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真実の……バトルロワイアル 2
200
:
第二回放送
◆3nT5BAosPA
:2019/09/24(火) 07:41:15 ID:mLCvwp.s0
「!!」
全員が同様の反応を見せ、そして跪く。鬼としては新入りの御行でも即座にその行動を取ってしまうほどに、目の前の鬼の始祖が有する力は絶大なものだった。
ただ登場するだけで全員の注目を集めた無惨は、一瞬、あるいは何時間にも感じられる時間が経った後、口を開いた。
「これまでの時間で死んだ人間の数が分かるか?」
それはたった一言の問いだったが、聞く者に無惨の現在の感情が怒り一色であることが十全に伝わる言葉だった。というより、無惨の意識を介して集合させられたこの場に居る分、彼の感情がより分かりやすくなっているのかもしれない。
ここに居る鬼でその答えを知らないものなどいまい。なにせ先ほど流れた放送で聞いたばかりなのだから。たとえ耳を塞いでいても聴覚にダイレクトに報じられるそれを、知らないわけがないのだ。
「ええ、もちろん存じておりますとも! たしか十三名でしょう」
答えたのは童磨だ。うるさいくらいに響く、元気いっぱいな声だった。
それが正答であったにも関わらず、無惨の怒りは更に増したように見えた。
「『たったの』十三だ」
「ああ、それは申し訳ありませぬ。俺たちが、鬼の本領を発揮できる時間である夜を過ごしたというのに、死亡者が十三人というのはたしかに少なすぎますな。それに白状させてもらいますと、俺はこれまでの時間で誰ひとり殺せていないのです。何せ中々に強き猛者が、この島には居るようでして……猗窩座殿は、俺と違ってそれはもう山のように殺しているのかもしれませぬが。いやあ、どのようにお詫びすればよいものか」
「貴様の謝罪など聞く価値もない」
無惨は童磨の言葉をばっさりと切り捨てた。
あのふざけた小娘の言う通りに殺し合いに乗るなど、無惨にとってはありえないことである。しかし、今も尚この島中に鬼殺隊を含めた人間どもが塵芥の如く存在するのかと思うと、怒りのあまり頭がおかしくなりそうなのも事実だった。
眼前に跪く配下たちを見下ろし、無惨は思う。
何故こいつらは、人を殺すという至極簡単なことさえ達成できないのだ?
「貴様らのような無能を生かしておく必要があるのだろうか? 私はそれが不思議でならない」
そう言いながら、無惨は累に視線を向けた。
とっくに死んだはずである彼がこの場に居るのは不思議だが、その働きぶりはそれ以上の不思議である。
なんたる無能。なんたる無益。
一度死に、蘇った身であるならば、生前よりも無惨に尽くそうと必死になるのが自然ではないのか?
そもそも、なぜこいつが居て、上弦の壱である黒死牟が居ないのか。十二鬼月の最高戦力である彼が居れば、今頃島の人間は壊滅していただろうに。BBの人選への理解に苦しまされる無惨であった。
無惨の考えを知った累は、慌てた様子で口を開いた。
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