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真実の……バトルロワイアル 2

171壊音 ◆0zvBiGoI0k:2019/09/22(日) 23:53:25 ID:.yRa2Kvk0




放送が終わった。
企画の恙ない進行を知らせるカウントダウン。
嗤うように、嘲るように、煽るように、戯けるように。
BBの過度にまで甘辛い声は参加者に遍く届いた。
殺し合いの打破を目指す者も。陽光の届かない夜闇に潜む者も。ただ生きる事を望む者も。
そして無論、不死なる者にも、例外なく。

「よしと。それじゃあやるか」

放送の内容をチェックし終えたハンチング帽の男、佐藤は気軽にそう言った。
休み時間を告げるチャイムが鳴ったから昼食でも買ってこよう、ぐらいの気軽さだった。
事実、上手い飯屋を探すのも爆撃をかますのも佐藤には大差ない。思わぬ穴場を見つけた喜びと、標的を上手に粉砕出来た喜びにも違いがないように。
この殺し合いが始まって数時間。まず間違いなく最も現状を楽しんでいる参加者の一人だった。

「永井君は呼ばれてなくてよかったよかった。ここじゃ唯一の知り合いだからねえ。
 まあ、僕ら死なないんだけどね」

直接見知った、どころか直に殺し合った仲の相手の無事をひとまず喜ぶ。
まだまだ未確認の相手が多い状況で、一人確かに自分を狙いに来る敵がいるのは程よいスリルを与えてくれる。
こうしてのほほんとマンション爆破を目論んでる最中にも、佐藤を仕留める算段を立ててるのかもしれないのだ。そう思えばこそやる気も湧いてくる。
なので佐藤は呼ばれた名前や、放送の内容をさして気に留めてなかった。せいぜいが入った時点で強制的に首輪を爆破させられるという禁止エリアくらいだ。
首が飛んだ程度で亜人は死なないが、そこはあのBBという少女がなにか仕掛けを施しているだろう。
例えば、エリア内で連続して首が爆破されるようになっていれば成す術がない。

とはいえ、呼ばれていたらそれはそれでまた面白かっただろう。
死なない人間。自分と同じ、完全な不死身とされる亜人の名前が呼ばれる。
それは今まで信じ切っていた亜人の不死性が絶対でないという事実に繋がる。
殺さずに亜人を無力化させる方法、それもある。
それが決まった場合にも名を挙げるのかもしれないが、もし本当に殺せるのだとしたら。
ゲームの難易度は一気に上がる。コインを入れてもコンティニューのきかない一回勝負。これまでにないVERY HARDなモードだ。
それはきっと、楽しいだろう。乗り越えたクリアの達成感は素晴らしいものとなるだろう。
楽しいと。そう思う以外、何も浮かばない。
つまりどう転んでも、佐藤にとっては吉報しかない。

「そんなわけで、景気づけに一発いってみようかな」

ポケットから取り出した牛の文様の入った緑の小箱、ゾルダのデッキをサイドミラーに向けて掲げる。
鏡面に映し出された佐藤の腰にベルトが装着される。何度見ても不思議な現象だが特に気にしてない。
あとは真ん中の空白にデッキを挿し込めば変身は完了する。が、その前にやっておきたい事があった。
せっかく変身ヒーローになれるのだ。ゲームよろしく決まったポーズなんかも入れたくなるのが男だというものだ。
『特に必要ありませんが、思い思いの最高にカッコイイポーズを決めちゃってください♪アナタの胸の厨ニ力(コスモ)を燃やせ!』
説明書にもわざわざ書かれていたし、どうせなら気分よく決めたい。そのために結構拘って考案してみたりしたのだ。


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