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真実の……バトルロワイアル 2

267常識的に考えて ◆ruUfluZk5M:2019/10/14(月) 22:52:36 ID:KY3CrG9g0
 だから雅は特に意味なくぶらぶら散歩をするし、気分次第で湧水でも飲む。人も喰らう。
 戦いの最中うっかり滑って転びもする。あるいは異常な強さと冴えであっさりと人間側の色々な作戦をひっくり返す。
 どうしようもなく大雑把で適当なところを見せ苦悶と激昂の醜態をさらしたかと思えば、
吸血蚊を培養し国家単位で吸血鬼を蔓延させるなど、悪辣にして凶悪な策をさらりと実行せしめる。

 その雅が今は何を考えているかと言うと。思索にふけっては谷を見回し……少し、この殺し合いに対して呆れていた。
「大体けち臭いぞ、BB。見た限りロクに刀すら無いとは――不可思議な支給品でそこはハンデや殺し合いが進むよう差異を付けているのだろうが」
 殺し合いが始まってから放送になるまで色々と練り歩いたが、まだ刀剣のひとつも見つけられない。
 この時点で雅からすると「しけている」と言うほかなかった。

 彼岸島ならば、少なくともそこらへんの民家や施設や谷底にはそういった武器に使える物がごく普通にあったものである。

「いや、本気で殺し合いをさせる気があるのか? あの女……」
 己に支給されたこのガトリングガンも趣向としてはそれなりに面白いと言えば面白い。
 が、アマルガムの真骨頂は大体がもっと直接的な武具を使ってこそ発揮される。

 アマルガムとは、吸血鬼が更に別の吸血鬼の血を取り込んだ混血種。
 ほとんどの個体は失敗し巨体の化物たる知性無き「邪鬼」と化す。
 だが僅か1%未満の確率を潜り抜けた個体は、知性と人に近しい体格を保ちつつも、特殊能力と剛力を兼ね備えた異形の吸血鬼として覚醒する。
 雅もそのアマルガムが一人にして先駆けである。
 ただ巨体と獣性のみの怪物然とした邪鬼と違い、アマルガムは特殊能力の他にも人を超越した膂力と知性、技巧を保つ。
 つまりは凶器――鈍器や刃物を用いることで更に凶悪な威力の攻撃を可能とするのだ。
 雅自身、鉄扇を使った際の戦闘力は時に刀を使う宮本明すら圧倒するほど、常軌を逸していた。


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