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真実の……バトルロワイアル 2

128THE KING OF MONSTERS ◆KbC2zbEtic:2019/09/11(水) 22:25:45 ID:wpfq6j5c0


「…………ククッ、フ、フハハハハハハハ!成程成程、煉獄が言っていただけの事はある。
サイコジャックも効果がなく、この私の首をこうも簡単に落とすとは!!」

バカな、と無惨は閉じていた瞼を見開く。
あの男が滅びていないはずがない。無論自分の方が遥かに上位だが、あの男は鬼と限りなく同種のはずだ。
所詮どれだけ真似た所で半端に人の部分を残している木偶や紛い物と違う存在のはずだ。
太陽に背を向けるしかない存在であるはずだ。
何故、
何故立っている!!


「何故、か。そんなもの決まっているし、お前も知っているはずだ」

「首を落とす。全身を微塵に砕く。日光に当てる」


「その程度では――――吸血鬼(われわれ)は殺せんと」


その身に朝陽を浴びながら悠然と雅はその中にち、無惨を見下ろして言う。

「交渉は決裂した、ならば後は実力行使と行こう。
丁度、煉獄には使わなかった玩具が残っている」

瓦礫の下からデイパックを引きずり出し、ある物を取り出す。
黒塗りの鉄塊にすら見えるそれを視認した瞬間、頂点まで上がっていた無惨の血液の体温が俄かに下がる。
あれは不味い物だと本能が警鐘を鳴らす。
とある聖杯戦争で狂気に侵された湖の騎士が使用し、霊基に刻まれ、後にカルデアに召喚された際にも確認された筒状の兵装。
日本国航空自衛隊配備、M61機関砲。

「趣味の玩具ではないし、こんなものを脆い人間に使ってはつまらん結果にしかならんと思っていたが……使うに相応しい相手はいるものだ」

咄嗟に無惨は周囲を見渡すが、退路はない。
配下の鬼たちも同じく行動が制限され、間に合わない。
退路は日光によって塞がれている。事ここに至り悟る、この場が雅にとっての狩場であることを。
そして、鋼鉄の豪雨が訪れる。

DRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR
RRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR!!!!


戦塵が巻き上がり、僅か五秒にも満たない刹那に奏でられる鋼の旋律。
しかしその大破壊の最中に居てなお、千年を生きたという鬼の気配は全く弱まっていない。
そうでなくては。そうであろうとも。
雅は銃撃を止めると数百キロは優に超えるガトリングガンを担ぎ上げて破壊の跡に降り立った。

「ハ、人間相手には過多な玩具だが、偶にはいいものだ、そうだろう?」

雅の視線の先には、半身が丸ごと消し飛ばされた無惨がいた。
既に再生が始まり肉体は再構築されつつあるが、彼にとっては余りにも遅く感じられる。
屈辱だった。まさかこんな下賤な鬼に手傷を追わせられるとは。
だが、今はそれすら気にしている余裕がない程不味い事態だ。
何故なら、先程の雅の攻撃で削れた崖から自分のいる場所のすぐ傍まで陽光が刺している。
離れなければならない。

「どうした、そんな顔をして。まさかとは思うが、陽の光が怖いのか?」

黙れ、私は恐怖などしていない。
千年間増やしたくもない鬼を増やし、人を喰らってきたのは忌まわしい太陽を克服するためだ。
そしてその確かな手掛かりをこの殺し合いで掴んだ。
真に完全な存在へと至るまであと僅か。
だというのに貴様ら如きが道を塞ぐな、この鬼舞辻無惨に道を開けろ!

「もし姫の様に陽光が苦手ならこれをやろう。鏡の前にかざせば鎧が手に入るそうだぞ?
それで全身を覆えば日除けにはなるだろうな」

雅はデイパックから彼に支給されたカードケースを取り出すと、無惨の前に放り投げた。
だが当然猛り狂う鬼がそれを良しとするはずがない。
何せ彼は、未だに自分に与えられた支給品も不服として開けていないのだから。
ましてここまで徴発を受けた相手からの贈呈品などもってのほかだ。

カードケースを破壊するべく拳を振り上げる。
破壊したその後は日陰まで入ってきた雅の穢れた脳漿をぶち撒ける。
無惨の手にかかれば刹那の時間で可能だっただろう――吸血鬼がその手の鉄塊を振り上げていなければ。


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