようなことはしなかった。
上級民である自分が下々民の肉など受け入れられないという自意識もあるかもしれないが、単に人肉を『食えるもの』と判別していなかったのだ。
それを食えというのだから、権三が引くのも無理はない話だろう。

「...そういえば目が覚める前になにか声が聞こえた気がしたのだが」
「放送を聞いておらんかったのか」

かくかくしかじかと、権三がめだかに放送の大まかな概要を語る。

「―――といった具合じゃ。禁止エリアもそこまで関係はないし、急いで動く必要も...」

権三は思わず口を止める。
彼女は俯き震えていた。まるでなにかを溜め込むように。我慢するかのように。
そして、それは間もなく解き放たれた。


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