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真実の……バトルロワイアル 2

256見えざる糸 ◆GO82qGZUNE:2019/10/12(土) 14:46:28 ID:ZJglAnJo0





 正直な話、雅貴としては未だに信じられないことが結構ある。
 板切れを装着しただけで出現するSFめいたパワードスーツとか、カードでモンスター召喚とか、はっきり言って色々と突っ込みたい気持ちでいっぱいだ。
 挙句の果てには鬼とかアマゾン?とか出てくるし、侍とサムライが果し合いみたいなことしてたし、そのSAMURAIな義勇は明らかに人間業じゃないことやらかしてるし、広斗は美人な子とタンデムするし、いい加減普通の常識的な人間と会いたかった。
 まあ何が言いたいかってーと、異常は異常として受け入れることができてきたってわけで。
 そういうものを前提とした思考も段々とできるようになってきたということだ。

「やっぱそう来るよな」

 出現早々串刺しとなったサイコローグを目の前に、しかし雅貴は狙い通りと言いたげな声を上げる。
 不可視の敵の性質を、雅貴は何となくだが看破していた。常日頃相手をしている人間のような打算と殺気入り混じったものではない、禰豆子のような獣じみた敵意でもない。昆虫か何かのような無機的な意の発露。
 合理的に、けれども迅速に。それは一見すれば厄介この上ない性質だが、裏返せばシンプルな挙動しかできない機械のような単純さも併せ持っていた。
 例えば今、突然第三者が乱入してくればどうするか?
 人間や動物ならば、まず距離を取るなり警戒するなりの行動を取るだろう。友好的ならば話しかけるし、敵対的ならば隙を伺う。知能の差こそあれ、生物が取る行動とはそういうものだ。
 奴は違った。
 圧倒的な物量と射程距離を持つ奴は"それ"ができてしまうため、突如出現したサイコローグを"咄嗟に攻撃して"しまった。
 そしてそれは熟慮を重ねた結果ではなく時を移さず行動した結果として、全方位からのものではなく直線的な軌跡を描いている。
 その先に続いているのは、最早言うまでもない。

「ッシャアッ、ビンゴ!」

 視線の先、揺らめく陽炎のような輪郭を見つける。
 それは紛うことなき敵の姿。今まで安全地帯から散々自分達を嬲ってきた倒すべき相手の居場所に他ならない。
 気合裂帛。踏み込んだ足が地を削り、加速度が水のように全身の筋肉を伝う。
 視界の果てでは新たに無数の触手が爆縮するように放たれるが、遅い。


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