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真実の……バトルロワイアル 2

16ハザードは終わらない ◆0zvBiGoI0k:2019/07/17(水) 23:28:59 ID:WdloU3Ms0


円城は決断する。逃げずに立ち向かう選択肢を取る。
多分、相当激怒されるだろうが、それでも決めた。
声の主ももちろん心配だが、誰よりもまず助けたい対象が、手が届く先にそこにいるのだから。


王蛇がはじめてナイチンゲールの攻めの範囲から逃れる。
大抵は刀捌きと稲妻でいなした黒縄地獄に比べ、王蛇の装甲には幾つもの亀裂と破損がある。
効率よく人体を破壊する術を極めた連撃を防ぎ切るだけの技量は浅倉は持ち合わせてはいない。
訪れた微妙な変化のタイミング。
根拠はない。勝負勘に委ねて身を乗り出すまで。

「今だ!」

轟く爆音。鉄の黒馬の嘶きが場に震撼し戦輪を回す。

「うおおおおおおおおおめっちゃ速えエエエ!」

バイクの騎乗経験のない円城に機微なドライビングテクニックを望むべくもない。
テレビで見る仕草を見よう見真似で再現してみただけであり、前に進めただけでも僥倖というべきだった。
距離は十分ある。ここから加速すればかなりの速度になるはず。
必要なのはただ速さ。円城にとってはここから本格的な賭けだ。


迫りくる二輪駆動に、誰よりも強く反応したのは黒縄地獄だった。
正確にいえば、バイク自体にはなんの思いも抱かない。
そこに乗る少年が自爆同然に突っ込んでくるのも些事でしかない。
見ているのはただ一点。
少年が右腕に握って突き出す、荒々しい造りの刀だけだ。

「―――――――――虫。こんな時にでも湧いて出ますか」

無用の殺意が迸る。
絡繰りでも命でもなく鬼の握る無銘の骨刀にのみ専心した斬撃。
バイクの制御に腐心する円城に避ける術もなく、呆気なく武器を取り落とす。
仕掛けた円城も預かり知らぬ、骸となった英霊に残留していた執心は、結果として円城の策を成功に導いた。


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