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闘争バトルロワイアル【二章】

56アルピニスタ ◆ZbV3TMNKJw:2019/06/06(木) 22:33:53 ID:YngMiVUM0

「あのバカ...なんでこんなことになっちまったんだよ」

そんなさやかたちを遠巻きに見つめながら隊長は呟く。
せっかくさやかも自分も知り合いに会えたというのに、いま繰り広げられているのは闘争だ。
誰も脱出の話し合いの席にすらついていない。
雅達の方は楽しむだけ楽しめば気が済むだろうが、さやか達は違う。
あれは本気で斬りあっている。
あのままではどちらかが死ぬまで止まらないだろう。

「そうだ...あいつが悪ィんだ。嘘でも協力するって言っておけばこんなことには...」

雅とクラムベリーはともかく、さやか達に関しては避けられた戦いだ。
さやかが嘘でも杏子たちに協力すると答えればそれだけで済んだ話だ。
なのにさやかは護ると断言してしまった。本人に敵対する意思がなくとも、そうなる可能性は考えられたはずなのに。

「...ワシはもう知らんぞ。協力もここまでじゃ」

そうだ。よくよく考えれば、さやかは吸血鬼ではない上に明以上に付き合いが短い。
そりゃあ確かにワイアルドから護ってくれたことや傷を治してくれたことには感謝している。
けれどこちらとしてもワイアルドを突き落としたりさやかと共闘したりとそれに見合うだけの働きはしたつもりだ。
だからこれ以上彼女に構う義理はない。さやかも隊長に助けを求めない以上、そこは割り切っているだろう。

「ワシは沈む船には乗らん。...恨むんじゃねぇぞ、さやか」

隊長は、ぷいとそっぽを向いて、雅たちへと視線を向けた。


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