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絶望鬼ごっこパロディ
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「鬼は子を追い、子は鬼から逃げ、親は子を守る。」
そんなシンプルなコンセプトで行われるリレー小説企画です。
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【概要】
鬼っぽいキャラと親っぽいキャラと子っぽいキャラで命懸けの鬼ごっこをする。
数は少ないが戦力と情報に優れる鬼、戦力は少ないが数と情報に優れる親、情報は少ないが戦力と数に優れる子の三陣営で争う。
【基本ルール】
1.
参加者は『子』(36名)・『親』(24名)・『鬼』(12名)の三つの役に別れた72名で鬼ごっこをする。
2.
『子』は『鬼』から逃げ、『鬼』は『子』を追い、『親』は『子』を守る。
3.
参加者の間でのやりとりに反則はないが、決められた範囲を越えて逃げてはならない。
4.
勝利条件を満たした参加者が現れたとき、その参加者と同じ役の人間は全員勝利し、元の世界に生き返る。同時に複数の役が勝利した場合、鬼>親>子の順にいずれか一つの役のみが勝利する。
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【役毎のルール】
『子』(36名)
「参加条件」
見た目と実年齢が約16歳未満で、作中で子供として扱われており、超能力などの特殊な力が無いかあってもインフレしていない版権作品のキャラ。
「勝利条件」
制限時間まで一人でも逃げ切る、もしくは、『鬼』が全員死ぬ。
「参加形式」
気がついたら会場内にいる。
「特典」
特別支給品が一つ配られる(ポケット等に潜り込ませられる、『子』への通達は行わない)。
『親』(24名)
「参加条件」
見た目か実年齢が約16歳以上で、超能力などの特殊な力が無いもしくは非常に使いにくいあるいはあってもなくても影響が薄い版権作品のキャラ。
「勝利条件」
『子』が勝利条件を満たしなおかつ『子』の生きている人数が『親』の生きている人数より多い。
「参加形式」
進行役から自分の役・各役の勝利条件・制限時間を目隠しをされて説明された後、会場内にパラシュートで落下させられる。
「特典」
支給品が二つデイパックに入れられて配られる。
『鬼』(12名)
「参加条件」
作中で鬼や悪魔と言われたことのある『鬼』という役に合う何らかの強さを持つ、死亡した版権作品のキャラ。
「勝利条件」
制限時間までに生きている『子』の過半数を主催者本部(F-5神塚山山頂地下)に捕まえる、もしくは、生きている参加者の内過半数が『鬼』になる。
「参加形式」
主催者によって地獄から甦らせられ、自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を説明された後、会場中央にある『鬼』の牢獄から自由行動となる。
「特典」
支給品が三つ「四次元っぽい紙袋@絶望鬼ごっこ」に入れられて配られる(物を中に入れることはできない)。そのうち一つは特別支給品のスマートフォンである。
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【細則】
●会場は地獄@絶望鬼ごっこに再現された沖木島@バトルロワイアル。
●制限時間は24時間。
●5時間経過時点でA段一列が禁止エリアになり濃い霧@絶望鬼ごっこに飲み込まれる。その後1時間毎に10行・J段・01行……と時計回りに一列毎に禁止エリアとなる。
●地獄と繋がった禁止エリアでは全参加者の出典作の地獄にいる鬼等が無限湧きし参加者を無差別に襲う。
●支給品は全参加者の出典作の食料・雑貨・武器などがランダムに配られる。
●特別支給品は以下の四種類。いずれも『子』には九個ずつ配られる。
「水晶」……生きている参加者一人を対象に選んで発動する。水晶越しに対象を見ると参加者の役がわかる。この時対象の役が『親』だった場合、対象は死亡する。使用後自壊する。
「式札」……参加者の死体を一つ対象に選んで発動する。死体に乗せると参加者の役がわかる。この時対象の役が『鬼』だった場合、濃い霧が発生しその死体のあるエリアを即座に禁止エリアとする。使用後自壊する。
「お守り」……生きている参加者一人を対象に選んで発動する。対象が『鬼』だった場合、お守りを対象にぶつけると対象は死亡する。使用後自壊する。
「スマートフォン」……『子』のものと『鬼』のものの二種類があり、それぞれ同じ種類のものと会話・チャット等ができる。ようするにLINE。ただし一対一の通話等はできない。その他の機能は一般的なスマートフォンに準ずる。
【補則】
●持ち物の没収は原則行わない。
●能力制限は原則行わない。
●首輪に類するものはない。
●放送は禁止エリアの指定一時間前毎に次回の禁止エリアについて行われる。死者数・生存者数の発表は行わないが、放送者の雑談は行う。
【メタ的なルール】
●ssを投下する際は名前・トリップ・ルート・状態表を示す。
●リレーを行う際は全ての投下されたssから任意に選んでリレーを行える(ルート分岐制)。そのため投票・予約・並びにssの可否を判断する等のルールはない。
●参加者の初登場話は原則その参加者一人のみをssに登場させるものとする。また状態表のその他欄で人物解説を行う。
【状態表】
【現在地/時刻】
【参加者名@作品名】
[役]:
[状態]:
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:
1:
2:
※その他
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ルールは以上です。
原作の都合上これといったOPはありませんが、参加者が出揃った段階で矛盾がないよう逆算して解説・放送・あるいは資料の配布があったこととするOPを投下したく思います。
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この参加者ですが例えば
鬼 宮本武蔵(刃牙シリーズ)
親 範馬勇次郎(刃牙シリーズ)
子 範馬刃牙(刃牙シリーズ幼年編)
とかも有りなんでしょうか
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企画乙です。早速ですが登場話を投下させて頂きます
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なぜ自分が滅ぼされたのか。
それは、彼が餌となる筈だった子供たちに彼の巣で敗北した後、落ちた地獄で延々と考え続け、そして答えがでない問いであった。
自分は常に食う側の筈だ。無垢な魂を弄び、永遠を生きる存在だ。
その筈なのだ。
何百年も地下に潜み続け、その上で繁栄する人間たちはまさに彼にとっての餌であった。
彼は常に恐怖を与える側であり、恐怖させればさせるほど、餌の味は良くなり、彼をより長く生き長らえさせた。
しかし、そんな彼が最後に突きつけられたのも"恐怖"だった。
それまでただの餌でしかなかった者たちが恐怖を克服し、真っ向から立ち向かってきた。
自身を恐れず、恐怖を乗り越えた人間の精神力と団結力は彼にとって完全なる未知であり、長い年月のなかで初めて感じた真性の恐怖であった。
彼は敗北した。
だが、何の因果かーーペニーワイズは、再び捕食者としての役割を与えられた。
絶望鬼ごっこ。
その遊戯の鬼として、彼は蘇ったのだ。
不自由ではある。
ルールを課せられ、デリーに居たときよりは自由には振る舞えない。
それでも彼は歓喜していた。
彼にとって重要なのは、この場所にルーザーズ(負け犬)は居ない、というただ一点だけ。
居るのは、自身と同じ鬼か無力な餌達だけ、それだけで充分である。
再び自身が恐怖を与える側として、捕食者として振る舞えるのなら、どのような枷をきせられようが文句はない。
牢獄から解放されると、特典として妙な紙袋を渡された。
何やら支給品が入っているらしいが、聞けば鬼以外は殆どが特異な力を持たないらしい。
ならば、自身の幻術と爪だけで充分である。
「さぁ子供たち……皆で浮かぶ時間だ」
自由の身となった"IT(それ)"は、再び味わえるであろう新鮮な恐怖の味を想像しつつ、会場に消えていったのだった。
【???/深夜】
【IT/イット “それ”が 見えたら、終わり。】
[役]:鬼
[状態]:健康、ペニーワイズの姿で行動中
[装備]:ー
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:恐怖させ、喰らう
1:他の鬼にとられる前に喰らいたい
2:手頃な相手は幻術で追い詰める
3:下水道に潜むか……
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恐縮ですが、こういった感じで書いていけばよろしいのでしょうか?
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すみません。人物紹介を書き忘れたので訂正した状態表を貼っておきます
【???/深夜】
【ペニーワイズ@IT/イット “それ”が 見えたら、終わり。】
[役]:鬼
[状態]:健康、ペニーワイズの姿で行動中
[装備]:ー
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:恐怖させ、喰らう
1:他の鬼にとられる前に喰らいたい
2:手頃な相手は幻術で追い詰める
3:下水道に潜むか……
『人物解説』
道化師の出で立ちをした悪魔。対象を威嚇・捕食する際は鋭い牙を剥き出す。
田舎町デリーの下水道に潜み、27年周期で現れ、その都度事故や天災に見せかけては住人を襲っていた。
捕食対象は子供、夢を抱く思春期の少年少女であり、相手が恐怖と感じる物の姿に変化する。
物体を動かす・幻覚を見せる・神出鬼没など超常的な能力を持ち、ほとんどの大人には見えない。
基本的には多感で夢を持つ子供のみに見え、恐怖を与えるほどに美味になることから様々な幻術で対象を追い詰める。
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今更ですがトリップをつけました。
>>6
その例で問題ありません。
勇次郎は参加条件を厳密に言えば上限ギリギリのグレーですが、そのぶん他の参加者も若干インフレさせればなんとかなると判断します。
>>7
投下ありがとうございます。
鬼役の一つの範となるような登場話だったと思います。
その役に相応しいキャラであることを示しながらも時間や場所をぼかすことで本編でリレーする時の裁量を大きくしているのが良いです。
この企画は登場話から任意の作品を選んでリレーを行うという都合上、ホラー・スリラー・サスペンス・デスゲーム等といったノリがあれば大体のものは登場話として成立します。
もちろん貴方の投下も登場話として問題はありません。
また基本的に私は、それぞれの役の定数が埋まり次第本編のリレーを開始しようと考えています。
なのでようするに投下されたものは全通しです。
それでは私も投下します。
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『ルール1:子供は、鬼から逃げなければならない。』
道の脇に立っている掲示板に貼られているチラシに書いてあるのは、その一文から始まる文章だった。
何十何百というチラシが、そこかしこに貼られた町で。
今も空からひらひらと落ちてくるチラシにも、全て同じ文字がある。
『ルール2:鬼は、子供を捕まえなければならない。』
……まさか、また、なのか……?
大場大翔は呆然とした顔であたりを見まわした。
見なれない町並みだった。
近くのショッピングモールに映画を見に、幼なじみ達との待ち合わせ場所に急ぐ途中で通った、普段は使わない近道。
そこから大通りに抜けたと思ったら、この光景だった。
後ろを振り返る。
当然あるはずの今来た道は、どこにも無かった。
『ルール3:きめられた範囲をこえて、逃げてはならない。』
代わりに見えたのは、霧だ。
見渡す限り一面に、うっすらと霧がかかっている。
遠くに見える海も、ある地点からは同じ、いやもっと濃い霧だ。
そしてもう一つ、おかしなところがある。
空が朱かった。
一機の飛行機がチラシをバラ撒く以外は雲もなく、昼か夜かもわからない空模様。
火花がぱらぱらと散っているそれは、絶対に現実にはないものだ。
……一度だけ見たことがあるけれど。
『ルール4:時間いっぱい鬼から逃げきれれば、子供の勝ちとなる。』
文の違いに気づくことなく、大翔は息をひそめて隠れた。
以前の、あの事件のときと同じだ。
小学校に閉じ込められて、命懸けの鬼ごっこをさせられた、あの時と。
『ルール5:親は、子供を守らなければならない。』
なんの説明もなく。
なんの為かもわからず。
ただただ、追い立てられる。
あの時の鬼ごっこと。
大翔が前回の鬼ごっこ――ことりことりに巻き込まれたのは、一月以上は前のことだ。
あまり思い出したくない出来事だが、それでもあれについて考えると、出てくる感想は一つ。
理不尽、だ。
今回の鬼ごっこ――とまだ決まったわけではないけれど、だからこそこれが鬼ごっこだと大翔は思う。
ろくに説明もしないし、説明したとしても不安を煽るようなことばかり言う、あの鬼達なら今の状況にも説明がつくからだ。
ふと、大翔はポケットの中に異物感を感じた。
財布を入れているのとは逆の、何も入れていないはずのそこから感じる感覚に、恐る恐る手を差し入れる。
指先に布と紙の感触がした。
……お守り?
なんの変哲もない、ごくごく普通のお守りと、折りたたまれた紙。
それが掴んだものの正体だった。
『「お守り」……生きている参加者一人を対象に選んで発動する。対象が『鬼』だった場合、お守りを対象にぶつけると対象は死亡する。使用後自壊する。』
大翔が紙を開くと、そっけなくそれだけ書いてあった。
数秒考えて、大翔の顔は曇った。
鬼達が、わざわざ自分達への武器を用意する、ありえないことだ。
わざわざ捕まえる相手に武器をもたせるなんて、馬鹿げてる。
だからこのことの意味は一つ。
ナメられている。
こんなものでも用意しないと、鬼があっという間に子供を捕まえてしまうと、そう考えているのだろうと。
「悠と葵ももしかしたら……」
たぶん、今回は前回より危険だ。
前は大人もいたし子供ももっと多かった。
それが今は大翔一人。
他に同じように巻き込まれた人がいても、例えばそれが幼なじみ達でも、バラバラにされていては一人で戦うのと変わらない。
まずは誰かと合流しないと。
そう方針を決めると、一つ気合を入れて大翔は歩き出す。
視線は飛行機、がチラシと当時に落とし始めたパラシュートがついた何か。
遠目には人のようにも見えるそれは、このわけのわからない状況をなんとかするものであってほしいと、大翔は思った。
【I-7/00時01分】
【大場大翔@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:とにかく人と会う
1:鬼に警戒。
2:幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……当企画のパロディ元である『絶望鬼ごっこ』シリーズの主人公で小学六年生。二巻の『くらやみの地獄ショッピングモール』からの参戦。正義感が強く友達思い。運動会ではリレーの選手に選ばれるなど運動神経は全体的に良い方だが、ペース配分が下手なため長距離は苦手。投下時現在、唯一のリピーターである。なお、彼が本文中で言及したように、絶望鬼ごっこの鬼は理不尽で基本的には公正なデスゲームをする気はない。彼は出典時期的に知らないが、時として鬼はルールを容易にねじまげ、同族でも殺しにかかる。もちろん労働待遇もブラックだ。
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投下終了です。
原作がマイナーなこととルールのオリジナル要素が強いため、さすがに>>1から>>4ではどのような企画か説明不足だと感じたので、最低限の描写をしました。
この企画では登場話の描写から逆算して島の全景を作っていくので、投下された登場話内の描写は原則本編でも同様であるとします。
ただし『絶望鬼ごっこ』並びに会場の出典である『バトルロワイアル』から乖離するような描写(丸太や日本刀が自生している等)は描写のすり合わせが困難になるためお控えいただけると幸いです。
また私の管理の都合上私の投下ssのタイトル前に通し番号をつけますが、これはタイトルに含めません。
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>>3
鬼の説明にて主催者本部と牢獄との表記がありますが、両者は同一の施設であり、別々の名前で呼称しているのはミスです。鬼のスタート地点に子を捕まえる趣旨を明示すると共に、以後両者を『主催者本部・鬼の牢獄』と呼称します。
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基本ルール4について質問なのですが、
例えばゲーム終了時に(鬼12/親1/子10)のような形だった場合
全員勝利条件を満たしているけど、勝利できるのは鬼だけという認識であってますか?
また(鬼0/親24/子36)のような場合、勝利できるのは親だけという事であってますか?
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登場話乙です。原作未把握のため詳細が分からなかったのですが、細部の描写でどう書けばいいのかがある程度伺えました。
登場話投下します
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「なんだコレは……一体どうなっているんだぁーーッ!!!」
驚愕を露にする少年。
彼の名は川尻早人、数多のスタンド使いが集う杜王町の住民である。
父に成り代わった殺人鬼を殺す決意を持ち、いざ決行しようとした直後、彼は全く見覚えのない森林に居た。
当然のごとく混乱が襲ってくるが、既に杜王町に渦巻く非日常に触れていた経験が幸いしたのか、すぐに冷静さを取り戻せた。
(落ち着け、これは、この状況はあの殺人鬼が起こしたことなのか?
僕だけを別の場所に転移させる能力……?)
結論は否。
早人は吉良吉影の新たな能力『パイツァ・ダスト』により、彼の正体を知ろうとするものを爆破し時間を戻す起爆剤にさせられている。
まずこの状況がその能力の延長線上の物なのか確認するために、早人は自傷を試みた。
彼の体には吉良のスタンド『キラークイーン』が憑依しており、仮の本体である早人を自動で守ろうとする。
スタンドを視認できない早人には詳細は知り得ないが、起点となっている自分を何かが守る効果は把握していた。
そこらの手頃な枝を広い、恐る恐る右手を傷つける。
結果、特に妨害されることもなく痛々しい傷が出来上がった。
パイツァ・ダストは解除されていた。
ジクジクとした痛みを我慢しつつ、早人は確信する。
(この状況はあの殺人鬼も予期していないイレギュラー……ッ!!
ということは、同じような力をもつ何者かからの攻撃なのか?)
だとしたら非常に不味い。
この異常な状況が未知のスタンド使いによるものであるのなら、打つ手はない。
「僕にできることは……この世界のルールを把握すること」
手掛かりは、飛行機でばらまかれているこのチラシだ。
『ルール1:子供は、鬼から逃げなければならない。』
『ルール2:鬼は、子供を捕まえなければならない。』
『ルール3:きめられた範囲をこえて、逃げてはならない。』
『ルール4:時間いっぱい鬼から逃げきれれば、子供の勝ちとなる。』
『ルール5:親は、子供を守らなければならない。』
目下、鬼との遭遇は避けるべきなのは火を見るよりも明らか。
単純に考えるなら自分の役は子の可能性が高く、狙われる立場にある。
次に重要なのは、子の勝利条件とやらが時間制限までに逃げ切ることと、親は子を守るという一文である。
このチラシの内容が何処までの強制力を持つのかは定かではないが、一人で行動するよりも協力的な親、もしくは自分と同じ子の人物と早期に合流することが最善だと判断する。
「どちらにせよ、これの使い所も見極めないと危険だな……」
早人の右手には、いつの間にかポケットに入っていた透き通った水晶がある。
『生きている参加者一人を対象に選んで発動する。水晶越しに対象を見ると参加者の役がわかる。この時対象の役が『親』だった場合、対象は死亡する。使用後自壊する』
一緒にポケットに入っていた紙の説明を信じるのなら、鬼が役を偽っている可能性がある場合、もしくは危険人物が親となっている場合に最適なアイテムである。
一度きりの消耗品であるため、おいそれと使用することはできないのが欠点だが。
それとは別に、もうひとつのアイテムに目を向ける。
ランドセルの中に収められているそれは、早人にとっての切り札、空気を弾丸のごとく発射する謎の植物『猫草』である。
元は父の顔をした殺人鬼を殺すために持ち出していた物だが、人体に風穴をあける空気弾は身を守るためには充分すぎる武器と言える。
「……まずは何処かで傷を消毒しよう」
目指すのは早急な帰還。
あの殺人鬼と母を一秒でも一緒に居させるわけには行かない。
決意とともに、小学生は歩みだした。
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【F-07 森林地帯/00時15分】
【川尻早人@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:子
[状態]:健康、右手に切り傷
[装備]:『水晶』、先の尖った枝、ランドセル
[道具]:猫草@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない
[思考・行動]
基本方針:早急に帰還する
1:鬼に警戒。
2:できれば親、もしくは子と合流したい
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。
自分の役を子であると推測しています
人物解説……
『ジョジョの奇妙な冒険』第4部 ダイヤモンドは砕けないに登場する少年。
本編時では11歳の小学生である。
川尻浩作の息子であり、吉良吉影にとって変わられた父親の奇妙な点をいち早く見抜き、『偽の父親』である吉良と戦う決心を決める。
登場した頃は自分は両親が愛し合った末に生まれた子供なのかを疑問に思い、監視カメラを家に仕込むなど天邪鬼で人間不信気味な少年であった。
しかし吉良と戦う覚悟を決めたあとはスタンド能力を持たないながらもその知恵と勇気だけで大活躍し、東方仗助たちと共に吉良を追い詰めることに成功する。
殺人鬼を脅す度胸や、バイツァ・ダスト発動中の誰ひとり味方のいない中、仗助を呼び出す機転、爆弾に変えられた虹村億泰に自ら触れることで解除する覚悟はまさに『黄金の精神』そのもの。
『猫草@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』
スタンド使いの野良猫が植物と融合して誕生した生物。
川尻早人が吉良吉影を殺害するために持ち出したものがそのまま持ち越されていた。
空気を自在に操る能力を持ち、圧縮した空気を弾丸のように撃ち出して攻撃する事が可能。 また周辺の空気を真空状態とする事で炎や爆発を起こさせない事もでき、さらには生物の血管に空気を注入すれば空気塞栓を起こさせ死に至らせる事もできる。
スタンド使いでない者にも猫草が操っている空気はかろうじて見えるようで、早人はその特性を突いて危機を切り抜けたり、空気弾の場所を伝えたりした。
もっとも猫草自身は気まぐれな性格のため、基本的には自分を攻撃しようとする者がいたり機嫌が悪い時以外には、この能力で他者を攻撃する事は無い。
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投下終了です。装備品は没収されないとの事なので猫草を持たせましたが、大丈夫でしょうか?
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>>15
勝利条件の優先度は鬼>親>子ですので、
> 例えばゲーム終了時に(鬼12/親1/子10)のような形だった場合
> 全員勝利条件を満たしているけど、勝利できるのは鬼だけという認識であってますか?
この場合は鬼の勝利となります。
ただしこの場合、ゲーム終了時、つまり制限時間終了までに鬼の勝利条件が満たされることとなるはずのためその段階で勝利となります。
> また(鬼0/親24/子36)のような場合、勝利できるのは親だけという事であってますか?
はい、親だけです。
上記にあるように勝利条件は優先権が高い順に判定し、いずれか一つの役のみが勝利します。
>>16
投下乙です。
登場話にこれといった正解はありませんが、だいたいそういう雰囲気で間違いないと思います。
道具の没収も無いので猫草の持ち込みも問題ありません。
鬼役に適役なキャラと因縁がある点もグッドです。
ルールの推測シーンは小学生離れしていますが早人なので充分可能ですし、その登場話に何も問題は無いと考えます。
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投下します
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遅れました投下します
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遠くで何かが聞こえているような気がする。
聞いたことのない声だ。
性別も年齢も判然としない謎の声、それが何事かを喋っている。
そして次に感じたのは、浮遊感だ。
シャトルに乗っているときのそれとは違う、重力のかかり方を体に感じる。
その感覚をきっかけに、自分の四肢が拘束されている違和感と、自分が何かに腰掛けている事実に、鉄華団団長オルガ・イツカは気がついた。
(なんだってんだ……?)
顔に浴びる風は、強く、早い。だがその速度は一定だ。制御されている。下からの一方向。
自由落下ではなく、降下――生身であることを考えると、おそらくはパラシュート、だろう。とにかく自身はふわふわとしたものを覚えながら落っこちている、それは確実であった。
(走馬灯、ってやつか……)
体表を流れる気流を感じながら、オルガはそんなぼうとしたことを考えていた。
覚えている最後の記憶は、背中に突き刺さった銃弾の痛みと身体から流れる血の熱と地面の凍れる冷たさだ。
致命傷だということはわかりきっている。
ヒットマンに銃撃され、ついにくたばろうとしている、はずだった。ならこれは、走馬灯だろう。そうでないのなら――
「地獄、か?」
どん、という感触に尻の痛みを覚えながら、そうつぶやく。
状況は全くわからないが、死にゆく自分が行くべき場所など限られている。
天国にパラシュートなんてものがあるとは思えない以上、ここは地獄だろう――地獄に落ちるのにパラシュートが用意されるなんて話も聞いたことはないが。
とにもかくにも、ピンとこない。死後の世界なんてろくに考えたこともないが、こんなことを予測できるやつはいないだろうな、などと考えていると、顔に軽い衝撃がすると共に視界と聴覚と四肢が解放された。
「どういうことだ?こりゃ……」
数分後、そこには解放された手首をさすりながら座席を改めているオルガの姿があった。
目の前には、パラシュートのついた椅子としか形容できないものが一脚。自分が鉄華団の団長として座っていた椅子とどっこいどっこいの高級感とチープさを合わせ持った、成金趣味を伺わせるものだ。座席の下には物を入れるためのスペースがあり、その中にはデイパックが入っていた。
「……どうなってんだ……」
オルガ、更に混乱。
自身の置かれている状況と、その直前までの状況に全く脈絡が無い。なぜ火星の都市にいた自分が、赤い空をした地球と思わしき島にいるのか。なぜこんなわけのわからないもので空から、考えるに今も自分の頭上から遠ざかっていくオンボロの飛行機から落とされたのか。意味も趣旨も理解できない……が、嗅ぎなれた匂いを感じてデイパックに目を向けた。
中身は銃器だ。そうあたりをつけて思い切ってファスナーを開けると、予想通りマシンガンと思わしきものが出てきた。整備に使う油の匂いが微かにしたことからもしやと思ったが、旧式であるものの確かに殺傷能力を持つ凶悪な武器をその手に取った。
意味はわからない。だが趣旨は理解できた。つまり、最初と一緒だ。
「ヒューマンデブリにでもされたか?扱い雑過ぎんだろ……ん?」
ようするに、切った貼っただ。そう状況を理解する。なんだかよくわからないが、護身用というレベルでない武器と共に見知らぬ場所に拉致られる。尋常な自体のはずがない。それが手の中の重さによって理解させられながら、オルガはデイパックの中の文字に気づいた。
内ポケットのところ、そこに何やら文字が印刷されている。鉄華団団長たるもの文字は当然読める。苦もなくそれは読めるがオルガの眉間には皺が寄った。
『貴方の役は『親』です。
勝利条件:『子』が勝利条件を満たしなおかつ『子』の生きている人数が『親』の生きている人数より多い(このとき『親』のみ勝利する)。
制限時間は24時間です。』
「まるでわからねえ……勘弁してくれよ……」
役とはなんなのか、勝利条件と書いてあるが『子』なるものの勝利条件がわからないので結局わからない、いやそれ以前に何に勝つのか、制限時間とはなんなのか。かえって謎が深まった。
いくらなんでもこれだけということはないだろうとデイパックをあさるが銃の説明書とよくわからないもの、それのみ。これでどうしろというのだ。
思わず空を見上げる。そこで初めて、飛行機がビラらしきものをバラまいていることに気づいた。どうやら、見えているのに見えていなかったようだ。
「クールになれ、オルガ・イツカ。まずは、一つずつ、やっていく。」
言葉に出して言い聞かせると、オルガはデイパックをひっつかみ歩き出す。まずは、あのビラを見てみるか。落っことした側が撒いているのだ、何か有益な情報があるだろう、そう考えて。
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間違えた方を投下したので投下し直します
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遠くで何かが聞こえているような気がする。
聞いたことのない声だ。
性別も年齢も判然としない謎の声、それが何事かを喋っている。
そして次に感じたのは、浮遊感だ。
シャトルに乗っているときのそれとは違う、重力のかかり方を体に感じる。
その感覚をきっかけに、自分の四肢が拘束されている違和感と、自分が何かに腰掛けている事実に、鉄華団団長オルガ・イツカは気がついた。
(なんだってんだ……?)
顔に浴びる風は、強く、早い。だがその速度は一定だ。制御されている。下からの一方向。
自由落下ではなく、降下――生身であることを考えると、おそらくはパラシュート、だろう。とにかく自身はふわふわとしたものを覚えながら落っこちている、それは確実であった。
(走馬灯、ってやつか……)
体表を流れる気流を感じながら、オルガはそんなぼうとしたことを考えていた。
覚えている最後の記憶は、背中に突き刺さった銃弾の痛みと身体から流れる血の熱と地面の凍れる冷たさだ。
致命傷だということはわかりきっている。
ヒットマンに銃撃され、ついにくたばろうとしている、はずだった。ならこれは、走馬灯だろう。そうでないのなら――
「地獄、か?」
どん、という感触に尻の痛みを覚えながら、そうつぶやく。
状況は全くわからないが、死にゆく自分が行くべき場所など限られている。
天国にパラシュートなんてものがあるとは思えない以上、ここは地獄だろう――地獄に落ちるのにパラシュートが用意されるなんて話も聞いたことはないが。
とにもかくにも、ピンとこない。死後の世界なんてろくに考えたこともないが、こんなことを予測できるやつはいないだろうな、などと考えていると、顔に軽い衝撃がすると共に視界と聴覚と四肢が解放された。
「どういうことだ?こりゃ……」
数分後、そこには解放された手首をさすりながら座席を改めているオルガの姿があった。
目の前には、パラシュートのついた椅子としか形容できないものが一脚。自分が鉄華団の団長として座っていた椅子とどっこいどっこいの高級感とチープさを合わせ持った、成金趣味を伺わせるものだ。座席の下には物を入れるためのスペースがあり、その中にはデイパックが入っていた。
「……どうなってんだ……」
オルガ、更に混乱。
自身の置かれている状況と、その直前までの状況に全く脈絡が無い。なぜ火星の都市にいた自分が、赤い空をした地球と思わしき島にいるのか。なぜこんなわけのわからないもので空から、考えるに今も自分の頭上から遠ざかっていくオンボロの飛行機から落とされたのか。意味も趣旨も理解できない……が、嗅ぎなれた匂いを感じてデイパックに目を向けた。
中身は銃器だ。そうあたりをつけて思い切ってファスナーを開けると、予想通りマシンガンと思わしきものが出てきた。整備に使う油の匂いが微かにしたことからもしやと思ったが、旧式であるものの確かに殺傷能力を持つ凶悪な武器をその手に取った。
意味はわからない。だが趣旨は理解できた。つまり、最初と一緒だ。
「ヒューマンデブリにでもされたか?扱い雑過ぎんだろ……ん?」
ようするに、切った貼っただ。そう状況を理解する。なんだかよくわからないが、護身用というレベルでない武器と共に見知らぬ場所に拉致られる。尋常な自体のはずがない。それが手の中の重さによって理解させられながら、オルガはデイパックの中の文字に気づいた。
内ポケットのところ、そこに何やら文字が印刷されている。鉄華団団長たるもの文字は当然読める。苦もなくそれは読めるがオルガの眉間には皺が寄った。
『貴方の役は『親』です。
子の勝利条件:制限時間まで一人でも逃げ切る、もしくは、『鬼』が全員死ぬ。
親の勝利条件:『子』が勝利条件を満たしなおかつ『子』の生きている人数が『親』の生きている人数より多い(このとき『親』のみ勝利する)。
鬼の勝利条件:制限時間までに生きている『子』の過半数を主催者本部(F-5神塚山山頂地下)に捕まえる、もしくは、生きている参加者の内過半数が『鬼』になる。
制限時間は24時間です。』
「まるでわからねえ……勘弁してくれよ……」
ようするに鬼ごっこ、なのだろうか。だがそれにしては出てくる言葉が物騒すぎる。いくらなんでもこれだけということはないだろうとデイパックをあさるが銃の説明書とよくわからないもの、それのみ。これでどうしろというのだ。
思わず空を見上げる。そこで初めて、飛行機がビラらしきものをバラまいていることに気づいた。どうやら、見えているのに見えていなかったようだ。
「クールになれ、オルガ・イツカ。まずは、一つずつ、やっていく。」
言葉に出して言い聞かせると、オルガはデイパックをひっつかみ歩き出す。まずは、あのビラを見てみるか。落っことした側が撒いているのだ、何か有益な情報があるだろう、そう考えて。
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【A-08/00時06分】
【オルガ・イツカ@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:UZI@現実
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:とにかく生き残る。
1:ビラを取りに行く。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズのW主人公の一人。クールでカッコよくて最高に粋がっている、民間警備会社『鉄華団』の団長。暗殺後からの参戦。
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投下終了です。グダグダしてすみませんでした。
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登場話乙です。真面目なオルガを見るのは随分と久しぶりな気がします。彼は此処でも止まらないのでしょう
自分も投下します
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続々と投下されつつあるパラシュートがまたひとつ、地獄に舞い降りる。
突然のスカイダイブから見覚えのない町並み、それらを一巡して一言。
「これもうわかんねぇな」
褐色の青年『田所』は、呆然と呟くのだった。
彼は自身の置かれている状況が全く理解できていなかった。
つい先刻まで、自身の自宅で密かに思いを寄せる後輩と共に、屋上で楽しい一時を過ごしつつ、アイスティーを振る舞うために席を外した所までは覚えている。
ぼんやりとした記憶の片隅で、親やら子やら鬼やら説明のような事は聞いた気がする。しかし脈絡が無さすぎて全く内容が理解できない。
「頭にきますよ!」
田所は愛する後輩との蜜月の時を邪魔されたことに激しい怒りを抱いた。
折角自分が苦労して山門芝居のアドリブのような違和感ありまくりの台詞を連発してまで遠野を屋上に誘い出すことに成功したというのに、これではまた振り出しである。
(折角遠野に俺の熱い思いを伝えられると思ったのになぁ〜……これも無駄になっちまった)
汚ならしい目線の先には、遠野に一服盛るつもりだった睡眠薬が握られていた。
田所は同性愛者、つまりホモである。当然、後輩の遠野も男性ではあるが、相手が同じホモだとは限らない。
自身の恋愛感情が社会全体からみれば少数派であることは田所も理解しているが、それでも遠野への思いは押さえられなかった。
だからこそ、昏睡させ犯し、力ずくで自分のものにする計画までたてたのだ。
「アイスティーをいれに行ってからどれだけ時間がたったかわかんねぇけど、流石に遠野も怒って帰っちゃったよなぁ……」
落胆しつつも、そのままここに突っ立っていても意味はない。
それにブリーフ一丁だと肌寒いので、手掛かり探しのついでに何か着るものがないか、座席を漁り始める。
「ファッ!?」
驚愕する田所。座席の下のスペースからディバックが出てきたまでは良かったが、中に入っていたのは一振りの日本刀であった。
時代劇でしか見たことのない物珍しいアイテムに若干の感嘆を覚えるが、鞘から刀身を抜き取ると直ぐ様顔色が変わる。
模擬刀かと予想していたが、怪しく輝く刀身は素人目でも本物であると分かる。
(マジ真剣じゃねぇか……これで俺に何をしてほしいってんだよ)
この場所全体の何処と無く不気味な気配もあり、自分がとんでもないことに巻き込まれていることを実感したのか、「クゥーン……」と子犬のような嗚咽を漏らしつつ田所は刀を鞘に納める。
「そういえばあの声……子を守れ、とか言っていたな。俺以外にもここに連れてこられてる奴等が居るのか?」
他に同じく拉致された人間が居るのなら、自分よりも詳細な情報をもつ者も居るかもしれない。少し物騒だが、自衛のための武器も手元にはある。
「こんな不気味な場所からはとっととおさらばしたいんだよなぁ〜 頼むよ〜」
手元に武器があることと、同じ境遇の第三者の存在に思い至って余裕ができたのか、先程から飛行機があちこちにビラやらをばらまいていることに気がついた。
タイミングよく足元に落ちてきたものを拾い上げて目を通すと……
『ルール1:子供は、鬼から逃げなければならない。』
『ルール2:鬼は、子供を捕まえなければならない。』
『ルール3:きめられた範囲をこえて、逃げてはならない。』
『ルール4:時間いっぱい鬼から逃げきれれば、子供の勝ちとなる。』
『ルール5:親は、子供を守らなければならない。』
「うーん、つまり鬼ごっこをしろって事か? ……あ ほ く さ 」
なぜ自分がこんな馬鹿げた事に付き合わなければならないのか。忘れかけていた怒りが沸々と胸にたぎってくる。
(これってあれか、テレビのドッキリか何かじゃないんですかね?)
しかしただのドッキリにしてはタチが悪すぎるし、素人に真剣渡したりとか完全に訴訟問題である。
ふと見ると、自分と同じようなパラシュートがちらほら飛行機から放り出されているのが目に留まった。
そのうちのひとつが、運が良いのか悪いのか田所の近くに不時着しそうであった。
「あの辺にィ、パラシュート、落ちそうっすよ。じゃけん見に行きましょうね〜」
得体のしれない恐怖感をまぎらわせるためにわざと明るく宣言すると、田所は警戒しつつ歩きだした。
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【A-09/00時010分】
【水泳部の田所@昏睡レイプ! 野獣と化した先輩】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:睡眠薬(持参)、日本刀
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:家に帰る
1:付近に落下したパラシュートを確認しに行き、人がいたら話を聞きたい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……
ゲイビデオ「真夏の夜の淫夢」第四章「昏睡レイプ!野獣と化した先輩」の登場人物。
体調の悪そうな後輩を労ったり、サンオイルを塗ってあげたりする人間の鏡であるが、その裏では睡眠薬による昏睡レイプを計画するような人間の屑でもある。
あくまで『野獣先輩』ではなく四章の水泳部の田所としての参加のため、某動画サイトで確認される特殊能力は一切備えていない。迫真空手は修得しておらず、支給された日本刀もあくまで現実水準のもので邪剣夜ではありません
アイスティーに睡眠薬を盛る直前からの参戦なのでブリーフ一丁。
『睡眠薬』
先輩の所持する睡眠薬。医薬品とは思えない程効き目が早く、耐性のない存在は良くて数分、最悪一分弱で相手は昏睡す
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投下終了です
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>>28
投下乙です。
これで三役それぞれの違いが示され当企画における登場話の雛形がまず揃いました。今後はその投下が親役の重要な参考例となることは間違いないと思います。
それとご報告ですが、近日中にwiki形式でまとめサイトを公開したく思います。
適宜登場話を収録していきますので今後も皆様よろしくお願いいたします。
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wiki作成乙です。登場話投下します
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「……ここ、どこ?」
君原姫乃は呆然とした顔であたりを見渡した。
見覚えのない町だ。
少なくとも、地元ではない。
人の気配がなく、霧の立ち込めた街並みは、まるで、出来の悪いホラー映画を連想させる。
友人と遊びに出掛ける約束をして、家を出たことは確かだ。
しかし、なぜ自分がここに居るのか全くもって理解できない。
寄り道をしたわけでもなく、何時もは通らない道を通った訳でもない。
ふと異常はそれだけではないことにも気がついた。
空が、朱かった。
火花が散っているそれは、明らかに夕焼けとかそういう次元の話ではなく、
どうやら自分が普通じゃないことに巻き込まれていることを直感させた。
見上げる姫乃の顔に影が射す。
気分の比喩ではない、先程から飛行機がパラパラと紙吹雪のごとく何かをばらまいている。
その内の一枚を、反射的に掴みとる。
そこに記されているのは、子どもの遊戯のような、必要最低限のルールであった。
「……」
訳がわからない。
得られた情報は現状では何の意味もなく、ふと心細さが急激に強くなる。
日常を生きる高校生の彼女には、現状を冷静に考察できる経験が足りなかった。
(そ、そうだ! 町なんだから人、居るよね!ここが何処なのか訪ねて、できれば電話を借りよう!)
不安を振り払うように頭をぶんぶんと降る。
このまま此処に居ても、状況は好転しない。それだけは分かる。
姫乃は『蹄』を踏み出した。
ーーそう、蹄である。
君原姫乃は知らない。
彼女の常識にある人間の定義は、他世界と大きく異なる事を。
半人半馬の存在が、この場においてどのような目でみられるのかは、まだわからない。
【現在地/時刻】
【君原姫乃@セントールの悩み】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:未確認
[道具]:お出掛け用の小物など
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
1:とりあえず人を探す
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握
人物紹介……
セントールの悩みの主人公。陽立県立新彼方高等学校に通う人馬の女子高生。
素直でおっとりした性格をしている反面、鋭い考察力も有している。容姿や性格から姫(君)とあだ名される。
雑誌モデルの仕事を頼まれ、表紙を飾ったこともある美少女。
幼い頃に見た映画のトラウマで爬虫類にトラウマがあり、南極人が苦手。
最たる特徴は人馬であること。つまりケンタウロス。魔人とか亜人とかではなく、彼女の世界では普通の人間にあたる。
我々で言うところの人間は四肢人類と呼ばれ、空想SF扱いになっている。
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投下終了です。状態表にミスがあったので訂正します
【F-06/00時03分】
【君原姫乃@セントールの悩み】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:未確認
[道具]:お出掛け用の小物など
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
1:とりあえず人を探す
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握
人物紹介……
セントールの悩みの主人公。陽立県立新彼方高等学校に通う人馬の女子高生。
素直でおっとりした性格をしている反面、鋭い考察力も有している。容姿や性格から姫(君)とあだ名される。
雑誌モデルの仕事を頼まれ、表紙を飾ったこともある美少女。
最たる特徴は人馬であること。つまりケンタウロス。魔人とか亜人とかではなく、彼女の世界では普通の人間にあたる。
我々で言うところの人間は四肢人類と呼ばれ、空想SF扱いになっている。
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投下します。
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「フン……鬼ごっこねェ!?」
深夜。黒ずくめのチンピラが、真っ暗な夜道をすいすい歩いて行く。顔には多数のピアス。
反射神経、集中力、第六感、身体能力、特殊能力、耐久力、吸血能力、etc etc。
そして、人間の肉体を軽々と引きちぎる『力』。純粋な暴力。
変身能力はなく、知性も高いわけではないが―――下っ端の『吸血鬼』としてはそれなりだ。
彼は、己の理知をもって超常の力を自覚し、好き好んで行使する者。血を吸う『鬼』だ。ゲスで残忍な。
「なんでもいいや。くだらねえ、くだらねえ。俺にとっちゃあ、人殺しができて生き血がすすれれば、なんでもかまわねーや」
彼は、とっくの昔に地獄に落ちた。だが主催者によって蘇生させられ、この殺人ゲームの舞台に引き出された。
ゲームに勝利すれば、彼は現世に復活することが出来るのだという。慈悲深くも有り難い話だ。彼は喜んでこの話に乗ることにした。
「鬼ごっこだかなんだか知らねーが、子だか親だか知らねーが」
ルールや支給品は確認した。両手には、いい感じの機関銃。特殊能力もない人間を狩るには充分。
子を過半数捕まえるか、皆殺しにすればゲームは勝ちだ。鬼同士で殺し合う必要は皆無。むしろ協力すべきだろう。
「ブッ 殺してやらあ」
【???/深夜】
【ヤン・バレンタイン@HELLSING】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:FN P90 短機関銃 2挺 サプレッサー&スコープつき
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:殺し、犯し、食らう
1:子を見つけたら狩る。捕まえてもいいらしいが、めんどいし殺す方が楽しいので殺す。親よりは子を優先。
2:支給品などで反撃を受けないよう気はつける。トドメを刺したら血肉を啜る。
3:最高に勃起モンだぜ!!
『人物解説』
漫画『HELLSING』2巻に登場する人造吸血鬼。CV:高木渉(OVA版)。顔中にピアスをつけ、黒ずくめのパンクな服装をしたゲスなチンピラ。
身体能力はそれなりに高いが、特殊能力はない。日中に普通に屋外で行動しているので、特に日光に弱いわけでもない。
ナチスの残党組織「ミレニアム」に所属しており、兄ルークとともに銃火器で武装したグール(ゾンビ)の軍団を率いてヘルシング邸を襲撃。
邸内の私兵部隊を壊滅させるが、執事ウォルターと吸血鬼セラスによってグールが殲滅され、自身も取り押さえられる。
一瞬の隙を突いて拘束を抜け出し、重要人物が集う円卓会議室に突入するも、一斉射撃を浴びて倒れる。さらに体内に仕掛けられた発火装置により炎上、死亡した。
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投下終了です。
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皆様投下乙です
私も投下します
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「グヌヌヌ...許さん、許さんぞぉ!」
老人は憤慨していた。
大量に蓄えた白髭と頭部を覆う大量の白髪は見るものに賢者を連想させ、その鍛え上げられた肉体は若者よりも精気を溢れさせている。
そんな老人が何故ここまで怒っているのか。
それは、こんな遊戯に招かれてしまったことである。
説明は受けた。自分の役割も知った。見事勝利すれば現世に生還できることも知った。それらを受け入れた上で、彼はこめかみに血管を浮き立たせる。
「このワシを奴隷のように、しかもこんな箱庭に閉じ込めるだとぉ!?ふざけおってゴミ共がぁぁぁ!!」
彼の怒りは正義感によるものなどではなかった。
それもそのはず。
彼の名はDr.ヘル。
世界制服を夢見る邪悪の化身ともいうべき狂科学者なのだから。
彼はその誰よりも優れた天才的な頭脳を有しているが故に、誰よりもプライドが高かった。
そんな彼が、強制的に鬼ごっこに参加させられれば憤慨のひとつや二つもするだろう。
「まあ、ワシが鬼、それがあの三役の中では適役だと判断したことだけは褒めてやろう。今だけは貴様らゴミ共―――いや」
言葉を区切り、深く息を吸い込み、ピタリと止める。
そして
「聞こえておるのだろう兜十蔵ォォォォ〜〜〜〜〜〜〜!!!今だけは貴様の悪戯に付き合ってやろう!だが、それが終われば次は貴様の番じゃあああああ!!!」
天高く、爆弾のような怒声が響き渡った。
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兜十蔵。
それは、Dr.ヘルの最大にして唯一のライバルである。
ヘルはこのおにごっこのルール説明時に兜十蔵の声や痕跡を捉えたわけではない。
だが確信していた。
死んだはずの者を復活させ拉致しあまつさえ半ば強制的に従わせるなどという覇王染みた行い、それをこのDr.ヘルにできるのは自分とほぼ同等の天才的頭脳を持つあの男をおいて他にいないと。
奴は既に死んでいたはずだが、マジンガーZに殺されたはずの自分がこうして復活した以上、奴も復活していてもなんら不思議ではない。
「貴様は唯一ワシに届きうる頭脳の持ち主であることは認めておる。だが、それはあくまでも可能性の話!貴様がワシの上に立つなど断じて認めんぞぉぉぉ!!」
己が怒りとプライドを振りかざし、屈強な老人は駆ける。
幾つになっても、どんな状況に陥ろうとも、彼の突き進む道はただ一つ。
"世界征服"という漢の覇道、それだけだ。
【C-5/00時11分】
【Dr.ヘル@真マジンガーZERO】
[役]:鬼
[状態]:超健康
[装備]:バードスの杖(ただし現在は機能が停止しているため実質は頑丈な棍棒程度、本人はまだ気がついていない)
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:戦いに勝利しこの企画の主催にいるであろう兜十蔵をぶち殺す。その後に改めて世界征服に乗り出す
1:鬼として勝利する。
2:従来のルール以外にゲームをクリアする方法があれば、兜十蔵の鼻を明かす為にもそちらを優先したい。
※補足
・兜十蔵
天才的科学者にしてDr.ヘルの因縁のライバル。
本当にこの企画に関わっているかは不明。
・人物解説
おなじみマジンガーシリーズのボスキャラのマッドサイエンティスト。
野望は世界制服、機械獣を従えているなど基本的には従来のマジンガーシリーズに沿っているが、一番の違いはその肉体での強さ。
老人とは思えぬほど鍛え上げられた肉体で『機械道空手』を駆使し、拳銃を装備したボディーガード程度では何人束になろうが時間稼ぎすらできないほど強い。超強い。
しかも、従来のマジンガーシリーズでも発揮してきた悪魔的な頭脳は衰えることなく健在で、まさに『暴』と『智』を兼ね備えた数多のDr.ヘルの中でも最強のDr.ヘル。
部下のことはそれなりに重宝し、その身と引き換えに手柄をあげた時などには心底褒め称えたりするものの、それはあくまでも『面白いおもちゃは手放したくないなぁ』程度の愛情であり、部下が人質などにされれば一瞬躊躇って容赦なく敵ごと捻りつぶす。
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投下終了です
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皆様投下乙です。自分も投下します
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Ki…ki…ki mu…mu…m…
ki…ki…ki mu…mu…mu…
ki…ki…ki mu…mu…mu…
―――――“Kill mum"
深夜、霧の立ち込める森の中を怪人が、のしのしと歩いていた。
大柄な体格と、何よりも素顔を覆い隠すアイスホッケーマスクが目立つ。
「……」
彼は鬼だ。現世で復讐のために人をひたすら殺し続けた怪物。
不死身の肉体と、人間の肉体を容易く破壊する怪力を備えた、伝説の殺人鬼。
名をジェイソン・ボーヒーズ、クリスタルレイクに潜む殺人鬼である。
今回、地獄から鬼役として復活したジェイソンの行動方針は至ってシンプルそのもの。
ーー殺す。
親も子も、同じ鬼ですらも区別がついているのかも怪しい純粋な殺意こそが、彼を突き動かしているパワーであった。
悩むことなど何もない。
彼は幾度も死から蘇り、惨劇をもたらしてきた。
ここでも同じことをするだけだ。
殺戮の舞台がクリスタルレイクから沖木島の、正確にはその島を再現した地獄に代わろうと、何一つ変わらない。
解き放たれた殺人鬼は獲物を求めて歩き続ける。
子か、親か、もしくは鬼か。
誰の血が(もしくは命が)彼によって流されることになるのかは、まだ、わからない。
【???(深い森の何処か)/深夜】
【ジェイソン・ボーヒーズ@13日の金曜日シリーズ】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:マチェット
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:殺す。見敵必殺。
『人物解説』
ホラー映画『13日の金曜日』シリーズに登場する架空の殺人鬼。
11歳の時から先天的な障害による顔の奇形と脳の小ささが原因による虐めを受けていたが、その虐めが原因で溺死したと思われていたが実は生存していた。
息子を失って狂ってしまった母親が次々に凶行を重ねるも殺害される原場を目撃し、以降殺人鬼として400人近くの人間を殺害する。
初期は異常に頑丈なだけの人間であったが、途中から不死身化。
何度死亡しても、落雷や超能力、サイボーグ化などによって毎度のように復活を繰り返し、死亡する度に人間離れした怪物へと変貌している。
弱点は、母親と同じ恰好や話し方をする女性や、幼い頃の自分と重なる相手と相対すると戦意を喪失する事がある事と、溺死したため水が苦手とされるが、彼自身は大嫌いなだけで致命的な弱点ではない。
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投下終了です。
状態表にアイスホッケーマスクを書き忘れたので貼っておきます
【???(深い森の何処か)/深夜】
【ジェイソン・ボーヒーズ@13日の金曜日シリーズ】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:アイスホッケーマスク、マチェット
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:殺す。見敵必殺。
『人物解説』
ホラー映画『13日の金曜日』シリーズに登場する架空の殺人鬼。
11歳の時から先天的な障害による顔の奇形と脳の小ささが原因による虐めを受けていたが、その虐めが原因で溺死したと思われていたが実は生存していた。
息子を失って狂ってしまった母親が次々に凶行を重ねるも殺害される原場を目撃し、以降殺人鬼として400人近くの人間を殺害する。
初期は異常に頑丈なだけの人間であったが、途中から不死身化。
何度死亡しても、落雷や超能力、サイボーグ化などによって毎度のように復活を繰り返し、死亡する度に人間離れした怪物へと変貌している。
弱点は、母親と同じ恰好や話し方をする女性や、幼い頃の自分と重なる相手と相対すると戦意を喪失する事がある事と、溺死したため水が苦手とされるが、彼自身は大嫌いなだけで致命的な弱点ではない。
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投下します
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地獄に再現された沖木島の一角に、1人の男が立っている。
ここで行われる絶望鬼ごっこのルールに当てはめるなら、親にしか見えない男だ。
しかし実際は違う。
彼は鬼だ、人を殺さずには居られない殺人鬼だ。
そしてこの絶望鬼ごっこでも鬼の役でここにいる。
そんな彼の名は、吉良吉影。
「ふむ、闘争は嫌いだがさすがに今回ばかりは積極的にいかせてもらおう」
吉良は思った。
この絶望鬼ごっこ、何の目的で行われているのかは知らないが生き返ることが出来るのなら付き合うのもやぶさかではない。
美しい手に出会えないかもしれないが、それはここでは我慢しよう。
だが積極的に殺して回るつもりはない。そんなものは他の鬼に任せておけばいい。
他は知らないが、私は肉体的には普通の人間だ。銃の一発で死んでしまう。
ならばどうするか。親の振りをすればいい。
私の外見は知っている人間以外が見ればどう見ても普通の人間だ。
まさか私を鬼だと思う奴など知り合いでもない限り居はしない。
親の振りをして子を主催者本部に連れていくも良し。
キラークイーンで跡形もなく消しとばすも良し、だ。
「さて、まずは子か親を探すとするか」
そして吉良は一歩歩き出す。
己の望む平穏の為、己の身勝手な欲望の為。
【???/深夜】
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[役]:鬼
[状態]:健康、姿は川尻浩作
[装備]:ー
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:親の振りをしながら鬼以外を始末する
1:まずは子か親を探す
『人物解説』
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第4部ラスボスのスタンド使い。
一見すると普通のサラリーマンにしか見えないが、実際は人を殺さずにはいられない殺人鬼。
手の美しい女性ばかりを狙い15年間で多くの人間を手にかけ、必要とあらば男性も殺してきた。
性格は、激しい喜びも深い絶望もない、平穏で波のない「植物の心のような生活」を幸福とする。
そのため戦いを嫌い、なるべく避けるように立ち回る傾向にある。日常生活でも目立たないように過ごしてきた。
ただし能力は高く、大抵の事はそつなくこなせる。
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投下終了です
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投下します
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「ほよ」
気がつけば、少女は見知らぬ場所に居た、
色素の無い白い髪をツインテールにした、白皙の─────全体的に色の白過ぎる少女だった。
「確か中庭の噴水に腰掛けてうたた寝していた筈……」
首を傾げると、左のテールの付け根に結ばれた二つの鈴が、カランと音を立てた。
【私が眠っている間に連れて来られたのでしょうか?】
浮かんだ疑問を直ぐに有り得ないと打ち消す。熟睡しているならまだしも、うたた寝している程度で、接近に気づかないわけが無い。
「何だか知りませんがセッカクの楽しみが、訳のわからない事で潰されるなんてガッカリです」
短く溜息をついて周囲の様子を探る。
「……周囲には誰も…というより何も居ませんね」
人の気配どころか生物が居る様子すら無い。
代わりに宙を紙が舞う音がする。それもとても多くの音が。
尤も生来盲目の為にその紙が何なのか少女には確かめる術は無いが。
盲目である事を抜きにしても、一体此処は何処で、自分はどの様な状況に置かれているのかサッパリ判らない。
「ハァ……面倒です」
取り敢えず人を探さなければならない。此処が何処なのか?という事を知るのも大切なのだが、何分にも病弱な身。下手をすれば風邪をひく。身体を休められる場所も探さなければならなかった。
少女は右手に提げた黒鞘の日本刀を杖代わりに、適当な方角へと歩き出した。
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【???/00時01分】
【因幡月夜@武装少女マキャヴェリズム[役]:子
[状態]健康
[装備]:摸造刀:亜鉛合金製で重量は日本刀と変わらないが強度は脆い。
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:人を探す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物情報
元々女子高だった学園が共学になった際に男子生徒を恐れた女子生徒のための風紀組織、愛知共生学園“天下五剣”の中で最強と言われる剣士。
飛び級して中学校に通うが実年齢は小学生。
白髪白貌紅眼─────要するにアルビノ─────の盲目の美少女で、外見と盲目の由来は、優れた剣の才能を世に誕生させる為に父親に当たる男が二度に渡り行った近親相姦の所為。
生来病弱でしょっちゅう咳き込み、酷い時には発作を起こすが、剣の才能は凄まじく、薬丸自顕流居合を修め、幼少の身で不可視の魔剣”雲耀“を習得。
踏み込みから抜刀に至るまでの動きが、同じ五剣でも見えない神速の剣技を遣う。
徒手に於いても“雲耀“の応用技である“魔弾”を用いる事で、大の大人でも殴り飛ばす事が出来る。
年不相応に落ち着いた性格だが、武術について話し出すと長い。趣味について語るオタクの様に長い。言動の端々に年相応の子供っぽさが垣間見える。
少し前まで引き篭もりだった為か、世故に疎いところがある。
長らくぼっちだったが最近友人と弟子が出来た。
身体が弱い為に気温によっては簡単に体調を崩す、アルビノでもある為に、会場の気候が夏ならば最悪暑さで行き倒れる。
【能力】
生来の盲目の故か異常なまでに鋭い聴覚を持ち、
数百m範囲の人間の骨や筋肉の稼動音を聞き取り、脈拍や呼吸から心理状態や体調、果ては嘘を吐いている事まで理解できる。
この聴覚で操作はおろか認識すら難しい潜在筋を認識し、動かし方を把握出来る。
この為、剣才と併さって十にも満たない歳で奥義を修める事が出来た。
薬丸自顕流居合
同じ領域に居ないものには、目では捉えられない速度で、距離を詰めすれ違いざまに三撃斬りつけられる速度。
魔弾・改
示現流の技法を応用して撃つ徒手の技に体重移動を組み合わせて威力を底上げした技。
威力が体内に浸透蓄積する。
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投下終了です
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もう一作投下さします
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「「鬼」
この単語を聞いて浮かべるイメージは人によって千差万別。
姿形も性格も人の抱いたイメージの分だけ有るだろう。
「鬼」
そしてこの雄が抱いたイメージは父を屠った赤毛の鬼。暴力という概念が形となったかの様な鬼。
─────ここにも鬼がいるのか。
機内で何者かが行なって居た説明を思い出す。
─────父を殺した鬼の様な連中が、また無意味な殺しを行うのか。
血液ぐ全身わ勢い良く巡り、全身が熱を帯びる。
─────許せない。許すわけにはいかない。
鬼は殺すッッ!奴等に一切の自由を許さないッッ!
「ホギョアアアアアッッ!」
沖木島に野生の咆哮が轟いた。
【???/00時01分】
【夜叉猿Jr.@刃牙シリーズ
[役]:親[状態]
[装備]:無し
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:鬼は殺す。子を守護る。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物紹介
飛騨国─────要するに岐阜の山奥に住む巨大猿。
古来より伝説ちして語られており、戦国時代には挑んできた剣豪を多数返り討ちにした。刃牙シリーズの剣豪の設定からすると凄まじい強さである。
宮本武蔵には負けたけど。
熊を撲殺して食うは鋼鉄製の檻破壊するわと猿の域を超えた強さを持つが、勇次郎すら捕獲する徳川光成傘下の猟友会には勝てなかったよ……。
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投下終了します
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投下します。
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「ふむ。わけが分からんが、おおよその規則は理解した」
建物の中、灯火の下。男は、紙に書かれた文字の内容を確認し、そう呟いた。
幸いに漢字が多いが、妙な文章で、異国の文字や言語が混じっている。支給品も、彼のいた時代にはまず存在しなかったものばかりだ。
だが、なぜか読めるし、内容も使用法もおおむね理解出来る。そういうものだろう、と彼は疑問を飲み込んだ。
なにしろ、自分をここに呼び寄せ、『鬼』と戦わせようというのだ。主催者には、そのようなことも出来るのだろう。
とすれば、ここは幽冥界か。寝ておる間の夢か。いや、考えるまい。今は何より、この現状に基づいて策を考えよう。
「鬼、のう。俺の主君は鬼よりこわい。早う戻らねばな」
皺を寄せ、苦笑いする男。その頭は巾で覆われ、髪や髭には白いものが交じる。
身に纏うのは質の良い絹の衣服。腰には剣を帯びる。見るからに現代の人間ではない。
―――ここは異国だ。目立つであろうから、どこかで現地の衣服を調達したがよいか。鬼と間違えられても困る。
さてさて。人がおり、この頭脳と肉体さえあれば、俺はどこでも生きていける。
主催者が何を企んでおろうと、俺は生き延びてみせよう。まずは手勢と情報を集めるか。地図があると良いのだがな。
悪相の男は伸びをし、肩をほぐした。この戦は、よい気晴らしになるか。
【???/深夜】
【賈ク@蒼天航路】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:漢服、直剣
[道具]:デイパック(不明支給品2、確認済み)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:鬼を減らし、親を勝利させる。
2:そのために多くの親や子と早めに提携し、場合によっては鬼や主催者とも交渉する。
3:他人が死のうと、最終的に自分が生き残ればそれでよい。戦力や数の配分を気にはする。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
漫画『蒼天航路』10巻以後に登場する後漢末の人物。名の本字は[言羽](く)。字(あざな)は文和。涼州武威郡の人。
董卓やその残党を経て、仇敵であった曹操に仕え、軍師として活躍した。張良・陳平の如き智謀の持ち主。
処世術にも定評があり、舌先三寸と先見の明で幾度も虎口を逃れ、乱世にも関わらず天寿を全うした。
『蒼天航路』では悪人面の禿頭で、軍略にも策略にも秀でたドライな悪党だが、破天荒な曹操に魅了されつつ振り回される苦労人でもある。
時系列上は単行本27巻で無頼の中軍を編んでいる最中(西暦211年)、一寝入りした隙に喚び出され、パラシュートで投下された。年齢は60台半ば。
それなりに鍛えているが、戦闘力は期待できない。なお彼は知らないが、ここで彼が死のうが本人は無事なので歴史は変わらない。
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投下終了です。
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皆様投下乙です。
現時点までで投下された登場話は鬼5(定数12)親4(定数24)子4(定数36)となり、このペースならば5月中(GW頃でしょうか)には本編のリレーが開始することになると思います。
>>33
子役では初となる人外(という呼称が正しいかはわかりませんが)の参加者ですね。役単位で勝ち負けを決める当企画ではこういった尖った特徴の参加者は混乱と不和の元になるので大変良いです。鬼ごっこしろと言われてケンタウロスを目撃した時に何が起こるのか楽しみです。
>>36
戦闘力も人間性もいい感じに鬼畜な模範的鬼ですね。原作に比べて子の強さがインフレしている当企画では鬼にもそれ相応の強さが求められるため、その強さをコミュニケーション能力と共に持つことは重要です。把握が易しいのもグッドですね。
>>39
地獄から甦る人の筆頭がついに来ましたか。単純な戦闘力も去ることながらやはり頭脳面での影響が大きそうです。今までに鬼に不足していたものを一人で賄えそうです。
>>43
こちらは海外の地獄から甦る人の筆頭ですね。出典タイミングが不明なことによって本編に入ってからできることに幅を持たせられるのが便利です。弱点も企画と噛み合ってますし良いんじゃないでしょうか。
>>46
この企画にピッタリの殺人鬼ですね。実はこの企画の構想段階の時に想定していた鬼の代表例が彼でした。能力バトルもホラー展開もどちらもできる、ノリを選ばない参加者ですね。
>>49
子では初となる単独で鬼と渡り合える強さを持つ参加者ですね。ルールを正確に把握する手段が無いことが彼女の最大の弱点でしょうが、それを帳消しにしうる戦闘力は貴重です。誰と出会えるかで大きく動きが変わるでしょう。
>>53
人外の多いこの企画だからこそ出せる参加者ですね。鬼と渡り合える初の親役です。しかし夜叉猿Jr.は完璧に猿なのが親の参戦条件的にグレーゾーンですね。
>>56
だいたいの参加者が平成近辺からの参加の中、一人大きく離れた時代から組織をまとめられる人間の参加というのは周りに及ぼす影響が読めず面白いです。これにて親役はレイパー・宇宙ネズミ・猿・三国志武将と幅広いラインナップとなりまして果たしてどうこれらの参加者と協力していけるかが鍵となるでしょう。
それでは私も投下します。
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アミューズメントフロアと書かれたその一画にはゲーム機が並び賑やかな音を立てている。地図上ではF-05とされた神塚山山頂、その地図上には記されていない地下部分に主催者本部・鬼の牢獄がある。参加者に解放されているだけで六階もの階層を持つショッピングモールだ。北東側に一つだけある入口を一階とすると地下一層地上五層の建物として見ることもできる。このショッピングモール全体が、鬼の勝利条件である『子』を捕らえるための牢獄であるのだが、それがなぜショッピングモールかを知るものは少ない。といっても、単に主催者側が別の鬼ごっこで使う予定だったものを流用したというだけなのだが、とにもかくにもそこにはその名の通りの機能がある。武器として有用なものは乏しいが雑貨の類は多いという、鬼役への一つの便宜だ。
そのショッピングモールの最上階がアミューズメントフロアであり、そこにある映画館の座席に座った夜神月は売店から拝借した紙にこれまた拝借したペンを走らせていた。
「子が36人、親が24人、鬼が12人。この三つの役毎にそれぞれの勝利条件を満たすために戦う――同着なら鬼・親・子の順……」
書いてまとめていっている内容は、この鬼ごっこのルールだ。
月がルールをわざわざ書き起こしているのには理由がある。
それは主催者への不信だ。
デスノートを使用したものは天国にも地獄にも行くことはない――その自らが知る知識との乖離した状況、それが月の足を止めた。自身は恐らく、キラであることが露呈し射殺されたはずである。そのことは鮮明な記憶として実感できる。であるのに、今こうして地獄とされる場所で鬼ごっこをしようとしているのはどういうことなのか。そして自身の記憶を辿り鬼ごっこの説明の際の状況を強く思い出そうとしたことで、更に疑念は深まった。
単純に言うと、月は鬼ごっこの説明を受けた記憶があやふやである。まるで夢の内容を思い出そうとするような困難さがそこにつきまとうのだ。そもそも時系列に脈絡なく記憶が差し込まれているような感じすらあるが、なにぶん死んでいるときのものの感じ方の知識などあるわけないのでなんとも言えない。現状では、自分が状況をよくわかっていないということしかわからないのである。
「単純に考えるなら、島一つを丸一日使ってやる鬼ごっこ……じゃないな。リューク。」
月は、自分の支給品である四次元っぽい紙袋とその上に乗っている黒いノートを見ながら言った。応える声はなかった。
月の支給品、デスノート。それはこの地獄でも彼の手に渡っていた。しかし、月はそれすらも懐疑的な目の対象とする。このノートの近くにいるはずの死神が姿を見せない今、これを本物とみなす理由は何一つといってないのだ。
今のところ安全に試す方法もなく、そもそも自分と同じような存在を人として殺せるのかも不明だ。加えてこの会場にいる自分以外の71人の顔と名前を把握するメドもない。そしてもし本物のデスノートが会場に配られていた場合、人との接触自体が危険である。またデスノートが人の行動をある程度操れる以上、時間が経って所有者に情報が渡ることは大きな影響を持つのだ。
(まずはノートが本物か偽物かを確かめる。できれば鬼で試したいが……)
月は二冊のノートとペンを紙袋に入れて立ち上がる。この紙袋、一度出したものや元から外にあったものは中に入れても小さくはならないが、それはそれとして通常の紙袋のように使用できるようだ。このショッピングモールのロゴが入っているため一見して通常の紙袋と区別がつかないことを何かに使えないかと考えながら慎重にドアを開ける。ノートが本物だとしても銃には勝てない、一応ここは鬼のテリトリーだが、そもそも鬼自体信頼できる相手ではないのだ。
(神を鬼と同等に扱うとは……まあ、神話じゃよくあることか。)
微妙に持ちづらくかさばる紙袋片手に月は賑やかな音を立てるゲーム機の林を歩く。神は、死んでも復活するのだ。それは月が創る新世界の神話でも同様なのである。
【F-05地下『主催者本部・鬼の牢獄』/00時10分】
【夜神月@DEATH NOTE】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デスノート@DEATH NOTE・スマートフォン(鬼)@オリジナル・不明支給品1・ノートとペン@現地調達の入った四次元っぽい紙袋
[思考・行動]
基本方針:まずデスノートの真贋を確かめる。
1:鬼を含んだ他の参加者でノートを試す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
人物解説……DEATH NOTEの主人公。原作終了後からの参加。名前を書いた者を殺すデスノートを手に入れ、新世界を夢見て大量殺戮を起こし、最期にはデスノートを落としてきっかけをつくった死神に殺された哀れな男。頭脳明晰容姿端麗文武両道を地で行く好青年だが、いかんせん煽りや挑発の類にのせられるきらいがある。
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投下終了です。
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皆様投下乙です。自分も投下します
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「ひゃはははは! いいぜぇ! 最高だ! 絶望鬼ごっこたぁ、正に俺様向けの舞台じゃねえか! 望み通りやってやるよ!」
比較的このゲームに情熱を燃やす彼の名前はチャッキー。本名はチャールズ・リー・レイ。世にも珍しい悪意ある殺人人形である。
鬼役として主催に蘇えさせられたチャッキーは歓喜した。聞けばこのゲームで優勝すれば現世への復活も可能らしい。
人形に憑依することで幾度も復活を試みたが、ついぞ成功しなかった人間の体を得られる絶好のチャンス。乗らない理由はない。
「だけどよ、ここでも俺はグッドガイなのか? 糞っ! どうせなら人間の体を寄越しやがれってんだっ!」
不満があるとすれば、生前の体ではなくグッドガイ人形の姿で参加させられたことか。
しかし、この体でもこれはこれで利点がある。人形の姿は不意打ちするには絶好の擬態にもなるし、子を狩る長所になる。
支給品は確認した。手に取ったのはナイフだ。これならこの体でも扱いやすい。
聞けば子と親は大半が普通の人間との事だ。厄介なのは支給品だが、殺しの玄人である自分なら対処する方法は幾らでもある。
気になるのは他の鬼の存在だが、このゲームのルールでは潰し合う必要は無い。
戦っても負けるとは言わないが、損得勘定ができる奴なら組むことも考えるべきか。
「現世に甦ったら、真っ先にあのアンディーの糞ガキをぶっ殺してやるぜ! ひゃははは!」
本来なら愛らしい顔を狂気に歪めながら、殺人鬼は獲物を求めてどこかに消えていった。
【???/深夜】
【チャッキー@チャイルドプレイシリーズ】
[役]:鬼
[状態]:健康、グッドガイ人形の体(新品)
[装備]:ナイフ
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ(確認済み)
[思考・行動]
基本方針:子か親の前では人形のふりをして様子見、可能なら不意打ちで殺害する。別に殺さなくても良いらしいが殺した方が手っ取り早い
1:支給品の反撃を食らわないように警戒。話が通じるなら他の鬼と組むことも考慮する
『人物紹介』
映画チャイルドプレイシリーズに登場する殺人人形。
参戦時期はチャイルドプレイ3で死亡した直後。外見は新品のグッドガイ人形。
元は「湖畔の紋殺魔」と呼ばれたチャールズ・リー・レイという殺人鬼。
逃亡中に警察に銃撃され殺害されるも、魂を移動させるブゥードゥの秘術を修得していたため、偶々手元にあったグッドガイ人形に憑依することで生き延び、以後最初に正体を明かしたアンディー少年の体を乗っ取ろうと殺人を繰り返すも失敗、破壊される。
以降、別のグッドガイ人形に憑依する形で幾度か復活するも生身の体を得られることなく敗北している。
人形の体でありながら力量は常人並だが、体格の差で成人に勝てず力負けする描写が多い。赤色のナイフを用いる。
殺人術に長けており、常備しているナイフや得意とした絞殺などで直接殺害する以外にも、周辺にあった道具や設備を用いての無計画でありながら機転を利かせた殺人も多い。
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投下終了です
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投下します
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「ふむ。鬼ごっこ、か……」
デイパックの中に印刷された文字を読み、風見雄二は独り呟く。
そこに書かれている内容は要するに特殊なルールの鬼ごっこだ。死ぬという物騒な言葉もあるが、荒事に慣れている雄二は狼狽えることなく、今回の鬼ごっこが『そういうもの』だと理解する。
そもそも突然パラシュートで落下させられ、支給されたデイパックに銃器が入っていた時点で、何らかの危険な事に巻き込まれているということは十分に予想出来ていた。
勝利条件を見るに親と子は協力関係を結べるが、鬼は単独でそれらを捕まえるか、もしくは殺害する可能性がある。……それはつまり、鬼がそれほど強いということだろう。
風見雄二は裏の世界で『I-9029』としてその名を恐れられている実力者だが、この鬼ごっこでは『鬼』ではなく『親』に配役されている。バランスブレイカーな存在が親や子にいる場合、鬼が不利になることは黒幕も承知してのことだろう。
であれば鬼には自分以上の化物が居ると考えるのが妥当である。それとも強力な支給品を渡され、戦力を大幅に強化されているのか。はたまた単純に鬼の数が親や子と総合した数よりも多いのか……。
勝利条件や制限時間を教えられただけでは、あまりにも情報が少なすぎる。鬼と遭遇したいとは考えないが、やはり一度は鬼を見て、どのような者が属しているのか確認する必要があるだろう。
しかし鬼を減らすことを優先するつもりはない。雄二が狙う相手は鬼ではなく、この鬼ごっこを仕組んだ主催者だ。
勝利条件を見る限り、親と子が同時に勝つことは有り得ない。そして敗北者の末路も、記されてこそいないが……ある程度の想像は出来る。
ならば親と子が同時に脱出する方法は、主催者を打倒するくらいしかないだろう。万が一に主催者に接触せずに脱出する方法があったとしても、未知の技術でいきなり参加者達を連れ去ることが出来た連中だ。後で何をされるのか、わからない。
それに勝利をすることで無事に帰ることを保証されるかといえば、そうでもない。姿も見せない主催者を信用しろということに無理がある。
情報が一切ない主催者を倒すという道は困難を極めるだろうが、信用出来ない者の掌で踊るよりはまだマシだろう。
もっとも雄二の性格上、親は子を守るというルールには従うことになるだろう。子に限らず、親を守ることになるかもしれない。
一通りの方針を決定して、風見雄二は歩き出す。ただ一つ、心配な事があるというなら。
(俺以外は巻き込まれていなければ良いが……)
脳裏に思い浮かべたのは美浜学園の生徒達。彼女達が巻き込まれていないことを雄二は願うのだった。
【???/00時04分】
【風見雄二@グリザイアシリーズ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:グロック17@現実
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:親と子が共に脱出するために主催者を打倒する
1:他の親や子と接触して、情報を集める
2:単独行動中で鬼に遭遇した場合は、無理に対処せず撤退も視野に入れる
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物紹介』
10代前半で家族を相次いで亡くし天涯孤独となった後、テロリストの少年兵育成学校を経てそのテロリストの本部を襲撃・壊滅させ残った雄二を拾った日下部麻子に育てられ裏の世界で生きるようになった。
麻子の後を継ぐ形で「会社」の“掃除人”として活動しており、裏の世界ではエース・ナンバーである「9029」の名で恐れられている。「会社」での階級は特務伍長。ある時「普通の学校に通いたい」と希望したことから、知人かつ美浜学園長である千鶴の縁により、「カナダからの帰国生」という名目で美浜学園の2年生として転入する。
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投下終了です
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皆様投下乙です。
>>62
何度も蘇って子供を襲うという、この企画を体現した鬼ですね。
ただしどの役も自分の役を含めてどんな参加者がいるのかわかっていないので、そこは描写のすり合わせが必要ですね。
もっとも鬼は自分の境遇で鬼役の人選を察せる上にルールの把握で親や子がどの程度の人間かも察せてしまいますし、鬼がポロっと言っても特に不自然でもありませんが。
>>65
意外と今までいなかった現代兵器を用いて戦う親ですね。
年齢的に子と勘違いされうるという点と容姿からは予想し難い戦闘力が戦況をかき乱しそうです。
それでは私も投下します。
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「うーん、完全に迷いましたな。」
赤い空を眺めながら、原っぱの斜面をゴロゴロとしている人影が一つ。野原しんのすけは言葉とは裏腹にのんきな顔でそう呟いた。見上げる空には火花が散るが、それを見続け既に小一時間、それだけの時間彼は周囲を散策して帰り道がわからないということだけは把握していた。
今日はネネちゃんの家でリアルおままごとをすることになっていたのでなるべく遠回りする道で向かっていたのだが、気がついたらこの状況である。とりあえず最初に迷ったと思ったときにいた林から出て人がいそうな方に向かったのだが、どういうわけか人に出くわさず、それどころか海が見えて今に至る。春日部に海が無いことから自分がどこか遠くに来た気もするが、しかし家から地続きで歩いてきたためそのうち知ってる場所に出るだろうと楽観していた。
「お?」
ゴロゴロと転がる中でポケットの異物感に気づいた。手を突っ込む。出てきたのは小さなお守りだった。
「なんで?」
尤もな疑問である。
いつの間にか入っていたそれと、一緒に入っていた紙をとりあえず見てみるが、正直よくわからない。というか、ぶっちゃけ気味が悪い。そう思い暫しの間胡散臭い物を見る目で見ていたが、「ま、いっか」とポケットに戻した。細かいことは気にしないのだ。
「さーていきますか――お?」
小休止を終え立ち上がるしんのすけの目が、一本の木に留まった。そろそろ不安になってきたので早く戻りたいと言う気持ちがそうさせたのか、頭の中で木登りして高い所から見渡すという発想が出てくる。それが林の木とは違い人里に人工的に植えられた低木ということにはもちろん気づかず、ぬるぬるとした動きでいとも簡単に登ってみせると、割と近い場所に鳥居が見えた。どうやら神社があるようだ。そしてその彼方に、一面の濃い霧に覆われた海が見えた。
「……これが地球温暖化か。」
絶対違う。
とにもかくにも当座の目的地は決まった。「出発おしんこー!」と高らかに声を上げて歩き出す。自分が既に大冒険に巻き込まれていることを、彼はまだ知らない。
【C-04/00時29分】
【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:ネネちゃん家に行く。
1:とりあえず神社に行く。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……地上最強の五歳児。スケベでマイペースだが、なんだかんだで友情に熱く、本質的には純粋な子供。
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投下終了です。
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登場話投下します
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「どうしたものでしょうか……」
アーチャー・インフェルノは地獄の片隅で悩んでいた。
彼女の役割は鬼であるが、現状、この異端なる鬼ごっこには乗り気ではない。
確かに……この身に鬼の血が流れていることは否定しようが無い。
しかし、鬼としてこの場に召喚されたことは彼女にとって遺憾であった。
不愉快、と言っても良い。
聞けばこのげえむで優勝すれば、現世への受肉も可能らしい。
それ自体は大変魅力的な報酬であるし、事実他の鬼たちは大半が乗り気である。
しかし、既に死した身である自分が何かを願うことはおこがましいと彼女は思っている。
秘めたる思いはあるが、英霊の矜持として生者を手にかけるほど堕ちてはいない。
親は子を守り、子は逃げ、鬼は子を狩る。
通常の鬼ごっこをアレンジした単純なルールであるが、彼女はその裏に潜む悪意を既に見抜いていた。
「悪趣味ですね……このげえむの胴元は相当な外道です」
この鬼ごっこ、まず間違いなく死人が出る。
子の大半は力持たぬ一般人であるが、サーヴァントの巴が割り当てられている時点で、それを狩る鬼の方が明らかに強い。
鬼から守る親ならば多少は武の心得があるだろうが、聞けばそれでも鬼ほどでは無いという。
加えて、鬼の勝利条件は子の生存を考慮しなくても達成できるものだ。
やる気の無い自分が異端なだけであって、他の鬼はまず子を殺めることを躊躇しないだろう。
「……それは、見過ごせないですね」
英霊剣豪の身で召喚されていたら話は違っていただろうが、この場にいる巴御前は高潔な英霊である。例えこの身が影法師なれど、外道には屈しない。
アーチャー・インフェルノは、鬼の役を放棄することを決意した。
【???/深夜】
【アーチャー・インフェルノ(巴御前)@Fate/ Grand Order】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:日本刀、薙刀、弓『真言・聖観世音菩薩』
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品1つ(確認済み)
[思考・行動]
基本方針:このげえむには乗らない。人を殺めようとする鬼は退治する
1:力なき参加者は保護する
『人物紹介』
Fate/GrandOrderに登場するアーチャーのサーヴァント。真名は巴御前。鬼の血をひく銀髪赤眼の女武者。
外見は第三再臨のもの。マスターの居ないはぐれサーヴァントとして存在しているため、カルデア及び特異点での記憶は保持していない。
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投下終了です
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登場話投下します
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「いきなりこんな辺鄙な島に連れてきて、テニスじゃあなく鬼ごっこしろとは舐めたマネしてくれるじゃねーの」
絶望鬼ごっこの会場となる島の端。
その海岸線、波打ち際に当たる場所で右手にテニスラケット、左手にいつの間にかポケットに入っていたお守りを手に、一人の高貴な立ち振る舞いの少年が佇んでいた。
少年の名は、跡部景吾と言った。
跡部王国の国家元首にして、氷帝学園の王(キング)として君臨するテニスプレイヤー。
そんな彼が見つめるのは遥かな水平線の彼方。
突然の拉致に動揺し、故郷である日本に郷愁の念を抱いたのではない。
まず彼はこの怪しげな島が日本からどの程度離れているか、あるいはこの近くに島があるか概算を出そうとしたのだ。
一般的な人の視力でも水平線の三キロから四キロほどの空間なら三平方の定理を用いて距離を割り出せるという。
卓越した彼の眼力(インサイト)を持ってすれば、常人より遥かに広範囲かつ長距離を見渡せる、はずだった。
しかし、
「この俺様の跡部王国(キングダム)でもスケスケにできねェってのはどういう事だ…?」
見えない。
本来なら濃霧程度ではビクともしないはずの跡部王国ですら、視界に広がる霧の果てを暴くことはできなかった。
同時に、今自分の置かれている状況が異常事態である、ということを彼はその聡明な頭脳で理解する。
「成程、一筋縄じゃあいかねーらしいってコトは認めてやろうじゃねーの」
だが、この奇妙なゲームに巻き込まれてなお、跡部は揺るがない。
これぞ正にザ・王(キング)の風格ッ!
冷静に紙袋を引っ掴み、ともすれば亡国の危機に瀕しているかもしれない跡部王国の王(キング)として、打破に動く。
自分を拉致した者たちの尻尾を掴み、事情如何によっては社会的制裁を加えるのだ。
――帝、氷帝、氷帝!氷帝!
そんな彼を讃える凱歌がどこからともなく響き続ける。まるで彼の背中を押すように。
「あーん?」
コールを受けつつ踏み出した跡部は、お守りが入っていたテニスウェアの胸ポケット、
そこに印刷されていた覚えのない『子』の文字とそれに伴った勝利条件を、その美しき眼力(インサイト)で捉えた。
どうやらこの鬼ごっこを開催した主催はこの跡部景吾が無様に逃げ回るさまを期待しているらしい。
(だが、こそこそ逃げ回るのは性に合わねェ…狙うは鬼ごっこそのものの転覆だッ!
そう、鬼ごっこだろうとテニスだろうと――――)
―――氷帝!氷帝!氷帝!氷帝!氷帝!
―――勝つのは氷帝!勝つのは跡部! 負けるの青学!
―――氷帝!氷帝!氷帝!氷帝!氷帝!
「勝つのは―――俺だ」
見果てぬ霧の終端に待つ水平線に勝利を刻むべく―――王(キング)、出陣。
【C-04/00時29分】
【跡部景吾@テニスの王子様】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』、テニスラケット
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこの転覆
1:まずは他の参加者との接触。可能ならテニスボールが欲しい
※その他
自分の役は把握、その他ルールについては移動しながら把握予定。
人物解説……氷帝学園中等部3年A組1番。別名「王様(キング)」(本人命名)。
同校の生徒会長にしてテニス部部長であり、そのプレースタイルは卓越した眼力(インサイト)を用い相手の弱点を的確に見抜き上を行く、正に美技と呼ぶにふさわしいもの。
跡部財閥の御曹司ながらそれを鼻にかけることもなく努力に励む努力家であり、スポーツマンとしての仲間意識も強い。
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投下終了です
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コピペミスにより状態票の現在位置を修正します
【???/深夜】
【跡部景吾@テニスの王子様】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』、テニスラケット
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこの転覆
1:まずは他の参加者との接触。可能ならテニスボールが欲しい
※その他
自分の役は把握、その他ルールについては移動しながら把握予定。
人物解説……氷帝学園中等部3年A組1番。別名「王様(キング)」(本人命名)。
同校の生徒会長にしてテニス部部長であり、そのプレースタイルは卓越した眼力(インサイト)を用い相手の弱点を的確に見抜き上を行く、正に美技と呼ぶにふさわしいもの。
跡部財閥の御曹司ながらそれを鼻にかけることもなく努力に励む努力家であり、スポーツマンとしての仲間意識も強い。
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続いてもう一作投下します
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それは、初めはただの霧の様だった。
いや、もしかすれば本当に霧だったのかもしれない。
しかし、その一帯の霧はこの島を覆う霧とは少し違っていた。
まず霧全体に朱の色が広がっていった、ゆっくりと。
次に、その朱がかった霧はどんどんとその濃さを増していった。
朱から赤に、赤から紅に。
そして全体が紅色に変わったとき、霧は形のないもやから、とあるカタチを得ていた。
それは人間の女性の姿の様であり、
あるいは、胎児の様なカタチをしていた。
「アー……キ、モ、チ、イ、イ……」
霧が口を利いた。否、霧は最早霧ではなかった。
既にその辺りの霧という概念は破壊しつくされ、『ギーグ』という名の存在に変わってしまっていた。
自分が持っていた予言マシンに悪魔と称され、その強大な力によって自我すら破壊してしまい、本当の怪物になり果てた存在。
悪の化身と呼称するのすら憚られる、悪そのもの。
「……ウ、レシイ………キ、モ、チ、イ、イ………」
かつて、とある子供たちの手によって葬られたその正体不明(アンノウン)は、この鬼ごっこの開催によって復活した。
ギーグには鬼ごっこのルールを理解する知能などない。その知能はギーグ自身が破壊してしまって久しい。
故に、ただ破壊するのみ。
ギーグには悪意などない。その悪意を持つための心はギーグ自らが破壊してしまって久しい。
たが、ギーグの力はギーグだけでなくほかの全てのものを破壊する、最早それだけの存在。
故にギーグは悪そのものなのだ。
「ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン」
狂気の声が辺りに木霊する。
ギーグは他の参加者を追いかけ続けるだろう。
それは鬼ごっこのルールに従ってではない。だが、捕まった者の最期は決まっている。
斯くして、ここに悪夢は再びの時を迎えたのだ。
【???/深夜】
【ギーグ@MOTHERⅡ】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:無し(支給品は全て破壊済み)
[思考・行動]
基本方針:
1:皆殺し(ギーグがそう思っているわけではなく結果的にそうなるのである)
『人物紹介』
マザー2にて地球を侵略するために来訪した宇宙人。
しかし彼の持つ予言マシン「ちえのリンゴ」が彼の敗北を予言。
その内容は「三人の少年と一人の少女によって悪魔は敗れる」というものだった。
そのためギーグはあの手この手で主人公の子供たち一行の冒険の行く手を阻む。
物語終盤で少年一行の前に姿を現した時にはギーグは既に己の存在を、『ギーグ』という宇宙人を破壊してしまっていた。
故に彼の、あるいは彼女の正体を誰もつかむことはできず、ギーグの攻撃も状態異常、雷属性、全体ダメージを内包した、「こうげきのしょうたいがつかめない」攻撃となっている。
悪の化身などではなく、悪そのものと呼ぶのが相応しい怪物。
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投下終了です
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投下します。
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「……ざッけんなよ」
下校途中、彼は突然、見知らぬ場所に迷い込んでいた。
火花が散る、暗くも明るくもない赤い空。壁に貼られ、空からバラまかれる、無数の同じ文面のチラシ。それを読んでの第一声。
少女のような可愛らしい顔をした、小柄な少年。ジャージを着込み、手元にはサッカーバッグとサッカーボール。
見た目ほどに無力ではないが、超常の力など持たぬ中学三年生の男子。鬼、親、子。三つの役に当てはめれば、確実に「子」だろう。
彼は周囲を確認すると、無人の家の中に入り、ポケットの中の支給品と説明書を確認する。そして、青褪める。
「死体、って……ほんと、ざッけんなよ」
鬼ごっこ。誰もが知る遊び。しかし、これは―――殺し合い。否、多分……鬼による、一方的な殺戮ゲームだ。
支給品「式札」とその説明書を読み、チラシの文面と、自分が異様な見知らぬ場所にいる事実から、彼はそう推測した。
しかも、この支給品は使い所が難しい。鬼の死体を発見して、これを乗せると周囲が禁止エリア化。鬼でなければ、役が分かるだけ。どう使ったものか。
敵は鬼。それと主催者。味方は親と子。ならばまずは、味方と合流するのが一番だ。情報を集め、鬼に対抗する策を編む。
「絶対、負けねえ。こんなところで死ねねえ。生きて還るぞ」
【???/00時05分】
【椎名翼@ホイッスル!】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:サッカーバッグ(水筒や包帯入り)、サッカーボール
[道具]:式札、財布(小遣い若干)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:鬼を減らし、子を勝利させる。主催者を殴れたら殴る。
2:そのために多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。
3:子や親の犠牲はなるべく出したくない。出てしまったら悲しむが、ある程度割り切る。
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。自分の役を子であると推測。
『人物解説』
漫画『ホイッスル!』に登場する少年。CV:樋口智恵子/高城元気。1983年4月19日生まれの15歳(1998-99年当時)。
東京都飛葉中学校三年生でサッカー部のキャプテン。ポジションはセンターバック。身長151cm、体重43kg。
小柄で可愛い顔立ちだが、性格は好戦的で気が強く男らしく、皮肉屋の毒舌家。頭脳明晰で運動能力も高く、武道の心得もある。特技はマシンガントーク。
文武ともに大人顔負けの才能を持ち、大人受けの良い立ち居振る舞いも出来るが、負けず嫌いで身長にコンプレックスを持つなど年相応の面もある。
フィールドでは中学生離れした統率力による組織守備戦術を的確に駆使し、華麗なテクニックで大型選手とも互角以上に渡り合う。プレーはクレバーで底意地が悪い。
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投下終了です。
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皆様投下乙です。
現時点までで投下された登場話は鬼9(定数12)親5(定数24)子7(定数36)となりました。予想を超えるハイペースにwikiへの収録が遅れておりますが、明日中の公開を予定しております。
>>71
鬼役に適さない人間を鬼にするという実に鬼畜な人選が鬼らしいですね。
戦闘力は鬼でも屈指ですが、ルール上そのスタンスは信頼され難い茨の道です。
>>75
現段階の子ではかなりの実力者の登場です。
単独でもチームのリーダーでもやっていけるフィジカルとメンタルとカリスマがあります。
当たり前のようにルールを把握していますが眼力ならば仕方ありませんね。
>>78
とんでもなくヤバイやつですね。
確実に皆殺しにしようという鬼側の強い意志を感じる人選です。
果たして本当に死んだのかわからないのがネックですね。
>>81
こういった雰囲気の場所で英雄にも犠牲者にもなりうる参加者ですね。
なまじ能力がある分、置かれた環境や人間関係で無茶のしどころが変わるため他の参加者に及ぼす影響が大きいタイプです。
それでは私も投下します。
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「普通の土だな……それと海か……」
主催者本部・鬼の牢獄の出口である山腹のトンネルから地表に出て森の中で辺りを見回していた黒髪の少年、三日月・オーガスはそう言うと、スコップから土を払い肩に担いで歩き出した。
マクギリス・ファリド事件と呼ばれたクーデターにガンダムを用いて参戦し、圧倒的な戦力差の相手に鬼神の如く戦い最期には英雄に討ち取られた、火星の悪魔。それが彼である。
今回鬼役としてある種の蘇りを果たしたそんな彼だが、この鬼ごっこには思うところがあった。端的に言うと、鬼を信用していない。かつて自分達を虐げていたCGSと呼ばれる民間警備会社の大人と、その言動がダブって見えたからだ。よってこの鬼ごっこ自体も信用してはいない、が、乗り気でないというわけではない。元より難しいことを考えるのは苦手なのだ、これ以外に道がないとなれば鬼として働きもしよう。
「死んだ後の空って赤いんだな。」
草の匂いを鼻に吸い込みながら、空を見上げて歩く。そう、三日月・オーガスことミカは自分の足で歩いている。ガンダムバルバトスに捧げたはずの身体機能は、乗る以前の時のように十全であった。そのくせ阿頼耶識はしっかりとついているあたり、死後の世界というのは何かと融通が聞くのだろうとぼんやり思う。その青い目は暫し赤い空を見た後、地上の緑へと移った。
ミカの方針は、人と会うことだ。役には拘らないが、鬼はできれば避けたい。自分の境遇を考えると、鬼同士で敵対はせずとも、今日始めて会った人間と共同作業ができるとなどとは思えないのだ。できるのであれば親がいい。役を明かす気はないが、もしバレたとしてもその場で黙らせる羽目になる可能性が少ないからだ。子の場合はそれとなく先程のショッピングモールに誘導してそこで話を聞ければ一石二鳥だが、さすがにそんなにうまくはいかないだろう。
「コレの使い方も聞かなきゃな。」
そして人と会いたい理由のもう一つが、この支給品された紙袋だ。ミカは一度手を入れて以来直感で開封を避けていた。危険性が未知の物には迂闊に手を出さない、宇宙ねずみの用心である。それに、その中身を見れば警戒もしよう。
ガンダム・バルバトスルプスレクス。人機一体となり宇宙を駆けたミカの半身は、既に彼の手の中にあった。
ミカは山を下る。なぜか自分の機体がわけのわからない袋に人形として入っている、この現在をなんとかしなくてはならない。海岸線に出るまでに誰かと出あえればいいなと思いながら、ミサンガの匂いを嗅いだ。
【E-06/00時31分】
【三日月・オーガス@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ】
[役]:鬼
[状態]:五体満足・阿頼耶識
[装備]:スコップ@現地調達
[道具]:四次元っぽい紙袋(ガンダム・バルバトスルプスレクス@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ・スマートフォン(鬼)@オリジナル・不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:とにかく生き残る。
1:人と会う。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
人物解説……機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズのW主人公の一人。戦闘センスと身体能力・メンタルの天性の高さと、それを磨き続ける努力する心、そして人間と機械とを繋ぐ阿頼耶識を持った少年。寡黙だが仲間思いでここだけまでなら主人公然とした主人公ではあるが――とにかく敵に容赦がない。必要であれば殺す。必要でなくとも必要だと言われれば色々考えつつ殺す。ベテランの軍人のような精神性を少年兵として育ったため子供の頃から持っている。そのため会う人によっては悪魔と呼ばれる。また未就学であり読み書きが怪しい。ちなみに将来の夢は農家。なお戦死後からの参戦である。
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投下終了です。
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何やってんだよミカ!
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www65.atwiki.jp/z-oni/
wikiを公開しました。
22登場話中の7話の収録と暫定的な参加者名簿の作成を行いました。
@wikiを触るのは久々で至らぬところも多いと痛感しておりますが、今後は情報を拡充していきますのでよろしくお願いします。
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何やってんだミカー!
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一作完成したので投下致します。
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「ダメです……やっぱり応答がありません」
円谷光彦は、がっくりと項垂れていた。
彼の手にあったのは、彼の属する少年探偵団のみが持ち、相互通信機能を持つDBバッジだ。
数々の殺人事件や爆破事件を解決に導いた仲間たちに通信を試みたが、どうやら電波の具合が悪く通信はノイズがかかる。
そもそもここは孤島だ。
このDBバッジの電波圏は半径約20kmで、それを思えば本土との通信は難しいだろう。
強いて言えば、同じ島にDBバッジを持っている江戸川コナン、灰原哀、小嶋元太、吉田歩美のいずれかがいれば通信は可能かもしれないが……。
……いや、思い返せば、みんなで一緒にいる時に拉致されたのならともかく、光彦ひとりでいる時に気づけばこんなところにいた。
少年探偵団の仲間と一緒に拉致されたと考えるのは少々厳しい考えかもしれなかった。
光彦は、DBバッジをポケットにしまった。
(今回はぼくひとりだけみたいです……)
光彦は、その心細さに自信が失われるのを感じた。
誘拐や殺人やテロに相当な数だけ巻き込まれた事は光彦だったが、大概は仲間が一緒にいた。
だから、数えきれないほどの事件に遭遇しながら生きてこられたともいえる。
「こんな時、コナンくんや灰原さんがいてくれたら……」
……ずっと以前、蛍を取りに行った森でひとり、殺人鬼に追われた事を光彦は嫌でも思い出した。
あの時は、確かにコナンたちの助けがあった。今度は助けてはくれない。
他にも様々な事件があった。あの冒険、あのゲーム、あの殺人事件、あの爆破テロ……と、考えるとキリがない。
コナンも哀も、そのたびに毎回光彦よりずっと賢く、頭が切れて、大人のような行動ができる。
時に憧れ、時に信じたくなる。
頼られる事はなかったが、特にコナンに何か考えがありそうな時は、協力する事で助けになれるのが嬉しかった。
だが、ふと光彦は我に返った。
「いいえ、そうです。ぼくにだって、きっと出来る事が――」
彼らに頼ってばかりではいられない。
それに、光彦だって、名探偵にあこがれる一人の男だ。プライドがある。
何度も助けられてきたのは確かだし、コナンを信じて自分の命を託した事だってある。
だが、あれだけ度々事件が起こる以上、もしかしたら、これからも今回のように光彦だけでどうにかしなければならない状況が、いくらでも来るかもしれない。
自分だって少年探偵団なのだ。
自分に自信を持っていこう。
光彦は、すぐに誰かに頼る思考をやめて、自分で考えてみた。
(まずは何か、ぼくだけの力で考えないと……)
そうだ、今回はどうにも様子がおかしかった。
貼りだされていたルールを見ると、何かの組織が企画して作ったのは明白だった。
過去に飛行船でテロ組織のバイオテロに巻き込まれた時や、水族館でオスプレイに迎撃されそうになった時のように、複数犯や組織犯がいる。
フーダニット、誰が。
ハウダニット、どのように。
ホワイダニット、何故。
そういった推理小説の基礎を応用し、考えながら、このゲームの謎を解いて脱出するのだ。
……でも今は情報不足だ。これからの行動の為に、まずは誰かを探さなければならない。
光彦以外にも、この島には「子」「親」「鬼」が要る筈。
彼らもまた、光彦のように突然巻き込まれた可能性が高いだろう。
……とにかく、誰か、信頼できそうな人を探して、他の人がどういう境遇なのかも把握しないと。
もし本当に「鬼」がいて、それがこれまで出会ってきたような殺人犯や爆破犯や犯罪者たちのような相手なら、極力警戒が必要。
ここでも推理が必要になる。
それを推理する方法について、今回はコナンたちの事を頼れない。
それならば、光彦自身の知能を持ってどうにかするしかない……。いざという時は、自分の考えを信じて勇気をもって行動しないとダメだ。
光彦は、そう思いながら踏み出していった。
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【A-8/00時10分】
【円谷光彦@名探偵コナン】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:DBバッジ(現在通信不能)
[思考・行動]
基本方針:出来れば子と合流。
1:生還の為に行動する。子や親らしい相手と合流したい。
2:このゲームは誰が、どのように、何故行ったのかを考える。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
『お守り』については把握しているは不明。
DBバッジは20km圏内に仲間がいなければ効果を示さないが、現在はここに来るまでにどこかに打ってしまったのか更に調子が悪く、余計に通信ができない状態。
[人物解説]
米花小学校一年生。少年探偵団所属。
常に丁寧な言葉を使い、小学一年生と思えないほどの知能を持っている(ただし人並)。
運動神経もそこまで悪くはなく、持久力も実はコナンより上。
知識量、頭の回転の早さ、運動神経、正義感などあらゆる面で小学生として高水準にも関わらず、周囲が凄すぎて凡人止まりにされる少年。
原作の出来事もアニメの出来事も回想していいような、ざっくりとした感じで参戦(コナンの本筋にあんまり関係ないので、ざっくりした描き方でも大した矛盾は出ないと思われる)。
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投下終わりです。
タイトルは本文パートには転記し忘れてしまいましたが、状態表のところに書いてある通りで。
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投下します
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ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
まるでエンジンの爆音のような奇怪な音が鳴り響いていた。
音の出所は、ひとりの男。
ドッドッドッドッドッドッドッド
覇気、というべきか。
この場に他者がいれば難なく飲まれてしまいそうなオーラを放っている。
ドッドッドッドッドッドッドッド
顔の傷は、男が様々な修羅場を潜り抜けてきた証のようであった。
ドッドッドッドッドッドッドッド
彼の名は『キング』
S級ヒーローの一角にして、世界最強の男と称される男である。
先程から鳴り響いている音はキングエンジン。
キングエンジンとは、キングが戦闘体勢に入ったことを示すものである。
キングはしばしの熟考の後、先程から上空を頻繁に飛び交う飛行機を鋭い眼光で一別する。
脆弱な怪人なら失禁のあとに土下座して許しをこうような眼光を受けても、どこ吹く風とばかりに飛行機は消えていく。
キングの記憶では、友人のサイタマと鍋パーティーの真っ最中から、何の脈絡もなく突然に謎の声に導かれるまま、この島に親として放り出されるに至っている。
さしもの世界最強の男とて、この混沌とした状況は手に余るのかもしれない。
どうやら自分以外にもこのゲームの参加者はきちんと存在するらしく、
飛行機は無数のビラと同時に、自分と同じようなパラシュートを投下していた。
(……帰りたい)
世界最強の称号を持つ一般人は、このゲームでそのメッキを維持できるのだろうか?
【???/深夜】
【キング@ワンパンマン(リメイク)】
[役]:親
[状態]:健康、キングエンジン
[装備]:ー
[道具]:デイパック(不明支給品3)
[思考・行動]
基本方針:帰りたい……
1:一応、自分のできる範囲で子と親を保護する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
参戦時期はリメイク版の最新話から。
WEB漫画【ワンパンマン】に登場する"史上最強のヒーロー"。
オールバックにした金髪と左目についた3本の傷跡、そして歴戦の古強者たる佇まいと雰囲気を醸し出した男性。
"王者(キング)"というヒーローネームの他にも"人類最強"、"地上最強"といった様々な「最強」を冠する二つ名があり、その異名はヒーロー、民衆はおろか敵である怪人側にも広く轟いている
……という噂や英名が一人歩きした結果、S級ヒーローの地位に就いた只の一般人(本人曰く無職で引きこもりでオタクな駄目な29歳)。勿論強さも一般ピープル相応。
災害レベル狼〜竜に至るまで様々な怪人と出くわし、気付いたら誰かが倒してくれた。そんな場面に5回出くわしたことでヒーロー協会や民衆から勘違いされ、S級ヒーローに認定されたのが始まり。
積極的に否定しなかったために結局今の座に就いたことで、他では得られない程の人気と名声を手にした代わり、当然ながら不必要な干渉やしがらみにも纏わりつかれるハメになりそのまま現在へ至
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投下終了です
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投下します
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なぁシュヴィ――もし俺とおまえ、二人で一人だったら、さ……
――なぁ、またゲームしようぜ。今度こそ、勝ってみせるから、さ……
鬼ごっこは、子供の遊びの一つである。
一般的な教養がある者ならば誰もが知っている遊戯の代表的なものとして挙げても良い程の知名度を誇るものだ。
遊戯。そう、これはゲームだ。
今回は―――否。今回も命を賭けた内容であるが、それでもその本質はゲームに違いない。
この理不尽な遊技にもルールがあり、役割がある。ただの戦争や殺し合いとは大違いだ。
そしてパラシュートから降りた青年―――リクは生前、自分達が勝つ為に作ったルールを思い浮かべる。
【一つ】誰も殺されてはならない
【二つ】誰も死なせられてはならない
【三つ】誰も悟られてはならない
【四つ】如何なる手も不正ではない
【五つ】奴らのルールなど知ったことではない
【六つ】上記に違反する一切は、敗北とする
この鬼ごっこでも、そのルールは貫くつもりだ。戦わずして勝つのは困難を極めるだろうし、誰も殺されるなというのは無茶だが……誰にも死んでほしくないから。
大戦で多くのモノを喪った。仲間に死ねと命じたこともあるし、愛する妻すらもその命を大戦で落とした。
「シュヴィ……」
自分は生き返ったが、彼女はどうだろうか。このゲームに参加しているのだろうか?
そして死人を蘇らせられるこのゲームの主催者は何者なのか。
様々な疑問は思い浮かぶが、リクがすることは生前とあまり変わらない。
『ねぇ、二人共何を始める気なの?』
『ゲームだよ。ただの子供の遊びを始めるのさ』
それは生前に義理の姉と交わした言葉。舞台こそ変わったが、リクが成すべきことはただ一つ。
「さあ、ゲームを始めよう」
【???/00時02分】
【リク・ドーラ@ノーゲーム・ノーライフ ゼロ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイパック(不明支給品2)
[思考・行動]
基本方針:今度こそゲームに勝つ
1:シュヴィを探す
2:仲間を集める
3:誰も殺させないし、死なせない
※その他
大戦時の人間であり、当時は2000人弱の集落を率いていた。龍精種と機凱種が交戦した際の流れ弾で生まれ故郷が壊滅、両親を亡くす。その後はコローネのいた集落にたどり着くが、その集落も後に壊滅し、直後の子供離れした判断力により、僅か13歳にして1000人超の集落の長を任された。2000人を生き残らせるために累計48名の仲間に死ぬことを命じており、その行為に矛盾を抱え日々苦悩していた。
シュヴィによって自分の本心(誰にも死んで欲しくない)を暴かれ、シュヴィと「幽霊」を率いて大戦を終わらせるため、大謀を計略する。大戦を終わらせる決意をした後にシュヴィに求婚し、異種族間での結婚をした。最終的にはシュヴィを犠牲としながらも星の核を貫くことで『星杯』を出現させ、大戦を終わらせたが、リク自身はその余波で消失してしまう。
死亡後からの参戦
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投下終了です
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投下します。
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「え……なにこれ。ギャグ?」
目を覚ました少年は、赤い空をパラシュートで降下しながら呟いた。風で吹っ飛ばされそうなメガネを、指で抑える。
白いワイシャツ、茶髪にメガネ。彼は、何の特別な設定もない、普通の男子高校生である。
「…………おわああああああああああああああああああ!?」
のだが、多少は運動神経が良い。幸いに木の上に落下し、怪我もなく降下出来た。
「殺す気かあ!?」
天に向かって、正確には上空の飛行機に向かって叫ぶ少年。
背負わされたデイパックの中にあった文書や支給品を確認すると、完全に殺す気だ、と如実に理解出来た。
鬼ごっこ。鬼が子を追い、親は子を守る。そして、鬼はガチで子や親を殺しに来る。そういうデスゲームだ。
「あー、今日の乙女座は死ぬ、って書いてあったんだろーな。まあ占いとか信じないけどねー俺」
少年は膝を突き、頭を抱え、現実逃避するように呟いた。ダメだこりゃ。
……いや、俺は子供じゃない。親の役だ。弱者を助ける役目だ。そう書いてある。
かつていじめられっ子だった俺を救った、あのヒーローのように。なってやろうじゃねーか。何の特殊能力もないけどな。
彼はそう思い、顔をあげた。……直後に猛烈な腹痛に襲われ、近くの公衆トイレにダッシュした。
【???/00時12分】
【ヒデノリ@男子高校生の日常】
[役]:親
[状態]:腹具合が悪い
[装備]:真田北高制服(ブレザーの冬服、上着なし)
[道具]:デイパック(不明支給品2、確認済み)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:今日は、腹が騒がしいな……。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。親が帰還するためには「子を減らす」必要がある可能性には気づいていない。
『人物解説』
漫画『男子高校生の日常』の主要登場人物。CV:杉田智和。某県立真田北高校(男子校)二年A組。乙女座。名字は不明(田畑?)。大学生の兄がいる。
茶髪でメガネをかけており、ルックスは悪くないがハイレベルなバカ。笑いに対してはノリがよく、ボケもツッコミもこなすエンターテイナー。
場の空気を読みすぎてドツボにはまることがままあり、他人を謎のロールプレイに巻き込んだりもする。身体能力は意外に高いが、一応常識の範囲内。
コミュ力が高いため友人は多く、よく女性とも恋愛フラグを立てるが、その都度へし折っていく。小学生の頃はいじめられっ子だった。
4巻61話でうんこを漏らしそうになっていたところを拉致され降下。諸事情により冬場に上着を失っていたので腹具合が悪い模様。
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投下終了です。
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投下します
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「何だぁ…ここは」
出来の悪い、しかし可愛い妹を背負って地獄へ向かって歩いていたと思ったら、突然明るい場所へと出た。
鬼となってからは縁がなかった、朱い空だった。
人だった頃に見た夕暮れに似た空だった。
しかしたとえ夕暮れの陽光でも俺の様な鬼には致命的、そのはずだった。
だが、俺はこうして立っている。
「お兄ちゃん……」
背後を振り返れば、妹の顔があった。
その顔はもう、人間、梅の顔じゃあなかった。
十二鬼月の上弦。その陸の鬼、堕姫がそこにいた。
だが、まだその表情だけは頭が悪くて素直でかわいい妹のままだった。
その妹が「どうする?」という顔で俺を見つめてくる。
俺はそれが何だかおかしくて、嗤った。
仰ぎ見れば、奇妙な鉄の鳥が妙な紙をバラ撒いている。
妹を下ろして一枚空に舞っているのをもぎ取ると、その紙には鬼ごっこをしろと書かれていた、更に優勝すれば現世に復活できるらしい。
またそれを読んで俺はおかしくなった。
本物の鬼に鬼ごっこをしろとはこの紙を書いた奴は相当なバカなんだろうなぁあ。
「だが、俺達のやることは変わらねぇ」
「…取り立てに行くのね?醜い人間共を捕まえて、一人残らず何もかも奪うの」
そう、俺も梅も、きっと何度生まれ変わっても必ず鬼になる。
幸せそうな他人を許さない。何も与えなかった神も仏も許さない。殺してやる。
必ず妓夫太郎として奪い、取り立て続ける。
「それじゃあ今度こそ私に任せてお兄ちゃん」
妹がそう言って悪辣な笑みを向けてく。ああ、そうだった。そうやって100年間も柱の連中を食らってきたんだった。
最後は下手を撃ったとはいえ、今回もそのやり方を変えるつもりは、不思議となかった。
梅野の背中に還るさなか、もう一度妹の顔を見る。
その表情ももう、梅ではなかった。
堕姫という上弦の鬼がそこにいた。
【???/深夜】
【堕鬼(妓夫太郎)@鬼滅の刃】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:殺し、食らい、現世へと復活する。
1:幸せそうな子や親を食い殺し取り立てる。
主要人間キャラ達の宿敵、鬼舞辻無惨配下の精鋭の鬼、十二鬼月の一人。鎌鬼。
妹の堕姫と二人で一人として、「上弦の陸」の数字を与えられている。
ボサボサの髪、猫背でガリガリに痩せ細った体、陰気な顔には血の染みのような痣がある醜い容貌。
奪われる前に奪え、取り立てることを信条としており、人にされて嫌だったこと、苦しかったことを人にやって返して取り立てるという歪んだ考えを持つ。
猛毒を含んだ血液を鎌として振るう血鬼術を主戦法とし、その他乱戦のさなか妹の堕姫に的確な援護を送ったり、自身の片目を妹へ送ることでその体を操作することも可能。
また二人で一人の鬼の性質上、二人同時に首を刎ねなければ倒すことはできない。
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投下終了です
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投下します
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「なんだここは……」
右、左、住宅街。
上、無数のビラと朱い空。
どこか懐かしくも未知の立地に困惑を隠しきれない幼女がひとり。
ターニャ・デグレチャフは何時の間にか、前世の故郷に酷似した場所に転移していた。
「これも貴様の仕業かッ! ……存在Xッ!」
幼女と言えど現役の軍人。直ぐ様冷静さを取り戻すと、目下この状況の最大の現況と思わしき存在を心中で罵倒する。
存在X。過去現在に至るまでターニャを苦しめている連中は、
事あるごとに信仰心を求めてくる。
単純に考えるなら、これも何時まで経っても信仰を持たない自分に業を煮やした存在Xが用意した試練だろう。
そこらにばらまかれているビラに目を通してみると、信じがたいことにアレンジされた鬼ごっこのルールらしきものが記されていた。
この法則に習うなら、自分は「子」……なのだろうか?
確かに肉体は幼女だが、中身アラサーの自分が該当するものかと判断に困る。
少なくとも「鬼」ではないだろうが、そうなると自分は狩られる側である。
危機的な状況に押し込め、無理矢理に信仰を持たせる算段か。
なぜ選出が鬼ごっこなのかはわからないが、現代社会に信仰を求めてくるような、需要と供給を理解できない存在Xの事だ。
ルールがわかりやすいとか、そんな適当な理由で決めたのだろう。
「ふざけるなよ……ッ」
ーーーだとしたら考えが甘い。
当然、欲しくもない加護を押し付けられて、あまつさえ幼女にさせられた身の自分が奴等を信仰するなどあり得ない。
ラインの悪魔は存在Xに憎悪しつつ、このゲームからの脱出を決意した。
(それに休暇とはいえあまり長く行方をくらますと今後の昇進に響く……早く帰らなければ)
その思考は意外にも小市民的であった。
【???/00時10分】
【ターニャ・デグレチャフ@幼女戦記】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:モンドラゴンM1908
[思考・行動]
基本方針:出来れば子と合流。
1:このゲームから早期の脱出を目指す
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
『お守り』については把握しているは不明。
[人物解説]
アニメ11話で帝国に帰還した後からの参戦
『幼女戦記』の主人公。 前世は日本のエリートサラリーマンで、徹底した合理主義的思考で人事課で素晴らしい活躍をしていたが、彼にリストラされたことを逆恨みした元同僚の手によって殺された際、転生前に神を名乗る存在Xと謁見する。
しかし無神論者である彼は、目の前の存在が本物の神である可能性を全否定してまともに取り合わず、その「不信心」に怒った存在Xによって「神への信仰を取り戻すように」と魔法の存在する、ヨーロッパに似た戦争前夜の異世界に女児として転生させられる。
転生先の祖国が戦争不可避な国際情勢であり、魔導師適性があるせいで将来的に確実に徴兵がくる身の上だったので、士官学校への入学して優秀な成績をおさめ、安全な後方勤務ができる軍官僚になろうと画策。
しかし士官学校の実地訓練にて北方の国境部隊に派遣されている時期に国境紛争が勃発。初陣で、敵一個魔導中隊に単騎で600秒の遅滞戦闘を貫徹。スコアも撃墜4・不明2と初戦でエース級の活躍を見せ、英雄しか生きて貰えないという銀翼突撃章を授与されてしまう。
軍内での二つ名は「白銀」か「錆銀」と、敵からはネームド扱いされており、特にライン戦線での暴れっぷりから「ラインの悪魔」と呼ばれる。
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投下終了です
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投下します
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「ワオ。鬼ごっこかい?」
空から舞い落ちてくるビラを見る。そこに書いてある内容は鬼ごっこ―――草食動物達を一斉に咬み殺す遊びだ。
親という普通の鬼ごっこにはない役割が追加されているが、咬み殺す対象が増えるだけなのでそれについて雲雀恭弥は特に気にする様子もない。
何故なら彼は並盛中学で最強の男だ。ゴーラ・モスカを瞬殺したことから、裏社会でも通じる強さを誇ることも証明されている。親が何者であろうと、咬み殺す自信はある。
……しかし雲雀は子だ。本人は自分のことを鬼だと考えているが、本来は咬み殺す側ではなくむしろ逃げる側である。
だが普段とは立場が正反対であるがゆえにその誤解に気付けるはずもなく、いつも通りに草食動物を咬み殺す道を選んだ。
ただし鬼と群れるつもりはないし、遭遇することがあれば咬み殺すつもりだ。子や親を狩る役割なのだから、多少の歯応えは期待出来るだろう。雲雀が特別視している赤ん坊……リボーン程の強さがあれば理想的だ。
そして方針も決まった所で早速咬み殺しに行こうとした時、ポケットの中の異物感に気が付いた。
すぐに取り出して説明書を読むと、それは式札というらしい。子が鬼に対抗する上で重要な支給品であるソレを雲雀は―――。
「これ、いらない」
何の躊躇もなくポイ捨てした。彼は自分のことを鬼だと思っているし、参加者の死体が何役だろうが興味はない。どんな役割の相手だろうが咬み殺すだけだ。
孤高の浮雲はこの鬼ごっこでも、我が道をいく。
【???/00時06分】
【雲雀恭弥@家庭教師ヒットマンREBORN!】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:雲雀のトンファー@家庭教師ヒットマンREBORN!、雲のボンゴレリング@家庭教師ヒットマンREBORN!
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:咬み殺す
1:親、子、鬼を咬み殺す
2:他の鬼と群れるつもりはない
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を鬼だと誤解している
『人物紹介』
並盛中学校の風紀委員長。並盛中学校だけではなく、並盛町一帯の頂点に立ち、裏社会も牛耳る最強最恐の不良。愛校心が人一倍強く、風紀委員の部下に手配させた校歌を着うたにしたり、常に制服を着ているなどの諸行動が見受けられる。
フゥ太の「並盛中ケンカの強さランキング」では1位。好戦的な戦闘マニアで、より強い相手と戦いたいという願望がある。トンファーを使った近距離攻撃を得意としており、トンファーには鉤や棘、玉鎖など様々な仕込みが施されている。また、群れることと束縛を嫌う一匹狼で、他人が群れているところを見ると「弱くて群れる草食動物は嫌い」という理由で襲い掛かる。
まだ匣兵器が登場していないVSヴァリアー編終了後、未来編前からの参戦。
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投下終了です
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投下します。
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「……ここは?」
少女が目を覚ますと、路上にいた。雲のない赤い空、ビラを撒く飛行機。家々に明かりや気配はない。無人の街。
見回しても、それほど高いビルはない。……見知らぬ街だ。
「……これは?」
掲示板や壁や電柱には、偏執狂のように無数の同じ貼り紙。拾ったビラも同じ。その文面は、鬼・親・子で『鬼ごっこ』をするというもの。
自分が三つの役のどれか、というなら―――多分、『子供(チルドレン)』。一応、14歳の中学二年生ということになっている。
年齢と関係なく、親や鬼にされている可能性もあるが……自分の役も教えないとは、なんと不親切な。
鬼ごっこというゲームを、知識としては知っているが、やったことはない。子は、鬼から逃げる。決められた範囲とか、制限時間は、わからない。
ここはどこか? 参加者は、自分以外に誰が何人いるのか? そも、誰がこんなことを? ……現状では、情報が少なすぎる。
困惑する少女は、いつの間にか手に持っていた道具を確認する。携帯端末だ。説明書がついている。
どうやら、これで同じ『子』と、これを持っていれば連絡出来るらしい。情報収集も可能だ。少女は、無表情に呟く。
「……帰らなきゃ」
【???/00時06分】
【綾波レイ@新世紀エヴァンゲリオン】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:第3新東京市第壱中学校女子制服
[道具]:スマートフォン
[思考・行動]
基本方針:帰還する。
1:携帯端末で他の『子』と連絡を取り、情報を収集する。
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。自分の役を子であると推測。
様子がおかしいとは思っていますが、殺人ゲームだとは気づいていません。
『人物解説』
『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの登場人物。CV:林原めぐみ。第3新東京市立第壱中学校2年A組。NERVに所属するEVA零号機専属操縦者。
細身で小柄、水色のシャギーヘアと赤い瞳、透き通るような白い肌をした少女。人形のように寡黙で無表情、感情を表に出さず、他者と必要以上の会話はしない。
ただ感情がないわけではなく、表現の仕方を知らないだけである。様々なバリエーションがあるが、TV版、旧劇場版、漫画版、新劇場版のどれなのか、何人目なのかは現在不明。
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投下終了です。
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皆様更なる投下乙です。
この企画が始まって十日立ちましたが早まり続ける投下ペースを大変嬉しく思います。
このペースに負ける形で恐縮ですが、wikiに30登場話中の14話の収録を終えました。
他の方の投下を見て私自身登場話のインスピレーションが刺激されているので、皆様にもぜひ便益を共有したく思います。
>>90
出そうか出さないか迷っていたキャラの筆頭です。
というのも、本文中にもあるように探偵バッジの通信機能がネックなんですよね。
光彦ならそれだけですがコナンは眼鏡で少年探偵団全員の居場所を把握できますので、どうしようかなと思っていました。
もし他の少年探偵団が投下された場合は会場にエイハブリアクターが設置されていて電波障害を起こしているとかそんな感じになると思います。
>>94
……すごい漢だ。
>>97
異世界のデンジャラスゲーマーの登場だ。
果たしてこのデスゲームと化した鬼ごっこで、己の身一つを元手にどこまで自分のゲームを行えるでしょうか。
もっとも勝利条件的には原作より簡単なのかもしれませんが。
>>100
鬼はおろか下手な子よりも弱い、これぞ親です。
年齢的に子と誤認され得るのも面白いですね。
他の参加者とノリが違うため良い具合に摩擦も起こしそうです。
気になるところというと公衆トイレですね。
桐山が月岡を嵌めて殺したトイレでしょうか。
>>103
作品タイトルからして鬼な鬼ですね。
生前もここでもブラックな待遇で戦うハメになりますが、二人で一人というのは大きな強みです。
今の所昼夜がこの会場にはないため弱点も気になりませんしね。
>>106
知ってる人からすると「アイツ鬼じゃね?」と疑われる人選ですね。
他の子やそれ以外の役との精神性の差異が軋轢に繋がりそうです。
戦闘力もあるので疑心暗鬼や不信の種にするのにうってつけですね。
>>110
そういえば今までいなかった自分を鬼だと思いこんでいる子ですね。
どう登場話を捻るかで頭を悩ませていたところにこれは思わず膝を打ちました。
戦闘力は鬼を正面から撃破しうる程にあり、性格は憎悪と対立を醸成しそうでいい感じです。
>>112
赤い海の世界から赤い空の地獄に来ることになるとは思いもしなかったでしょう。
鬼にエヴァが支給されてそれを強奪でもしない限り基本的には戦えないでしょうね。
たった24時間で彼女と一定以上のコミュニケーションをとることは一部の人間を除いて困難でしょうから。
そこを解決できれば、予想だにできないイレギュラーとなるでしょう。
余談ですがこの企画の参加者でパニックものの主人公タイプの人間は希少な上、戦闘力も兼ね備えている人間はいません。
どの役もボタンの掛け違い一つあれば内輪揉めで潰れそうな参加者が投下されるあたり、皆様の理解力に感服しています。
映画でいうとミストのような雰囲気になりそうで楽しみです。
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投下します
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「鬼ごっこ…………?」
森の中で呟く少女。
知識にはあるがやった事は無い。鬼ごっこに興じる同年代の子供達を見て抱いた感慨は、既に消え失せて、少女の心の何処にも無い。
緩慢な動作で周囲を見回す少女。
肉付きの薄い裸体に貫頭衣ゆ纏っただけの姿は、如何にも寒々しい印象を与える。
手にした少女の身体より巨大な鉈が無ければ……だが。
「この度の"神楽"の趣向でしょうか?」
呟く言葉には凡そ抑揚というものが無く、仮面の様な無表情と相まって、少女を作り物めいて見せていた。
「御主人様がいらっしゃいませんし………。取るべき命は何処に……?」
周囲の確認わ終えるが、人っ子一人いやしない。赤い空を見も、少女の声には何の感慨もなく、夕暮れ時かと思った程度。
少女は少し思案した後、これが鬼ごっこだという事を思い出し得心した。
探して殺せという事なのだろうと少女は考え、獲物を探して歩き出した。
【???/00時01分】【アルシア@白貌の伝道師
[役]:鬼[状態]健康[装備]:嘆きの鉈[道具]:不明[思考・行動]基本方針:出逢った全てを殺す※その他・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。人物情報虚淵玄作 白貌の伝道師のヒロイン。
ハーフエルフとして産まれ、人とエルフから蔑まれて育ち、愛される事を望みながら誰にも愛されなかった少女は、骸人形"バイラリナ"となる事で心の安らぎと救済を得た。
痛みを知らず、感情を持たず、肉体の限界を超えた身体能力を持ち。充填された魔力が尽きぬ限り動き続ける。損傷は即座に回復する。
身の丈ほどもある「嘆きの鉈」を機械じみた精密さで使いこなし、徒手格闘技にも長ける。
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投下を終了した
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状態欄を此方に修正します
【???/00時01分】
【アルシア@白貌の伝道師】[役]:鬼
[状態]健康
[装備]:嘆きの鉈
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:出逢った全てを殺す
※その他・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物情報
虚淵玄作 ダークファンタジー白貌の伝道師のヒロイン。ハーフエルフとして産まれ、人とエルフから蔑まれて育ち、愛される事を望みながら誰にも愛されなかった少女は、裏切られ、拒絶されて、骸人形"バイラリナ"となる事で心の安らぎと救済を得た。痛みを知らず、感情を持たず、肉体の限界を超えた身体能力を持ち。充填された魔力が尽きぬ限り動き続ける。損傷は即座に回復する。身の丈ほどもある「嘆きの鉈」を機械じみた精密さで使いこなす。徒手格闘技にも長け、素手で武装した兵士を撲殺出来る。
思考は有るが意思は無く、知識は有るが感情を持たない、主人の命令をこなすだけの殺戮人形。
話しかけられれば受け答えをするが、自分から話しかけるという事は無い。
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投下します
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「あろま…?」
白玉みかんは困惑していた、さっきまで一緒にプリパラに入場したはずの親友の姿は無く、場所もプリパラに入ればいつも出るゲートではなく、暗い森の中だった。(ついでに姿も小学生のままだった。)
「何か落ちてるなの!…うーん、これって鬼ごっこなの…?」
ふと見るとビラが落ちており、拾って読むと何やらルールが書かれていた。
そこには親や子供など本来のルールでは聞かぬ単語もあったが鬼から逃げる、捕まえるなどの単語を見るに鬼ごっこだとみかんは推理した。
そこでみかんは閃いた。
「そーなの!きっとこれは鬼ごっこイベントなの!」
そう、これはプリパラが新たに開催したイベントなんだと。
そう考えるとこれらの異変に説明がつく、見慣れない風景もホログラムで細工すればいいし、容姿が変わらないのも別に変ではない、プリパラチェンジしなければいいだけなのだから。
「早くあろまとガァルルを探して一緒に逃げるなの〜♪」
みかんはビラを持ってるプリチケバックに仕舞うと何処かにいるはずの親友達を探しに行くことを決めた。
ビラに書いてたルールでは、子供は鬼から逃げると書かれていた、みかんは子供、だからつまり自分は逃げる側だと思い、同じくあろまやガァルルもみかんと同じ逃げる側だと思った。
そうと判れば早く探しに行かないと、ガァルルはともかく、あの子は自分よりも何倍も頭はいいがその分運動音痴なんだから、早くしないと鬼に捕まってしまう。
「じぇるじぇる!えーんじぇるーん!」
みかんはいつもの台詞とともに駆け出した。
居るかどうかわからない親友達を探すために。
自分が壮大な勘違いをしてるのも気付かずに。
【???/深夜】
【白玉みかん@アイドルタイムプリパラ 】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:プリチケバック
[道具]:ビラ、プリチケ、アイドルウォッチ、式札
[思考・行動]
基本方針:あろまとガァルルを探す
1:あろま〜!
2:ガァルル〜!
3:あろま〜!
4:ガァルル〜!
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99:何か食べたいの!
※本編終了後の参戦です。
※自分とあろまとガァルルは逃げる側(子)だと思っています
※あろまとガァルルも参加してると思っています
※式札はプリチケバックにありますが気付いていません
※各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握
※鬼ごっこはプリパラのイベントだと思っています
人物紹介
白玉みかん
CV渡部優衣
誕生日 - 10月4日(天使の日)
血液型 - B型
好きな食べ物 - プリン、中華まん
私立パプリカ学園小学部の6年生、プリパラ二期から登場。
緋色のポニーテールと黄色の瞳をしており、現実世界では天使の羽と果物のミカンをあしらったヘアゴムで髪を纏め、制服には天使の羽根をあしらったリボンをつけている。
一人称は「みかん」、口癖は「えーんじぇるー」語尾に「なの」をつけて話す。
天使系アイドルで、5歳の頃からの幼なじみかつ親友である悪魔系アイドルの黒須あろまとボーカルドールのガァルル共にチームガァルマゲドンを組んでいる。
性格はマイペースで食いしん坊で、天使系アイドルなためそれにちなんだ行動や台詞を言うが、これらはあろまが考えた演出である。
知能はあまり良くないが運動神経はかけっこの際にかなり出遅れたにもかかわらず一気に抜き去りトップになる、小学生でありながらハングライダーの免許を持つ、劇場版では水面の上を走る、などかなり高いが、すぐ空腹になり長続きしないという欠点がある。
プリチケバック
鞄型のプリチケ収納バック。
プリチケ
年頃の女の子に届く、プリパラに入場するのに必要なチケット。
プリチケの上の部分はトモチケと呼ばれ分離可能、分離(パキる)したトモチケは主に親しくなった相手とトモチケ交換するのに使用する。
アイドルウォッチ
懐中時計型アイテムでライブをするのに必要なアイドルタイムを貯めることができる。
また、スカウトマスコットを収納したり通話、写真を撮ることが出来る。
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海岸をてくてくと歩く少女が一人。周囲を見回しながら海沿いに歩いている。
「むう…。訳がわからん。気がついたらこんな処に居るし、それに…………」
見上げた空は血を溶かし込んだ様に赤く、所々で火花が散っていた。
「何とも面妖な空よ………。超帰りたいぞよ」
とは言え帰り道がわからないのでどうしようもないのだが。
思わず腰に帯びた太刀と、隠し持った某手裏剣を確かめ、その感触と重さに安心感を覚えた。
「まあ何か起きても対処は出来そうじゃが………ひょ?」
気が付けば、空からひらひらと舞い落ちる無数の紙。
何処からか降ってくる得体の知れない紙に、益々面妖なものを覚え、少女は眉を顰めた。
「一体何ぞよ?」
舞い落ちる神を一枚掴み取ると、訳の分からない事が書いてあった。
『ルール1:子供は、鬼から逃げなければならない。』
『ルール2:鬼は、子供を捕まえなければならない。』
『ルール3:きめられた範囲をこえて、逃げてはならない。』
『ルール4:時間いっぱい鬼から逃げきれれば、子供の勝ちとなる。』
『ルール5:親は、子供を守らなければならない。』
「鬼ごっこか………。これも因果というやつかのう………………」
過去に己の武力と権限を用いて、男共に行って来た熾烈な虐待を思い出し、少女の口元に自嘲の笑みが浮かぶ。
「妾の役は何じゃ?鬼などになった覚えは無いし…。親が子のいずれか。この何も教えずに、只右往左往して逃げ回れと言わんばかりの状況は………。子か」
似た様な事を実行して来た少女は、自分に振られた役割をそう推測した。
子などを振られる年齢でもないが、外見が小学生と変わらない身では仕方ない。
短く苦笑した少女は、左右を見回して誰も居ない事を確認する。
未だに釈然としないが、自分の置かれた状況と、腰の太刀ゆ考えれば、この鬼ごっこはかなり物騒なものだと推測できる。
武装した自分の抵抗を捩じ伏せられる強さか装備の鬼が徘徊しているのは確かな事実だろう。
親なり子なりと合流して、情報を交換したいところだが、鬼とも遭遇しておきたかった。
何しろ対策を立て様にも、どんな相手か知らなければ、立て様が無いのだから。
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【???/00時01分】
【花酒蕨@武装少女マキャヴェリズム】[役]:子
[状態]健康
[装備]:太刀・棒手裏剣
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:親か子と合流する。鬼がどんなものか確認しておきたい。
※その他・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物情報
CV日高里菜
元々女子高だった学園が共学になった際に男子生徒を恐れた女子生徒のための風紀組織、愛知共生学園“天下五剣”の最年長生。要するに高校三年生。
ただし外見は小学生並み。
気分屋かつ奇矯な振る舞いをする少女。ドーモー(cv藤田咲)というクマを飼っている。
学園の治安維持を理由に矯正対象の関係者も平気で巻き込む"ワラビンピック"なる催しを行い。
他の五剣担当領域にも干渉してくるため、生徒達からも話の通じる相手ではないと認識されている。そうした行動は熊を飼うことを通すために誰よりも恐れられようと露悪的に振る舞っているためで、根は理知的で最上級生としての責任感を持つ。が、一番風呂を巡って他の五剣と喧嘩したりする。
精神的な揺さぶりを掛けたり、強敵相手には数を用いたりと知恵を用いた(本人は老獪と称する)戦い方をする。
タイ捨流を修得していて、戦闘では身軽さを活かして戦う。
モチーフは天下五剣の一つ"童子切安綱"。
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投下を終了します
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投下します。
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「……ん? なんだ、どこだここ」
少年はキョロキョロと、大きな目で見回す。周囲の様子がおかしい。石造りの立派な建物ばっかりだ。
空は朝や夕暮れでもなさそうなのに、妙に赤い。あやかしの仕業だろうか。
「ん、懐になんか……入ってる」
違和感を覚え、取り出してみると、大きな水晶だ。うっとりして涎を垂らしかけたが―――それを包んでいた紙に、なにか書かれているのを発見した。
「……は?」
参加者? 役? 親? 死亡? どうも様子がおかしい。いや、周囲がとっくにおかしい。
慌てて見回すと、壁に所狭しと紙が貼られ、文字が書かれている。顔を近づけ、その文面を確認する。
「……地獄か、ここ」
鬼ごっこ、にしては物騒すぎる。この水晶を使うと自壊する上、親の役の人なら殺してしまうらしい。使わずに持ってた方が良さそうだ。持ち帰れたら持ち帰りたい。
自分はきっと、子の役だろう。こういう時は、情報と味方を集めるに限る。鬼に捕まらずに、この奇妙な街を探索してみよう。
【???/00時04分】
【摂津のきり丸@落第忍者乱太郎/忍たま乱太郎】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:忍者装束、忍具一式
[道具]:水晶
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。自分の役を子であると推測。
『人物解説』
漫画『落第忍者乱太郎』/アニメ『忍たま乱太郎』の登場人物。忍術学園一年は組の生徒で図書委員。年齢は10歳。CV:田中真弓。身長140cm、体重34kg。黒髪を後ろで結った前髪の少年。
戦国時代の摂津国出身だが、戦で村を焼かれて天涯孤独となり、日夜アルバイトに勤しみ逞しく生きている。忍術学園の入学金や学費も自前のバイト代で支払っている。
気性は錐のように尖っており、異常なドケチ。銭のことを考えると目が永楽銭の形になり、一度掴んだものは放さず(じゃんけんでもグーしか出さない)、捨てられても取りに行く。
銭の落ちる音を聞けば猛スピードで拾いに行き、数km先の銭を発見し、音や臭いで銭の真贋を判別し、銭の単位がつけば8桁の掛け算も暗算でこなすなどの特技を持つ。
「タダ」「安い」「お金」等の言葉に弱く、「損」「くれ」「払う」等の言葉には拒絶反応を示す。自分がドケチであることを誇っており、命よりも銭が大事。
忍術や体術はなかなかのもの。女装が異様に似合っており、売り子や接客のバイトではよく女装している。商売上手で、彼にかかると一瞬で商品が完売する。
根がシビアで処世術にも長けているが、常に一言多いのが欠点で、たびたび余計な事を口走っては鉄拳制裁を喰らう。教師の土井半助を保護者として同居している。
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投下終了です。
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皆様投下乙です。
企画開始から二週間、コンペも折り返し地点にやって参りました。
鬼はほぼ埋まりましたので今後は親と子が全体のバランスを左右することになりそうです。
wikiに34登場話中21話を収録し、登場話候補一覧に纏めました。
ここを見ればほぼ登場話のテンプレートが揃っています。
また有志の方が参加者名簿を更新してくださったようです、ここでお礼を述べさせていただきます。
こちらは30番目の登場話までの参加者が纏まっていますので合わせてご覧下さい。
>>116
桐山タイプの参加者ですね。鬼と確信しにくい容姿と親を確殺できる戦闘力を持つもルール未把握という大きなハンデを負っているため、情報に応じて脅威が増すというギミックが面白いです。
出会う参加者によっては行動に振れ幅を出せるのも良いですね。
>>120
この企画の原作が子供向けなのに今までほとんどいなかった子供向けアニメのキャラですね。
フィジカルと可愛さ、そして天使であることから相馬を思い出したのは私だけではないでしょう。
この企画では食糧が配られないため手に入れるには鬼の牢獄に向かうという方針も取らせられるのも本編で動かしやすいですね。
式札をプリチケバックに紛れ込ませているあたり鬼の悪辣さが感じられてそれも良いです。
あと全然関係ないですけどパプリカ学園ってなんでパプリカって名前なんでしょうかね。
私、気になります。
>>123
ジョジョ四部・鉄血のオルフェンズに続いて三作品目の複数参戦キャラですね。
こんだけ原作バラバラで纏まるのかって気もしますが、バラエティ豊かな方が面白いので止めません。
そんな中で自分と顔見知りの人間がいることは参戦段階で非常に大きなアドバンテージとなります。
また役が同じであるためルール上利害関係にも無いのも極めて大きいです。
本人も腕も頭も立つとくればこの参戦で子が有利なバランスになったことは現時点で間違いないと思います。
>>127
スペック的にもキャラ的にもこの企画でいぶし銀に立ち回れるキャラですね。
戦うのではなく逃げる/追うの展開がメインとなるため、戦闘に持っていく/打ち切るためには感覚の鋭さや戦闘以外の部分での優秀さが重要です。
自衛もできるため、組む相手によってはまず死ぬ場面は無くなるのではないでしょうか。
それでは私も投下します。
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スマートフォンである。
「むぅ……」
本体に特段の変哲は無い。
しかしディスプレイには、「01:00から使用できます」の文字。
「うーん……」
そしてそれを手に難しい顔をしている少女が一人。
紺の着物に見を包み、上を後ろで一つにまとめた、くりくりとした目。
彼女は手の上の機会をじぃと見たあと、呟いた。
「落とし物かな……?」
関織子ことおっこは春の屋という温泉旅館に住んでいる。小学生だてらに若おかみをやっているが、これは昨今叫ばれる中小企業や自営業での後継者不足ということもさることながら勢いと勘違いと巡り合わせによるところも大きい。しかし一つ言えることは、今や彼女は知る人ぞ知る業界の新星だということだ。
「……その前に、ここどこだろ……」
そんな彼女だが、残念ながら機械には弱かった。パソコンなどもほとんど触ったことは無い。というか、スマートフォンというものを見たのも今が初めてだ。なにせ彼女の生きていた時代はガラケー全盛期である。干支にして一回りという文化の差がそこにあった。
「空は赤いし変な飛行機がチラシまいてるし……あ、JAだ。えっと、香川県沖木島――香川県!?」
そして彼女が暮らす春の屋は静岡県の熱海。太平洋側である。まかり間違っても四国の瀬戸内海ではない。
情報が理解できず手掛かりを求めて農協の建物に入っていく。今日もご宿泊があるのだ、迷子になどなっていられない。そしてもし仮にここが香川だったら、いち早く連絡しなくてはおばあちゃん達が心配するだろう。
若おかみの鬼ごっこは、こうして静かに始まった。
【H-06/00時06分】
【関織子@若おかみは小学生!】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:紅水晶
[思考・行動]
基本方針:農協(H-06)に行く。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……温泉旅館春の屋の若おかみで小学六年生。生命力に溢れた少女で明るく元気、それでいて年齢以上にしっかり者だが、熱くなると年相応以上に突っ走る上に運と要領が悪い。なのでこんな地獄にうっかり巻き込まれたのだろう。また、霊媒体質である。
なお、4/8よりテレビ東京系で毎週日曜日朝7時15分よりテレビアニメが放送中である。4/15からは各種動画サイトでも配信されるようだ。
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投下終了です。
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投下します。
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「これ絶対ヤバいパターンだよ……あのときみたいにまた鬼ごっこだよ……」
非常灯の明かりの下で水晶と一緒についていた紙を読んだ少年、桜井悠は、無人のシアターで膝を抱えていた。
そう、鬼達が子を捕まえておくためのショッピングモール、その出口から一番遠いアミューズメントフロアにあるシアターにである。
そもそも元来の予定されていた鬼ごっこは悠達三人を確実に絶望させ確実に殺し切るために用意されたものだ。それを大規模・大人数・複雑化させコンセプトの段階から大幅に変更したたものがこの鬼ごっこである。
というわけで、主催者の鬼によって嫌がらせのような――というか100%の嫌がらせで初期地点を最も不利な場所にさせられていた。はっきり言って鬼役へのチュートリアル用の的である。そのことに本人が気づくはずもないがそれはそれとしてマッハで絶望していた。前回は十六人の子供達がいたのに今回はまさかの一人だからだ。
「何なんだよこのクソゲー……だいたい親ってなんだよなんで死ぬんだよどんな原理だよ……ていうかなんで僕なんだよ……お腹痛い……」
しかも、悠は足が遅い。というか運動が苦手だ。ゲーマーで機械には強いが、そういった人間が鬼ごっこで主人公になれないことは悠自身一番わかっている。水晶という鬼に対抗できるアイテムは嬉しいが、本音としては鬼の位置がわかるタブレットでもあった方が百倍嬉しかった。
そして何より、悠の勘が状況が最悪であると言っていた。小動物が姿の見えない捕食者を鋭敏に察知するように、悠も迫る『死』を敏感に感じ取る事ができる。それが悠が異変に気づいたにも関わらずひたすらに息を潜めていた理由であった。もし仮にすぐ出ていれば殺人鬼に刃物やら鈍器やら銃器やらなんだかよくわからない禍々しいアイテムで命を落としていたであろう。それを避け得ることができるあたり悠は間違いなくこの鬼ごっこに耐え得る能力を持っているのだが、そんなことは本人にとってなんの慰めにもならなかった。
「……もしかして僕以外も。葵はトイレだったよね。」
幸か不幸か、一緒に映画を見る予定だった宮原葵はここにはいない。自分だけ巻き込まれたのか二人がバラバラに巻き込まれたのか、判断のしようがない――否。
(!イケる!今なら、多分!)
悠の勘が感じ取る脅威が、下がった。
行くか行くまいか、ここが正念場。
【F-05/00時10分】
【桜井悠@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『水晶』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:死にたくない。
1:鬼に警戒。
2:幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……当企画のパロディ元である『絶望鬼ごっこ』シリーズのキャラで小学六年生。二巻の『くらやみの地獄ショッピングモール』からの参戦。ゲーマーで機械に強いが運動はダメダメ。ただし自分や周囲に迫る命の危機に関しては鋭い勘を発揮し回避する。この企画では今現在二人目のリピーターである。なお男だ。
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投下終了です。
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投下します。
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「ここは……この世か……?」
見上げれば明るくも暗くもない、火花を散らす異様な赤い空。見回せば無人の街。
男は、こうした雰囲気の場所に幾度か出くわしたことがある。常世、異界……人ならざるものが棲む領域。
飛行機やパラシュートといった現代的なものが使われているからといって、人間の、少なくともまともな人間の仕業とも思えない。
壁に貼られたビラや、上空から飛行機が撒いているビラには、同じ文面。
「鬼ごっこに、子を守る親の役を加えたゲーム、ということか……。しかし、これは……」
聡明な彼は、3つの勝利条件を見て困惑する。鬼と子は分かる。だが、親は。親だけが勝利する時、子はどうなる。
しかも、「死ぬ」「生きている」といった文言。殺し合いか。常識的に考えれば、親と子が揃って生き残り、脱出する方法を考えるということになる。
とはいえ異常な状況だ。鬼はともあれ、親や子も、果たして自分のような常人だけだろうか。そして制限時間は24時間。グズグズしていられない。
「ともかく、このデイパックの中身を確認してみるか……」
【???/00時02分】
【稗田礼二郎@妖怪ハンター】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:デイパック(不明支給品2)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:デイパックの中身を確認する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
漫画『妖怪ハンター』シリーズの主人公。元K大考古学教授。いくつかの大学の客員教授をつとめ、著述活動も行っている。
日本中の奇怪な事件の研究を生業としており、若い学生やマスコミからは「妖怪ハンター」というあだ名がつけられている。
痩躯長身で黒い長髪、黒いスーツに黒ネクタイという出で立ち。ジュリー(沢田研二)に似ていると言われたこともある。
年齢は不詳。1974年から現代まで容姿上は加齢の描写もないが、一応ただの人間。特に妖怪を捕獲・退治しているわけでもない。
奇怪な事件や災害、怪物に遭遇しても冷静に解釈・解説し、不思議と逃げおおせて生き残る。
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投下終了です。
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投下します。
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「参ったな、まさかまたクソッタレな催しに付き合うハメになるとはな。」
阿部高和は憤慨した、この理不尽な鬼ごっこに。
公園で出会った青年・道下正樹と公衆便所で気持ち良くヤリあった(その際に文字通りクソッタレな催しが行われた大いに楽しんだ)、その帰り道にいきなり拉致られ、いつの間にか目隠しプレイ…かと思いきやパラシュートで落とされ、今に至る。
「確か…俺は親で親は子を鬼から守るんだろ?勝手に攫った上に生き死に掛けた鬼ごっこをやれとか、ふざけやがって…。」
阿部は目隠しされてた時のことを思い返す。
あの時、なにやら鬼ごっこの説明を受けたが、まとめると、鬼ごっこには子、親、鬼の三つの役があり生き残るのは一つの役のみ、その内自分は親で、親は子を守りきりその際子が多ければ親の勝ち、ということだ。
つまり、生き残りを掛けた鬼ごっこという名のデスゲームに自分は巻き込まてしまった、これには阿部高和も憤慨せずにはいられない。
「…愚痴を言っても仕方がねえな、とりあえずまずは他の参加者…親と子を探すか、考えるのはそれからだ。」
そう言って阿部は歩き出す。自分と同じく巻き込まれた親と子を探すために。
「…出来れば男がいいな、気分を切り替えるためにも一発…いや、今はそんな場合じゃないな。」
【???/深夜】
【阿部高和@くそみそテクニック】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:青いツナギ
[道具]:支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:親と子を探す
1:まずは親と子を探そう、出来れば男がいい
2:ノンケだって食っちまう…場合じゃないな
※原作終了後からの参戦です
※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握してます
※支給品2つはまだ未把握です
人物紹介
阿部高和
自動車修理工の男性で、ツナギを袖まくりで着ている。
主人公の「ウホッ! いい男……」と言う台詞が挙げられるように、容姿はなかなか男前。
ホモセックスの熟練者であり、「俺はノンケでも構わず食っちまう」という台詞の通り、非同性愛者相手でも構わず肉体関係を持とうとする。
道下によればキンタマ(陰茎)がすごく大きい
大胆な性格で、今まで経験の無い特殊なセックスでも物怖じせずに実行する。
ちなみにこの阿部高和は状態表でも書いているように原作からの阿部高和なので、某フリーゲームのようにテレポートしたり、掘られると死ぬような人外じみた阿部高和ではなく、至って普通のホモの阿部高和なのであしからず。
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投下終了です
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皆様投下乙です。
>>136
鬼以外では未だ数少ない空気感の合う参加者ですね。
彼の知識が役立つのは主催者側の鬼との接触時が最高点だと思うので、そこまで持っていけるかが鍵となりそうです。
>>140
この企画では二人目となるホモですね。
これで今までの親の一割がホモということになりました。
しかしそんなことより自動車修理工ということの方が特異です。
今までにエンジニアタイプの人間がそういえばいなかったのでこれで可能なシチュエーションがまた一つ拡がったのではないでしょうか。
さて、鬼役の登場話が定数の12に達しました。
原則として全通しですので、一先ず以下の参加者が鬼として参戦することになります。
○ペニーワイズ
○ヤン・バレンタイン
○Dr.ヘル
○ジェイソン・ボーヒーズ
○吉良吉影
○夜神月
○チャッキー
○アーチャー・インフェルノ(巴御前)
○ギーグ
○三日月・オーガス
○堕鬼(妓夫太郎)
○アルシア
雑感といたしましては、まさかペニーワイズが割と話の通じる方になるとは思いませんでした。
一部が平均を大幅に押し下げてるからかもしれませんが、鬼同士でマトモにコミュニケーションできそうな組み合わせが思いの外少ないと感じます。
これが誰の有利に働き誰の不利に働くか、想像がつきません。
最後に、早いものでこの登場話募集も半分を過ぎ、残りは34名(親14名・子20名)となりました。
正直なところ私は登場話の変化球の球種が尽きかけていますので、皆様の登場話をとても参考にしています。
私も負けぬよう投下していますので今後も引き続きよろしくお願いします。
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ふと疑問に思ったのだけど
ルール4の勝利条件を満たした参加者が現れたとき、その参加者と同じ役の人間は全員勝利し、元の世界に生き返る。
これって鬼ごっこ中に死んだ参加者も一緒に生き返るってことかな?
あと親の勝利条件の子が勝利条件を満たしなおかつ子の生きている人数が親の生きている人数より多いって親が全滅しても子が生き残れば親の勝ちなのか?
つまり親が全滅で子が生き残った→親よりも子の方が多く生き残ったから親の勝ち→親が勝ったから親の参加者達は全員生き返してあげよう。
ってことかな?
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>>143
良い質問ですね。
死んだ参加者の生き返りについてはその通りです(文章通りの解釈ですね)。
故にこの鬼ごっこでは時として自己犠牲が非常に合理的な判断となります。
そして親の勝利条件についてですが、これにはルール上の解釈とメタ的な解釈があります。
ルール上の解釈では、その点は「ルールの穴」です。
勝利条件を把握したとしてもその点には言及されていないので参加者は親の全滅時の親の勝利条件については想像を働かせるしかありません。
メタ的な解釈では、「リレーで決める案件」であり、「優れた頭脳を持つ参加者であっても登場話の段階で不完全な情報から最適解を導くことを不可能にする制限」です。
どんな天才でもルールで想定されていない事態が起こった時のルールの解釈(つまり主催者の匙加減)を100パーセントキッチリ予測するなんてことはできないはずだからです。
「親は全滅できるか否か」と「死んでも生き返られる」の二つは、全ての参加者の判断を大きく左右することになるでしょう。
鬼ごっこは時としてそれまでの味方が敵になりうるのです。
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登場話投下します
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「何なのよ……一体どういうことなの……」
川尻しのぶは、見知らぬ街中でひとり、ひどい狼狽と困惑に襲われていた。
当然の反応だと言える。突然拉致され、その現状に冷静に対応しろなど、ただの主婦である彼女にそこまで求めるのは酷だろう。
突然の夫の失踪という異変で、元から精神的に疲労してもいるのだ。
どういう意図で招かれたのか、というのは現時点でも何となく理解はできた。
そこらに落ちているビラを見る限り、信じがたいことに『鬼ごっこ』をしろ、ということらしい。
単純に考えれば、しのぶの役は親である。子持ちの主婦だから親、というのは何とも単純な考えだが、事実そうなのだから仕方ない。
鬼というものが実質何を指すのかわからないことが非常に不気味だった。
まるで子どもの遊びみたい。
そうした他愛ない感想とともに、ある恐ろしい予想が脳裏によぎった。
「あ、ああ…… もしかして早人もここに連れ去られているのかも……ッ!」
母親の勘、というものなのか、息子もこのゲームに巻き込まれている可能性に思い至ったしのぶの背筋は凍りついた。
夫が失踪して同じくらい悲しいだろうに、落ち込む自分をずっと支えてくれた優しい息子。
時には辛く当たることもあったが、それでもしのぶは川尻早人を愛していた。
その息子まで失うような事があれば、耐えられら自信は……無い。
「早人、早人ッ!!」
逸る気持ちを押さえられず、母親は地獄へと駆け出していった。
【???/00時02分】
【川尻しのぶ@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:ー
[道具]:デイパック(不明支給品3)
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
1:早人を探す
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けないの登場人物。
参戦時期は第四部終了後。一人称は『あたし』。非スタンド使い。
杜王町に暮らしている主婦。川尻早人の母。夫は川尻浩作。
学生時代に浩作と付き合い、早人を身ごもったために「できちゃった結婚」したものの、結婚後の生活と平凡な夫がつまらないとずっと鬱屈した感情を抱き、また息子の存在を枷と考え内心では疎んじていた。
だが、浩作が吉良吉影と入れ替わってからは、打って変わってスリルのある行動を取るようになった夫に対してときめきを感じた。
また吉良との戦いの中で成長していく早人の事を見直す機会が多くなり、徐々に母親らしい愛情を見せるようになっていった。
しかし夫の正体や早人が重大な事件に巻き込まれていることは最後まで気づくことなく、夫が「失踪」した後も夫の帰りを待ち続けるであろうと思われる姿が描かれた。
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投下終了です
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投下します
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(糞っ、何で僕が鬼ごっこなんて『下品』な遊びをやらなくちゃあいけないんだ!
そういうのは他の体力馬鹿な『下品』な連中が適任だろうに……
まぁ、『高貴』な僕をプログラムから脱出させてくれたことだけは感謝してやるかな)
そう心中で悪態をつく少年。表情こそ被っているヘルメットで窺えないが、彼の苛立ちは歩き方や気配で全面に出ていた。
彼の名は織田敏憲、国の指揮する血濡られたプログラムーーバトル・ロワイアルから、今回の絶望鬼ごっこに何時の間にやら参加させられていた"子"の一人である。
(『高貴』な僕はこんな『下品』な場所で燻ってる暇は無いんだ!)
そう意気込むは良いものの、織田少年の未来は暗い。
プログラムからの脱走は重罪であり、まず間違いなく追われる身となる。
幸先よく『下品』な女を殺し、優勝のために動いていた労力がこれで台無しだ。
(いや、落ち着け! まだ希望はある…… そもそもこんな大掛かりなゲームは、まず政府が関わっているに決まってる。
新しいプログラムに変更とか、兎に角そんな理由でやり直したのかもしれない。
まず一番に考えるべきは生き残ること。親も子も、誰だろうと利用するものは利用してやる)
これは持論だが、人という字は人が人を互いに支え合っているのではない。一方を犠牲に、一方が支えられているのだ。
それが、世の中の心理というものだ。
利用されるか利用するかだけが、プログラムだろうが鬼ごっこだろうが変わらない絶対のルールだと彼は思っている。
銃も弾もある。身を守る防弾チョッキも、ヘルメットもある。既に殺人を経験し、自信も大いにある。
感情なきマーダーによる敗北を経験していない織田は、自信満々で地獄を闊歩していた。
【???/00時03分】
【織田敏憲@バトル・ロワイアル(漫画)】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:ヘルメット、防弾チョッキ、ワルサーP38
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:利用できそうな親か子と合流する。鬼らしき相手がいたら逃げる
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物情報
バトル・ロワイアルの登場人物。今回は漫画版からの出展。
城岩中学校3年B組に所属する男子出席番号4番。
クラスで1,2を争う低身長と、クラスで1,2を争う大邸宅に住まうお坊ちゃんで、中学生ながら既にバイオリン奏者として一定の名声を得ているが、その顔はガマガエルと称される男。
嫌いなもの:1・顔のいい男 2・背の高い男 3・総じて『下品』な男
普段は割とおとなしく、クラスメイトともとくに交流を持っていないが、心の底ではクラスの自分以外の人間を『下品』と見下し、自分自身は『高貴』と断じる、しかし『下品』の基準も『高貴』の基準も滅茶苦茶で、ナルシズムとコンプレックスの塊のような男。
ぶっちゃけ典型的な小物悪役、小悪党の部類である。
しかし支給された防弾チョッキを最大に生かし、だまし討ちで数人の殺害に成功するなど、その狡猾性は、ことプログラムでは侮れない物が有り、バトロワの中でもキャラの濃い部類である事から意外にも人気自体はそれほど低くなかったりする。(おふざけの部類だろうが『様』づけするファンも居る程)
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投下終了です
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皆様投下乙です。
>>146
何の因果か全員で鬼ごっこすることになった川尻一家、これにて全ての役にそれぞれがいることとなりました。
鬼らしき悪辣な人選です。
この企画にこれまでたりなかった主婦(成人女性)という存在は、鬼ごっこの状況への一つの大きな変数となるでしょう。
巻き込まれた一般人はこういうノリではお約束ですから。
>>148
まさか一番最初に参戦が決まるバトロワキャラが織田様とは思いもしませんでした。
これはやはり彼の人徳ではないでしょうか。
描写から察せれる参戦時期的に今のところ一人だけ爆弾が内蔵してある首輪などというオシャレアイテムを身につけているあたり、彼はオシャレ番長ですね。
現在wiki編集に遅れが出ており申し訳ありません。
早急に処理したいと思います。
それでは私も投下します。
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ザザ、という耳障りなノイズが少年――といっても幼稚園児ほどの男児――の持つ一冊のノートから響く。
一度に出るノイズは長くても一秒あるかないかだが、一分の間に数度から数十度起こるそれは、その音を聞いたものに私は空耳ではなく現にここに存在しているのだと言わんばかりだ。
ではそんな怪音を発するノートはどのようなものかというと、ある一点を除いて特別変わったところのないものだ。
ノートに描かれた絵日記、それがノイズの度に変化していること以外は。
(頻繁に未来が変わりすぎてる……それにこの夜の日記、最後の鬼を倒したら親が勝ってDEAD END……)
考え事を落ち着いてするために入ったトイレの窓から外を見る。高いところからバラまかれたのか、やたらにそこら中にある鬼ごっこらしきなにかのルールが書かれたチラシを読んだ。
少年の持つノートは、未来日記と呼ばれるものだ。彼の持つ物は「はいぱーびじょんだいありー」という名称で、朝・昼・晩の三度に渡って彼が書くはずの絵日記が予め表示されるようになっている。これだけなら便利な日記なのだが、この日記を破壊されると持ち主たる彼も死ぬという代物であった。
少年はチラシから目を離すとガスマスクと包丁に目を移した。片方は彼が殺すために使い、片方は彼を殺すために使われたものだ。死んだと思ったらそれらと共に見知らぬ家にいた。それが彼が自身の身に起こったことについて知る全てであった。
(日記を持ち歩くのはリスキーだ。ノイズもうるさいし。夜まで僕が死ぬことがないんだったらどこかに隠しておいても問題ない。)
しかしそんなことはどうだっていいことだ。未来がわかる日記があるなら死んだり死ななかったりしてもそんなものだろう。そう考えて彼の頭の中には既にこの新しいゲームについて考え始めている。
手札はガスマスクと包丁、いつの間にかポッケに入っていたスマートフォン。そしてはいぱーびじょんだいありー。これでどう戦っていくか……
「鬼ごっこか……今度は負けないよ。エリート的にね。」
そう言って未来日記所有者豊穣礼佑はニヤリと口角を上げた。
【H-07/00時11分】
【豊穣礼佑@未来日記】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:はいぱーびじょんだいありー@未来日記
[道具]:『スマートフォン(子)』、ガスマスク、包丁
[思考・行動]
基本方針:このゲームに勝利してエリートであることを示す。
1:情報を集める。
2:未来日記所有者は優先的に殺す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……未来日記におけるサバイバルゲームの参加者である日記所有者の一人でまたの名を5th。4歳ほどの子供で外面は歳通りだが、内面はエリート意識の塊。完全予知が可能な主人公達を知略により出し抜き、あと一歩のところまで追い詰めるも、最期は主人公達の捨て身の行動で破れ四人目の脱落者となった。この鬼ごっこには死亡後からの参戦である。
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投下終了です。
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投下します。
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「はぅぅ……なんだか知らない場所だよぅ……」
少女は、周囲を見回して困惑する。明らかに自分が元いた場所ではない。赤い空には飛行機が飛び、先ほど拾ったビラをばらまいている。
そればかりか、飛行機からは時々パラシュートで何かが投下されてもいる。目を凝らしたところ、投下されているのは人間のようだ。
おそらくは、「鬼ごっこ」とやらの参加者だろう。自分は拉致された覚えもなければ、パラシュートで投下された覚えもないのだが。
―――少なくとも、そんな所業をする連中が開催している「鬼ごっこ」など、ろくなものではないことだけは分かる。異常だ。
「私は、子かな? それとも親や、鬼なのかな? かな?」
たぶん、子だろう。いや、鬼かも。親だとしたら、子を守らねばならない。
と、ポケットの中に違和感。説明書と一緒に入っていたのは「お守り」だ。これを鬼にぶつければ「死ぬ」のだという。
死ぬというのが、ルール上死んだことになるだけなのか。それとも実際に死ぬのか。少なくとも自分が鬼ではなさそうだ。
「……ここは危険だよね。どうにかして、帰らなきゃ……」
【???/00時03分】
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:お守り
[思考・行動]
基本方針:帰還する。
1:子や親と合流し、共に脱出を目指す。
2:敵対する者には容赦しない。
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。自分の役を子であると推測。
『人物解説』
『ひぐらしのなく頃に』シリーズの登場人物。CV:中原麻衣。中学二年生。某県鹿骨市雛見沢村在住。
茶色いボブカットで青い目の少女。本名は「礼奈(れいな)」だが「レナ」と自称している。両親は離婚していて、そのことにトラウマを持つ。
性格は心優しく献身的で善良。ぽわぽわしているが頭の回転は早く、判断力・観察力・直感・洞察力は名探偵レベル。怒ると非常に怖い。
趣味は「かぁいいもの」を持ち帰ること。「かぁいいもの」を見つけると暴走状態となり、誰にも止められない。「鬼隠し編」から参戦。
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投下終了です。
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投下します
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「"鬼ごっこ"……だとッ!? そんなくだらないもののために、神聖なる決闘を邪魔したというのかッ!!」
怒りの声をあげる男性。困惑でもなく、恐怖でもなく、純然たる怒りである。
彼はつい最近、とある事情により著しくプライドを傷つけられた。
第三者の視点から見れば、間違いなくその問題の非はこの男にあるのだが、本人にその自覚は全くない。
自身の名誉を癒すため、公正な決闘により、その雪辱を晴らすつもりであった。
そう、公正な決闘である。
立会人の元、流儀にのっとり、互いのプライドをかけた神聖な儀式となる筈だった。
それをーー邪魔された。
それが義弟の逆鱗に触れたッ!
「待っていろ"ウェカピポ"……貴様との決着の前にやるべきことができたッ!」
目には目を、歯には歯を、そして屈辱には屈辱で返す。それが彼の流儀ッ!!
もしも主催者が女なら、殴りながら犯すのも良いかもしれないな、
等とゲスな考えをちらつかせながら、"ウェカピポの妹の夫"は地獄へと歩みだした。
義弟は知らない。
基本世界の歴史では、彼は決闘に敗北し、そのまま屍を晒すことになる。
こうして絶望鬼ごっこに選出されたことは結果的に延命という幸運を義弟にもたらしたことになるのだが、未来など知るよしもない彼には到達することのない考えだった。
【???/00時02分】
【ウェカピポの妹の夫@ジョジョの奇妙な冒険 第7部 SBR】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:鉄球、剣
[道具]:デイパック(不明支給品3)
[思考・行動]
基本方針:決闘を汚した主催者に責任をとらせる(女なら殴りながら犯す)
1:親か子の参加者を探す。鬼ならば様子見、可能なら仕留める
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
ジョジョの奇妙な冒険SteelBallRunの登場人物。
ウェカピポの妹の夫である。
本名は不明で、読者からは「義弟」とも呼ばれている。
シリアスなエピソードに登場するにも関わらず、その妙にインパクトのある表情、
「お前の妹は殴りながらヤりまくるのがいい女だった」というあまりにも下衆な台詞、
やたらテンションの高い決闘時の台詞、その直後にあっさり敗北して死ぬ雑魚っぷりなどからネタ扱いされており、コラ画像やパロディイラストが多数制作されている。
彼はネアポリス王国の裕福な財務官僚の息子で、ウェカピポとは仕事を通じての友人であった。
将来の財産と地位が保証されていることから、ウェカピポは自分の妹を彼と結婚させた。
しかし、義弟には暴力癖があり、その激しさは妻の左目を失明させるほどだった。ウェカピポは慌てて法王に請願し、婚姻無効の許可を取り付けた。
だがこの行為が逆鱗に触れた義弟はウェカピポを暴行、さらに「殴りながらヤりまくるのがいい女だった」「じゃなきゃあちっとも気持ちよくねーし……つまんねぇ女だった……」と己のゲスさを強調。そしてウェカピポとの正当なる決闘を申し込む。 参戦時期はその決闘の直前から。
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投下終了です
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投下します
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「鬼ごっこ、か」
朱い空の下片手のチラシをじっと見つめて、少年が立っていた。
オールバックの髪にモデルのようなスタイルと顔立ちをした美麗な少年だったが、その瞳は何処までも虚ろだ。
城岩中学校3年B組にて不良たちの王として君臨していたこの少年の名は、桐山和雄という。
彼は、この場に来る前は最強の殺戮者として動いていたがこの場においては追われる立場にあった。
即ち役職は子。だが、桐山にとって立場などどうでもよかった。
逃げ回るのも抵抗はないし、守る親役でも捕まえる鬼役でも構わなかった。
「……」
彼は無言で懐からコインを取り出そうとして、手が止まる。
そう言えば、切らしてしまっていた。
「まぁ、いい。こういうのも悪くない」
こういう時、彼は決まってそう言い、そして動き始める。
取り敢えず他の参加者と会ってからどうするか決めることとする。
無差別の殺戮者として振る舞うもよし、脱出を目指すもよし、或いは誰かに従うのもよし。
この絶望鬼ごっこでも彼は変わることなく、虚ろの道を進むのだ。
【???/00時03分】
【桐山和雄@バトル・ロワイアル(漫画)】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:イングラムM10サブマシンガン
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:ほかの参加者との接触。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【人物紹介】
ご存知本家バトロワ最強マーダー
城岩中学校 男子出席番号6番
3年B組男子不良グループのリーダー。
襟足が長いオールバックの髪型が特徴。
中国四国地方トップクラスの財閥の御曹司で、容姿端麗、成績優秀かつ運動神経も抜群。
芸術的なセンスも高く、絵画や音楽でも高い才能を持つが、幼少期の事故により彼は感情を失ってしまった。
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投下終了です
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投下します
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美少女の多いバーチャルYouTuberの中でも際立つ、ガタイのいい青年。
好きなことは筋トレで、体格がいいだけでなく、かなり見事な筋肉の持ち主。
坊主頭で木訥な印象を受ける。上記の通り「源元気」が本名だが後述の動画の都合や、
愛称として呼びやすいためか「げんげん」というハンドルネームの方が広まっている
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どうも、げんげんです。
今、何か訳のわからん状況に巻き込まれてます。
部屋でYouTubeにあげるための動画撮影しとったんやけど、何時の間にか妙な場所に居たんや。
ずっと部屋に居たのに、一瞬の内にここに居ったんや。本当やで。ほんま、恐ろしいものの片鱗を味わった気分やわ。
空は赤くて火花散っとるし、さっきから飛行機がビラやらパラシュートやらばらまいててもうヤバイやんなぁ!
しかも裸のままやし、めっちゃ寒いわ。このままじゃ露出狂として逮捕されてまうっちゅー結果になりそうやわ。
つっても警察どころか街中なのに人っ子一人おらんのやけど、もうその時点で異常すぎるって話ですわ。
うーん、このビラの内容だと鬼ごっこをせーちゅー趣旨みたいやわ。何か鬼の他に子とか親とか書いてるけど、俺はどっち何かなぁ?
そういや何時の間にかスマホとか持ってたんやけど、通話はできないみたいやし、どうしたら良いんやろうなコレ。
何のための携帯電話なのかわからんわ!
……まぁ、ずっとここに居っても仕方ないし、他に誰か居ないか探してみる事にするわ。
とりあえずカメラは持ち込めたから、この映像は家に帰ったら証拠品として警察とかYouTubeにあげようかと思います。
充電とかも気になるし、今回はここまでにしたいと思います。
ほな、またな〜
【???/00時05分】
【源元気(げんげん)@Gengen Channel】
[役]:子
[状態]:健康、全裸
[装備]:『スマートフォン(子)』、ビデオカメラ(充電80%)
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:とりあえず人を探す
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
『人物解説』
美少女の多いバーチャルYouTuberの中でも際立つ、ガタイのいい青年。
好きなことは筋トレで、体格がいいだけでなく、かなり見事な筋肉の持ち主。
坊主頭で木訥な印象を受ける。上記の通り「源元気」が本名だが後述の動画の都合や、
愛称として呼びやすいためか「げんげん」というハンドルネームの方が広まっている。
『げんげん初めての動画投稿』からの参戦。なので魔王でもカウボーイでも電脳生命体でも原始人でもない、普通の野球部の高校生。
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投下終了です
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投下します。
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「おい、荒井。」
「…………」
「おい!聞こえてんだろ!」
「……俺が、荒井か?」
「新しい名前慣れろよ。前世の記憶ないんだから新しいこと覚えられるだろ。」
そう言いながらカセットコンロの上で器用にフライパンを降るのは、角の生えたウサギだ。「火力が足んねえなあ……」などとボヤきながらホルモンを炒めていく彼の姿はともすればファンシーだが、しかしここは主催者本拠地・鬼の牢獄の地図に記されていない地下二階にある守衛室だということを考えれば、彼の正体は自ずと明らかであろう。
そう、彼は鬼であった。それも主催者側の鬼だ。
「……お前よお、デパ地下の食品は役得で食っていいつったって食いすぎだろ。もうすぐ鬼ごっこ始まるんだぞ。」
「腹が減ってな……凄く減ってるんだ、凄く。」
「……わかったよ。まだ米あったよな……」
角の生えたウサギことツノウサギは、荒井と呼んだ男――もちろん彼も主催者側の鬼だ――からの殺気とは別の気配にたじろぐと、調理の手を急ぐ。一般に鬼は大食だ。時に共食いしようとするほどに。ましてや徹夜明けともなれば何をしでかすかわかったものではない。ツノウサギは眠気を堪えながら皿に盛り付けを始めた。
元々この建物だけで鬼ごっこをする予定が島一つ使っての鬼ごっこに急遽変更され、ツノウサギと荒井、そして牛頭鬼と馬頭鬼という四体の鬼で準備に当たっていた。島一つを四体でである。馬鹿じゃないのか、と荒井は思っている。これは人間の手のように精密な動作が可能でかつ人間並みの知能を持っていてかつ協調性やスケジュールなども考慮した結果でこれなのだが、その結果負担が一極集中していた。なにせ集めた鬼は満足にビラすら貼れずバラまいてしまうような奴らも混じっている。余りに酷いので親役を落っことすはずの飛行機からついでにビラをバラまいて誤魔化すことにしたほどだ(それが終わったのが小一時間前だ)。設営の現場監督として指示を出して書類をまとめるのが仕事だと思っていたら、デイパックから食糧を抜き取って食っていた鬼の粛清に駆り出されたときなどやるせなさが半端ない。おかげで参加者に均等に配れるものがうまい棒ぐらいしか無くなってしまいなくなく制限時間を短くしたとかしないとか荒井は聞いていた。
「ほれ、できたぞ。」
「……いただきます。」
特製スタミナ丼をガッつく荒井を見てツノウサギは人心地つく。これで自分が食われることとりあえずないだろう。曲がりなりにもエリート獄卒たる牛頭鬼達と同じ幹部待遇なのだ、ここまでヘルマーチして同僚に喰われるという展開は鬼も爆笑であろう。そう思いながら時計を見れば、11時53分。あと少しで兎にも角にも鬼ごっこはスタートだ。そして時計の横に貼ってある参加者名簿を何気なく見ていて一人の名前で目が止まった。
――夜叉猿Jr.
(え?こいつアリなの?夜叉って鬼じゃん、Jrって子じゃん、てか猿じゃん。)
慌ててタブレット(地獄も情報化社会である)でレギュレーションを確認するツノウサギ。少しして小さい手をペタペタさせながら該当する文を認めた。
結論からして、白だ。名前が他の役っぽろうが猿だろうがレギュレーションを満たしているのならセーフだ。責任があるとすればまさかUMAが来るとは思わなかった鬼さんサイドにあろう。それに名前で判断されるなら全国の吉良さんは軒並み鬼だ。だがここで別の人物の問題が発見された。
――源元気
(あーこれあれだ。源義経と小嶋元太の書類の取り違えだ。)
彼は本来なら参戦レギュレーションを満たしていない。要するにこの鬼ごっこをやる必要性は皆無だ。しかし彼のことは既に飛行機に乗せてしまっている。少し考えてツノウサギは決断した。
(殺すか。)
【F-05地下『主催者本部・鬼の牢獄』/前日の23時55分】
【ツノウサギ@絶望鬼ごっこ】
主催者側の鬼。弱い。
【荒井先生@絶望鬼ごっこ】
主催者側の鬼。夜叉猿Jr.よりは弱い。子供を食べるのが好き。
※主催者側の鬼は過労気味なので原則として鬼ごっこに非干渉的です。メタ的に動かなくてはならない状況以外ではあまり動きません。
※げんげんは版権作品のキャラでは無いのでレギュレーション違反となります。
※よって主催者側の鬼はとりあえずげんげんを殺すことにしました。
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投下終了です。
というわけでげんげんは版権作品では無いと判断し、このような処置となりました。
以後版権作品でない等でレギュレーションを満たしていないと判断された参加者は同様の処置が取られます。
しかしそれではげんげんらしさが損なわれてしまうと個人的に思うため皆様にはレギュレーションの尊守を願います。
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投下乙です。
そうか…現実はだめか、ところで鬼達のレギュレーションって何だろう?一応俺達は版権作品のみというレギュレーションだけど…。
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彼らに鬼達にも何かしら版権作品かそうでないかの差を判断する基準があるのではないでしょうか。
まあメタ的には>>3の各役の参戦条件だけが基準です。
穴のあるルールですが今更変更することは混乱を招くと考えてこのままとします。
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投下します
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人気の無い家の中に、流れる少女の歌声。その歌声は天使のそれを思わせるが、地獄にそんなシロモノが居るわけが無い。
「嗚呼、鬼に追い回されるなんて可哀想。捕まったらきっと地獄に連れて行かれるのね。それはとても悲しい事だわ」
歌い終えた少女は呟き、両手に捧げ持ったブローニングオートマチックライフル、通称BARにそっと少女は口づけた。
「鬼に追い回されて、捕まったら地獄行きだなんて哀しいことに誰もなりたくは無いでしょう。嗚呼、そうだわ、天国はとても良いところだというし…。天使を呼んであげましょう」
役が何でも構わない。鬼でなくとも、子でも親でも構わない。
只、殺すだけ。
地図に存在しない犯罪都市ロアナプラを震撼せしめた双子の片割れは、いつもの様に家の外へと歩き出した。
【???/00時01分】【グレーテル@BLACK LAGOON
[役]:子[状態]健康[装備]:BAR[道具]:不明[思考・行動]基本方針:皆殺し
※その他自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。人物情報ルーマニア革命により行き場を失った孤児達、通称チャウシェスクの落とし子の双子。
眉目秀麗であった為に裏ビデオに出演させられ、凄惨な性的虐待を受け、殺人を行わせられる。
いつしか双子は己の境遇を受け入れ、人として壊れ果ててしまった。
外見不相応な身体能力を持ち、10歳程の外見ながら、10kgを越えるBARを軽々と扱う。
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投下終了です
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投下します。
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「なんなんだよ……、鬼ごっこだって……?」
デコの広い男はそう呟いた。
今泉慎太郎。警察官であり、階級は巡査。
無能であることを除けば、ごく普通の人間である。
思えば彼は多難だった。
上司の警部補や後輩の小男は彼を役立たず扱いする。
大学時代の友人に殺人の罪を着せられたこともある。
上司のパワハラにより自律神経失調症に罹患したこともある。
そしてついにこんな非現実的なゲームに参加させられてしまった。
彼は決して強い人間ではない。
彼は決して賢い人間ではない。
彼は決して嘘をつける人間ではない。
むしろ全てにおいて標準以下である。
しかし、目の前で起こっているこのゲームを見過ごせる人間ではなかった。
とは言ってもどうしたものだろうか。
説明によると、親が帰還するためには子が減る必要がある。
また、子が帰還するためには鬼が全滅する必要がある。
そして、生還できる役は一つだけだ。
つまり、彼が思うにこの鬼ごっこではルール上人死にが避けられないのだ。
(あの人はこんなときどうするんだろうか……)
彼は一方通行とはいえ尊敬・敬愛する上司のことを思い出した。
史上最低のワトソンは、とりあえず己の正義を信じることにした。
この状況ではそれしか信じられるものはないのだから……。
【???/00時02分】
【今泉慎太郎@古畑任三郎】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:警察手帳
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:可能な限り参加者を生還させる。
1:子を守る。
2:親を探す。
3:鬼には出くわしたくない。
*その他
自分の役、各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
ドラマ『古畑任三郎』の主要登場人物。演者は西村雅彦。階級は巡査。
主人公の警部補、古畑任三郎の部下であり、彼にこき使われている。
かなり間の抜けた性格をしており、古畑からは「刑事として最低」
「役に立ったことなど一度もない」
後輩の西園寺からは「あんなに役に立たない人がいるとは思わなかった」
などと散々な言われよう。しかし、彼の奇行が事件解決のヒントになったりするなど、まるっきり役立たずというわけではない。
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投下終了です。
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投下します。
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(これまでのあらすじ:ネオサイタマにいたクローンヤクザの一体が、突如何者かに拉致された。
彼は目隠しをされたまま、謎めいた鬼ごっこのルールを聞かされる。彼は「親」の役だという。
そしてパラシュートをつけられ、飛行機から何処かへ投下されたのだ……)
「……スッゾ?」彼は訝しんだ。埋込式サイバーサングラスの調子が良くない。
これは液晶モニタとUNIX端末を内蔵しており、IRCネットに接続しての情報収集も可能だが、現在ネットに繋がらない。
殺し合いの場で外界と連絡が取れては困るのだろう。一応その他の主な機能は使える。ならばよし。
彼は、これを抜き打ち機能テストの一種だろうと状況判断した。時々こうしたことはある。
メキシコライオンやヤクザ、スモトリを殺すのとそう変わらない。伝えられた命令は全て記憶し、理解した。
今回の命令は「鬼ごっこにおいて、親として子を守れ」というもの。カチグミ子弟の護衛任務に近いか。
持ち込めた武装はドス・ダガーとチャカ・ガン。デイパックの中の支給品も確認した。
まずは、護衛対象である「子」を探しださねばなるまい。「鬼」と遭遇したら排除するか、「子」を連れて逃走する。
自分と同じ「親」の役も何人かいるらしい。彼らとは協力出来るだろう。
【???/00時02分】
【クローンヤクザY-12型@ニンジャスレイヤー】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:埋込式サイバーサングラス、ドス・ダガー、チャカ・ガン、ヤクザスーツ
[道具]:デイパック(不明支給品2)
[思考・行動]
基本方針:子を守る。
1:子を探し、守る。
2:鬼と遭遇したら排除するか、子を連れて逃走する。
3:親とは協力する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
小説『ニンジャスレイヤー』に登場する、ヨロシサン製薬のバイオクローン技術で量産されているヤクザ。CV:玄田哲章。
外見はダークスーツを着込んだ身長184cmの屈強な男性で、黒髪を角刈りにし、無表情で強面な顔にサイバーサングラスを装着している。
体内には緑色のバイオ血液(空気に触れると次第に赤に変色する)が流れており、製造から3年で免疫力を喪失して死ぬ。
製造直後に様々な洗脳教育プログラムを施され、各種技能や戦闘技術を会得しており、自己判断力が低いかわりに恐怖心を抱かず、命令を絶対遵守する。
「スッゾコラー」「ザッケンナコラー」などの威圧的なヤクザスラングを発するが、人間らしい会話やコミュニケーションも難なく可能。
多人数でも統率の取れた行動が出来、命を惜しまず命令に従うのが強みで、戦闘力自体はある程度鍛錬した人間並み。定期的に痰を吐く。
3年ごとにニューモデルが出せるためもありバリエーションに富むが、この個体は第一部でロールアウトした「Y-12型」である。
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投下終了です。
wikiの登場話候補一覧における7話目、ヤン・バレンタインの投稿者名が誤っているようです。
訂正お願いします。
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皆様投下乙です。
>>154
もう言うことなしのノリにマッチしたキャラですね。
しかもノリの中でもスリラーやサスペンスに加えて日常もできるという展開を選ばぬキャラです。
誰と出会うかでどんなポジションになるか非常に面白い動きになりそうです。
>>158
特殊能力がありながらもメインがゲスな部分なので参戦条件を満たしているという珍しいキャラですね。
ホラーではとりあえず最初に雑に死んでいるような人種ということが最大の希少性です。
戦闘力もある嫌な上流階級は煮て良し焼いて良しですね。
>>160
鬼で出そうと思っていたけれど枠が埋まっていたので見送ったのが彼です。
レナ同様どの役で出しても美味しいキャラなのでどうリレーするかで腕が問われる、非常に緊張感を持って対峙すべきキャラです。
あのコイントスの表裏やるやらない含めて動きの予想がつかないため彼を書くことは本当に腕の見せ所となるでしょうが
>>173
やはり書こうかなと迷っているうちに鬼枠が埋まっていたので見送ったキャラです。
だいたい皆様このあたりのキャラを出したいと思う共通の無意識があるようですね。
やはり彼女(彼)も説明不要にマッチしていますが、彼女の場合は子という役であることで鬼である以上に危険な存在となりそうです。
>>175
全く出そうと考えていませんでしたがそういえば今再放送やってましたね。
刑事キャラなんですけど無能過ぎて勝手に死んでそうです。
彼が警察官という職にあることで本人の思惑に関係無く参加者は振り回されることとなるでしょう。
色々と刑事キャラは考えていました(仮面ライダーシザースとか)がこういう刑事キャラが一番引っ掻き回しそうで面白いのではないでしょうか。
>>178
数ある有名キャラを差し置いてまさかのクローンヤクザ。
この人選こそマッポーの世を表しているのではないでしょうか。
しかし実は親の中でも割とまともにこの鬼ごっこに取り組みそうという存在です。
やっぱり地獄ですね。
未だwikiの編集に遅れが出ており申し訳ありません。
誤記載についても指摘されるまで気づかず、感謝とお詫びを申し上げます。
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投下します。
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(あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
「花京院にやられた思ったら、いつのまにか別の場所にいた!」
な…何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとかテレポートだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえもっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…!!)
赤く染まった空の下、一人の赤ん坊・マニッシュボーイは驚いていた、自身に襲いかかったこの謎の現象に。
(夢の世界…じゃあ無いよな、明らかに風景がちげーし、かと言って現実世界でもねーな、一体ここはどこなんだ?…そういや、さっきから鬱陶しいほどビラが巻かれているな?)
ここはどこなのか考えていると、空から無数に散らばるビラに目をつく。
ビラを読み上げると…、
ルール1:子供は、鬼から逃げなければならない。
ルール2:鬼は、子供を捕まえなければならない。
ルール3:きめられた範囲をこえて、逃げてはならない。
ルール4:時間いっぱい鬼から逃げきれれば、子供の勝ちとなる。
ルール5:親は、子供を守らなければならない。
(はぁ!?なんだこりゃ!?まさか俺に鬼ごっこをしろって事か!?これによると子供、親、鬼の三役があるが俺は鬼か?いや殺すことは出来ても捕まえるのはまず無理だしやっぱ無難に子供か?)
生後11ヶ月の赤ん坊だが、頭は良く大人の思考を持つ赤ん坊は、ビラを読み終えどうやら自分は鬼ごっこに参加させられたと推理する。
(ん?…オムツに何か入ってるな、これは札と紙か?)
その時、自分のオムツに何やら札と紙が入ってることに気付く。
紙には説明が書いてあり、説明によると札は式札と呼ばれ、効果は死体の上に乗せるとその死体の役がわかり、役が鬼だとその死体がある場所は禁止エリアになるということだ
(いやいや待て待て!?禁止エリアって何だ!?というか死体って何だよ!?まさかこれってそういう系のヤツなのか!?)
そこで気付く、自分が参加してるのはお遊びではなく、命懸けの鬼ごっこだということに。
(…まあ何となーく気付いちゃいたけどさー、どう見てもまともな世界じゃなかったし、…とりあえず誰か探すか、なんかちらほらとパラシュートがあちこっちに落ちてるし、多分俺と同じ参加者だろう。
泣け叫んであっちから来てもらうのもいいが、それで鬼か赤ん坊を殺すのも躊躇わねーサイコヤローが来たらヤバイな、ただでさえ俺は赤ん坊で俺のスタンドも今は何の役に立たねーのに、捕まるならまだしも殺しに来たらお手上げだ。
まずは遠目から安全かどうか確認してから、普通の赤ん坊のフリしてお世話になるとするか、自分が鬼か子供かはそっから考えればいいしな。)
今後の方針が決まり彼は動き出す、他の参加者と合流する為に。
昔の彼ならすぐに大声で泣き叫んで他の人を呼んでいただろうし、自分の役は鬼だと思いこんだだろう。
彼がここまで慎重になったのはここが殺し合いの場かもしれないことだとわかったのもあるが、一番の理由はその前にあった空条承太郎一行との殺し合いだろう。
あの時は自身のスタンド・死神13で一方的に承太郎達を痛めつけ、後一歩のところで殺せたところを、自分のミスにより先に自分の正体を知った承太郎の仲間・花京院典明の機転により逆転されてしまい敗北、彼により自分の大便入りのご飯を食べさせられるという屈辱的罰を受けた。
その時の苦い経験から、彼は慎重に行動する。
もう二度と失敗はしない。
彼はまだ赤ん坊だが、それ故に無限の可能性を秘めているのだ。
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【???/深夜】
【マニッシュボーイ@ジョジョの奇妙な冒険】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:死神13
[道具]:式札
[思考・行動]
基本方針:生き残る
1:まずは安全な参加者を探し、合流したら普通の赤ん坊のように振る舞う
2:自分の役をはっきりさせたい。
※原作敗退後の参戦です。
※自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握
※自分の役は鬼か子供だと思っています。
※式札はオムツの中にあります
人物紹介
マニッシュボーイ
CV長沢美樹(ゲーム)CV大谷育江(アニメ)
生後11ヶ月(イレブンマンス)の赤ん坊であるが、生まれついての天才であり、大人顔負けの高度な頭脳と、狡猾な悪意の持ち主である。牙が2本生えている。
言葉は話せないふりをしているだけらしく、頭の中では大人と同じ思考で物事を考え、悪態をついたりもするし、タバコを吸ったり(TVアニメ版ではカットされ覗きこんでいただけ)もする。また、安全ピンでサソリを刺殺するような運動能力もある。
またスタンド使いでスタンドは死神13
死神13
【破壊力 - C / スピード - C / 持続力 - B / 射程距離 - E / 精密動作性 - D / 成長性 - B】
タロット大アルカナ13番目のカード「死神」の暗示を持つスタンド。本体はマニッシュ・ボーイ。 「ラリホー」が口癖。
大鎌を持ったピエロのような姿をしていて全身をマントで覆っているが、中はほぼ伽藍堂で、頭と肩と腕部分しか存在しない。
生き物が寝ている時に、寝ている者の精神を自身が作り出した夢の空間に引きずり込むという能力を持つ。
複数人を同時に同じ空間へ引きずり込むことも可能で、逆に言えば夢の中でしか発動できないスタンドとも言える。
この空間は死神13自身が作り出した空間であり、常に遊園地のような外観を有している。また、この空間におけるあらゆる現象は死神13の思い通りになる。但し、標的を直接殺傷することだけはスタンド像で直接行わなければならない。
夢の中で攻撃されると現実でも同じように傷がつき、殺されると現実でも同様に死ぬ。
このスタンドは標的の精神を支配するという性質を持っていて、そのため、自分に痛みを与えるといったような夢から醒めるための古典的方法は一切通用しない。スタンドが作り出した空間から脱出するには現実世界で他人に起こしてもらうしか方法がない。
また、その精神に干渉する能力の応用か、夢から覚めた者は夢の内容を思い出すことができない(ただし、なんとなく悪い夢を見たというような感覚だけは残る、そのため刷り込みで暗示をかけることも出来る)。
寝ている時に身につけていた物のみ、夢の中に持ち込むことができる。これはつまりスタンドでさえも身に付けていなければ(発動していなければ)夢の中で操れない。そして、「スタンドはスタンドでしか倒せない」という大原則があるため、夢の中においては死神13は一方的な攻撃が可能ということになる。
無敵に思える能力だが、現実世界では無力で射程距離が短いため眠ってる相手にかなり近づかないと能力を発動出来ないという弱点がある。
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投下終了です。
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投下します。
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9歳の少女、エスターには悪いことばかりがつきまとう。
生まれ故郷のロシアでは孤児となり、以前の育て親は火事で亡くなり、エスターだけが助かった。
でもコールマン一家に養子として引き取られ、ようやく彼女に平穏が訪れた、
そう、鬼ごっこに「親」として参加するまでは。
エスターはほくそ笑む。
エスターのことを誰も知らない。
エスターのことを知ろうとした人物はみんな死んだ。
そう、自分は9歳の少女なのだ。
だから、自分の役は「子」だ。
ニコッと愛らしく笑ってみせる。
その顔を剥がすことのできる参加者は……?
【???/00時01分】
【エスター@エスター】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:ハンマー
[道具]デイパック(不明支給品2、確認済み)
[思考・行動]
基本方針:子のふりをして立ち回る。
1:子として親の庇護を受けつつ、参加者の情報を集める。
2:制限時間が近づいたら、親を減らす。
*その他
自分の役、各役の勝利条件、制限時間を把握。
『人物解説』
映画『エスター』の主人公。本名は「リーナ」。見た目は9歳のロシア人の少女であるが、
実はホルモン異常による下垂体機能不全で外見の成長が止まった33歳の女性。
子供のふりをして養子に入り、家族の父親を誘惑して拒絶されると一家皆殺しにする。
この手口で最低でも7人の殺害に成功している。
作中でもクラスメイトを高所から突き落としたり、邪魔な孤児院のシスターを
ハンマーで撲殺したりと残忍かつ狡猾な性質を示しているが、
養子先の父親の前では子供らしくふるまっている。
元いたエストニアの精神病院で着せられていた拘束衣の跡を隠すため、
いつも首と両手首にリボンをつけている。また、歯は入れ歯である。
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投下を終了します。すみませんが、175に投下した拙作のタイトルを
「今泉慎太郎巡査の冒険」としてください。
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投下します。
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「うーむ……」
機関銃を手にした、迷彩服の女性(その胸は豊満だ)が唸る。状況がまるで掴めない。
いきなり目隠しされて「鬼ごっこで親の役をしろ」と説明され、そのまま飛行機から落下傘投下とは。
こういうのは幸子殿の役ではなかろうか。まあ、要はサバゲーのようなものではあろうが……。
「むむむ……一体何があったのか教えてちょうだい、というやつですな……」
赤い空。漂う霧。無人の街。遠くに見える海。どこかの島のようだ。
しかも、デイパックに入っていた支給品は……。
「これ、実銃と実弾、ですよね……? 島がドンパチ賑やかになってしまうのでは……?」
ごくり、と唾を飲む。現代日本で許可もなく実銃を所持するのは、流石に犯罪だ。
つまり、これはまさか、本物の銃を使った、殺し合いなのでは? プロデューサー殿はヤクザ組織に沈められたのか?
映画の見過ぎで変な夢を見ているのだろうか? 鬼が出ても、この銃を撃っていいものか? ゾンビや怪物が出て来たら?
……彼女は思考を整理し、目標をシンプルにする。サバイブ(生存)。脱出して帰還することだ。それが一番。
まずは親や子の役の人を探し、協力し、情報を集めねばなるまい。
【???/00時06分】
【大和亜季@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:M60機関銃@現実
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:帰還する。
1:親や子と合流し、情報を集め協力する。
2:鬼と遭遇したら…撃っていいものか?
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
ゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』シリーズのCoolアイドルの一人。CV:村中知。年齢は21歳。福岡県出身。
身長165cm・体重51kg、スリーサイズは92-60-85。左利き。サバゲーとプラモ収集が趣味の軍オタで、口調も軍人風。
性格は明るく脳筋。体力には自信があり、モデルガンの扱いや格闘術はなかなかのもの。ちょくちょくセリフに戦争映画ネタが入る。
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投下終了です。
-
皆様投下乙です。
>>182
数多あるジョジョの二次創作の中でもなかなか出番の無いマニッシュボーイがまさかの参戦です。
能力的には鬼にいそうなタイプですが比較的マトモな人間が多い子での参戦は境遇をガラりと変えるスパイスとなりそうです。
>>186
この人がいるのを忘れていました。
外見からは役がわからなくてホラーなノリにもドンピシャな参加者ですね。
各役の数が重要になってくるこの鬼ごっこにおいて彼女は原作以上にあらゆる役にとって脅威の存在です。
>>189
どこで使い方を習った?
さて、wikiの編集が遅れておりましたが一先ず51人中28人までの収録を行いました。
今後も順次収録していますのでどうぞご利用ください。
特に子の役は支給品毎の枠が決まっておりますので、既出の参加者が多く持つ支給品を持たせる場合はご注意ください。
なお、現在登場話を募集しているのは以下のとおりです。
親 残り8人
「参加条件」
見た目か実年齢が約16歳以上で、超能力などの特殊な力が無いもしくは非常に使いにくいあるいはあってもなくても影響が薄い版権作品のキャラ。
子 残り13人
「参加条件」
見た目と実年齢が約16歳未満で、作中で子供として扱われており、超能力などの特殊な力が無いかあってもインフレしていない版権作品のキャラ。
といっても子は今から私が投下するので12人になりますが。
それでは投下します。
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三白眼を悩ましげに歪める少女が一人。
「また変なヤツがなんかしたのか?」
そう呟くとシャツに引っ掛けてあるオーバーオールを苛立たしげにイジる。吉永双葉は民家の玄関先で赤い空を睨んだ。
彼女も他の子と同様になんだかよくわかんないうちになんだかよくわかんない所に連れて来られていたのだ。その上ポケットには謎の板状の機械――彼女がそれをスマートフォンと知ることはない――まで入れられていた。
「鬼ごっこってなんだよ。」
バサバサとそこら中にバラ撒かれているビラから趣旨を理解すると握り潰して投げ捨てる。なんか見知らぬ町並みだが、とりあえず人に話を聞こう、まさかいきなり鬼ごっこのルール通りに突っ込んでくるバカはいないだろうしもしいたらとりあえず一発殴って黙らしてやる、そんなことを頭の中で言葉にすることもなく思いながらずんずん歩く。さっきまで普通に自宅の近くを歩いてたんだから少し歩けば見知った道に出るだろうという常識的な考え――即ちこの場での楽観もあった。
「で、アタシって鬼なのか?」
彼女は極めてオーソドックスに、その行動を開始する。一人の怒れる猛獣は、こうしてごく普通に鬼ごっこへと足を踏み入れた。
【H-08/00時09分】
【吉永双葉@吉永さん家のガーゴイル】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:『スマートフォン(子)』
[思考・行動]
基本方針:家に帰る。
1:とりあえず人と会う。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……短気・勝ち気・男勝りとどこに出しても恥ずかしくないお転婆少女。プロレス好きで運動神経がいい以外は特段の能力を持たないが、周囲にガーゴイルやら錬金術師やらがいるため超常現象には慣れている。ファミ通文庫版は絶版だがつばさ文庫版はまだ書店にあるかもしれない。
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投下終了です。
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投下します
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「自分は『子』か『親』なのか……えっと……どっちでもいい、といいますか……普通に考えたら、『子』なのかと……思いますが……」
独白の考察の通り、彼はこの場に子として参加させられた不運な少年である。
帰宅途中に何時の間にか異様な場所にいた中沢は、理解不能な状態を少しでも飲み込むため、現状でも解ることを口に出して見たがーー
「えっと……いや、ちょっと何のことだか……わかんないです」
やはり理解不能である。
一応其処らに腐るほどあるビラの他に、手掛かりとして使えるのは、ポケットに入っていた「水晶」である。
占い師が使うような風情ある一品だが、説明書らしき紙切れを見るとどうも癖のあるアイテムらしい。
これがこの鬼ごっこでアタリの支給品なのかはーー
「えっと……どっちでもいい、といいますか……
使いどころが分からないから……寧ろいらないかな、と……」
中沢少年の前途は暗い。
【???/00時03分】
【中沢@魔法少女まどか☆マギカ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:学生鞄(中身は教科書とかノートとか筆記用具とか)
[思考・行動]
基本方針:とりあえず人を探す
1:知り合いがいたら合流したい
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説
アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』に登場するキャラ。声優は松岡禎丞。
書く人によって『中沢』だったり『中澤』だったりするが、……ど、どっちでもいいんじゃないかと。(『中沢』が正解です)
アニメ第1話で初登場。鹿目まどかたちと同じクラスの男子生徒。
第8話に登場したホスト二人組と並び、カルト的でコアな人気を誇る。
その人気は、2ちゃんねるのアニメキャラ個別板に「中澤くん総合スレ」というタイトルのスレが立ち、他の脇役キャラのスレが次々と落ちる中1000レスまで埋まってしまうほど。
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投下終了です
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投下します
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「おっほ!やったッ!! 自由だ、オレは自由なんだぁ!!」
デラウェア河の底で長い長い時を、"考えることをやめて"過ごしていたマジェントは、鬼ごっこへの参戦という形でとうとう解放された。
パラシュートから飛び出し、二の足でしっかりと地面にたつ。
そうした自由の感触に、忘れていた歓喜が波のように押し寄せてくる。
動ける、走れる、歩ける、踊れる、嗅げる、転がれる!
ひとしきり自由を堪能し、満足したのか脱げてしまったシルクハットを拾いつつ、漫然と周辺を見渡す。
マジェントが投下されたのは見慣れない街並みの区画であった。
町にしては人気のなさがどこか陰気臭いが、それでも嫌になるほど見続けてきた川底よりは断然マシである。
ふと空を見上げると、先程マジェントを投下した飛行機がビラとパラシュートを次々とばらまいていた。
その光景に目を輝かせるマジェント。
「おっおっおっ!アレって噂の『飛行機』ってヤツじゃあねーのか! 俺が川底にいる間にもう完成してたのかよ!
つーかさっきまでオレ、アレに乗ってたのか!文明の利器ってスッゲ〜なぁ!
アレがもうちっと早く出来てればあの日の移動も楽だったのによォ〜」
そう、あの日。遺体の回収のためにウェカピポとジョニィたちを追跡したとき。
マキナック海溝への移動のときは随分と手間がかかった。寒かったし、死にかけもした。
そこで久しく忘れていた憎しみの感情がマジェントの心を支配した!
「ウェカピポの野郎ォ……覚えてやがれ!謙虚にふるまえだとか偉そうな口ききやがって! 帰ったら速攻でぶっ殺してやる! あとDioもだ! 俺たちは運命の糸で結ばれてんだからよぉ、とっとと助けにこいよ!」
自分を見捨てた男たちの恨み言を吐きつつ、任務達成のため支給品を漁るのだった。
【???/00時05分】
【マジェント・マジェント@ジョジョの奇妙な冒険 SBR】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:???
[道具]:デイパック(不明支給品3)
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこで優勝する。
1:とりあえず『子』を守れば良いのかぁ?任せろ!
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
『人物解説』
ヴァレンタイン大統領の配下のスタンド使い。
無敵の能力を持つが、その軽率さと物事を深刻に捉えない性格から、かつてコンビを組んでいたウェカピポに「下っ端のクズ」とまで言わしめた男。
ウェカピポと共に「6th,STAGE」終盤、マキアナック海峡でウェカピポと共にジャイロ達を襲撃する。
スタンド「20th Century BOY」で攻撃を防御し、ウェカピポの「レッキング・ボール」による「左半身失調」で動きを封じたジャイロ達を銃撃する。
自分の撃った弾丸を撃ち返すという策もスタンドで防御し、勝利したかに思えたが、 油断してスタンドを解除して会話をしているところに、防御して空へ打ち上がった弾丸が落下して頭を貫通し、敗北した。
倒れはしたが死亡しておらず、極寒の地に置き去りにされながらも通りかかかったディオに助けられ、生還。
左目を失い、偏頭痛などの障害が残ったが今度はディオの手先としてスティールを襲撃。
ルーシーを警護するためにやって来たウェカピポと対峙する。
置き去りにされた恨みを晴らすため、スタンドで防御した上でダイナマイトを爆発させる自爆作戦を繰り出して追い込んだが、
またもさっさと止どめを刺せばいいのに無駄な会話をした隙に馬車の車軸をワイヤーで結びつけられてデラウェア河に沈められてしまった。
スタンドで防御して溺れはしなかったが、ワイヤーを外すにはスタンドを解除しなければならず、
かといって解除すれば溺れてしまうということになり、最初はディオの助けを待っていたが当然現れるはずもなく、そのうち待つ事と考える事をやめた。参戦時期は考えるのをやめたあとから。
【スタンド能力】
『20th Century BOY』
破壊力 - なし / スピード - C / 射程距離 - なし / 持続力 - A / 精密動作性 - D / 成長性 - C
昆虫のような頭部と、肩当てのようなパーツとそこからベルトのようなものが伸びる、鎧のようなスタンド。
「身に纏う」タイプのスタンドで、身に纏っている間はあらゆる攻撃を受け流し、完全に防御する。
攻撃エネルギーだけではなく、水中など無酸素状態も防ぐことができる。
つまり、スタンドを身に纏っている間は決して死ぬことはない。
ただし、スタンドを身に纏っている時はマジェント本体は指一本動かすことはできない。
攻撃は本体が行わなければならず、攻撃するにはその度にスタンドを解除する必要が生じる。
そのため、防御は完璧だが攻撃に転じる隙を狙われると弱い。
100%防御特化の能力という、珍しいスタンド
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投下終了です
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投下します。
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「あーマジ無いわー、超絶望的ー…。」
彼女、江ノ島盾子は絶望していた。この絶望に満ち溢れた島の空で…。
「つーか人が後ちょっとで超絶望的に死ねたのに邪魔してんじゃねーぞ!」
「…まあ、中々面白そうな企画ではありますね…私が行なっていた殺し合い学園生活よりかは劣りますがね。」
「とゆ〜か、ルールがすっごいガバガバのユルユル〜!というか〜これ鬼ごっこする意味ある〜?」
「親が生き残るには親を減らす必要があるし、子は親よりも子を減らさないといけない…。
でもそれだと鬼が勝ってしまうからまず鬼を減らさないといけない、そして鬼は参加者全体の過半数を上回ればいいだけだからわざわざ捕まえるよりも殺す方が手っ取り早い。
参ったね…これじゃただの殺し合いだね。」
「はぁ…と言ってもみんながみんな簡単に人を殺せるわけないじゃないですか…人を殺すのが大好きなヤバイ人なら話は別ですが…。」
「だからこそ唆るのじゃ!…殺したく無いのに殺さないといけない…極限下での殺し合いこそ超絶望的エンターテイメント!!良いぞ!私様は気に入ったぞ!!」
絶望していたかと思えば急にブチ切れたり、思い直して冷静になったて評価したかと思えば、ぶりっ子装ってボロクソに貶し、かと思えばカッコつけながら考察したり、いきなり落ち込んだ後に高飛車になってご満悦になる。
絶望的に飽き性な彼女はコロコロとキャラを変えて喋る様は多重人格者と何も変わらない。
だが決して変わらないものが一つある。
「あーあ、超絶望的!うぷ、ウププププ…。」
絶望。
どれだけキャラを変えようと彼女の絶望への思いは変わらない。
それこそ彼女が超高校級の絶望であり、彼女を超高校級の絶望とたらしめる由縁であり、彼女こそ超高校級の絶望である証明である。
絶望が島に降り立つまであと僅か。
【???/深夜】
【江ノ島盾子@ダンガンロンパ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:パラシュート
[道具]:支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:絶望を振りまき、絶望を味わう
1:早く降りないかな〜
※Chapter6のオシオキ直前からの参戦です。
※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
※鬼ごっこというよりも殺し合いになると予測してます。
人物紹介
江ノ島盾子
CV豊口めぐみ
世の若者たちのカリスマとして崇拝される超高校級のギャル。
そのファッショナブルな容姿とキャラクターから、ファッション雑誌の読者モデルとしても活動している。
裏表のないストレートな性格が魅力的なムードメーカー。社交的で天真爛漫だが、歯に衣着せぬ言動など喜怒哀楽がはっきりしすぎるところがあり良くも悪くも現代っ子である。
しかしその正体はありとあらゆる絶望を愛し、自身に襲う絶望さえも興奮する究極の絶望フェチ、超高校級の絶望である。
また、相手の才能を分析した後、それを自分のモノにコピーしそこから改良を加える超高校級の分析力の才能を持つ。
この才能によりあらゆる物事を分析して理解出来てしまい、それ故に飽きやすい性格になっている。
さらに超高校級のボディーガードの追撃から逃れたり、人海戦術とはいえ超高校級のボクサーを倒したりなど身体能力にも優れている。
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投下終了します。
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役についての条件を勘違いしていた為>>124の役を「親」に変更して投下します
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海岸をてくてくと歩く少女が一人。周囲を見回しながら海沿いに歩いている。
「むう…。訳がわからん。気がついたら飛行機から落とされてこんな処に居るし、それに…………」
見上げた空は血を溶かし込んだ様に赤く、所々で火花が散っていた。
「何とも面妖な空よ………。超帰りたいぞよ」
とは言え帰り道がわからないのでどうしようもないのだが。
思わず腰に帯びた太刀と、隠し持った某手裏剣を確かめ、その感触と重さに安心感を覚えた。
周囲を窺い、人の気配がないことを確認すると、デイバッグの中身を検める。
「鬼ごっことはいえここまで手が込んでいると物騒な予感がするのう、まあ何か起きても対処は出来そうじゃが………ひょ?」
出てきた代物は知識の中には確かに有る。だが、こんなものが入っているという事は、この鬼ごっこが命懸けの行為である事を意味する。
「一体何ぞよ?」
但し書きを読んで舌打ちを一つ。中に入っていたのは防弾ベストと閃光弾。
「なんとも物騒な鬼ごっこよ………。これも因果というやつかのう………………」
過去に己の武力と権限を用いて、男共に行って来た熾烈な虐待を思い出し、少女の口元に自嘲の笑みが浮かぶ。
「聞かされた話じゃと、親と子の勝利条件は両立せぬ。子の数が減り過ぎれば親同士で殺し合いが始まるじゃろう」
似た様な事を実行して来た少女は、このルールの本質を理解した。
外見が小学生と変わらない身だが、これでも齢十八である。
短く苦笑した少女は、再度左右を見回して誰も居ない事を確認する。
未だに釈然としないが、自分の置かれた状況と、腰の太刀と支給品を考えれば、この鬼ごっこはかなり物騒なものだと推測できる。
武装した自分の抵抗を捩じ伏せられる強さか装備の鬼が徘徊しているのは確かな事実だろう。
「どうも殺し合いを前提にしておる様じゃのう………」
取り敢えず親なり子なりと合流して、情報を交換したいところだが、鬼とも遭遇しておきたかった。
何しろ対策を立て様にも、鬼がどんな相手か知らなければ、立て様が無いのだから。
【???/00時01分】
【花酒蕨@武装少女マキャヴェリズム】[役]:親
[状態]健康
[装備]:太刀・棒手裏剣
[道具]:防弾ベスト・閃光弾
[思考・行動]
基本方針:親か子と合流する。鬼がどんなものか確認しておきたい。
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
ルールの本質に気付きました。
人物情報
CV日高里菜
元々女子高だった学園が共学になった際に男子生徒を恐れた女子生徒のための風紀組織、愛知共生学園“天下五剣”の最年長生。要するに高校三年生。
ただし外見は小学生並み。
気分屋かつ奇矯な振る舞いをする少女。ドーモー(cv藤田咲)というクマを飼っている。
学園の治安維持を理由に矯正対象の関係者も平気で巻き込む"ワラビンピック"なる催しを行い。
他の五剣担当領域にも干渉してくるため、生徒達からも話の通じる相手ではないと認識されている。そうした行動は熊を飼うことを通すために誰よりも恐れられようと露悪的に振る舞っているためで、根は理知的で最上級生としての責任感を持つ。が、一番風呂を巡って他の五剣と喧嘩したりする。
精神的な揺さぶりを掛けたり、強敵相手には数を用いたりと知恵を用いた(本人は老獪と称する)戦い方をする。
タイ捨流を修得していて、戦闘では身軽さを活かして戦う。
モチーフは天下五剣の一つ"童子切安綱"。
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投下を終了します
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投下します。
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(鬼ごっこ……ねぇ、どうやら十二大戦とは別みたいだが)
会場に降り立って直ぐに隠れられそうな場所に飛び込んだ怒突は、飛行機内で聞かされたルールを思い出してそう言った。
自分以外は全て敵で、ただ一人しか生き残れない十二大戦に覚悟を持って挑むつもりだった怒にしてみたら拍子抜けなルール。
とは言えそれで楽観視している様子もなく、むしろ警戒をしているのか神妙な表情で考え込んでいる。
(だが、十二大戦と違ってこのゲームは信用が無いっつーのが問題だ。
果たして条件通りに勝利したとして、本当に無事に解放されるかもわからねぇ。
となれば、このゲームの運営を出し抜く方法も考えなければならねぇだろうな)
少なくとも十二大戦は、優勝者はキチンと生還していたし願いを叶えて貰ったという事実がある。
その点、怒が命を懸けて殺しあうだけの理由があった。
だがこの鬼ごっこはどうだ。
突然拉致されてデスゲームを強制されている以上、運営を全面的に信用など出来るわけがない。
(だからといってゲーム自体も疎かにするわけにはいかねぇ。
子を守る親に俺のような戦士を宛がう以上は、子を捕まえる鬼が相応の強さを持っているだろう事は予想がつく)
怒も十二大戦に選ばれるほどの戦士として、そう簡単に殺されないという自信があった。
だが、この鬼ごっこはそう単純な事ではないという事も気づいていた。
(俺が生き残ればいいって簡単なルールじゃねー以上、他の参加者の生死にも注意しとかなきゃならねぇ。
特に子の参加者はなるべく死なせないように気を配る必要があるわけだ)
勝利条件が条件なだけに、怒の脳裏には隠れ続けて生き残るという待ちの選択はなかった。
他の親にどれだけ使える奴がいるか分からない以上は、積極的に子と接触しておく必要があるのだ。
(つまり基本は、強力な鬼に追われ為す術も無い子を必死で逃がす親、というのが本来想定されるケースだろうな。
いくら俺でも誰かを守りながら、『皆殺しの天才』のような化け物と殺り合うのは無理だからな。
恐らく鬼も、俺達との戦力差についてはそう考えているはず)
怒の脳裏に浮かんだのは、十二大戦にも参加していた、わけが分からないほど強いと称される戦士牛井の姿。
そこまででなくても、自身と同格くらいの戦士と戦うのであれば、足手まといを気にする余裕はない。
(だからこそ、そこを突く。子は鬼から逃げるしかないという思い込みに付け込む。
俺の秘蔵の『ワンマンアーミー』を使って、無力な子の力を飛躍的に秘薬的に引き上げて戦力差を埋める)
『ワンマンアーミー』
それは、毒殺師である怒の真骨頂。
筋肉・神経・五感・心配・記憶力・思考力といった人体機能のすべてを限界まで引き出すドーピング薬。
言わば、使用者のLvを強制的にMAXまで上げる薬だ。
勿論そんな効力の薬が真っ当な物の筈はない。
当然、詳細は怒も知らないまでも副作用はあるし、こういう緊急事態でもなければ使用しないものだ。
(その上で鬼を捕まえてゲームの運営側についてでも聞き出せれば儲けもんだ。
何も鬼ごっこだからって大人しく逃げ隠れてやる必要もねぇ。
セオリーがあるなら逆を行け、だぜ)
怒はこれから取るべき方針を決定すると、その場を出発した。
【不明/深夜】
【怒突@十二大戦】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:犬耳のカツラと付け尻尾
[道具]:デイパック(不明支給品2)
[思考・行動]
基本方針:生き残る。
1:ワンマンアーミーによる戦力の底上げ。
2:できれば運営を出し抜く。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【人物解説】
十二大戦という殺し合いに参加するはずだった戦士。
人身売買を副業としており、自分を戦争犯罪者に限りなく近い戦士と自称しているが、
それも普通の社会で生きていけないであろう子供を見殺しにするのは後味が悪いから、生きていける場所に売っただけである。
間違って変態に売ってしまった少女を救出して養子にしたり、
自分を殺すために危険な賭けに出た元教え子を止めようとして、逆に自分が危険な賭けに出たり、何だかんだで甘い所がある。
また、保父をやっており、保護者には評判がいいらしい。
なお本名は津久井道雄というが、本名で書かれても誰だかさっぱり分からなそうなので怒突表記です。
【能力】
ざっくり言えば体内で様々な毒を作ることができる。
普段は噛みついてそこから毒を流し込む事で、戦闘スタイルを噛みつきと誤解させて毒使いであることを隠しているだけで、
別に噛みつかなくても空気中に毒を散布する事もできる。
けど風とかに左右されそうだしやっぱり噛んだ方が確実?
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投下終了します
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投下します。
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地獄に再現された沖木島の赤い空を飛ぶ飛行機では現在、親の役である24名への役と勝利条件と制限時間が説明されている。予めツノウサギが収録していたそれが予定通り流れるのを聞いていた牛頭鬼は、コックピットに後付されたタブレットにそのツノウサギからの連絡があることに気づいた。
前回の鬼ごっこでの子供達の脱出を許すという失態により、彼の待遇は馬頭鬼より一段低いものとされている。序列は馬頭鬼>牛頭鬼>ツノウサギ>荒井というあんばいだ。であるからしてこうしてコパイに甘んじている彼は機長権操縦士である馬頭鬼がやらぬ全ての用務を担当していた。主催者本部との通信も彼の担当であり、それへの対処全般も彼の担当である。
牛頭鬼はデカい身体を慎重に動かしてタブレットを操作し連絡に目を通す。内容は、不正な参加者についてであった。どうやら数名が事務的ミスや調査不足で正しくない役に割り当てられてしまっているらしい。こうした想定外の事態は現場判断で処理――という名の隠蔽――するしかない。
ピピピピピ……
アラームが鳴った。0時丁度だった。
牛頭鬼はコックピットにいくつもあるスイッチのうちの一つを入れた。これで機体のハッチが開き、親達は一定の感覚でパラシュートで降下される。その第一陣として赤いスーツに銀髪の男が落下していくのを認めて、牛頭鬼は馬頭鬼に一つ合図を送りコックピットから出た。向かうは先程親達が拘束されていた格納庫だ。
狭い機内を壊さぬよう慎重に歩き、目当ての場所へと着く。この飛行機は島の上空を旋回しているため、一周すれば親一人一人が落とされた場所の上空を通ることとなる。つまり、ある親の落としたタイミングが分かればその時飛び降りればその親の近くに落下できるということである。そして排除すべき親の名前はわかっている。マジェント・マジェントなる超能力者と努突(本名津久井道雄)なる毒殺師だ。他にも子に排除すべき参加者がいたりするが、まずは超能力を自在に操るような存在から殺そうと牛頭鬼はしていた。殺す為の武器もある。王道を征く近接武器たる金棒と、鬼役として用意した男のいた現世から取り寄せた重火器――ハルコンネンⅡ。300kgを超すそれを担ぎ上げると、金棒を片手に椅子に拘束されている彼らを見た。今ここで殺せば隠蔽は困難だ、とにかく一回落とさなくてはならない。だがこの飛行機が一周した後には確実に殺してやる。牛頭鬼はそう決心すると彼らが夜の闇に消えるのを待った。
【島上空/00時00分】
【牛頭鬼@絶望鬼ごっこ】
主催者側の鬼。強いが足の速さは牛並。
【馬頭鬼@絶望鬼ごっこ】
主催者側の鬼。強いが足の速さは馬並み。
※マジェント・マジェント並びに努突は『超能力などの特殊な力が無いもしくは非常に使いにくいあるいはあってもなくても影響が薄い』という参加条件を満たすキャラでは無いのでレギュレーション違反となります。
※よって主催者側の鬼は両名を殺すことにしました。
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投下終了です。
というわけでマジェント・マジェント並びに努突はレギュレーションを満たしていないと判断しこのような処置になりました。
そこで今一度参加条件を明示しておきたいと思います。
親 残り4人
「参加条件」
見た目か実年齢が約16歳以上で、超能力などの特殊な力が無いもしくは非常に使いにくいあるいはあってもなくても影響が薄い版権作品のキャラ。
子 残り12人
「参加条件」
見た目と実年齢が約16歳未満で、作中で子供として扱われており、超能力などの特殊な力が無いかあってもインフレしていない版権作品のキャラ。
なお、定数が上限に達したあとに投下された登場話に関しては、その役でレギュレーションを満たしていないキャラの代わりに参加することとします。
それでは皆様の引き続きの投下をお待ちしております。
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投下します
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「は……?なんだよココ」
キョロキョロと周囲を見渡す小柄な少年。何時の間にか辿り着いた見慣れぬ町並みは、彼の混乱に拍車をかけた。
混乱の中、何気なく其処らにバラまかれているビラを手に取ると、
そこにはアレンジされた『鬼ごっこ』のルールが記載されていた。
(おいおいおい、新手のスタンド使いからの攻撃か! 勘弁してくれよぉ〜! おれはもうそんな荒事に関わりたくないんだよォ!)
期せずして修得したスタンドに有頂天になった間田は、そのしっぺ返しとも言うべきか、他のスタンド使いの手により手酷い目に遭った。
つい最近、漸く退院できたばかりである。もう危険な目に遭うのはこりごりだ。
(俺の役は……子?多分子だよな?じゃあ鬼から逃げれば良いのか? 糞、説明がザルすぎるだろコレ!)
(ヤバくなったらおれのスタンドで……あー!駄目だ!人形がない!)
自身のスタンド『サーフィス』は確かに扱いやすいとは言えない。戦闘に限定すれば悔しいが『弱い』と言えるだろう。
しかしスタンドは適材適所、どのような能力も使いようである。
間田のサーフィスも使い方によっては恐ろしい能力と言えるが、発動には等身大の人形が必要であり、所持していたそれは既に破壊され、燃えるゴミとなってしまった。
(チキショウ〜!!あるかどうかも解らないが探すしかないのか!!)
「勘弁してくれよ……」
とりあえず人形の代用になりそうな物を探すか、そうビクビクしながら歩きだした。
【???/00時03分】
【間田敏和@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:『サーフィス』
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
1:『サーフィス』に使えそうな人形を探す
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……杜王町に住むスタンド使い。ぶどうヶ丘高校3年C組の生徒。
広瀬康一にシメられたあとの小林玉美によって、存在が明らかになったスタンド使い。
長いボブカットに猫のような目をした、如何にも根暗そうな学生。
マンガが大好きで学校のロッカーにマンガを置いている。本人のスタンド曰く「パーマンを知らないやつとは会話したくねー」とのこと。虹村形兆のスタンドの矢で射抜かれスタンド使いとなった。
性格は執念深く陰湿そのもの。かなり暴力的だが小心者でもあるため、身動きが取れない相手にしか手を上げる事ができない。後に間田の半生を岸辺露伴がヘブンズ・ドアーで読んだ時には、「弱い者をイジめると胸がスッとして気分がいい」などと書いてある始末で、露伴には「最低な奴」「読者に好かれるはずがない」とボロクソに言われた。
『サーフィス』
【破壊力 - B/ スピード - B/ 射程距離 - C/持続力 - B/精密動作性 - C/成長性 - C】
別名「うわっ面」。「うわ」はひらがな表記である。
等身大のポーズ人形に憑りつき、人形に触れた者の姿、仕草、声紋を全てコピーするスタンドである。性格までコピーされるため、大雑把な命令には従うが、本体の間田敏和に忠実という訳ではない。
近距離パワータイプで、パワー・スピードはそこそこ高い。
コピーした本体との見分け方は、サーフィスの方の額についている「+ねじ」である。
コピーされた相手は、数メートル以内でサーフィスと向き合うと同じ動作しか取れなくなる。その際の動作は鏡写しとなり、サーフィスの右腕が動けば、コピー元の左腕が動く。また向き合うと言ってもお互いを認識する必要はなく、サーフィスがコピー元の姿を視認していればいい。また動作させる部位はある程度サーフィスが指定可能であり、サーフィスの支配下にあっても一寸も違わぬような動作をするわけではない。
外見が変わっても中身は木製なのは変わらない為、衝撃で破損することもある。また破損部位は元の木製人形に戻る。
ポーズ人形自体は実物なため、スタンド使い以外でも見ることができ、人形が破損しても本体の間田にダメージがフィードバックすることはない。逆に言えばスタンドを発動するには等身大ポーズ人形が必ず必要となる。
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終了です
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投下します。
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「参ったな、こりゃ。」
どこにでもいそうな中年の男は空を見上げてそう言った。
「まったく……鬼ごっこなんてガキのころにしたっきりだってのに……
あ、俺のやってることも鬼ごっこに入るのかな、ははは」
一人笑いながら、村田はいつもの「ボディーを透明にする」前の準備のように色々考えてみる。
十二分に異常な状況であるにも関わらず。
「俺の役は『親』で、『親』が勝つには『子』が逃げ切って、それで『親』よりも『子』が
多く生きていればいい。つまり、必要とあらば『親』を殺す必要もあるわけか。まあ、別に殺しはどうだっていいんだが」
そしてルールを整理する。
「『子』の勝利の優先度は『親』の勝利の優先度よりも低い。
『子』が勝つには生き延びた上で『親』よりも数が減っている必要がある。
そのくせ、『親』に守られろっていうのは変な話だ。
もし『子』がこのことをわかってるんなら『親』に守られようなんて思わないだろう。
『親』が勝っちまうからな。『子』だけで固まっていた方がまだ安全だ。」
そして、空から降ってきたビラを手に取り、二つの文に注目する。
『ルール4:時間いっぱい鬼から逃げ切れれば、子供の勝ちとなる。』
『ルール5:親は、子供を守らなければならない。』
「ルールを説明されたっていうのに、なんでこんなものを配る必要があるんだ?」
腕を組んで考える。そして、一つの考えが思い浮かんだ。
「『子』にはそういう情報が与えられていないんじゃないか。
だからこうやってわざわざ通達していると。で、俺みたいなのに守られて安心しっぱなしってわけだ。」
村田はそう結論した。
にぃっと笑ってみせる。
おそらく他の『親』も勝利条件を知っているのだろう。
中には他の参加者を殺すことに躊躇を覚える人間もいるだろう。
しかしそんな連中は脆い。ちょっといい顔をして信頼を引き出せば、コロッと堕ちる。
そのあとはずぶずぶだ。
俺は常に勝つ。
いつものようにそう心の中で呟いた。
【???/00時04分】
【村田幸雄@冷たい熱帯魚】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:毒入り栄養ドリンク
[道具]:デイパック(不明支給品2つ、確認済み)
[思考・行動]
基本方針:
1:無害を装い『子』を守るふりをする。
2:参加者(特に『子』)に信頼されるようにする。
3:必要とあらば『子』に嘘を吹き込む。
『人物解説』
映画『冷たい熱帯魚』の主要登場人物。演者はでんでん。
熱帯魚店「アマゾンゴールド」の経営者であり、気さくでノリが良く押しの強い、おしゃべりなおじさん。
しかし、裏の顔は金のために邪魔な人間を本人曰く58人、最低でも30人以上殺害した殺人鬼である。
死体を細かく解体、焼却し、殺人の証拠を完璧に隠滅するということで発覚を逃れてきた。
人間心理を読むことに長けており、言葉巧みに対象をその気にさせる話術、
風貌、ユーモアのセンス、そして暴力性を持っている。
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投下を終了します。
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参加者名簿の編集ありがとうございます。
私もできれば今日中に登場人物全体の半分は収録したいと思います。
それでは投下します。
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「鬼ごっこ、ねえ……」
そう言いながら屈み込みデイパックからアイスピックを取り出して手の上で弄ぶ男が一人。高級感のある服で均整のとれた身体を包み、端正な顔の眉根を寄せる男の現在の社会的地位は被疑者――つまり彼は逮捕されている身だ。マスコミからも家族からも完全に犯人と思われている彼にとってこの状況はある意味千載一遇のチャンスではあるのだが、それでも表情は晴れない。当然であろう。いつの間にか拉致されて鬼ごっこをしろなどと言われればこうもなろう。
「アイスピックと、ICレコーダーか……」
だが彼はこの機を逃す気もなかった。自分の転機となった、あの生放送での公開討論。そこでの失言と家族からのアリバイ証言の撤回により、既に彼の社会的生命は絶たれている。これでも弁護士を志した身だ、裁判になれば負ける気はないが、仮に勝ったとしても現状はマイナスにしかならない。そのことは彼をハメた男が十年に渡って殺人犯の息子だと言われたであろうことを考えれば想像に難くなかった。
「いいさ、やってやるよ。今度は失敗しない。」
残念ながら道は一つだ。なら進むしかない。止まっても戻っても地獄なら前に行くしかないんだ。
「借りは返すよ……早川慶介。」
小笠原祥太はそう言うとキツくアイスピックを握り締めた。
【B-10/00時07分】
【小笠原翔太@FINAL CUT】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:アイスピック@現実、ICレコーダー@現実
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:意地でも生き残る。
1:まずは行動方針を決める。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
人物解説……ネタバレになるが本ドラマはミステリーではないので影響は小さいと判断し人物解説を行う。FINAL CUTにおける十年前の無認可保育園女児殺害事件の真犯人。なのだが、このドラマはメディアによる報道被害への復讐譚であるため、彼については逮捕されて終わりであり事件の全容はわからない。そこで今回、彼は冤罪であったということにした。彼が真犯人であろうとそうでなかろうとドラマにほとんど影響は無いからである。なお、性格は割とティピカルなプライドの高い弁護士を想像すればだいたい合っている。
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投下終了です。
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投下します
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「我が名は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル! この地獄に君臨する大悪魔!」
気が付いたら見知らぬ場所に立っていたサタニキアことサターニャだったが、
図太い彼女は突然の事に動揺する事もなく、誰かに聞かれたら誤解されそうなことを突如叫んだ。
空が一面赤く、火花が散ってたりもするというおどろおどろしい景色が、慣れ親しんだ魔界と似ていたからだろうか。
「ところでここ、どこかしら」
サターニャはこんな所に来た記憶はないし、勿論夢遊病を患っていたり記憶力に欠如があるわけでもない。
ついさっきまで、魔界通販で買った44口径リボルバーマグナム・デビルパイソンが届いて来たので開封した所だった。
ならなぜ自分はここにいるのか。
「はっ、まさか!」
サターニャの脳裏に浮かんだのはラフィエルやガヴリールの嘲るような笑顔。
彼の悪魔的な天使達ならこんな事も可能かもしれない。
そしてこの状況を隠れて見て笑っているのではないか、と周囲を見渡す。
そんなサターニャの顔面に突如、バサバサっとチラシが纏わりついてきた。
「うわっぷ、ちょ、なによこれ!」
顔面に張り付いたチラシを手に取って見てみる。
そこには五つのルールが書かれていた。
「ははーん、つまり鬼ごっこね!」
それを読んだサターニャは誰でも分かりそうな答えを自信満々に答えた。
ここでサターニャに疑問が沸き上がる。
自分の役はいったい何なのかと。
普通に考えれば大悪魔たるサターニャが逃げ回る子だなんて有り得ないとは思っているが、
もしこれがラフィエル達の悪戯であれば、鬼に追い回される姿を楽しむのではないかと推測できる。
「となれば私は子……いや、何も決められた役通りに動く必要はないわね。
役に逆らって動く、これこそ悪魔的行為-デビルズアクション-!」
中二病的決めポーズを取って高らかに宣言するサターニャであった。
「なんならこのデビルパイソンで他の奴らの邪魔をしてやるのもいいかもしれない!
こんな恐ろしい事を思いつくなんて、自分で自分が怖くなるわね」
鬼ごっこを楽しんでいる奴らの邪魔をしてしらけさせるという悪魔的行為を想像し、サターニャは自画自賛をする。
リボルバーマグナムを弄りながらそんな事を叫ぶ姿は、どう考えても怪しい人物であった。
「そうと決まれば早速誰か探すわよー!」
意気揚々と何処かへと走り出したサターニャの悪魔的な鬼ごっこは、これからどうなっていくのだろうか。
【不明/深夜】
【胡桃沢=サタニキア=マクドウェル@ガヴリールドロップアウト】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:デビルパイソン
[道具]:不明支給品
[思考・行動]
基本方針:悪魔的行為をする。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間・支給品の存在は全て未把握。
この鬼ごっこにラフィエル達が関わっていると疑っています。
【人物解説】
意味もなく自信があって、無駄に尊大で、悪魔らしくあろうとする割にはやる事がしょぼい悪魔。
その上騙されやすく煽てや煽りにも弱いので、ラフィエルやガヴリールにいいように遊ばれている。
握力が200だったりと身体能力は高い。
【デビルパイソン】
特殊な弾が使用されており、痛みはないが撃たれた者は10分間笑いが止まらなくなってしまう。
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投下終了します
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投下します。
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「……どこここ? なんで?」
帽子の少女はあたりを見回す。さっきまでバスに乗っていたはず……なのだが、急に全く違う場所だ。
不気味な赤い空。その空を飛んでなにかを撒き散らす、鳥じゃなさそうなもの。ヒトが作ったっぽい地形。周りには誰もいない。
「さ、サーバルちゃん? ボス?」
なんだろう。なんだかすごく、いやな予感がする。ここにいちゃいけない気がする。怖い。
壁になにか、『文字』が書かれた紙が貼ってある。
「おに、ごっこ? ……狩りごっこ、みたいなものかな……?」
少女は、それがなんだかよく知らない。知識にない。
彼女はまさしく人間なのだが、正確に言うと「ただの人間」ではない。
超常の力を持つわけではない、「生まれたばかりの」純真無垢で無力な少女だ。
しかし、彼女には知恵と勇気と経験がある。ヒトとしての能力がある。
ヒトと鬼の悪意渦巻くこの修羅場で、彼女はどう動くのだろうか?
「だ、誰か、いませんか……?」
【???/00時07分】
【かばん@けものフレンズ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:かばん、帽子
[道具]:未確認(背負っているかばんの中)
[思考・行動]
基本方針:誰かいないか探す。ここが何なのか調べる。
1:ここは……?
2:おにごっこってなんだろう。逃げればいいの?
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。現状を理解していないが、知ろうとはしている。
『人物解説』
アニメ『けものフレンズ』の主人公。CV:内田彩。一人称は「ぼく」で胸も目立たない(ないではない)が、立ち居振る舞いは少女らしい。
黒髪で瞳は青緑色、羽根のついた帽子(つばにいくつか穴が開いている)をかぶっている。帽子の下には尖った寝癖がある。
半袖短パンのサファリルックで、黒い手袋やタイツを身に着け、大きなかばん(リュック)を背負う。
ジャパリパークのさばんなちほーに現れたところを発見され、サーバルに「かばんちゃん」と名付けられた。自分では「かばん」と名乗る。
純真無垢で無力ではあるが、知恵と勇気と友情で様々な問題を切り抜けてきた。10話終了後あたりから転移。
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投下終了です。
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投下します
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暗い森の中の、うっそうと茂る巨木の真下。
まるで雨宿りでもするように、金髪の少女が一人しゃがみ込む。
「わたしは親だから、子供を守ればいいんだよね…?」
彼女に与えられた役は『親』。
生き返るためには鬼から逃げ、子供より少なく生き残らなければならない。
子供が何人いるか分からない以上、親の勝利を狙うのならば必然的に他の親を排除する必要がある。
「でも、怖いよ…」
そうなれば確実に自分は真っ先に排除対象になるだろう。
それどころか、場合によっては友人たちと争わなければならないかもしれない。
それだけは絶対に嫌だ。彼女はぎゅっと袖口をつかんで縮こまる。先ほどから続く体の震えは、暫く収まりそうにない。
そして、それ以上に心配なことが一つ。
「そもそもわたしの事、親だと思ってくれるかな…」
―――アリス・カータレット、18歳・身長139㎝。
子にしか見えない親の逃避行は、まだ始まったばかり。
【???/深夜】
【アリス・カータレット@きんいろモザイク】
[役]:親
[状態]:健康、軽い恐怖
[装備]:
[道具]:デイパック(不明支給品2)
[思考・行動]
基本方針:元の世界に戻って、みんなで修学旅行へ行く
1:親、子供と合流する
2:親だと信じてくれるかな…
※原作での修学旅行エピソード前からの参戦です
『人物紹介』
「きんいろモザイク」のメインキャラクターであるイギリスからの留学生の少女。
真面目で成績優秀だが体育が苦手。また焼きもち焼きな面もある。
小学校のころから3cm程しか伸びてないほど背が低い。ゆえに子供扱いされることもしばしば。
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投下終了です
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投下します。
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手にしっくり馴染むのは、ドスだ。
デイパックという容量の関係上ドスにされたのたのであろう、何か長いものを強引に詰め込もうとしたような変な癖のついたデイパックから取り出したそれは、自分がどこまでいってもアウトローであることを無言で告げているかのようだ。
「結局俺はヤクザだって言いたいのか……?」
数秒じっとドスを見てから河島龍之介ことリュウは目を閉じる。思い出すのは、脱獄、逃避行、そして愛した女の元に向かう中で訪れた、死。福岡から東京まで走り抜けた最期の旅路を走馬灯のように頭に巡らせ――
「ラアッ!」
気迫とともにドスを抜き虚空に一閃した。
「舐めんなよ。」
そう言ったのを最後にドスを服の中に隠しデイパックを引っ掴んで歩き出す。
自分は親で、鬼ごっこで子供を守り、24時間でケリがつく。それはわかった、わかったが、そんなものを信じる気は無い。これがかつての組長からやれと言われたのであれば、恋人である美咲との将来を考えて迷いもした。殺人の罪を被って自首する程度、やってみせた。
だが今のリュウは違う。組からは厄介者として消されかけ、恋人は脱獄犯である彼の為に盲目でありながら京都から東京まで追いかけてきた。もう切った貼ったはウンザリだ。自首して足を洗い真っ当に生きようと考えていたところで死んだ彼にとって、彼の人生史上最もこの鬼ごっこは許容できないものであった。
「俺は犬じゃねえ……犬にはならねえ!」
目に怒りの炎を燃やし、リュウは大股で地面を踏み締めた。
【F-01/00時08分】
【河島龍之介@ランナウェイ ��愛する君の為に】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:ドス@現実
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:ゲームには乗らない。
1:生き残る。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
人物解説……ランナウェイにて脱獄した四人のうちの一人。元暴力団員で、盲目の恋人美咲との将来の為に組を抜けようとし、その結果組が起こした殺人事件の罪を被り出頭し逮捕収監されていた。二年半収監された後に脱獄、紆余曲折を経て五千万を手にするも、最期は凶弾に斃れた。享年29歳。筋者らしく性格は荒いが、一本筋の通った男。
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投下終了です。
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皆様投下乙です。
>>195
まどマギの中からまさかのチョイスで参戦したことに戸惑いを覚えたり覚えなかったりしますがどっちでもいいことなので良いと思います。
>>201
鬼でなく親だということが親にとってに最悪の存在ですね。
能力は高くしかし絶対にろくでもないことしかしないこの吐き気を催す邪悪を、果たして他の親達は御していけるのでしょうか。
>>204
役を子から親に変えての参戦により親では最強クラスの参加者となりました。
このことにより同作品キャラと対立するという厳しいポジションに置かれることになりました。
子に見える外見をどう活かすかが重要になりそうです。
>>214
四人目となるジョジョ四部からまさかの参戦ですね。
彼を二次創作で見ることはマニッシュボーイ同様まずありませんが果たしてどうなるでしょうか。
両者ともに癖の強いスタンドですが彼の場合は人形が必要という絶望的条件でどこまでやれるのか楽しみです。
>>216
鬼でないことが親にとって危険であるタイプが更に続きますね。
そしてこの場には限定的ですが文字通り死体を消す方法が用意されていますから彼の危険性は子と接触することで増大するでしょう。
余談ですがでんでんや藤原竜也はなぜこういった役が合うのでしょうか。
>>222
本職の悪魔でありながら何の説明もなしに、しかも鬼ではなく子で参加させられるというところに鬼の悪辣さを感じますね。
ある意味他の参加者にとってはこういうタイプの参加者が一番厄介な存在でしょう。
一番振り回されるのは鬼か親それとも子か。
>>225
すごーい!君は物語の始まりで遭難して何かに追われるフレンズなんだね!
>>228
ずっと中二ぐらいのキャラだと思ってたんですが高三だったんですね、知りませんでした。
出会ったときが昔って割には数年でおかしいなとは思ってたんですが18歳だったとは。
たぶん多くの参加者が私と同じように彼女を子と間違えそうです。
さて、ついに親の登場話が定数に達しました。
これより投下された親の登場話に関してはレギュレーションを満たしていない親の参加者の代わりに参加することとなります。
残すは子が9人ですが今から8人になります。
それでは投下します。
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「窓の向こうが土みたいになってる……ここは五階なのに……」
宮原葵は呆然と呟くと女子トイレの窓ガラスをノックしてみた。普通のガラス窓を叩いたときより、心なしか音がくぐもっている気がした。
よもや自分が今までいたショッピングモール毎地獄に再現されたものに置き換えられたなどつゆ知らず、明らかな異常事態に戸惑う。優に十メートル以上は地上からあるはずのそこが少し目を離した間に土で埋められているなどというのは、彼女に危機感を抱かせるには充分であった。
とりあえず洗面台から水が出ることを確認したりして派手なドッキリなのではないかと考えたりもするが、そんなものに自分が巻き込まれる理由もわからない。トイレの内にも外にもいつの間にか人がおらず、そんな大規模なドッキリを営業中のショッピングモールで、ただの小学生である自分にするとは到底思えない。
ただ一つの例外を除いて。
「また鬼ごっこだったり……?」
こんなことをできたりしたりする存在に一つだけ心当たりがある。このあいだ、突如学校を地獄と化して鬼ごっこを強いてきた鬼達。奴らならば可能ではないのかと推測を立てる。そしてその推測は当たっている。今の事態は葵達三人を主に殺し切るために用意し、それを大規模にしたものである。しかも鬼達へのチュートリアル用のエネミーとして鬼の牢獄の出口から遠い場所がスタート地点だ。鬼達からすればボーナスステージだが彼女にとってはモンスターハウスであった。
(私だけ巻き込まれたのか、悠も一緒に巻き込まれてるのか……)
トイレからおずおずと出て物陰に隠れながら考える。先程まで一緒にいた桜井悠はシアター近くにいるはずだ。なんとか合流したい。飲み込んだ生唾が喉にベッタリと貼りついている気がした。
【F-05/00時10分】
【宮原葵@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『水晶』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:死にたくない。
1:鬼に警戒。
2:幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……当企画のパロディ元である『絶望鬼ごっこ』シリーズのキャラで小学六年生。二巻の『くらやみの地獄ショッピングモール』からの参戦。ガリ勉宮原と揶揄されるほど勉強熱心で学年でトップ。また妖怪ウォッチの元ファンで、妖怪等の民俗学について教えたがる。この企画では今現在三人目のリピーターである。なお女だ。
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投下終了です。
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投下します
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「うぅ……うぅ……」
少女は泣いていた。
見知らぬ町、赤い空、空を舞うビラ、その全てが怖い。
彼女はずっと一人だった。
言い付け通りに良い子にしていたのに、母は孤児院に置き去りにしたまま帰ってこない。
それでも寂しくは無かった。
肌身離さず彼女を見守っていた親友は、今も変わらずたえを励ます。
"大丈夫だよたえちゃん!僕が居るじゃないか!
怖い鬼がやって来ても、僕はずっと一緒に居るよ!"
「うん、そうだね……コロちゃんだけはわたしを見捨てないよね」
"当然じゃないか!ぼくはたえの家族なんだからね"
「うん、うん、そうだね」
不安が薄れたのか、涙を拭うと励ましてくれた親友に笑顔で頷く。
"それに、もうすぐ家族が増えるじゃないか!早くお家に帰ろう"
「そう、そうだね。家に帰ろう」
【???/00時03分】
【たえちゃん@コロちゃん】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:『コロちゃん』
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は引き取られる直前
人物解説……
カワディMAX作の"涙あふれる現代のファンタジー"エロ漫画「コロちゃん」に登場する少女。
「コロちゃん」はコミックス「少女奴隷スクール」に収録されている。タイトル通り18禁に属するので、未成年の人は気になっても大人になるまで我慢しよう。
『コロちゃん』
たえちゃんの友達。精神医学で言うところの「イマージナリーフレンド(Imaginary friend)」という症状がその正体。
実際は何の変鉄もない熊のぬいぐるみ。勿論喋らないし動かない
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投下終了です
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皆様投下乙です。
>>237
この鬼ごっこでは意外と少ない女学生ですね。
こういうタイプのキャラは意味深なムーブをしつつなんだかんだ最後まで生き残るのがホラーもののあるあるですが果たして彼女はどうなるでしょうか。
さて登場話68話中35話の収録と今現在までの参加者名簿の更新を行いました。
現在募集しているのは子7名です。
持ち物毎の上限は以下のとおりです。
水晶5
式札5
お守り3
スマートフォン4
皆様の投下をお待ちしております。
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投下します。
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「鬼ごっこだと?馬鹿馬鹿しい、そんなのやっていられるか。それになんだこれは、スマートフォン?」
プルツーは困惑していた。自分は先程グレミーに起こされてアーガマの討伐の任務を受けたばかりだと言うのに気付いたら、戦艦サンドラとは違う場所にいた。
そこは何故か空が赤く、あたりにビラが舞っていた。ビラには何やらルールが書いてあり、それによるとどうやら鬼ごっこらしきことが書かれていた。(ちなみにスマートフォンは近くに落ちていた)
(グレミーは…いない、私だけなのか?…いや違う!感じる…何者かの気配を…ダメだよくわからない、何かとても嫌なものが邪魔をしてる…!?人の憎悪とかそんなものじゃない…もっとそれ以上の気持ち悪くて怖い何か…本当にここはどこだ!?)
プルツーは感じていた、戦場に渦巻いてたものとは違う、この地獄の負のエネルギーを。プルツーはここはどこだかわからない、だが彼女のニュータイプの力がここはとても良くない所だと教えてくれる。
(どうやらこの鬼ごっこもただの遊びとは思わない方がいいな、とりあえず人を探そう。少なくとも近くに人がいる気配をするのは確かだ、危ない奴かどうかはまだわからないけど。)
この地に渦巻く負の力に挫けずにプルツーは歩き出す、敵か味方か判断のつかない、まだ見ぬ参加者を求めて。
「くっしゅん!!…あと服も欲しい。」
【???/深夜】
【プルツー@機動戦士ガンダムZZ】
[役]:子
[状態]:健康、全裸
[装備]:スマートフォン
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:生き残る
1:人を探す。
2:後服も探す
※自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※地獄の雰囲気にのまれて、ニュータイプの力が若干鈍っています。
※36話のコールドスリープから目覚めた後の参戦です。
人物紹介
プルツー
CV本多知恵子、2代目本多陽子
ネオ・ジオンにおいて養成されたクローンの一員で、グレミー率いるNT部隊の中核をなす存在。エルピー・プルの同器質体であり、他のプル・クローン体共々サンドラのコールドスリープルームにて眠りについていた。
サイコミュへの親和性はプルよりも高く、サイコガンダムMk-IIやキュベレイMk-II、クィン・マンサといった数々のNT専用機に搭乗、その性能を奮う。設定画では、プルよりも髪が若干長く目つきが鋭く描かれ、アニメーターがそのように作画するよう指示がされている。また、プルに比べて攻撃的で好戦的な性格となっている。しかし年相応の精神年齢だったプルと比べると、冷静沈着で非常に大人びた立ち居振る舞いをしており、軍人としての行動規範を逸脱する所は少なかった。ちなみにバストサイズはプルよりも上。
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投下終了します。
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投下します。
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「……えっ? な、なにここ?」
道を歩いていると、急に見知らぬところに迷い込んでいた。あたりは薄暗いような、薄明るいような。
空は赤い。夕暮れの色ではなく、雲もなく、火花が時々散る。漂う霧には、不気味な妖気を感じる。
スマホを起動するが、通じない。少女には、こうした雰囲気に覚えがある。
「まさか……妖怪、の、仕業?」
そこら中の壁には、「鬼ごっこ」のルールを知らせる謎の貼り紙。
飛行機が空からばらまいているのは、何かの紙と……あれは、パラシュートだろうか。
「鬼ごっこ。じゃ、じゃあ、私は子、ってこと? 鬼って、まさか、本物の……?」
背筋が凍る。まさか、ここは地獄なのだろうか。あの『見上げ入道』みたいな術を使う奴の仕業だろうか。
唇を噛む。冗談じゃない。私はまだ中学生だ。地獄へ落ちるような真似をした覚えはない。生きて帰らねば。
歯を噛みしめる。あの心強い妖怪たちは、今はいない。ひょっとしたら駆けつけてくれるかも知れないが……。
「……まず、仲間を探そう! 子や親の人を! 私の他にも、巻き込まれた人たちがいるはず!」
【???/00時04分】
【犬山まな@ゲゲゲの鬼太郎(6期)】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:スマホ(自分の)、支給品(未確認)
[思考・行動]
基本方針:生還する。
1:子や親と合流し、協力する。
2:鬼からは逃げる。
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。自分の役を子であると推測。
『人物解説』
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』第6期オリジナルキャラクター。中学1年生の少女。CV:藤井ゆきよ。
中1の女子としては背が高いためか「デカまな」と呼ばれている。胸も割とある方。
人一倍好奇心が強く、行動力があり、頭の回転が速く、心優しく勇気と正義感に溢れている。
気が強くて時々暴力を振るうが、健気で素直で人懐っこく、気に入った相手には犬のように懐く。
家はそれなりに裕福。スマホケースは大仏の顔。謎めいた「偶然力」を持ち、危機に臨んでは運が良い。
第4話終了後あたりから転移。
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投下終了です。
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投下します。
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「はぁ、参ったね。」
青年は絶望していた、いきなり謎のウサギに謎の島に連れてこられ、「らーぶらぶ修学旅行」という巫山戯た行事に参加されたかと思えば、また謎のクマが現れて「コロシアイ生活」に変更したかと思えば、急に目の前が真っ暗になり「鬼ごっこ」に参加させられて今に至る訳だ
「うーん、さっきから全然解けないし、本当に絶望だね。」
さらに運の悪いことに一通り説明された後にパラシュートで落とされて、不幸な事に偶然木にパラシュートが引っかかり、その際に紐やらが体に巻きつき身動きが出来ない状態である。
この極限下の中でのこの状況は絶対絶命であり、常人なら絶望の感情に支配されたであろう。
「あはっ。」
だが彼は絶望しなかった。
「あっははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!
…本当に絶望的だね?こんな事に巻き込まれただけじゃなく、こんな風になるなんて!?ああ…一体この次はどんな幸運が訪れるんだろう…それとも更なる不幸かな?ワクワクするね!」
彼は絶望するどころか高らかに笑い、次にやって来るであろう幸運と不幸に希望を持っていた。
希望と絶望、幸運と不幸にまみれた人生を歩んで来た彼にとって、この程度の状況は何の障害にならずにいた。
(他のみんなはどうしているのかな?まさか僕だけかな?まあどっちでもいいや。
希望へと逃げる子、希望を守る親、希望を捕まえる鬼、果たしてどっちが希望になるかな?さあ、この絶望を、そしてこの僕を踏み台にして、君達の希望を僕に見せておくれ!)
彼はこの絶望に溢れる世界で希望があることを信じている。
なぜなら、彼にとって絶望とは自分自身と同じただの踏み台に過ぎず、そして希望は全ての絶望を消し去る絶対的に良いものだから。
彼の名は狛枝凪斗。
超高校級の幸運の才能を持つ、希望の狂信者。
【H-7/深夜】
【狛枝凪斗@スーパーダンガンロンパ2】
[役]:親
[状態]:パラシュートに絡まれ身動き出来ない、健康
[装備]:パラシュート
[道具]:支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:希望の為の踏み台になる
1:どちらかの陣営が希望になり得るか見定める。
2:…誰か来ないかな?
※プロローグ終了時からの参戦。
※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
人物紹介
狛枝凪斗
CV緒方恵美
絶望的な状況下でも、仲間と希望の力を信じている、面倒見のある青年。
…なのだが、実は常に自分を卑下し、絶望を毛嫌い、希望の為なら自身や仲間をも踏み台にする危険人物。
狛枝の持つ超高校級の幸運の才能とは、望めばどんな幸運をも手にする事が出来る能力。ただし、その前後にその幸運に比例した不幸がやって来る。
逆に言えば、不幸が来ればそれに比例した幸運が来る、その為狛枝自身はこの才能をゴミといいつつも、絶対的信頼をしている。
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投下終了です。
代わりが無理なら却下でもいいです。
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投下します
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「鬼ごっこ!? ふざけんな!」
空から落ちてきたビラを見て、佐山流美は叫ぶ。
野崎春花を殺そうと病院で待ち構えていたはずが、気付けばこんな所に居た
何が何だか分からないが、とりあえずここはどこだと辺りを見回したら空からビラが降ってきた。
それを読んで佐山は怒っていた。
「私は、野崎を殺さなきゃいけないのに!!」
そうじゃなきゃ私が殺される、怯えか狂気か彼女は叫ぶ。
もしこんな叫びを他の誰かが聞いていれば、きっと彼女を危険人物だと思うだろうに。
彼女はそれに気付かない。もし自分の行いが周りに与える影響という物をちゃんと理解できれば、彼女はいじめられることも殺される恐怖におびえることも無かっただろう。
「それになんだよ、この水晶」
佐山はいつの間にかポケットに入っていた水晶と、それの説明書きを見る。
そこにはこう書いてある。
『生きている参加者一人を対象に選んで発動する。水晶越しに対象を見ると参加者の役がわかる。この時対象の役が『親』だった場合、対象は死亡する。使用後自壊する』
「何だよこれ……!」
鬼ごっこ、という言葉から想像も出来ないほど物騒な文字と、マンガかアニメみたいな絵空事が詰まった一文に佐山は困惑を隠せない。
だがこの現状は少なくともただ事ではないというのは理解できる。
それに
「私は、小黒妙子だって殺せたんだ! 野崎だろうと他の誰であろうと――」
佐山は己に自信を持とうとしている。
殺されるかもしれないという恐怖が彼女を狂気に追い込み、己の人生を狂わせたと称して彼女は自分が慕っていた相手を殺した。
そんな己なら、どんな相手であろうときっとこうできると思っている。
「殺される前に殺してやる」
人間は他人を犠牲にする。そうしないと自分が他人に犠牲にされるから。
だから私は他人を犠牲に生きてやる、クラスメイトであろうとも。見も知らぬ他人であろうとも。
だが彼女は知らない。
ここに居るのは、己の想像を遥かに超える程の狂気を持つ鬼が蔓延っている事を。
そして己の役が、ただ逃げ惑うだけの弱者である子という事を。
【???/00時05分】
【佐山流美@ミスミソウ】
[役]:子
[状態]:顔に傷、血は止まっている
[装備]:包丁
[道具]:『水晶』
[思考・行動]
基本方針:殺される前に殺してやる
1:自分がどの役か知りたい
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は第18話開始直後。
『人物紹介』
漫画『ミスミソウ』に登場するキャラで中学3年生。
普段は陰気でおとなしいが、逆上すると見境がなくなる性格。
自分勝手な面が強く、自分がいじめから逃れる為なら自分がいじめていた相手の家に放火する程。(ただし火や灯油を持って行ったものの、本当に火をつけるつもりはなく脅すだけの予定だった)
補足
・野崎
漫画『ミスミソウ』の主人公、野崎春花の事。
佐山は野崎をいじめており、その延長線上で彼女の家を放火し、彼女の両親は死亡、妹は重傷を負った。
その事実を野崎が知り、復讐として放火に関わった人物を次々殺していく。
佐山はその対象がいつ自分になるのかと怯え、ついに野崎に殺される前に自分が殺すと決意するのだった。
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投下終了です
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投下します。
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「勘吉……」
心細げに、自分が強く信頼する人物の名前を呼ぶ。
しかしその声に反応する者はだれもいない。
ここは一体どこなのだろうか。少なくとも東京でないことは確かだ。
自分は何か悪いことをしたのだろうか。そんなことも思ってしまう。
座り込み、思わず泣きたくなったが必死でこらえる。
こんなところで泣いていてはいけない。自分はお姉さんなのだから。
そう、自分に言い聞かせる。
先ほど手に取った紙切れにはこんなことが書かれている。
『ルール1:子供は、鬼から逃げなければならない。』
『ルール2:鬼は、子供を捕まえなければならない。』
『ルール3:きめられた範囲をこえて、逃げてはならない。』
『ルール4:時間いっぱい鬼から逃げ切れれば、子供の勝ちとなる。』
『ルール5:親は、子供を守らなければならない。』
この場に勘吉や纏がいるのかどうかはわからない。
しかし、自分がそうである以上、巻き込まれている可能性も否定できない。
もしかしたら蜜柑も……そんなことも考えてしまう。
おそらく自分の役は「子供」だろう。
だとしたら、彼らのような頼れる「親」と合流したい。
もし鬼と出会ってしまったら……恐怖を心から振り払う。
自分は家族や周りの人のため、そして生まれたばかりの妹のためにも生きて帰らねばならない。
そう、心に決めて檸檬は立ち上がった。
【???/00時02分】
【擬宝珠 檸檬@こちら葛飾区亀有公園前派出所】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]: 不明
[思考・行動]
基本方針:生きて帰る。
1:親と合流したい。
『人物解説』
漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の登場人物。4歳の幼稚園児だが
年齢の割にはかなり落ち着いて大人びており、大人顔負けの特殊技能も多々持っている。
特に味覚に関しては並ぶものがないほど。
両津によく懐いており、大切な家族であると思っている。
しっかりした考えを持つ反面、嘘はつけない性格である。
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投下終了します。
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皆様投下乙です。
>>241
プルツーは強化人間やってるからな。
>>244
巷で噂のキャラが参戦です。
よくよく考えたら日本の誇る妖怪ものなら未だ参戦していませんでしたね。
鬼太郎を背負って立つ彼女は果たしてこの鬼ごっこで活躍することができるのでしょうか。
>>247
レギュレーション違反スレスレのキャラですね。
定数オーバーの後の参加なので、実際に参加するかは本編で書かれるか次第ですが参加すればかき回す存在となるでしょう。
まあこの鬼ごっこにはそんな存在の方が明らかに多いので一周回って纏まるかもしれませんが。
>>250
映画化おめでとうございます。
しかし山田杏奈はなぜこの作品を初主演映画に選んだんでしょうか。
あと山田杏奈で12歳。を思い出しましたが今から参加させるのはきつそうだなって思いました。
私としてはミスミソウのイメージはそんな感じですが、果たしてこの鬼ごっこでも味方を背中から刺すような真似をするのか、なぜこんなにも裏切りそうな人間ばかりこの鬼ごっこには参加するのか、大変ワクワクしてきました。
>>253
まさかこち亀から参戦があるとは思いませんでした。
思いもよらないところから思いもよらないキャラが出てくるのがこの鬼ごっこですね。
そんな彼女はこの鬼ごっこでは希少な超常能力を持たない幼女です。
ホラーものではだいたい幼女は生き残る(スティーブン・キング作品を除く)ので彼女もきっと大丈夫でしょう。
ちなみに絶望鬼ごっこ原作では幼女は人質ポジションですね。
それでは私も投下します。
-
(なんや、これ……!頭の中で……蛇が、のたうつような……!)
名波翠はこの地獄に下り立った瞬間にそう困惑するとたまらず膝をついた。空気のように満ち満ちている負のエネルギーは、ただそこにあるだけで超能力者である彼女の超感覚に刺激を与える。まるで騒音や悪臭等の公害に直面した人間の如く険しくなった顔は、赤い空を見上げて驚きの混ざったものとなった。
(なんや、あの空。ウチの目が『視えとる』んか?)
自身のテレパス能力がなんらかの異常を感じ取って赤く空を見させているのかと疑う翠だが、確かめようもないので少しして空を見るのをやめる。代わりに視線は空から舞い落ちてくるビラへと移った。「なにかしら?」などと猫を被った標準語を使いながら手に取ったそれに書かれていたのは、この鬼ごっこのたいていの参加者が嫌でも一度は見る文章だ。
(鬼ごっこ?こんなどこかもわからん場所で?中学にもなって?あほくさ。何が鬼ごっこやこんなことのために人ようわからん場所に呼び出したんかほんまアホらしい――)
眉根を寄せつつ心中で散々悪態をつきながらも目は文章を何度も行き来する。江戸時代にタイムスリップしたこともある彼女は早くも自分が置かれている異常事態を異常事態と認識して行動していた。こんなことをしでかした犯人の目星をつけるためにも家に帰るためにも、手がかりになりそうなものはなんでも調べるに限る。面倒だが。
(ま、ウチが鬼かどうかは知らんけど、単純な鬼ごっこなら負けることはないな。もうちょい人選考えるんやったな。)
根拠があるか怪しい自信を持ちながら、翠はサイコメトリーでチラシから残留思念を読み取る。残念ながら希薄であるのと環境のせいで飛行機から撒かれたことしかわからなかったが、それだけでも一つの推理は立てられた。この鬼ごっこを強いている人間は、テレポーテーション能力と飛行機を飛ばすだけの財力がある!
(……これ別に超能力使わんでもふつうに推理できたな……)
口には出さないでツッコむと、チラシを捨てて歩き出す。思念の読み取りは人がいる場所のほうがやりやすい。ここがどこだか知らないがまずは建物にでも向かうのが吉だろう。
(蘭とも繋がらんしテレパシーしようとしたらノイズうっさいし、今回はちょっと大変そうやな。ほなまずは……)
「とりあえず、人を探さないと。」
優等生の美少女という外面をつくると翠は飛行機から落ちてくる人影に狙いをつけた。
【J-03/00時04分】
【名波翠@テレパシー少女蘭】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:不明支給品
[思考・行動]
基本方針:こんなアホなことをしでかした奴に一発焼き入れて帰る
1:人のいる、またはいた場所に行く。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……『テレパシー少女蘭』のヒロインで中学生。一通りの超能力がだいたい使える能力者で、個人的な心情から洗脳だけは控えているものの自分の体よりある程度軽い範囲であればオールレンジ攻撃のごとく物を念力で動かしたりトランシーバーが届く程度の距離ならテレパシーが使えたりと、能力の規模はそこまで大きくないものの多芸。関西出身で普段は猫を被り優等生キャラを演じている。なおこの十年テレパシー少女蘭シリーズは新刊が出ていない。あさのあつこ先生もうそろそろ書いても良いんじゃないですかね?
-
「またこの空か。」
ウンザリしたという感情がこもった声で空を見上げるのは黒髪の少年だった。ともすれば険の強いとも思われるであろう切れ長の目で、火花散る赤い空を見る。つい先程までの青い空とは対抗色のそれは誰がどう見ても異常事態であり。それ故少年は何が起こったかこの鬼ごっこの他の子達の中でもいち早く理解した。
(このチラシ、学校の時とほとんど一緒か。また鬼ごっこだろうな。)
雲と呼ぶにはあまりに禍々しい赤い何かが、水面に垂らしたインクのように野放図な陰影をつけている空。
初見ではなんのことかわからない、説明する気があるのかないのかわからないルール説明。
そしていきなり子供を拉致ってくる頭のおかしい発想とそれを可能にする力。
三つ揃えばこれが以前に自分が巻き込まれた、地獄の鬼達の鬼ごっこだろうと想像はついた。
(で、あれなんだ?)
一度経験があるため内心の驚きはともかく物陰にすぐ隠れながら考える。また鬼ごっこに巻き込まれたのはいい、いや良くないが、まあそれは置いておく。なんかポケットに違和感を感じて見てみたら珍妙な紙が入っていたのも、まあ鬼の仕業だろう。だが納得のいかないものがあった。
「なんで椅子ごとパラシュートで落としてるんだ……?」
自らの頭上を飛ぶ飛行機が親の仇の如く撒くチラシと一緒に落っことされてくる、椅子にくくりつけられた人影。そのシュールな光景に数秒真顔になる。あの鬼達が考えることはまるでわからないしわかりたいとも別に思わないが、物事には理由があるはずであるという考えからすると、頭の中にハテナマークが浮かばざるを得なかった。
(いや、常識的に考えればあれ親か鬼だろ。だったらとりあえず隠れられる場所を探すか。)
呆けていたのから立ち直ると素早く周囲を見渡す。幸い、少し坂を下ったところに建物があるようだ。鬼ごっこでは身体を休められる場所は重要である。秘密基地にできれば鬼に捕まる危険性は減らせるだろう……あの建物が罠という可能性もあるが。
(行こう。)
聞き耳を立て、足音を忍ばせながら歩き始める。また訳のわからないことに巻き込まれてしまったがこんなところで止まってはいられない。
自分には、帰る義務があるのだから。
【H-06/00時02分】
【金谷章吾@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『式札』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:絶対に生きて帰る
1:鬼に警戒。
2:自分以外の存在を捜索。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……当企画のパロディ元である『絶望鬼ごっこ』シリーズのキャラで小学六年生。二巻の『くらやみの地獄ショッピングモール』からの参戦。運動会ではリレーの選手に選ばれるなど運動神経は全体的に良い方で、勉強の方もトップクラス。クールな性格で一匹狼気質だが、なぜか子供には懐かれるタイプ。投下時現在、四人目のリピーターである。
-
『ルール1:子供は、鬼から逃げなければならない。』
顔をあげると、一番はじめに目に飛びこんできたのは、その一文だった。
黒板にでかでかと、書きなぐってあるのだ。
チョークを横にしたのか、太い文字で。
それを見て僕は、この前に参加したある大会を思い出していた。
小学六年生が、願いを叶えるために最後の一人になるまで争う、あの『ラストサバイバル』を。
僕の名前は桜井リク、体育より音楽とか図工とかのほうが好きな小学六年生。
そんな僕は今度、『ラストサバイバル』っていうも大会に出場するはずだった。
ラストサバイバルは、毎年50人の小学六年生を集めて、誰が一番になるのかを競う大会だ。
ラストサバイバルではなにをするかっていうのは毎年変わる。
この間僕が参加したのは、だれが一番長く歩けるかを競う『サバイバルウォーク』。
その前は、満点がとれなかったらその場で失格となる『サバイバルテスト』。
他にも『サバイバルスイム』とか『サバイバル縄とび』とかいろんなものがある。
そのなかで僕は、次回のラストサバイバルに参加しようとしていた。
ラストサバイバルで優勝すれば、なんでも願いごとを叶えてもらえる。
たとえば『お金がほしい』でもいいし、『アイドルになりたい』でもいいし、『世界中を旅したい』でもいい。
だから僕は、絶対にラストサバイバルにでて、優勝しなくちゃいけない。
お母さんを、交通事故で倒れたお母さんを助けるために。
だから、こんなところにはいられない。
「鬼ごっこのルールみたいだけど、あやふやだな……」
ラストサバイバルではルール説明はしっかりしている。
それにテレビ局のカメラが回っていたりもする。
誰もいない教室に突然一人だけ連れて来られるなんてことは、考えにくかった。
だから、少なくともこれはラストサバイバルではない。
僕は他に手がかりになるようなものはないか探そうと席から立った。
そのとき、ズボンのポッケ似なにか入っていることに気づいた。
手を入れて取り出すと、それはスマートフォンだった。
見たこともない機種で、画面を見ると「01:00から使用できます」と書いてある。
僕はスマホを持ってないし、たぶんこの鬼ごっこの主催者が持たせたんだろう。
なにが起きたのかはわからないけど、自分が鬼ごっこをさせられようとしていることはわかった。
だったら、鬼ごっこに負けることはまずいはずだ。
「鬼ごっこなら僕以外にも人がいるはずだ。」
とにかくやるしかない。
覚悟なんて全然決まってないけれど、僕は勝たなくちゃいけないって思った。
【G-07(分校)/00時08分】
【桜井リク@ラストサバイバル】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:不明支給品
[思考・行動]
基本方針:絶対に生きて帰る
1:ルールを理解する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……『ラストサバイバル』シリーズの主人公で小学六年生。二巻の『でてはいけないサバイバル教室』で母親が倒れた後からラストサバイバルに参加する間までからの参戦。家族思いの気弱な少年。特段得意なことはないが、一度限界を迎えたあとに誰かに立ち上がらせてもらうと精神が肉体を凌駕し勝利するか死ぬまで動き続けるようになる。
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風もないのに空を舞うチラシの一枚が、タイの顔へと落ちました。気を失ったかのように寝ていたタイの瞼がピクリと動き、その動きに合わせてチラシも動き、それに刺激されてまた瞼が動き、何回か繰り返しているうちに目が覚めます。目に被さるチラシ越しに赤い空を見上げて、タイは自分の右手を掲げました。掌の赤い目と目が合うと、心の中で一つ舌打ちをして立ち上がりました。
『ここは妖界なのか?それにしては町並みが人間界と変わらない。それともあのときぼくは死んだのか?ならここは地獄か。』
もしそのとき近くに誰かいたら、突然頭の中に聞こえた声に驚くでしょう。タイは口を開かずに、テレパシーのような方法で話すことができるのです。印を結ぶのも口を開かずにできるため、その術は止めることが難しく、そんなことができたのは今までで一人しかいませんでした。タイの姉であり、彼を殺した妖怪達を従えた妖界ナビゲーターである、ルナを除いては。
『どっちでもいい。飛行機が飛んでるのならここには誰かいるはずだ。そいつから情報を聞きだす。』
タイはそう決めると、その場から姿を消しました。人間の目では捉えれないスピードでジャンプし、近くの木のてっぺんに飛び乗ったのです。妖力のコントロールで周囲に衝撃波を出さないようにして、猫が飛び移ったぐらいの小さな音だけ立てて。そしてその動きで服の違和感に気がつきました。どうやらスマートフォンが服に挟まっているようですが、携帯電話しかない時代に生きているタイにはそれが何なのかわかりませんでした。
(これの使い方も調べる必要がある。)
ちょっとの間試してみて使えないとみると、タイは人を探しに再び超スピードで元いた場所から消えました。後にはわずかに揺れる一本の木だけが赤い空の下で枝葉を伸ばしているだけでした。
【E-04/00時03分】
【タイ@妖界ナビ・ルナ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:ペンダント@妖界ナビ・ルナ
[思考・行動]
基本方針:人間界を滅ぼす
1:情報を話させる。使えないなら殺す。
2:誰かと馴れ合うつもりは無い。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……『ナビルナ』シリーズの主人公である竜堂ルナの弟で、陰陽師の父と妖孤の母を持つ半妖。戸籍が無いと思われるが竜堂タイが本名である。享年十歳。五巻の『光と影の戦い』終盤でルナの仲間の妖怪であるスネリともっけに胸を貫かれ、ルナによって妖界へと送られたタイミングからの参戦。五巻までの出来事の黒幕的存在で、ルナを誘導することで悠久の玉の封印の解除の為の準備を進めさせ、そのためには時に陰ながら手を貸し時にルナと関わった人間に不幸をばら撒いた。右手の掌にある第三の目を開眼することで超動体視力と超運動能力を発動し、母ゆずりの莫大な妖力と父ゆずりの陰陽術を武器に戦う。性格は人間への憎悪で固まっており、明晰な頭脳を人間界を滅ぼす為に使っている。なお漫画版ではないので腕が取れたりはしていないが、小説版では後にどこかのソーディアンの如く穢土転生されてまた姉と戦うハメになってたりする。ちなみに服装はHOT LIMITを歌ってるときのT.M.Revolutionっぽい恰好である。
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四連続投下終了です。
これにて各役の定数が全て埋まりましたので、参加者名簿を発表したいと思います。
鬼 12名
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン/○Dr.ヘル/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/
○チャッキー/○アーチャー・インフェルノ(巴御前)/○ギーグ/○三日月・オーガス/○堕鬼(妓夫太郎)/○アルシア
親 24名
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○風見雄二/○キング/○リク・ドーラ/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○ウェカピポの妹の夫/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○江ノ島盾子/○花酒蕨/○村田幸雄/○小笠原祥太/○アリス・カータレット/○河島龍之介/○???/○???
子 36名
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○/○/○/○/
式札
○椎名翼/○白玉みかん/○竜宮レナ/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○/○/○/○/
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○跡部景吾/○円谷光彦/○ターニャ・デグレチャフ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○/○/
スマートフォン
○綾波レイ/○関織子/○豊穣礼佑/○吉永双葉/○プルツー/○/○/○/○
(未定) 君原姫乃、因幡月夜、雲雀恭弥(支給された道具は破棄)、織田敏憲、桐山和雄、グレーテル、間田敏和、胡桃沢=サタニキア=マクドウェル、かばん、たえちゃん、犬山まな、名波翠、桜井リク、???
※親二枠と子一枠は最初に本編を書かれたキャラが参加することとします。
※支給品が不明な子は最初に本編で書かれた支給品を所持していることとします。
本編開始はきり良く5月1日からにしたいと思います。
皆様の本編での投下を心よりお待ちしております。
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ついに名簿が完成しましたね。
何だか鬼も親も子も一癖も二癖もある面子が揃いどうなるか楽しみです。
ところで質問ですが、この企画は予約制なのでしょうか?
あともう一つ質問ですが、親二枠と子二枠は最初に本編が書かれたキャラが参加するとありますが、これは今まで出ていないキャラを参加条件の内で好きに出していいということでしょうか?
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ペニーワイズ、川尻早人、川尻しのぶ 予約します
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アニロワIFさん完結おめでとうございます。
多重クロスのリレー小説界を代表するアニロワの、新たなる第一歩が完結する瞬間を目にできてたいへん嬉しく感じると同時に、そのような界隈の末席にいられることを光栄に思います。
私も面白い話を書いて企画を完結させられるよう頑張っていかねばと身が引き締まる思いです。
というわけでこの企画の本編スタートです。
投下ルールの要点は以下の通りです。
●ssを投下する際は名前・トリップ・ルート・状態表を示す。(※現段階ではそもそも一つのルートしかないのでルートの表記は不要)
●リレーを行う際は全ての投下されたssから任意に選んでリレーを行える(ルート分岐制)。そのため投票・予約・並びにssの可否を判断する等のルールはない。
またこれより>>261の名簿を用いて行われるリレーをAルートと呼称します。
とりあえず私は完結までこのAルートのみを書こうと考えていますが、別にこれとは違ったルートのssを投下されても構いません。
そしてそのssが通るのか通らないのかも、リレーされるか否かによってのみ決まります。
なので誰かが投下した、または投下しようとしているところに被せに行くという蛮勇っぷりを示す行為も可能です(その場合は必然どちらかが別のルートとなります)。
あと親と子の書き手枠についてですが、それに関してはご自由にしてもらって構いません。
無難に登場話が投下されているキャラを出すもよし、そんなもの知るかと新しく登場話書いた後にそのキャラが出てくる本編を投下するもよしです。
リレーされれば参加者になるでしょうしされなかったら他の書き手枠のキャラが参加者になるかもしれません。
最低限のフィールドとルールとキャラは皆様のご協力で用意できました。
あとはこの実験場を私は好きに書いて楽しんでいくので、皆様も存分に自由に書いて楽しんでいただければ幸いです。
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言い忘れた上に予約ルールないんでわざわざていうことでもありませんがペニーワイズ・野原しんのすけ・ヘンゼル・桜井リク・オルガ・イツカを書きます
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>>265は忘れてください
エスター、野原しんのすけ、グレーテル、桜井リク、オルガ・イツカを書きます
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投下します
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川尻早人はとある一軒家で傷を手当てしていた。鍵は掛かっておらず、大体の代物は揃っていたので、救急箱を拝借させてもらった。
(不法侵入に当たるだろうが、この状況では仕方がない)
「ふぅ……これで良し。ちょっと深く切りすぎたかな」
傷口に絆創膏を貼り、一段落した作業を止め一息つく。
しっかりと消毒はしたが、パイツァ・ダストの効果を確かめるためとはいえ、不衛生な森の中で傷をつけるのはやや軽率だったかもしれない。
「それにしても……何か妙だ。この家もそうだけど、まるで『さっきまで人が住んでいた』みたいな感じがする……」
家の中には生活用品やその他のものがそっくりそのまま残されていた。この家の住人や町の人々は何処に行ったのだろうか。
もしもこの鬼ごっこのためだけに全員が退去させられたとしたら、想像よりも遥かに強大な何かが裏で動いているのかもしれない。
(ぼくが『子』と仮定して、不確定要素は『鬼』の存在と『親』の勝利条件……
でも、僕一人じゃどう足掻いてもこの状況をどうにかできるとは思えない。なら、当面は協力的な『親』か同じ『子』と合流して、情報を集める必要がある)
兎に角、人手も情報も何もかもが足りない。ならば行動あるのみと立ち上がりかけたとき、無人の筈の家屋から足音がした。
(なッ馬鹿な! 確かに此処には誰も居なかった筈 ……どうする? 『子』か『親』か? もし『鬼』なら……)
ちらり、と早人はランドセルを一別する。
もしも危険人物ならば、殺られる前に此方から殺る!その覚悟を決め、リビングの扉が開くのを待つ。
しかし、入ってきた人物を目にしたとき、早人は愕然とした。
「そ……そんな、何で……『ママ』!!」
来訪者は、早人の母親だった。
「早人……早人ッ!あぁ、あたしの愛しい息子……会いたかったわぁ」
駆け寄ってきたしのぶは、はたと息子を抱き締め、涙する。
その暖かい感触に緊張で凝り固まった早人の心は溶け堕ちる。
「うん、うん……ぼくもだよママ。でも、ママもこの鬼ごっこに参加してるなんて……」
「えぇ、お前はずっとあたしを守っていてくれたわよね。……でも、ね、遅いのよ」
「……え?」
血だ。早人のものではない。
「痛い、痛いよ痛いよおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!
こんな手じゃあなぁにんにもできないわぁ!!お前が守ってくれなかったから、悪い鬼に手を取られちゃったのッ!!!
悪い悪い殺人鬼に切り落とされちゃったのッ!!!!」
しのぶは早人を突き飛ばす。想像を絶するであろう苦痛で顔を歪め、"手首から先が無い"両手を振り回し、泣き叫ぶ。
「そ、そんな……まさかあの男に」
早人の脳裏に吉良の姿がよぎる。あの殺人鬼もこの鬼ごっこに参加していて、等々母を毒牙にかけたのかと。
しかし、それはおかしい。先程まで確かにしのぶは平常であった。
それが一瞬で血塗れになり、加えて両手が無くなるなんてあり得ない。まるで幻覚ではないか。
聡明な彼なら普通ならそう考え付く。しかし、眼前の母の姿は、早人の冷静さを意図も簡単に奪っていた。
(このままじゃあママが死んじゃう、止血しなきゃ、でも腕が無いんだぞ! そのままにしておけば不味い!でもどうすれば、あぁぁ)
母が死ぬ。自分が守れなかったから、あの男の欲望から救えなかったから。
体が震える、息が上がる、考えが纏まらない。
「ーー『恐怖』したな」
男の声だ。早人の動きが止まる。母を見る。彼女はそのまま見つめ返す。
彼女は笑っていた。
その顔が変貌する。滑らかな髪は茶髪に代わり、肌はペンキのように不自然に白く、鼻が赤く、換わっていく。
無くなっていた筈の両腕が膨れ上がり、早人を掴む。
しのぶの皮を被った鬼は、本性を表した。
そこにいるのは彼の母ではなく、ひとりの醜悪な道化師(ピエロ)であった。
彼はお茶目な仕草で呆然と立ち尽くす早人を見下ろすと、一言。
「やぁ、坊や」
-
「うッ、うわああああああッ!!!」
反射的に逃げ出そうとするが、逃がさないッ!とばかりにピエロは強い力で早人を引き寄せ、早人を覗き込む。
その瞳は透き通るような青で、どこまでも引きずり込まれそうなほど澄んでいた。
化粧で表情は読みにくいが、ピエロが心底喜んでいることが早人には分かった。
「おっ、お前は、誰だ!! ママはどうした!!」
「私はペニーワイズ……歌って踊る道化師さ!君のママはね、今はとっても愉しいところに要るよ。
そこは皆で浮かぶんだ。ふわふわ風船みたいに……君もそこに連れていってあげよう」
浮かぶ、浮かぶとはどういうことだ。もしや母もこの鬼ごっこに参加していて、このピエロに襲われて既に……
「そんな、ママが……嘘だ!お前の言うことなんて信じないぞ!」
早人の態度が気に入らないのか一瞬顔をかめるも、にやり、と不気味な笑みを浮かべる。
煽るように顔を近づけると、その口から赤い舌が早人の頬を味わうように舐め回す。
強烈な嫌悪感に背筋が凍る。その反応はペニーワイズを喜ばせた。
「ふむ、これは嘘つきの味だ。知っているかい?こうして汗を舐めるとそいつが嘘をついているかどうかはすぐ分かるんだそうだ。
しかし旨い、君は旨いなぁ! 美味しい美味しい恐怖の味!!新鮮な子どもの魂を感じる!!」
堪能したとばかりに舐めるのをやめると、ペニーワイズは大口を開ける。
めぎり、と口が裂ける。鋭い牙がずらりと並ぶ咥内が笑顔の中から飛び出してくる。まるで口というより穴だ。底が見えない獲物を貪るための補食機構だ。
あまりにも非現実的な光景に、"ああ、これで噛みつかれたら痛いだろうなぁ"なんて感想が思い浮かんだ。
そして、事実このペニーワイズはその口で早人を喰い殺すつもりなのだろう。
「……ねない」
「は?」
「ボクは!ボクは!!ママを助けるまで絶対に死ぬわけにはいかないんだッッ!!!」
「……」
ペニーワイズの動きが止まる。
母を守る。その決意と濃厚な死の気配が、逆に早人の聡明さを取り戻させた。
元より、あの殺人鬼を殺すと決意を固めたときから、"自分が殺されるかもしれない"なんて事はとっくに分かっていた。
絶望に屈しない早人の意思は、まさに『黄金の精神』というべきものであった。
いや、根底にあるものが殺意とするなら、『漆黒の意思』にも通じているのかもしれない。
そしてその人間の魂の輝きは、恐怖を糧とするペニーワイズにとって水と油に等しい。
出端を挫かれ、今まさに食いつかんとしていた口が引っ込む。
人間に近い表情に戻ったペニーワイズは、その白塗りの顔を怒りで染めた。
「無駄だ。全くの無意味だ。このゲームは憐れで矮小な人間の、それも子どもがどうにかできる場ではない。
私たち鬼が狩りを楽しみ、お前たち人間はその糧として貪られるための贄なのだ!! 思い上がるんじゃないぞ!!」
何を愚かなことを、とばかりに早人を嘲笑う。しかしその言葉の節々には僅かな苛立ちが含まれていた。
事実、早人は非力である。
こうして人外に押さえつけられ、スタンドも持たない身ではロクな抵抗すらできない。
矮小な人間、それも子供に何ができる?そう事実を突きつけ、早人の心を折ろうとする。
しかし彼は思い違いをしている。それは単純だが大きな間違い、と言ってもいい。
早人は『非力』ではあるが、『無力』では無いのだ。
こうして鬼として参加させられているのは、ひとえに彼が見下していた人間の意思に敗北した為である。
確かに早人は弱いだろう。しかし、彼は絶望に立ち向かい成長できる人間だ。
それは人間のみがもつ可能性なのだ。
人間には、単なる化け物の持ち得ない強さが確かにあるということを、地獄に落ちてもなおIT(それ)は理解していなかった。
だからこそ、次の展開はペニーワイズには予想すら出来ないものだった。
「早人ッッ!!!!」
リビングに女の声が響き渡る。悲鳴一歩手前の、切迫した声が。
"信じられないものを聞いた"
まさにそんな、あり得ないと言いたげな顔で振りむいた道化は、来訪者と対峙する。
そこに居たのは、先程まで彼が化けていた女が、居た。
-
詳細は解らずとも、直感で察したらしい。
川尻しのぶは息子を捉えた鬼を、怯えながらも睨み付けた。
何故ここでしのぶが出てくるのか。
此ればかりは幸運の女神が早人に微笑んだとか、運命が味方したとしか言えない。
直感で息子の影を探し回っていたしのぶは、早人いる家の前を偶然通りかかり、早人の悲鳴を聞き付けた。そして家に入ってきた。過程はただのそれだけだ。
まさか、本物がこのゲームに参加しているとは予想もしていなかった。
予想外の事態に、ペニーワイズは早人を押さえる力が緩まる。
その時点で、彼の命運は決まった。
「ママ伏せて!!!」
早人は拘束から抜け出すと、側に置いてあったランドセルをひっ掴み、開けた。
切羽詰まった叫び。何をする気かと考える間もなく、ペニーワイズの頭が、風船のように弾けとんだ。
ランドセルの中身は『猫草』。
その奇妙な植物は、突然の光に驚き本能的に空気弾を射出した。
それは狙い通り、ペニーワイズに直撃したという訳である。
場は沈黙する。
原型は残っているが、空気弾の直撃で頭の半分が消し飛んでいた。
傷口からは、脳や血液のようなものは一切流れず、代わりに煙のような黒い何かが溶け出している。その中は空洞だった。
虚ろな呻きが口から溢れ落ちる。化け物でも痛みは感じているらしい。
ーーまだ生きている!
追撃のために猫草を使おうとするも、それは出来なかった。
「フシャァァァァーーー!!!」
ランドセルのなかの猫草が、しのぶを目にして暴れ始めたのだ。
「は、早人……その草、庭にあった…… 何で貴方が持っているのッ!?」
詳しい事情は知らないが、猫草は母を嫌っているらしい。
このままだと母を撃ちかねないと、慌ててランドセルの蓋を閉じる。
その隙は、鬼にとって好機であった。
「ひふふふ……ぎゃはは、ぎゃははははは!!!! HA
HA HA HA HA HA HA HA HA!!!!!!」
道化の殻が軋む。
人間に近かった顔が蕩けるように歪み、猛獣のような何かに変貌する。
あまりに異様な姿に早人の動きが止まる。
その隙を狙ったのか、愉快な道化の形をかなぐり捨て襲いかかる。
早人ではなく、後ろのしのぶを。
「えっ?」
鋭い爪が、しのぶの腹を切り裂く。皮膚が裂け血が床を染める。悲鳴とともに床に倒れるしのぶを突き飛ばし、ペニーワイズはふらふらとした足取りで逃走する。
「ママ!!!」
傷は……そこまで深くない。ただショックだったのか気絶していた。
最悪の事態には至っていないと知り緊張が緩むも、次に沸いてくるのは怒りである。
「……許さないッ!!」
奴を放っておけば他の子を襲うのは火を見るより明らかだ。
何よりも早人が許せなかったのは、奴が母の姿で自分を弄んだことだ。
奴は自分と、母を侮辱した!
とあるギャング曰く、侮辱とは死をもって償わせても神は御許しになるという。相手が人間ですらない化け物なら尚更だ。
しのぶを寝かせると、ランドセルをひっ掴み、リビングを飛び出す。
あの傷ならそう遠くには行けない筈、今度は確実に止めを刺す!
視界の端にペニーワイズの姿を捉える。何故か奴は玄関ではなく家の奥に逃走していた。
行き先は……風呂場!
しめたッ!!と早人は思った。先程まで救急箱を探すために大体の場所を漁っていたが、彼処から外に通じる窓や出口はない。
その確信は予想外にも裏切られた。
「そんな……ここは密室の筈!あいつはどこに行ったんだッ!?」
風呂場に飛び込むと、そこにはペニーワイズの影も形もない。
あり得ない。一体どういうことなのか理解不能理解不能!!
窓もない狭い風呂場で外に通じている場所は……いや、ひとつだけある!
小学生とは思えない驚異的な理解力により、早人はある仮説を導きだした。
覗き込むものは風呂場のーー湯船!
「ま……まさか……排水溝から逃げたのかッ!?こんな小さな穴に潜って!!」
(あのピエロはママの姿に変身した……体を柔らかくなり小さくなるなりして逃げることも可能なのかもしれない!)
排水溝の蓋は空いている。風呂にはいるつもりなんて毛頭なかったから、さっき見に来たときは確認すらしていなかった。
覗き込むも底は見えない。例え此処から逃げたとしても、追うことは不可能だ。
ならば深追いをしている暇はない。当面は母の手当てと、現状の把握が最善。そう判断し、早人は風呂場を後にした。
-
【E-07/00時50分】
【川尻早人@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:子
[状態]:健康、右手に切り(治療済み)、ペニーワイズへの怒り
[装備]:『水晶』、ランドセル
[道具]:猫草@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない、救急箱
[思考・行動]
基本方針:母を守り、帰還する
1:ペニーワイズ、鬼に警戒。
2:親か子と合流する
※その他
※各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。
※自分の役を子であると推測しています
※ペニーワイズの『変身する能力』を認識しましたが、詳細は把握していません
【???/00時50分】
【川尻しのぶ@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:親
[状態]:ダメージ(小)、気絶中
[装備]:ー
[道具]:デイパック(不明支給品3)
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
1:早人……
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握
湯船の底、排水パイプの先のそのまた先、沖木島の下水の底にペニーワイズは居た。
彼は憤っていた。
食事にありつけず、逆に敗走する始末。これでは嘗ての焼き直しではないか。
何故だ、何故喰えなかった?
最初は上手く行っていた。あの獲物の『最も恐怖するもの』に擬態した筈なのに……
あぁ、傷が痛む。
スタンドによる攻撃は銃撃よりも遥かに深いダメージをITに与えていた。
外見などはすぐに修復できるが、殻の裏の本質はそう簡単には直せない。
必要なのは、餌だ。恐怖させ、食らえば、力も戻るし傷も直る。
今回は運が悪かっただけだ。あのハヤトとかいう餓鬼がたまたま強かっただけ。まだやりようは幾らでもある。
強い輝きを秘めた早人のあの眼、恐怖に立ち向かう輝きのある眼は、最も忌々しい子供たちと重なる。
微かに生じた恐怖を否定するかのように頭をふると、鬼は新たな"喰いやすそうな"獲物を求めて移動を始めた。
【下水道/深夜】
【ペニーワイズ@IT/イット “それ”が 見えたら、終わり。】
[役]:鬼
[状態]:ダメージ(中)、ペニーワイズの姿で行動中、川尻早人への怒りと恐怖
[装備]:ー
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:恐怖させ、喰らう
1:手頃な相手は幻術で追い詰める
2:もっと喰いやすそうな獲物を狙う
※下水道で繋がっている場所なら何処からでも出現できます
※川尻早人の最も恐怖するもの(川尻しのぶの死)を把握しました
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投下終了です。
正直、>>1氏の最初の予約面子が気になったので少し後悔しました。
あと立地とか描写的に不自然な部分が目立つので駄目だったら破棄でも大丈夫です
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投下乙です。
私としては「あっぶねー変えといて良かった」というのが本音です。
一発目から上がったハードルに負けないよう私も頑張りたく思います。
それと立地とかはそのうちリレーで決まったりするでしょうしそもそも原則破棄が無いこの企画では心配することもないと思います。
-
投下乙です。いよいよ開始ですね。
>>261 の名簿についていくつか。
雲雀恭弥は式札を配られていますがポイ捨てしたようです(>>110)。拾うことは可能でしょうか。
竜宮レナは式札ではなくお守りを持っています(>>155)。変えてもいいですが。
間田敏和は高校3年生(>>214)なので16歳以上(子ではない)だと思いますが…まあいいか。
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禁止エリアでは各原作の鬼が襲ってくるという事は
勇次郎やアーカードが湧いてくるという事でしょうか?
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そいつらが出てきたら参加者どころか主催側の鬼達もやべーよww
後、名簿にスマートフォンにタイがいないけどやっぱレギュレーション違反扱いだから?
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>>274
雲雀恭弥の支給品の式札は回収可能です。
同様に参加者が捨てた・落としたものは回収可能です。
竜宮レナの支給品が式札というのは誤記でした。
正しくはお守りですので、訂正します。
間田敏和は外見から高3だということを失念していました。
まだ本編の投下が無いため彼が本編に登場するかは書き手枠に委ねることとします。
>>275
死んで地獄にいれば彼らももしかしたら出たかもしれません。
>>276
地獄の労働環境はブラックを通り越してヘルです。
特に鬼の牢獄に残されたのは戦闘力の低い鬼と鬼になりたての元人間です。
タイに関してはレギュレーション違反もありますがクラス定数オーバー後の投下ということもあります。
扱いとしてはげんげんの登場話と同様です。
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名簿が更新されました。
これより>>261に変わりまして下記の名簿を参照願います。
鬼 12名
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン/○Dr.ヘル/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/
○チャッキー/○アーチャー・インフェルノ(巴御前)/○ギーグ/○三日月・オーガス/○堕鬼(妓夫太郎)/○アルシア
親 24名
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○風見雄二/○キング/○リク・ドーラ/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○ウェカピポの妹の夫/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○江ノ島盾子/○花酒蕨/○村田幸雄/○小笠原祥太/○アリス・カータレット/○河島龍之介/○???/○???
子 36名
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○白玉みかん/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○跡部景吾/○円谷光彦/○ターニャ・デグレチャフ/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○
スマートフォン
○綾波レイ/○関織子/○豊穣礼佑/○吉永双葉/○プルツー/○/○/○/○
(未定) 君原姫乃、因幡月夜、織田敏憲、桐山和雄、グレーテル、胡桃沢=サタニキア=マクドウェル、かばん、たえちゃん、犬山まな、名波翠、桜井リク、???、???
※親二枠と子二枠の???となっている枠は、最初に本編を書かれたキャラが参加することとします。
※支給品が不明な子は最初に本編で書かれた支給品を所持していることとします。
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では投下します。
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まるでペットかぬいぐるみでも撫でているかのような優しい手つきで、BARにグレーテルは触れていた。
重さ10キロを超すそれは少女然とした格好の彼女にはまるで不釣り合いな代物であるが、これこそが彼女好みの一品である。壁やテーブルに隠れようと盾ごと撃ち抜けるそれは、この鬼ごっこにおいても彼女の手の中で暴れられる機会を待っているかのように、少女の人形のような手にその巨体をしっくりと収めている。その彼のせいでしまわれている袋の奥底にある鬼からの支給品にグレーテルは未だ気づいていないのだが、そんなことは彼の知ったことではなかった。
「えい!」
そしてそんな彼のケツはグレーテルによって容赦なく窓ガラスにぶつけられることとなった。
ともすれば廃材で作ったのではないかと疑うほどにボロい掘っ立て小屋はそれだけでグレーテルの侵入を許し、内部のガラクタを100%OFFでバーゲンする。工具などの『オモチャ』とそれを運ぶための段ボールやビニール袋を手に入れたグレーテルは、出入り口付近に目当てのもの見つけニンマリと笑った。
数分後、グレーテルは一台の軽トラを運転していた。日本で軽トラといえば誰でも思い浮かべるであろう後部が荷台となっている白いそれは、彼女が先程物色した、民家に併設された神社の社務所近くで見つけたものである(残念なことに家主が持つものらしき乗用車の鍵は見つからなかった)。ろくに道が整備されていないこの島では車で強引にじゃり道あぜ道を往くのは間違いとは言い切れないのだが、別に彼女はそんなことを考えで盗んだ車で走り出したわけではない。至極単純に足でこの島を動くよりは落ちてたものを拾って使った方が良いという判断である。どうやら自分がいる神社は集落とは山を挟んで反対らしいという事実は、とにもかくにも人との接触を目論む彼女には不都合であった。
鼻歌交じりにグレーテルは砂利道を走らせる。町にいけば鬼ごっこを望む者、望まない者、情報を求める者、様々な人間が集まっているだろう。無論車など使えばこちらの位置を教えるようなものだが、彼女達双子は頭は回るのに狙撃され放題の場所にのこのこ出てきたりすることもあるためそのあたりのリスクはほぼ無視している。もっとも、たとえ位置を知られてもその頃には場所を移動しているという計算や立ちはだかる人間がいても撥ねてしまえばいいという発想があるのだが。
「ふふっ。みーつけた。」
そしてその無鉄砲さはこの場ではうまく行ったようだ。ハンドルを握る彼女の目に、少女と男児が映った。グレーテルはアクセルとブレーキ、どちらを踏むか考えて――
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「おら野原しんのすけ5才!こっちはエスターちゃん。」
「しんのすけとエスターね、よろしく。」
「……よろしく。それで、貴女の名前は?」
「……グレーテル、かしら。」
「ほうほう、やっぱり外人さんですか。春日部も国際色豊かになりましたな。」
ハツラツとしたアジア系の少年と大人びたスラブ系と思われる少女に、グレーテルは車を停めて声をかけることとした。せっかく見つけた人間だ、殺すのは色々と聞き出してからにしたい。それになにより――一発で轢き殺してしまってはつまらない。前菜であっても味わっていただくのがマナーであるとグレーテルは心得ていた。
適当に昔主演した作品の役名を名乗りながら、グレーテルは目ざとく二人を改める。半袖短パンの少年の方はともかく、ドレスの少女の方はどこに武器を持っているのかわかったものではない。名乗ったときの殺気の篭った目と合わせて、彼女からは『こちら側』の臭いがした。目を合わせれば睨んでくる彼女に微笑み返すグレーテルの視界に、いがぐり頭がわりこんでグレーテルは視線を下げた。
「エスターちゃんもグレーテルちゃんも日本語スゴく上手だぞ。ネガティブってやつ?」
「それを言うならネイティブだと思うわ。」
「そうとも言う��。」
グレーテルはしんのすけに答えながらも疑問に思った。自分は今まで母国語であるルーマニア語で話している。話してみたら通じたためしんのすけもエスターもルーマニア語が話せるもと思っていたのだが……
「しんのすけがルーマニア語が上手いだけよ。それより、私達は人を探してるの。気がついたらここで迷子になってて、あの寺院に向かおうとしていたんだけれど……」
一方のエスターも同様にしんのすけには疑問を持っていた。デイパックから青酸カリの入った小瓶とパン屋と思われる紙袋を取り出したあと、中に切断された手首が入っていた紙袋は速攻で付近に隠し、小瓶のみを隠し持って島を徘徊すること小一時間、ようやくに見つけたしんのすけとはコミュニケーションがとれるのに会話は成り立っていなかった。そして自分もグレーテルなる少女もルーマニア語を話しているはずなのだが、なぜかしんのすけは日本語を話していると思いこんでいるようだ。とはいえ彼女にとってそんなことはどうでも良くまずは人のいる場所に向かうことが大事なのであるが。
その後も簡単に情報交換を続けるものの、嘘とはぐらかしと適当な言葉の応酬では三人の相互認識が深まることもなく、全員が全員とも少し前から見たこともない島に来ていることぐらいしか情報の共有がならなかった。
少しして、三人を乗せた車は未舗装の道路を南下していた。会話のオチとしては全員で人のいそうな島の南東の集落を目指すことになったのだ。この提案をしたのはしんのすけであったが、少女達は特段の反対も表明せずに車に乗っている。グレーテルからしてもエスターからしても、しんのすけという便利な弾除けを相手の手中にむざむざ渡したくないというのが本音である。特にしんのすけを自分の装備品として認識しているエスターは尚更である。自分の勝利条件を考えても幼子を守る良い子ちゃんを演じることを考えても彼という資産を手放す道はなかった。
「ふーん、しんのすけは妹がいるのね。」
「うん。妹のひまわりと、あとシロも。」
車が舗装道路に差し掛かり南下をやめ東進を始めるのにさほど時間はかからない。もとより狭い島だ。神社までの道はそれなりに人通りが多いこともあって、それほど乗り心地に気を配られているわけでもない軽トラでも不快感は無い。それもあってかしんのすけはエスターの膝の上でいつも通りに話す。
「グレーテルちゃんは?」
「私?兄様がいるわ。」
「兄様?お兄さんがいるの?」
「そう。もしかしたらこの島にいるかも。」
「兄妹揃って迷子とは大変ですな。」
「しんのすけだって迷子でしょ。」
「んもぉ��、エスターちゃんそれは言わないお・や・く・そ・く。」
「なにそれ……」
「アハハっ!あなたたち面白いわ。」
「いやぁ��それほどでも��。」
「褒められてないから。」
気に入った、この男の子は殺すのは最後にしよう。デザートととしてなかなかの素材だ。だがこのままでは足りない。もう一手間が、ほしい。
(この子が死んだら、しんのすけはどんな顔をするのかしら。)
グレーテルはその時のことを考えて楽しそうにエスターを見て。
「僕は……あ、えっと、古畑、です……」
その三人の耳に放送が聞こえてきた。
-
「もしかして、学校で鬼ごっこをするんじゃないのか……?」
その頃学校では、桜井リクが小一時間ほど捜索するもなんの手掛かりもなかったために二階の理科室で頭を悩ませていた。てっきり学校を舞台に命懸けの戦いがあるんじゃないかなどと警戒したのだが、どうやら違ったようだ。けっこう、いやかなり恥ずかしい。常識的に考えれば小学校を舞台に命懸けの鬼ごっこをしたり最後の一人になるまで願いを叶えるために戦ったりしないことに今更ながらに気がついた。
さて、となると今リクの手の中にあるもの――拡声器――の持つ意味が変わってくる。学校を探す中でいくつか見つけたもののうち職員室にあるものを書き置きを残して拝借してきたのだが、これで人を呼ぶことは可能ではないだろうか。
もちろんリスクがあることはわかっている。何か良くないものを呼び寄せてしまう可能性もあるが、それ以上に一人であることへのプレッシャーが大きい。そして自分と同じように感じている子がいるかもしれない。そのことは彼に拡声器を使わせることを考えさせるには十分なものであった。
「よし、やろう……!」
自分にとってこれは武器だ。リクは一つ大きく息を吸うと第一声を――
「あ、あー。マイクのテスト中……」
「だめかぁ繋がらない……」
一方その頃、今泉慎太郎は交番で本日何十度目かわからないがまた一回頭を抱えていた。
おっかなびっくり周囲を見渡し一つの道路を渡るのに何分もかけてようやく辿り着いたこの交番。彼にとって救いへのゴール地点に思えたそこは、当然ながら無人であった。もちろん電話も繋がらず、目立つ建物であるため迂闊に出ていくこともできない。そんなこんなで交番で足止めを食らっていたのである。
「いったい僕が何したっていうんだよ……しかもこれって……」
ため息をつきながらデイパックを引っ張る。口の空いたそこからは、彼の唯一の支給品である拡声器が顔を覗かせていた。この鬼ごっこ、親は二つの支給品を支給されるはずが、彼はこれ一つである。実は彼が警察手帳を不携帯であったために鬼がランダム支給品としてデイパックに詰めたらそれがたまたま本人に当たったというどうでもいいラッキーがあったのだが、それを計算に入れてもマイナスな引き運だ。もちろん彼としてはそれを使う気はない。こんなものを使えば鬼を呼び寄せるのは目に見えているからだ。しかし――
「あ、あー。マイクのテスト中……」
「わ!子供の声?」
項垂れる彼の元に一つの声が聞こえてきた。それはまるで彼が今目にしている拡声器を使ったかのような、ノイズ交じりの声である。喋っているのは小学生から中学生ほどの男子または女子だろう。
状況を考えれば、声の主が何を考えているかは一発でわかった。人を呼ぼうとしている。リスクも省みずに助けを求めようとしているのだ。
今泉の視線が拡声器と学校を往復する。学校までの距離はそれほどでもない。全速力で走れば一分……は無理にしてもけっこうすぐ着くだろう。それに今自分は交番にいて自分の手元には相手と同じように拡声器がある。これは何かの縁なのではないか?
「僕は……あ、えっと、古畑、です……」
迷いながらも気づけば今泉は拡声器を使っていた。しかし自分の名前を言うのは怖かったので上司の名前を名乗っておいた。最高であると同時に最低である。
こうして島の中央部で拡声器による会話が始まろうとしていた。
当事者の小学生と刑事、そしてそれを聞きつけた少女のような何か二つに嵐を呼ぶ五歳児。
このことを知るのはもっと増えるかもしれないし増えないかもしれない。
しかしとにかく午前1時、エリアを跨いで一つの鬼ごっこがスタートした。
-
【チーム見た目は子供】
【G-06南西端/01時00分】
【グレーテル@BLACK LAGOON】
[役]:子
[状態]軽トラを運転中
[装備]:BAR
[道具]:不明(社務所で狭軌として使えそうなものを中心に回収)
[思考・行動]
基本方針:皆殺し
1:みんなで町に行く。
※その他��自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握
【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:ネネちゃん家に行く。
1:みんなで町に行く。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【エスター@エスター】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:ハンマー、青酸カリ@バトルロワイアル
[道具]
[思考・行動]
基本方針:子のふりをして立ち回る。
1:子として親の庇護を受けつつ、参加者の情報を集める。
2:制限時間が近づいたら、親を減らす。
*その他
自分の役、各役の勝利条件、制限時間を把握。
【G-07(分校)/01時00分】
【桜井リク@ラストサバイバル】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:拡声器
[道具]:不明支給品
[思考・行動]
基本方針:絶対に生きて帰る
1:拡声器の声に応える
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【G-08(交番)/01時00分】
【今泉慎太郎@古畑任三郎】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:警察手帳、拡声器@バトルロワイアル
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:可能な限り参加者を生還させる。
1:子を守る。まずは拡声器で会話を試みる。
2:親を探す。
3:鬼には出くわしたくない。
*その他
自分の役、各役の勝利条件・制限時間を把握。
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投下終了です。
全ガンダム大投票が近いのでオルガで書こうと思いましたが想像以上に書きづらかったんでオルガの代わりに今泉くんに出てもらうこととしました。
あとあの役者さんの名前が西村雅彦って今知りました。
たぶんこの企画がなければ一生知らなかったので投下してもらってありがとうございます。
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投下します。
-
死体を発見した。……蛙のだ。踏み潰され、干からびている。
壁を背にし、周囲に注意を払いつつ、無人の街を進む。地獄と言われても信じられそうな、この異常な状況。
標識などによれば、ここは『平瀬村』というらしい。聞いたことはないが、日本のどこか、なのか。それを模して再現したか。
廃村でもなさそうだが、人の気配は……感じられない。疫病とかなら死人がいるはずだが、それもない。
「ドーモ」
通りの向こう、店の中から低い声。敵意はないが、ドスのきいた男性の声だ。
挨拶をしてきたということは、鬼ではないのか。あるいは余裕か、こちらを油断させるためか。
店から出て来たのは……ダークスーツ、サングラス、角刈りのごつい男。どう見てもヤクザだ。顔色は悪く無表情、某州知事を思わせる顔つき。
武器は持っていないが、武装していておかしくない。自分にこんな機関銃を持たせるような連中だ。
子ではなかろうが、鬼や、危険な親である可能性もある。慎重に距離を取り、こちらも挨拶を返す。
「……どうも。……すみませんが、先にあなたの役と、お名前を、お願いするであります」
◆
街中を探索し、ようやく人に出会えた。胸部の豊満な成人女性、であろう。子か、親か。あるいは鬼か。
サイバーサングラスで観察する。比較的鍛えられた筋肉。機関銃で武装重点。眉根を寄せ、緊張ゆえか汗をかいているが、呼吸は激しくはない。
多少は荒事に慣れたアトモスフィアから、ニュービー・バトルオイランの類か。こちらは一人で武装は貧弱、刺激してはまずい。
「ドーモ」
距離を取り、アイサツする。油断なく、チャカ・ガンはいつでも抜けるように。
相手はやや困惑したようだったが、こちらに殺気がないと分かると、距離を保ったままアイサツを返した。
「……どうも。……すみませんが、先にあなたの役と、お名前を、お願いするであります」
-
役と、名前。こちらを攻撃する気がないということは、ほぼ確実に鬼ではない。
親か。子なら保護重点だが、親であってもうら若き女性、保護対象とすべきか。あるいは武装を交換するか。
ネオサイタマの治安が悪いストリートであんな女性が歩いていれば、多少武装していても確実にファック&サヨナラだ。
護衛任務のテストなら、自分や彼女に発信機が仕掛けられていて、モニタリングしているかも知れない。
とすれば、こうした女性は保護すべきだ。特に殺害命令も出ていない。
「ドーモ。私の役は『親』です。名前は……」
と、気づく。自分には『名前』がまだ設定されていない。まさか『自分はクローンヤクザY-12型です』と名乗るわけにもいかない。
我々の存在は闇社会ですら広まり始めたばかりで、一般市民には知られていないし、知られてはならない。
不注意な機密漏洩はヨロシサンの株価に影響する、と研修された。それは絶対に避けねばならない。
個体識別番号自体は、首筋にバーコード化して刻印されている。自分の番号はY-12の○○○○○○○だ。当然、これも明かせない。
闇社会とはいえ社会に出て活動する以上、一般市民から名前を聞かれたら名乗らねば、シツレイだし不自然だ。ゆえに雇い主が適当に名前を割り振る事もある。
例えばモリタ・イチロー、ジロ、サブロ……ジュウニロ、といったように。ダース単位やグロス単位で取引されるため、名字があればいい。
だが生憎、今の雇い主からは何も名前が与えられていない。名刺も持っていない。
自分で自分に名前をつけるほどの自主性や機転は、クローンヤクザにはない。仮であっても、『名付け』は自我を与えるほどの重大事。どうすべきか。
「……名前は、ありません。……仮に『Y-12』と呼んで下さい」
これでいい。嘘はついていない。こう名乗るしかない。
この場に他のクローンヤクザがいれば、互いの型番や識別番号で名乗りあえばいい。しかし相手は一般市民だ。
クローンヤクザであること、ヨロシサンの製品であること、今の雇い主のことは隠した。クローンヤクザにしてはなんたる機転であろう。
◆
-
「わ……ワイジューニ、殿?」
鬼ではない、子でもない。敵ではない。油断はならないが。しかし『Y-12』とは。名前がないとは、コードネームか。
明らかにカタギの存在ではないから、暗殺者とかそういう人なのかも知れない。仲間になってくれれば頼もしそうではある。
「……ええと……じ、自分は『親』の役で、名前は『大和亜季』であります。よろしく!」
ひとまず、自分の役と名前を小声で答える。互いに敵意はないが、いつ何時誰と殺し合いになるかわからない。味方が多くて悪いことはなかろう。
機関銃を提げ、右手を挙げてゆっくり近づく。あちらも同じように近づく。道の真ん中で互いの掌をあわせ、敵意がないことを改めて確認する。
「ドーモ、ヤマト・アキ=サン」
Y-12殿が改めてお辞儀した。礼儀正しい人物のようだ。こちらもお辞儀を返す。
「ど、どうも。Y-12殿」
◆
無人の民家に身を潜め、休息を取り、互いに情報を交換する。互いの支給品、デイパックの中身も確認した。
電気は来ていないが、飲食物や医療品等はある。つい先程まで人間が生活していたかのように。少し回収し、持っておく。
「た……助かりました。突然何者かに拉致されて、こんな妙な場所に落下傘で投下され、銃火器を配布されるなど……。
これは、犯罪ではないでありますか? わ、Y-12殿は、どうお考えですか?」
クローンヤクザ以外の人間をも親としてバラ撒くとは、ヨロシサンはいつもどおりだ。
とは言え、彼女にヨロシサンの名をバラすわけには当然いかない。
「ワカリマセン。……何者かが、我々を試している可能性があります。ヤマト=サン」
法に照らせば犯罪だろうが、ヨロシサンを犯罪者呼ばわりは出来ない。仮にヨロシサンでなければ、何らかの非合法組織の仕業だろう。あるいは両方か。
殺すつもりなら、こんなゲームを仕掛ける前にいくらでも殺せたはず。ならば、殺し合いを愉しむ連中による、よくあるデスゲームということになる。
クローンヤクザから死への恐怖は除去されているが、こういう場合、なるべく生き残るためにあがいたほうがいい。連中はそれを見ているのだから。
「生き残りましょう。今はそうとしか言えません」
「は……はい!」
彼女に悪意はない。演技をしている様子もない。純粋に巻き込まれただけだろう。
鍛えているようではあるが、彼女に機関銃は重そうだ。自分が装備した方が良いのではないか。そう言おうとした時。
BLAM!
-
◆
「……!」
窓の外から銃声が一発。殺し合いが始まったのか。警告か、陽動か、おびき寄せる罠か。一発だけなら誤射か。
思わず、傍らのY-12殿を見やる。ここを出ては危険だが、とどまるのもどうか。助けを求める子や親がいるかも知れない。
どちらがリーダーというわけでもないが、荒事に慣れているのは多分、彼の方だ。自分よりは年上であろうし。
「どうするで、ありますか……?」
【チーム・コマンドー】
【F-02/01時01分】
【大和亜季@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:M60機関銃@現実
[道具]:デイパック(不明支給品1、確認済み)、飲食物・医療品少し
[思考・行動]
基本方針:帰還する。親や子と合流し、情報を集め協力する。
1:Y-12殿をひとまずは信用する。
2:鬼と遭遇したら…この機関銃を撃っていいものか?
3:窓の外の銃声に、どう対応するか? Y-12殿の判断を仰ぐ。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【クローンヤクザY-12型@ニンジャスレイヤー】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:埋込式サイバーサングラス、ドス・ダガー、チャカ・ガン、ヤクザスーツ
[道具]:デイパック(不明支給品2、確認済み)、飲食物・医療品少し
[思考・行動]
基本方針:子を探し、守る。親とは協力する。鬼と遭遇したら排除するか、子を連れて逃走する。
1:自分の身を守れそうにない親も一応守る。今はヤマト=サンをとりあえず護衛する。
2:ヤマト=サンの機関銃を自分が装備した方がいいのではないか、と言い出そうとした。
3:窓の外の銃声に、どう対応するか? 判断を仰がれている。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。個人名がないため、仮に「Y-12」と名乗る。
このゲームを「ヨロシサンによる自分の機能テストか、非合法組織による殺人ゲーム、あるいはその両方」と認識。
生き残るつもりだが、ヨロシサンの株価が下がりそうな行い(自分の正体をバラすなど)は基本的にしない。
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投下終了です。
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投下します
-
「灯台か……」
海沿いに歩き続けた花酒蕨は、岬に立つ灯台を視界に入れていた。
厚底のロングブーツなどという、凡そ運動に適さぬ代物を履いて、太刀を振るっての立ち
回りや跳躍や蹴り技を苦も無く行うだが、流石に厚底ブーツ何ぞで砂浜を歩くのは流石に
苦行ではあった。
周囲を窺う…人影無し。
灯台で休もうかとも思うが場所が悪い。岬に立つ出入り口が一つしか無い建物。要するに
鬼が襲ってきた場合逃げる事が難しい。 最悪の場合、火でも着けられればお終いだ。
視界が広い為鬼の接近に気付きやすく、狭い階段の上に陣取れる為、篭城に向いていると
言えなくも無いが、やはり拠点にすべき場所では無いだろう。
だからこそ…あの灯台に子がいた場合保護して移動させなければならない。
未だに鬼が如何なるものか蕨は知らないが、危険な場所に留まっているのを見過ごす訳に
はいかないだろう。
「力有る者の辛いところよ」
鬼が待ち伏せしている可能性も有るが、最悪のパターンは灯台に侵入した後から鬼が来た
場合だ、戦闘は避けられない。だからといって素通りは出来ない。
短い、呻き声の様なうなり声を出した蕨は、着込んだ防弾ベストの感触を確かめるように
胸をさすると、灯台に向かって歩き出した。
「月夜姫が居ればのう。ここからでも探れるのじゃが」
羽織った白いマントと、兎の耳の様にピンと伸びたリボンを歩く度に揺らしながら、
蕨は灯台へと向かう。
果たして灯台に待ち受けるモノは────?
──────────────────────────────────────
-
──────────────────────────────────────
擬宝珠檸檬は灯台の上から周囲を眺めていた。
その物言いと振舞いから忘れられてしまいがちだが、まだ幼稚園児でしかない。
知らない内に訳の分からない場所に連れてこられた挙句、身に覚えの無いものを持たされ
て放り出されたとあっては、只恐怖に流されるままに行動して、取り敢えず目に着いた身
を隠せそうな場所に逃げ込むのも無理はなか
った。
こうしていても始まらない。何かしなければならないと頭では解っていても最善の方法な
ど取れないし、そもそも思いつきもしない。
こういう時に必要なものは、精神力や知力よりも、場慣れ…言ってしまえば経験だ。
幼稚園児の檸檬には全く無く、今後の展開になる次第では、永遠に獲得出来ないものだ。
尤も檸檬の知る尤も頼れる男は、閻魔大王様が鬼威惨に遭遇したゆっくりの如き態度を示
す両津勘吉である為に、檸檬だけいつの間にか元の世界に帰還しているかもしれない。
此処が地獄なら閻魔様が檸檬救出の為にカチコミかけてくるかも知れない。
ともあれそんな事はつゆ知らぬ檸檬は、只々高い所から周囲を見回して他の参加者を探し
続けていた。
「あ、あれは────」
最初に見つけたのは、海沿いに歩いて来る白いマントを羽織った長い金髪の少女。
しかしその頭には、二本の角とも見えるシロモノがピンと伸びていた。
「お、鬼!?」
慌てて視線を巡らすと、大柄な男が、道沿いに灯台へ向かっていた────。
──────────────────────────────────────
-
ジェイソン・ホーピーズは森を抜けると、真っ直ぐ灯台を目指していた。
灯台を目指し事に特に理由などない。只々目に着いたから向かうだけ。
誰かが居れば鬼であれ子であれ親であれ殺すだけ。
人の形をした殺意は真っ直ぐ灯台を目指して進む。
【I–10(灯台付近の海岸)/01時00分】
【花酒蕨@武装少女マキャヴェリズム】[役]:親
[状態]健康
[装備]:太刀・棒手裏剣
[道具]:防弾ベスト・閃光弾
[思考・行動]
基本方針:親か子と合流する。鬼がどんなものか確認しておきたい。
1:灯台へ向かう。
その他
※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
ルールの本質に気付きました。
【I–10(灯台)/01時00分】【擬宝珠 檸檬@こちら葛飾区亀有公園前派出所】[役]:子[状態]:健康[装備]:『お守り』[道具]: 不明[思考・行動]基本方針:生きて帰る。1:親と合流したい。
2:お、鬼?
その他
※その他・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※遠目に見た花酒蕨を鬼と誤認しました
【I–10(灯台付近の道)/01時00分】
【ジェイソン・ボーヒーズ@13日の金曜日シリーズ】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:アイスホッケーマスク、マチェット
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:殺す。見敵必殺。
1:灯台へ向かう
-
投下終了します
-
タイトルは【最初からハードモード】でお願いします
40文字詰めで書いたら変な文体になってしまいました。
-
皆様投下乙です。
強面と美女という王道の組み合わせやバトロワでも鬼ごっこでもろくなことが起きそうにない灯台など本編でもノリに拍車がかかっていて喜ばしいです。
それでは私も投下します。
-
「っ!服よりまず靴だな……」
A-08。この島で一番険しい断崖があるそのエリアは、大半を雑草混じりの荒れ地が占める。全裸ということは当然素足であるプルツーにとって小石は地雷のようなものだ。一歩一歩慎重に歩かなくてはならず、早くも疲労を覚えてきた。しかし彼女が足を止めることはない。別にどっかの鉄華団の団長命令が下ったわけではなく、彼女には明確な目的地があるからだ。
この鬼ごっこでは、子の役の参加者は会場にランダムに配置されるのに対し、親の役の参加者は飛行機から落下傘で降下されることとなっている。つまり、親の初期位置は特定しやすい。特に空を見上げ自分からほど近い場所に落ちてくる親を子が見た場合、その位置は容易にあたりをつけられる。プルツーも空から落ちてくる落下傘を見つけた一人であった。
飛行機と落下傘という組み合わせを考えるに、落下物は人間か物資かあるいは両方であろう。プルツーとしては接触するに他ない。とにかく服と靴だ。裸はキツい。足が痛い、ハンパなく。状況の解明より何よりまず衣食住の衣を満たす必要があるのだ。故にプルツーは荒れ地を進んでいき。
「そこのお前、所属は。」
「わぁっ!」
小岩に跳躍すると影に隠れていた男児の上をとり誰何する。倒れ込みながら小さく悲鳴を上げたところに再び跳躍しマウントポジションをとると腕を捻り上げた。
「うぅ……身ぐるみを剥がされるってこういうことなんですね……」
「殴るぞ。あとこっち見るな。」
「見ませんし服も貸しますよ……女の子を裸で放っとけませんし。」
「嘘つけ絶対見てたぞ。」
数分後、靴とズボンと上着を取られ、靴下ともっさりとしたブリーフのみとなった男児こと円谷光彦の姿がそこにあった。
初期位置のすぐ近くで落下傘を見つけた彼は、そこに銃器を持った大柄な男がいることに気づき、男が海岸線の物陰を伝いながら立ち去るのを距離をとって追っていたのだが、そこでプルツーの接近に気づいたのである。どちらかといえば男の進行方向側から来た彼女は男とニアミスし、男の落下傘目指し歩いていたのだが、そこでニュータイプ的な勘の鋭さでプルツーはじっと見ていた光彦の視線に気づき、あっさり居場所を探り当てて今の状況である。
「で、光彦だったか。お前も気づいたらここにいたんだな。」
「はい、えっと……」
「……プルツーだ。」
不機嫌そうに名乗るプルツーに、光彦は改めて自分がここに来るまでのことを話した。といってもこの数分服を毟られていた時に話させられたこととほとんど一緒のことだ。つまり、「気づいたらこの見知らぬ場所にいた」ということだけである。その境遇はプルツーも同様であり、わかったことは自分と同じように拉致られたらしい子供が他にもいたということぐらいだ。
「あ、そういえばいつの間にかズボンのポケットにお守りが入ってたんです。一緒に付いてた紙に書いてある文章からするとこの状況に関係あるかもしれません。」
「お守り……?これか……『生きている参加者一人を対象に選んで発動する。対象が『鬼』だった場合、お守りを対象にぶつけると対象は死亡する。使用後自壊する。』……武器か?」
「中身を見た限りただのお守りだと思うんですが……その、チラシの内容も考えると、イタズラというよりかは何かのゲームのアイテムのような気が……」
「ICチップか何か入ってるんだろう。人間の皮膚にも同じものを埋め込んで鬼かそうじゃないかを区別している……とか?」
「なるほど!」
一つ理解が進展である(些か勘違いはあるが)。
その後も二人は赤い空や海上の霧について一通りわけがわからないという認識を共有すると、話はここに来てからのことに移る。その中で光彦が男を追跡していたという話になると二人で男を追う運びとなった。なにせ地図も何もないのだ、男以外に目印どころか人の気配すらない。脅威も不透明だ。その点男の後を追えばいくらかの安全は保証される。銃を持った男が生きて歩き続ける限り――カナリアとして。
-
「何やってんだアイツら……」
一方そんなプルツーと光彦の一部始終を――つまりプルツーが服を剥ぎ取り光彦と共に歩き始めるまでを――見ていた男がいた。
他でもない光彦が追っていた男、鉄華団団長のオルガ・イツカである。
彼はプルツーに気づきながらも全裸だったことから己の目を疑い、あちらが気づいてなさそうだったのでとりあえず歩き続けていたのだが、自分の跡を追っていたらしい子供を彼女が拘束したタイミングで無視もできなくなり光彦達を監視していたのだ。
オルガは改めて子供たちを見る。女の方は全裸でかつ身奇麗だ。男の方もアジア系らしい身奇麗な子供である。これを考えると、あの二人がストリートチルドレンという可能性は低い。距離があるのでもちろん詳細はわからないが、全裸であることと身奇麗であることは少なくとも矛盾するのだ。そしてその後女の方が男の方の服を着だしなにやら会話をしだした。このことから考えられることは……
「……フッ。そういうことか。」
極めて簡単なことだ、あの二人はデキてる。オルガは察した。
さてこうなるとオルガとしては行動を変更する必要がある。なんにせよ自分を着けていた男は不審だ。原住民かどうかは不明だが、尋問すれば一応なにかを聞き出せるかもしれない。女連れならそちらを人質にすることも、まあ、考えうる手だ。であれば取る手は一つ。待ち伏せる。
(二人ともこっちに向かって来るな。)
オルガは岩の隙間から確認するとUZIを持ちながら接近を待つ。こちらには機関銃、あちらは文字通り丸腰、遅れを取るとは思わないが、生前の記憶から狙撃されることを警戒し限界まで姿勢を低くする。この訳の分からない状況を打開すべくタイミングをはかる。
鬼ごっこ開始から三十分、剣呑なる出会いが起ころうとしていた。
【A-08/00時30分】
【プルツー@機動戦士ガンダムZZ】
[役]:子
[状態]:健康、光彦の服と靴を身につけている
[装備]:『スマートフォン(子)』、『お守り』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:生き残る
1:まずは光彦が見つけた男(オルガ)の跡をつける。
※自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※地獄の雰囲気にのまれてニュータイプの力が若干鈍っていましたが、慣れつつあります。
※36話のコールドスリープから目覚めた後の参戦です。
【円谷光彦@名探偵コナン】
[役]:子
[状態]:健康、パンツと靴下のみ
[装備]:なし
[道具]:DBバッジ(現在通信不能)
[思考・行動]
基本方針:出来れば子と合流。
1:生還の為に行動する。子や親らしい相手と合流したい。
2:このゲームは誰が、どのように、何故行ったのかを考える。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【オルガ・イツカ@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:UZI@現実
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:とにかく生き残る。
1:子供(プルツーと光彦)を待ち伏せて尋問する。
※その他
自分の役・各役の人数・会場の地図・制限時間は全て未把握。
各役の勝利条件は一応把握。
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投下終了です。
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投下します。
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「……どうしよう……」
沖木島北西部、鎌石村。少女は不安げな表情でさまよっていた。
もう20分ほど経つ。パラシュートの落ちたあたりへ幾度か向かったが、誰とも出会えない。すれ違いか。
家々は無人だ。先程まで人が住んでいたような雰囲気すらあるが、電気は切れている。ペットもいない。
食物を漁るのはやめておいた。何が入っているかわからない。スマホのGPS機能も故障中だ。
「スマホが通じれば……。鬼太郎、ねこ姉さん……」
少女、『犬山まな』は、心強い味方たちに祈った。もう何週間も会っていない気がする。
◆
「……お、いたいた。おいしそーな女の子がいるじゃねーかよ」
鬱蒼と木が生い茂り、昼なお暗い森の中。黒づくめのチンピラは、数百メートル先を歩いている少女を発見する。
「んー、どーしよっかなァー。犯してから殺すか、殺してから犯すか。
……半殺しにしてから犯して殺して、死体を犯すってのが一番だなァ。オススメ。
あーっと、たぶん処女だろーから、血ぃ吸ってから犯したがいいよね。非処女でもそれはそれで」
ゲスなチンピラは、最高の笑顔を浮かべ、最低極まることを呟く。
彼は吸血鬼『ヤン・バレンタイン』。両手には機関銃、身体能力は超人。怖いものなしのクソ野郎。
貧弱な連中を殺しまくれば現世へ帰還出来るというボーナス付きのデスゲームに、彼は超喜んで乗っている。
風下にまわり、クンクンとにおいを嗅ぐ。芳しい処女のにおいだ。よだれが出る。
「……そーいや俺ら、処女や童貞の血ぃ吸っても食屍鬼(グール)にしちゃうんだっけか。
ドラキュリーナ増やせりゃいいのになァ。鬼が増えちゃうからダメか。
グールになる前にファック終わらせねえと……いや、傷口からこう、血を滴らせて飲めば……」
とにかく、他の鬼に喰われないうちに、彼女をモノにしてしまおう。
なるべく怯えさせて、怖がらせて、失禁させて、命乞いさせて。ヤンはゲスな想像に股ぐらを膨らませた。
-
◆
BRATATATATA!!
「ひッ!?」
目の前の道路に火の線が走り、まなは怯えて後じさる。銃だ。殺意だ。
「あーあー、アローアロー、ジャパニーズ・プリティーガール。ハワユー? そこ動くなよ」
ガサガサと近くの茂みから音がして、黒づくめの男が姿を現す。両手に機関銃。顔中にピアス。兇悪な面構え。完全に危険人物だ。
「あ……あ……」
まなはガクガクと膝を震わせ、涙目になる。足が動かない。殺される。ひょっとしたら、酷いことをされる。
「たすけ、て」
「英語わっかんねーか。あれ、日本語通じてる? まいっか、便利だなこりゃ」
男はブツブツと呟き、フラフラとまなの前に歩み出る。げしっとヤクザキックで仰向けに蹴り倒す。
「つぅかまぁえた」
ニヤニヤと下卑た笑いを浮かべ、靴の裏で胸の柔らかさを堪能する。
「ウヒヒ、結構発育いいじゃねえか。お嬢ちゃん、おいくつ? お名前はァ?」
「い、いやっ」
男はよだれを垂らし、ぐっ、と顔を近づけ、まなの額に銃口を向ける。開いた口の中には牙。
「今からお嬢ちゃんの血ィ吸って、ファック&サヨナラ&ファックするぜ。小便済ませたか? 神様にお祈りは?
ガタガタ震えて命乞いをする心の準備はOK? してみせろよ、なあ。小便とお祈りと命乞い。見たいの俺」
「たすっ、いやっ、はひっ」
声が出ない。歯の根が合わない。鬼。鬼ごっこ。本物の鬼、鬼畜、吸血鬼。
-
「やあ」
唐突に、横から声がかけられる。ヤンは訝しみ、声の方を見る。まなもそちらを見る。
黒髪の少年。切れ長の目、割と整った顔。白いシャツに黒い制服、学ランを肩にかけている。
学生か。中学生か、高校生か。まなよりは年上に見える。子か、親か。
しかし……目の前で少女がヤバいことになっているのに、彼は平然としていて、笑みさえ浮かべている。
と、いうことは。ヤンはピンと来て呼びかける。
「おう、ガキィ。なんだ? おめー、鬼か?」
「うん、そうだよ」
少年の答えを聞いて、まなはますます絶望する。救世主ではなかった。ヤンは鼻を鳴らす。
「あー、そりゃ残念。このメスガキは俺が先に見つけたんだ。先にファックするからよ、後でヤらしてやンよ。殺すのは後でな」
ヤンは銃口を少女の顔からそらし、肩をすくめて笑う。こいつがヤッてる間にグールになっちゃうかもな、と思いながら。
「た、助けてッ! 助けて! 私をこいつから助けて!」
まなは気力を振り絞り、少年に向かって必死で叫ぶ。失禁はしない。命乞いはしない。するものか。
するなら、お祈りだ。鬼でも、妖怪でも、人を助ける連中はいる。彼はどっちだ。
彼女の祈り、願いは……幸運にも、聞き届けられた。
「わかった」
制服の少年が、瞬時に動いた。ヤンの目の前に。ぱん、と音がして機関銃が二つとも宙を舞い、ヤンの胸に衝撃が入る。
「「えっ」」
少年の両手には、短い金属の棒。トンファーだ。これで機関銃を弾き飛ばし、同時に前蹴りをヤンの胸に叩き込んだのだ。
意表を突かれたヤンは、まなの上から蹴り飛ばされ……くるりと宙返りして着地した。機関銃は近くの草むらに落下した。
「ッ……ンだァ、おめえ!? 鬼だろ? 仲間じゃねえか? 女の子は殺したくぬぁーい、とか甘ったりぃこと抜かす系か?」
ヤンのこめかみに青筋が走る。どうせ子を皆殺しにすれば済むが、鬼同士で殺し合って数を減らしても、何の得にもならない。
まなを飛び越えた少年はトンファーを構え、ヤンに向き合う。面白いおもちゃを見つけたような笑顔で。
「僕は鬼だ。だから、君たち全員を咬み殺す。そういうゲームだ」
「イカれてんのか、ガキャァ!? んじゃ俺がおめーブッコロすぞコラ!?」
激昂したヤンが叫ぶ。下っ端とはいえ吸血鬼の身体能力を持ってすれば、少年はイチコロだろう。ただの人間ならば。
まなは立ち上がり、急いで少年の背後に隠れる。そして、袖を引いて呼びかける。
「あ、ありがとうございます! 逃げましょう!」
少年は袖を引っ張る手を振り払い、肉食獣めいた笑顔を浮かべる。
「僕は逃げない。こいつを咬み殺す。勝手に逃げなよ、草食動物らしく」
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【C-03/0時30分】
【ヤン・バレンタイン@HELLSING】
[役]:鬼
[状態]:健康、激昂
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋(不明支給品3つ、確認済み)
[思考・行動]
基本方針:殺し、犯し、食らう
1:なにこのガキ。ナメてんの? 殺すよ?
※その他
装備品「FN P90 短機関銃 2挺 サプレッサー&スコープつき」が弾き飛ばされ、近くの草むらに落下。弾丸を多少消費。
生きている人間の血を吸って殺すと、知能のないゾンビのような食屍鬼(グール)に変えてしまう。
【犬山まな@ゲゲゲの鬼太郎(6期)】
[役]:子
[状態]:健康、恐怖、困惑
[装備]:
[道具]:スマホ(自分の)、支給品(未確認)
[思考・行動]
基本方針:生還する。子や親と合流し、協力する。鬼からは逃げる。
1:逃げる。できれば、この少年と一緒に。彼が鬼でも構わない。
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。自分の役を子であると推測。
【雲雀恭弥@家庭教師ヒットマンREBORN!】
[役]:子
[状態]:健康、高揚
[装備]:雲雀のトンファー@家庭教師ヒットマンREBORN!、雲のボンゴレリング@家庭教師ヒットマンREBORN!
[道具]:無し(式札を支給されたがポイ捨てした)
[思考・行動]
基本方針:親、子、鬼を咬み殺す。他者とは群れない。
1:目の前の男を咬み殺す。少女は勝手に逃げればいい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を鬼だと誤解している。
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投下終了です。
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投下乙です。
役のシステムと情報の非対称性という当企画のギミックの活用の仕方として一つの定石のようなものを示した投下だと思います。
私は少し投下が遅れそうなのでもし「吉良吉影」「宮原葵」のどちらかを執筆中の方がいましたら他のキャラを書きます。
本編開始から十日経ち6作が投下されましまが予約制が無いということが怖く感じる投下がいくつかありました。
やっぱりリレー小説には予約制が必要かもしれませんね。
キャラが一巡する頃までにどうするか結論を出したいと思います。
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投下します。
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何度か来たことがあるはずなのにまるで初めての場所に来たような感覚がするのはここが鬼ごっこの舞台だからか地獄であるからかはたまた両方か。
宮原葵はおっかなびっくり女子トイレから出たあとシアターへ移動しようとしていた。同じアミューズメントフロアにあるゲームの筐体から流れる音が酷くうるさく聞こえる。自分の足音や呼吸音、衣擦れの音がかき消されていることから、自然近くに鬼が潜んでいることにも気づかないのではないか気づいていないだけですでに潜んでいるのではないか、そう不安は増す。なによりショッピングモールに誰もいないという状況は、まるで世界そのものから迷子になったかのような感覚を覚えるのだ……日常からの迷子という意味では間違いはないのであろうが。
「!?」
ふと自分の肩口が触られた気がして弾かれたように振り返る。誰もいない。このショッピングモールと同じように無人だ。いや無人だから誰もいないのは当然でだがそもそも無人というのは異常で――
(落ち着こう私、前の時みたいな鬼だったら足音も大きいし変な歌歌ってたりするし、大丈夫、気づける。)
背後を柱に預け数秒息を止め、ゆっくりと吐く。そしてゆっくりと大きく吸い、また吐く。それを何度か繰り返すうちに頭に酸素が回ってきた。
冷静になれば、まだ鬼ごっこだと確定したわけではない。もしかして夢かもしれない、というのはちょっと現実味がないけれど、またあんな鬼ごっこをするなんてことよりはリアリティがある。それか自分が思いの外長くトイレに入っていてその間に店内の人が何らかの事情で避難した、というのもありえる。
(だったら悠は待っててくれてるはず。まずはこの階を探してみよう。)
自分の中で方針が決まると踏み出す足にも力がこもる。何が起こるかわからない未知のエリアからちょっと不気味な場所ぐらいに思えてきた。そうしてトイレから出て数分して一人の男――川尻浩作と出会った。
私の名前は吉良吉影……訳あって今は川尻浩作と名乗っている、平穏を愛する男だ。この鬼ごっこでは鬼の役をやっている。地獄というものが本当に存在することには驚いたが、この沖木島という場所は一般的な日本の離島のイメージとそう遠くないものだ。といってもスマートフォンというパソコンのような携帯電話に入っていた地図で把握した限りだが……話が逸れたな、私はこの鬼ごっこが始まると気がつけばショッピングモールにいた。どうやらここが鬼の牢獄らしい。地図には無いがルールに書かれていることからそう察する。なぜショッピングモールなのかはわからないが、物資が充実していることはプラスだ。そういえばゾンビもののB級映画では良くショッピングモールに籠城していたりするが、そのオマージュだろうか――ん?
「子供か……子の役か?」
一つにまとめた髪が見えて私はより慎重に気配を消して移動する。中学に上がる前ぐらいの女児を私は発見した。手はまあまあ奇麗だがまだまだ女性らしさに欠けるな。
「――キラークイーン。」
距離を詰めて私はスタンド――ある種の超能力を使う。私の傍らに現れた人形のビジョンは同じスタンド使いにしか見えず、そしてスタンドにはそれぞれ異なった能力がある……らしい。専門家でもないので詳しくは知らないが、私はこれが極めて有用な存在であると知っている。例えばこうやって10m程離れた人間の肩に触れることができる。
「!?」
(キラークイーンは見えていない……つまり彼女はスタンド使いでは無いということだ。)
これだけならただのちょっとした念力だが……キラークイーンは触れたものを爆弾に変えることができる。つまり、あの女児は既に私がスイッチ一つで跡形もなく消し飛ばせる生きた爆弾になったのだ。さて、これで私の安全は確保された、そろそろ姿を見せるとしよう――
-
「じゃあ川尻さんも気がついたらここに?」
「ああ、偵察として会社の人間と来たはずが気がつけばこんなことになってて……どうやらこのショッピングモールでなにかあったようだね。」
私が見つけた男の人、川尻浩作さんはそう言うとため息をついた。
川尻さんはカメユーというデパートチェーンに勤めるサラリーマンで、ここには会社の出張(別の会社ってことはM&Aの下見?)で来たら私と同じように巻き込まれたらしい。前回の鬼ごっこでも荒木先生が巻き込まれてたし、もしかしたら鬼ごっこには子供と大人が一緒に参加するなんらかの必要性がある、なんて考えてみたけど今それを考えても仕方ないので口には出さずに保留しておく。それよりも私は言うか言わないか迷っていることがあったから。
(小学校でのことと悠のことは言わない方が良いかな……)
こんな場所で大人に会えたことは心強いけど、同時に別の意味で怖くも思う。ゲームセンターで知らないおじさんと会っても普通は話さない。だからか川尻さんにどこまで話していいかわからなくて、困る。悠のことを話せばもし川尻さんが危ない人だった時が怖いしそれに本人の許可無く勝手に知らない人に紹介するのはマナー違反だ。小学校のことについてはそもそも信じてもらえるかも怪しい。私が大人だったら子供の下手な冗談だって扱っちゃうかもしれないから。となるとここは――
「川尻さん、一緒に他の人がいないか探してもらえませんか?」
(やはりバイツァ・ダストは使えないか……)
衝動的に爪を噛もうとするのを気合いで耐えながら川尻こと吉良は葵と共にアミューズメントフロアで他の参加者を捜索していた。彼女の提案になにか嫌なものを直感で感じてはいたが断る理由が無い。ショッピングモールという地形を活かして親として違和感の無い嘘をついたつもりだったが『出張に来たってことはここのこと詳しいんですよね?遠足だって行く前に下調べするんですし。』とやたらキラキラした目で言われれば違うとは言いづらい。であるからして彼は葵と行動を共にしていたが、しかしそれは彼の心の平穏を乱す原因ではない。
バイツァ・ダストが使えないというのもなんとなくわかっていたことだ。あれは杜王町での平穏な暮らしを実現する為のものであって単に時間をふっ飛ばすようなものではない。同時に吉良自身バイツァ・ダストの能力を完全には把握していない。自分の死から新たな能力に目覚めるまでを冷静に思い返すと、把握していない条件があるようだ。
(年齢を考えれば子供、だから役は『子』というのは安直!そんな保証はどこにもない。)
(では『鬼』か?鬼役は鬼の牢獄からスタートする……?支給品は持っていないようだが個人差があるのか隠しているのか……?)
(そして『親』ッ!鬼ごっこにはない役だ。これはどういう意味なんだ?その名の通り『子』の親のことを指すのか?)
一筋汗が流れた。
吉良の苛立ちの原因は、参加者の役の判断方法が無いことに気づいたことだ。各役の人数や勝利条件はわかってはいるが、肝心の見分け方がわからない。自分以外の71人についてはほぼ情報がゼロであるため自分を基準に考えるしかないのだが、それでは精々鬼がどのようなタイプか推測ができるだけである。そしてその推測がより吉良を苛立たせる。鬼が自分のように姿を変えていた場合外見では判断がつかないのだ。
(わからないといえばこのスマートフォンとかいう機械だ。一時から使えると書いてあるが地図と時計以外に機能があるのか?こんな小さな機械で電話の機能までできると?)
(それにこの紙袋、明らかに容量がおかしい。ちょっとした小部屋ぐらいありそうだ。)
(……!まて、鬼の勝利条件は過半数が鬼になるというものだった。だが鬼かどうかを判断する方法は無い。つまり……)
(同士討ちが容易に有り得る!)
「川尻さん!」
「――なにかな?」
「凄い汗かいてますけど大丈夫ですか?先から遠い目をしてるし。」
「……徹夜明けでね、少し疲れが溜まっているようだ。すまない。大丈夫さ。」
葵に顔を覗き込まれ、汗をハンカチで拭う。どうやらこの鬼ごっこ、想像以上にめんどくさい。12人しかいない鬼が潰し合うことがあれば鬼全体が不利益を被るのだが、このルールではそのような事態は頻発するだろう。吉良はこの機械にそれを防止する何かでもあってくれとスマートフォンを見た。
-
幸運なことに彼の祈りは通じた。
この会場で支給されているスマートフォンは、鬼は鬼、子は子で、それぞれ全員と同時にチャットが行える。支給された人間の顔と名前が端末毎に紐づけされて。
その機能が使用可能になるのは午前1時。
あと35分。
【F-05/00時25分】
【宮原葵@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:爆弾化
[装備]:『水晶』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:死にたくない。
1:川尻さん(吉良吉影)とアミューズメントエリアを捜索。
2:鬼に警戒。
3:幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
吉良吉影のキラークイーンによって爆弾化しました。
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[役]:鬼
[状態]:健康、姿は川尻浩作
[装備]:ー
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:親の振りをしながら鬼以外を始末する
1:まずは宮原葵と同行する。
2:参加者の役を見分ける方法を考える。
※その他
バイツァ・ダストは杜王町でないことと本人が能力を把握しきっていないことで使用不可。
宮原葵をキラークイーンで爆弾化しました。
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投下終了です。
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佐山流美、金谷章吾、たえちゃん、摂津のきり丸、関織子を書きます。
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愛欲を独占する淫らな石プレミアムは知ってますよね?
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個人的には予約がない方が面白そうですが…
間田敏和、ヒデノリを書きます。
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企画上予約制は困難というか意味がないのですが利便性の問題があるので痛し痒しですね。
では投下します。
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「木じゃないな、石でもない。何できてんだこの家?あっちはガラスに鉄でできてるし。」
地獄と思しき場所にある街並みを調べていたきり丸は驚き通していた。
なにやら鬼ごっこらしきものをすることになったそうだったので一応警戒しつつ辺りを探っていたのだが、忍者が現役の時代と現代では隔絶の世である。何がってテクノロジーがだ。至る所でふんだんに使われた鉄、素材も使い道もわからない謎の物体、でっかい一枚ガラス、溶岩でできてるのかと疑う道、なにもかもがわけがわからない。と思ったら畑やら草やらは自分の知るものと特段変わりがあるように思えなかったりする。地獄とはなんか凄いところなんだなと感心していた。
「くっそお、持って帰れたら一儲け二儲けできそうなんだけどなあ。」
鬼ごっこなぞ秒で頭から消えて考えることの内容はとっくにどうそれらのなんか凄そうなものを持って帰れるかに移っていた。場所が変わろうが何だろうがドケチの血は変わらない、ビジネスチャンスを見過ごすなどという手は無いのだ。
しかし悲しいことに、考えれば考えるほどこの鬼ごっこという壁にぶち当たってしまう。彼の中では鬼ごっこはビジネスを行う上での壁として再定義されその解法を考えられていた。
「俺がなんの役なのかわかんないんだよなあ。親もいるってことろことろかよ。」
ことろことろ、ことりことりとも呼ばれるそれは鬼ごっこの一種だ。親の役の後ろで子が列になり、親の妨害をかいくぐって子を捕まえる、というのがそのあらましである。現代ではノーマルな鬼ごっこに加えてケイドロなどにも負けるほどマイナーになってしまったが、その歴史はきり丸が生きた時代からしても下手したら千年近くある由緒ある遊びだ。きり丸はその遊びとの類似性には気づいたものの、しかしそこから先が続かない。
「逃げてるだけじゃダメっていう鬼ごっこか。とりあえず誰か探さないとダメだな……お?」
一先ずの方針を確認したところで、きり丸の目が一つの人影を捉えた。少し距離があった上に暗いため判然としないが、自分より少し上ぐらいの子供が見えた、気がする。
「あれが鬼だったらヤバイよな……」
声を掛けてみるべきだろうか?
(農協?香川?なんだこれ。)
H-06と地図上ではされているエリアにある一際大きな建物の近くで、金谷章吾は周囲を伺う。手はポケットの中の式札に添えられいつでも引き抜けるようにしながらその建物に張られているポスターなどを見ていく。いかにもな畑を背景にしたそれはどう見ても農業関連のものだ。他のポスターや近くの掲示物を見ても、ここが農協であることはどうやら間違いなさそうであった。
(人の気配は……わからないな。出入りも簡単そうだし、中に人がいても……)
気配無く移動しながら正面入り口を捉えられる位置に隠れると、章吾は逡巡した。この鬼ごっこ、どれだけの鬼や子がいるかわかったものではない。中にいるのが子ならばいいが、鬼に待ち伏せされていれば厳しい。夕焼け時のような真っ暗ではないが明るいとは決して言えない環境も相まって足を踏み入れるにはなかなか度胸がいる。
(前回は鬼の位置も逃げる場所もわかってたからな。迷子みたいな状況で鬼ごっこってこんなにキツイのか――!)
ためらいながら心の中でグチっていたのが功を奏した。周囲に張り巡らせていた警戒心の網が、建物内部からの物音を捉えた。それはほんの微かな、風や動物が何かを動かしたということも考えられなくもない小さな小さなものではあるが、章吾はそれで中の人物が人間、つまりは子供であると判断をつけた。鬼であれば立てる音がやけに小さい、気がする。自分と同じように巻き込まれた子供が警戒しながら建物を調べているのではないかと想像した。
新たに迷ったのは数瞬、接触することを決断すると音も立てずに入口から中に滑り込み目線を動かし索敵、パッと見て誰もいないのを確認すると人が隠れ潜めそうな死角目がけて移動する。建物の外は鬼の進行ルートが絞り込めないが、中であればそうではない。最低限の安全を確保すると壁に耳をつけて気配を探る。足音はしない。失敗だったか?と思うがこうなれば建物全てを調べるのみだ、ここが安心できる場所かどうかはどのみち調べることは考えていたのだ、などと考えているときであった。
「すみませーん。どなたか居ませんかー?」
自分とさほど変わらない年齢と思しき少女の声が上方からした。
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「鬼ごっこ……?ええっと……」
「からかってるわけでも冗談を言ってるわけでもない。関も見ただろ、あのビラを。この状況は普通じゃない。」
農協で出会った金谷章吾と名乗る少年に真面目な顔をして言われて、関織子ことおっこは困った。
彼と出会ったのはほんの少し前のことだ。ようやく見つけた人が同じ学年の男子だったことに若干驚いたものの持ち前の明るさで自己紹介をし、お互いに気づけばこの農協の近くにいたという話をしているときに、彼に言われたのだ。「俺たちは鬼ごっこに巻き込まれたかもしれない」と。
「おかしいと思わないのか。俺たちはどっちも香川どころか四国にも住んでない。たった数分でそんなところまで迷子になるわけないだろ。」
「それは……瞬間移動したとか?」
「あんたは今までにワープしたことあんのか?」
「ないけど……でも鬼ごっこなんて、なんで?」
「わからない。鬼がなにを考えてるかなんてな。」
真剣な表情は嘘を言っているようには思えない。それでもおっこは今自分が強制的に鬼ごっこをさせられているなどとは思えなかった。どこの世界に若おかみな小学生を香川のよくわかんない島の農協にワープさせて鬼ごっこをさせようとする人がいるのだろうか。おっこの知る鬼にはよくイタズラをする鬼もいるが、こんな大規模でムチャクチャなことは絶対にしない。そのため少年の言っていることを受け入れられないのだが、さりとて嘘をついているようには見えないので困惑する。
「あの、じゃあ誰がそんなことをしてるの?」
「……鬼、だな……信じられないだろうから信じなくていいけど、俺たちは悪意をもって鬼ごっこをさせられている。」
「その鬼ってどんな鬼なの?大きさとか名前とか。」
「大きさ?まちまちだったな。小さいのはウサギぐらいで大きいのは牛ぐらいで、名前は、確かツノウサギとか牛鬼とか……」
「ツノウサギ……牛鬼……」
「……警告はした。俺は少し外に出てくる。」
「あっ、ちょっと待って!」
教えられた情報と自分が知る鬼とを比べている間の沈黙をどう取られたのかはわからないが、少年は呼び止めるのも聞かずに出て行こうとする。慌てて追いかけながら、おっこは考えた。彼の言うことは信じられるものではないけれど、今ここで行かせてはダメな気がする。なんとなくだが、何か嫌な予感がする。そう思い後ろを着いていきながら引き留めようとするが、しかし少年は止まらない。そして入口まで来てようやく「あの時計が1時になる頃には戻る」とだけ言ったかと思うと本当に出て行ってしまった。
数分ぶりに一人になっておっこは改めて考える。赤い空とかヘンだとは思うけど、それで鬼ごっこって、やろうとしてることが下らなすぎないだろうか。あの男の子もたかが鬼ごっこで随分と深刻な顔をしていた。状況が良く飲み込めない。
おっこは遠ざかっていく背中を見た。今からでも追いつこうと思えば追いつける。もっと話を詳しく聞いてみるべきだろうか?だが1時には戻ると言った。なんとなく嫌な予感もするし外にはあまり出たくないし下手に動けば行き違いになることも万に一つはあるかもしれないし、ここで待つべきだろうか?
自分の選択で何かが大きく変わりそうな気がしておっこは赤い空と少年を見比べた。
-
「まだ近くにいろよ……」
農協で出会った和服の少女、関織子から別れ東へと向かう章吾はそう呟くと周りに目を凝らした。
彼がおっこから別れたのは別に彼女の反応は全く関係ない。単に彼は農協の窓から人影を、ぬいぐるみを片手に彷徨う少女を見つけたからだ。
たいていのゲームは数が多いほうが有利だが鬼ごっこも違いない。一人より二人、二人より三人の方ができることは多い。ある程度の人数で武器と作戦があれば、鬼に一矢報いることも不可能とは言い切れない、それが前回の鬼ごっこを経験した章吾の判断であった。
(よし、見つけた。)
幸い少女は割と早く見つかった。農協から集落までは見通しが程々に良いため、彼女の白い制服と合わせて人を探す気でいればそこそこ簡単に見つけられる。それはつまり、鬼からも発見されやすいということだ。章吾はもしもの時のために足を残せるぐらいの早足で歩み寄る。
「だ、誰?」
(年上か?)
少女の方も気づいたのか章吾を足を止めて待つ。そしてある程度近づき誰何してきたところで、章吾はその少女の違和感に気づいた。
遠目からは気づかなかったが少女の体つきは章吾とさほど変わらないものだ。中学生と言っても通る体つきの自分と同じことは年上かと推測する。制服を着ていることから私立の子だと思ったが違ったようだ。それにあの汚いぬいぐるみ。家でぬいぐるみを持っている時に巻き込まれたのか?
「金谷章吾。桜が島小、って知ってるか?」
「ううん……」
「そうか……そっちは?」
小学校の名前を知らないということは地元の子ではないな、関といい今回は日本の色んなところから集めてるのか、などと考えながら少女が名乗るのを待つ。しかしいつまでたっても応えはない。顔は良いが険の強いせいで怯えられていることやある事情からどちらの名前を名乗ればいいのか迷っていることなどつゆ知らない彼は、「あだ名で良いから教えてくれ」と急かす。
少女は数秒固まって、「たえちゃん」と小さい声で話した。
「たえ……さん。」
「……」
「たえ……」
「……」
「たえ……ちゃん。」
「……うん?」
(本人に向かってちゃんづけで名前呼ぶのってすっげえ恥ずかしいな……)
農協に向かってもと来た道を戻りながら章吾はたえちゃんとのコミュニケーションを試みる。縋るような目と怯えのこもった目の両方で見てくる彼女は章吾からするとやりにくい相手だ。だが彼はそういう相手に好かれるというイケメンオーラが出ているためたちが悪い。鬼ごっこが始まって一時間足らずで二人の女子と早くも出会った彼は、自分が生き残るためにそのオーラと戦っていた。
「……気づいたらここに?」
「うん……親戚の……おじさんの家に入ろうとして、ドアを開けたら、外に出ちゃって……」
「そうか。俺は、ショッピングモールに向かって歩いてたら空が赤いことに気づいて、それで人間を探してた。」
「……」
「あそこに建物があるだろ?そこで女子と会った。そいつも俺たちとおんなじようにここで迷子になってたらしい。三人で話せば、何か分かるかもしれない。」
「……うん。」
「……」
「……」
(会話が続かねえ……)
(なにを話せばいいんだろう……)
戦いは困難を極めていた。章吾は元から口がうまい方ではない。むしろ口下手で、心を閉した女子をリラックスさせるような芸当などできるはずもない。結果、章吾がぽつりぽつりと話し、少女ことたえちゃんがそれに時々相槌を打つに留まっていた。
気まずい時間は本人達の体感時間より短く、数分後には農協の前に到着する。だが章吾は農協を通り過ぎた。たえちゃんは困った顔でチラチラと見るが、章吾は無視する。そして100m程通り過ぎたところで、章吾はたえちゃんに耳打ちした。
「全力で農協まで走れ。俺の名前を出せば中のやつはたぶんお前を信用する。」
突然の言葉に頭にハテナを浮かべるたえちゃんの背中を章吾は叩いた。ビシリ、と掌の形に背中に痛みが走る。それにより鞭の入った馬の如くたえちゃんは走り出した。章吾の行動に混乱し、とにかく動き出せと脳が身体に命令を下したのだ。
章吾はそれを見送った。これでいい。足手まといは消えた。これで鬼ごっこに専念できる。靴紐を結び直した。
「さあ、出てこいよ。」
章吾は建物の影に向かってそう大声で呼び掛けた。
-
(バレてたっ!?なんで!?)
佐山流美は奥歯を鳴るほど噛み締めながら手にした物干し竿を握る。ステンレス製のそれはすっかり人肌に暖まり、持ち主の殺意に合わせて身を震わせる。それはゆっくりと地面から持ち上げられた。
彼女がこの場所でも人を殺すことを言葉ではなく心で決意したのは、実は数分前のことだ。殺られる前に殺るとはいったものの、何も目につくもの近づくもの皆殺しにしようなどとまで考えるほど理性を失ってはいない。まずは自分の役の把握を優先しようと思い、民家で物資を調達したあとはヒントを求めて大きな建物を目指そうとしていた。そうして集落と農協どちらに行くかを考え、先にポツンと一つだけある方を調べようと農協に近づいたところで彼女は聞いたのだ。
たえちゃん、と呼びかける声を。
その名前を聞いて、彼女はここに来る前のことが問答無用で思い出させられた。彼女が愛し、憎み、殺した女、小黒妙子の愛称を、あの男は確かに言った。暗い上に距離も若干あるのでわからないが、男の方は中学生ぐらいである。そして女の方は、これまた中学生ぐらいで白い制服らしき服装の明るい髪色の女であった。
それで佐山流美は一匹の獣と化した。
本人の精神と赤い空という環境は黒い髪を明るく染まった髪へと変換させ、彼女の前に小黒妙子という人物を浮かび上がらせる。女からの声が聞こえないことと合わせて『たえちゃん』は『小黒妙子』へと完全に置き換えられたのだ。地獄から蘇ったどころか地獄に自分を引きずり込んだたえちゃんは紛れもなく鬼だ。ならばすべきは流美が出て行き鬼を殺す!非常にわかりやすい!たえちゃん死すべし小黒妙子死すべし!!
そして彼女は農協を通り過ぎた二人を先回りして建物の影に潜んだ。武器は現地調達した包丁などの刃物と、物干し竿。取り回しは悪いが物干し竿をメインウェポンとしてチョイスする。鬼には少しでも近づかないに限る。そうして彼女は待っていたのだが、男の方が余計なことをしてたえちゃんを農協の方へ逃してしまった。これではたえちゃんを殺せない。ならどうする?
(だったら男から殺せばいいだろ!)
即断即決。流美は民家から調達したタオルを顔に巻くと突貫した。
摂津のきり丸は少女を見つけ追うか追わぬかで悩み、関織子は金谷章吾を追うか追わぬか悩む。
金谷章吾と佐山流美は自分が戦う相手が鬼であると互いに判断し戦闘を開始しようとしている。
そしてたえちゃんは一人農協に向かって走る。
五人それぞれの選択が迫られていた。
【H-07/00時15分】
【摂津のきり丸@落第忍者乱太郎/忍たま乱太郎】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:忍者装束、忍具一式
[道具]:水晶
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:少女(たえちゃんor佐山流美or別の参加者)に声をかけるorかけない
2多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。自分の役を子であると推測。
-
【H-06/00時15分】
【関織子@若おかみは小学生!】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:紅水晶
[思考・行動]
基本方針:家に帰る。
1:章吾くんを追うor章吾くんの帰りを待つ。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【G-06/00時30分】
【金谷章吾@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『式札』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:絶対に生きて帰る
1:少なくともたえちゃんが逃げられるまでは襲ってきた鬼(佐山流美)に対処。
2:自分以外の存在を捜索。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【佐山流美@ミスミソウ】
[役]:子
[状態]:顔に傷、血は止まっている
[装備]:物干し竿@現地調達
[道具]:包丁、『水晶』
[思考・行動]
基本方針:殺される前に殺してやる
1:たえちゃんを殺す。
2:そのために目の前の鬼(金谷章吾)を殺す。
3:自分がどの役か知りたい
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
現地調達した物資を近くの物陰に隠しました。内容は後続の書き手さんにおまかせします。
参戦時期は第18話開始直後。
【たえちゃん@コロちゃん】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:『コロちゃん』
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
1:逃げる。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は引き取られる直前
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投下終了です。
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桐山和雄 アリス・カータレット・アルシアで書きます
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> : 「仲間が増えるよ!!」「やったねたえちゃん!
ルールの所為で全員手探りで鬼ごっこに臨んでいるのがよく分かるS Sですな
鬼が何もしなくても勝手に数が減っていきそう
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阿部高和、チャッキー、桜井悠、夜神月を書きます。
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投下します。
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タブレット端末をいじっていた鬼が、新たな連絡に眉をしかめる。
「……おい、まだなんかレギュレーション違反者がいるらしい」
「またかよ、めんどくせーな。どんな奴だ」
「名は……『間田敏和』。外見のせいか手違いで子として喚ばれたが、高校3年生……つまり明らかに16歳以上だ。
スタンドって超能力を持ってるが、大したことはない。親ってことにするか、現世に還すか……ってことだが、まあ」
「想定外の事態は現場判断で処理、隠蔽だな。こうあんまりミスが多いと、担当者がケジメしねえとなあーっ」
名前と外見、簡単なプロフィールを確認する。黒髪で長髪の、いかにも根暗そうな少年だ。
「まあ大した奴じゃあねーし、後回しにしても問題ない。ヤバそうな奴からだ」
◆
「ちっくしょお――ッ……だが『学校』へ行けば……あるかもなァ……『クロッキー人形』がよォー……!」
死にかけたコオロギのようにフラフラと、少年は道を進む。脂汗を流し、周囲をキョロキョロ見回しながら。
地図看板は乱暴に破壊されている。が、標識はある。近くに『学校』があることを知った少年は、彼方に見えて来た『鎌石小中学校』を目指す。
村の民家や書店、雑貨屋を漁ったが、『クロッキー人形』や『この場所の地図』は見当たらない。地図が簡単に手に入っては困るのだろう。田舎過ぎるのかマネキン人形もない。
ここが香川県の沖木島という、聞いたことのない島だとはわかった。しかし周囲の雰囲気は明らかにおかしい。現実なのに現実的でない。
東北地方のM県から瀬戸内海まで瞬時に飛ばされるというのも奇妙だ。新手のスタンド使いの攻撃か。もしくは、ここは『あの世』なのか。
鬼には出遭わないが、親や子との合流もできていない。何か霊的なパワーによって出会わないようにしているのでは、という妄想すら浮かんだ。
いや、冷静に考えれば、疑心暗鬼になった連中が『鬼』に掴まらないよう隠れ潜んで、準備を整えているってだけだろう。鬼の方もだ。
とにかく『クロッキー人形』さえあれば、自分のスタンド能力『サーフィス』が使える。単純に手駒が増やせる。
もしなくても、学校にはいろんな道具や書籍が揃っているはず。素材をかき集めて時間をかければ、人形が作れるはず。
襲撃されても隠れられるし、他の子や親も集まってくる可能性もある。ということは、鬼も来るかも知れないが。
それと、気になることがひとつ。いや幾つもあるが、とりあえずひとつ。
「今年は1999年だよな……なんで、ここの日付はどれも『21世紀』のなんだ?」
-
◆
どうにか下痢が止まった。というか、腹の中のものを出し尽くして無理やり止まった。
あの妖怪め、今度見つけたら『上着返して下さい』と伝えよう。口頭は怖いから、置き手紙でもしよう。
公衆トイレを出て、こっそり民家に忍び込む。誰もいない。この非常時だ、やむを得ない。戸棚を探って薬を探す。
……よし、あった。下痢止め、胃腸薬、風邪薬。電気はつかないが、水道の蛇口を捻れば水は……出る。よし。
「ん?」
薬を飲み終えたところで、窓の外で何か動いたのに気づく。前の道路だ。誰か通ったのか。
静かに民家を出て、門柱からそっと覗く。……学ランを来た、小柄な長髪の男だ。何か、ブツブツ呟きながら歩いている。
危ない奴かも知れないが……味方は多いほうがいい。親か子か。鬼なら急いで逃げる。女性ならスカしたセリフでもかけるところだが。
とりあえず支給品の『鉈』を右手で持って、左手には厨房から拝借したフライパン。背後からそっと近づいて、と。
「おい! 親か子か、鬼か!」
◆
「おい! 親か子か、鬼か!」
いきなり背後から押し殺した男の声。思わず両手を上げて振り向く。
茶髪でメガネの、高校生ぐらいの少年だ。手には鉈とフライパン。……鉈!?
「ひイッ! こ、殺さないでくれッ! お、おれは……多分、子だと思う。鬼じゃあないはずだ!」
「名前は?」
「は、『間田敏和』だ。―――――あ、黙って襲って来ないってことは、鬼じゃあないよな? あんたは……?」
「親の役だ。安心してくれ。名前は……」
-
◆
「なんだあ、2年生かぁー。じゃあおれの方が先輩だなァーッ、『ヒデノリ』くん」
「はぁ……そっすね、先輩」
ひとまずヒデノリのいた民家に隠れ、情報を交換する二人。相手に敵意がなく、自分の方が年上だと知った途端、間田は横柄になった。
彼は結構なゲス野郎なのだ。口論した友人の目玉を潰す程度には。ヒデノリは面倒なので相手に合わせることにした。
まあ実際、1999年に高3だった間田と、2009年だか2012年だかに高2のヒデノリでは、随分な年の差があるのだが。
「しかし、君が『親』だってことはわかったが、おれの方が年上だろ? じゃあ、おれも親なのかなあー」
「わかんないっすね。年齢とは無関係に役割り振ってるのかも知れないし……」
「まあいいや、おれが親でも子でもいいから、一緒に行動しようぜ。仲間がいた方がいいって」
それは否定できない。ただ間田もヒデノリも、戦闘能力は期待できない。
ヒデノリの支給品のひとつは剣呑な『鉈』だったが、もう一つは駄菓子『うまい棒』。間田の支給品はないという。
親と子の違い、ということか。現地調達でしのぎ、鬼と出会ったら必死こいて逃げるしかなかろう。
「でさ、ヒデノリくん。おれ『学校』に行きたいんだよ。親や子が逃げ込んでたり、いろいろ便利な道具もあるかもだしさ」
「学校、ですか。いいアイデアですが、どこにあるんですかね。このへんの地図看板は破壊されてましたし」
「フッフッフッ、鋭く見なよ! 地図はなくても『標識』を辿りゃあいいんだよ。この近くに『鎌石小中学校』ってのがあるらしい」
「なるほど、さすがッスね間田先輩!」
「な、おれは冴えてるだろ。ラッキーもある。それに……」
それに『スタンド能力』もある、と言おうとして、間田は言い止めた。
味方とはいえ奥の手を晒してしまうのは、マズイかも知れない。第一、クロッキー人形がなければ発動できない。
「それに?」
「……ルックスもイケメンだろ? アハ、ハハハ」
-
【チーム・根暗&メガネ】
【D-06(鎌石小中学校付近の民家)/00時22分】
【ヒデノリ@男子高校生の日常】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:真田北高制服(ブレザーの冬服、上着なし)、鉈@ひぐらしのなく頃に、うまい棒@支給品、フライパン(民家から拝借)
[道具]:デイパック、医薬品少々
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:腹具合は治った気がする。
2:学校へ向かい、仲間や使えそうな道具を探す。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。各役の人数と会場の地図は未把握。
親が帰還するためには「子を減らす」必要がある可能性には気づいていない。
親はある程度の情報を与えられてパラシュートで投下され、子は説明なしに迷い込むらしいことを把握。
【間田敏和@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:不明支給品(上着のポケットの中にあるが、まだ気づいていない)
[道具]:『サーフィス』(スタンド能力、発動には『等身大クロッキー人形』が必要)
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい。
1:『サーフィス』に使えそうな人形を探すため、学校へ向かう。
2:スタンド能力のことはとりあえず秘密。
※その他
ヒデノリと情報を共有し、各役の勝利条件・制限時間を把握。各役の人数と会場の地図は未把握。自分の役を子だと推測。
実は16歳以上なので、レギュレーション違反に気づいた管理者から追手がかかっている。そのうち殺しに来るかも知れない。
身長が異常に小さく見えるのは漫画上の誇張であり、実際は165cm。なんかオーラ的に小さく見えるのかも。
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投下終了です。
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椎名翼、マニッシュ・ボーイ、賈クを書きます。
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投下します。
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「……ッ!」
おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ。森の中に響き渡る声。
「赤ん坊……だと……!?」
少年、『椎名翼』はそれを聞き、発見し、立ち竦んで青褪める。
この鬼ごっこを開催した連中は、マジで外道の人でなしだ。本物の鬼だ。
子が小中学生ならわかる。まさか、這い這いでしか動けないであろう赤ん坊まで『子』にするとは。
肌の色は褐色で、目鼻立ちからは日本人ではない。アラブとかインドとか、そのへんの顔立ちだ。
どうする。さすがに人間として、見捨てるわけにはいかない。ほおっておけば確実に死ぬ。
『式札』とやらの説明書を見る限り、この鬼ごっこはただごとではない。殺し合いか、それに類するものだ。
赤い空、謎の霧、漂う妖気、パラシュート投下される人間、破壊された地図看板。この赤ん坊を放置など出来ない。
だが、どうする。赤ん坊は何も出来ないどころか、泣き喚くだけだ。連れ歩けば鬼に自分の位置を知らせるにも等しい。
食事や排泄の世話だって必要だろう。年齢によってはまだ母乳が必要だ。何の役にも……。
「ほっとけるかよ!」
◆
ようやく人が通りかかった。耳を澄まし、精神を研ぎ澄ます。
おれのスタンド『死神(デス)13』は、夢の中では無敵なぶん、現実世界では役には立たないが……、
人間の精神に多少働きかけることはできる。催眠術ってやつだ。乳母にできそうな女を泣き声で誘って世話させたり。
他人がどーなろーと知ったこっちゃあねーが、おれはまだ赤ん坊。移動やメシやクソの世話してくれるやつがいねーと困るんだ。
鬼なら殺気を放ってるだろう。親か子にもヤバい奴がいる可能性はあるが――――
この気配と足音の軽さは、そうじゃあない。普通のガキだ。スタンド使いでもなさそうだ。
できれば女がいいが、こんな状況下で贅沢は言えない。拾ってくれれば恩返しをしてやらなくもないぜ。それ、今だ。
「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ……」
-
◆
「それで、赤ん坊を拾って来たと申すか」
「文句あるかよ、爺さん。ほっとけねえだろ」
俺が潜んでいた民家へ飛び込んで来たのは、冠礼(元服)を迎えたかどうかという少年(わっぱ)と、赤ん坊。
どちらも『子』の役に違いない。しかし少年はともかく、赤ん坊は足手まといどころか……。
「だいたい、『賈ク』だ? 三国志の武将じゃねえか! コスプレまでして気合入ってんな!」
「三国志? こすぷれ? いや、俺は武将というか、今は漢の太中大夫という官にな……」
「知るか! とにかく、あんたはここじゃ親の役なんだろ? 子を大事に護りやがれ!」
「むう……」
子は枝葉。子は親を生むことはできぬ。危急迫れば、子は親のために死ぬべし。
儒者はそう説く。儒者嫌いの漢の高祖も我が子を馬車から投げ捨てて逃げたという。あの劉備めもそうしおった。
さりとて、俺も人。現世におる子や孫と我が身と、どちらが可愛いかと申せば……我が身を捨て、子を活かすやも知れぬ。
親は新たに子を儲けることもできようが、死んだ子は帰らぬ。子孫が絶えれば、親や先祖を祀る者がおらぬではないか。
それに父母と子に先立たれた孔子が、子は親のために死ねなどと申したであろうか。
まあ、この場に俺の子や孫はおらぬだろう。この翼とかいう少年や赤子も、別に俺の血を引くわけではない。
仁愛、惻隠の情というものはあるにせよ、いざとなれば見捨てて逃げても、俺の心はさして傷まぬ。
今のところはこの少年と手を組むとして、赤子は誰ぞに担わせてしまおう。
-
◆
親役にはそれなりに情報が与えられている。
翼は(マニッシュ・ボーイも)賈クと情報を共有し、各役の勝利条件と制限時間を把握した。
どの役が何人いるのかと、この場所の地理は不明なままだ。
親と子の勝利条件が違うのは気にかかるが、誰だろうと死なせるのはいやだ。
いざとなれば鬼の本拠地へ攻め込んで、この『鬼ごっこ』をぶっ潰す。翼はそう語り、賈クもとりあえず頷いた。
賈クは民家の箪笥を漁り、目立ちにくく動きやすそうな作務衣に着替えながら思う。
翼には、なかなかの才覚がある。身のこなしもよく、弁も立つ。特に、人を率いる才だ。
ちと苛烈で毒舌ゆえ、人によっては嫌われもしようが。いや、我が主君ほどではなかろうが。
ともかく、人数と情報が足りぬ。まずは有能な親や子を集め、鬼に対抗するべし。
加えて鬼の方の情報も集めねばならぬ。ならば、鬼を捕まえる策が必要か。
ふと、赤子の方に目線をやる。幸いに今のところ泣き喚いたりはせぬが……。
気のせいか、口の中に牙が見えた気もする。よもや?
「……翼よ。もしその赤子が『鬼』だとすれば、どうする」
「さあ。鬼だとしても、なんにも出来ねえだろ」
「さてのう。赤子の姿に変化し、我らを襲って食い殺す算段やも知れぬぞ」
「疑心暗鬼を生ず、って言うぜ、爺さん。それならとっくに襲って来てるさ」
「ふん。どうにせよ、我らで赤子の世話は難しいな。誰ぞ女がおればよいが……」
◆
や……ヤバイッ! あのじじい、オレを『鬼』じゃあねーかと疑いはじめやがったッ!
チクショーッ、この『牙』は生まれつきだが、別に鬼のしるしじゃあねーッ!
だいたい、ろくに動けねー赤ん坊のオレに、鬼ごっこの鬼役なんかできるかボケッ!
(説明がねーからオレでも役がワカンネーけどよ――ッ)
……いや、待てよ。オレがこいつらに危害を加える存在じゃあないんなら、別に正体を隠す必要はねえんじゃあねーか?
知能の高い、寝てる奴らには無敵で(鬼が寝るかどーかはともかく)催眠術も使える、強力な味方だとアピールすりゃあ……!
だ、だが、どうやって!? オレはまだ生後イレブンマンスだ、喋れねーぞッ! それとも文字を書くか?
誰か寝てる奴がいれば、オレの正体や能力をしっかりと明かせるんだが……!
-
【チーム・疑心暗鬼】
【I-06(民家)/00時25分】
【椎名翼@ホイッスル!】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:サッカーバッグ(水筒や包帯入り)、サッカーボール
[道具]:式札、財布(小遣い若干)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。主催者を殴れたら殴る。子や親の犠牲はなるべく出したくない。
1:多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。民家から使えそうなものを持ち出す。
2:この赤ん坊は流石にほっておけない。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
賈クのことは(日本語も通じるし)ただの変なじじいと思っている。
【マニッシュボーイ@ジョジョの奇妙な冒険】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:死神13
[道具]:式札(オムツの中)
[思考・行動]
基本方針:生き残る。普通の赤ん坊のように振る舞い、自分を保護させる。
1:じじいに怪しまれている、ヤバイ!
2:……いや、むしろオレの正体を伝えりゃあいいんじゃあねーか? でも、どうやって?
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を鬼か子(たぶん子)であると推測。
【賈ク@蒼天航路】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:作務衣(民家から拝借)、直剣(私物)
[道具]:デイパック(確認済みの不明支給品2、漢服)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。他人が死のうと、最終的に自分が生き残ればそれでよい。
1:多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。場合によっては鬼や主催者とも交渉する。
2:民家から使えそうなものを持ち出す。
3:この赤子、もしや?
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。
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投下終了です。
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皆様投下乙です。
主催者のミスやちょっとした身体的特徴が参加者の明日を大きく左右するのはこの企画ならではと思います。
バトロワは善人でも悪党として振る舞うと有利になりがちですが、この鬼ごっこは時として悪人でも善良に振る舞うことが有利となります。
それでは投下します。
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乏しい光源も遮られ真っ暗という言葉が相応しい森の中、青いつなぎに身を包んだいい男が一人歩く。足下はなだらかであるものの傾斜していて、しかし息の一つも切らさずに歩き続ける。彼が目指すのは、間近に見えてきた山頂。幸運にも木にパラシュートが引っ掛かるようなことはなかったものの見知らぬ森の中に落とされ、頭に鬼ごっこと共に遭難の危険性が過ぎっていたところに見つけたその唯一の目印目指して、男は歩みを止めることなかったが――一瞬、足を踏み出すことを躊躇った。
「洞窟……違うな、トンネルか。」
彼が見つけたのは、山腹(といっても小島の盆地にある小山のため大した標高ではないが)にぽっかり開いたトンネルであった。森の中には道路などないが、そこだけは明らかに人の手が入っていることがわかる。だから、男は僅かに戸惑った。その不釣り合いな存在は警戒心を男に持たせるには充分なものであった。
「文字通り、鬼が出るか蛇が出るかってな。」
しかし、男は止まらなかった。直ぐに歩くスピードを戻し、それどころか真っ直ぐにトンネルへと向かう。この男、元来命知らずなのである。蛮勇とも呼べるそのクソ度胸でずんずんずかずかと奥へ踏み入り、そして目にしたのは。
「桜ケ島ショッピングモール?」
入り口と思しき自動ドアに書かれた文字を見て、男――阿部高和は素っ頓狂な声を上げた。
「ずいぶん手のこんだことしやがるぜ。無人島ってわけでも無さそうな場所でこんなもん持たせて鬼ごっこさせるとはな。」
自販機で買ったスポーツドリンクを長椅子に座りながら飲みつつ、阿部はデイパックを検めていた。ここは桜ケ島ショッピングモールの一階入り口付近、目の前にはいかにもな商業施設が広がっている。久々の明かりに目を瞬かせながら、そこへと足を踏み入れる前に支給品を調べることとしたのだ。
出てきたのは、二丁の拳銃であった。説明書も何もないのでそれ以上のことはせいぜいハンドガンということぐらいしかわからないが、改めて自分が危険な領域へと踏み込んでしまったことを実感させるには申し分の無いものであり、護身ということを考えれば過ぎたものである。
ペットボトルを呷る。再び水を飲むと、阿部は目の前にある店内地図を見た。どうやら地下一階地上五階の六階建ての建物らしい。地上に建物なんか無かっただろ、と不審に思うが、自分が置かれてる状況に比べれば些細なことなので流す。その目はそんな些事より別のところに向いていた。
五階にあるとされるアミューズメントエリア。そこにはゲームセンターらしきものがあるらしい。まるで鬼ごっこには似つかないものであるが……
「子どもが行きそうな場所だな。」
知らず力がこもりペットボトルを圧し潰す。吹き出た液体がベタベタと口中を洗う感触も忘れて、阿部はペットボトルをゴミ箱へ投げ捨てると立ち上がった。
山頂の地下というありえない場所に作られたショッピングモールに子どもが行きそうな場所。どうにも、悪意が感じられて仕方がない。
だが阿部はそこに行くことの危険性も理解していた。直感的に、そこには罠があると感じている。第一、子が行きそうということは鬼も行きそうということだろう。もしかしたら自分と同じように銃を持っているかもしれない。そうなれば銃など使ったことのない自分には勝ち目は薄い。それに阿部自身人を殺す気などない。救急車も病院も期待できないであろうこの場所で、銃という武器はほいほい使えるものではないのだ。故にまずは武器として使えそうなものを探すことも考えた。しかし。
「このままじゃさ、収まりがつかないんだよ。」
男は度胸。阿部の決断は早かった。
銃をつなぎの中へと隠すとエレベーターに行き、上へのボタンを押す。扉が開くと乗り込み、押したのは五階のボタン。速攻で保護へと向かう。子どもを保護すべきという道徳心と、それを遥かに上回る主催者への憤りが、阿部に危険な道を歩ませていた。
万が一にも子どもがいないことを祈りながら、阿部は暫し無言で待つ。十数秒ほどして扉は開かれた。
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(あっ……これは……死んだな。)
桜井悠が扉を開けた先にいたのは、顔に紙袋を被った怪人だった。ちょうど目の位置には2つの穴が空き、そこからは目と思われる光がこちらを覗いている。首から下はスーツ姿で、性別は不明だが、悠には映画に出てくるスパイのように思えた。
「あの……鬼、ですか……」
「……そうだ、と言ったら。」
「……あの、引き分けにしません?」
「……」
「ほら!出会って数秒で捕まえるとかどうかと思いません僕は思いますやめましょうよ鬼ごっこなんて鬼ごっこなんて馬鹿らしいですよなんで鬼ごっこなんてする必要があるんですか、ね!!」
悠は今までの人生で過去なかったほどに捲し立てながら命乞いをしていた。前回は親友達と行動を共にしていて鬼と一対一など無かったが、今回は開始早々でこれだ。逃げようにも逃げ場は映画館しかなく、逃げ込む前に捕まってしまうだろう。だからできることはこれしかない。
二人の間に沈黙が流れる。たっぷり一分はかかった後、怪人は両手を挙げた。降参のポーズだ。
「僕はL、探偵だ。この鬼ごっこには乗ってないよ。」
Lと名乗った怪人、夜神月は、出会った少年に映画館のシートに座り自己紹介をした。
自分はある事件を追う探偵であり、その最中仲間に裏切られ、銃で撃たれ、気がついたらここにいたと。その説明には嘘も含まれているが大筋は本当であり、一部に本物のLのことをモデルにして話しているため嘘と見抜くことは難しい。顔と名前を明かさないのも捜査に支障を出さないためと言ううとで誤魔化した。実際この事はキラを追う刑事達が行っていたことであるためもし突っ込まれたとしても言いくるめる自信はあったのだが、それは杞憂であった。それよりも月と少年が互いに不審に思ったのは、それぞれの常識の齟齬である。
「桜ヶ島……聞いたことがないな。それに君の話だと、僕が撃たれてから数年経っていることになる。」
「桜テレビなんてテレビ局聞いたこと無いです。あと、アマネミサ?って言う人も。」
月がデスノートを手に入れた頃に産まれたという少年は、月の知らない時代の日本について語った。だがそれはある程度時代にズレがあったとしても大きすぎる解離があった。
(どういうことだ、キラの裁きについて何も知らないのか?)
その最大の点が、少年がキラについて何も知らないということだ、言ってはなんだが、キラは21世紀で最も有名な存在である。そのキラについて全く知らないなど、いくら小学生でもありえるのだろうか。
そして少年もLこと月について困惑していた。風貌からして怪しいが、この男は少なくとも数年間分の記憶喪失のようだ。でないと時間のズレが説明がつかない。鬼も大概訳がわからないが、目の前の人間らしき人も良くわからなかった。
「お互いわからないことが多いな。もし君が良ければ、僕の捜査に協力してくれないか?」
「僕が……ですか?」
「ああ。君の話した鬼ごっこだったっけ?それとこの拉致にはなにか関連があるかもしれない。それに僕にはこれがある。」
月はそう言いながら懐を見せた。そこには刑事が使うような銃が一つあるのが見えた。
「保護する、と言いたいところだが、その鬼とやらに銃がきくかはわからないんで協力という形になるけど……どうする?」
「……えっと、分かりました。お願いします。」
「良く言ってくれた、感謝するよ。あー……なんと呼べば良いかな?偽名で構わないんで教えてほしい。」
「じゃあUって呼んでください。アルファベットのUです。」
「よし、U。早速行こうか。」
月はそう言って立ち上がる。このゲームの鍵となる人材か計算する目を、Uこと桜井悠に向けながら。
-
エレベータのドアが開く。いい男が出てくる。そして少し距離のあるドアから、紙袋を被った男と子供がシアターから出てくる。
(どっちも大人か……)
それらを見ながら目をギラつかせる人形――『ひとがた』ではなく『にんぎょう』――が一体。映画館のカウンターに装飾のように鎮座することでその身をカモフラージュしているのは、この鬼ごっこで最も小さな『鬼』、チャッキーだ。
じい、と男達を見ながらチャッキーは考える。彼としては、他の鬼と進んで戦う気は全く無い。そんなことをしても自分の生き返りには全く関係が無いからだ。だが困ったことに誰が鬼なのかわからない。支給品のスマートフォンが使えるのはあと30分以上あり、それがどれだけ役に立つかも不透明だ。そして24時間中の1時間を無駄にするというのも地味に痛い。
(青いつなぎのアジア系に紙袋被った変態か……紙袋?)
品定めしていた人形の目が紙袋の怪人――月にとまる。その紙袋は、自分の支給品が入れられていたものと同じであることにチャッキーは気づいた。この紙袋はこのショッピングモールのものらしいが、あれが鬼に共通して配られているものであれば――
(はははははは!いいぜいいぜ、運が向いてきた!)
チャッキーは声を出さないよう努めて嗤う。その顔の口角が上がっていることに気付く者はいない。心中で舌なめずりしながら、殺人鬼は一人の少年をニマニマと見ていた。
【F-05/00時26分】
【阿部高和@くそみそテクニック】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:青いツナギ、ベレッタM92F@魔法少女まどか☆マギカ、ベレッタM92F@バトル・ロワイアル
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:親と子を探す
1:まずは親と子を探そう、出来れば男がいい
2:ノンケだって食っちまう…場合じゃないな
※原作終了後からの参戦です
※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握してます
【桜井悠@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『水晶』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:死にたくない。
1:L(夜神月)と一緒に行動する。
2:幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【夜神月@DEATH NOTE】
[役]:鬼
[状態]:紙袋を頭に被っている
[装備]:ソード・カトラス@BLACK LAGOON
[道具]:デスノート@DEATH NOTE・スマートフォン(鬼)@オリジナル・ノートとペン@現地調達の入った四次元っぽい紙袋
[思考・行動]
基本方針:まずデスノートの真贋を確かめる。
1:Lとして振る舞い、U(桜井悠)と鬼ごっこについて調べる。
2:鬼を含んだ他の参加者でノートを試す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
※四次元っぽい紙袋は効果を失いました。
※桜井悠の顔を把握しました。
※【ソード・カトラス@BLACK LAGOON】
ヒロイン・レヴィの使う二丁拳銃。これ一つで一枠。銃身の延長等の改造が施されており、取り回しは悪いが集弾性等が向上している。
【チャッキー@チャイルドプレイシリーズ】
[役]:鬼
[状態]:健康、グッドガイ人形の体(新品)
[装備]:ナイフ
[道具]:四次元っぽい紙袋、スマートフォン(鬼)@オリジナル、不明支給品一つ(確認済み)
[思考・行動]
基本方針:子か親の前では人形のふりをして様子見、可能なら不意打ちで殺害する。別に殺さなくても良いらしいが殺した方が手っ取り早い
1:支給品の反撃を食らわないように警戒。話が通じるなら他の鬼と組むことも考慮する。
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投下終了です。
これにて72人中35人が本編で行動を始め約半周りしました。
未だ20名程の登場話が未収録ですが順次収録していきたく思います。
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あと三日月・オーガスとかばんちゃんで書きます。
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投下します。
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事故と聞いて多くの人が頭に浮かべるイメージは、交通事故だろう。
クラッシュした自動車、玉突き事故でひしゃげたトラック、横転したバス。
あるいはネギトロめいた死体を生産する電車やピトー管がイカれて墜落する飛行機、氷山にぶつかり真っ二つになって沈没する船舶か。
だが事故というのは、交通事故だけではない。
本当の危険は家の中、安心と油断が同居する家庭内にある。その死者数は日本では交通事故を上回り第一位、つまり事故の王である。
風呂場での溺死や誤飲・誤嚥による窒息死――そして転倒・転落死。
日常でも毎日のようで起こっているそれが起こるかは、そこが恐怖と混乱の舞台ならば、言わずもがな、だ。
「うそっ、なん――」
言い終わるより早く落ちていく。踏み出した階段は突然その抵抗を無くし重量を支えることを放棄し自由落下し、彼女はそれに付き合わざるを得ない。前のめりに倒れた顔面に迫るは階段の角。咄嗟に手すりへと手を伸ばすも、無い。階段に手すりをつける法律なんてないのだ、邪魔と思われればつけられることはない。古い家で階段が急だとかそういうのは関係なく、とにかく無いったら無い。では手を階段に、しかしつくための場所は崩れてない。顔面に迫る段も同じく崩れる可能性がある上角度が難しい。腕の可動範囲で届くは壁。しかしこれは速度を殺しきれない。それでも彼女は片手を段に片手を壁にやり、強引に膂力でバランスを反転させることに成功する。類まれなる身体能力だ。それにより前のめりに倒れるはずが直立し、後ろのめりになった。
「っ!!」
気づいたときには、彼女の視界に映るは階段ではなく天井。それがバク転するときのように顎下へと流れる。つまり不安定な階段の上でバク宙するハメになったということだ。前に倒れるならば顔の強打が精々だったところが一転して命の危機。しかも今度は、手をつく場所などない。彼女はギュッと目をつむるとやがてくる衝撃とダメージを少しでも和らげるべくかばんから落ちるように背中を丸めて。
「大丈夫?」
「……あれ?」
自分が誰かに抱きかかえられていることに何度か目を開けて閉じてを繰り返したあと気づいた。
「――というわけで、近くにある建物を調べようと中に入ったら、階段が抜けて……」
「だいたいわかった。」
場所はF-06の北にある民家の、一階にあるリビング。先程階段が壊れた建物。かばんちゃんことかばんは自分を咄嗟に助けてくれたヒト――らしき人に感謝の思いと自分の身の上を話していた。
ろっじを後にサーバル達とバスに乗っていたところ、気がつけばベンチに腰掛けていたこと。そのベンチがある建物を調べるも、誰かいた形跡はあるもののはぐれた友達は見つからなかったこと。ならばと近くにある他の建物も調べようとして、さっきのことが起きたことなどなど。
「さっきは本当にありがとうございました。」
「いいよ、別に。それで、あんたが知ってることは全部喋った?」
「はい。すみません、あんまり役に立つようなこと言えなくて。」
「……とりあえず、充分かな。」
かばんは改めて感謝を述べる。それに対して返事はそっけない。なんとも思っていないような口ぶりだ。堂々とした人なんだなあ、とかばんは思った。
そういえば、とかばんは助けてくれた人の手に目をやる。いつの間にか片手に紙袋、片手にスコップを持っている。紙袋の方はよくわからない人形と機械が入っていたと話している間に見せてもらった。初めて見るものでかばんがわからないと述べたときも無表情だった。いつの間にか持っていたスコップの方は地面を掘るものだろう。こちらはわかる。ということはもしかしたらその時にこのヒトもここに迷い込んでしまったのか、などと考えて。
「あの……そういえば、あなたの名前は?」
自分が相手の名前を知らないことにようやく気づいた。
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(めんどくさいな。)
名前を聞かれて、三日月・オーガスことミカは真上に振り上げようとしていたスコップの動きを止める。これから殺そうとしている相手に名乗る必要など無いが、名乗らないのも不自然だ。では無視して予定通りスコップで撲殺するか?それはさっきの反応を見ればリスクが大きい。そしてこうして迷っているうちに奇襲するタイミングを逸してしまった。どうするか。
「三日月・オーガス。」
どうせ殺すのだ、名前を教えても問題ないだろう。そう判断して名乗る。かばんが改めて挨拶してくるのを聞きながらミカはどう殺すかのプランの再設計を始めた。
そもそも、かばんが踏み抜いた階段はミカがトラップとして壊しておいたものだ。
北の展望台を当座の目印に歩いていたところで見つけたこの建物を調べているさなかに捉えた人影。周囲を警戒してはいるものの無防備なその姿から子と判断する。しかし銃も無い今、直接接触するのはリスクが大きい。そこで老朽化していた階段を外れ易くするトラップをしかけ、相手の力量を判断することとしたのだ。
明かりを点けてトラップに気づけばまあ一般人、接触することも考える。
点けているのに気づかずコケるようであればどうしようもない無能、殺す。
明かりを点けずに気づけば勘の鋭い人間、接触はしない。
点けずにコケれば、大なり小なりダメージを負っているはず、介抱にかこつけ接触する。
そんな風に考え人影が階段下に来たタイミングを図り、二階から一階へと裏取りしてどう対応するのかを見ていたのだ。
そして結果は点けずにコケてバク宙して怪我を避けるも死にかけていた。
なにがなんだかわからなかった。
(反応と筋力が凄い。気をつけないと。)
咄嗟に助けてしまったが、こいつにはあの時死んでおいてもらったほうが良かったかもしれないとミカは思う。見たところ注意して歩いていたものの重心は前に傾いていた。そのため当然顔から階段にぶつかると思っていたのだが、良い反応で重心を戻し、しかし後ろに行き過ぎて後方に倒れるという、判断に困るコケ方をしてくれた。温室育ちにも修羅場を潜っているようにも感じる彼女の人となりと合わせて、ミカが見たことのないタイプの人間であった。
スコップを弄びながら考える。聞きたいことは聞いた。この紙袋についても知らないらしいし、そもそもギャラルホルンや鉄華団のことも全く知らない素振りであった。聞くところによると、彼女もストリートチルドレンなのだろう。鬼ごっこについても何も知らないであろうことが察せられる身の上話だったし、彼女の利用価値は低い。
殺すか。殺せるのか。連れて行くのか。連れて行けるのか。
「ミカヅキオーガスさん、良かったら、僕と一緒に――」
話し掛けてくるかばんの声。手に握るスコップが返す熱さ。
ミカは一歩前に踏み出して――
【F-06/00時45分】
【かばん@けものフレンズ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:かばん、帽子
[道具]:未確認(背負っているかばんの中)
[思考・行動]
基本方針:誰かいないか探す。ここが何なのか調べる。
1:ミカヅキオーガスさんと一緒に行動したい。
2:おにごっこってなんだろう。逃げればいいの?
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。現状を理解していないが、知ろうとはしている。
【三日月・オーガス@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ】
[役]:鬼
[状態]:五体満足・阿頼耶識
[装備]:スコップ@現地調達
[道具]:四次元っぽい紙袋(ガンダム・バルバトスルプスレクス@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ・スマートフォン(鬼)@オリジナル・(人形または機械っぽい)不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:とにかく生き残る。
1:かばんに対処する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
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投下終了です。
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殆どの鬼が捕まえるんじゃなくて殺そうとしてて草
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投下します。
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セミOP―蠢く沖木島
飯を食い終わった荒井は事前に地下の食料品売り場から役得で入手していたまるごとバナナを丸かじりしながら資料に目を通していた。わかっているだけでもスタンド使い「間田敏和」が誤って参加しているのだ、他にも不備が無いか再チェックの必要がある。ツノウサギと二人で名簿を確認していき、とりあえず見つからなかったことで今度は支給品を調べていた。その途中で荒井は一つの不可思議な現象に気がついた。支給品のリストの中には地図が二つあった。同一の支給品は特殊支給品を除き原則として支給しないことになっている。わざわざ同じものを支給しても面白くないからだ。なに?ベレッタが何挺もある?全部持ってきた世界が違うからセーフ。しかし地図は違う。沖木島は元からあるとはいえ地図自体はプログラムで使われるものをそのまま流用している。別々のものがあるはずがない。
「……支給品のリストはこれだよな?」
「そうだナ。」
「外観が写真付で載ってるよな?」
「お前の手元見りゃわかんダロ。全部の支給品俺達で写真取ったんダカラ。」
「二つの地図の沖木島の地形が違うんだが。」
「……アレー?」
あるはずがない。
「見間違エダロ……?ソレカ、北ト南間違エテルトカ。」
「明らかに島の地形が違う。」
あるはずが――
「そもそも片方は黄色と黒、もう片方はカラーだ。」
「」
――あっちゃった。
皆さんはご存知であろうか。
沖木島の地図は「二つ」あった!
私はさっき気づいた。なまら焦った。
いわゆる他の「パロロワ」を見たところ沖木島を会場としているものがあったので見てみたら、想像していたのとは別の地図で行われていたのだ!!
「ドウ誤魔化セバイインダ……」
ツノウサギは小さな角の生えた頭を抱えた。
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投下終了です。
そして最初に謝ります、ごめんなさい。
皆さんに重大なお知らせがあります。
この企画では会場はバトロワの沖木島ですが、これまでに投下された話を読み返したところ地図と描写に矛盾のある話が散見されました。
そこで調べましたところ、沖木島の地図は二種類あることが判明しました。
一つは黄色の紙に黒字で右上から左下へ斜めになった楕円の沖木島の地図。
もう一つはカラーで左上から右下へ斜めになった楕円の沖木島の地図です。
私は版権ロワさんでも使われる前者を想定して書いていましたが、どうやらAAAロワさんやモバマスロワさん、葉鍵ロワ3さんなどでは後者が採用されていたようで、沖木島といえばこちらを想像する方も多いようです。
というわけで皆さんにお尋ねします。
A.黄色地図をベースに会場にする
B.カラー地図をベースに会場にする
C.地図を混ぜる
いずれの方針を採用すべきでしょうか?
皆さんの意見を参考に月末には結論を出します。
また当方地図についての知識が不足しておりまして、パロロワで使われる地図について何かご存知の方がいましたらなんでも良いのでご教授いただければ幸いです。
長くなりましたが、今後も絶望鬼ごっこを盛り上げていけるよう頑張っていたいと思います。
改めてよろしくお願いします。
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差異次元か…Dr.ヘルのしわざかな…
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黄色の方が原作版でカラーの方が映画版という説があったりなかったりしてわけがわからないです。
まさか地図が二つあるとは思いもしませんでした。
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これか
黄色地図
ttps://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/abilityrowale/attach/99/10/スキャン沖木島FINAL.jpg
カラー地図
ttp://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/1458/map1.jpg
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>>355へ。その黄色地図は版権異能用にオリジナル施設を足したオリジナル地図です。
正しくはこちらです。
ttps://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/abilityrowale/attach/99/8/%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E6%B2%96%E6%9C%A8%E5%B3%B6new.jpg
細かいことですが、一応。
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Cに一票
面白そうなので
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漫画版では原作(>>356)に準拠しているようです。
一方カラー地図(>>355)はパロロワ事典で紹介されている外部サイトに二種類の地図が確認されました。
この二種類のカラー地図の差異と出典が不明のため、なにか情報をお持ちの方は教えていただければ嬉しいです。
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個人的には>>1がズバッと決めていいと思います。まだ序盤の段階なので描写の違和感も大丈夫でしょう
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>>1が決めていいよ
後、>>339のssを見るとF5に桜ヶ島ショッピングモールがあるけどこれって二巻見てないからわからないけど絶望鬼ごっこの建物でいいかな?
他作品の建物を出してもいいのかな?
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恐らく>>291・>>301がカラー地図のみ、>>297が黄色地図のみ矛盾がないようです。
>>360
>>3に「会場中央にある鬼の牢獄」という記述がありますが、もちろんバトロワの沖木島にはそんなものはないので地図と矛盾しないように絶望鬼ごっこの二巻の舞台から後付しました。
これには主催者側の時系列の都合もあります。
これと同様に後付で建物を出すのは問題ありませんが、地図に書かれてないと不自然な建物などは相応の理由が必要です。
私に地図の製作技術が無いからです。
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重要なお知らせがあります。
>>4の【メタ的なルール】に基づき、本日付で既存の投下された話(以下>>264に基づきAルートと呼称)を全て凍結し、その一部を用いて新たなルート(以下Bルートと呼称)を開始します。
【Bルートについて】
【地図】
このBルートでは>>352で示されている方針Bを採用します。
理由は私が二つの地図を混ぜるという技術がなく、また今月中に地図を手に入れる宛もないこと、私以外の書き手の方にカラー地図に基づいて書かれている方が多いからです。
【Aルートから引き継ぐ話】
Bルートで採用する登場話・本編は、現時点までに投下された以下のキャラが登場した話全てとなります。
鬼
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○三日月・オーガス/○???/○???/○???/○???/○???
親
○買ク/○ヒデノリ/○阿部高和/○川尻しのぶ/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???
子
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○/○/○/○/○
お守り
○野原しんのすけ/○擬宝珠檸檬/○/○/○/○/○/○/○
スマートフォン
○関織子/○/○/○/○/○/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、たえちゃん、犬山まな、桜井リク、間田敏和
【例外規定 特別書き手枠について】
ルート変更に伴う混乱の緩和の為、期限付きで地図と矛盾する登場話であってもその登場話に基づいて本編に登場できる『特別書き手枠』を設けます。
2018年7月14日までに以下のキャラの本編が投下された場合、登場話と描写・場所・状態表などに矛盾があったとしても、登場話と共に【Aルートから引き継ぐ話】と同じ扱いで採用します。
対象は以下のキャラです。
鬼 5名
○Dr.ヘル/○アーチャー・インフェルノ(巴御前)/○ギーグ/○堕鬼(妓夫太郎)/○アルシア
親 12名
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○風見雄二/○キング/○リク・ドーラ/○稗田礼二郎/○ウェカピポの妹の夫/○江ノ島盾子○村田幸雄/○小笠原祥太/○アリス・カータレット/○河島龍之介
子 15名
○円谷光彦/○プルツー/○白玉みかん/○大場大翔/○跡部景吾/○ターニャ・デグレチャフ/○竜宮レナ/○中沢/○綾波レイ/○豊穣礼佑/○吉永双葉/○君原姫乃/○因幡月夜/○織田敏憲/○桐山和雄/○胡桃沢=サタニキア=マクドウェル/○名波翠
【登場話の募集について】
この企画では登場話の投下は常に受け入れていますが、Bルート新設を期に現ルートで採用される登場話の条件が変更されました。
当時投下に関するルールは以下のとおりです。
●参加者の初登場話は原則その参加者一人のみをssに登場させるものとする。また状態表のその他欄で人物解説を行う。
●Bルートでは、本スレ>>355で示されている地図に基づいた登場話を採用する。
【要点】
●AルートからBルートにルートが変更された。
●地図が明らかになった。
●基本的にAルートの時の名簿を流用する。
●期限付きで矛盾する話を投下してもOK。
今回は混乱を招き申し訳ありませんでした。
そして様々な意見をいただきありがたく思います。
皆さんのご意見に必ずしも沿う形では無いかもしれないとは思いますが、既存の投下話との矛盾の少なそうな対処を考えた結果、カラー地図の採用と新ルートの開設という結果に行き着きました。
今後も絶望鬼ごっこパロディを楽しんでいただければ幸いです。
改めてよろしくお願いします。
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大場大翔、オルガ・イツカ、水泳部の田所、円谷光彦、プルツーで書きます。
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狛枝凪斗、綾波レイを予約します。
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大場大翔、オルガ・イツカ、水泳部の田所、円谷光彦、プルツーを投下します。
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突き刺さる小石や小枝をおっなびっくり避けながら歩く足の裏は土で黒く汚れ、地雷原を歩くように進むスピードは遅い。
「っ!服よりまず靴だな……」
B-02。この島で五本の指に入る険しい断崖があるそのエリアは、大半を雑草混じりの荒れ地が占める。全裸ということは当然素足であるプルツーは、辟易しながら行軍を続けていた。一歩一歩慎重に歩かなくてはならず、鬼ごっこがどうこうの前に疲労を覚えてきている。正直なところ休みたい。しかし、彼女が足を止めることはない。別にどっかの鉄華団の団長命令が下ったわけではなく、彼女には明確な目的地があるからだ。
この鬼ごっこでは、『子』の役の参加者は会場にランダムに配置されるのに対し、『親』の役の参加者は飛行機から落下傘で降下されることとなっている。つまり、『親』の初期位置は特定しやすい。特に空を見上げ自分からほど近い場所に落ちてくる『親』を『子』が見た場合、その位置は容易にあたりをつけられる。明かりが乏しく土地勘も無い『子』にとっては、近くに運良く建物を見つけない限りそれぐらいしか目印になるものがないのだ。そしてプルツーは空から落ちてくる落下傘を見つけ近くに建物を見つけられなかった幸運にして不運な『子』の一人であった。
(また『臭った』。なんだ、この『臭い』は。)
そしてもう一つ、彼女には目印となるものがあった。彼女のニュータイプの鋭い感受性が、確かに『なんだなよくわからないけど臭いもの』を捉えていたのだ。
地獄に満ちる負のエネルギーには多少慣れてきたとはいえ、全裸の行進と同等のストレスを彼女に与えている。しかしその中でもプルツーは確かに感じ取っていた。戦場の憎悪とも今自分が感じているのとも違う、野獣のような『臭み』を。騒音に満ちた場所でも聞こえる誰かの喘ぎのような、なにかを。
足下の感触が次第に下草を踏むものから荒れ地を踏む頻度が高くなっていっていることに恨めしそうな目で地面を見ながら、プルツーは考える。自分は着実に落下傘にも『臭い』の元にも近づいている。飛行機と落下傘という組み合わせを考えるに、落下物は人間か物資か、あるいは両方であろう。人間も落とされている場合リスクもあるのだが、プルツーとしては接触するに他ない。とにかく、服と靴だ。裸はキツい。足が痛い。ハンパなく。状況の解明より何よりまず衣食住の衣を満たす必要があるのだ。故にプルツーは荒れ地を進んでいき。
「そこのお前、所属は。」
「わぁっ!」
小岩の平らな部分に気を使って跳躍すると、岩影に隠れていた男児の上をとり誰何する。倒れ込みながら小さく悲鳴を上げたところに再び跳躍しマウントポジションをとると腕を捻り上げた。
「うぅ……身ぐるみを剥がされるってこういうことなんですね……」
「殴るぞ。あとこっち見るな。」
「見ませんし服も貸しますよ……女の子を裸で放っとけませんし。」
「嘘つけ絶対見てたぞ。」
「なんで見る必要があるんですか。」
数分後、靴とズボンと上着を取られ、靴下ともっさりとしたブリーフのみとなった男児、円谷光彦の姿がそこにあった。
初期位置のすぐ近くで落下傘を見つけた彼は、そこに日本刀を持った臭そうな男がいることに気づき、男が海岸線の物陰を伝いながら立ち去るのを距離をとって追っていたのだ。しかしそこでプルツーの接近に気づき、息を潜めるも、彼女はニュータイプ特有の勘の鋭さで自分をねっとりと見ていた光彦の視線に気づき、あっさり居場所を探り当てて今の状況である。
「で、光彦だったか。お前も気づいたらここにいたんだな。」
「はい、えっと……」
「……プルツーだ。」
不機嫌そうに名乗るプルツーに、光彦は改めて自分がここに来るまでのことを話した。といってもこの数分服を毟られていた時に尋問によって話させられたこととほとんど一緒のことだ。つまり、「気づいたらこの見知らぬ場所にいた」ということだけである。その境遇はプルツーも同様であり、わかったことは自分と同じように拉致られたらしい子供が他にもいたということぐらいだ。
-
「あ、そういえばいつの間にかズボンのポケットにお守りが入ってたんです。一緒に付いてた紙に書いてある文章からするとこの状況に関係あるかもしれません。」
「お守り……?これか……『生きている参加者一人を対象に選んで発動する。対象が『鬼』だった場合、お守りを対象にぶつけると対象は死亡する。使用後自壊する。』……武器か?」
「中身を見た限りただのお守りだと思うんですが……その、チラシの内容も考えると、イタズラというよりかは何かのゲームのアイテムのような気が……」
「ICチップか何か入ってるんだろう。人間の皮膚にも同じものを埋め込んで鬼かそうじゃないかを区別している……とか?」
「うーん、手術された記憶は無いですが。でもここに来た記憶もないですし……」
「小さなものなら大きめの注射器で埋め込むことは可能だ。第一、こんなことをできる相手だからな。」
「確かに。となると、それで監視されている可能性もありますね……」
一つ理解が進展である(些か勘違いはあるが)。
その後も二人は赤い空や海上の霧について一通りわけがわからないという認識を共有すると、話はここに来てからのことに移る。その中で光彦が臭い男を追跡していたという話になると、プルツーはその男について聞き出した。
光彦が言うところによると、男は色黒で中肉中背。そしてブリーフ一丁とのことだ(自分の格好を考えてなんとなくプルツーは嫌な顔をした)。またその顔はインテル長友やコカコーラ北島、正岡子規に似ているとのことだが、どれもプルツーにはピンとこない。より聞き出すと出てきたのは、加のからすれば旧世紀の時代の話。そこで初めてプルツーは、目の前の男児が宇宙世紀の人間ではないことに気がついた。
「一年戦争もグリプス戦役も知らないとは……」
「宇宙コロニーと地球の戦争ですか……SFですね。どうやらこれは本当に記憶を操作されているみたいですね。」
「ああ。恐らく、私達のどちらか、あるいは両方が記憶を操作されている。私の知識では、人間を薬物やマインドコントロールで人格を変える技術があることを知っている。」
「そうなると、何が正しいのか自信がなくなってきます。もしかしてこの鬼ごっこは、記憶を操作した子供を集めた実験だったりするのかもしれませんね。」
「……そうだとは言い切れないが、ありえるかも。」
話ながら、プルツーは光彦の聡明さに驚いていた。自分のほうが何歳も年上のはずなのに、ともすれば自分以上に現在自身が置かれている状況について考察をしている。もしや彼はその頭脳を見込まれて実験の対象となったのではなかろうか。
そして自分自身についても考える。思うに、これは演習ではないのか。サンドラにいた自分を拘束することができる人間は限られている。ではその人間達にプルツーを拘束する動機があるかといえば、ある。ニュータイプとして戦場で受けるストレスに対する適応能力を高めるテスト、というのはなかなかに妥当な現状への理由付けだ。
「二人だけで話していてもこれ以上はムダだ。お前の追っていた男を追うぞ。」
「他に手がかりもありませんし、追いましょう。ただ、男の人は――」
「武器を持っているのはわかっている。それでも追うしかないだろう。」
「わ、わかりました。こっちです。まだそんなに遠くには行ってないと思います。」
(それは『臭い』でわかる。)
「それに、男の人が通った跡なら安全なはずです。なにか危ないことがあったりしたら男の人が被害にあってるはずですから。」
(……コイツは敵に回さないようにしよう。)
こうして、二人で男を追う運びとなった。なにせ地図も何もないのだ、男以外に目印どころか人の気配すらない。光彦の持つDBバッジはその周波数の合うものはなく、プルツーのスマートフォンが使えるようになるにはもう少しかかる。ならば道は一つだ。
一人の少年と一人の少女は、男を追いかけ始めた。
-
「何やってんだアイツら……」
「これもうわかんねえな。」
一方そんなプルツーと光彦の一部始終を――つまりプルツーが服を剥ぎ取り光彦と共に歩き始めるまでを――見ていた男達がいた。
一人は他でもない光彦が追っていた男、水泳部の田所。そしてもう一人は、鉄華団団長のオルガ・イツカである。
ではなぜ彼らが行動を共にしているかというと、そもそもの話はプルツーが光彦と出会った数分後に遡った。
「痛いですね、これは痛い……」
プルツーと同じようにほぼ全裸の状態で鬼ごっこに参加させられた田所。彼の歩きは足を踏み出して数歩で止まっていた。原因はプルツーと全く同じ。つまり素足ということである。
田所は水泳部員だ。それは水泳部の田所という名前からして明らかであろう。ゆえに彼は、素足の危険性をよく知っていた。プールサイドで誰かが落としたちょっとした物を踏むだけでなかなかに痛いのだ、森や荒れ地を靴も履かずに歩く勇気は無かった。
「そういやかばんの中に日本刀以外になんか入ってたな。なんでも良いから靴とか出てきてくれよ��。」
ん?今なんでも良いって言ったよね?
「ファッ!?臭スギィ!!」
出てきたのは、非常に臭い革靴であった。これだけ臭ければ履いてる本人は気づかないのだろうか、そう真剣に田所は思う。しかし念願の靴であることには変わりない。幸いサイズも合っている。履くしかないだろう。
「しょうがねぇなぁ……」
アンニュイな表情になりながらもいそいそと履く。このようにして臭そうで実際臭い男が鬼ごっこに誕生した。
ようやく歩き出した田所が目指したのは、自分と同じように落とされたらしいパラシュートだ。遠目からはよくわからなかったが、赤い服を着ていたと思う。その男こそ鉄華団団長オルガ・イツカであり。
「動くな。」
「クゥーン……」
銃を突きつけられた。あっさり見つかったのだ。風上から追いかけたのが失敗だった。
こうして二人が出会ったところで、周囲を改めて索敵したオルガが光彦とプルツーに気がつき今に至る。自分が跡を着けられていた感覚は無かったので、目の前の臭い男を追っていたらしい。オルガは改めて子供たちを見た。女の方は男物のきれいな服装で、男の方はアジア系らしい身奇麗な子供だが靴にブリーフである。もしかしたらブリーフというよりかはスパッツに近いボクサー型のブリーフかもしれないが些細なことなので割愛する。とにかく、彼らの服装を考えると、あの二人がストリートチルドレンという可能性は低い。もちろん距離があるので詳細はわからないが、このことから考えられることは……
「自分の服を貸してやったってとこか。」
極めて簡単なことだ、男が女に服を貸した。オルガは傍らのほぼ全裸の男を見ながら察した。ついでに田所のねっとりとした視線も感じたが、無視した。自分の一張羅を着せてやる義理は無い。こいつらは揃いも揃ってシャワーでも浴びてる時に拉致られたのか?と思った。
さてこうなるとオルガとしては行動を変更する必要がある。なんにせよ自分を着けていた臭い男は不審だ。そしてあの二人。原住民かどうかは不明だが、尋問すれば一応なにかを聞き出せるかもしれない。女連れならそちらを人質にすることも、まあ、考えうる手だ。であれば取る手は一つ。待ち伏せである。
(二人ともこっちに向かって来るな。)
オルガは岩の隙間から確認するとUZIを持ちながら接近を待つ。こちらには機関銃、あちらは文字通り丸腰、遅れを取るとは思わないが、生前の記憶から狙撃されることを警戒し限界まで姿勢を低くする。この訳の分からない状況を打開すべくタイミングをはかる。
(……コイツの臭いでバレたりしないよな?一応風下だが……)
鬼ごっこ開始から三十分、剣呑なる出会いが起ころうとしていた。
「なんだこの臭いっ!?」
そして田所を挟んで光彦達とは真反対の位置にいた少年、大場大翔は、自分の鼻をついた異臭を毒ガスかと思い慌てて息を止めて飛び退いていた。
現在の風向きは光彦→田所→大翔という順であり、光彦に対して風上ということは、大翔に対して風下という状況である。
(よくわからないけど、ここにいちゃマズイ!)
生理的危機感から臭いから距離を取るため動き出す。直感的に、近づいてはろくなことにならない気がしたのだ。
一人の少年はこうして鬼ごっこでの逃走を開始した。
-
【A-02/00時31分】
【プルツー@機動戦士ガンダムZZ】
[役]:子
[状態]:健康、光彦の服と靴を身につけている
[装備]:『スマートフォン(子)』、『お守り』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:生き残る
1:まずは光彦が見つけた臭い男(水泳部の田所)の跡をつける。
2:この鬼ごっこの目的と自分の記憶について考える。
※自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※地獄の雰囲気にのまれてニュータイプの力が若干鈍っていましたが、慣れつつあります。
※この鬼ごっこを記憶を操作された人間に関する実験だと考察しました。
※36話のコールドスリープから目覚めた後の参戦です。
【円谷光彦@名探偵コナン】
[役]:子
[状態]:健康、パンツと靴下のみ
[装備]:なし
[道具]:DBバッジ(現在通信不能)
[思考・行動]
基本方針:出来れば子と合流。
1:生還の為に行動する。子や親らしい相手と合流したい。
2:このゲームは誰が、どのように、何故行ったのかを考える。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※この鬼ごっこを記憶を操作された人間に関する実験だと考察しました。
【水泳部の田所@昏睡レイプ! 野獣と化した先輩】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:睡眠薬(持参)、日本刀、野原ひろしの革靴@クレヨンしんちゃん
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:家に帰る
1:とりあえず赤い服の男(オルガ)から話を聞きたい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【野原ひろしの革靴@クレヨンしんちゃん】
主人公しんのすけの父、ひろしが常用している革靴。臭い。非常に臭い。激臭である。だがそれを除けば単なる革靴である。しかし、臭い。
【オルガ・イツカ@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:UZI@現実
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:とにかく生き残る。
1:子供(プルツーと光彦)を待ち伏せて尋問する。
2:臭い男(水泳部の田所)を警戒。
※その他
自分の役・各役の人数・会場の地図・制限時間は全て未把握。
各役の勝利条件は一応把握。
【大場大翔@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:とにかく人と会う
1:鬼と異臭を警戒。
2:幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
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投下終了です。
一連の混乱がありましたが、この絶望鬼ごっこパロディは大人から子供まで楽しんでいける企画を目指して今後も頑張っていきます。
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wikiに現時点での登場話全てを収録しました。
本編を書く時の参考にどうぞ。
また参加者名簿が更新されました。
鬼
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○三日月・オーガス/○???/○???/○???/○???/○???
親
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○買ク/○ヒデノリ/○阿部高和/○川尻しのぶ/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???
子
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○擬宝珠檸檬/○/○/○/○/○
スマートフォン
○関織子/○プルツー/○/○/○/○/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、たえちゃん、犬山まな、桜井リク、間田敏和
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登場話を投下します。
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「わっけわかんねぇ……鬼ごっこってなんだよ」
B-05にある鎌石村の路上。広がる布の中央部がもぞもぞと動いている。その動きはしばらく円を描いていたもののやがて外縁へと向かい、布の中から一人の少年が這い出て来た。
「ここ、どこだ……?」
頭に浮かぶのは疑問符ばかり。見る者が見れば本当にはてなマークが浮かんでいるのが見て取れる表情でジャック・ラッセルは首をひねった。
桃色豚闘士団(ローズ・コジョン)に所属する騎士。それがジャックだ。騎士になるためのセレクションを(親の七光りで)突破し晴れて騎士になった彼は、つい先日、国王の親書をエルフの王に届けるという任務の最中、自身のミスもあり同僚の少女を殺しかけてしまう。幸い一命は取り留めたものの、予断を許さない状況だ。しかも彼はこの剣で騎士団から除名されている。ようするに失職したてほやほやだ。であるからして、わけのわからない鬼ごっこになど付き合っている時間は無い。
「アイテムが無くなってる。でも装備はそのままか。」
自分の体から剣が取られていないことにほっとしながら、ジャックは今後について考える。ルール説明はほとんど聞いていなかったが、確か自分の役は『「お」なんとか』だった。ということは普通に考えれば『鬼』だろう。そして『鬼』はどこかに『子』を捕まえれば良いらしい。丸一日使って随分暇なことをするものだと思ったが、とにもかくにこうなればやるしかない。文句はさっきルール説明していた奴を見つけたら脛蹴りと共にぶつけてやろう。
「空は赤いし、建物は変だし、トゥトアスのどのへんなんだろ。ま、でも、とにかくやるしかないか。」
「よっしゃ!」と掛け声を一つ発して走り出そうとし、体力を使うのはまずいと思い歩きに変える。しかし歩きでは遅すぎるので、間を取って共保で移動を開始した。目指すはとりあえず近場の建物からだ。
彼は知らなかった。
自分が『鬼』ではなく『親』であること。
自分がくくりつけられていた椅子に支給品があることを。
ここが彼の生まれたトゥトアスではなく地獄であること。
そしてこの鬼ごっこが命がけのものであることを。
【B-05/00時04分】
【ジャック・ラッセル@RADIATA†STORIES】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:アイアンエッジ@RADIATA†STORIES
[道具]:なし。
[思考・行動]
基本方針:なし。
1:とりあえず近場の建物を調べる。
※その他
制限時間を把握、各役の勝利条件は未把握、自分の役は鬼と誤認。
人物解説……RADIATA†STORIESの主人公で16歳。「竜殺し」の騎士を父に持ち、騎士に憧れて騎士になった。コロコロやボンボンなどにいそうな典型的な少年漫画の主人公キャラで、出典時期は騎士団編で騎士団を解雇されたタイミングのため大した苦労も成長していない。なお、彼のステータスはボスを倒した分の成長のみ、装備は初期装備とする。
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投下終了です。
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竜宮レナ、稗田礼二郎、夜叉猿Jrで書きます。
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投下します。
-
今は……何時だ。午前なのか、午後なのか。何月何日の何曜日か。
空は赤いが、暗くも明るくもない。通常の天候でもなく、時々火花が散る。
ただ困惑する他ない。ここはどこだ。親の役を増やした『鬼ごっこ』とは。他の参加者はどこだ。自分の役は。
『お守り』の説明書と周辺のビラ以外に、あまりにも説明が不足している。苛立ちが募る。
いや、周囲を見ればわかる。まともなものではない。ろくなものではない。
付近の民家を覗く。鍵は……かかっていない。住人はいない。
一斉に旅行に出たわけでもなかろう。殺されたか。いや、死体や血痕は見当たらない。
強制的に退去させられた、というのが近いか。……鬼ごっこのために? どういうことだろう。
時計は……止まっている。カレンダーもない。
とにかく、他の参加者を探すしかない。ただの鬼ごっこなら、殺し合いとか暴力沙汰にはならないはずだ。ただの、ならば。
……空から、飛行機から、パラシュートで人間が投下されている。
ひとまず、あれを追って行ってみよう。何かの手がかりになるかも知れない。
◆
「ふーむ……?」
男……『稗田礼二郎』は、自分のデイパックに入っていた二つの物品を前に、首をひねっていた。
ひとつはよく分かる。日本古来の投擲武器『手裏剣』。
鉄製で十字型、鋭利な四つの刃を持ち、うまく命中すればかなりのダメージが与えられるだろう。ナイフ代わりにも使える。
それになんというか、言い知れないパワーを感じる。見ているだけで畏怖と高揚をもたらすような、禍々しい呪術的な力を。
もうひとつは……『鉄球』としか言いようがないものだ。
大きさは掌に乗るほどで、六角形の意匠が表面の二箇所に彫り込まれ、その間に六本の溝がある。
何に使うのか。投げて当たれば、それはそれで痛烈だろうが。あるいはなにか魔術的なアイテムかも知れない。
-
◆
木々を飛び渡り、彼は鬼や人間の臭いを探す。
微かに臭うが、森の中の奇妙な霧が視覚や嗅覚、聴覚を遮り、惑わす。これも鬼の仕業か。
彼は激怒していた。文字こそ読めないが高い知性を持つ彼は、機内で聞かされたこの状況を把握していた。
鬼ごっこ。『鬼』が他者を追い襲う、狩猟の真似事。強者が弱者の、生者が死者の肉を食べて生存する、厳しい自然の理ではなく。
無意味な殺し。遊びでの殺し。親を殺した鬼のような、力試しでさえない、一方的な蹂躙。生かして捕獲されても、敗北の結果は死。
赦さない。許さない。鬼を、鬼を殺す。そして、この島にバラまかれた弱い者たちを……守護らねばならぬ。
たとえ他者から『鬼』と見られ、夜叉と見られようと。行動で示す! 自らが『鬼』ではないことをッ!
◆
稗田は、遠くにチラリと見えた少女を追って、森に分け入った。
声をかけようとしたが、すぐに見失ってしまった。何がいるのか分からない現状、あまり大声を出すと危険かもしれない。
途中の標識には『この先、菅原神社』とあった。しばらく山道を進んでいくが、一向に神社も少女も見当たらない。
追い抜いてしまったのだろうか。あるいは、どこかで違う道に踏み込んだのか。
というか、まず民家で何か漁っておけば良かった……人里の方が、情報や他の参加者も多く集まるだろうに。
なぜ自分はフラフラと、彼女を追ってしまったのか。あれはなにか、人を惑わす存在だったのではないか?
稗田はとりとめもない考えに耽りながら、山道をどんどん進んでいく。
次第に霧が深くなって行き……ふと気がつくと、彼は大きな建物を発見した。
「ホテル……の廃墟か」
ここは島らしい。高いところから見回せば、全体像が掴めるか。他の人や有用な道具も見つかるかもしれない。
そう思い、稗田は廃ホテルの中へ足を踏み入れる……。
-
【E-04(ホテル跡)/00時30分】
【稗田礼二郎@妖怪ハンター】
[役]:親
[状態]:健康、やや疲労
[装備]:スリケン@ニンジャスレイヤー、ジャイロの鉄球@SBR
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:廃ホテルで他の人や道具、情報を探す。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
◆
同時刻。島の西部、『菅原神社』の境内。木に引っかかっているパラシュートには、人間も荷物もない……。
急いでこの場を離れたのだろうか。まだ近くにいるかも知れない。そう思った時。
霧の漂う森の木々の間から、獣臭が漂ってきた。熊か。イノシシか。いや―――なんだ、あれは。
静かに姿を現したそれに、少女『竜宮レナ』は驚愕し、恐怖する。どうする。何が起きている。
身長は、少なくとも2m以上。筋骨隆々で毛むくじゃら。人間ではない。大きな猿だ。類人猿? ゴリラ? 直立二足歩行する?
大きな牙が生え、見るからに凶暴そうだ。まさか、これが『鬼』だというのか。
落ち着け。とりあえず、熊のようなものだろう。山の中で大型の熊と出会う。極めて危険だ。意思が通じるはずもない。
目が合った。じり、じり、と後じさりする。手元に武器はない。一応『お守り』はあるが、投げて当たるとは思えない。
いきなり走って逃げては危ない。大声も出すべきではない。ゆっくりと、距離を取る……。
やがて、それは―――その大猿は、近くに咲いていた花を摘んだ。そして……おずおずと少女に向けて差し出したのだ。
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【E-02(菅原神社)/00時30分】
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[役]:子
[状態]:健康、困惑
[装備]:
[道具]:お守り
[思考・行動]
基本方針:帰還する。子や親と合流し、共に脱出を目指す。敵対する者には容赦しない。
1:付近にパラシュートで降下したであろう人間を探す。
2:目の前の大猿に困惑。とりあえず敵意はないようだが……?
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。自分の役を子であると推測。
【夜叉猿Jr.@刃牙シリーズ
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:不明(支給品の入ったデイパックはどこかにある)
[思考・行動]
基本方針:鬼は殺す。子を守護る。
1:目の前の人間は、鬼ではなさそうだ。友好的に接する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。鬼ではないと自認。
人語は多少解するが話せないし、文字の読み書きも出来ない。ノンバーバル・コミュニケーションは可能。
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投下終了です。
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<削除>
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投下乙です。
同じ役での同士討ちやサボタージュを考える参加者もいるなかルールに従うのではなく倫理観に従って子を守ろうとする夜叉猿は人間の鑑と言えるのではないでしょうか。
もしかしたらクローンヤクザやヤマト=アキなどと並んで親の要になるかもしれません。
それと連絡です。
wikiにて本編収録を開始しました。
合わせてその他の編集も行いますが、今月中に企画進行の体制が完全に整うであろうと皆様にお約束できると思います。
あとここで言うことではありませんが平成ライダーさん投下乙です。まさか乃木があんなことになったあとあんな展開になるとは思いませんでした。
それでは投下します。
-
「なんやねんこの山道………ハァ……曲がりくねりおってからに……ハァ……腹立つ……ハァ……アカン、キッツ……」
代わり映えのしない赤い空。時間の感覚はもとより空間の感覚すら持って行かれる、そんな気がしながら、悪態をつきながらも山道を降り続ける少女が一人。名波翠は飛行機からパラシュートで降りてくる人と接触すべく歩き続けていた。彼女の感覚では既に小一時間は歩いている。ちなみに実際には10分程だ。残念ながら彼女、念力は使えても体力は無い。
「何が悲しくてこんな山道歩かなあかんねん……足に変な筋肉ついたらどないしてくれ……ハァ……あーしんど……」
え?アルシンド?
「じゃかあしいわボケ……ダメや、地の文にツッコむ体力無い……慣れないことするもんちゃうな……」
慣れないのは山道かメタネタか両方か。膝に手をつきゼエゼエと息する彼女からは普段の優雅さは欠片も見られないが、それは超能力で周囲に人がいないことを確認したからというあたり、彼女の人間性が現れている。本質的に警戒心が強いのだ。
(!)
ピン、と彼女の顔が変わった。張り巡らせた警戒心に感あり。誰かに『見られている』。そのことを感じ取ると直ぐ様に表情を『具合の悪い深淵の令嬢』とでも言うべきものに変える。猫を被りつつも油断無く相手の思考を探る。距離は数十メートル、遠いためテレパシーは困難だが、視線から感じるのは……不安と困惑と安堵、だろうか?それ以上はわからないが、お煮とは雰囲気が違う気がする。勘と言えばそれまでだが、その勘が当たるから超能力者なのだ、翠は己の勘を信ずることとした。
(こっちに来てるな。)
どうやらこの曲がりくねった道の先は三又になっていたらしく、ここをYの字の左側とすれば右側の道から歩いてきたらしい。こちらに気づくと少し迷ったあと坂を登り始めた。一分もする頃には革靴がアスファルトを叩く足音が聞こえてきた。
「あの……大丈夫ですか?」
(男、同い年ぐらいかな?)
顔を上げる。目の前には、特徴が無いのが特徴とも言うべき少年が心配そうに見下ろしていた。
「――それで気がついたらここにいて、私、一人じゃ心細くて……」
「僕も同じだよ。ようやく人と会えて、それで……もし良かったら一緒にあそこの町までいかない?他にも巻き込まれた人と会えたら、なにかわかるかもしれないし。」
「ありがとう、でも……いいの?私、体調が悪いから足手まといになっちゃうかも……」
「なら、余計ほっとけないと言いますか……負ぶおうか?がさっかぶを通るかもしれないし。」
「ほんと?嬉しい!」
(こいつ……なんか捉えどころが無いな……)
翠が出会った少年は中沢と名乗った。少し話してみてわかったことは、彼も翠と同じような境遇なこと、見知らぬお守りがポケットに入っていたことだ。翠もスカートのポケットを見てみたら同じお守りが出てきたことを考えるに、この鬼ごっこの『子』の役全員に配られているのだろう。何かわからないがとてつもない力を秘めている気もするし、このお守りを調べれば鬼ごっこについて何かわかるかもしれない。
(群馬の見滝原?どこやねんそれ。群馬がこんな大都会なわけないやろ。)
だがそれより翠には気になることがあった。自分を負ぶわせて中沢と接触しテレパシーを使ったところ、中沢は群馬からこの島に来たらしい。だが彼女の知る群馬と大きく違っていた。そしてもう一つは彼の人間性。勉強はまじめでそつなくこなすが今ひとつ情熱のない男……悪いやつじゃあなさそうだが、これといって特徴のない……影のうすい男……そんな上っ面の下に隠れる、『人に求められている対応をする』という彼の人生哲学を翠は感じ取っていた。
(普段より疲れやすいけど、心の中覗くのは普通にできるみたいやな。にしてもこいつの考え方、どおりで都合良い展開になるはずや。便利な男と言えば便利な男やけど……洞察力の鋭さは要注意やな。)
「ん?名波さん、あれ……」
「……あ、うん、そうね。人みたい……人?」
呼びかけられて翠はハッと意識を戻す。中沢が指差す方を見た。道から少し離れたところに、人影――のような凄まじいオーラを放つなにかが見えた。
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ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
辺りに響くのはキングエンジンが轟かせる重低音。その音の発信源は、一人の男。『地上最強』、『世界最強』などの名声をほしいままにする男、キングだ。
ドッドッドッドッドッドッドッド
(まず中身を確認しよう。)
その男の最初の行動は、支給されたデイパックの中身の確認という極めてオーソドックスなものだった。
そもそもこの男、なんか凄いオーラが迸っていて悪運の強い強面の一般人である。一応ヒーローらしい倫理観などは持ち合わせているが、あいにく戦闘力は正真正銘人間並みの人並みである。なのでその強さは純粋には武器依存だ。
しかしさすがキングというべきか、彼のデイパック、なんと支給品が三つ入っている。この鬼ごっこの『親』には支給品が二つと決まっているのに、何故か彼だけ『鬼』同様に三つなのだ。彼の役を間違えたのか単なる事務的ミスなのかは不明だが、このあたりの悪運の強さが彼がキングたる所以であろう。
ドッドッドッドッドッドッドッド
緊張しながら手を突っ込む。触れたのは、人生で触ったことのある感触。引き抜いてみるとそれはタブレットであった。
彼が引き抜いたのはなんと鬼の位置が分かるタブレット。鬼全員に支給されているスマートフォンの位置情報を確認できるという、超アタリアイテムである。本来は主催者側の鬼が参加者の『鬼』を監視するためのものなのだが、どうしたものか紛れ込んだらしい。だが無論そのことを知らないキングは、自分と思われる光点とその周りに偏っていたりバラバラだったりして散らばっている十個ぐらいの光点の意味もわからずやけに電池の減りが早くてよくわからないレーダーみたいなものしか使えないタブレットという認識であった。
ドッドッドッドッドッドッドッド
二つ目に手に触れ引き抜いて出てきたのは、醤油だ。
ドッドッドッドッドッドッドッド
キングエンジンが音を増す。醤油だ。どっからどー見ても醤油だ。醤油以外の何者でもない。実はほんとはコーラを入れる予定ででも下働きさせてる鬼達がつまみ食いしそうだったので鬼が苦手とする大豆製品を代わりに入れといたらそのまま配っちゃった、というエピソードがあったりなかったりするがそんなことはキングにとって知ったこっちゃない。重要なのは、これで自分にはなんの武器もないということだ。
ドッドッドッドッドッドッドッド
気落ちしながらも一応なにかまだ入ってないかとデイパックをひっくり返してみる。あった。小瓶だ。ラベルも何もないのでなにかはわからないが小瓶が出てきた。これは喜ぶべきことなのか。もしやヒ素等の毒物かもしれない。もし毒物なら武器として……いや、それは駄目だ。手に負えない。だいたい中身もわからない以上、使い道はないだろう。一応臭いでも嗅いで確かめておくべきか?そう思い慎重に蓋を開ける。
ドッドッドッドッドッドッドッド
昔理科の実験で危険な薬品の嗅ぎ方とか習ったな、などと考えながら蓋の開いた小瓶を恐る恐る顔に近づける。そして手で仰ぐようにして嗅いでみた。これは……なんだろう、全くわからない。わからないが、なにか嫌な予感がする。そう思い嗅ぐのを止めようとして、殺気。
-
ドッドッドッドッドッドッドッドン!!
痛い。鼻を打った。小瓶の中身の液体が顔にかかる。幸い目には入らなかったが鼻から入り込んだようだ。喉から口に周り鋭い苦味が口の中を襲う。死ぬほど苦い。殺人的な苦さだ。この苦さは確実に危険なものだ!だが!それ以上に背後に危険が迫っている!!
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
振り返るとそこに、少年と少女がいた。キングは即座に察した。危険なのは少女の方だ。あの少女からはヒーローに近い雰囲気を感じる。Aまではいかないだろうが、一般人では相手取るのが困難なレベル。それが10m程の距離を取ってそこにいる。
(!?)
互いにどうしたものかと固まるなか、キングは感じた。なにか、来る。自分の中から、なにか熱いものが。おそらくはさっきの液体のせいだろうか腹がしくしく痛むと共に体温が上がる。そして――目の前の少女から、目が離せない。
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
「逃げましょ!」
「あ、ま、うん!」
一際響く今日一のキングエンジンに驚いてか少女は少年の手を引っ張り踵を返して逃げ出した。まずい、これはなにか勘違いされたパターンだ。経験則でわかる。急いで誤解を解かねば。
キングはそう思うと傍から見れば鬼の形相で立ち上がった。
(アレはアカン!アレ絶対鬼や!!)
翠はどこにそんな力があるのかわからない勢いで中沢の手を引き元来た道を戻る。アレはヤバい。気配に押されて念力を使おうとした瞬間こちらに目を向けてきた。誘い込まれた?罠だった?何かの条件を満たした?わからないが、相手が戦闘に慣れているのは確かだ。翠もそこそこ修羅場は潜ってきていると思っているが、人を傷つけることを主にしている超能力者がどれだけ危険かはよく理解している。そしてアレは、考えうる中で最悪の相手だ。まるで対処の仕方が思いつかない。『戦う』という選択肢をとる意味がない手合いだ。恐らくはあの姿は仮のもので人間では無いのだろう。でなければ、あの人型の何かから神にも匹敵するオーラが感じられた理由がわからない。翠はそう思うと走り続ける。いつしか先の三叉路に来ていた。
「右!左!どっち!」
一方翠に手を引かれる中沢は「どっちでも良いとか言ったらぶっ飛ばされるんだろうなあ」などと考えながらチラチラと後ろを見ていた。中沢的にもアレはヤバい相手だと思うが、翠のテンパり具合を見て若干冷静である。そして同時に彼は、キングの手に小瓶がありその顔が濡れていることに気づいていた。思いっきり顔に小瓶をぶつけて痛がっていたあたり、少なくとも人間離れした人間なのだろうと判断する。だがそれはともかく今は翠をなんとかしなくてはならない。半ばパニックになっているようだ。こういう時は相手の言うことをストレートに聞いたほうが良い。それが中沢の処世術である。
さて、右か左かあるいは。翠と中沢は選択を迫られる。
追うかそれとも。キングも選択を迫られる。
そしてキングが手にした小瓶。薬物の名はゴメオ。幻覚剤であり強力な――惚れ薬。それはこの先何を引き起こすのか。
今の段階では誰も何もわからない。
-
【E-03/00時15分】
【名波翠@テレパシー少女蘭】
[役]:子
[状態]:疲労(小)、キングへの恐怖
[装備]:『お守り』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:こんなアホなことをしでかした奴に一発焼き入れて帰る
1:逃げる!
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【中沢@魔法少女まどか☆マギカ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:学生鞄(中身は教科書とかノートとか筆記用具とか)
[思考・行動]
基本方針:とりあえず人を探す
1:名波さんに着いていく。
2:知り合いがいたら合流したい
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【キング@ワンパンマン(リメイク)】
[役]:親
[状態]:ゴメオによる催淫、キングエンジン
[装備]:
[道具]:デイパック(タブレット@絶望鬼ごっこ、醤油、ゴメオ@現実)
[思考・行動]
基本方針:帰りたい……
1:子どもたち(翠と中沢)の誤解をときたい。
2:一応、自分のできる範囲で子と親を保護する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【タブレット@絶望鬼ごっこ】
鬼の位置がわかるタブレットで充電器とセットで一枠。原作ではどういう理屈で判断しているのか不明のため、ここでは鬼のスマートフォンの位置をバトロワで杉村が持っていた機械のように表示するものとする。凄まじく強力なアイテムなのだが、電池の減りが激しい(1分で1%消費とする)ので多様は厳禁。
【ゴメオ@現実】
ドラッグ。使用者曰く、「ケツの穴がひくひくしてくるし、腹の中がぐるぐるしている」「気が狂うほど気持ちええ」「あぁ^��たまらねえぜ」という感じだとか。もちろん違法薬物である。
-
投下終了です。
-
マジェント・マジェント、源元気、ギーグで書きます。
-
投下します。
-
「時間だな。で、どれから殺すよ。結構いるぜ」
「処理とか隠蔽とか、調整するとか言い換えろ。それぐらい状況判断しろ」
「オーライ。じゃ、ここでいい。そろそろ行って来るわ」
「ああ」
島の上空を飛行機が一周し、20数名の親を投下し終わった。馬頭鬼が操縦するこの飛行機は、ひとまず上空から島を監視し、主催者本部と通信する。
一方、彼より一段低い待遇の牛頭鬼は―――不正な参加者を密かに排除するため、この飛行機から島へ降下する。武器は金棒と重火器。
確か、『彼』を投下したのはこのあたりからだ。投下からしばらく経ってはいるが、そう遠くへは動いていないはず。
「5、4、3、2、1、ゼロ。牛頭鬼、行きます!」
◆
「よーしよし……『拳銃』があるぜ……ちょいと小さめだがなぁー……グスッ」
島の東側、『無学寺』の寺務所。そこにいるのは、左目を失ったシルクハットの男『マジェント・マジェント』。
彼はデイパックから支給品を取り出し、確認しているところだ。
支給された武器は『レミントン・ダブルデリンジャー』。1866年から1935年まで製造された、彼にも馴染みの深い小型拳銃。
威力は高くなく、射程距離も短く、装弾数は2発しかないが、隠し持つには最適。暗殺向きだ。
とはいえ、今回の任務は暗殺ではない。『鬼ごっこ(tag)』だ。そして自分は『鬼(it)』ではなく、『親』ってやつだ。
鬼に追われる『子』を護り、逃げ延びさせれば勝ち……だっけ? そんなルールあったか?
生憎、この『マジェント・マジェント』は―――脳ミソが少なめだ。
目隠しをされて自分の役、各役の勝利条件、制限時間を説明されたはずだが、
川底からいきなり連れて来られて混乱していた彼は、ちゃんとルールを把握していなかった。
具体的には、このうち『勝利条件と制限時間』を把握していない。
実は親用のルール説明はデイパックの内ポケットに書かれているが、まだ気づいていない。
代わりと言ってはなんだが、彼には支給品が『3つ』ある。ひとつはデリンジャー、あと2つは……?
-
◆
「……ッキしッ」
一方その頃。筋肉ムキムキで体格のいい坊主頭の男が、道をさまよい歩いていた。全裸で。
自分の部屋でYouTubeにあげるための動画撮影をしていたら、いつの間にかここにいた。全裸で。
なんか飛行機に乗っていた気もするが気のせいだろう。
「……どこかで、服、調達せんと……風邪引くわ」
鼻水を啜り上げ、男は震えながら呟く。どうも無人のようだし、どこかの民家に忍び込んで、拝借するしかないか。
後からなんか言われたら、洗って返せばいいだろう。だいたいこの異常事態で、細かいことは言ってられない。しかし、うーん。
渡されたスマホは通じない(「01:00から使える」と表示されたままだ)。飛行機からバラまかれるビラやパラシュート。
空は赤くて火花が散ってて、やれというのは『鬼ごっこ』。しかも自分の役が知らされていない。なんだこれは。
「テレビの企画、なわけないか。犯罪やん。ヤクザのホモビデオの撮影、でもなさそうやし。YouTubeにアップして大丈夫なやつ?」
まさか自分が拉致被害者になるとは思わなかった。個人情報の漏洩には気をつけていたはずだが。
ビデオカメラの充電は80%ぐらいあるが、鬼ごっことやらがいつまで続くか分からない。充電器があれば、民家で充電出来るだろうか。
それは盗電になる気もするが、この異常事態で細かいことは言ってられない。しかし、うーん。
気がつくと、彼は寺の前にいた。立て札には『無学寺』とある。仏なら、僧侶なら、困った人には施しをしてくれよう。
門をくぐり、境内へ。脇の寺務所へ向かう。ドアに鍵はかかっていない。
「お邪魔しま―――――す……」
そっとドアを開け、小声で挨拶。誰もいないとは思うが、一応。
◆
オイオイ、誰か来やがったぞ。ドアを開けて、挨拶しやがった。不用心なヤローだ。
ま、オレは暗殺者や『鬼』じゃあねーし、このマヌケも『鬼』じゃあねーだろーし。
挨拶してみっか。気の合う奴ならコンビを組んでもいい。裏切るとかナメたマネしやがったら始末してやる。
-
油断なくデリンジャーを懐に忍ばせ、デイパックを背負い、身を隠す。相手が武装してる恐れもある。
よく確認して、危険じゃあないと判断すれば――――
マジェントは目を見張る。こいつは、危険だ。違う意味で。
大柄な東洋人だが、武装はない。丸腰だ。全裸だ。裸の銃を持つどころか、裸でナニを晒していやがる。
妙に顔が濃ゆい。筋肉モリモリマッチョマンの変態だ。撃ち殺した方がいいんじゃあねえかな。いや、タマが勿体ねえ。
クソ、どうする。たぶん服とか調達に来たんだろーが……こいつが親でも子でも服着ても、あんまり友達になりたかねーぞ。放置しとくか。
◆
マジェントも、全裸の男『源元気(げんげん)』も知らないことだが―――、
何かの手違いで連れて来られた彼らは、主催者から排除対象になってしまっている。特にマジェントだ。
彼の持つスタンド能力『20th Century BOY』は、自分の身に纏って動かなければ、あらゆる攻撃や被害をそらしてしまう。
彼が川底で生き延びたのは、この能力のせいだ。そこそこ強力な超能力。ゆえに、彼は理不尽にも、殺されねばならない。
源元気の方は、もっと理不尽だ。彼は殺し屋でもなんでもないが、『版権キャラではない』というメタ的な理由で殺される。
さらにメタ的に言うと、彼の場合、殺されるまでが―――否、殺されて異世界で雑に復活(?)するまでが持ちネタだ。
異世界転生ならぬ世界観リセマラ。歩く死亡フラグ(自分が)。殺されるためにこの鬼ごっこに参加させられたまである。
もし主催者から逃げ切った上で親や子が勝利しても、彼らは復活出来ないだろう。ここは『地獄』なのだから。
そして、主催者だけではなく、このゲームには『鬼』がいる。殺す気満々の鬼たちが。
◆
赤い霧のようなものが、移動し、広がっていく。霧、空気、樹木、地面といった概念を破壊しながら。
それは人間の女性の姿の様であり、あるいは、胎児の様なカタチをしていた。
-
「アー……ヤ、キ、ウ……バ、ッ、ト……」
それは、自我も、知能も、悪意も、心も、全て自ら破壊した、全てを破壊する悪そのもの。
この島の『鬼』の中でも最悪の存在である『ギーグ』は、じわじわと寺へ接近しつつある……。
「ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン」
【F-08(無学寺)/00時30分】
【マジェント・マジェント@ジョジョの奇妙な冒険 SBR】
[役]:親
[状態]:健康(戦闘で左目を失っており、偏頭痛やよだれ・鼻水を垂れ流す後遺症がある)
[装備]:スタンド『20th Century BOY』(動かなければ絶対防御)、レミントン・ダブルデリンジャー@現実
[道具]:デイパック(不明支給品2、確認済み)
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこで優勝する。
1:とりあえず『子』を守れば良いのかぁ?任せろ!
2:なんだこの変態ヤローは。ひとまず放置したがいいな。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
レギュレーション違反に気づいた主催者から追手がかかっている。優先順位は比較的高い。
【源元気(げんげん)@Gengen Channel】
[役]:子
[状態]:健康、全裸
[装備]:『スマートフォン(子)』、ビデオカメラ(充電80%)
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:とりあえず人を探す
1:とりあえず服を探す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
レギュレーション違反に気づいた主催者から追手がかかっている。
【ギーグ@MOTHERⅡ】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:無し(支給品は全て破壊済み)
[思考・行動]
基本方針:皆殺し(ギーグがそう思っているわけではなく結果的にそうなるのである)
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投下終了です。
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投下乙です。
原作ではどういうキャラかイマイチ不明な鬼達に今回でキャラ付けがされましたが、不明ということは矛盾しているかわからないということなのでこの企画での鬼のキャラはこの投下に準ずるものとします。
もっともこの鬼ごっこで一番危険そうなところに降り立ってしまったので彼の出番は割とすぐ無くなりそうですが。
この鬼ごっこ最強の『鬼』であるギーグが接近するのはなんの因果かレギュレーション違反の二人と主催者側の鬼というのは今後を左右しそうですね。
あとデイパックにルールが書いてあるという私も忘れかけてた設定を回収するなど素晴らしいと思います。
今までルール把握してない親は何だったんだよという気もしますが、そもそも最初の段階でルールを把握しないような親なら気づかなくても不思議じゃないでしょうし問題はありませんね。
それではさっきやってた映画から登場話投下します。
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掌の中でデリンジャーを転がす。弾は装填された二発のみ。他にも殺しに使えそうなものはあるが、残念なことに、紙袋に入れられていた支給品にはロープの類はなかった。
少しの間考える。思いがけず始まった第二の生、もしくは死地への参加。23年前のように、ここには死と喪失が転がるのだろうか……
「誰かと話がしてみたいな……」
男、仙道俊雄は元・キャスターであり現・被疑者だ。六人の人間の殺害と数名の警官への爆弾による殺人未遂などがその犯行であり、現在は病院で精神鑑定を受けていた、はずだった。
仙道の記憶は、看護師達に囲まれ病院の廊下を歩いているところで途絶えている。自分が死んだ、と鬼には言われたが、そもそも生きている実感の無いこの二十余年、今このときに至るまで現実感は感じられない。ただなんとなく、自分には死ぬ理由も殺される理由もあるんだからそうなるだろうという感想のみだ。
別にこの鬼ごっこが嫌というわけではない。自分の中のぽっかりと落ち窪み湧き出す闇、それに対する答えを、あの小野寺拓巳との中で見い出したが、結局は半端な結果に終わってしまった。それがまたここで得られる可能性もあるのかもしれない。それなら少しは希望が持てる。死んだように生きている――生きたまま死んでいる自分が鬼というのも悪くない。いや、相応しいとさえ言える。
なら、それなら自分はどうするべきであろうか?
掌の中でデリンジャーを転がす。こういうのは良くない。改めてルールを考える。24時間で生きている『子』の半数を捕まえるか、参加者の半分が『鬼』になるか。このルールならば『鬼』はもちろん『子』も殺す必要はない。だが参加者がどの役か判断することも困難。ならばなにかしら役に当たりをつけられる手がかりがあるはず。情報は極めて不足している。それを集めきる時間も無い。ジャーナリストである自分には不利な環境。だがそれ故に、有能な自分にしかできないこともある。
考えることもやるべきこともは山ほどある。やるからには完璧を目指し徹底するのが主義だ。全力を尽くして初めて欲しい物は手に入る。そのことは良く『識って』いる。
さて――
「誰かと話がしてみたいな……」
【不明/不明】
【仙道俊雄@22年目の告白 -私が殺人犯です-】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:ハイスタンダード22口径2連発デリンジャー@バトルロワイアル
[道具]:デイパック(スマートフォン(鬼)、不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:やるからには完璧にやる。
※その他
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
人物解説……ネタバレになるが地上波で放映されたため影響は低いと判断し解説する。元戦場カメラマンのキャスターで、強い自己顕示欲と完璧主義、そしてそれらを満たすに足る高い能力と執念を持つ。ここでいう能力と戦闘面での能力も含めたものであり、やたらタフで手負いの状態でも警察官を撒いたりある人物をボコボコにしたりしている。その内面は戦場カメラマン時代に受けたPTSDで本人にも全容はわからないが、自分の経験を共有させるべくある行動をする。ちなみに作中で連続絞殺事件を引き起こした真犯人である。
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投下終了です。
また参加者名簿が更新されました。
鬼
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○ギーグ/○三日月・オーガス/○???/○???/○???/○???
親
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○キング/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○マジェント・マジェント/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???
子
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○名波翠/○/○
スマートフォン
○関織子/○プルツー/○源元気/○/○/○/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、たえちゃん、犬山まな、桜井リク、間田敏和
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投下します
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森の中に打撃音が響く。
貫頭衣を纏っただけの少女、アルシアは無表情に腕を振るい、鷲掴みにしたアリス・カータレットの頭を木の幹にぶつけ続けていた。
────────────────────
-
木の下でアしゃがみ込んでいたアリスは、物音を聞いて飛び上がった。
聞こえたのは枯れ枝が踏み折られる乾いた音。誰かが付近を移動している。
アリスがしゃがみ込んでいた木を挟んだ向こう側を、枯れ枝を踏み折った何者かは歩いているようだった。生い繁った雑草を踏む音が一定のリズムを保って聞こえてくる。
思わず息を殺す。木が遮っていて姿は見えないが、それは向こうも同じ。子か親かそれとも鬼か。
このままじっとしてやり過ごすべきか、それとも接触すべきか。
少しの間逡巡したアリスは、取り敢えず様子を伺う事にして、木の陰からそっと向こう側をおっかなびっくり覗き見た。
「…………………?」
誰も居ない。
さっきまで歩いている音が確かにしていた。踝の上辺りまで伸びた雑草が、一定の間隔で倒れている。明らかに誰かが歩いていた筈なのだ。
「うそ!?」
思わず木陰から身を乗り出した瞬間。誰かに右手腕を掴まれ一気に捻り上げらた。
「ギ…アアアアッ!」
突如襲ってきた激痛に、愛らしい顔を歪めて、身も蓋も無く絶叫する。
なんとか振り解こうともがいていたアリスの視線と襲撃者の視線が交錯した。
「ひ………………」
引き攣った喉から絞り出されるうめき声。
目が合った瞬間、アリスの動きが、否、思考すらが停止した。
アリスの腕を捻り上げているのは、アリスと同い年か少し下の年の少女。左手でアリスの右腕を捻り上げ、右手一本で、自身に匹敵する刃渡りの巨大な鉈を持っている。
だが、それよりもアリスを恐怖させたのは、少女の瞳だった。
澄みすぎるあまりに無辺の奈落を思わせる、どこまでも虚ろで空洞な闇を湛えた黒瞳。
仮面の様な無表情と相まって、アリスを受けた印象は────死人。
恐怖に身も心も呪縛されたアリスを、少女────アルシアは掴んだ右腕を支点に振り回し、木の幹に身体の前面を叩きつけた。
顔がまともにぶつかり、鼻の奥が熱くなり血が香る。
「がっ………」
短く苦鳴を漏らして崩れるアリスの頭を鷲掴みと一定の間隔を置いてアリスの顔を幹にぶつけ続ける。
「痛いっ!やめっ!いたっ!」
薄い皮に覆われた骨と幹とがぶつかる度にアリスは悲鳴を上げ続けた。
────────────────────
-
アルシアは最初からアリスに気付いていた。
元より森の民であるエルフの血を引き、森の中で育ったアルシアにとってみれば、森の中はホームグラウンド、アリスの気配を察することなど容易い事。
アリスに気付かれないように近付き、不意を襲うつもりだったのが、アリスが顔を出したので方針を変えたのだった。
アルシアが態々アリスを甚振るのは趣味思考の故ではない。元より感情無き屍であるアルシアにそんなものは存在しない。
只、アルシアはこの場にいない主人の意思に沿っているだけだ。
アルシアの主人が殺戮を行うのは、偏に混沌神グルガイアに地上に蔓延る生命を贄として捧げる為。
捧げる生命は苦痛に満ちている程に贄としての質が良くなる。
数をこなさなければならない時には効率的に、逃げようとするもの、足が速いものを優先して手早く殺していくが、今アルシアが殺すべきはアリス一人のみ。ならば時間を掛けて質を高めて殺すのは当然の事。
一撃でアリスの頭を砕いて絶命させる事も出来るアルシアだが、死なない様に加減してアリスの頭を幹にぶつけ続ける。
既にアリスはまともに声も出せずに、僅かに呻くだけになっていた。
このままのペースで続ければ、そう遠くない内に死ぬだろう。
アルシアが十度目の打撃をアリスに加えたその時、アルシアの耳は近づいてくる足音を捉えた。
-
「………………………」
「………………………」
アルシアが視線を向けた先に居たのは、男女問わず人目をひく顔立ちの少年。
その瞳はアルシア同様無限の虚無を湛えている。
アルシアは素早くアリスと少年を見比べると
、アリスに逃げるだけの余力は無いと判断して、嘆きの鉈を構え、真っ直ぐ少年めがけて走り出した。
────────────────────
少年────桐山和雄は向かってくるアルシア目掛けてイングラムの引き金を引いた。
アルシアから受けた暴行により、木の下に崩れ落ちたアリスには見向きもしない。向かってくる相手への対処が終わった後、生きていれば今後の方針を決める為に使う。
何処までも虚ろな桐山の心は思考を全く妨げず、桐山は冷酷に何から対処すべきかを判断する。
パララッ
乾いた銃声が連続し、アルシアの顔から上半身にかけて複数の弾痕を穿つ。
通常ならば致命傷になる傷だが、アルシアは元より充填された魔力で動く骸、血を流すことも無く、傷はたちどころに塞がり、全く意に介さず走り続ける。
-
「………………」
明らかに人智を超えたアルシアを見ても桐山は動じることは全く無い。
足に狙いを切り替え、動きを止めようとするが、放たれた弾丸は悉く地面に突き立てられた鉈に当たっただけだった。
アルシアは銃を知らないが、桐山が自分の知らない飛道具を用いると認識、地面に鉈を突き立てると、棒高跳びの要領で跳んだのだ。
鉈の柄を支えに宙を舞うアルシアは、前方宙返りをし、回転の勢いと自身の運動エネルギーを用いて鉈を引き抜き、桐山の脳天目掛けて振り下ろす。
だが、その様な大振りな攻撃が通じる桐山ではない。
上空から落ちてくる鉈の軌道と落下速度を正確に予測して、前方へと駆ける。
ズゥン!と鈍い音がして、桐山の左30cm程の所に大鉈が落ち、地面を切り砕くが桐山は意に介した風も無く間合いを詰めて、未だ宙に在るアルシアの身体に拳を見舞った。
体躯で劣るアルシアが桐山の強打に抗する術は無く、鈍い音を残してアルシアの矮躯が後ろに飛ぶ。
だが、動く骸であるアルシアにいくら強打であるとはいえ、只の拳撃は意味を為さない。
空中に居ながら両手で、拳打の為に伸ばした桐山の左腕を絡めとり、関節を極めようとしてくる。
このアルシアの動きに桐山は冷静に対処。身体を左に回転させ、左腕を狙ったアルシアの動きを回避しつつ、回転運動により生じた勢いを乗せた右の上段回し蹴りをアルシアの胴に入れて蹴り飛ばした。
肋の折れる感触を桐山の脚に残し、5mも飛んだアルシアだが、当たり前の様に着地を決め、桐山目掛けて駆け出す。
「………………………」
アルシアの異常なタフネスを見ても意に介さず、桐山は冷静に距離を測る。
今のアルシアは素手。間合いでは桐山が有利。
狙うはアルシアが間合いに入ると同時に放つカウンター。
-
「………………………!?」
間合いに入ると同時に一撃を見舞う。その動きに入る直前、アルシアの速度が上がった。
桐山の狙いを外すべく、速度を落として駆け出し、桐山の間合いの直前で全速を出したのだ。
この動きにも桐山は反応。対処すべく動こうとするが、その時既に桐山を己の間合いに捉えていたアルシアが、駆け寄る勢いを乗せたアッパー気味の掌打を桐山の顎へと放つ。
仰け反って掌打を回避し、カウンターの膝蹴りをアルシアの顎に入れる。顎の骨が割れる感触が膝に伝わり、アルシアが仰け反るが、桐山も膝が崩れる。アルシアの掌の上が顎を掠めて、軽度の脳震盪を起こしたのだ。
右手のイングラムのマガジンが空になるまで、アルシアの左膝に銃撃を加えると、無言のまま桐山は駆け出す。
アルシアを現状の装備で斃すのは困難を極める。しかも己の支給品は『式札』。現状の打破には役立たない。
脳震盪を起こした身では、アルシアとの戦闘継続は愚行。ならば仕切り直すまで。
瞬時にこれらの思考を纏めた桐山は、銃撃でアルシアの動きを止めると、落ちていたアリスのデイバッグを拾ってこの場を後にした。
【E-07/00時42分】
【桐山和雄@バトル・ロワイアル(漫画)】
[役]:子
[状態]軽微な脳震盪
[装備]:イングラムM10サブマシンガン ・アリスのデイバッグ(内部未確認)
[道具]:式札
[思考・行動]
基本方針:ほかの参加者との接触。
1:鬼を殺せる武器の調達
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※アルシアと戦闘し、現状の装備で斃す事は出来ないと知りました。
────────────────────
-
千切れた脚を拾ってくっ付けたアルシアは、無言で嘆きの鉈を担ぎ上げる。
中々手強い人間だった。今度の神楽は今までのものとは違う様だ。
未知の飛び道具を使うとはいえ、これ程までに損傷を受けるとは思わなかった。
損傷自体は直ぐに治るが、充填された魔力の減少は問題だ。
「………………?」
アルシアは全身に力が満ちて来るのを感じた。まるで主人に魔力を注がれている様な。
アルシアは知らないが、此処は地獄。アルシアの主人の故郷が形容される場所そのもの。
地獄に満ちる空気は、アルシアの身体を動かす魔力に近い性質を持つようだった。
この分ではそう時間を掛けずに魔力は満ちるだろう。
魔力についての心配がなくなったアルシアは、首を巡らしてアリスが倒れている場所に視線を巡らせる。
「………………?」
居ない。あの状態で動けるとは思っていなかったアルシアは、僅かに首を傾げた。
どうやら外見にそぐわぬ体力の持ち主の様だった。気配すらも感じられない。硝煙の臭いが邪魔で血臭を嗅ぎとれない。
物音も聞こえない辺り、余程遠くまで逃げたのだろう。
次からは獲物の脚を潰しておこう。そう考えながら周囲を見回すと、地面に落ちている紙袋から見覚えのある品が見えた。
「これは………」
紙袋の中から出て来たものは、彼女の主人が用いる武具の一つである槍と紐のついた刀。
取り敢えず紙袋の中にしまい込む。残りの一つ、得体の知れない材質で出来た小さな板も取り敢えず捨てずに仕舞う。
改めて周囲を見回したアルシアは、行方の知れないアリスを諦め、桐山の去った方角へと駆け出した。
【E-07/00時53分】
【アルシア@白貌の伝道師】[役]:鬼
[状態]健康 魔力消費(中)
[装備]:嘆きの鉈・群鮫@白貌の伝道師・紐付き柳葉刀@BLACK LAGOON
[道具]:スマートフォン(鬼)
[思考・行動]
基本方針:出逢った全てを殺す
1:桐山を追う
2:次からは獲物の脚を最初に潰す
※その他・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※桐山の顔を把握しました
※アリス・カータレットの顔を把握しました
※【群鮫(むらさめ) @白貌の伝道師】
白銀龍の角を穂に、大腿骨を柄に使った短槍。
刃に“硬化”の二重掛け。更に切っ先への衝撃で“重剛”の魔力付加が発動し、運動エネルギーを倍化させるため、直撃した際の威力は絶大。
使い手の意思に感応して重心配分が変動し、投擲において絶妙な精度を誇る。
※【紐付き柳葉刀@BLACK LAGOON】
シェンホアが使う武器。通常の刀剣として使う他に、紐を伸ばして振り回したりする使い方がある。
紐の長さは十数mは有る。
────────────────────
-
アリスは藪の中で気絶していた。
桐山とアルシアの戦闘時の銃声を聞いて、意識が明白となり、二人が戦っている隙に藪の中へと這いずって隠れたのだった。
アリスは恐怖していた。いきなり暴力の嵐を見舞ってきたアルシアもそうだが、遠目に見えた桐山の仮面を思わせる顔立ちが、アルシアとそっくりだったのが恐怖を倍増させた。
鬼同士が殺しあっている様にしか到底見えず、死に物狂いで身を隠して安心した拍子に意識を失ったのだった。
尤もその為に、アルシアはアリスの気配を掴めずに立ち去ったのだが。
顔を血に染めて倒れ伏すアリスが目覚めるのはいつの事か。
【E-07/00時55分】
【アリス・カータレット@きんいろモザイク】
[役]:親
[状態]:顔に打撲傷。鼻血。額から出血。気絶中
[装備]:
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:元の世界に戻って、みんなで修学旅行へ行く
1:親、子供と合流する
2:親だと信じてくれるかな…
※その他
※アルシアの顔を把握しました
※桐山の顔を把握しました
※アルシアと桐山を鬼役だと思っています
※原作での修学旅行エピソード前からの参戦です
-
何でトリが変わってるんですかね
投下終了です
-
タイトルは死霊の殺し踊りでお願いします
-
投下乙です。
最初の1レス目では「これはついに死人が出るか」と危機感を煽られ、そこからこの企画ではまだ珍しいバトル展開、からの痛み分けという緊張感の耐えない投下でした。
地獄という当企画特有の環境ギミックを取り入れているのもグッドですね。
しかし元からそういうルールとはいえちょっと各役の戦力差が激しいですね。
ここは例えばカイザギアのような普通の人間でも超常の存在と渡り合えるアイテムが必要かもしれませんなあ。
というわけでは草加雅人の登場話投下します。
-
「気に食わないね……こういうのは。」
拘束の解かれた手首を擦りながら、忌々しげな顔をする青年が林の中に一人。意志の強そうな上向きの眉が印象的なその目は、椅子の下部に収納があるのを目ざとく見つけると、警戒しつつも開ける。中に入っていた明らかに変形しているデイパックをこれまた警戒しながら開け、一振りの日本刀が強引に押し込まれているのを認めると、その眉はいよいよ吊り上がった。
青年、草加雅人は人々を守る正義の仮面ライダーだ。仮面ライダーカイザとして、日夜人類を滅亡させようとする薄汚いオルフェノクと戦っている。そこに偽りはない。であるからして、こんな鬼ごっこに巻き込まれたのは甚だ不本意である。ここに来る前にライダーに変身する副作用で手が灰になってたり知り合いに首の骨を折られたりしたような気がするのも相まって、非常に憤っていた。
だが同時に彼は極めて慎重でもあった。自分はここに来る直前までオルフェノクと戦っていたはずである。だが体には傷はもちろん痛みも無ければ疲労感も無い。それを考えると、この鬼ごっこの黒幕は相当な能力を持つと見て間違いないであろう。彼が着けていたはずのカイザのベルトが奪われたらしいことも考慮すると、敵はオルフェノクの組織であるスマートブレイン社に勝るとも劣らない巨悪と見たほうが良い。いや、そもそもスマートブレインが黒幕という可能性もある。残念ながら半殺しにされたところまでは覚えていた草加は、己が極めて厳しい状況に置かれていることを理解させられた。
「俺だけなのか、真理達もやらされているのか……問題はそこだな。」
自分の置かれた状況を認識して自然思い出すのは、彼が愛し愛された女性、園田真理のことだ。ライダーになることももちろんオルフェノクでもない彼女がこの鬼ごっこに巻き込まれていた場合、その身の危険は自分の比ではない。他にも彼の仲間はいるのだが、それはまあ、置いておいて、とにかく彼女も巻き込まれていた場合はすぐさま保護する必要がある。彼にとっての最優先事項だ。
草加はデイパックを探る。この場での大きな方針は決まったものの、自分はここがどこかもわからなければ真理を探す脚もない。せめて地図でも配られていないかと思ったが、残念ながら入っていたのは日本刀ともう一つの支給品と思われる物の二つのみであった。内ポケットにルールが書かれていたことにも気づいたが、暗い上にそもそも飛行機の中での説明で把握しているので無視する。とにかく、自分にとって今使えるものは刀のみだ。カイザとして戦い大学ではフェンシング部にも所属している彼からすれば、一応『当たり』と言えるものだが、頼りないのは確かだ。だがそれでこれからの行動を変える気は毛頭無い。とにかく、真理がいるのかいないのかをまずはなんとしてでも知らなくてはならない。
「殺しても殺しても邪魔ばかり入るなぁ、まったく。」
彼はそう呟くと歩き出す、
頑張れ正義のヒーロー、草加雅人!
【不明/不明】
【草加雅人@仮面ライダー555】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:日本刀@現実
[道具]:デイパック(確認済支給品1)
[思考・行動]
基本方針:真理が巻き込まれているかを確認し、いるならば保護する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
人物解説……仮面ライダー555の2号ライダーで仮面ライダーカイザに変身する大学生の青年。テニス部や乗馬部、フェンシング部を掛け持ちする王子様タイプのイケメンで、幼馴染みの真理を助けるため怪人オルフェノクと戦う、正義の味方である。性格は裏表が激しく陰湿。また潔癖症のきらいがある。なおオルフェノクの記号は消滅している。
-
投下終了です。
次回は豊穣礼佑、織田敏憲の本編を書きます。
また現在までに投下された全話を収録しました。
それに伴い参加者名簿が更新されました。
鬼
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○ギーグ/○三日月・オーガス/○アルシア/○???/○???/○???
親
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○キング/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○アリス・カータレット/○マジェント・マジェント/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???
子
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○桐山和雄/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○名波翠/○/○
スマートフォン
○関織子/○プルツー/○源元気/○/○/○/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、たえちゃん、犬山まな、桜井リク、間田敏和
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<削除>
-
改めて
因幡月夜、織田畝憲で書きます
-
ついにキャラ被りが実現しましたがまさか織田様が最初とは。
これもやはり彼の高貴さがなせる技でしょう。
投下します。
-
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん あさ
ぎんぱつのおねーさんにのこぎりできられた。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん あさ
きんぱつのおねーさんにはんまーでなぐられちゃった。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん あさ
ぴえろにつかまってたべられちゃった。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん あさ
ぴえろにつかまったらすーつのおじさんにうたれた。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん おひる
ぞんびのおねーさんになたでつぶされちゃった。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん あさ
うちゅうじんにからだをばらばらにされた。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん あさ
きものをきたおねーさんにかいだんからつきおとされた。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん あさ
にんじゃのおにいさんになわとびでくびをしめられた。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん あさ
いきなりうしろからあたまをなぐられたらのうみそがとびでた。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん おひる
しょーごおにーさんにないふでさされちゃった。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん おひる
たえちゃんといっしょにくるまにはねられた。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん おひる
あべさんのしたいにふれたらばくはつした。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん おひる
あおいおねーさんのしたいにふれたらばくはつした。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん おひる
ゆーちゃんのしたいにふれたらばくはつした。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん おひる
えるさんのしたいにふれたらばくはつした。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん よる
くさそうなおんなのこにさわったらばくはつした。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん よる
へんならじこんにさわったらばくはつした。でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん あさ
むねがくるしい!でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん おひる
むねがくるしい!でっどえんどー。
5 がつ 15 にち てんき くもり じかん よる
むねがくるしい!でっどえんどー。
でっどえんどー。
でっどえんどー。
でっどえんどー。
-
(この家に篭っても外のどの方向に行ってもDEAD ENDフラグが折れない。しかも僕が行動を変えようとしなくても日記が変わることがある。僕以外にも未来日記所有者がいるのは間違いないね。)
ふとんを頭から被り懐中電灯で絵日記を眺める幼児というのは、その光景だけであれば日常の一幕でありそうなものであろう。
しかしその絵日記が微かだがしっかりとノイズを出して何度も何度もひとりでに描き変わるとなれば、誰がどう見ても非日常的な光景となる。
未来日記所有者、豊穣礼佑は最初にいた家から一歩も出ることができていなかった。
彼の『はいぱーびじょんだいありー』は、日に三度の自分の行動と周囲の状況が書かれた絵日記という形で予知が行われる。その予知の結果はいずれもDEAD END、即ち死。その事実になりうる未来が彼の行動を縛っていた。
頻繁に変わるため日記の内容の全てを把握しているわけではないが、礼佑は日記に対して全集中力を向けていた。前の『ゲーム』では未来日記所有者の裏をかくため日記を見ることは少なかったが、今回はまだ状況が見えない。そこで実際に行動を起こさずとも行動の予定を立てるだけで結果を見れる未来日記という利点を活かそうとしたのだが、尽く自分の死によって日記は終わってしまっている。この家の付近にいれば確実にピエロに殺されるようだし、学校に集まるグループに近づいても灯台に集まるグループに近づいても農協に集まるグループに近づいても、時間が朝か昼かの差こそあれ誰かに殺されてしまう。山の地下にあるデパートは少なくとも朝まではまだ安全そうだが、どんな予定を立てて途中の死を回避しようとも夜までには爆死するか突然死するようである。いっそ海に逃げようとも考えたが、良くて溺死悪くて化物に食われるだけであるらしい。
(未来日記所有者はおそらく僕のことにも既に勘づいているはず。先に死んだ3rd、6th、12thのうち、6thはこの場で大した予知はできない。残るは一番はじめに死んで正体が不明の3rdと、6thと一緒にゆのおねーちゃん達に殺された12thか……日記の変わる頻度からして、僕と同じように日記でのシミュレーションをしているのかな?それとも所有者全員が参加している?この鬼ごっこの参加者全員が未来日記所有者の可能性もあるかな。)
しかしその程度のことで礼佑はゲームから降りる気は無い。自分のDEAD ENDフラグはその内容自体は確定していない。つまり読み合い出し抜き合いを制すれば逆転は不可能ではない。それになにより降って湧いたこのボーナスステージ、楽しまないわけがない。
ざざ、という音と共にまた日記が描き変わる。今度は長期戦を想定して食料を集める予定を立てたのだが、どうやら今までとは違う人間と会うようだ。ということは、自分が行動を起こさなければ隠れ潜む確率が高い参加者ということ。おそらくチームなどはつくらないタイプ。寝首をかかれることを警戒した小心者か他が潰れるのを高みの見物できると思い込んでいる高慢なタイプだ。だが、それは逆に礼佑にとって好都合。取り入れば下手な真似をそうそうしない手駒が手に入る。
礼佑は更にシミュレーションを進める。その度に日記は描き変わる。どうやらこの男、この場所――沖木島といらしい――の漠然とした土地勘があるらしい。武器は銃で何もしなくとも昼には殺しにくるようだが、それは裏を返せば朝の間は殺されない可能性が高いということ。このままここにいてもピエロに殺される未来が現実となるだけ。さて、どうするか。
「ま、おねーちゃん達よりは弱そうだしいっか!」
礼佑ははいぱーびじょんだいありーを見た。描かれているのは、黒服の男。
その男の名前は、織田敏憲。
-
「この家は缶詰がやけに多いな。ふん、こんなものを食べるような貧乏人でも僕の勝ちに貢献できるんだ、感謝してほしいね。」
そんなことを呟きながら家から盗みとったランドセルに水を満杯にしたペットボトルと缶詰を詰めていく男。学ランにフルフェイスのヘルメットという怪しい彼の名は、織田敏憲。『プログラム』の元参加者で今は『子』の役の鬼ごっこの参加者だ。彼がこの鬼ごっこにあたってまず行ったのは、食料の確保だった。
「デイパックがあればこんなものに頼らなくても良かったのに。身軽にしたのは失敗だったか?」
彼がこの鬼ごっこに知らず足を踏み入れたときその手にデイパックは無かった。彼の言葉通り身軽さを優先したのだが、その間にここに連れて来られてしまったのだ。空の色に気づいて慌てて隠し場所に戻るがどこを探しても結局見つからず、現在は物資を求めて家探しである。
彼は装備の重要性を理解していた。先のプログラムでは丸一日を過ぎてもぶっ通しで続きそうだったことを考え、まずは飲食物の確保である。これは他の人間に補給ができなくするためという意味もある。飲まず食わずではどんな人間だって戦えない。人間は水を一日飲まないだけで倒れるのだ、自分の知らないところで野垂れ死んでくれるならそれで結構と彼は考えていた。
そしてランドセルはデイパックの代わりである。獲得した物資を運ぶ手段が無ければ宝の持ち腐れだ。その点ランドセルは、容量はともかく身体への疲労がデイパックに比べて溜まりづらい。強度もあることから採用することとなった。
「うーむ、一つじゃ足りないな。キャリーバッグか何かに……かさ張るな。包丁とかも持っていきたいんだが。」
ついでに武器になりそうなものも集めておく。包丁などの刃物はもちろん、洗剤も持っていきたい。彼は高貴なのでまぜるな危険を混ぜると毒ガスが発生することも把握しているのだ。
ややあって適当なトートバッグを見つけるとそこに武器類をぶち込む。PUBGでありがちな外見となった彼はさて次の家に行こうとしたところで、一人の子供を見つけた。
「――それでね、気づいたらね、ここにいて。」
「ああいい。だいたいわかった。」
ほとんど会話らしい会話もなく二人は家探しをしていた。一人は先程と同じく織田敏憲。そしてもう一人は首尾よく彼に取り入った豊穣礼佑である。
(こんなに簡単にいくとか、つまんないなあ。こんな弱そうな奴かよ。)
(迷子のガキ?参加者だろ。あのビラでいう『子』だな。)
礼佑は自分がさしたる問題もなく織田に『保護』されることは予知していた。だから彼を選んだのだ。彼は自分を舐めている。無力な子供だとしか思っていない。
一方織田も打算で動いていた。こんな場所で子供を『保護』していれば、お優しい一部の人間はコロッと騙せるだろう。元のクラスの人間はあっさり殺し合いに乗る下品な愚物ばかりだったが、幼児ならば問題はない。
(まずはステージ1クリアってね。)
(またいい『装備』が手に入った。)
(ここからはコイツを誘導して地下のデパートまで護衛させる。)
(こいつが持ってたガスマスクと包丁は預かると言って取り上げた。)
(クズみたいな人間らしいけど手駒としては丁度いい無能さかな。)
(そしてガキは『子供であること』、これがデカい。お人好しはこれで丸め込める。)
双方がそれぞれに相手の利用価値を測る。この鬼ごっこ、『子』は直接は戦うメリットはない。しかし彼らにそんなことは関係ない。彼らはどうであれ勝利すべき人間なのだ。
((出し抜いてやるよ……エリート的にね!!))
なぜなら彼らはエリートなのだから。
【H-07/00時44分】
【豊穣礼佑@未来日記】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:はいぱーびじょんだいありー@未来日記
[道具]:『スマートフォン(子)』
[思考・行動]
基本方針:このゲームに勝利してエリートであることを示す。
1:織田敏憲を利用しながら情報を集める。
2:ピエロ(ペニーワイズ)との接触を避けるため、西北西方面に逃走したい。
3:未来日記所有者は優先的に殺す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
未来日記による予知である程度の未来を把握しました。この場に留まると高確率でペニーワイズに殺害されます。
【織田敏憲@バトル・ロワイアル(漫画)】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:ヘルメット、防弾チョッキ、ワルサーP38、ランドセル、トートバッグ
[道具]:ランドセルに飲食物、トートバッグにガスマスクや包丁、洗剤といったもの
[思考・行動]
基本方針:利用できそうな親か子と合流する。鬼らしき相手がいたら逃げる。
1:豊穣礼佑を利用しながらプログラムに備える。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
自分の役が『子』だと推測。
-
投下終了です。
-
状態表を訂正します。
【H-07/00時44分】
【豊穣礼佑@未来日記】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:はいぱーびじょんだいありー@未来日記
[道具]:『スマートフォン(子)』
[思考・行動]
基本方針:このゲームに勝利してエリートであることを示す。
1:織田敏憲を利用しながら情報を集める。
2:ピエロ(ペニーワイズ)との接触を避けるため、西北西方面に逃走したい。
3:未来日記所有者は優先的に殺す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
未来日記による予知である程度の未来を把握しました。この場に留まると高確率でペニーワイズに殺害されます。
【織田敏憲@バトル・ロワイアル(漫画)】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:ヘルメット、防弾チョッキ、ワルサーP38、ランドセル、トートバッグ
[道具]:ランドセルに飲食物、トートバッグにガスマスクや包丁、洗剤といったもの、特別支給品
[思考・行動]
基本方針:利用できそうな親か子と合流する。鬼らしき相手がいたら逃げる。
1:豊穣礼佑を利用しながらプログラムに備える。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
自分の役が『子』だと推測。
-
参加者名簿が更新されました。
鬼 残り3
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○ギーグ/○三日月・オーガス/○アルシア/○???/○???/○???
親 残り8
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○キング/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○アリス・カータレット/○マジェント・マジェント/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???
子 残り8
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○桐山和雄/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○名波翠/○/○
スマートフォン
○関織子/○豊穣礼佑/○プルツー/○源元気/○/○/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、たえちゃん、犬山まな、桜井リク、間田敏和、織田敏憲
-
登場話を投下します。
-
「やっぱりだ……僕は死なない、僕達は死なない!Never Die!」
見通しの悪い林の中で上がるボーイソプラノの哄笑。その笑い声は天使のそれを思わせるが、地獄にそんなシロモノがいるわけがない。目を引く銀髪は、彼の双子と同じ色。服と合わせて堕天使を思わせる。
「こんなにも嬉しいことはない。天国に到達したんだ。永遠の天国に!」
笑い終えた少年は叫び、服に隠した拳銃をくるくると回す。彼の感情と共にその回転数は増していく。
「子を捕まえれば鬼が、守れば親が生きられる。やっぱりシステムは一緒なんだ。どこでだって。」
回転数の上がった銃をピタリと抑え服へとしまう。少年は理解していた。ようはいつもと変わらない。殺せば良いのだ。役がどうとかは関係ない、最後の一人になればどのみち同じだ。
「姉様も来てるかな?きっと来てるよね。ふふ、楽しみだなあ。」
かつてロアナプラを震撼させた『厄種』の片割れ、ヘンゼルはチェシャ猫の様な笑みを浮かべた。
【???/00時01分】
【ヘンゼル@BLACK LAGOON】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:拳銃
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:皆殺し
※その他…自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物情報…ルーマニア革命により行き場を失った孤児達、通称チャウシェスクの落とし子の双子。眉目秀麗であった為に裏ビデオに出演させられ、凄惨な性的虐待を受け、殺人を行わせられる。いつしか双子は己の境遇を受け入れ、人として壊れ果ててしまった。外見不相応な身体能力を持ち、10歳程の外見ながら、10kgを越えるBARを軽々と扱う。双子であるグレーテルとはまさに一心同体である。
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投下終了です。
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投下します。
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「お美腹(なか)が空いたわ……早く可愛い子を見つけなきゃ……」
ズン、ズン、ズズン。地響きを立てながら、彼女は悩ましげに呟きつつ、スキップで駆けてゆく。
豊満な肉体をボンデージに包み、手袋とブーツの他はほとんど全裸。乳首も丸出しだ。
金髪、尖った耳、アイシャドウを塗った大きな目。ルージュを塗りたくった分厚い唇。
大きな口は耳まで裂け、牙を覗かせている。身長およそ5メートル、ボンレスハムを思わせる肥満体。
太く逞しい腕、大きな掌。人間の胴体程度は鷲掴みにし、握りつぶしてしまうだろう。その手には恐ろしげな鞭。
「ああ……あたし今、愛に飢えているの。愛したい。愛し合いたい。
可愛いチェリーの男の子と、身も心も一つになりたいの……」
彼女は悪鬼。人間が生きながらに改造され、歪んだエゴによって悍ましい姿となり、
思うがままに振る舞って他者を犠牲とする、醜い鬼だ。人間を好んで捕食し、その骨髄液をエネルギー源とする。
人類抹殺のための生物兵器『戦術鬼』。その一体。
「あたしは破夢子(はむこ)! 人は呼ぶ『美顔女王(ビューティ)』!!」
【???/00時08分】
【破夢子@覚悟のススメ】
[役]:鬼
[状態]:ど健康
[装備]:鞭
[道具]:四次元っぽい紙袋(不明支給品3つ)
[思考・行動]
基本方針:可愛い男の子を探して愛し合う。邪魔するやつは皆殺し。
『人物解説』
漫画『覚悟のススメ』に登場する戦術鬼(雑魚敵)。CV:勝生真沙子。女性だが極めて醜悪な肥満体で、性格も邪悪。
巨体にして怪力、人間程度は軽く引きちぎり、口からはゴジラのように熱線を吐く(背中に突起物まで生える)。
色情狂であり、可愛い男を見ると捕獲して逆レイプした上、口づけで顔の皮を剥がし、丸呑みにしてしまう。
女連れなら嫉妬して女をぶち殺す。「究極の愛とは二人が一つになること、男が自分のお美肉(にく)になること」と嘯く。
級友を護るために来た葉隠覚悟と戦闘し、強力麻酔液を食らっても平然としていたが、蹴りで頭部を破壊され死亡した。
-
投下終了です。
Dr.ヘル、ウェカピポの妹の夫、ターニャ・デグレチャフで書きます。
-
投下乙です。
人物解説を見てのこいつはやべえ感がある意味鬼一だと思います。
鬼の競争倍率も高くなってまいりましたがここで強力なルーキーの登場ですね。
では私も投下します。
-
「――っ!クソ、なんだ……」
チクリチクリと顔を突くのは、ろくに手入れされていなさそうな木の枝。鼻に飛び込んでくるのは擦れる葉が醸し出す青い臭い。それが男、川田章吾の意識を覚醒させた。
いつの間にか受けた衝撃は彼に熱と痛みと疲れと刺激をもたらし、自分の置かれた状況を身体に教えこむ。前頭部の不快感から手をやりそっと撫でれば、指先に感じるのは明らかにタンコブの感触。どうやら頭を強かに打ちつけたようだと思った彼は頭をふろうとして、止めた。みすみす脳にこれ以上ダメージを与えたくない。
「頭にはタンコブ、身体は宙吊り、か。俺が何したってんだ。」
自嘲する笑みを浮かべながら目線だけを下に向ける。薄々気づいていたが、やはり足元には何もなかった。プラプラと二本の足が所在なげに垂れ下がっている。では翻って上を見てみれば、木を覆うように拡がる布地。パラシュートだろう。
(オーケイ、わかった。俺はパラシュートで落っことされて頭を打った……で、ここはどこだ?)
段々と冴えてきた頭が我が身の不覚を理解する。自分の記憶が繋がらない、混濁している。川田は渋い顔をした。
周囲に見えるのは、非常識に赤い空と随分とおざなりな手入れしかされていない木々、そして少し行ったところに見える民家。あとはそれらの後ろに一枚のしょぼい風景画のように広がる、しみったれた田舎だ。つまりは、彼の生まれ育った神戸ではない。同じ兵庫でも淡路みたいな田舎だろう。
「っ!?……待てよ、なにか、おかしい。」
頭に痛みが走る。自分はこの光景を、この風景を知っている気がする。
(……そうだ、俺は神戸にいた。昔の話だ。)
「記憶が混濁してるな……これがプログラムなら、かなり不味い……」
川田は考える。自分は記憶が混濁している。それは理解できた。今なぜこのような状況なのか全くわからない。これがプログラムなのかそうでないのかも、自分がどのくらいこうしていたのかも。とにかく、まずは記憶を辿ろう、そう彼は考えた。「ここはどこ?私はだあれ?」を自分がやることになるとは夢にも思わなかったが、ひとまずやるしかない。
(オーケイ、こういう時こそクールにだ……まずは一服、ってないのか。そういえば煙草は全部さっき吸ったんだったな……さっき?ああそうだ、さっきまでやってたプログラムでだ、城岩中……城岩中?おいおい俺は転校した覚え……あったな。しかも半年ベッドで寝たきりで留年だ、クソッ。)
悪戦苦闘しながら自問自答する。そうすると段々と思い出してきた。二回目のプログラムに参加して、首輪を外して、そして……
「死んだ?」
(いや、ありえない。俺の身体は五体満足、手も足も動くしどこも痛くない、はずだ……)
政府により治療された、という可能性も考える。答えは否、名目上優勝者とはいえ監督役を殺した自分にそんなことをするだろうか?では誰かに救助された?誰かとは誰だ、そんな人間がいたらプログラムに介入しろと言いたい。
川田は肌に手をやる。腹には傷跡一つ無い。そしてその手を見る。普通だ。変わりない。何年も植物人間だった、というのはなさそうだ。
(とにかく尋常じゃない。まずは生き残ること、それだ。デイパックの類は、イスの下か?音の響き的に空洞があるな。収納スペースにしてそこに支給品入れて俺ごと落としたってところか。いやそれより首輪だ、ガダルカナルなら――ない?首輪が?嘘だろ?プログラムじゃないのか?ああっ、クソッ!頭が回らねえ。まずは手当てだ、このままだと何もしなくても死にかねない。そうだ、だからまずは――)
「どうやって降りるかな……」
とりあえずの行動目標を定めて、川田はため息をついた。
【不明/不明】
【川田章吾@バトルロワイアル】
[役]:親
[状態]:頭に打撲
[装備]:不明
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:状況を把握する。
1:降りたい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……バトルロワイアルの主要人物で作中で行われたプログラムの前回優勝者。中学三年生だが一年留年したため十六歳である。なんでもそつなくこなし精神面も強靭、優勝者という肩書に全く恥じないタフな男。作中ではその能力を遺憾なく発揮し数々の危機をくぐり抜けた。なおデスゲームものにおけるリピーターの元祖でもある。
-
投下終了です。
-
テスト
-
TCロワさんに感想書こうとしたらエラーでできなかったので代わりにこっちに書きます。
投下乙です。
正直最初DMCDMC言ってるの見てなんでデビルメイクライがそんなフューチャーされてるんだって思いました。
このことは墓場まで持っていきたいと思います。
それと私事ですが皆さんはどのようなブラウザを使用していますでしょうか。
私はツボロイドですがここ以外のスレでエラーが頻発しています。
同じようなエラーが起きていたりなにかエラーの原因に心当たりがある方は一報いただければ幸いです。
-
JaneStyleを使っています。
投下します。
-
「ふむ……」
沖木島の北部、鎌石村の消防分署。その一室。
筋骨隆々の老人『Dr.ヘル』は、配布された地図や書類、支給品を確認し、大量の白鬚をしごきながら作戦を練っていた。
自分に課せられた『鬼』の役の、やるべきことはこうだ。
24時間のうちに、広くもない島中に散らばる36名の『子』の、生きているうちの過半数……最大19名を捕まえ、主催者本部に連れて行けば勝利。
あるいは、『鬼』を除いた「生きている参加者」の過半数が『鬼』になれば勝利だという。
『親』が24名いるということは、親・子あわせて60名のうち、鬼が全員生きているとしても49名を殺さねばならない。
ついでに。
『子』の勝利条件は、鬼が全員死ぬか、制限時間まで逃げ切る(捕まらず、生き残る)こと。
『親』の勝利条件は、子が勝利条件を満たし、なおかつ生き残った子の数が親より多いこと。
どちらも困難だ。それも、子と親の勝利条件はバッティングする。子が勝利するには、親より人数が少ない状態で勝利せねばならないわけだ。
勝利すれば、その役は全員復活出来る。つまり途中で死んでも捕まっても、最後の数人に希望を託せばよい。
敵は鬼だけではなく、親と子でもあり得るというわけか。なかなか悪趣味なイベントではある。
さて、結論。鬼の側が勝利するには、効率上「子を捕まえる」方が明らかに手っ取り早い。
広くもない―――せいぜい数km四方とはいえ、山があり森は深く、民家もそれなりにある。
隠れんぼされては面倒だ。それに、親や子にも、然るべき武器は支給されていよう。自分ならそうする。
第一、子と親の勝利条件に『鬼が全員死ぬ』とある。鬼を殺せるほどの何かが支給されているはずだ。
他の鬼に貧弱な奴らがいれば、殺されるかもしれない。鬼の総数が減れば、親や子をより多く殺さねばならん。手間がかかる。
子を捕まえるならば、鬼が少々死のうとも、捕まえる人数は子の過半数である19名を上回ることはない。親は無視しても殺しても良い。
また「生きている子の過半数」を捕まえればよいのだから、適度に子を殺した方が手間は省ける。
50億人を殺した自分だ。今更殺すのに特に躊躇はないが、目的は殺戮ではなく、自分の復活。そして、主催者であろう兜十蔵との戦いだ。
そう。必ず奴は、自分を見ている。よりによって自分をこんなゲームに喚び出すなど、あいつの仕業でしかあり得ぬ。
ならば。奴が定めたこのルールに律儀に従って勝利するなど、気に食わぬ。奴の鼻をあかすためにも、思いもよらぬ方法でクリアしてくれよう。
全宇宙征服の第一歩、いや何百億分の一歩は、この島から。……地下に機械獣はおるまいが。
-
なぜか二枚あった地図のうち、一枚はどうも現実と違う。村々の表記もなく、向きが反対だ。手違いか、あるいは差異世界のものか。
何かの役には立とう。折りたたんで仕舞い、カラー地図の方を矯めつ眇めつ眺める。今自分がいるのは「C-05」だ。
「……で、要するに、この地図でいうF-05……神塚山山頂地下に、主催者本部があるというわけじゃが。
兜十蔵はおるまいな。おればワシが全て擲ってぶっ殺しに来ることぐらい承知じゃろう。
ここをぶっ壊すか……いや、ワシに何か細工がしてあって、反乱すれば爆死、ぐらいのことはするか……ブツブツ」
ヘルは、ふと窓の外の空を見る。飛行機だ。ビラやパラシュートを撒くのをいつの間にかやめている。
「あの飛行機を乗っ取るか。燃料補給なり連絡なりで、主催者本部の近くに降りてくるかもしれん」
だが、島の外には怪しい霧。いかに自分が鬼とは言え、飛行機で島の外へ出られるはずはない。
とにかく主催者本部へ戻り、偵察して情報を集める。それには「手土産」が必要だろう。
「……おっ、あれは……」
◆
「なんなんだ、ここは……? どこかの島のようだが……」
故郷・ネアポリス王国から遥か遠く、極東の島国のとある島、を地獄に再現した舞台。
19世紀末の異国から招かれた男にとって、見るもの全てが珍しい。飛行機、パラシュート、瓦屋根の家々、港、看板。
「これは……『漢字(カラッテリ・チネージ)』か? 東洋のどこかってことか?」
東洋へ実際に行ったことはないが……シノワズリー(中国趣味)とかジャポネズリー(日本趣味)なら、
裕福な財務官僚の息子である彼にも、嗜み程度にはある。欧州とは異なる、奇妙な文明の地だという。
なんでそんな場所に? 決闘を妨害しようとする、何者かの仕業か? ナメやがって。
それにしたって、なんで自分が『鬼ごっこ(アッキアッピーノ)』なんてやらなきゃあならないんだ?
-
男―――『ウェカピポの妹の夫』に、ここが『地獄』だなんて発想はない。
自分は地獄に落ちるようなことなどしていないと、確信しているからだ。
女は男に、妻は夫に、全身全霊で仕えるべきものだ。夫の気に入らない妻は、言葉と暴力によって躾けねばならない。
それが気に食わないからと、裏でコソコソと『婚姻無効』の許可を取り付けやがった――――
妻の兄、あのウェカピポこそ地獄へ落ちるべきだ。正当なる決闘によって死を与えてやる。
それが彼の流儀であり、本当の男のすべき行いだと、彼は教育されてきたし、性に合っていた。
わけがわからんが、ここからネアポリスに戻るには、どうしたって与えられた『役』で勝利しなけりゃならんらしい。
面倒だが、暇つぶしと思ってやってみよう。そして主催者には責任を取らせなければなるまい。
とりあえず他の参加者と合流せねば……と、思っていた時。
「うッ!?」
ふ し ゅ う う う う ……
目の前に、奇怪な男が立っていた。
紫色の肌、金色の目、長い白髪と大量のヒゲ。筋骨隆々の肉体。小銃を背負っている。左手には槍のような杖のような、異様な武器。
右手には……顔面をその武器でしたたかに殴られ、気絶したと思しき一人の少女を、首根っこを掴んで引きずっている。
鬼だ。鬼の所業だ。そして、この威圧感。強い。自分では決して勝てない。太刀打ち出来ない!
ヒゲの男はこちらを睨みつけ、どけ、とばかりに杖を振る。
「おう、そこにも一匹おったか。親じゃな」
「は、はい」
思わず即答する。ヒゲの男は少し考え、こう言った。
「ワシは親に用はないが……親側の情報も必要じゃな。よし、ワシについて来い」
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【チーム・ヘルインザ地獄】
【C-05/00時35分】
【Dr.ヘル@真マジンガーZERO】
[役]:鬼
[状態]:超健康
[装備]:バードスの杖(ただし現在は機能が停止しているため実質は頑丈な棍棒程度、本人はまだ気がついていない)
[道具]:四次元っぽい紙袋、『スマートフォン(鬼)』、不明支給品2つ(確認済み)、島の地図2枚、
『お守り』(ターニャから説明書ごと奪取)、モンドラゴンM1908(小銃。ターニャから奪取)
[思考・行動]
基本方針:戦いに勝利し、この企画の主催にいるであろう兜十蔵をぶち殺す。その後に改めて世界征服に乗り出す。
1:従来のルール以外にゲームをクリアする方法があれば、兜十蔵の鼻を明かす為にもそちらを優先したい。
2:捕獲したターニャを主催者本部に連れて行き、偵察して情報を集める。ターニャにも内部を偵察させ、後で連絡をとらせる。
【ウェカピポの妹の夫@ジョジョの奇妙な冒険 第7部 SBR】
[役]:親
[状態]:健康、恐怖
[装備]:鉄球、剣
[道具]:デイパック(不明支給品3、未確認 なぜか支給品が3つある)
[思考・行動]
基本方針:決闘を汚した主催者に責任をとらせる(女なら殴りながら犯す)。親か子の参加者を探す。鬼ならば様子見、可能なら仕留める。
1:逆らえば殺されそうなので、ヒゲの男について行く。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【ターニャ・デグレチャフ@幼女戦記】
[役]:子
[状態]:顔面負傷、気絶
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:このゲームから早期の脱出を目指す。出来れば子と合流。
1:………。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。『お守り』については把握しているか不明。
いきなりヘルに襲われ、顔面をバードスの杖でぶん殴られ気絶。武器と道具を奪われる。
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投下終了です。
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投下乙です。
どこに行っても、Dr.ヘルはDr.ヘルだな・・・とは思うものの、もう少しターニャの描写にも力を入れて欲しかったなぁ・・・とも思いました。
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投下乙です。
ある程度本編投下と企画開始からの時間経過があったところで頭脳派にルールを考察させつつ読み手にも解説していくスマートな導入から即座に二人拉致る、まさに鬼のような所業ですね。
しかしターニャがズガンっぽいというのもまた一理あると思うので、この登場話投下が終わったら『堕姫(妓夫太郎)、ターニャ、河島龍之介、草加雅人』で書きます。
投下します。
-
G-07にある分校は地図上には存在しない。それはまだ建設途中だからであり、またその成り立ちに由来する。
この沖木島にあるのは、現在は北部にある釜石小中学校のみである。かつては西部に平瀬村分校があったが、現在は統廃合された。そのため平瀬村と南の氷川村の子供は、山をぐるりと海沿いに迂回して釜石小中学校に通うことになっている。
当然このことは、平瀬村と氷川村の人間からは不評であった。自分の村の学校が無くなった平瀬村も島の反対側まで毎日行かねばならない氷川村も憤り、この通学に関しては島の中でもちょっとした争点である。そしてこの問題への対処法として二つの解決策が検討された。
一つは、島の中央の神塚山にトンネルを掘ること。地図でいうE-06とG-06にある断絶した道はその名残である。結局は反対運動と神塚山の地盤の問題――不幸ないくつかの落盤事故――で見送られ、そのトンネルの跡地は主催者側の施設として再利用され桜ヶ島ショッピングモールが鎮座することになった。そしてもう一つは、それぞれの村から通うのに同じぐらいの便利さの場所に新たな学校を作るというもの。これが結局は『同じぐらいの不便さの場所』に作るという形で固まり、老朽化した釜石小中学校に代わり氷川分校(仮)が建てられるに至ったのである。
さて、先にも言ったがこの分校は建設途中である。具体的には体育館とプールで、前者はほぼ完成するも後者はほぼ手付かずである。そしてその体育館は当然施錠されており。
「なんで誰も来ないのよ……」
そこに閉じ込められる形となった少女、一路舞は困惑と恐怖の真っ只中にいた。
いつもどうり学校にいたはずなのに気がつけば見知らぬ体育館で閉じ込められていた。おまけに外は赤い空。催眠術や暗示なんてチャチなもんじゃない、もっと恐ろしいものの片鱗を現在進行系で味わっている。それでも努めて冷静にどこかのクラスが体育館に来るのを待っているのだが、誰も来ないどころか漏れ聞こえてくるはずの児童の声すら聞こえない。特に彼女のクラスは学校でも一二を争ううるささであるため学校の外からでも間違いなく聞こえるはずなのに。しかも体育館の時計やいつの間にか持っていたスマートフォンが指し示すのは深夜0時という時間。いったい何が起こってしまったのか。
普段なら不平不満を言うところだが一人ではそれもできない。苛立ちよりも心細さが先に立つ。そうして待ち続け既に小一時間。いい加減なんとかしなくてはと思いながらもさすがに窓を割って出ようなどとは思いつかないあたり腐っても優等生である。
と、待ち続けているところに声が聞こえてきた。声色を考えるとどうやらスピーカーか何かで生徒が話しかけているようだ。少しして、先生らしき声も聞こえてきた。ということは。
「なによ、やっぱり人いるじゃない……」
ほっと息を吐く。とりあえず誰かいるのは間違いないのだ。これならじきに閉じ込めも終わるだろう。
彼女は知らない。鬼ごっこ開始から一時間に渡ってその身が安全であったのは閉じ込められるという隔離された状況だからであったこと。そもそも自分が鬼に追われる身だということ。そしてここは自分の通う学校では無いことを。
【G-07(分校・体育館)/01時00分】
【一路舞@黒魔女さんが通る!!】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:スマートフォン(子)
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:誰かに体育館の鍵を開けてもらい授業に戻る。
1:とりあえず放送を聞く。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物紹介…原作における主人公・チョコのクラスの学級委員で、最初期から登場する五年生の少女。性格は極度の仕切り屋で何かある度に「○○委員会」を立ち上げる。ちびまる子ちゃんの丸尾くんや絶望先生の木津千里を想像するとその人間性が理解しやすい。なお、別に彼女に超常的な力は無い。ただ単に自分が仕切るために並々ならぬ執念を見せるだけのただの女子小学生であり、クラス会議やグループ活動以外では目立たない(他のクラスメイトが揃いも揃って濃いのもあるが)。
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投下終了です。
先日同人ショップに行ったとき彼女のイラストを見かけたので「ナビルナと若おかみ書いたのにそういや書いてなかったな」って思って書きました。
ちなみに黒魔女で脇役の彼女の同人はいくつか見たことありますが主人公の同人は一回も見たことありません。
原作でも可愛くないと言われてますがあんまりだと思います。
それと参加者名簿が更新されました。
鬼 残り2
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン○Dr.ヘル/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○ギーグ/○三日月・オーガス/○アルシア/○???/○???
親 残り7
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○キング/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○ウェカピポの妹の夫/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○アリス・カータレット/○マジェント・マジェント/○???/○???/○???/○???/○???/○???/○???
子 残り7
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○桐山和雄/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○ターニャ・デグレチャフ/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○名波翠/○
スマートフォン
○関織子/○豊穣礼佑/○プルツー/○源元気/○/○/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、たえちゃん、犬山まな、桜井リク、間田敏和、織田敏憲
最後に、ブラウザ教えていただきありがとうございます。
もう少し様子を見ながら書き込めないか確かめていこうと思います。
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少し質問です
私が以前このスレを見たときは、すでに全参加者が決定していたと思うのですが、現在の名簿には???の項目があり、また以前は見かけなかったキャラクターの登場話などが投下されているように見えます。
以前のリセット宣言からすると、新たに登場話を投下して名簿を作り直しているのでしょうか。
それとも、いまだ本編が書かれていないキャラクターが???表記になっていて、その枠が埋まるまでなら新たに登場話を投下してもよいということでしょうか。
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Bルートでは登場話と本編が書かれて初めて参加者となり名簿に載ります。
これは当企画では他の企画とは登場話の募集とその扱いに違いがあるためであり、まず当企画における事情を説明します。
当企画では原則常に登場話を募集しています。
分岐制を採っているのがその理由であり、いわゆる登場話コンペをこれまでのA・Bルートでは行いませんでした。
企画段階上ではコンペを行うことも考えていましが、名簿の作成並びに企画の進行上非現実的だと判断したためです。
ではどのように現在のBルートでは参加者を決定するかと言いますと、>>362に基づきます。
「Aルートの時の名簿を流用する」ことを原則に、Aルートで本編が書かれたものは本編ごと可能な限り流用し、それ以外の枠は全てAルートの時の名簿を前提とした書き手枠となりました。
新たな登場話ではそれまでに投下された登場話より本編に採用し得る条件が厳しくなっていますが、基本的には同じ扱いです。
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書くと宣言していましたが登場話を思いついて先に書き上がったので投下します。
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じゃあまず、名前を教えてくれるかな?
「えっと名前……えー、『空手部の木村』です。」
はい。身長・体重はどれくらいあんの?
「身長が、171センチ――」
はい。
「――体重が、65キロです。」
はい。スポーツは……空手やってる?
「スポーツは、空手。」
はい。じゃ結構スポーツマンなんだ?
「スポーツは好きです。」
ふん。じゃ体とかも結構自信はある方?
「そうですね、自分の範囲内で。」
うん、うん。はい。今彼女とかはいるんだっけ?
「いや、彼女、てか……自分の彼女の……」
うん。
「っと二話ぐらいに別れて……」
うん。
「まぁ……友達という関係で……」
うん。
「それぐらいです。」
ふ〜ん。
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命がけでデスゲームってのはどう?抵抗ある?
「はい、かなり。」
あるんだ。
――絶望鬼ごっこパロディ死者スレ27より抜粋
-
「カバンの中身は……モルヒネ?と、菅野美穂のCD?これだけ?」
そう呟きながらそれなりの容量のあるデイパックを逆さにして中身を探す。しかし出てくるのは、劇薬という表示が印象的な小瓶と一つのCDケースのみで、空手部の木村は肩を落としながら、なぜこんなことになったのだろうと何度も繰り返した問を自分に投げかけた。
彼は大学で空手部に所属していること以外はどこにでもいそうな、極めて没個性的な人物だ。男前ではあるが、彼より顔が良いスポーツマンなどがいくらでもいる。いわば普通という言葉を体現したような人物である。普通に勉学と武道に励む好青年、それが彼だ。だから彼には、なぜ自分がこんな鬼ごっこなどに巻き込まれたのかとんと理由がわからなかった。パラシュートなど使ったのも初めてだし、恥ずかしながら飛行機に乗ったのもさっきが初めてである。そのため自分が椅子ごと落下させられたと知ったときにはたいそうたまげたが、今はそれよりも己の身が心配であった。
「あっ、内ポケットに何か書いてある。えーと……」
答えの出そうにない疑問を頭から切り離し、木村は自分が見つけた文字へと注目した。それは逃避であった。目の前に現れた困難から目を逸らすには、小さな気づきに集中したほうがいい。そんな小市民的な考えからの行動である。しかしそれは、この場では新たな問題への第一歩に他ならない。
「『制限時間まで一人でも逃げ切る、もしくは、『鬼』が全員死ぬ。』……『『子』が勝利条件を満たしなおかつ『子』の生きている人数が『親』の生きている人数より多い。』……『制限時間までに生きている『子』の過半数を主催者本部(F-5神塚山山頂地下)に捕まえる、もしくは、生きている参加者の内過半数が『鬼』になる。 』……これ鬼ごっこなのか?」
木村は聞き逃していたルールを把握したことにホッとしながらも、改めて把握したその危険極まりないルールに戦慄した。パッと見ただけだがこのルール、当たり前だがどの役か一つしか勝てるようにできていない。だいたい死という文字がある時点でろくなものではない。そしてなんとなくだが、ルールに穴があるようにも思える。最近話題の『バトロワ』みたいなものだろうか、しかしそれにしては幾分ルールが複雑なように思える。
チラチラと周囲を確認したあと木村は木に背中を預けルールをじいと見た。『鬼』と『子』のルールはまだわかりやすいのだが、肝心の自分達『親』のルールはいまいちよくわからない。そもそも鬼ごっこで親ってなんなんだ、そう考えながらルールを何度も音読する。
「『『子』が勝利条件を満たしなおかつ『子』の生きている人数が『親』の生きている人数より多い』……そうか、この書き方が引っかかるんだ。」
やがて木村は違和感の理由に気がついた。『親』だけが鬼ごっこの途中で勝利条件を満たせないのだ。『子』の勝利条件に便乗するようなあたりが「子を守る」ということなのだろう。自分が生き残るためには命がけで『子』を守れということだろうか。
「これって『親』と『子』は両方勝つのか?」
そして素朴な疑問が頭に浮かんだ。ようするに自分は『子』が勝たないと勝てないのだが、そのとき『親』だけ勝つのか『親』『子』で勝つのかはルールに書かれていない。もし『親』だけだというのなら守るも糞もないことになろう。その場合は、『鬼』と『親』で『子』というポイントを奪い合うゲームということになる。守るべき弱者ではなく防衛すべき対象、缶蹴りの缶だ。24時間経った時に過半数のポイントを手にしていた方の勝ちというゲームだ。
だがそうなると疑問が新たに生まれる。『子』はこのルールを知っているのかということだ。『親』『子』で勝てるときはともかく、どちからしか勝てないとなると『子』は『親』を避けるのではないか。それどころか、『子』が『親』以上の数にならないように『子』同士で間引き合うことも――
(あれ、ていうことは――)
「『親』は何もしなくても勝てる……?」
思いついたのは悪魔的発想。
今まで木村はどの役も同じ人数だと仮定して考えてきた。その場合、『親』が一人死ぬだけであとは『親』『子』全員が丸一日逃げ回れば勝ちということになる。よしんば元々『親』が『子』より少なければ、『親』は本当に何もしなくていいのだ。たとえ『子』の方が多かったとしても、『親』が一人一つずつ守るようにしてあとは『鬼』に間引かせれば良いのでは……?
「何考えてるんだ僕はっ!勝つって言ってもどうなるかわからないのに。それに人が死ぬかもしれないんだぞ……」
頭に浮かんだ、生の裏技。
それを振り払うように木村は頭を振る。
一頻り振り終わったその目がモルヒネの小瓶へと向けられていることに彼は気づかなかった。
-
【不明/不明】
【空手部の木村@迫真空手部・性の裏技】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック(モルヒネ@現実、菅野美穂のCD@現実)
[思考・行動]
基本方針:家に帰る
1:『なにもしない』……?
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
人物解説……ゲイビデオ「誘惑のラビリンス」第三章「迫真空手部・性の裏技」の登場人物。先輩部員の盛り上がった股間が気になってチラチラ見てたりするがそれは先輩部員が特異な人物であるためで彼自身は普通の好青年である。あくまで『KMR』ではなく三章の空手部の木村としての参加のため、某動画サイトで確認される特殊能力は一切備えていない。『創造』の能力もなければワイン片手に覚醒したりもしない。
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投下終了です。
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なんだこれは……たまげたなぁ。(やっぱイッチは淫夢が)好きなんすねぇ!
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投下します。
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「な……なんだ、ここは……?」
少年は、怯え、驚き、あたりを見回す。今までいた世界とは、何かが根本的に違う。
世界は……もっと乾いていたはずだ。砂埃、暴君、奴隷、労働。飢えと渇き、暴力と支配。
だが、ここは。緑に覆われた山、廃墟ではなく整然と立ち並ぶ家屋。失われたはずの旧世界。
いや、違う。空は青くも黒くもなく、不気味に赤い。火花が散り、紙が舞い落ちる。それを無意識に拾い、文字を読む。
最低限の教育はある彼にも、その文字は読めたが……その内容は、理解を拒むものだ。
「鬼ごっこ……!?」
かつて遊びとしてやったことはある。しかし、これは。どう考えてもまともな鬼ごっこではない。
鬼とはたぶん、あいつらのような、文字通りの鬼。暴力で人を支配し、殺し、奪い、搾取することしか知らない奴ら。
あの暴君が斃れたというのに、自分はまた、同じような奴らの虜になってしまったというのか。
ぎり、と歯を食いしばる。負けるものか。生き残ってやる。逃げ切ってやる。
『仁』の星のもと、自分たちを守り、身代わりになった―――――あの人のために。
【???/00時12分】
【レム@北斗の拳】
[役]:子
[状態]:健康、困惑
[装備]:ナイフ
[道具]:支給品(未確認)
[思考・行動]
基本方針:生還する。
1:子や親と合流し、協力する。鬼からは逃げる。
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。自分の役を子であると推測。
『人物解説』
漫画『北斗の拳』94話に登場する少年。アニメでは67話に登場し(CV:江森浩子)、レムという名がつけられた。
サウザー率いる聖帝軍に捕らえられ、聖帝十字陵の建設作業を強いられていた。
十字陵の完成が迫った際、頂上へと続く階段の脇に並ばされ、反乱軍を率いていたシュウの最期を目撃。
自分たちを「未来を照らす光だ」と言ってくれたシュウの仇を取るため、階段を上ってきたサウザーの右脚に刃物を突き立てる。
だがサウザーは全く動じず、愛が彼を狂わせたと発言し、自らが愛を否定するに至った経緯をケンシロウに語るのであった。
同作のパロディ漫画『北斗の拳イチゴ味』では「ターバンのガキ」と呼ばれ、執拗にサウザーの脚を狙うばかりか、
ケンシロウやラオウにもダメージを与える恐るべき存在と化したが、ここでは原作通り無力な少年である。
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投下終了です。
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投下乙です。
ターバンのガキがちゃんとオリジナルから投下されるとはこの海のリハクのめをもってしてもですごいと思いました。
私も聖帝のように退かぬ媚びぬ省みぬで頑張りたいと思います。
では投下します。
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パリンという音と共に窓ガラスが割られると、錆の浮いたクレセント錠が外側から開けられる。ターニャ・デグレチャフは当然の権利のように見知らぬ住居に不法侵入すると再度クリアリングし気配が無いことを確認した後家捜しを始めた。一階に人影なし、続く二階も同様。『子』が天井裏や引き出しに潜んでいる可能性……は排除できないが、薄いと判断するのが定石。彼女自身も気配を消しているため、自分と同等かそれ以上の気配はわからず以下のものは感じられない。ゼロ人と見做して良いと判断した。次にキッチン。水は、出ない。が、電気は来ているのか冷蔵庫は動いていてミネラルウォーターのペットボトルが見つかった。一応飲めるか確認すべくヤカンを洗い水を入れ火をかけようとして、ガスが来ていないことに気づき、手早くガスコンロを準備すると今度こそ火をかける。
「……日本、だな……戻ったわけではないか……」
一通りの作業を終えヤカンが微かな音を立てるようになって、ターニャはこの家に入って初めての言葉を発した。悪い目つきを更に悪くしながらキッチンから持ってきたインスタントコーヒーの瓶を見る。聞いたことの無い商品名だ。パッケージの雰囲気も彼が見知ったものとは違う。センスがどことなく昭和的だ。そして成分表示。ターニャが聞いたことのない珍妙な行政機関の名が書かれている。このコーヒー一つとっても、彼が知る日本との差異があった。
次に彼女はいつの間にか服に入っていたお守りと説明文を見る。書かれている内容からして自分の役は『子』で間違いなかろうと推測を立てるが、しかしこのお守りから得られた情報はそれだけ。その効果が科学によるものか非科学によるものかを明らかにする手立ては無い。武器として用いるのは困難であると結論づけると、一応直ぐに取り出せる場所に仕舞う。
そうこうしているうちに煮沸したお湯をまずは冷そう、そう思いコンロに目を向けたところで、その奥の窓ガラスから一人の男の姿を見つけた。
-
「――で、気がついた時にはこの赤い空の町にいました。」
「なるほどな……」
(言動からしてヤクザ者か。)
(サクラより年上つってもめちゃくちゃしっかりしてんなこいつ。最近のガキはこんなんばっかなのか?それとも外人だからか?)
森を抜けたところで民家を見つけ近寄っていた男、河島龍之介ことリュウが、外人の幼女、ターニャに声をかけられて数分。ターニャが淹れたインスタントにしては旨いコーヒーを飲みながら二人は情報交換をしていた。
「つまり、お前はあの糞パラシュートで落とされたわけじゃねえってことだな。」
「はい。役やその勝利条件、制限時間といったものを説明された記憶はありません。」
(ホントかよこのガキ。)
(やはり怪しまれているか。)
質問に対して淀み無く、極めて流暢な日本語で返答するターニャを怪しみながら、リュウはデイパックを開いて内ポケットを見せつける。「俺が落とされる前に飛行機で聞いたのと同じだ」と告げると、コーヒーの水面――に写るターニャ――に目を凝らした。
リュウがこの鬼ごっこが始まってから十五分程で出会ったこの幼女。その強烈なインパクトは彼に警戒心を抱かせるには充分過ぎるほどであった。まず日本語を話せることがおかしい。ターニャはこの鬼ごっこが行われている日本の歴史が不明なため自分をポーランド系の移民と紹介していたが、そんな難しい設定なんか知ったこっちゃなくリュウにとってはどう見ても日本人に見えない子供が日本語がペラペラであるというだけで大きな驚きである。そしてその外見――というか顔だ。服はともかく顔が、ヤクザで時々見られる顔をしている。表情筋を固めて取り繕うその筋の者特有の顔なのだ。仮面を被ったような真顔、というのがリュウがターニャの顔に対して抱いた印象だ。そして喋り方・喋る内容。どう考えても賢すぎる。ここまで理知的という言葉が当てはまりそうな人間は、彼の人生では存在しなかった。もっともこれは彼が死ぬ前に行動を共にしていた連中がお世辞にも賢いとは言えない連中だったこともあるのだが……そして最後に、この部屋に僅かに漂う機械油の臭い。この臭いはリュウの人生の中でも強く印象づけられている。自分が刑務所に入るきっかけとかなった、拳銃と同じ質の臭い。その微かな臭いは銃で人生を狂わせ銃で幕を閉じたリュウにとって、本能的に警戒心を呼び覚まされるものであった。
(こいつ全く隙を見せねえ。アイツらよりよっぽど気張ってるぞ。)
不可視のプレッシャーを感じながら、リュウは五感全てでターニャを伺う。脱獄仲間の誰と比較しても強いであろう、張り詰めた集中力とかそう言うものが感じられる。改めて服の下に隠したドスを意識した。リュウは子供の可能性というものを理解している。自分達の脱獄劇において、小学校にすらろくに行っていない一人の幼女にどれだけ助けられたかわかったものではない。もし彼らだけであったのなら、本州に行く前の福岡の段階で捕まっていただろう。だから目の前のそれが自分より格上だという想定で、殺すことも考え始める。相手が『子』かもしれないというのは関係ない。一瞬でも隙を与えれば自分が殺さねかねないプレッシャーを、リュウは感じていた。
(もう一人サンプルがいるな。)
一方のターニャは自分が殺さねばならない存在だと思われているとはさすがに考えていないものの、リュウの警戒には気づいていた――このようなデスゲームで無警戒な人間はありえないからだ。その頭の中では、リュウをどう利用するかのプランニングの真っ最中である。隠しているつもりらしいが服の下に何かを忍ばせているあたり用心深さは及第点、即席の肉壁としては悪くない、というのが彼女のリュウへの評価だ。それと同時に情報ソースとしては落第だとも判断する。この男が示したルールにはいくつかの重大であるのに欠けている要素があるのだが、そのことに気がついている様子は無い。もしそう演技しているのなら万が一にも背中を預けられる存在ではなくなるためなお質が悪い。それと付け加えるならばカバンに謎のアタッシュケースを入れたまま渡――
「ッ!!」「伏せろっ!!」
反応は同時。
低いソファから即座に身を床へと投げ出す。
身体が接地するより早く寸前まで胸や首があった当たりに衝撃。
住宅の一部分が消し飛び一瞬中空が生まれ、だるま落としのように壁が壁へと落下する。
その間にターニャは銃を、リュウはドスを手に取る、そして互いを見た。
アイコンタクト。
結論は、逃走。
「走るぞ!」
謎の攻撃から三秒後、二人は別々の方向に走り出し窓ガラスを割って家から脱出していた。
-
「外れた!?」「勘が鋭えなあ。」
奇襲の下手人、堕姫と妓夫太郎は相次いで声を上げる。確実に殺せた筈の一撃が回避されたことに驚く堕姫の背中から妓夫太郎は出ると、こちらに近づく幼女へと目を向けた。
鬼である彼ら兄妹は二人で一人の『鬼』。そのアドバンテージは正面切っての戦いで発揮されるが、今回彼らが選んだのは、安全策を取って遠距離からの血鬼術。死を経験したこととかって知ったる吉原でないことから慎重な手を選択した。その結果は、暗殺の失敗である。
だが妓夫太郎は既に二人を殺す算段をつけていた。戸惑う妹をよそに、相手の力量を見極める。堕姫の帯をかわしたことからして二人の反応はなかなかだが、所詮は少し動ける常人の域。柱とは比べるべくもない。ガキの方は鬼に近い雰囲気からして一応の注意は必要だが、男の方は精々が侍程度、加えて銃器を持つのはガキの方、それだけ考えると「ここで受け止めろ」とだけ言い置いて迫るガキ――ターニャへと肉薄する。
「そおらよっ!」
(――投げられた!?)
恐るべきは妓夫太郎のそのスピード、そしてそれが起こした投げを瞬時に把握したターニャの頭の回転だ。妓夫太郎の瞬発力は同じ『鬼』達の中でもトップクラス、その一撃に耐えられるどころか何をされたのかすらわかる参加者は数えるほどしかいない。まさしく人外、鬼畜なる身体能力、それが妓夫太郎。しかしその高速戦闘に対応できてこそ悪魔と呼ばれたターニャ。ぶん投げられむち打ちになりそうな首を強引に抑え込むと受け身を取れるよう背中に注意を回しながらも、その目は自分を投げた妓夫太郎を捉えていた。猛烈なスピードであるが、この程度ならば経験の範囲内、崩れた姿勢でありながらライフルを構えようとし――
「まず一人!」
(二人だと――)
だがそこにいるのはもう一人。十三人目の『鬼』とでも言うべき上弦の陸、堕姫。身体を帯に変えた彼女にターニャが『包み込まれる』と、その身は忽然と姿を消した。これぞ堕姫の持つ血鬼術の中でも特異な能力、亜空間への引きずり込み。堕姫が望むか帯を斬られるしない限り内部からの脱出は不可能という、この鬼ごっこで随一のルールに合致した恐るべき能力。生け捕りのためのそれがターニャを瞬時に無力化する。だが本当に恐るべきは、ターニャの不運さ。何度も危ないところで逃げてきたリュウの逃走に関する幸運さの割りを食ったかのごとく、彼女が逃走ルートに選んだのは不運にも堕姫達の方向であったのだ。
「お兄ちゃん!」
「いいなぁあ、さすが俺の妹――あぁ?」
しかし、禍福は糾える縄の如し。
二人の鬼に光弾が迫る。それぞれに冷静に回避し飛来した方向を見る。
その先にいたのは、黄の線が身体をめぐる黒い服――カイザであった。
-
(何が起こった?)
エリアが変わるほど全力疾走し荒くなった息を調えるべく、リュウは木陰の地面に伏せる。抜け目なくターニャが覗いていたデイパックから掴み取り持ってきた彼のもう一つの支給品である謎のアタッシュケースを抱えながら、先の一撃について考えるが、彼では答えが出ない。当たり前だろう、超高速で帯が振るわれ家屋を両断したなどと。
(アイツ逆方向に行ったよな?)
ハァ、ハァ、と息を吐きながらも今度はターニャのことを考える。答えが出ないことは即座に放り他の人間の心配をするのは、これまでの逃避行からかそれとも彼の人間性か。一方その目はなにか役に立つものはないかと周囲を行き来しているが、これは前者だろう。しかし結局どちらもなんの成果もなく、リュウは一際大きい息と共に俯いた。
「こんなん持ってきてもしょうがねえだろ……」
視線がぶつかったアタッシュケースに恨めしげに呟く。SMARTBRAINというロゴが入ったそれの内容物は、ゴテゴテとした謎の金属製のベルトとガラケーなどのアイテムで、今の自分には何の役に立ちそうにもない。電話も圏外でこんなものを持っていても重いだけだと思い、リュウは捨てることを即決した。金ならともかく持ち歩く必要性が無い。息と足が戻るまでの間に説明書だけ目を通して藪の中にでも隠しておこう、そう思い開ける。
「変身ベルトかよ、ハッ。」
ケースの上面のガイドに従い着けてみる。どうせSFチックな見た目なら読まなくても自動で使い方がわかるぐらいしろ、と自分でもめちゃくちゃだとわかる主張を脳内でしながら。そして自動で使い方がわかった。
「……ハッ?」
自動で使い方がわかった。何がなんだかわからないが、ベルトを着けて携帯電話を持ったら、これが変身ベルトであると直感で理解できた。
直感どうりに携帯電話を開く。謎の電子音。導かれるまま、9・1・3、『EXCEEDCHARGE』という電子音声。そのまま恐る恐るベルトのバックル部分にあるケースに嵌める。
『COMPLETE』
「マジかよ……」
電子音声と怪音、そして閃光。
それが終わった時、リュウの身体は見たこともないスーツに包まれていた。
「らあっ!」
「うぜえ……」
カイザに変身したリュウはカイザフォンとカイザブレイガンの二丁拳銃からフォトンブラッドを乱射し、妓夫太郎はそれを躱し、弾き、血を飛ばす。妓夫太郎は襲ってきた仮面の男の正体は知らないもののその力量は正確に計っていた。身のこなしは柱に比べ単純な筋力などでは勝っているようだが、動き自体は洗練されていない。そしてこちらの攻撃は当たりあちらの攻撃は外れる。強靭なだけで、敵ではない。一方リュウは相対した妓夫太郎の異形と異常な身体能力に舌を巻いていた。あの身体は生まれつき梅毒にでもかかったのだと思えばわかるが、フィジカルは変身した自分より上かもしれない、そう思う。だがここで引くわけには行かない。一連の特徴を考えれば、相手はまず『鬼』。しかも警察のように殺さず捕まえようという気はサラサラない、ならばここでぶちのめしておく必要がある、と。だからわざわざ元来た道を戻ってこうしているのだ。
「いいなぁあ、その洋服。ハイカラじゃねえかよ、ええ?」
「日本語喋れたの――うお!?」
光弾を躱し関節を極めに行った妓夫太郎に対し、リュウは相手に知性があることに驚きながらも銃口を向けようとし、その右手に持ったカイザブレイガン毎何かに拘束される。驚愕と共に見れば、そこには帯。
(こっちが囮に――)
「熱っ!!」
ターニャを沈めたのと同じく兄妹の連携攻撃、それがリュウの動きを止めたのだ。しかしそれは堕姫の悲鳴とともに直ぐに終わる。拘束されたカイザブレイガンから伸ばされたカイザエッジが熱で堕姫の帯を焼き切り、解放されたターニャを抱えてバックステップする。本人は認めぬものも戻った主たる理由である彼女の奪還に成功した時点で、彼の目標は再び逃走となっていた。もちろん妓夫太郎はそれをむざむざ見過ごすはずがない。舌打ちしながら追撃を仕掛けようとする妓夫太郎は再び遠距離攻撃を始めながら機動、曲線と直線を合わせた動きで肉薄しようとし、目を横に一瞬向けて止まった。妹の身体が燃えていたのだ。
(あの刀、あのガキみたいに燃えんのか。)
「ああもうっ!再生が遅い!」
(斬られた近くが毒の炎症みたいになってやがる。厄介だなぁおい。)
飛び血鎌が当たらぬと見て妓夫太郎は追撃を諦め一飛びで堕姫の元へと戻る。妹の傷口を治癒するその顔は忌々しげに歪んでいるが、それは可愛い妹に傷をつけられたからであって取り逃がしたためではない。そのあたりこの鬼、妹思いであり文字通り一心同体である。それに。
「悪いなぁ、お前に殺させてやれなくて。」
あの男はもうすぐ死ぬと妓夫太郎は見切っていた。
-
「クソっ……たれ……何だこのベルト……」
悪態をつきながら腹部の携帯電話――カイザフォンを操作し変身を解除したリュウは、苦痛で顔を青く、いや灰色にしながら倒れ込む。その身体が末端からさらさらと灰になっていくのを呆然と見つめながら手をかざすと、向こうに見えるは自分が助けてしまった怪しい幼女が見えた。
(何やってんだよ……俺は……)
もはや言葉すら発せず自嘲の声は喉を震わせ灰になるのを早めるだけだ。カイザへの変身は適性の無い者が使えば灰となり死ぬ。使い方はカイザギアの機能で頭に流れ込んではきても、その仕様までは知らされなかった彼に、それを避ける術は無い。
「ぐっ……」
(タフなガキだ……失神してたんじゃねえのかよ。)
傍らに投げ出されたターニャを見て、リュウは笑い、頬は灰になる。なんとなくだが、自分がこれから死ぬんだということは灰になりつつある頭ではなく心で理解できた。それはここに来る寸前、体感時間でつい10分20分前に死んだからか。だからやるべきことも理解できた。このクソベルトは危険だ。なまじ使い方が自然とわかる分質が悪い。だったらこのアタッシュケースごと手の届かないところに、少しでも人目につかないところに捨てなければ。
立ち上がる。灰になる。ケースを掴む。灰になる。体をひねる。灰になる。手からのリリース。名前を叫ぶ。
「美咲ぃ!」
愛した女の名前とアタッシュケースが一緒に飛んでいく。それが自分の手から離れる前に、リュウの身体は一陣の風により空へと還った。
【河島龍之介@ランナウェイ ��愛する君の為に 『��』】
【C-05/00時24分】
【ターニャ・デグレチャフ@幼女戦記】
[役]:子
[状態]:気絶
[装備]:『お守り』
[道具]:モンドラゴンM1908
[思考・行動]
基本方針:このゲームから早期の脱出を目指す。出来れば子と合流。
1:………。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・制限時間を把握、会場の地図は未把握。『お守り』について把握したが気絶で記憶が飛んでいる可能性あり。
※C-05のどこかにカイザギア@仮面ライダー555、ドス@現実が遺棄されています。
【C-04/00時24分】
【堕鬼(妓夫太郎)@鬼滅の刃】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:殺し、食らい、現世へと復活する。
1:幸せそうな子や親を食い殺し取り立てる。
※スマートフォン(鬼)の所在は不明です。落としたのかもしれませんし元から入ってなかったのかもしれません。
※C-04の民家のどこかにデイパックが放置されています。
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投下終了です。
リュウの表記は絶望鬼ごっこに合わさてドクロマークにしたはずですが文字化けしてるみたいですね、収録するときに直せたら直しておきます。
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投下乙です
ついにこの企画にも初の脱落者が出てしまいましたか、妓夫太郎は生前と変わることなく狡猾で強いですね
冷静にターニャを狙うシーンからそれが伺えました。
また、カイザを見て炭次郎の日輪刀を連想するのはニヤリと出来ました
候補話投下します
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「ククリ-!ジュジュー!トマー!もうこの際ギップルでもいいから出て来いよー!」
通りすがった民家のタンスを物色しながら、赤いバンダナを巻いた少年は叫ぶ。
せっせと窃盗行為に勤しむ少年の名前はニケ。こう見えて、勇者である。
四大精霊王との契約を完了し、魔王ギリとの決戦に備えて眠りについたはずが、こんな島に来ていた。
グルグル使いのククリ、ルナーのジュジュ、地味なトマ
パーティーの仲間も一人もいない。一体何があったというのか。
「迷子の勇者様はここにいるぞー…はぁ」
何度仲間を呼んでも出てくるテロップは「しかし なにも おこらなかった !」ばかり。
現実逃避を兼ねた勇者の特権である窃盗行為も、手に入ったのは変な紙一枚。
ため息を吐きながら、手に入れた紙を眺める。
『制限時間まで一人でも逃げ切る、もしくは、『鬼』が全員死ぬ。』
『子』が勝利条件を満たしなおかつ『子』の生きている人数が『親』の生きている人数より多い。』
『制限時間までに生きている『子』の過半数を主催者本部に捕まえる、もしくは、生きている参加者の内過半数が『鬼』になる。 ―――現在開催中!』
「現在開催中って…なんかいやに複雑なルールの鬼ごっこだな、多分ククリが説明聞いても分かんねーぞこれ」
ともあれ、この島では魔物と住民?との鬼ごっこが開催されているらしい。
それに自分は巻き込まれた、ということなのだろう。
ギャグマンガの人間は呑み込みの速さが売りである。
「そんでもって、これは王様からのおくりものって所か」
ポケットにいつの間にか入っていたお守りを検めながら、ニケは外を見据えた。
自分の役割は親に守られるべき子だが、『勇者』としてやるべきことは決まっている。
ゲームに勝ち、ククリ達と合流する。それこそが勇者が歩むべき王道の英雄譚。
「さーて、ほんじゃ行くか。ククリたちもここに来てるかもしんねーし。
出来れば初めて会うのは可愛い子がいいなグヘヘ」
…もっとも、このお気楽極楽勇者様がそんな英雄譚を歩めるかは、分からないが。
【不明/不明】
【ニケ@魔法陣グルグル】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:お守り、鬼ごっこのルールが書かれた紙
[思考・行動]
基本方針:ククリ達と合流してギリを倒しに行く
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
人物解説……『魔法陣グルグル』の主人公。13歳。
ひねくれてるように見えるが結構お人よしなとこも。
お色気と金品には目がない。一度店を開いて大もうけしたことがある。
ボケもツッコミもこなす勇者様。僕にはとてもできない。
風の王との契約後から参戦。
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投下終了です
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候補話投下します
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夕暮れのような赤い空の下をとぼとぼと一人の少女が歩く。
白い、少女だった。宝石のように赤く輝くワインレッドの瞳。月と雪が交わって生まれたように幼くも可憐な容姿。
「うぅ〜ルビー、何処にいるの…」
カレイドライナ―、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは、
その淡麗な目尻に薄く涙を浮かべて己の相棒である魔術礼装の名を呼んだ。
目が覚めたら突然こんな見知らぬ場所に来ており、最初はリンかルビーの仕業かと思ったがいつまで経っても姿を表さない。
空を見れば飛行機が盛大にビラをばら撒いており、ビラには鬼ごっこをしろと書かれている。
そこから自分は拉致されたのだ、と気づくまでにしばしの時間を要した。
「どうしよう…と、とにかく時間まで逃げ切ればいいのかな」
イリヤは健脚の持ち主だ。何かと張り合う妹のクロエも幸運と敏捷(逃走)の高さは認めているし、イリヤ自身もそれは自覚している。
本当は直ぐに家に帰りたいが、ステッキなき自分はただの小学五年生。
クラスカードも手元になく、代わりに入っていたのは野球ボールサイズの水晶一つ。
これではお手上げだ、気は乗らないが鬼ごっこに付き合う他ない。
「でも終わるのいつになるんだろう……危なくないよね?」
疑問は次々と湧いてくる。しかし答えてくれる者はいない。
酷く、ルビーの軽口が恋しかった。
ただの鬼ごっこだ。大丈夫、多分、おそらく、きっと。
信じてもいない励ましを口の中で転がしながら、イリヤは取り敢えず人のいそうな学校を目指すこととした。
【不明/不明】
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:水晶
[思考・行動]
基本方針:逃げ切りたい。取り敢えず学校に向かってみる
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間はすべて未把握。
人物解説……穂群原学園小等部(5年1組)に通う小学生。義兄の衛宮士郎、本来はメイドだがほぼ家族同然に接しているセラ&リーゼリットの姉妹と四人で暮らしている。
足の速さが密かな自慢。「魔法少女マジカル☆ブシドームサシ」というアニメを好んで見ている。
カレイドステッキに見初められ、ただの一般人だったイリヤが、詐欺同然の強引な手口で契約させられ、魔法少女プリズマ☆イリヤとなる。
クロエとの和解後より参戦
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投下終了です
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皆さん投下乙です。
戦闘描写が増えるに従い『子』も段々とインフレしてきましたね。
ニケもイリヤもキャラの濃さに加えてB級のノリができてしかも強くて書きやすさも高そうです。
それと私事ですがスマホ版PUBG始めました。
初めてでしたが上手い外人のおかけでドン勝食べれました。
タフさと移動速度がパロロワチックでしたが、それはそれとしてこの企画は一応ホラーのノリなのでファイナル・デスティネーション並のクソ些細なことで死人が出ていくことになると思います。
それでは投下します。
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世の中の人間には須らく得手不得手というものがあります。
足が速いが非力な人間、頭は良いのに不器用な人間、計画を立てるのは得意なのに実際にやるのはてんで駄目な人間、実に様々です。
さて、これから話す一人の怪物もまあそれは得手不得手の激しい男でして、プロデュースは得意なのにマネジメントはからきしというタイプであります。
例えるならそれは、革命家を自称する夢想家とでも言いましょうか。
「ふむ、役それぞれに利害のある形での鬼ごっこ、というわけですな。」
顎に手をあてながら一人話すのは、目が飛び出した蛙顔の大男です。ローブは痩せぎすの体を隠し随所にある装飾品と首飾りが極めて悪趣味なファッションをしています。そんな彼の役は『鬼』。十二人しかいないその役の一人ですが。
「しかしたった一日でやろうとはいただけない。ええ全くもって。このパーティの主催者は、惨劇の肝を解していないように見えますな。」
(ここは一つ、私が教鞭を執る必要がありそうです。)
この男、役通りに動く気は全くありませんでした。それどころか、この鬼ごっこを転覆させようと考えていました。
彼の大仰な台詞をかいつまみ要約しますと、「(主催者は)デスゲームの見どころがわかっていない」「ルールと制限時間を練りこめばさらなる悪徳が示せる」など、ようするに「俺にやらせろ」ということです。
なんとも傲岸不遜、大胆不敵な考えですが、しかし彼には実績があります。なにせ彼は今から何百年も前に、自分の城で攫ってきた子供達に命懸けの遊戯をさせたこともあるのですから。経験者は語る、ですね。
「さて、まずは人材を集めますか。有望な人間を登用できれば良いのですが。」
(螺湮城教本も無い今、鬼を相手にするにはまずは彼らと敵対する『親』や『子』と結ぶのが定石でしょう。)
内に秘めた翻意のままに、彼――ジル・ド・レェは行動を開始します。より大きな絶望の元手となる希望を育てる為に。
「地獄の悪魔も舌を巻く、本当の涜神をお見せしましょう。」
【???/深夜】
【ジル・ド・レェ@Fate/Zero】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ(確認済み)、スマートフォン(鬼)
[思考・行動]
基本方針:乗っ取るためにこのゲームには乗らない。人を殺そうとする鬼は殺して『親』や『子』から信頼を得る。
1:『子』や『親』を集め対主催チームをつくる。
人物紹介……Fate/Zeroの登場人物で、クラスはキャスター。逸話通りの危険人物で残忍・狡猾、しかし物事を客観視する度合いにムラがあり、時に慎重さに欠ける行動をする。涜神の為に子供を拉致拷問殺害してきたが、今回は鬼ごっこを「手緩い」と判断し自分が主催になる為に対主催となる。なお今回の彼は聖杯によって召喚されたわけではないのでサーヴァントではない。
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投下終了です。
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皆様、投下乙です。
それでは、最後の『鬼』、投下させていただきます
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「ここは....?」
E-05で、先刻まで幼少の残り香に包まれて床についていた少女、リーリエは目を覚ました。
数時間前の、母が引き起こしたウルトラビースト達の暴走、そして自らが付き添っていたポケモンの変貌を目にし、
それでも、母を追い、今度こそ彼女と向き合うために仲間と戦っていく決意をした、その晩の事だった。
身体に固い土の感触と、鬱蒼とした森林のひやりとした気配に彼女の感覚は現実へと引き戻された。
「.....夢.....じゃ、ないですよね....?じゃあ、何でこんな所に....?」
重い瞼をこすりながらも、土のついた手や衣類を確認し、ここが現実の光景だと悟る。
そして、足下に無造作にばら撒かれていたチラシを何気なく手に取り、絶句した。
「なに....これ.....!?」
書かれていたのは、単純な「鬼ごっこ」のルール。しかし、先程までこの世の物とは思えない異形の光景と対峙していたリーリエは、すぐにこの場所の危険、
つまりは形容しがたい「殺気」や「害意」のような「気質」がこの世界を占めている事を察知した。
恐らく、この紙が警告している「鬼」に捕まれば....ただでは、済まないと。本能が、そう呼びかけている。
「.......落ち着いて。逃げたいけど....どこにも、行くところなんてない」
周囲に張りつめた、危機とでも云うべき感覚に足をがくがくと振るわせつつも、それでも、立ち上がり、山を何とか下っていこうとした。
そして、少女は。下った進路の先に、暗い絶望をその眼に宿した少年を見た。
-
「あっ、あのっ....!」
リーリエは数m離れた先から、どこか悲しそうにうつむく少年を呼びとめようとした。
少年はリーリエより歳の離れた青年だったが、何か唖然とし、どうすればいいのかさえ分かっていないようだった。
「.....何だ」
「すみません、大丈夫ですか....!」
何となく幼さの残るその顔立ちと茫然自失とした態度から、親や「鬼」ではなく自分と同じ巻き込まれた「子」の参加者であると判断したリーリエは、少年と話をしようと駆け寄る。
「私も、ここに巻き込まれた一人です。よければ、お話を.....」
「逃げろ」
え、とその足を止めるリーリエ。直後、少年の眼が薄暗い黄金色に変貌する。
「俺は鬼だ。そして....人喰いだ。」
う、そ、という風に言葉にならない、小さな悲鳴をあげ、その圧力に気圧されるかのようにリーリエはズル、と後ずさりする。
「嘘じゃない!....今も、お腹が空いている」
先程まで少女を包んでいた殺気が、数倍に濃縮されて絡んでくる。
「....いつ君を襲うか分からない。だから.....生きるために、逃げてくれ」
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そんな、と絶句する。
ボコボコと、血管よりも明らかに太く、不気味に光り脈打った筋が彼の口を浸食していた。
「逃げろ!」
それが、最期に残った少年――、千翼の理性の断末魔だった。
やがて身体が徐々に熱気に覆われ、今迄に聞いたことのない低い獣のうなり声が聴こえ.....
「ひ....っ......!」
リーリエはその姿に足が竦み、身体はもはや痙攣するかのように、がくがくと震えていた。
さっきまでいた少年はその姿とは想像をしようもない程に、形容し難きおぞましい阿修羅のような異形に姿を変えていた。
失禁しそうな程の重圧と、その異形から感じられる欲に満ちた感情.....つまり、食欲。
この人は....この、怪物は、本気だ。
喰われる。殺される。
はや、く逃げなきゃ.....
地を這い、無防備な背を向け、それでも殺気と食欲に包まれたこの贄の場から脱出しようともがくリーリエの首を、一厘の容赦なくその触手が巻き付ける。
「がっ..,あっ....!?」
ガラス細工で出来たような、白く細い少女の身体を浸食するように、四肢に触手が凄まじい圧で巻き付け、絞め落としていく。
「う....ァア」
「ぐ...ぎゃ...や....や...めて....」
そして数瞬その果てる様子を眺めた後、彼女の肉と骨を喰い貪ろうと唾液と牙に満ちた口腔をがぱり、と広げ....
「が....ァ....ァぞん.....」
『NEO』
ボキリ、と骨が折れるような力で意に反し、千翼の腕は制止を選んだ。
自分の身体が無理やり拘束具のように押し戻されるのを感じて、千翼は禁断症状のように怪物の欲求と人間の理性の狭間に苛まれる。
「がっは....ぁっ...がっ....ぐ」
生成されたアーマーに張り付く熱に耐えきれず、ベルトを外し、冷却された身体を投げだして、暫く俯いたまま、千翼は考える。
元の世界に生き返る、か。
無駄だろうな、とぼんやりと思っていた。護りたかった少女は死に、例え生き返ったとしても世界は己を無言でもう一度殺害するまでだろう。
「そうか....もう....」
「俺は、我慢しなくていいんだ....」
なら、もう.....自分の「人間」の、生きる意味なんて、ないじゃないか。
そんな思考をおぼろげに埋めていきながら、千翼は彼の生きる主導を、自らの怪物に任せた。
-
[E-05 森林地帯]
【千翼@仮面ライダーアマゾンズ】
[役]:鬼
[状態]:健康、強い食人衝動
[装備]:ネオアマゾンズドライバー
[道具]:四次元っぽい紙袋、他支給品三つ
[思考・行動]
基本方針:人を喰い、そして人喰いとして最後まで喰ってから死ぬ。
1:さっきの少女を追う。
2:もう容赦はしない。だから、もう.....殺してくれ。
『人物解説』
人間のタンパク質を喰らう人工生命体「アマゾン」の間に生まれた少年。
長い間、日本政府の組織「4C」に監視・飼育されていたが脱走。
組織から持ち出したアマゾンズドライバーを使い不良少年達とアマゾンを狩っていたが、
狩りの最中に死体にアマゾンの細胞を移植させられた少女・イユと出会い、
初めて喰らいたいと思わなかった彼女に心を寄せ、彼女を守るために4Cでアマゾンを狩る事を決意する。
しかし、彼の正体がアマゾン細胞を移植した人間、鷹山仁の息子である事、
そして感染した人間をアマゾンに変異させる細胞「溶源性細胞」を体内に持つ危険なアマゾンである事が判明。
イユと逃避行の末に父である鷹山仁とオリジナルを追っていたアマゾンの青年・水澤悠によって戦闘の末殺害される。
『アマゾンネオ』
千翼がアマゾンズドライバーを使って変身した姿。
右腕から発生するブレード・クロー・ニードルガンの三つの武器を駆使し戦う。
しかし、特筆すべきは防御力と回復力の高さであり、機関銃レベルではびくともせず、生身で受けても自然回復、
致命傷レベルの攻撃も恐らく食事程度で治癒される程であり、極めて驚異的。
『オリジナル態』
千翼の感情の暴走、及び極度のダメージを受けると変貌する六本腕のアマゾン態。
無数の触手を操り、武装した小隊・中隊程度なら軽く全滅させる程の殺傷能力を持つ。
その中で最も脅威と目されるのが攻撃した傷から体内に溶原性細胞を含む体液を混入される事であり、
混入された人体は一定の確率で感染・アマゾンへの変貌を行ってしまう。
[E-04 神塚山の麓]
【リーリエ@ポケットモンスターサン・ムーン】
[役]:子
[状態]:気絶中、熱風による火傷、触手の圧による四肢への打撲、精神ダメージ(大)
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋、他支給品三つ
[思考・行動]
基本方針:元の世界ヘ帰る。
1:・・・・・・(気絶中)
2:千翼への強いショック、恐怖。この「鬼ごっこ」への不安
3:母を止める為、この状況を打破するためにもっと強い気持ちが欲しい...
※アマゾンネオ変身時の熱風により麓まで転げ落ちました
『人物解説』
ゲーム「ポケットモンスター サン・ムーン」に登場する少女。
アローラ地方を拠点とする組織「エーテル財団」の代表、ルザミーネの娘。
財団が実験体としていた「ほしぐもちゃん」を連れて組織から脱出、ククイ博士の元へ身を寄せており、
新たに引っ越してきた主人公と島めぐりを続けていたが、途中で財団に捕まってしまい、ルザミーネと再開。
ほしぐもちゃんを媒体としストレスを与え続ける実験を行いウルトラホールを開いて
アローラ地方をスペースビーストで混乱に陥れ、異次元の中に消えた母親を追う決意を抱く。
時系列はポ二島に向かう前夜、すなわち「がんばリーリエ」の前。
-
投下終了です
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すみません、時間帯は【深夜】となります
-
あとリーリエの支給品は不明の一つになります、申し訳ありません
-
投下乙です。
ある意味一番最悪な『鬼』ですね。
ゾンビめいたものを作れる『鬼』は他にもいますが、生み出すものの危険性が群を抜いています。
登場話なのに二人登場しているのは原則からは外れていますがそこら辺は書き手の勝手だ。
けどそうなった場合、誰が代わりに困ると思う?
リーリエだ。
リーリエは登場話の段階でダメージを負ってる。
そうなれば、東都の連中はよってたかってクローズを責める。
生まれたことが消えない罪の男が戦うしかないんだよ。
では私ももう一つ投下します。
-
「穢土転生じゃねえみたいだな……本当の地獄ってのは随分とお優しいところだ。」
顔の下半分を包帯で隠し、手足に特徴的なカバーをかけた筋肉質の男はそうひとりごちながらニヤリと笑う。鬼人再不斬こと桃地再不斬は、二度目の蘇りを果たした己が肉体を試すように動かしながら天井に『立って』いた。まるで重力が逆転したかのような光景だが、しかし彼が忍者だと教えられればそのことに疑問を抱く者はいないだろう。ましてや彼は血霧の里と謳われた水の国の霧隠れ、その中でも最高位の実力者である『忍刀七人衆』の一人である。生憎今はその愛刀は無いものの、その高い実力は偽物などではない。ただの『子』や『親』では太刀打ちできない『鬼』、彼もまたその一人だ。
ひたひたと天井から壁に歩き、床も当然歩き、また天井から壁へと歩く。その間に全てが床であるかの如くバク宙や倒立、ひねりなどを加えていく。そして最後に指一本で天井にぶら下がると、満足したのか音も無く床へと着地した。
「傷も完璧に治ってやがる。疲労感もちゃんとある。生き返らせるってのはハッタリじゃねえわけか。」
微かに上がった心拍数を実感した再不斬は己の蘇生を受け入れた。先にも言ったが、彼が生き返ったのは今回が初めてでは無い。一度目は彼の意思など無関係に蘇らせられ望まぬ戦いをさせられた。だが今回は違う。生き返りをかけた戦いに参加することを鬼との契約の元に交した、ある種の傭兵契約。生きる為に殺すという彼のこれまでに近いものだ。そこには一人の自由人としての彼がある。それが前回と違い、彼が『殺る気』を持っている理由だ。
「前払いの分としちゃあ上等だ……さて、行くか。」
これで騙しているようだったら即刻殴り込みをかけていたところだが、報酬が受け取れているのであれば文句は言わない。金払いの良い顧客なら手心を加えるのも吝かではないのだ。それに彼自身、血に飢えている。この昔を思い出すゲームにさすがに気分が高揚していた。
楽しかったあの頃――その手を数多の子供の血で染めた時を振り返りながら、一人の鬼人が音も無く解き放たれた。
【???/深夜】
【桃地再不斬@NARUTO】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ(確認済み)、スマートフォン(鬼)
[思考・行動]
基本方針:ゲームを楽しみ、生き返りを果たす。
1:適当に索敵しながら水のある場所に移動。
人物紹介……原作において最初に主人公のナルト達が命懸けの戦いをした相手で、他国の抜け忍。クーデターに失敗して以来在野に身を落とし、橋建設の妨害の依頼を受けナルト達と交戦。相棒の白をカカシに殺され自身も劣勢が決定的になったところで依頼主のガトーに裏切られる。最後は白を貶めたガトーの首を撥ね、ガトーとガトーが雇った多くの傭兵達と刺し違える形で死亡した。
-
投下終了です。
それと参加者名簿が更新されました。
鬼
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン○Dr.ヘル/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○ギーグ/○三日月・オーガス/○堕姫(妓夫太郎)/○アルシア/○???
親
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○キング/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○ウェカピポの妹の夫/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○アリス・カータレット/○河島龍之介/○マジェント・マジェント/○???/○???/○???/○???/○???/○???
子
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○桐山和雄/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○ターニャ・デグレチャフ/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○名波翠/○
スマートフォン
○関織子/○豊穣礼佑/○プルツー/○源元気/○/○/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、たえちゃん、犬山まな、桜井リク、間田敏和、織田敏憲
-
ニケ、イリヤ、桐山で書きます
-
千翼は登場話有りませんでしたっけ?
高貴な織田様と因幡月夜で書くと宣言しましたが、織田様はやめてヘンゼルにします
そして投下します
-
刀を杖代わりに歩きながら、因幡月夜は困惑していた。大分歩いた筈なのに人どころか生物の気配がしないのだ。本来数百mをカバーする聴覚を持つ彼女には初めての経験だった。
────ここは砂漠でしょうか?
思わずそんな事を考えてしまうが、雪駄越しに感じる感覚はアスファルトのそれだ。
周りはどうやら住宅地の様だ。それでいて何の気配も感じられない。
姉か父の手が動いているのかと思って一瞬陰鬱になるが、直ぐにそうではないと知れた。
付近に人の気配。30mの距離から、人がこちらに向かってくる音がする。
素人だ。少なくとも武の心得は無い。姉や父の手になる事態なら、武の心得が無い者が居るとは考え辛い。
それはさておき、いきなり30mの距離に音が出現して、月夜は戸惑うが、近付いてくる足音の右側が僅かに遅い事を聴き取った。
何かしら武器でも持っているのだろうか。
「何方かは存じませんが、それ以上近づくと………」
どうするかは言わず、剣気だけを放つ。浴びた者はまるで吹雪に遭ったかの様に錯覚する月夜の剣気。それを受けて、近付いて来た足音は立ち止まった。
相手との距離は5m。不穏な動きをすれば銃を持っていたとしても対処できる。
即座に動ける状態を保ったまま、月夜は足音の主に話し掛けた。
「失礼。少々お尋ねしますが、此処は何処でしょうか?」
「此処?天国じゃないかな?」
「はい?」
妙に浮かれた調子の少年の声に首を傾げる。
確かに病弱ではあるが死ぬ様な事にはなっていない。
少し考えてから少年の言った言葉を流してもう一つの質問をする。
-
「この紙には、何と書いているのでしょうか?」
突き出した手には一枚の紙。宙を舞うのを掴み取って持ち歩いていたのだ。
「君、目が見えないんだ」
「ええ、殆ど見えませんが何か?その分耳が良いですのでお気遣いなく」
「へえ、凄いね」
月夜の言葉を聞いて少年────ヘンゼルは右手に持った鉈に僅かに意識を向けた。
近隣の家を物色して、納屋から金鎚や釘と一緒に持ち出して来た凶器である。
抜き身の鉈にも全く意識を向けない月夜を、浴びせられた剣気の所為もあって、ロアナプラに君臨していたロシアンマフィアの女頭目の類かと思っていたが、まさか単に盲目だったとは思わなかった。
視覚情報による恐怖を愉しめないのは残念だが、盲目なら盲目なりの愉しみ方が有る。
この取り澄ました顔の少女が、苦痛と恐怖に顔を歪めて泣き叫ぶ姿を想像して、ヘンゼルはクスリと嗤った。
「何笑ってるんですか」
少しむっとした様子の月夜の声に顔を引き締める。最初に浴びせて来た気といい、この勘の鋭さといい、油断していると此方が喰われかねない。
「ゴメンね。えーと、この紙に書いている事だね」
糞溜めの中を這いずり回ってきた『厄種』としての勘が告げる。この少女は自分一人では殺せないと。
たから今は取り敢えず機嫌を取っておこう。機会が来れば殺そう。何処かにいる姉様と合流したら二人で殺そう。
天使の笑顔の下に狂犬の牙を秘めて、ヘンゼルは紙に書いてある事を月夜に教えるのだった。
────どうも信用できませんね。
因幡月夜は思考する。嘘をついている様子は感じ取れないが、この少年は出逢った時から殺意を此方に向け続けている。
異様なのは強い殺意を放ちながらも、殺意が立ち居振る舞いに全く表れていない事だ。通常ならば力みや強張りとして表れるそれが全く無い。
剣を握る為に産み出され、剣の奥義を習得し、相応の殺気を放つ武人と多く接した月夜でなければ惑わされそうな程にヘンゼルは自然体を保って弛緩している。
この振る舞いに、ヘンゼルの容姿────月夜には見えないが────が加われば、歴戦の軍人でも不意を打たれるだろう。
────まあ、別に構いませんが。
襲われても実力で返り討ちにできる上に、聴覚により不意打ちが通じない月夜は、取り敢えずヘンゼルと共に行く事にした。
────────────────────────
-
【F−2/00時33分】
【因幡月夜@武装少女マキャヴェリズム[役]:子
[状態]健康
[装備]:摸造刀:亜鉛合金製で重量は日本刀と変わらないが強度は脆い。
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:人を探す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【備考】
※ビラに書かれていた事はヘンゼルに尋ねて把握しました。
※立ち込める霧により、音を聴き取れる範囲が30mになっています。
※ヘンゼルと同行する事にしました
【???/00時01分】
【ヘンゼル@BLACK LAGOON】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:拳銃、鉈、金槌
[道具]:釘
[思考・行動]
基本方針:皆殺し
※その他…自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※因幡月夜と同行する事にしました。機会が来れば、或いはグレーテルと合流したら因幡月夜を殺すつもりです。
-
終了宣言を忘れていました。
投下を終了します
タイトルは 白銀 でお願いします
-
投下乙です。
盲目というデカ過ぎるハンデを抱えている月夜ですが、ある意味頼りになるパートナーを手に入れたことは幸か不幸か、これからわかっていくことになりそうです。
ある程度近くにはレナに夜叉猿jr.、コマンドー組もいてヘンゼルという火種が投げ込まれればどのような展開になるかわかりません。
でも同時にこのまま二人で行動を共にしても怖いというあたりがヘンゼルの厄種っぷりです。
それと千翼とリーリエについてですが、仮面ライダーキャラで登場話が書かれたのは草加雅人だけ、ポケモンキャラはゼロですね。
では私も投下します。
-
エギーユ・デラーズは激怒した。
必ずやかの邪智暴虐の鬼畜共に裁きの鉄槌を下さんと決意した。
「地獄とはさもありなん。しかし、よもやこのような場所とは。」
デイパックを引っ掴み手近な建物に身を寄せると、艷やかな頭部と半ば一体化した眉間に皺を寄せる。
デラーズはもちろん、このような催しに参加するつもりは無かった。彼の意識は部下であるガトーを喝破した後に途絶えている。大方あの直後にシーマに撃たれだのだろう。だがその生涯に後悔はあれど絶望は無い。自分の亡き後でも、必ずや意思を継いだ若人達が大願を成就すると確信しているからだ。それはここが地獄ではなく、自分があの後殺されずに拉致されてこの戦いを共用されていたとしても同様だ。
よって彼がこの鬼ごっこで目指すのは一つ。鬼ごっこの打破である。それはただの一参加者でしかない彼の身には余る困難な事業であるが、しかし彼は一欠片の諦めも抱いてはいない。崇高な意思は、苦難の全てを跳ね除けるのだ。このような場所であっても絶対に同志を見つけ、このようなことを仕出かした連中に乾坤一擲の痛打を加える、その為に全身全霊を捧げることに抵抗は無い。
「まずは拠点の構築が最優先か。」
デラーズは一先ずの方針に従い建物にバリケードを築き始める。若くはないがこれでも軍人、激しい加重に襲われるモビールスーツも乗りこなす彼のその動きに淀みは無い。
勝ち取るべき栄光の為に彼は動く。
核を撃ち地球にコロニーを落とし、間接的にでも関わった殺した人数は五十億を超える宇宙世紀史上でもトップクラスのでテロリストの第一歩は、そんな地味なものであった。
【不明/不明】
【エギーユ・デラーズ@機動戦士ガンダム0083STARDUSTMEMORY】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック(確認済みの支給品二つ)
[思考・行動]
基本方針:この戦いを打破する。
1:まずは拠点を構築する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
人物解説……原作における悪の首魁。階級は中将で、デラーズ・フリートと呼称されるジオン軍残党を率い地球連邦政府に対し宣戦を布告、自身は最終局面で死亡するも目的を完遂、地球の食料自給率を低下させる。リーダーとしては申し分無く、将校としては極めて優秀。しかしその軍略によってどのような政治的影響が齎されるかは読み切れない。ネーミングセンスなどと合わせてロマンチストと言われることも。
-
投下終了です。
-
◆UOcGD1qbZQ様、投下乙です。
先日は私がルールをよく把握していなかったせいで混乱を招いてしまい申し訳ありませんでした....万丈が何をしたって云うんだ。
というわけでとばっちりを受けた男を投下させていただきます。
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「一体何処なんだよ、ここは....!?」
唐突に拉致され、視界を塞がれたままいきなり落下させられた青年、長瀬裕樹はいきなり孤島に身を投げ出されたこの状況に。
つい数か月前まで彼の身に起こった悲劇を思いだし、足を付けた地の上でパニックに陥っていた。
あの、虐殺とも云うべき目を覆いたくなるほどの絶望の惨劇から数か月が過ぎていた。
まだ、あの青年が遺した地獄とも云うべき溶源性アマゾンの悲劇は続いてこそいたが、それを巡る根源と目的がこの世から除去されたからか、徐々にあの地獄はようやく収束を見せ始めていたはずだった。
そして、彼らとともに生きた者で唯一無事に生き残った長瀬も、トラウマを抱えながらも、ようやく訪れた平穏な日々の中で、護れなかった彼等の思いの分まで生きていこうとした矢先だったのだ。
気付けば、あの気味の悪い4Cのような組織に拉致されて、再びあの修羅場と寸分違わぬ戦場に再び駆り出されていた。
しかも、今度は自らの意思で逃げる事すらできない孤島である。これが何を意味するか、最早明白であった。
「.......アイツ等、子を守れとか言ってた....、俺は親、つまり俺も鬼から逃げるか、子を守る....多分、鬼は....」
何とか正常でいようと、奴らから聞かされた事項を必死に唱えていく。
恐らく、「鬼」と呼ばれる連中は自分、いや共にいた少年が今まで狩っていた「化け物」の類だろう。
「...何で、また俺がやんなきゃいけねぇんだよ....!」
この世に殺されていった『彼』と同じく、生き延びるにはどんな相手だろうと戦うしかない。
負ければ、問答無用で死ぬ。誰にも見つけられず、二度と帰れずに朽ち果てていく。
「それって、結局、アイツと同じ事.....うっ」
「おぁ....げっ....がは....っ」
長瀬の脳裏に、あの極限の中で機関銃に撃たれ痛みを叫び続ける少年の姿がフラッシュバックし、激しく嘔吐する。
脳裏に焼き付けられたあの光景。一度平穏に戻されたからこそ、殺し合いに巻き込まれたショックは常人より強烈であった。
「が....っ、はぁ、はぁっ.......」
数分間、一連の思考がどん底にまで落ち切った後、吐く物を無くし、体力を消耗させた長瀬は、生気を搾り取られた虚ろな目で、土で汚れたパラシュートに取り付けられていたデイパックを認識した。
「何だ、これ....そ、そうだ....まだ、ゼロと決まったわけじゃねぇ....」
視界を塞がれて長瀬は気づいていなかったが、奴等は長瀬に物資であるデイパックを支給していたのだ。
恐らく、何か自分をサポートする物があるはずだ。いや、子を守るという「親」の立場上、何か「鬼」に立ち向かうための武器が入っているのかもしれない。
そんな一縷の望みに縋り、長瀬は破くように必死の形相でパックを開いた。
長瀬の掌は、配線が絡み合った基盤のような感触を感じ、それを真っ先に取り出す。
「....何だこれは」
そこには、何世代も前の、時代錯誤とも言える大きいジャンクパーツの塊があった。
....何かの装置か、ひょっとするとダイナマイトかもしれない。そんな薄すぎる期待に任せて、ジャンク装置に挟まれてあった使い方のメモに目を通していく――――
-
『タコ消しマシン 徹夜続きで完成させました
タコの形をしたものを一瞬のうちに消してしまう恐ろしいマシンです、たこ焼き屋さんの近所では使わないで下さい
Apple kid』
「タコの形をした奴ってどんな奴だよ!!!アマゾンでもそんな奴いねぇよ!!!!!」
一気に緊張が怒りに代わっていった。なんなんだこれは、連中はひょっとしてバカなのか。
そんなやり場のない怒りに身を任せ、まだ重みのあるデイパックから二個目の品に触れる―――
ゴト、と長瀬の指が、ひんやりとした鉄のトリガーに触れた。
「....っ!」
長瀬は息を呑む。二個目は恐らく本物の銃器。
デイパックのサイズから考えると、恐らく拳銃か小銃の類だろう。触れた覚えのあるその感覚に、長瀬の空気は一気に殺し合いへと引き戻される。
恐る恐る取り出すと、そこには、見覚えのあるグレネードの弾頭が、ビーコンを発しながら長瀬の眼前を迎えていた。
「......っ!たしか、こいつは4Cが使ってた....」
一度だけ、その異様な形をした銃口に見覚えがあった。
圧裂弾。長瀬は使用する機会を見たことこそ無かったが、アマゾンの少年、千翼を追っていた時に4Cの女性、水澤美月が構えているのを見たことがあった。
4Cの人間がかなり丁重そうに扱っているのを見た所だと、ビーコンの警告音が頷くようにかなり危険な類の武器である事は明らかだった。
恐らく、対アマゾン用の兵器。これなら多少は鬼と交戦はできるかもしれないが、使用経験があるといえ銃器に関してド素人の自分が扱えるのかという疑問、
そして長瀬はその威力がどれ程の物なのかが分からない事に対する不安がよぎり、その引き金を持つ手を震えさせた。
しかもこれに関しては説明書すらない。安全装置の様な物は志藤から教わった要領で何とか外せるとしても、あまりにも訓練のない青年が持つには危険すぎる物なのは明白だ。
...しかし、それでも。
「やるしか、ねぇのかよ」
武器を持っている以上は、戦える。戦う権利は、あるのだ。
例え千翼のように、最早一縷の望みのない状況だったと、しても。
――――生きる為に、狩る。
狩れる為の力は、確かにある。
「――――見てろ。狩り、開始だ」
おぼつかない足取りながらも、絶望の中で必死に生きた少年を想うと、この地獄の中に生きる覚悟は、少しだけできた。
まだ見ぬ「子」を護るために青年はパラシュートを取り外し、僅かづつ、歩き出していった。
-
【C-02/深夜】
【長瀬裕樹@仮面ライダーアマゾンズ】
[役]:親
[状態]:健康、トラウマによる精神ダメージ、体力消耗(小)
[装備]: 圧裂弾@仮面ライダーアマゾンズ
[道具]: デイパック、タコ消しマシン@MOTHER 2
[思考・行動] 生き延びる為に、鬼を狩る。
基本方針: 圧裂弾の弾倉がある限りは子を護る。武器が欲しい。
1: 狩り、開始だ
2: 子や鬼ってのがどんなのか分からねぇが、とりあえず人と会って情報交換がしたい。
【人物解説】
17歳、不良集団「TEAM X」のリーダー。
親との不和から家を飛び出し、4Cから脱走したアマゾンの少年、千翼をチームに勧誘、千翼の能力を利用したアマゾン狩りの動画を配信してアフィリエイト収入を稼いでいた。
しかし、元同級生で死んだはずの少女、イユに惹かれた千翼が離脱した後、仲間であったタクがウォーターサーバー「aroma ozone」を飲んだ事が原因でアマゾンに変貌、駆除される。
その出来事にショックを受け、元凶である溶原性細胞に強い憎しみを抱くも、終盤に千翼こそが元凶であった事を知ってしまう。
しかし、彼の意思に関係なく理不尽に痛めつけられる千翼を見て、彼を護ろうと奔走していく。
最後はアマゾン駆除組織4Cに乗り込み返り討ちに遭う千翼を庇い、彼を逃がして最後の時間を与える事に成功。
全てが終わった後は不登校だった学校に再び通い始め、千翼とイユのプリクラを彼等の生きた証として大切にしていた。
ちなみに、生身の一般人のはずなのにシグマタイプのアマゾンの制止に成功したり、元アメリカ特殊部隊所属の黒崎のパンチを受けても数秒したら立ち上がって彼を追いかけたり、
千翼が太刀打ちすらできなかったアマゾンアルファに頭部からショットガンを撃ちこみ、千翼を逃がすなどやたら人間離れした身体能力が目立っている。
-
投下終了です
ちなみにばんzと自動変換されたのは5回でした
-
投下乙です。
狩るか駆られるか、窮鼠が猫を喰い殺すこの鬼ごっこに新たに強力な『親』の登場です。
本編に出た場合装備と合わせてパワー不足な『親』達の主戦力になりそうです。
ちょうどカイザギアもどっかしらかに落ちてるんで人は皆ライダーという言葉通り彼もまたライダーになるかもしれませんね。
それと珍しい不良キャラというのも個人的にポイント高いです。
ここからは業務連絡です。
久々にwikiの編集を行いました。
直近のいくつかの投下を除いて全て収録しようやくマップも載りましたので、本編と合わせてBルートというページからご覧ください。
それと参加者名簿が更新されました。
鬼
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン○Dr.ヘル/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○ギーグ/○三日月・オーガス/○堕姫(妓夫太郎)/○アルシア/○???
親
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○キング/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○ウェカピポの妹の夫/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○アリス・カータレット/○河島龍之介/○マジェント・マジェント/○???/○???/○???/○???/○???/○???
子
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○桐山和雄/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○ターニャ・デグレチャフ/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○名波翠/○
スマートフォン
○関織子/○豊穣礼佑/○プルツー/○桜井リク/○源元気/○/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、たえちゃん、犬山まな、間田敏和、織田敏憲、因幡月夜、ヘンゼル
それでは最後に。
たえちゃん、関織子、豊穣礼佑、プルツー、円谷光彦、桜井リク、一路舞、源元気、マジェント・マジェント、ギーグ、草加雅人で書きます。
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あと二次二次聖杯さんに感想書こうと思ったらエラーが出て書けなかったんでこちらに書きます。
投下乙です。
苦しい展開で燻ぶっていたところをズバッと決めた今日のセネガル戦の乾のシュートのような鮮やかな一作だと思います。
自分が言うことではないかもしれませんが、やはり二次二次の書き手の方は腕も心もあるなと実感させられるような投下でした。
テンポが早いわけでもないのに淀み無くスラスラ読める、情報の密度がありながらくどくない、私には未だかつて書けたことのない文章でありちょっとした嫉妬心すら覚えます。
堅実に話を進めつつ今後のリレー次第で展開ができるようにしているのも、多くの選択肢を提示していてリレー小説巧者といった趣きを感じる次第です。
個人的に注目しているという贔屓目もありますが、今後の投下も楽しみにしております。
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登場話を投下します
-
地獄に再現された沖木島。その上空を飛ぶ飛行機くら落とされた女が海岸です蹲っていた。
銀の髪と白皙の肌の美麗な女だった。雪と氷でを掘り上げて作った精緻な彫刻を思わせる。しかしそこに冷たさなど無い。有るのは長い歳月を持つ家柄に産まれた者しか持ち得ない気品と、その精神から滲み出る母性だ。
「一体…、何が、起きたの………」
呆然と呟くも答える者など居やしない。
近くに落ちていた紙を拾う。書かれている内容は機内で聞かされたものと一致する。
「ああ………」
アイリスフィール・フォン・アインツベルンは嗚咽を漏らす。
アインツベルンの城の中に居たこの身をどうやって飛行機に乗せたのか?
城の護りと、夫と騎士王を欺いて自分を拉致した者は何者なのか?
「あ………ああ…」
此処まで考えて気づいてしまった。この出来事に城に居た者達も巻き込まれたのではないかと。
切嗣やセイバーならば心配有るまい。だが、問題となるのは………。
「イリヤッ!」
アイリスフィールは立ち上がった。イリヤが此処にいるなら一刻も早く合流しなければならない。
アイリスフィールは目的も定めず走り出した。
脳裏に浮かんだ、この場にイリヤがいた場合、『イリヤを生かす為には『子』を殺さなければならない』という、悍ましい事実から逃げる様に、一心不乱に駆けていった。
【E -06/深夜】
【アイリスフィール・フォン・アインツベルンFate/Zero】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]: 針金
[道具]:デイバッグ(中身未確認)
[思考・行動]
基本方針:イリヤが此処に居るかを確かめる
備考
※『子』に勝たせる為には『子』を殺さなければならないことに気付いています。
人物紹介
アインツベルンが作り出したホムンクルスで魔術師としての性能は高い。
しかし戦闘は苦手。
温和でありながら気高い、貴族の姫君然とした性格。一方で、非常に好奇心旺盛で無邪気。稼動時間は9年足らずな所為か、情動面において子供の様な所がある。
-
投下終了です
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追記
【参戦時期】
日本に行く直前辺り
-
投下します
-
???E06 東部???
……撒いたか。
桐山は先程の少女が追ってこないことを確認し、初めて走る速度を緩めた。
次に二つあるデイパックの片方を開け、大量にあるイングラムのマガジンの中から新しいものを選んで空のものと交換する。
その動きは先程軽度とはいえ脳震盪を起こしたとは思えないほど滑らかで淀みのないものだった。
「……」
作業が終わると桐山は無言でもう一つのデイパックに視線を向ける。
先程見捨ててきた少女の物だが、感情を失って久しい彼に良心の呵責はない。
そのため、迷うことなくデイパックのジッパーを開いて中を確認する。
「……?」
確認してみてまず最初に気づいたのはこのデイパック、重さもほとんど感じず底がない。
手を入れれば入れた分だけ入っていく。中を覗いて見れば、中は黒一色だ。
試しに自分がここへ来る前、戦闘実験プログラムにて使用していたデイパックに入っていた銃のマガジンを出し入れしてみる。
その結果、驚くべきことに全てのマガジンが入った、重さも感じない。
空になったただのデイパックは破棄することに決める。
「……」
物理法則を明らかに無視している奇妙なデイパックだが、現状の打開には繋がらない。
もう一度あの白い少女に襲われれば命はないだろう。
生に執着のない桐山にとってそれでも別に構わないが、ともあれもう一度デイパックに手を突っ込む。
すると、指先が銃のマガジンとは違う感触のものに触れた。数は二つ。
ゆっくりとそれを掴み、取り出す。
「??これは」
-
■
「あーあー、結局ほかのとこ漁ってみても収穫はこのペラい紙一枚とメダル一つか」
勇者というより盗っ人かストリートチルドレンの口ぶりで、ニケは手の中のメダルを弾く。
ここへ来てから一時間ほど周囲の民家を散策していたが、「ゆうしゃは ○○を てにいれた!」のテロップが出たのは結局紙切れと、小さなメダルが一枚。
食料などはあったが、ふくろがないため断念せざるを得ず。
その上美少女どころか誰とも出会わないし、空は変に赤く気持ち悪い。
ケチ臭い島だとくさしてメダルをもう一度弾く。
弾かれたメダルはピーンと小気味いい音を立てて弧を描き、受け止めようとしたところで……他の人間の視線を感じ取った。
そちらに意識を取られ、メダルが手の甲から零れ落ちる。
ちゃり、と金属音を立てて転がっていくメダル。
「あのー、これ、貴方のですか?」
それを拾ったのは、白髪の赤い瞳をした少女だった。
■
「へーイリヤも気がついたらここにいたんか」
「うん、お互い大変だね」
少年勇者と魔法少女の初邂逅は恙なく進んだ。
まずお互いの自己紹介から始まり、その後鬼ごっこのルールをよく知らないイリヤにニケは拾ったチラシを見せて把握させる。
双方役職は子であり、気性も激しくないため穏やかな雰囲気の元情報交換は進んだ。
「二行で済ませるとかどんだけ情報交換書きたくねーんだろな」
(……ニケ君と話してるとルビーと話してるみたい)
イリヤは高頻度で放たれるニケの意味不明な言動に大切な友である愉快型魔術礼装に似た匂いを感じ取り、わずかに警戒心を緩める。
「ふむふむ、とりあえずイリヤと俺の方針は一緒だし、どうせなら一緒に行かねーか?」
「え?」
「ほら、一人だと休憩するときとかに不便だろ」
鬼ごっこのルール上、固まって動くのは得策とは言えない。
人数が増えればそれだけ動きも悪くなるし、鬼に見つかる可能性も高まる。
けれど一人きりだと心細いし、得体の知れない島でうかつに休憩もできないのは確かで。
「……うーん。じゃあ、よろしくお願いします。ニケ君」
「あぁ、よろしく頼むよ。俺もさっさと帰らないと大人気勇者の俺がいないんじゃ打ち切り不可避だしな」
(勇者とか打ち切りとか何言ってるんだろう…ひょっとしてかなり気の触れた子なのかしら)
ちょっぴり失礼な事を考えたイリヤだったが、ニケに悪意や害意は無い事は薄々感じ取っていた。
ただ、発言が高頻度で意味不明でちょっと抜けてそうなだけで、悪い人ではないと思う。
そう結論付けて、これからどうするか切り出そうとした、その時だった。
『……ムムッ、その声、その魔力はやっぱりイリヤさん!』
聞き覚えのある、軽い調子の機械音声に息を呑む。
まさか、と思い瞬時にイリヤは声のしたほうへ振り向いた。釣られてニケも同じ方向を向く。
その視線の先に映るは、学生服をモデルの如く着こなした長身の少年と―?、
「ルビー!?」
-
■
「そうなんだ、じゃあルビーも気がついたら此処に……」
『そうなんですよ。今まで真っ暗な所にずっと閉じ込められて、やっと出れたと思ったら
モヒカンの代わりに鬼がひしめくイカれた時代にようこそとは参りましたね〜』
愉快型魔術礼装、カレイドルビーはいつもと全く同じテンションでイリヤと言葉を交わす。
神秘の秘匿を是とする一般の魔術師が見たら思わず額に手をあてる光景だが、
『そういうもの』を見慣れているニケも、桐山もそれぞれ驚く様子はない。
「でも良かったじゃん。こうしてすぐに会えて」
『ええ、ルビーちゃんも助かりましたよ〜桐山さんと一緒だと間が持たなくてー
それで、ニケさんはイリヤさんとどんなラブコメを―――』
「ほう、聞いてくれるか」
「会ったばかりでしょ!!」
会ってはならかった二人があってしまった気がする。
イリヤはその気配をひしひしと感じながら傍らの、この場で最年長であろう少年を見る。
瞬間、何か肌寒いものを感じた。
底なしの穴を見てしまった。本能的恐怖に近い怖気。
慌ててそれを誤魔化すように口を開く。
「……えっと、桐山さんはこれからどうするおつもりですか」
「特に考えてはいない」
「え?」と怪訝そうな声を上げるイリヤに、桐山は鬼ごっこに興味はなく、どう動くかはどちらでも良いと語った。
もとより、他人にあってから適当に決めるつもりだったのだ。
コイントスの結果で、多くのクラスメイトを殺すと決めたあの時のように。
「それじゃあさ、俺たちに協力してくれよ。桐山」
言い出したのは、ニケだった。
「ちょ、ちょっとニケくん」
「何だよイリヤ、別にいいだろ?見たトコ桐山は鬼じゃ無いみたいだし、何より―?」
「何より?」
「強そうだからいてくれたら俺が楽できる」
勇者を自称するには余りにも他力本願なその思考に思わずイリヤは桐山の反応を伺う。
だが彼は特に気にしている様子もなく、少し考えて、
「それはお前たち二人を勝たせる、ということか」
「あ?あぁ、うん。そういうことになるのか」
深く考える様子もなく、ニケは返事を返す。
桐山の声はひどく硬質で、感情が伺えない。
しかし、返答だけは即決だった。
「……そうだな、それも悪くない」
返ってきたのは肯定。
「やったぜ」とニケは笑み、ルビーと一緒にガッツポーズを取る。
「よーし、パーティー結成だ。流石俺!これが光の勇者のカリスマ!」
『ニケさんが勇者ならイリヤさんは魔術師(メイガス)って所でしょうかネー、RPG的に』
はしゃぐ一人と一本を尻目に、「これで良いのかなぁ」と思い、イリヤは桐山の方をもう一度見る。
すらりと立つその姿はとても落ち着いていて、先ほど感じた悪寒は感じなかった。
少なくとも、ただのアホにしか見えないニケとは別のベクトルで悪意だとか、害意だとかをこの少年が持っているとは思えなかった。
「気のせいだったのかな……うん、きっとそうだよね」
先ほど感じた寒気は「気のせい」だった。そう結論付けてイリヤは素直に仲間が増えた事を喜ぶ。
未だに良く分からない状況だけれど、ニケ君は能天気だし、桐山さんは落ち着いている。
ルビーとも再会できたし、何とかなる気がしてきた。きっと、何とかなる。
『で、ですねイリヤさん妹のクロエさんに対抗意識を燃やして最近は黒い下着にも挑戦しようとしてるんですよー』
「うーん、イリヤに黒いパンツが似合うかどうかは微妙だろうな、ここは競わずに持ち味を活かす方向で―――?」
そう心の中で強く思って、彼女は履いている下着の色で盛り上がっているステッキと少年勇者に怒りの突撃をしかけた。
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【E-6/01時30分】
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:カレイドルビー
[道具]:水晶
[思考・行動]
基本方針:この島から脱出する。
1:ニケ君たちに協力する。
※ニケが見つけた紙により、自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・制限時間を把握しました
【ニケ@魔法陣グルグル】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:お守り、鬼ごっこのルールが書かれた紙
[思考・行動]
基本方針:ククリ達と合流してギリを倒しに行く
1:イリヤ達と協力してこの島から脱出する。
-
少年と空飛ぶペンダントを締め上げる少女を見つつ、桐山は黙考する。
――――それはお前たち二人を勝たせる、ということか。
―――――あ?あぁ、うん。そういうことになるのか。
この会話で彼のこのゲームにおける行動方針は決定した。
それは目の前の二人、つまりニケとイリヤをこの鬼ごっこの勝利者とすること。
その為にはあの鬼と思われる少女のような者から二人を守るだけでは駄目だ。
ニケが見せた紙のルールによると、親の人数が子よりも少ない場合、親が勝利してしまう。
よって、桐山はニケとイリヤを除く「子」に一定の間引きを行うことに決めた。
2人が気づけば同行は困難なものになると予想されるため、できる限り水面下で事を運ぶ必要があるが。
巧妙に、何もかもを欺く位に。
何人いるかは分からないが、親を積極的に減らそうとする親や2人に悪意や害意を持つ親も排除する。
そして、一時間ほど前に戦った少女のような超常の存在である鬼への対処も急務だ。
もっとも、これは既に解決策を桐山自身が有していた。
アリスから奪った現在のデイパックと、そこに眠るアタッシュケース。
少年勇者と魔法少女の2人に存在を秘匿された『デルタギア』は、静かに解き放たれる時を待ち続ける。
……武器とは使うものの性根によって如何様にもその存在意義を変えるものだ。
当然、性根の歪んだものが振えばその力は醜悪なものにしかなりえない。
しかし、もし、性根そのものが存在しないものが使えば……どうなるかはまだ分からない。
もし、桐山の真意を知った勇者と魔法少女がどうすのかも、今はまだ。
ただ一つ、ハッキリしていることは、
二人は知らず、ブレーキの効かないモンスタートラックのハンドルを握ってしまったということだけだろう。
【E-07/00時42分】
【桐山和雄@バトル・ロワイアル(漫画)】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:イングラムM10サブマシンガン、デルタドライバー
[道具]:銃のマガジン(複数)、式札
[思考・行動]
基本方針:ニケとイリヤを勝利者とする。
1:「子(一定人数)」「二人に害意や悪意を持つ親」「親を減らそうとする親」「鬼」を水面下で排除する
※ニケの拾った紙により各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握しました。
※アルシアと戦闘し、超常の存在がいることを知りました
※デルタギアは誰でも変身できるよう調整されていますが、オルフェノクや適合者以外が変身すると凶暴になります
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投下終了です
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桐山の時間と現在位置は【E-6/01時30分】でした
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投下乙です
桐山はやはり死神になる運命か………。
イリヤとニケはこのジョーカーにどう対処するのだろうか
鬼の登場話投下します
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沖木島に重々しい地響きが連続する。
地響きを発生させているのは、一体の鬼。
漆黒のコートに包まれた均整の取れた5mの巨軀。色素の無い白い肌と、全く動かない表情筋。
一見すれば、命が宿った巨大彫刻にすら見えるが、その実態は生物兵器、
沖木島に在る全ての生命を殺戮するようプログラムされた恐るべき生体兵器。
その名はタイラント。暴君の名を冠する鬼。
【不明/不明】
【タイラント/バイオハザード ダムネーション】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:不明支給品二つ
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:皆殺し
人物紹介:
バイオハザードのフルCG映画に登場したシリーズお馴染みのクリーチャー。
今回はいつもの倍以上あるサイズで、命令を理解して遂行する知能を持ち、アサルトライフルやリッカーの攻撃では怯みもしない耐久力を持つ。更に耐爆・耐弾コートを装着。
腕力も凄まじく、中型車両程度なら腕の一振りで宙に舞わす腕力を有している。
そしてこの巨体で走る。
タンクローリーが至近で爆発したらコート脱いでスーパー化し、戦車と相撲を取れる様になる。
レオンのブッパしたロケラン掴んで投げかえすというバイオ界の常識を破壊する荒技を敢行してのけた。
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投下終了です
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皆さん投下乙です。
一層支給品や人選にそれまでの原則をぶっ飛ばしていくノリが増えてきましたね。
総合的に考えてこれで鬼側との戦力バランスが程々に均衡が取れてきた感じです。
果たして次は誰が本編に登場するのか、新たな登場話で候補として名乗りを上げるのか楽しみにしております。
それと最後に私が書くと宣言したキャラを取り消し、関織子とたえちゃんで書きます。
あの人数はさすがに無理でした。
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会話ができる鬼が少ないので投下します
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時はしばし遡る。
ディオ・ブランドーという男がいた。
イギリスの貧民街で育った彼は実の父を殺し、父が恩を売った『ジョースター』の一族を乗っ取ろうと画策した。
しかし、その目論見は彼の仇敵であり、友であったジョナサン・ジョースターの手によって挫かれ、彼は二度の死闘を経て百年の眠りについた。
時を超え、最早ディオ・ブランドー青年を記憶する人間が姿を消した頃、彼は時を統べる『帝王』DIOとして復活した。
しかし血の因縁は途切れず、復活したDIOの野望を粉砕するべくジョナサンの血統であるジョセフ・ジョースター、空条承太郎一行らが立ち上がったのだ。
帝王とその配下、そして星屑の十字軍は壮絶な死闘を繰り広げ…その結果、帝王『DIO』は倒された。
ジョナサン・ジョースターのボディと共に灰となったのだ。
そして、現在。彼の呪われた魂は、当然の、予定調和の如く地獄へと流れ着いた。
「フフフ、鬼ごっこ、か……面白いじゃあないか」
その美貌を醜く歪めて、邪悪な本性を隠そうともせず、DIOは笑った。
空条承太郎に敗北したのは認めよう、失態だった。
だがそれが何だというのだ。我が終生の友であり、宿敵であったジョナサンは二度自分を破って見せたではないか。
そして、敗北してなお自分という存在は此処にある。
「まだ、時間停止の秒数はジョセフの血を吸った時ほどではないが…
太陽の光を気にしなくとも良い空というのは気に入った」
そう、彼のスタンド『世界』が操る時間停止は、鬼ごっこというゲームにおいて圧倒的なアドバンテージを有している。
誰も、止まった時の中を逃げることなど出来ないのだから。
加えて、空は明るいにも関わらず自分は消滅していない。それどころか『地獄』の太陽は実に肌に馴染むッ!
宿敵であるジョースターは忌々しくも此処にはおらず、
DIOは陽光とジョースター、二つの数少ない弱点を克服しているのだ。
後は、必ず現世へと復活し雪辱を晴らす。
さぁ子は捕え、親は戯れに血を吸い、蹂躙し、進軍せよ、ディオ・ブランドー。
ただ一度逃してしまった勝利を、今度こそ刻むために。
「フフ…全員『捕まえて』やるぞ子供たちよ。そして、親の人間共は恐怖するがいい。
『勝利し』『支配する』それこそがこのDIOのたった一つ、シンプルなルールよッ!」
-
【不明/不明】
【DIO/ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:不明支給品二つ
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:子全員捕まえ、親は血を吸うか下僕とする
人物紹介……英国の貴族の家系であるジョースター家の宿敵。
貧しい平民に生まれ、父ダリオ・ブランドーの死を機にジョースター家の養子となる。
ジョースター家乗っ取りを画策するが、ジョナサン・ジョースターの活躍により計画が露呈。窮地に立たされる。
危機を脱するため決意したディオは人間をやめる事を宣言し自ら石仮面を被り、不死身の吸血鬼と化した。
ゾンビを生成し世界征服を目論むディオとジョナサンの戦いは熾烈を極めるが、太陽の力・波紋法を身に付けたジョナサンによって全身を溶かされ敗れ去る。
だが、辛うじて首だけが助かり密かに生き延びたディオは再びジョナサンの前に立ち塞がる。
失った体の代わりにジョナサンの肉体を手に入れ再起を図るも、最後の力を振り絞ったジョナサンと相打ちとなり、彼と共に客船の爆発に巻き込まれて海底へと沈んだ。
その100年後、エジプト・カイロにて復活したDIOは新たなる力、『スタンド』に覚醒。再び世界を手にするべくその勢力を拡大する。
ジョースターの血統、空条承太郎たちが自分の存在を察知、知覚、倒しにくることを予想したDIOは配下のスタンド使い数十名を刺客として差し向ける。
空条承太郎たちはいくつかの犠牲を出しながらも刺客たちを突破。しかしエジプトでの決戦ではDIOのスタンド能力『世界』の前に全滅寸前まで追い込まれる。
圧倒的有利に立ったはずのDIOであるが、激昂した承太郎との戦いにより形勢は逆転。最後はスタンドごと本体であるDIO自身も破壊され敗北。
バラバラに砕かれたDIOの肉体は、日の出の光を浴び灰となって消滅、紅海へ散っていった。
しかしその絶大な影響力は、彼の死後も依然消えることはなかった。
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投下終了です
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投下します。
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「うう……なんで、なんで私が、こんな目に……」
山道を、一人の女性がフラフラと降りていく。涙目で、葉っぱや蜘蛛の巣を髪の毛に絡ませて。
いきなり拉致&目隠しされて何事かを伝達され、問答無用にパラシュートで山中に投下されれば、こうもなろう。
癖っ毛でセミロングの銀髪、色白で碧眼の美女。スタイルも良い。
だが生真面目で気弱で、不憫な雰囲気を漂わせる。見るからに悪い男に騙されそうな、幸の薄そうな女性である。
彼女は平凡な一市民。何らの異能も持たず、武術も習得していない。
やがてビラを拾い、あたりを見回し、デイパックの中を確認して、事情はおおむね理解した。
ここは地獄。やるべきことは、地獄の鬼との鬼ごっこ。しかし彼女は『親』の役で、鬼に追われる子を護らねばならぬという。
こんな目に遭ういわれは……ある。彼女は多くの人間を殺してしまった大罪人なのだから、地獄へ堕ちてもおかしくはない。
償うために、生きるために、何も知らない子供たちに教育を与え、そのまま平和に一生を終えるなど、神が許しておくものか。
それは自分で重々承知している。けれど、けれども。死にたくない。頭を抱える。涙がボロボロとこぼれる。嗚咽と悲鳴が漏れる。
「誰か、助けて……。リモネシアに帰してよぉ……」
【???/00時11分】
【シオニー・レジス@第2次スーパーロボット大戦Z】
[役]:親
[状態]:健康、恐怖、困惑
[装備]:
[道具]:デイパック(不明支給品2、確認済み)
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:誰か人を探す。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
ゲーム『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』に登場する女性。25歳。CVは小林沙苗。
太平洋の小国、リモネシア共和国の外務大臣であったが、いろいろあって自国の都市部を破壊した超人に仕える羽目になる。
そのためか精神の平衡を失い、傲慢で独善的な悪の女幹部と化したが、攻撃を受けたり脅されたりすると怯え錯乱するなど、
妙に嗜虐欲をそそる存在として歪んだ人気を集めた。その後なんやかやで故郷に帰り、教職に一生を捧げることになるが……。
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投下終了です。(某所でのSSの再利用です)
アーチャー・インフェルノ(巴御前)、君原姫乃で書きます。
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ドクター・ヘルと義弟とシオニーちゃんで書きます
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>>521
あっ……(察し)
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ひっ(早っ)
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投下します
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先程の邂逅から約二十分。
夕焼けに似た不気味な空の元、二人の少年、織田敏憲と豊穣礼佑は連れ立って歩いていた。
「ねぇお兄ちゃん。どこへ行くの?」
「なるべく鬼の来なさそうな所へさ。僕一人だけならともかくお前も連れてるからね」
「ふーん、でもそれだと他の参加してる人にも会えなんじゃない?」
「心配いらない。まず鬼のいなさそうなところへ行こうっていうのはみんな考えることだ。
だから学校みたいな如何にも人が集まりそうな所よりも少し外れた所の方が人には会いやすいはずだ」
バイクにも乗っていないのにフルフェイスヘルメットで表情を隠しつつ、織田はわずかにその不細工な眉をひそめた。
今同行しているこのクソガキ奴僕、時々発言が妙に聡いところがある。
最初出会った時は迷子のように語っていたにも関わらず、今は鬼ごっこの参加者の視点に立って自分に話しかけてきている。
それも、至極冷静に。
勿論そこまで違和感を感じる訳ではないし、今の所脅威は感じない。
ただ、少し引っかかるだけだ。
(まぁ、いい。このまま人と出会わず昼を過ぎるか、おかしな動きをしたら撃ち殺してやるだけさ)
懐のワルサーの感触を確かめつつ、「イヒッ」と下品な笑みを漏らす。
彼はあまり人と出会わない様ならば足手まといを抱えて歩くつもりは毛頭無く、この見た目幼児を容赦なく切り捨てる心づもりだった。
第六十八回戦闘実験プログラムでも彼はゲームに乗っていた人間であり、例え幼児であろうと、利用し、切り捨てられる人間だった。
(なーんて、不細工面に似合った事考えてるんだろうなぁ)
そんな織田の下卑た考えは、四歳児をはるかに超越した頭脳を持つ礼佑にはお見通しなのだが。
とは言え、このままでは不味いのは事実である。
四歳児離れした頭脳を持っているとはいえ、礼佑は肉体的には幼児でしかないし、武器になりそうな物も取り上げられてしまっている。
彼はそれを丁度いいハンディだと思っているがそろそろ状況を変える新たなカードが欲しい。
そう思った時だった。
―――ザザッ
-
はいぱーびじょんだいありーからノイズのような音が走る。
未来がまた、変化した音だった。
子供らしい無邪気な表情を崩さず、礼佑は織田に感づかれていないか様子を伺う。
あくまで冷静に。あまり未来日記を信用しすぎず、慌てて予知を確認しないのが『エリート』というものだろう。
しかし、彼の懸念に反して織田は別の音に気を取られているようだった。
次いで、礼佑もまた近づいてくる音を聞き取る。
足音ではない――これは、エンジン音だ。それも、大型車両の。
-
■
「WRYYYYY!タンクローリィだッッッ!」
邪悪の化身DIOは、紙袋に入っていた支給品であるタンクローリーを『世界』に運転させつつ、そのパワー・スピードにそれなりにハイになっていた。
初めて運転するため、時折ハリウッドのカーチェイスもかくやという勢いで電柱や看板にぶつかっていたが、気にせず走り抜ける。
帝王に後退はないのだ。
「ムッ!」
機嫌よく走り初めて十分ほど後、吸血鬼として異常発達した視力が、二つの人影を捉える。
背丈から類推するに、あれは子だろう。つまり捕まえるべき獲物だ。
世界にハンドルを切らせ、DIOは邪悪な笑みを浮かべた。
そして、世界を支配する力を放つ。
「世界―――時は止まる」
-
■
「……な、何ッ!?」
「えっ…?」
織田と礼佑。二人の少年は揃って驚愕の声を上げた。
無理もないだろう。先程までこちらに向かってきていたタンクローリーのトレーラーが忽然と消えてしまったのだから。
どこかにぶつかった、というわけではない。それならば二人も無事では済まないはずだ。
あのトレーラーは一体何処に…奇しくも二人の心境が重なったその時だった。
「―――君たちは、ドードーという鳥を知っているかな?」
背後で、良く通る男の声が響いた。
「モーリシャス諸島に生息していた鳥なのだが…その鈍重さと鳥であるにも関わらず、
『飛べない』という弱点を持っていた彼らは人間の進出により僅か80年余りで絶滅した」
2人がゆっくりと振り返る。
「飛べもせず、ノロマ、外敵のいない平和な島で育ち、警戒心もない彼らが滅びるのは必然だったと言えるだろう」
傍らには紙袋を抱えた。ギリシャの彫刻のように筋肉を漲らせた美しい男。
紡ぐ言葉には思わず聞き入ってしまう、魔的な力がある。
「だが…私は彼らが絶滅した原因は『勇気』が無かったからだと…思っている
堕落した日々に甘んじ、彼らは『進化』しようとはしなかった
現在の『限界』を超えようとしない生物は種を問わず脆い…君たちはどうかな?」
男はDIOと名乗った。
-
■
―――織田敏憲には嫌いな人種が三種類いる。
その一、顔の良い男。その二、背の高い男。その三、下品な男だ。
DIOという急に話しかけて下品に自分を驚かせ、同行を提案してきたパツキン奴僕はこのうち三つをコンプリートしている。
「驚かせて悪かったね、これでも『親』なものだから。『子』らしき者を見ると捨て置けなかった」
「い、いいですよ、気にしてませんから!」
(クソがぁ〜!何故高貴な俺がこんなパツキン奴僕に…いや、クールになれ織田敏憲。
こうなるのは計算通りのはずだろ)
このままクソガキ奴僕共々肉壁として使い倒してやる。
織田少年はそう強く誓い、下手に出続ける。
(……ちょっと手強そうなのが出てきたね。面白くなってきた)
豊穣礼佑は対照的に無邪気に新たな同行者の分析楽しむ。
彼は先ほどのタンクローリーを突然消したのはこの男だろうとあたりを付けていた。
それもチャチなトリックではない。未来日記の予知能力のような、本物の異能だ。
更に、予知した内容ではこの男は自分にDEAD ENDフラグを立てなかった。
少なくとも昼までは。
DIOがこれからどう動くかはわからないが、これで織田も自分に手を出しにくくなっただろう。
(次は、このDIOってヤローがどんな奴かを見極めないとね……)
礼佑の口から笑みが零れる。
そして、先行しているため二人からは表情が伺えないDIOも、同じ笑みを浮かべていた。
(……最初は即刻捕まえて牢屋に連れていこうと思ったが、考えてみれば一人二人チマチマ捕まえていくよりも纏めて『一網打尽』にした方が良い)
それが、DIOが自分の役職を親だと偽った理由だった。
無論、自分が鬼と発覚したときは世界で捕まえるか、殺す必要があるだろうが、スタンドに目覚めていない子供など、それこそ赤子の手をひねるが如く、だ。
(もっとも、豊穣礼佑とか言った子供は何か隠しているようだがね…織田敏憲という少年は何の力も無いようだが……良い悪の素質がありそうだ)
悪の才能とはすなわち、弱者を自分のために踏みにじることができる者だ。
悪の帝王であるDIOは、2人がそんな人種である事を直感していた。
そのため生かして泳がせる事を選んだのだ。
(フフ、せいぜい利用させて貰うぞ二人とも―――)
(((勝つのは私/俺なのだから)))
それぞれの思惑を抱えながら、絶望鬼ごっこは進んでいく。
-
【H-08/01時15分】
【豊穣礼佑@未来日記】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:はいぱーびじょんだいありー@未来日記
[道具]:『スマートフォン(子)』
[思考・行動]
基本方針:このゲームに勝利してエリートであることを示す。
1:DIO、織田敏憲を利用しながら情報を集める。
2:ピエロ(ペニーワイズ)との接触を避けるため、西北西方面に逃走したい。
3:未来日記所有者は優先的に殺す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
未来日記による予知である程度の未来を把握しました。この場に留まると高確率でペニーワイズに殺害されます。
【織田敏憲@バトル・ロワイアル(漫画)】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:ヘルメット、防弾チョッキ、ワルサーP38、ランドセル、トートバッグ
[道具]:ランドセルに飲食物、トートバッグにガスマスクや包丁、洗剤といったもの
[思考・行動]
基本方針:利用できそうな親か子と合流する。鬼らしき相手がいたら逃げる。
1:豊穣礼佑、DIOを利用しながらプログラムに備える。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
自分の役が『子』だと推測。
【DIO/ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:タンクローリー、不明支給品(確認済み)
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:子全員捕まえ、親は血を吸うか下僕とする。
1:織田敏憲、豊穣礼佑を利用して子を集める。
※自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
※時間停止は五秒ほどです。
-
投下終了です
-
だいぶ遅れましたが、狛枝凪斗、綾波レイを投下します。
-
「ねえ…聞こえてる?」
「………。」
「ねえ…大丈夫?だいぶ参っているように見えるけど…?」
「仕方ないよね…いきなりこんな事に巻き込まれるだなんて…多分他の人達も同じだと思うよ…。」
「ねえ…聞いてる?」
「…ごめんなさい、こんな時…どんな顔をすればいいのかわからないの…。」
「…嗤えばいいと思うよ。」
「…多分違うと思うわ。」
………
「いやー、助けてくれてありがとう。君が最初に出会えた人で本当に良かったよ…あ、まだ自己紹介がまだだったね、僕は狛枝凪斗。」
「…綾波レイ。」
木に絡まっていた狛枝を助けた綾波、二人は互いに自己紹介をする。
そもそもこうなるまで至る経緯とは、スマートフォンを使おうとした綾波だが、その時上空の飛行機から次々と降下するパラシュートを目撃。
スマートフォンは後回しにして、まずは降下するパラシュートが何か確かめるべく、その内の一つのパラシュートが降りた場所へ移動すると、何故か一本の木に引っかかって、パラシュートの紐に絡まって身動きが取れなくなっている狛枝凪斗を発見し、今に至る。
二人は軽く自分達の素性、ここに連れて来られた経緯を話すが…。
「…第3新東京市?…ごめん、詳しく話して貰えないかな?」
狛枝自身の話(ついでに鬼ごっこのルールも)が終わり、今度綾波が話すと場の雰囲気ががらりと変わる。
第3新東京市、全く聞き覚えのない単語に説明を求める狛枝、だが話しを聞くにつれ、さらに理解不能となる。
(セカンドインパクト…南極大陸消滅…東京壊滅…第二次遷都計画…さらに使徒にNERV、エヴァンゲリオン?…はは、参ったな…全く訳がわからないな。)
話しを簡単にまとめると、15年前にセカンドインパクトと呼ばれる大災害により人類の半分が死に、さらに使徒と呼ばれる謎の存在が第3新東京市にて、サードインパクトという新たな大災害を引き起こそうとしており、それを阻止する為の組織NERV(ネルフ)の兵器、エヴァンゲリオンが使徒と戦っている…という事らしい。
(これはどういうことだ…?世界が滅亡しかけた話は当然聞いたことないし身に覚えもない、かと言って嘘、にしては今の話は出来過ぎているし、彼女は嘘を言ってる様には見えない。…田中君と同じタイプには見えないしね。)
綾波の話に困惑する狛枝。その際、ここに来る前に知り合った同級生の事を思い出すが、目の前にいる少女は嘘を言ってる様には見えない。(一応彼も嘘を言ってる訳でもない)
(どういうこと?第3新東京市に使徒どころかセカンドインパクトですら知らないなんて…。)
同時に綾波もまた何も知らない狛枝に困惑する。
第3新東京市や使徒だけならまだしも、世界規模の大災害であるセカンドインパクトを知らないのは流石に綾波も見過ごせない。
(ふぅ、あのコロシアイもそうだったけど、今日は本当に訳のわからない事ばかり起きるな…絶望的だね。)
「…とりあえず、他の人も探してみようよ、もしかしたらまた新たな事がわかるかも知れないしね?」
「…ええ、わかったわ。」
狛枝の提案に賛成する綾波、彼女もこの現状について情報収集すべく動いたわけだからそこに異存はない。
「…あ、そういえば。」
「どうしたんだい?」
そこで綾波は思い出す、自身に支給されたスマートフォンの存在を。
見てみると時刻はあと少しで一時になろうとしてた。
【H-7/00:55】
【狛枝凪斗@スーパーダンガンロンパ2】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:希望の為の踏み台になる
1:どちらかの陣営が希望になり得るか見定める。
2:他の人を探す。
3:セカンドインパクト…どういうことだ?
※プロローグ終了時からの参戦。
※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【綾波レイ@新世紀エヴァンゲリオン】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:第3新東京市第壱中学校女子制服
[道具]:スマートフォン
[思考・行動]
基本方針:帰還する。
1:狛枝と共に他の人を探す
2:携帯端末で他の『子』と連絡を取り、情報を収集する。
3:セカンドインパクトを知らないなんて…どういうこと?
※自分の役と鬼ごっこのルールを把握、会場の地図は未把握
-
投下終了します。
-
<削除>
-
投下します。
-
島の北部、鎌石村の東、観音堂。
銀髪赤眼の乙女がひとり、ここに潜んでいる。平安風の甲冑を纏い、刀と薙刀と、赤い大弓を携えて。
その額の鉢巻からは―――2本の赤黒い角が生えている。然り、彼女は紛れもなく『鬼』だ。
常人がその角と武装を見れば、迷わず逃げ出すだろう。逃げられねば命乞いをするかも。
あるいは、侮って襲いかかって来るかもしれない。
だが彼女の戦闘力は、見た目よりも遥かに上。
なにしろ彼女は名高き英雄、女武者『巴御前』の影法師。『英霊の座』に登録された存在だ。
たかだか60名の生者など、彼女の手にかかればたやすく鏖殺出来よう。
逃げ隠れても、そこら中に火矢を放って島を焼け野原とすれば、鹿や猪を狩るように炙り出せよう。
しかし。生者にとっては僥倖、幸運なことに。彼女は殺戮も勝利も望んでいない。
とある亜種並行世界では「一切鏖殺の宿業」を埋め込まれ、悲しみを憤怒の炎と変えられて、荒ぶる焔の怪と化した。
その記憶は彼女にはなく。ただ中立、中庸の英雄として。人の道を外れた悪を容赦せぬ、高潔な英霊として振る舞うと決めた。
世間虚仮。仮初の客はただ消え去るのみ、死者は蘇ってはならぬ。ここはまさに地獄であり、自分は地獄の鬼。なれど菩薩を奉ずる鬼だ。
唯仏是真。ここに己がいるのは、衆生を救わんとする御仏の導きに相違なし。地獄にあって仏となろう。
では、具体的にどうするか。鬼の角は、今は隠せぬ。情報を伝えようにも、親や子の信頼を得ることは難しかろう。
然らば、すべきことは。親や子を襲う他の鬼ども、十一匹を倒すこと。いざや地獄の鬼退治。
可能ならばこのげえむの胴元、主催者をも。さなくば鬼どもを屠った後、自ら仮初の命を絶って衆生を救うか。
……だが。
この企みを他の鬼や主催者に知られれば、どうなるか。討伐隊が来るならば、返り討ちにすればよい。
何かの仕掛けで己の命が絶たれるならば、生者を救うことは能わぬ。あるいは見せしめに生者を殺すか、己が洗脳されるか、新たな鬼が放たれるか。
主催者が何者で、意図は何か。どうすれば奴らを出し抜き、このげえむを破壊出来るか。
自分と似たような心根の鬼がいるならば、あるいは、己を恐れず信じてくれる親や子がいるならば、協力も出来ようか。いるならば……。
南無、聖観世音菩薩。尊像に合掌瞑目し、加護を祈る。さて、行く先は――――
-
◆
「……誰もいない……」
人馬の少女『君原姫乃』は、F-06から北へ、ひと気のない山道をさまよっていた。
先程までブロック塀の家並みが見えた気がするが、瞬きしてふと気がつくと深い山の中だ。赤い空は変わらない。
だが、さっき飛行機から降って来たビラは手元にある。どうもおかしい。なぜ自分は、こんな場所で鬼ごっこをせねばならないのか。
やがて彼女は『鎌石小中学校』を発見した。看板にそう書いてある。知らない名だ。
普段なら賑わっているであろう校内には、誰の気配も感じられない。電気もついていない。休校なのだろうか?
いや、校門の鍵は開いている。勝手に入ってもいいものか。中には電話とかもあるだろうが、通じるのだろうか。
ええい、ままよ。怪物が出て来たら叫んで逃げよう。誰かいたら、事情を聞いてみよう。これがここの日常、というわけでもなかろうし。
◆
一方その頃、どこかの会話。
「えーと……彼女、高校一年生だっけ。誕生年月日のデータはないけど、16歳以上じゃないの?」
「いんだよ細けえ事は。たぶん15歳なんだろ。これ以上手間増やすんじゃねえ。いいな?」
「ああ、わかったって……」
◆
薄暗い校内。床板を蹄が踏み鳴らす。どこかの田舎にある、普通の学校だ。ただ……何かがおかしい。
人の気配がない。何より、壁に貼られたポスターや、子供たちが描いたと思しき絵。
「人馬や、翼人じゃない……この形態、長耳人や角人でもないし……」
角人から角を、翼人から翼を取ったような、のっぺりした異形。架空の存在『四肢人類』に似ている。
まさか、そうした存在が闊歩するような異世界に来てしまったのだろうか。ファンタジー漫画や小説でもあるまいに。
小首を傾げる姫乃。その耳に―――音が聞こえた。
がしゃ、がしゃ、という金属音。間もなく廊下の奥の闇から、甲冑を纏った女武者が姿を現す。その額には、2本の赤黒い角。
顔が見えるほどまで近づくと、彼女は右掌を向け、挨拶した。
「敵意はない。何者だ。子か、親か」
-
◆
巴御前、仮の名は『アーチャー・インフェルノ』。
彼女がここに来たのは、周囲では比較的目立つ大きな建物に、誰か来てはいないかと思ったためだ。
鬼なら始末し、親や子なら―――可能ならば、鬼である自分に敵意がないことを示し、情報を伝えたい。
もし自分が主催者に倒されても、自分の持つ情報が伝わり広まることは、生者にとって有利なはずだ。
子なら、子供なら……親よりは偏見を持たず、自分の言葉を聞いてくれるのではないか。
そう思って校内に入った彼女が見たのは、異形の存在。上半身は少女のようだが、下半身は馬。
明らかに人間ではないが、さりとて鬼とも即断し難い。何より、殺気や悪意が微塵もない。
無造作に近づき、距離を保って誰何する。
「敵意はない。何者だ。子か、親か」
人馬の少女は、困惑した表情で首を傾げた。
「ええと、君原姫乃です。あなたは……角人さん?」
【D-06(鎌石小中学校)/00時27分】
【アーチャー・インフェルノ(巴御前)@Fate/ Grand Order】
[役]:鬼(放棄)
[状態]:健康
[装備]:日本刀、薙刀、弓『真言・聖観世音菩薩』(宝具)
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品1つ(確認済み)
[思考・行動]
基本方針:このげえむには乗らない。人を殺めようとする鬼は退治する。力なき参加者は保護する。
1:可能なら主催者を打倒する。そのための手段を探る。
2:自分が持つ鬼側の情報を親や子に伝える。
3:目の前の少女が何者か確かめる。
※鬼の役を放棄しています。これを主催者本部が察知すれば、何らかの動きがあるかも知れません。
【君原姫乃@セントールの悩み】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品(未確認)、ビラ、お出掛け用の小物など
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい。とりあえず人を探す。
1:目の前の角人の女性に事情を話し、事情を聞く。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
-
投下終了です。
-
皆さん投下乙です。
いよいよ空いている枠も少なくなり登場話本編共に激しい投下がしのぎを削る状況ですが、どこもかしこもより一層チームで何かする時にとんでもないことをしでかしそうな参加者が増えていてなによりです。
無能な者、裏切りそうな者、なにかしら人間性に問題がある者などパニックもので一緒にいるとやべー奴が順調に増えていますね。
さて最後の『鬼』が投下されましたが、先に本編が投下されたDIOと先に登場話が書かれ書くと宣言されていたアーチャー・インフェルノ、どちらを参加者として認めるかという問題が発生しました。
この問題に対し、最後の枠は>>362の名簿より書き手枠でありそうである以上先に投下されたものを採用するのが自然と判断し、DIOを12人目の『鬼』とします。
ただし、>>264に基づき、他の『鬼』の本編のうち一話以後投下されない参加者がいた場合はその登場話を採用せずにアーチャー・インフェルノの本編一話を採用するルート(以後B-AIルートと呼称)を新設し、そちらに乗り換えます。
この決定に基づいた暫定的な名簿が以下のものとなります。
鬼
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン○Dr.ヘル/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○ギーグ/○三日月・オーガス/○堕姫(妓夫太郎)/○アルシア/○DIO
親 残り5
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○キング/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○ウェカピポの妹の夫/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○アリス・カータレット/○河島龍之介/○狛枝凪斗/○マジェント・マジェント/○???/○???/○???/○???/○???
子 残り2
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○桐山和雄/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○ターニャ・デグレチャフ/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○名波翠/○ニケ
スマートフォン
○綾波レイ/○関織子/○豊穣礼佑/○プルツー/○源元気/○/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、たえちゃん、犬山まな、桜井リク、間田敏和、織田敏憲、因幡月夜、ヘンゼル
それでは最後に今後の企画運営についてです。
年内中にwiki以外の外部サイトも活用する体制を整えたいと考えていますが、いかんせん他のサイトの情報が不足していますので、あそこは○○が良いとか○○が悪いとかの情報提供も同時に募集します。
条件は「@Wikiより安定性があり簡便」で「最低でもssをアーカイブできる」という二点です。
長くなりましたが皆さんと更にリレーをできていければ幸いです。
今後とも宜しくお願いします。
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草加雅人、関織子、たえちゃんで投下します。
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H-06にある源五郎池の南岸、氷川村に近い辺りに農協はある。ちょうど金谷章吾が佐山流美と戦闘を始めた場所とは対岸にあるそこに向けて、たえちゃんは全力疾走をしていた。言われるままに駆けることへの疑問は横に置き、とにかく危険から身を遠ざけることを優先する。自分が何から逃げているのかいも何が危険なのかもまだわからないなが、しかしその足が止まることはなく走り切った。
はぁはぁと荒い息をしながら金谷に言われた建物の外壁に手をつく。たった100m程だが、今までの人生で一番に心臓はドキドキと波打っていた。特段運動が得意な方ではないのもあるが、それ以上に鬼と異様な環境への恐怖が緊張を煽る。幸いなことにここまでの間、特に鬼らしきものを見ることはなかったが、他の人も見ていない。いよいよ寂しい気持ちになって歩くような速さで走りながら壁伝いに窓から中を覗くも、無人。人のいる気配はない。が、他に行動を決めるものもないためとりあえず言われたことに従い中に入ろうとする。そしてちょうど反対側に大きな入り口を見つけた。
「やっぱり、誰もいないのかな……?」
少し息が落ち着いてきた口から出てくるのは不安の言葉だ。それでも、「とにかく中に入ってみよう」と緊張した面持ちで言うコロちゃんに勇気づけられ、ゴクリとツバを飲み込むと、えいや!と本人としては力一杯にドアを開ける。実際にはとても恐る恐るしたものであったが、たえちゃんとしてはそれこそ一年分の勇気を振り絞っての行動だ。それこそおじさんに引き取られることを決めたときと同じぐらいの心の力を使った。
「なんだろうこの階段?」
「とにかく上がってみよう。」
しかし、やはり無人。近場の物になんとなく這わせていた指先に時々生暖かい温もりを感じ、誰かがここにいた気がするものの、一目見た範囲に人がいるようには思えない。色々見ている内に見つけた階段をコロちゃんを抱えて登るが、やはり同じ――ではない。ドアが一つ開いている。赤いドアだ。まるで自分を丸呑みにする怪物か何かの口のようなイメージを発するそれは、たえちゃんが今いる廊下の10m程先に存在していた。それを見てたえちゃんの足が誘われるように前に進む、なんてことはない。既にたえちゃんの勇気は逆さに振っても出てこないぐらいにからっぽだ。もしかしたら鬼がに隠れているのかもしれないところに、足を進める勇気はゼロである。現実逃避するようにたえちゃんは深いため息をついて目をつむり、壁に背中を預けた。
目を閉じていると、自分の瞼の熱さに気づいた。じんわりと目に熱をもたせるそれは、顔・頭・首とどんどん拡がっていく。この鬼ごっこに巻き込まれて依頼ずっと続いていた体温の高まりと発汗、そしてその原因である体の震えを自覚すると、たえちゃんは自分の身体を抱き締める。
改めて感じるのは、一人であることへの不安と孤独だ。いったいぜんたい、なんだって自分はこんなことをしているのかとここまで何度もした問いをまた繰り返す。まるで地獄のようなこの場所になんの脈絡も必然性もなく引き込まれたのだ、その疑問は当然であろう。だがここは鬼ごっこのステージ。そしてゲームは既に始まっている。不満に思うだけでは一歩の進歩も無い。つまるところ、現在のたえちゃんの行動は完全に無意味。完全に無価値。圧倒的無駄。だが彼女にはそれが必要であった。前に進むのではなく立ち止まる為に、へたり込むのではなく立ち続ける為に、心と体が要求した防衛行動。脳内に迸るエンドルフィン等の麻薬物質をコントロールし、挫けぬよう己を見失わぬようするための戦い。それが自分を締めつけるかのように抱くたえちゃんの戦いであった。
自己をかけた防衛戦。それは、彼女の勝利で幕を閉じる。うっすらと開いた目には涙が波波とたたえられているが、しかしたえちゃん、泣かない。堪える。泣いてもなんにもならないことを、彼女はそれまでの人生で知っているから。
「たえちゃん!あの子じゃない?」
「えっ……?」
「ほら!あそこ!」
だからたえちゃんの視線の先にある窓の更に先、コロちゃんが指し示した方向に一人の少女を見つけるのは、必然と言えた。
-
「それじゃあ、章吾くんはあっちに?」
おっこ――関織子と名乗った和服の少女――は、農協の窓から源五郎池の対岸を指差す。たえちゃんが出会った彼女は、金谷とさっきまで一緒にいたと言った。なんでも突然飛び出した彼を追ってこの建物から出たものの、見つけることができずに戻ってきたらしい。実は彼とおっこは逆方向に進んだりそれぞれ池の対岸を通ったりして行き違いになっていたのだが、そんなことは少女達が知るところではなかった。
「突然走れって言われて……もしかしたら鬼がいたのかも……」
「章吾くんまた鬼ごっこの話ししてたんだ……」
加えて二人には温度差があった。ほとんどパニック状態なのをなんとか堪えているたえちゃんに対し、おっこは不思議な存在や現象にも度々遭遇している――もとい同居しているため、『空の色を変なふうにして自分を迷子にさせたなにかが鬼ごっこをさせようとしているかもしれない』ぐらいの認識である。そして何より、人形であるコロちゃんと会話しているたえちゃんを見て、『たえちゃんさんは年上みたいだし人形でおままごとするはずもないし、きっとあの人形もなんだか不思議なものなんだろうなあ』という認識であった。なまじ身の回りに不思議なものが普通にあり、出会う人出会う人がみんな不思議な言動の人ばかりなので、ここにはそういう人ばかり集められたパーティーかなにかなんかじゃないかと思い始めていた。
「実は章吾くん、1時には戻るって言ってたんですよ。また行き違いになったら困るし、それまで一緒に待ちませんか?」
結果起こるのは、状況の不正確な認知。なまじ先走って金谷を見失ったということもあり、おっこが提案したのは約束の時間までこの農協で待つということであった。
その言葉に、たえちゃんはチラリと時計を見る。今の時間は一時まであと二十分以上ある。(もしかしたら章吾くんは助けを待ってるかもしれない)と、脳名によぎるのは不安。だが一度逃げ出した場所に戻るのは怖い。様々な気持ちが入り乱れる。だから、動けない。彼女は立ち続けられる意思を持ってはいるが、前に進むための意思は、まだない。
「あ、そうだ!実はここに来たときに変なものを持ってて。」
「……あ、それ私も持ってる。」
沈黙したたえちゃんを気遣って話題を謎のスマートフォンについて変えたおっこに助けられた気分になりながら、たえちゃんも自分が気づけば持っていたスマートフォンを見せた。こうしている間にも取り返しのつかないことが起きているかもしれない、なんて怖い想像から逃れるために話を変えたかった。
(出て行くタイミングを失ったな。)
そんな少女達の話に聞き耳を立てる男が、農協の中に一人。たえちゃんが見つけた赤い扉の奥、そこに潜んでいた草加雅人はポケットの中でデリンジャーに手を添えながら、階段の上で階下を伺っていた。
草加がこの農協に来たのは、おっこが出て行きたえちゃんが辿りつくまでのちょうど隙間の時間であった。池の辺りにあるという目立つロケーションもあり、草加もここを当座の目的地と定めたのだが。彼が内部を捜索している間にたえちゃんがやってきた上おっこまで戻ってきてしまっていた。こうなる前にたえちゃんに声を掛ければ良かったのだが、それは彼女の異様な雰囲気を見て躊躇われた。なにより、草加からすれば彼女が『鬼』でないなどという保証はどこにもない。オルフェノクが人間に擬態しているときには見分けがつかないように、『鬼』が子供の姿をしていないとは限らないのだ。それになにより、たえちゃんのその所作が、忌まわしき無力な幼少期の自分を無意識のうちに想起させて癇に障るのだ。強さを手に入れ過去のものにした自分の姿を鏡で見ているような気分になるのだ。
(ま、足手まといを抱えなかったと思えばいいか……)
音無く鼻を鳴らすと、草加は窓の外に目をやった。彼女達は支給品について話し始めたようだが、使い方をわからないらしく要領をえない。無論草加に干渉する義理は無く、彼は少女達に変わって周囲を警戒することとした。自分を守るついでぐらいには気に食わないとはいえ見張りを受け持ってやろうと。
0時36分、また一つ小さく状況が動く。
-
【H-06(農協)/00時36分】
【たえちゃん@コロちゃん】
[役]:子
[状態]:疲労(小)
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:『コロちゃん』
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
1:おっこと一緒に章吾くんの帰りを待つ。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は引き取られる直前
【関織子@若おかみは小学生!】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:紅水晶
[思考・行動]
基本方針:家に帰る。
1:たえちゃんさんと一緒に章吾くんの帰りを待つ。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【草加雅人@仮面ライダー555】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:日本刀@現実
[道具]:デイパック(確認済支給品1)
[思考・行動]
基本方針:真理が巻き込まれているかを確認し、いるならば保護する。
1:情報が纏まるまで下の子供達の様子を見ながら周囲を警戒する。
2:たえちゃんへの嫌悪感。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
-
投下終了です。
今度は川田章吾、ヘンゼル、因幡月夜、クローンヤクザ、大和亜季を書きます。
また参加者名簿が更新されました。
鬼
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン○Dr.ヘル/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○ギーグ/○三日月・オーガス/○堕姫(妓夫太郎)/○アルシア/○DIO
親
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○キング/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○ウェカピポの妹の夫/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○アリス・カータレット/○河島龍之介/○狛枝凪斗/○マジェント・マジェント/○草加雅人/○???/○???/○???/○???
子
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○桐山和雄/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○ターニャ・デグレチャフ/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○名波翠/○ニケ
スマートフォン
○綾波レイ/○関織子/○豊穣礼佑/○プルツー/○たえちゃん/○源元気(げんげん)/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、犬山まな、桜井リク、間田敏和、織田敏憲、因幡月夜、ヘンゼル
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投下お疲れ様です
草加さんと合流できそうなのは頼もしいですね
やっぱり仮面ライダーなんだよなあ
僕も早朝から子供を守る正義の味方の登場話を投下しようと思います!
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「イライラするんだよ……」
浅倉威はゲーム開始初っ端から、近くの建物の壁に拳やら頭突きを食らわせていた。何故なら非常にイライラしていたからだ。
この鬼ごっことやらはどうでもいい。問題なのは自分が鬼ではなく、親として配置された事だった。
浅倉は親のルールを理解し、そして今までにないほどのイライラに苛まれる。
はっきり言って親のルールが面倒すぎる。
親の勝利条件は人数が子より少なく、かつ子の勝利条件を満たさないといけない。
つまり子を狙う鬼から守る必要があるが、そんな戦いはイライラするだけだ。
ならば鬼や子など放置して、さっさと親を皆殺しにすれば、子の数に対し浅倉一人だけになるので勝利条件を楽に満たせるのではないか。
だが放置した鬼が子を拉致して、勝利条件を満たしてしまえば浅倉の敗北になる。イライラする。
とにかくイライラが溜まる戦いばかりになることは想像に難くない。これでは戦う意味がない。
「……まあいい。皆殺しだ」
そこで浅倉は思い付く。イライラしない画期的な方法を。
それは鬼と親と子の皆殺しだった。
「ガキを二匹キープさえしておけば、後は全員殺せば良い」
子は二匹以上を適当に捕まえて、手足を圧し折るなり捥ぐなりして身動きを取れないようにする。
それから、喉を潰すなりして声を出せなくした後に鬼に見つからない何処かに隠しておいてもいい。
また鬼や親を誘きだすための餌にも使える。
とにかく子を二人維持しておけば、後は戦い続ければ良いだけなのだ。
このゲームでは親は子を守れとあるが、別に生きていればいいのだから状態は問わない。よって特別に守る必要はない。
取り合えず死ななければいい。
あとはもう全員殺し続ければ勝利できるという寸法だ。
更に言えば戦い続けることでイライラを解消できる。
「さあ行くか……祭りの場所へ」
浅倉は不敵な笑みを浮かべ、歩き出した。
【???/深夜】
【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
[役]:親
[状態]:健康、イライラ(極大)
[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:ディパック不明支給品1つ
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:子を二匹見つけてキープする。
2:北岡が居たら殺す。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
仮面ライダー龍騎のやべーやつ、25歳の凶悪殺人犯。鏡などがあれば王蛇に変身できる。
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投下終了です
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投下します。
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「クソったれ……何が鬼ごっこだ……」
山道を、怪しい男が毒づきながら降りていく。
袖と下半分が破れ、妙に膨らんだ腹を露わにしたボロボロのTシャツ。下半身はパンツ一丁で毛脛が剥き出し。足元は裸足。
浮浪者のような風体だ。顔はいかにも小悪党。眉毛がなく鼻が高く、金髪をオールバックにしている。
彼は苛ついていた。いかに底辺のアホ大学とは言え、SM同好会に好き好んで来るようなアバズレ女はそういない。
その女とその母親を四人で輪姦して愉しんだはいいが、その後のじゃんけんで負けて持ち帰られてしまった。
一人寂しくアパートで寝ていたと思ったら、このザマだ。
ここはどうやら地獄で、生きて還るには奇妙なルールの鬼ごっこを行い、親として鬼から子を守らねばならんらしい。
なんてことだ。因果応報と言うやつか。いや、オレは好き好んで来た女を気持ちよくさせていただけだ。犯罪者じゃない。
時々「ゴブリンみたい」とか言われるが、オレはこういう顔の人間だ。ちょいと性欲が強くて精液の量が多いだけだ。
こんな状況でナニをおっ勃ててる暇はない。罪滅ぼしだかなんだか知らんが、やってやろうじゃねえか。
【???/00時09分】
【ガロン塚本@親子の穴に出しまくり】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:デイパック(不明支給品2、確認済み)
[思考・行動]
基本方針:生きて還る。
1:誰か人を探す。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
『人物解説』
成人漫画「親子の穴に出しまくり」に登場する人物。ゴブリンめいた悪人面の大学生で、私立助平大学SM同好会に所属している。
「一回の射精で1リットルのザーメンを流し込む」と豪語する性豪。特異体質なのか実際1リットル以上出せるが、
1ガロンは約3.8リットル(米国)ないし4.5リットル(英国)なので誇大な名ではないかともいう(最大4回出せるのだろうか)。
太チンの竜、竿竹のケン、抜か八と共に四天王めいて自己紹介するシーンは、そのインパクトで一時ネットを風靡した。
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投下終了です。
ヤン・バレンタイン他で書きます。
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親の登場話ん投下します
-
「いったい何が起きたのでしょうか」
飛行機から放り出され、降下した地点で周囲を見回し呟く眼鏡の男。
猟銃を背負って、牝のヒグマのウ○コを全身に塗り付け、松の枝を編んで作った蓑の様なものを纏った男の名は姉畑支遁。明治時代の北海道を駆け抜けたへんた………もとい、北海道の自然をこよなく愛するへんた………男である。
「植物を見た感じは本土の様ですが………。先ほどまで私は北海道に居た筈では」
周囲を眺めて考える。何でこんな所にいるのか完全に不明である。
「羆と交れたのならあの美しい世界と一つになれる気がしたのですが」
はああ………と嘆息して天を見上げる。そこには蒼穹は無く、只不気味に輝く赤い空が有った。
力無く視線を地に落とすと、得体の知れないカードと、熊の手が先端に着いた棒が落ちていた。
「こ、これは!?間違いない!この手はヒグマのものッ!」
何故にこんなものが転がってるのか、そもそもこれは何なのか、思考するまでも無く答えは決まっている。
こんなものがある=やはり私はヒグマと交わる運命ッ!
そう結論づけたへんた………姉畑支遁は、棒とカードを拾うと適当な方向に走り出した。
【不明/深夜】
【姉畑支遁@ゴールデンカムイ
[役]:親
[状態]:健康 ウ○コ塗れ
[装備]: 村田銃
[道具]:熊の手がついた棒@けものフレンズ アサシンのクラスカード@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・行動]
基本方針:ヒグマを探す
人物紹介:
漫画、ゴールデンカムイの登場人物。
繋がりたい、理解し合いたいという願いを抱いて、や北海道の動植物相手に強姦殺人を繰り返し、家畜に手を出して止めに入った所有者に大怪我負わせて刑務所に入れられたへんた………男。
容姿・名前とも博物学者アーネスト・トンプソン・シートンが元ネタ。ヒグマとスキンシップしていた時のリアクションは、畑正憲氏、つまりムツゴロウさん。
登場時は北海道の自然を愛する男でもあったが、いきなり次のページで全裸で雄鹿をファ○クするという凄まじい性癖開陳を行う。しかも見開きで。
その後も回想シーンで樹木の穴に突っ込むというへんた………奇行を披露。
もっとも出すもの出した後は素面に帰って自分の行為や相手を穢らわしいと断じて殺害するへんた………狂人であった。
そんなへんた………姉畑支遁の最終目標はヒグマ。北海道の生態系の頂点に君臨する捕食者である。
牝のヒグマのウ○コのうえで転げ回る等の努力の甲斐あって遂に雄のヒグマ相手に本懐を遂げ、腹上死するのであった。
登場話は108〜113話 単行本では11巻の最後の方から12巻の最初にしか登場しないが、その瞬間最大風速とインパクトは戦車の超人や某上院議員にも匹敵する。
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投下終了です
シオニーちゃん ドクターヘル 義弟で書きますと宣言しましたが、詰まったのでシオニーちゃん 君原姫乃 へんた………姉畑先生で書きます
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タイトルは
変態けものフレンズ降臨
でお願いします
-
投下します
-
鬼ごっこ、か。
『ついさっき死亡した』はずの猫田東高校二年、安藤は潰れたパラシュートの傍らで笑みを漏らした。
髪を引っ張る、パラシュートに触れる、吹き抜ける風の冷たさを肌で感じる。
一頻り確かめたところでようやく彼は確信する。
―――……やっぱり生きてるのか、俺。
確かに、死んだと思っていた。
『腹話術』の後遺症で酸欠を起こし、鼻血を溢れさせ、
それでも魔王の喉元に自分のただ一つきりの剣を突き立てようとして……そこで、倒れたのは覚えている。
最早指一本動かせなかった体も、今は健康そのものだ。
まるで、あの魔王――犬養に出会う前に戻ったように。
「……よし」
安藤は拳を握りなおす。
何故だか分からないけれど、自分は生きている。ならば、どうするべきか。
決まっている。たった一人の血を分けた兄弟、潤也のもとへと帰るのだ。
そして、もう一度あの魔王との対決の舞台(ステージ)へ。
――――そうだ、安藤くん。でたらめでも自分を信じて、対決していけば……
「あぁ…犬養。きっと、世界だって変えられるさ」
小さく、しかし強い語気を以て呟いて、安藤はデイパックを担ぐ。
何もかもがまだ闇の中だ。
自分がなぜ生きているのかも。此処がどこなのかも。
此処へ落とされる前に鬼ごっこしろと言ってきた連中の正体も、目的も。
鬼ごっこに勝利すれば、また敗北した者がどうなるのかも。
考えなければならない。考えて、考えて、答えを出さなければ自分に未来はない。
けれど過剰に恐れることもない。
だって『考える』事こそ、彼の最大の武器なのだから。
【不明/深夜】
【安藤(兄)@魔王 JUVENILE REMIX
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:デイパック(不明支給品2)
[思考・行動]
基本方針:潤也のもとへと帰り、犬養と決着をつける。
人物紹介:
自分の考えていることを他人に話させる力・「腹話術」を持つ。能力は口に手を当てて発動する。有効範囲は30歩(正確には30〜39歩)。ただし副作用つき
魔王 JRの第一章主人公。猫田東高校二年生。両親は事故で他界し弟と二人暮らし。
周囲の出来事を感じなくなるほど物事を深く考え込む考察癖があり、一人言が多い。このため電波扱いされないように、周囲との迎合を求めていた。
集団心理の恐怖に直面し、集団のトップリーダー・犬養へ対決することを決める。
生い立ちとささやかな超能力が使える以外は平凡を自称しているが、追い詰められた精神状態の中でも現状打破するひらめき・応用力を持つ。
-
投下終了です
-
皆さん投下乙です。
私も浅倉を鬼で投下しようか考えていましたがまさかの親。
そしてルールを無視しているようでいて極めて合理的な皆殺し思考。
残り四枠のところに強力な候補の登場ですね。
更にそこに食い込むように親達の投下ラッシュがここで来るとは予想だにしませんでした。
ところでこの企画に投下されているライダーはなんでやべー奴しかいないんでしょうか。
それと浅倉といいシートン先生といい糞まみれな人が続いた(四人中二人)ことに何か運命めいたものを感じて肌の粟立ちをきんじえません。
事実上の一般人縛りのギリギリをついていく、そんな西野ジャパンのケイスケホンダの如きコントロールに敬意を表しつつ登場話できたんで投下します。
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ギルティゲームというゲームがある。
参加者は未来で犯罪を犯す100人の少年少女。
彼らを罰するために3日間に渡って命懸けのデスゲームが行われ、生き残った者は免罪となる――そんな謳い文句で強制的に行われた。
結果は、ゲームの破綻。主催者並びに参加者に関する公的な記録は存在しない。
「やっぱり開かない……扉を壊すしかないかな。」
握った冷たいドアノブはちょっと回るだけでそれ以上動かない。ドアと壁の間を覗くと、太い金属の塊が栓をしている。うん、どう見ても鍵がかかってるなあ。もう私はため息つく気も起きなくて、扉をちょっと蹴ってみた。
私、北上美晴。桃が原小学校に通う6年生。
ある日私はギロンパっていうぬいぐるみの格好をした人に拉致されて、ギルティゲームというゲームをさせられた。
何人も子どもたちが犠牲になったけど、3日目の最後に私たちは会場のギルティプリズンを爆破してヘリコプターで脱出、元の生活に帰った――はずだった。
私の記憶は、私のお父さんがやっている病院から外に出て一緒に脱出した友達たちとスマホで話をし終えたところで途絶えている。
気がつけばあの時と同じように、見知らぬ場所にいた。
どこかの建物の鍵のかかった部屋に閉じ込められてるっていう違いがあるけど……
「このスマホもどう使うかわかんないけど、たぶん大事なものだよね。」
もう一つ違いがあるのは、いつの間にか持っていたスマホ。電源はついているけどロックがかかってるみたい。ちなみに自分のは普通にポッケに入ってたので、私を拉致した人――ギロンパが入れたんだと思う。
うん、私は今回の事件のことをギロンパのしたことだと思っている。だってつい何日か前まで、私たちは間違いなくアイツと戦っていたから。たとえあの3日間が無かったみたいに日付が変わってなかったり、ニュースで原因不明の児童の連続失踪事件としてギロンパのギの字がなくったって、あの事はたぶん一生忘れないと思う。
「とりあえず、もう一回鍵が無いか探してみよう。」
何が起きてるかわからないけど、何が起こるかわからないけど、自分にできることを考えないと。
絶対に生きてみせるって決めたんだから。
【不明/不明】
【北上美晴@ギルティゲーム】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:スマホ(私物)
[思考・行動]
基本方針:生き残り脱出する。
1:とりあえず部屋から出る方法を探す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握
自分の身に起こったことをギルティゲームと認識。
人物紹介…ギルティゲームの主人公の女子小学生。ネタバレになるが冤罪により刑務所にぶち込まれたあと仲間との出会いや友情、食事イベント、裏切りと別れを経て看守であるギロンパを倒し、脱出すると犠牲者達を救う方法を考えることとなる。頭はいまいちで運動もルックスもそこそこだが、運と周りに恵まれたことで成長、自分にできることを探すことと、諦めの悪さを手に入れる。
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投下終了です。
まだまだ参加者は出揃っていませんがたえちゃんや織田様などは2週目が投下され、Dr.ヘルに至っては3週目が宣言されているなど無事企画が起動に乗り喜ばしい限りです。
今後もより一層企画振興に努めますのでよろしくお願いします。
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投下します。
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島の北西部、鎌石村の西のはずれの道。
赤い空の下、チンピラ吸血鬼『ヤン・バレンタイン』と、トンファーを構えた黒髪の少年『雲雀恭弥』が睨み合う。
雲雀の背後でハラハラしているのは、ヤンに襲われていた少女『犬山まな』。
ヒーロー然として現れ、颯爽とまなを救出した雲雀であるが、彼はまなのことなど眼中にない。
これが「鬼ごっこ」だと聞いた途端、彼は「自分が鬼となって他の全員を咬み殺す(ブチのめす)」ゲームだと勝手に理解した。
何を言っているか分からないと思うが、これが彼の通常運転だ。なお、彼は鬼ではなく子の役だ。
そして彼は、強い者との戦いを好む。目の前の男は、それなりに強そうだ。楽しませてもらおう。そう思っている。
対するヤンは、目の前の『鬼』の少年が、自分の獲物である少女を横取りしたことに憤慨していた。
せっかく愉しんでやろうと思い、後でこいつにも愉しませてやると親切にも告げてやったのに、なんてことをするのか。
見たところ自分より年下の、東洋人のガキだ。ちょっとケンカが強いからって調子に乗りたいお年頃、って感じだ。
殺さないまでも、社会の先輩として教育的指導をしてやらねば気が済まない。然る後にそこの少女をじっくりねっとり味わわせてもらおう。
同じ鬼を殺して数が減れば、なんだかんだで自分が生き返れる確率は減る。チンピラなりに、そこらへんはわきまえてはいるのだ。
まなは……この少年が鬼だろうとなんだろうと、この場を一緒に逃げようと思っている。
相手の男が持っていた物騒な銃はどこかへ飛んでいったが、なにしろ鬼、吸血鬼だ。奴の口の中に牙が並んでいるのをこの目で見た。
少年はかなり強いようだが、あの男に勝てるかどうかは分からない。血を吸われたら、ひょっとして、吸血鬼にされるのかも。
だが、どうする。自分は無力な少女で、武器もない。この戦いに割り込んで止めることは出来ない。あの銃を拾うか。いや、逆に狙われる。
少年を引っ張るか。いや、足手まといになって、敵の攻撃を浴びさせてしまう。少年の言う通り、自分だけで逃げるか。それもどうか。
「おらおらおらァ!」
ヤンが仕掛ける。蹴り、貫手、回し蹴り。雲雀は敵の攻撃をトンファーで防ぎつつ、2つの機関銃が落ちた場所から引き離す。
なかなか素早く、膂力もあるが、特筆するほどのことはない。期待はずれか、何か隠し持っているか。
「ヒャハァ! お嬢ちゃんをかばうってかァ、お優しいお坊ちゃんよォ!」
「知らないね」
雲雀が身を躱し、仕掛ける。立ち竦んでいるまなのガードがガラ空きになり、ヤンが面食らう。
-
このイカれたガキは、このメスガキのことはどうでもいいらしい。めんどくせえから彼女を攫って逃げちまうか。
それもシャクだ。あるいはこれが罠で、少女を狙ったところをガツン!とやる気か。あり得るが、いや、マジで見捨ててるのかも。
さっきから理解できない言動をするし、強いことは強いが、強さ自体は人間の域を出るものではない。
特殊な術とかも使ってこない。本当に鬼か、こいつは? ただのイカれたガキなのでは?
「うおッ!?」
油断した隙に、顎の先数ミリの空間をトンファーが掠めた。冷や汗。少なくとも、下っ端吸血鬼の自分が油断できない程度には強い。
老いぼれ執事や新米ドラキュリーナの不意を打つ程度には素早い自分だが、兄ルークほどに戦闘訓練を積んできたわけではない。
ま、トンファーで多少殴られても死にはすまい。ムカつくが一発ガツンと食らわせて、そこの銃と少女を回収して逃げちまおう。
その後で本部に「鬼を攻撃する鬼っぽいガキがいる」と報告を――――
瞬間、ヤンの背後から怪物が飛びかかった。
「ホギョアアアアアッッ!!!」
「なあァッ!?」
巨大なゴリラじみた類人猿。そうとしか言いようがないモノ。それは激しい怒りと共に咆哮し、牙を剥く!
丸太のような両腕が振り下ろされ、ヤンは辛うじて回避! バギッと破砕音が響き、樹木が両断される!
「なッ、なんだ、こいつはァァッ!?」
鬼。鬼(オウガ)だ、どこからどう見ても。少なくとも子ではなかろうし、絶対に人間ではない。
身長2メートル超の怪物が、殺気を剥き出しにして襲い掛かって来る。あのクソガキもいる。この場は……撤退!
恐怖したヤンは即座に状況判断し、草むらから目ざとく自分の銃2挺を回収すると、脇目も振らず逃げ去った。
大猿は追おうとするが……機関銃2挺を持つ鬼には少し躊躇したか、足を止める。ひとまず『子』を二人、あの鬼から救出できた。
背後を振り向く。怯える少女と、平然としている黒髪の少年。その背後から、先程出会った少女が姿を現す。
-
◆
「ええと……ひょっとして、お友達になりたいの、かな?かな?」
少し前。島の西側、菅原神社の境内。
少女『竜宮レナ』は、突如現れた謎の大型類人猿『夜叉猿Jr.』から花を差し出され、困惑していた。
敵意がないことを示したい、のだろう。では、鬼ではないのか。その大猿はこっくりと頷き、歯を剥き出して笑った。
言葉は話せなくても、人語はある程度通じるようだ。この大猿が仲間になれば、心強いとは言える。
「鬼じゃないなら、親か子、ってことだよね。ええと、そこのパラシュートは、あなたが降りる時に使ったの?」
境内の樹木に引っかかっていたパラシュートを指差し、尋ねる。大猿は頷き、近くの草むらからデイパックを取り出した。
了解を得て中を少し調べると、内ポケットに書いてあった『親』のルールを発見する。重要な情報だ。
そして―――この大猿はやはり、親で間違いない。
「友好関係が築けたのはいいけど、これからどうしようか……とにかく、他の親や子と合流するしかないよね。
大猿さんが鬼じゃないってことは、私が証言する。安心して。でも、いきなり人前に現れるのはびっくりするだろうなあ……」
親や子を探し、鬼から守って逃がす。ひとまずの目標はそれだ。
親と子の勝利条件が違うのは気になるが、親と子が両方助かるような方法もあるはずだ。あるようにせねばならない。
人が集まるような場所。自分ならどうする。まずは民家に入る。人がいるとは思えないが、有用な道具を探すことは出来よう。
「よし、それじゃあ近くの集落に行ってみよう。ここからだと――――」
◆
「ハァ、ハァ……。よかった、人助けが出来たんだね」
突然、大猿に抱えられて森を飛び渡り、レナは元いた鎌石村に到着していた。
菅原神社からすぐ南には平瀬村があったが、大猿は独特の感覚で何事かを――おそらく鬼の闘気を察知し、全力でこっちへ飛んできたのだ。
レナは鬼との戦闘前に近くの茂みに降ろされ、鬼が逃げ去ったと見るや姿を見せた、というわけだ。
そこにいたのは中学生ぐらいの少女と、やや年上に見える黒髪の少年。少年の手にはトンファーがある。彼が少女をかばっていたのだろう。
-
「へえ……」
少年は、大猿を見ると―――好戦的な表情を浮かべ、トンファーを構えた。鬼の男には逃げられたが、この大猿もそれなりに強そうだ。
大猿も闘気を察知し、牙を剥いて唸る。鬼か、子か。鬼であれば、この場で始末せねばならない。二人の少女を守護らねば。
「「ちょ、ちょっと、ストップ!!」」
二人の少女が同時に動き、少年と大猿の間に割り込んで両掌を翳す。少年と大猿は闘(や)る気をそがれ、構えを解く。
「わ、私は『竜宮レナ』。たぶん『子』の役だよ。この大猿さんは『親』で、『鬼』じゃない。私が保証する。あなたたちは?」
「……い、犬山まな、です」
「……雲雀恭弥」
◆
「クソが……! こうなりゃ、こっちも徒党を組むしかねェな……。
あと23時間もあンだ。あのメスガキはきっちりファックして、クソガキとバカ猿は必ずブチのめしてやるぜ!」
村の南、高原池の近く。ヤンは毒づきながら森の中を進む。主催者本部「神塚山」へ向かって。
【D-04/00時50分】
【ヤン・バレンタイン@HELLSING】
[役]:鬼
[状態]:健康、激昂
[装備]:FN P90 短機関銃 2挺 サプレッサー&スコープつき(弾丸を多少消費)
[道具]:四次元っぽい紙袋(不明支給品3つ、確認済み)
[思考・行動]
基本方針:殺し、犯し、食らう
1:トンファー使いの少年と大猿を「鬼を襲う狂った鬼」と認識。一旦撤退し、本部や他の鬼へ連絡に行く。
※その他
生きている人間の血を吸って殺すと、知能のないゾンビのような食屍鬼(グール)に変えてしまう。
-
◆
自己紹介を済ませ、三人と一匹は海沿いの民家に移動し、情報共有してこれからの方針を話し合う。
雲雀は「群れる気はない」と立ち去りかけたが、まなが必死で頼み込み、なんとか引きずってきた。
大猿は話せないし、雲雀はそっぽを向いていて会話するつもりがない。必然的にレナとまなのブリーフィングになる。
互いに女子中学生。少しレナが年上だが、「タメ口でいいよ」と言われたので、まなはそうした。
「あの鬼が復讐に来る確率は高いね。必要なものを回収したら、急いでこの場を離れよう」
「そうだね。固まっていた方がいいとは思うんだけど……」
雲雀は自分で『鬼』だと名乗ったが、少なくともこの少女たちを殺そうとするような存在ではない。
少女たちも大猿も、それを察している。警戒はするが、そういう鬼もいるのだろう。
だが、あの鬼は、必ず戻って来る。雲雀や大猿のことを鬼側へ触れ回り、討伐に来るかも知れない。
強者との戦いを求める雲雀には願ったりだが、大猿はともかく少女たちにはたまったものではない。
とは言え、雲雀をここへ置いて逃げるわけにもいくまい。どうするか―――――
「とりあえず、私と大猿さんがいた『菅原神社』周辺には、鬼はいないみたい。あっちの、山の中だね」
「そこから、この村とは逆方向へ移動すれば……」
―――下級の鬼にも匹敵する戦力と、信頼できる仲間に巡り遇え、順風満帆に見える一行であるが……。
ここらで思い起こして頂きたい。竜宮レナが、あの「雛見沢症候群」に感染していることを。
【チーム・竜犬猿鳥】
【C-02/00時50分】
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[役]:子
[状態]:健康(雛見沢症候群に感染、無自覚)
[装備]:
[道具]:お守り
[思考・行動]
基本方針:帰還する。子や親と合流し、共に脱出を目指す。鬼からは逃げる。
1:民家から必要な物資を回収し、すみやかにこの場を離れる。菅原神社へ向かう。
※その他
制限時間と親のルールを把握。各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
雲雀を鬼だと思っているが、敵対する気がないなら仲間だと信じる。
雛見沢症候群は空気経由や皮膚・粘膜・体液との接触で感染し、疑心暗鬼などを契機に発症する。
-
【犬山まな@ゲゲゲの鬼太郎(6期)】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:スマホ(自分の)、支給品(未確認)
[思考・行動]
基本方針:生還する。子や親と合流し、協力する。鬼からは逃げる。
1:民家から必要な物資を回収し、すみやかにこの場を離れる。菅原神社へ向かう。
※その他
制限時間と親のルールを把握。各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
雲雀を鬼だと思っているが、敵対する気がないなら仲間だと信じる。
【夜叉猿Jr.@刃牙シリーズ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイパック(支給品2つ)
[思考・行動]
基本方針:鬼は殺す。子を守護る。
1:この三人を守護る。鬼らしき少年(雲雀)には警戒する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。鬼ではないと自認。
人語は多少解するが話せないし、文字の読み書きも出来ない。ノンバーバル・コミュニケーションは可能。
そう言えば雛見沢村は岐阜と富山の境あたり(飛騨地方)らしいのでレナとは同郷な気がする。
【雲雀恭弥@家庭教師ヒットマンREBORN!】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:雲雀のトンファー@家庭教師ヒットマンREBORN!、雲のボンゴレリング@家庭教師ヒットマンREBORN!
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:親、子、鬼を咬み殺す。他者とは群れない。
1:強者と戦う。鬼が来るなら好都合。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を鬼だと誤解している。
そもそも把握したところでルールに従って行動する気がない自由過ぎる男。
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投下終了です。
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投下お疲れ様です
参加した鬼の中では比較的下位の脅威であるとは言えをビビらせるとは夜叉猿Jrの威圧感は子たちにとって頼りになりそうですね
戦力的には充実していますがレナの雛見沢症候群という爆弾を抱えたチームがどうなるか……
自分も投下します
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――カルデアスの中で無限の死を味わうと言い、オルガ。
それがずっと信じていた魔術師、レフ・ライノールが私、オルガマリー・アニムスフィアにかけた最後の言葉だった。
私はカルデアスに取り込まれ、死んだ…そのはずだった。
「鬼ごっこって、何よ……」
そのはずだったのに、突然飛行機と思わしき場所に拉致され、鬼ごっこをしろと命じられ、こうして何処かもわからない島にいる。
一体何が起こったというのか。まるで分からない。爆弾で吹き飛ばされたという私が今生きているのかすら。
「助けてよ…誰か」
生きているにしても唯一私が信じた人間はもういない。
アニムスフィア家の血を引くものとしての誇りなどどこにも無く、一人ぼっちで私は途方に暮れていた。
【オルガマリー・アニムスフィア@Fate/Grand Order】
[役]:親
[状態]:絶望
[装備]:
[道具]:ディパック不明支給品2つ
[思考・行動]
1:誰か助けて……
※その他
・自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
【人物背景】
魔術師の名門アニムスフィア家の当主であり、人理継続保障機関フィニス・カルデアの所長を務める女性。
本来ならカルデアの所長の座を継ぐ人物ではなかったが、3年前に父が急逝した事により、急遽所長になってしまった女。
魔力は高いもののマスター適正が無い(同時にレイシフトも不可能)という、貴族魔術師の家系の者としては致命的な欠陥を持つ体に生まれついた為、魔術師の世界では蔑ろにされ、誰からも省みられずに生きてきた。
レフ・ライノールによってカルデアスに叩き込まれた瞬間の時間軸から参戦
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投下終了です
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止まるんじゃねえぞ……
登場話投下します
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苦節十年、俺ちゃんは駆け抜けてきた。
デッドプール1は大ウケ、デットプール2も鬼ヤバヒット。
3の製作は未定だがXフォースを作る予定だ。いずれ俺ちゃんがアヴェンジャーズに入る日も近い。
しかし、そんな俺ちゃんでも休息は必要だ。
過去の俺とグリーンランタンから決別し、暫しの充電期間に入った俺ちゃんは気付いたら拉致られていた。
「ロワ長すぎんだよ」
ロワは長い。
作中期間はともかく、リアルタイムだと記憶に新しいアニロワですら核が降り注いで、大佐が誤殺して、本部が守護って、ウェイブがこの手を握り締めてから三年経った。
三年あればデッドプールは二作作られるし、穂乃果ちゃんは乳首を晒すし、SMAPは解散するし、ルークは死ぬし、バルボッサも死ぬし、ウルヴァリンも死ぬ。特にウルヴァリンは俺のハードル上げやがった。
名女優として名を残したさくらちゃんは、もう幼気な小学生を卒業して中学生になっている。
とてつもない、時間の浪費だ。充電期間どころじゃない。
俺ちゃんには休息が必要で、後のスケジュールも控えている。
鬼ごっこに付き合う暇はない。
「よし、鬼を殺しちゃお!」
多分、鬼ごっこの性質上最も数が少ないのが鬼役だ。
だから、奴らを全員やっつける。鬼になるなんて全員悪人に決まってるしな。
子は放っておいても、大丈夫だろ。一番数多いだろうし。
1話に3人は殺して5話以内にはさっさと終わらせて帰ろう。
「いや……帰れるのか? これルールおかしくね」
よーく考えてルールを振り返ってみた。マニュアル人間と馬鹿にする奴もいるが、説明書を読み込む事は重要だ。
説明書さえ読んでれば、猫をチンして裁判起こす馬鹿もいない。
基本ルールの4に『勝利条件を満たした参加者が現れたとき、その参加者と同じ役の人間は全員勝利し、元の世界に生き返る』とある。
これよーく見てみると、勝利条件を満たした参加者が生きていた場合のその後を書いていない。
つまり、勝利した役に属する死んだ人間は一応元の世界に生き返れるが、生き残った勝利者はどうなるんだ?
もしかして実は俺達、全員シックスセンスのブルース・ウィリスなのか?
これ勝利条件ガバガバじゃねえか。
文面通りなら、勝利者が出た役の死人しか帰れないってことになる。
どうとでも取れる曖昧な文面は詐欺の常套句だ。俺ちゃんも最後のジェダイで騙されてブスを二時間見せ付けられて、1000円ぼったくられた。
普通、最後のジェダイって聞いたらルークの大活躍を期待するよな?
ヘタすりゃ向こうの後付けでいくらでもルール変えたり、小学生みたいな屁理屈を聞かされる羽目になりそうだ。
「まあいいや。本編さえ出なきゃ俺ちゃんは関係ないもん」
だが、もしも参戦することになったらこんなルール守るより、俺を出した書き手とこの鬼ごっこ開いた奴ら皆殺しにしよう。
そっちのが確実だ。
【???/深夜】
【デッドプール@デッドプール(映画)】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:いつものコスチューム
[道具]:ディパック不明支給品2つ
[思考・行動]
1:参戦したら俺を出した書き手と主催を全員殺す。
2:デットプール2のネタバレする奴も殺す。だから絶対やめてくれよな。
3:このルールおかしくね?
※その他
・自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【人物背景】
マーベルの誇る自己チュウヒーロー。
スパイダーマンみたいな格好したお喋りな男。
末期がんであることが判明し、その治療を受けたことが原因で驚異的な治癒能力を手に入れ、がんを克服するが顔が見るに堪えない不細工になった。
治癒力は凄まじく銃で撃たくらいでは死なないが、脳を破壊されたりオーバーキルされれば流石にヤバいだろうし
位破壊をされても(例えば腕を切り落としたり)それが新しく生えるまでに最低でも一日は掛かる等、この手の再生力にしては結構不自由である。
なのでレギュレーション違反には入らないと思う。多分。
入ったらゴメンね。
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投下終了です
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浅倉威、アリス・カータレットを予約して投下します
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「チッ!」
蛇柄のジャケットに袖を通した金髪の男、大量殺人犯浅倉威は幾度目になるか分からぬ舌打ちをして、近くの木を蹴りつけた。
理由は決まっている。イライラしているからだ。
この島に来て一時間が経ったが子も親も鬼も出てこない。
元より気の長い方ではない浅倉が苛立つのは当然と言えた。
更に、今しがた通りかかったこの道が怒りに拍車をかけている。
「俺を置いて勝手に祭りを始めやがって……」
全国指名手配され、警官に発砲された事も片手の指では足りない浅倉だからこそ分かる。
この場所では先程戦いがあった。
木々や道に刻まれた銃の弾痕こそその証だ。
浅倉風に言えば、『祭りに乗り遅れた』という事だろう。
しかしまだ近くにこの戦いを繰り広げた者がいるかもしれない。
そう思い、足跡でもないか痕跡を探そうとした時だった。
「うぅーん……」
遠くない場所で子供の声が聞こえた。
浅倉は藪の方へと歩き、乱暴に木々を蹴り折る。
すると、顔を血で赤く染めた金髪の少女が姿を現して。
親か子か確認はできなかったが、その容姿と自分にも与えられた親の証であるデイパックがないことから浅倉は少女が『子』であると判断した。
それと同時に耳鳴りに似た音が響き、浅倉は支給品として与えられた手鏡を確認する。
案の定、契約している三体のミラーモンスターが腹を空かせ、飯をよこせと騒いでいたのだ。
「こいつは駄目だ、もう少し待ってろ…」
冷厳にそう命じ、モンスター達を黙らせる。
浅倉がこの鬼ごっこで勝利するためには、子を二人キープしておかなければならない。
その点今見つけたこの少女は浅倉のお眼鏡に叶う存在と言えた。
以前浅倉はフェリーで発生したミラーモンスター事件に関わり、
唯一の生存者である目の前の寝転がっている子供と、同じくらいの年の少女を囮として利用したことがある。
加えて少女は命に別状はないとはいえ小さくないケガを負っており、歩くぐらいはできそうだが大きな身動きは取れない。
つまり自分から逃げられない。キープとしてはうってつけである。
そんな都合のいい存在を、みすみす餌としてくれてやるつもりはなかった。
「まずは一人か……」
出遅れたとはいえ大局的には幸先のいいスタートとなり、イライラも多少収まる。
薄く頬を歪ませて、浅倉は少女を米俵の様に肩へ担いだ。
▼
「う、うぅん……」
可愛らしい声を上げて、アリス・カータレットは目を覚ました。
何だか悪い夢を見ていた気がする、後知らない天井だがここは何処何だろう――そう思い目を擦ろうとしたら、
-
こめかみに鋭い痛みが走った。
「うぇ」
恐る恐る手で触って確認すると、手が赤く染まった。
丁度、夢の中で白い鬼に痛めつけられた場所がだ。
「痛ッ!な、なにこれ…!」
状況が正しく認識できない。ここは何処なのか、何故自分が怪我をしているのか。
まさか、さっきの夢が……と考えて軽くパニック状態に陥る。
取り敢えず、今まで寝ていたベッドの枕元にあった救急箱を空けて消毒し、包帯を巻く。
酷く傷んだし、ミイラ男の様に不格好だったが、取り敢えず止血はできた。
「此処、どこなの?夢の中の場所でもないし、誰かの家みたいだけど……」
ベッドから降りて恐々と辺りを伺う。
すると、ずぞぞッ!と麺を啜るような音が聞こえてきた。
どうやら、誰かいるらしい。
知り合いならよい。でも、あの夢の中の白い少女や学ランの少年の様に怖い人だったら……
まだふらつく足で廊下を通って、寝室からキッチンの方へと歩く。
そして、通路の陰から中の様子を見ようとして……金髪の男と目が合った。
「……起きたか」
「ひぇっ……あ、あの、貴方、は?」
「お前と同じ参加者だ、鬼ごっこのな」
アリスから見た金髪の男はどう見ても友好的な存在とは思えず。
目を合わせないように傍らを見れば、『浅倉』と銘打たれたデイパックがあった。
それを見た時、アリスは二度ほど自分に流れる血液の温度が下がったのを感じる。
何故なら、そのデイパックは自分も持っていたからだ、さっき見た悪夢の中で。
でも、そのデイパックは今目の前にあって。
「あ、あ……」
-
夢ではなかった。
その事実に出る声は声にならず、膝はかつてないほどに震えだした。
目じりに涙が浮かび、噛み合わない歯は気持ちの悪い演奏会を奏でる。
しかしそんな少女の恐怖を浅倉は忖度しない、。ずんずんと詰め寄って詰問する
「一応聞いておくが…お前、『子』だろうな」
「えっ!?えと、えっと…わ、私は……」
言葉に詰まる。だって全てが夢の通りなら彼女は子ではなく『親』なのだから。
正直に伝えるべきか否か、迷いと緊張が駆け抜け彼女の本能がけたたましい程にエマージェンシーコールをかき鳴らす。
正解は二つに一つ。外したら待ち受けるのは先程受けた暴力の嵐。
ぎゅっと目をつむって、夢中で答えた。
「は、はい…!そうです。目が覚めたらこんな場所にいて、信じてください!」
少女は嘘をついた。生き残るための嘘を。
ふるふると震えながら、浅倉の反応を待つ。
その間二十秒ほどだったが、彼女が人生で感じた最も長い二十秒の記録は間違いなく更新しただろう。
やがて、浅倉が「チッ」と舌打ちをして、アリスはびくりと体を震わせる。
嘘をついたのがばれてしまったのか。じゃあ、これから自分は―――、
緊張がキャパシティを超えて、叫び声を上げそうになる。
そうなれば間違いなく浅倉の逆鱗を撫でることになったと考えれば、彼女は幸運だったと言えるだろう。
その前に、ぷうんとソースのいい匂いが彼女の鼻腔をくすぐって、叫び声が喉の奥に引っ込んだのだから。
瞼をゆっくりと開くと、この民家の物と思わしきカップ焼きそばが男の手から突き出されていた。
「……食うか?」
震える手でスチロールの容器を受け取る。さっきの答えは、正解だったのだろうか。
本当は夜に焼きそばなど女の子として言語道断だが、浅倉の手前拒否することもできず。
仕方なく啜った麺の味は、意外と美味しかった。
(でも、やっぱり怖いよ…シノ、助けて)
今回は幸運にも親が与えてくれた生来の容姿で切り抜ける事ができた。
でも、もしばれてしまったら、この怖い浅倉という人は自分をどうするのだろう。
焼きそばもくれたし…誠心誠意謝れば許してくれるだろうか――――、
…そんな決して訪れることのない幸運を夢に見つつ、少女はまた焼きそばを口へと運んだ。
【E-07/01時25分】
【アリス・カータレット@きんいろモザイク】
[役]:親
[状態]:顔に打撲傷。額から出血(止血済み)
[装備]:
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:元の世界に戻って、みんなで修学旅行へ行く
1:とりあえず浅倉さんと話す。でも、嘘がばれちゃったら…
2:親だと信じてくれるかな…
※その他
※アルシアの顔を把握しました
※桐山の顔を把握しました
※アルシアと桐山を鬼役だと思っています
※原作での修学旅行エピソード前からの参戦です。
【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
[役]:親
[状態]:健康、イライラ(極大)
[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:手鏡
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:アリスの他にもう一匹子を見つけてキープする。
2:北岡が居たら殺す。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
アリスを『子』だと思っています。
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投下終了です
タイトルは「少女と王蛇」で
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投下乙です
よくよく考えたら浅倉異能(道具)持ちだからレギュレーション違反じゃない?最も浅倉的には鬼と戦えて結果オーライかも
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登場話投下します
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「此処はどこなの……?」
何もかもがおかしかった。
私、若狭悠里は『かれら』という非日常の来訪に奪われた『あの子』を救うために小学校にいたはずで。
でも見つからなくて。一緒にいた皆も申し訳なさそうに首を振るだけで。
そんなはずはない。そんなはずはないと自分に言い聞かせながら車に戻って……
私の意識はそこで途切れ、気が付いたら飛行機に乗せられていて。
そして鬼ごっこをしろと言われて……ここにいる。
なんでいつもこうなってしまうのだろう。
いつも希望の針は垂らされて、でも握ろうとしたら直ぐに空へと昇って行ってしまい、此方の手が傷つくだけ。
「探さなきゃ……」
それでも口から出たのは希望を探す言葉。
擦り切れ切った心を必死に奮い立たせて、やるべき事だけを考える。
「るーちゃん」
今はただ、あの子を。
何もかも、もうそれだけでいいから。
守るために。離さないために。失わないために。
るーちゃんも此処にいるかもしれないから。
いるはずだ。いなければおかしい。
だって自分は『親』で、ここには守るべき『子』がいるはずなのだから。
探さなきゃ。探さなきゃ。探さなきゃ。
探さなきゃ。探さなきゃ。探さなきゃ。
探さなきゃ。探さなきゃ。探さなきゃ。
探さなきゃ。探さなきゃ。探さなきゃ。
探さなきゃ。探さなきゃ。探さなきゃ。
探さなきゃ。探さなきゃ。探さなきゃ。
「絶対、お姉ちゃんが見つけて、守るから」
【???/深夜】
【若狭悠里@がっこうぐらし!】
[役]:親
[状態]:錯乱気味
[装備]:
[道具]:ディパック不明支給品2つ
[思考・行動]
1:るーちゃんを探す。
※その他
・自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握していますが頭に入っているかは微妙です。
【人物背景】
『かれら』に支配された世界で懸命に生きる『学園生活部』の部長。通称りーさん。
家庭的で穏和な性格だが、同時に慎重で思い詰めやすい一面も持つ。
小学生の妹がいたらしく、同じ『学園生活部』で子供っぽいところがある丈槍由紀を妹の様に重ね合わせていた。
参戦時期は原作六巻、ぬいぐるみを見つける前。
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投下終了です
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登場話投下します
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「鬼ごっこか」
橘朔也は静かに呟いた。
突然、何者かに誘拐され目隠しでルールを強制的に頭に叩き込まれた後に、真夜中からパラシュートでダイブと過激でハードな目にあった橘だが彼の顔には困惑こそあれど疲労は見えなかった。
それも当然だ。仮面ライダーギャレンとして人間を脅かすアンデットと戦い抜いた彼は、この程度の事で音を上げるほど軟な鍛え方はしていない。
パラシュートを慣れた手つきで操作し、華麗に着地した橘は改めて自らの置かれた状況を整理する。
「俺の役割は子を守る親か……」
仮面ライダーをやっていた経歴を考慮されたのかもしれない。
とにかく、ルールは単純で鬼は子を狙う。子はそれから逃げる。親はその間に介入し、子を守りつつ勝利条件を満たす。
何処かの地方で鬼ごっこの亜種として、遊ばれていそうな面白いルールだ。
「人が死ななければな」
子の勝利条件の一つに鬼が全員死ぬというものがある。
基本的に殺しを強要するルールはないのだが、暗に殺せば物事を有利に進めることが出来るルールが多い。
少なくとも鬼に関しては、殺してしまえば親と子は有利になる。逆に鬼も邪魔をする親や捕まえる子を生かす必要性がない。
生きている参加者の過半数が鬼になるか、生きている子の過半数を捕まえればいいのだから、人数を減らす事は損にはならない。
「不味いなこのゲーム……役ごとの、いわばチーム戦というのが厄介だ」
これが最後の一人になるまで殺し合えと言うのであれば、抵抗があって安易に殺しに走ることは少ない。
しかし、条件を満たす場合は鬼以外なら、上手く行けば誰も殺さなくても済むのだ。しかもその役全員が勝者になれるということは、信頼のおける仲間も出来る。
人間は同調圧力に弱い。ましてやこんな極限化ではなおさらだ。
よってゲームを止めて反乱を起こすより、ルール通りゲームを進めた方が安牌と考える者も少なくないだろう。
あるいはそこまで理解した上で、勝利するために参加者を煽る者もいるかもしれない。
「だが、一つの役が勝利した後他の役がどうなるか分からない。いや、制限時間まで設けて勝利する役の優先順位まで決めて、ドローゲームを認めない以上……」
口に出すのは憚られたが、恐らく負けた役はろくなことにならない。殺されるのか、それともそれ以外の地獄が待っているのか分からないが。
だが勝利した役が出る裏側で助からない者達がいる。それは、こんな鬼ごっこに望んで参加した訳ではない弱者達かもしれない。
「鬼は恐らく役柄から悪人を集めていると思うが、それ以外は下手をすると本当に生き残りたいだけの一般人がゲームに乗ってしまうこともある……。
駄目だ、どちらにせよ多くの人が犠牲になってしまう」
出来れば橘は全ての参加者達を助けたい。このゲームそのものを止めたいのだが、制限時間が一日しかない。
現実的に考えればかなり厳しいと言える。下手にゲームの進行を遅らせ、もしも制限時間以内に勝者が出なかったりすれば……。
「……あるいは、可能な限り多くの参加者が勝利できる役を勝利させる……そうすれば、全員は無理でも一定数の参加者は必ず助かるのか?」
全てを救うという夢物語より、その方が現実的で確実だ。誰かを切り捨てる事で、絶対に誰かが助かるのなら―――
「違う……『戦えない、全ての人のために……戦う』そう言うんだろ。お前なら……?」
その手にはブレイバックルが握られていた。
ラウズカードがない為に変身できないが、このゲームを目論んだ者達がこれを持ち出して橘に渡したという事は何処かにラウズカードがある筈だ。
いや、仮に例え変身できなかったとしても、ある男の正義の象徴でありそれを貫き切った信念そのものとも言える。
だからこそ、意図せずであってもこれを手にした橘は、仮面ライダー剣に……剣崎一真に顔向け出来ない行動は取れない。
こんな頼りない先輩であっても、最後まで信じて慕い続けてくれた後輩の為に。
その運命に戦いを挑み、今なお何処かで戦い続けている友の為に。
「剣崎、お前の正義は俺なんかには、重すぎるのかもしれない……。
俺は本当に不甲斐ない男だ。だけど、今だけはブレイドも――-その正義も俺に引き継がせてくれ」
二度と会えないかもしれない。自分の頼れる仲間に向けて橘は語り掛けた。
「先ずは何にしても脱出方法を探さないとな」
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【???/深夜】
【橘朔也@仮面ライダー剣】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:ブレイバックル(ラウズカードなし)@仮面ライダー剣
[道具]:四葉のクローバー@現実
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこを止める。
1:脱出方法を探し、参加者には鬼ごっこに乗らないように呼びかけ協力者を集める。
2:ラウズカードを探す。他の武器も探さないと不味いよなあ。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
参戦時期は本編終了後。
【人物背景】
仮面ライダー剣に登場するすごく強いクールな男で、頼りになる先輩仮面ライダー。
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タイトルは「頼れる男」です
投下終了します
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登場話投下します
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一人の女が空でビラをバラまいている飛行機を凄まじい表情で睨んでいた。
無駄なく引き締まった体に、すらりとした茶のポニーテール。
顔だちも整っており、一見すれば美少女と呼んで差し支えない容姿であった。
……その表情が憎悪というドス黒いマグマで煮えたぎらせていなければ。
「突然帝都から拉致してきて、命懸けの鬼ごっこをしろ、だなんて……
お前たちは紛れもなく、悪だ。それも卑劣で下衆で醜悪な」
少女――セリュー・ユビキタスは激怒していた。
突然の拉致、突然の鬼ごっこをしろ言う命令、その鬼ごっこのルール。
何よりここに来る直前まで一緒にいた、自らの半身であり大切な相棒のコロが没収されているという事実が何より許すことができなかった。
「待っていろ、コロがいなくても必ず居場所を突き止めて殺してやる」
人というよりは鬼の貌で、正義の味方は支給品として与えられた銃を握りしめた。
【???/深夜】
【セリュー・ユビキタス@アカメが斬る!】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:口と腕に仕込んだ内蔵銃
[道具]:八十九式小銃、予備弾倉。
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこを止める。悪は殺す
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
※コロは異能と判断されたのか没収されました。
【人物背景】
帝都警備隊に所属する女性隊員。警備隊の父がいたが、凶賊との戦いで殉職する。
可憐で親切な女性だが、そう言った過去の経験から、狂的とも言える程の正義に傾倒し、悪を裁く事を無上の悦びとしている。
敵対者に対する情は持たず、自身が『悪』であると断定すれば容赦なく処刑する。非常に独り善がりな性格。
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投下終了です
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登場話投下します
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地獄の空を見上げながら、岸辺颯太――魔法少女ラ・ピュセルは困惑していた。
此処はどこだ。見覚えのない地形、異常な空、奇妙なビラを撒く航空機。
つい先日マジカルキャンディー争奪ゲームが始まり、スノーホワイトと一緒に生き残りをかけた人助けの日々を送っていたはずだったのに。
何かあったのか?そう思い、ポケットにあったマジカルフォンでファヴに尋ねても応答はなく。
「何だこれ……鬼ごっこ?」
飛行機がばら撒いたビラの一枚を拾ってみてみれば、どうやら本当にマジカルキャンディー争奪ゲームと別のゲームに巻き込まれたらしい。
ただの鬼ごっこなら問題ないが、突然魔法少女である自分を拉致してきた者の目的を考えればどうにもキナ臭い。
考えた結果、これは彼が愛好している魔法少女アニメでいう劇場版のようなものだと結論付けた。
本編の時系列とは外れた、いわばパラレル的な展開。
しかしこれは現実である、自分がいない間にもゲームは進行し、スノーホワイトは危険な目にあっているかもしれない。
急いで帰らなければ。
「待っていてくれスノーホワイト。君の騎士は、巻き込まれた人を助けたら必ず戻るから」
【不明/不明】
【岸辺颯太@魔法少女育成計画】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:マジカルフォン(私物)
[思考・行動]
基本方針:スノーホワイトの騎士として人々を助け、N市に帰る。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握
【人物背景】
数少ない「変身前が男」の魔法少女で、姫川小雪(魔法少女スノーホワイト)の幼馴染の中学生。
魔法少女同士のマジカルキャンディー争奪戦の中、スノーホワイトの剣となることを誓う。
ルーラの脱落が通達された後の時期から参戦。
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投下終了です
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登場話投下します
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「ウィイイイイイイイイイイス!!どーもー、シャムでーす!!
ま今日は、鬼ごっこ?に巻き込まれたんですけども!
えーっとですねぇ、まぁ集合場所の、えー……沖木島、に来てるんですけども。
只今の時刻は、えーと、よくわかりませんね……。でもですね、はいちょっと、遅れていったんですけどもね。
えー鬼ごっこ開始から、少しした後に、えー……パラシュートで投下されたんですけども。
……ほんでー、かれこれ、まぁ1時間くらい、え〜経ったんですけども」
「……参加者とは、誰一人、出会いませんでした……」
心底残念そうに言葉を区切る。オーバーグラスでも隠しきれない困惑が見てとれた。
この男の名はsyamu_gameと言う。日本一有名な無職であり、某動画サイトで活躍する大物youtuberだ。
彼は親として今回の絶望鬼ごっこに参加させられていた。
しかし、パラシュートという目立つ方法で会場に放り出されたにも関わらず、一時間近くたっても誰とも遭遇しない。
その不自然な現状を整理すべく、彼は動画を撮影していた。
「誰一人会うことはなかったです! 残念ながら……はい」
心底不思議そうな風に彼は言葉を続ける。
「なんだろ? なんで出会わなかったんでしょうかねぇ?
もう一時間くらい探そうと思ったんですけども。
今日はね、えー……まぁ、みんなと鬼ごっこ攻略するつもりだったし。
あ、武器も、みんなと協力して分け合うつもりだったんで。
私の支給品はオーバーグラスとカメラでございます。支給品はオーバーグラスとカメラ2つッ!!
なのでもう、もう一時間待とうと思ったけど、流石にちょっと丸腰なんで。
今回の鬼ごっこは……残念ながら! こういう、悲しい結果で……終わりですね」
彼の支給品はトレードマークのオーバーグラスとビデオカメラ(とその充電器)だけで、身を守る武器が無い。
これでは自分の身は自分で守れない。ゆえに、あまり長時間一ヶ所に待機して、もしも鬼に出会ったら危険だと考えた。
そのため投下されてからはこまめに移動をしているのだが、彼の運命がそうさせるのか、何故だか一向に人に出会わない。
しかたないので証拠を残すためにも動画を撮影している、という訳だ。
「いったい何がダメだったんでしょうかねぇ〜。
何故居なかったんでしょうかねぇ、不思議ですねぇ〜……」
もしかしたらあまり参加者の数が多くないのかな、それとも自分の場所がわかりづらかったかもしれないな、などとオフ会0人の言い訳のように結論づける。
「もしかすると、もしかしたら人が来てるかもしれないので、えーもう一度、周りを見てこようかなぁと思います。というわけで、次の動画でお会いしましょう! まったの〜」
軽快な挨拶とともに録画ボタンをきる。何も考えていないのか、それともあえて考えないようにしているのか、オーバーグラスによりその表情は窺えない。
とにかく彼は再び歩みだした。
【不明/不明】
【Syamu-Gamu@YouTube】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:オーバーグラス、ビデオカメラ、充電器
[道具]:デイバック
[思考・行動]
基本方針:他の参加者さんと合流する
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握
【人物背景】
大物YouTube r。あくまでYouTube出展なので某動画サイトで確認されている特殊能力は一切使えない。ただの無職。
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投下終了です
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登場話投下します
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ここは何処だろう?
銀髪にコートを纏ったアサシン、ジャック・ザ・リッパーは可愛らしく小首をかしげた。
聖杯戦争…ではなさそうだ、他のサーヴァントの気配がない。
では何故私たちがこんな場所にいるのか、とまた疑問がわいてくる。
うんうん子供らしい所作で考えていると、頭の上に一枚の紙が落ちてきた。
禍々しいイラストで、鬼役が子供を追いかけている。
ぽん、と手を打った。そうか、私たちは他の『子』を解体するために召喚されたのだ。
ならば、頑張らなければいけない。
「まずは、美味しい魂がいないか探さなきゃ」
……殺人鬼である彼女は思いにもよらない。自分が『子』で呼ばれているなど。
【不明/不明】
【ジャック・ザ・リッパー@Fateシリーズ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:全員ぶっ殺す。
1:美味しい魂の持ち主がいたら食べる。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握
※霊体化及び神秘の纏っていない攻撃の無効化は制限されています
【人物背景】
19世紀のイギリスで発生した連続猟奇殺人事件の犯人。一人称も「わたしたち」。
性格は純粋にして残酷。あどけない口調ながら頭の回転は速いが、精神的に破綻している。
他者の悪意に対しては残酷に応じるが、好意には脆く、また母親に対する強烈な憧れを持っている。
その正体は、堕胎され生まれることすら拒まれた数万もの胎児達の怨念が集合して生まれた怨霊。
怨霊は魔術師により呆気なく消滅されたが、その後も残り続けた噂や伝承により反英雄と化した。
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投下終了です
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安藤兄、オルガマリー所長予約します
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ジャック・ザ・リッパー、若狭悠里を予約します
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投下します
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木の幹をに狙いを定めて、試しに一発撃ってみる。
映画で聞いた銃声とはまた違った音を立てて弾丸は発射され、狙いの丁度中央を貫いた。
反動は、まるで感じなかった。
「凄い…最初はおもちゃかと思ってたのに」
緑色のスーツに、戦車をイメージさせる装甲の下で『りーさん』こと、若狭悠里は感嘆の声を上げた。
『るーちゃん』を探して二十分ほど歩き回ったが、当然の如く姿は見えず。
精神が限界を迎えようとしたところで、デイパックに何か人を探すのに役立つものはないかと思い立ったのだ。
入っていたものがチョコレートと役に立つとは思えないカードケースだったときは落胆し、ヤケになって投げ捨てようとしたが、
その瞬間カードケースから情報が流れ込んできたのだ、これは玩具ではないと。
流れ込んできた情報の通り水たまりにケースを掲げ、『変身』と叫ぶと一瞬にしてこのスーツを身にまとっていた。
「この力さえあれば……」
この力さえあれば、例え『かれら』が何人束になってかかって来ても負ける気がしない。
この力さえあれば、彼らに怯える必要はなくなる。
るーちゃんと一緒に、平和に過ごす事ができる。
理想ともいえるその時を想像して、悠里は顔をほころばせた。
その直後の事だった。
「あ、あら……?」
気が付けば、周囲の霧が濃くなっている気がする。
先程まで霧が出ていたとは言え周りの状況は分かる程だった。
今は、数メートル先の景色すら見えない。
何かがおかしい。そう思い、取り敢えず霧から出ようとした時だった。
「えっ―――!」
霧の中から、一条の閃光が走った。
それは悠里の喉に向かって真っすぐに突き進む軌道で飛んできており、彼女は咄嗟に身を伏せる。
「がっ……!」
しかし完璧に避けきることは叶わず、飛来物―――ナイフが緑のスーツと悠里の薄皮一枚を切り裂き、背後の木に突き刺さった。
鋭い痛みが走るが、気にしている余裕はない。狙いは正確かつ、無慈悲。
もし、変身していなければ、今頃後ろの木に縫い付けられていただろう。
自分は、狙撃されたのだ。
何故、とかどうして、の感情には一旦蓋をして事に当たらなければならない。
でなければ、待っているのは死のみ。
-
「くっ…何処に…やめて!」
ここで殺される訳にはいかない。
悠里は牽制のためその手のマグナバイザーを乱射する。
しかし、手ごたえはない。
銃撃は全て霧の向こう側へ吸い込まれ、動く気配にはかすりもしていないのだ。
「ざーんねん。外れちゃった。
ねぇねぇ、鎧で見えないけど貴方は女の子?男の子?」
蕩けるように愛らしい子供の声が響く。
しかし、その声は悠里にとってはこれ以上なく不気味に思えた。
状況的に狙撃した下手人は間違いなく声の主だろう。
声の無邪気さそのままに自分を殺そうとしたのだ。
また飛んでくるナイフを必死に躱す。
(私は……るーちゃんを見つけるまでは、死ねない!)
執念とも呼べる感情を抵抗の糧として、悠里はマグナバイザーを撃ち続ける。
マシンガンを超える乱射だが、霧に吸収されているのかあまり音は響かない。
その猛攻が功を奏したのか、ナイフの投擲が一旦止む。
相手も機関銃のフルオートに匹敵するスピードで弾丸を撃っているはずなのに、ちっとも弾切れしない銃の存在を警戒し始めたのかもしれない。
(……!あの霧の薄いところに)
何とか態勢を立て直し、逃げる準備はできた。
そのまま半身になってマグナバイザーを撃ちつつ悠里は後退する。
霧の外にさえ出てしまえばより精度の高い飛び道具を有しているこちらの方が有利だ。
その計算を胸に、霧が薄くなっているポイントを駆け抜けようとした時だった。
「うん――――そっちに行くと思ってたよ」
上手くいったと言わんばかりに喜色を含んだ声が霧の中から発され、その直後悠里の視界が回転する。
マグナバイザーを持っていたため受け身を取ることもできず、したたかに地面とキスをすることとなった。
足元を見れば、ナイフが落ちている。霧の中から此方が転ぶように狙ったのだろう。
呆然と飛んできた方向を見ると、子供ほどの背丈の人影があった。
「凄いね、その鎧!もしかして貴方サーヴァント?
…私たちとってもお腹が空いてるの。だから、食べさせてね」
そう言って人影は此方へ向かって突っ込んでくる。
「あ、あああああ!!!」
悠里は悲鳴を上げて、ほとんど恐慌状態でマグナバイザーを撃つ。しかしまるで当たらない。
銃の扱いが素人ということを差し引いても、余りにも相手が早すぎるのだ。
撃てども撃てども弾丸は影法師を撃つばかり、彼我の距離が三メートルを切った所で悠里は死を覚悟した。
(あぁ……ごめんね、るーちゃん。ごめんね…みんな)
今まで忘れていた妹と支え合ってきた学園生活部のメンバーの顔がよぎり、涙で視界がぼやける。
そして、遂に最後の弾丸を突破して処刑人が悠里の眼前へと降り立った。
「じゃあ―――さよならね?」
-
情け容赦ない鋼の光芒が振り下ろされ―――灼熱!
「がああああっ!」
仰向けで倒れていた悠里と、立っていた影の間を縫うように砲撃が着弾した。
直撃を受けた小さな影はバスケットボールの様に二度、三度バウンドして吹っ飛んでいく。
悠里が驚愕を張りつかせて砲撃の方角を見ると、そこには巨大なウシ型のロボットが咆哮を上げていた。
緑の巨人の正体は悠里が支給品として引き当てた『仮面ライダーゾルダ』のカードデッキ。
その契約モンスターであるマグナギガだった。
餌の供給源である契約主の危機を察知し、悠里がゾルダに変身するために使った水たまりから出てきたのだ。
そして、主を手にかけようとした暗殺者に不意の一撃を食らわせたのである。
そのままゆっくりと体を動かし、マグナギガは追撃を放つ。
人影は砲撃の猛攻を受け、さっきまでの人外の素早さは既になく、初めて悠里はその顔を見た。
そして、固まる。
だって、恐ろしかったはずの処刑人の顔に、髪の色に、小さな体に、■の面影が―――
「駄目ぇッ!」
気が付けば、砲撃からその子を庇う様に体が前へと出ていた。
■
「……どうして?」
十九世紀のロンドンを恐怖のどん底に突き落とした殺人鬼、ジャック・ザ・リッパーは驚きに満ちた顔で自分を抱きしめている者に問いを投げた。
だって、自分と緑の騎士は、さっきまで襲い襲われた関係で、そこに友好を築く時間などなく、
どちらかが死なない限り終わらない殺し合いを踊っていたのに。
それが何故、相手は自分を抱きしめている。
「……私が、お姉ちゃんだから」
「おねえ…ちゃん?」
緑の騎士は腰のベルトからケースを引き抜き、それと共に騎士の中身が露わとなる。
同時に、抱きしめていた体に装甲のゴツゴツとした硬さが消え、柔らかな感触がジャックを包んだ。
「ごめんね、今までずっと忘れてて。ごめんね、守ってあげられなくて。
これからはずっと一緒だから、私がこの力で貴方を守るから……」
「守……る?」
ジャックは呆然と、抱きしめる女性の顔を見た。
その顔は涙に塗れていたが、惜しみない慈愛の感情に溢れていた。
そして、その体からはおびただしい数の死の匂いがした。
―――ジャック・ザ・リッパーと言う英霊は孤児の怨念が群れを成し、切り裂き魔の逸話と融合することで生まれた英霊だ。
生の祝福を与えられなかった子供たち。時代に見捨てられし者達。
そんな彼ら/彼女らだからこそ、パンデミックの日から若狭悠里に染み付いた濃密な死の香りは子守歌の様に心地よかった。
そして、彼ら/彼女らは子供故に敵意や害意には敏感だが、見返りの求めない好意には脆い。
「おねえちゃん、ふしぎ」
お母さんじゃないのに、温かい。
気づけば、ジャックは目を細めて悠里の背に小さな腕を回し、抱きしめていた。
-
■
「美味しい、るーちゃん?」
「うん!とっても!」
チョコで口の周りをべたべたにしながら、ニコニコ笑顔でジャックは悠里に笑いかけた。
その雰囲気は先程命の奪り合いをしていたとは思えないほど、穏やかなものだった。
チョコレートが支給されていてよかったと、心の底から今は思う。
柔らかな手で、幻想の妹を撫でる。
心の底では彼女自身不思議だった。
目の前女の子の外見はるーちゃんにまるで似ていないのに、ゆきちゃん以上にるーちゃんと重なるからだ。
でも、そんなことはどうでもいい。
隣にるーちゃんが居てくれて、甘えてくれる。これだけで報われた気がした。
後はこのゾルダのデッキを持って、学園生活部のみんなの元へるーちゃんと一緒に帰ることができれば言うことはない。
「るーちゃん、おねえちゃんじゃなくて、りーねえって呼んでくれる」
「わかった。いいよ、りーねえ」
るーちゃんと呼ばれてもジャックは別段気にすることはなかった。
元々、ジャック・ザ・リッパーという名前すら、英霊になる際に獲得したもので、
水子である彼ら彼女らに与えられたものではないのだ。
だから、今更るーちゃんと呼ばれてもさほど気にならなかった。
「じゃあ、行きましょうか。頑張って二人一緒に帰りましょう?」
「うん、一緒にね」
この子を守るためならば、何でもできる気がした。
その為に、きっと神様はこのゾルダのデッキを与えてくれたのだ。
悠里はその手の中のゾルダのカードデッキをもう一度見て、薄く微笑んだ。
……彼女は知らない。いや気づいているかもしれないが目を背けている。
この鬼ごっこのルール上、『親』と『子』は揃って生還できないことに。
そして、襲ってきた時のジャックは生粋の殺人鬼であった事に。
その歪みの結果が、彼女に与えられた力が何を生むのかは、まだわからない。
【若狭悠里@がっこうぐらし!】
[役]:親
[状態]:健康、精神錯乱気味、
[装備]:ゾルダのカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:チョコレート×10
[思考・行動]
1:るーちゃん(ジャック)を守り抜く。
※その他
・自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握しました。
・精神が錯乱してジャックをるーちゃんだと思っています。
【ジャック・ザ・リッパー@Fateシリーズ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:全員解体する。
1:美味しい魂の持ち主がいたら食べる。
2:りーねえについていく。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握
※霊体化及び神秘の纏っていない攻撃の無効化は制限されています
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投下終了です
二人の位置と時間は
【D-05/00:20】です
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皆さん投下乙です。
真面目に『鬼』やってるヤンと真面目に『親』やってる夜叉猿Jr.と真面目に『子』やってない雲雀が衝突したり、魔術師とかハリウッド変態仮面とか改造人間とかのレギュレーション違反グレーゾーンがエントリーしたり、浅倉がまた少女と行動を共にし始めたりしたり、ゾンビものからを代表するかのようにリーさんが来たり、橘さんが「やはりそういうことか」と言わんばかりにルールを理解していたり、魔法少女(男)や殺人鬼(子供)が出てきたりと一週間と経たない間に色々ありましたね。
更にこれ書いてる間にりーさんとジャック・ザ・リッパーが本編登場したりと私が置いて行かれそうなほど投下が早いですが、「ほならね、自分で書いてみろって話でしょ?」と言われないためにも私もクローンヤクザを除いて投下します。
なお浅倉は本人が異能を持つわけではないのでレギュレーションをクリアしているものとします(このあたりはオルフェノクの記号が消えた草加雅人と同様です)。
-
最大限控えめに見ても3m、たとえ椅子に手をかけぶら下がり距離を縮めたとしてもまだ2mはありそうだ。
「普段ならなんともないんだがな、ったく……」
今もなお続く頭痛を気にしながら、木の枝に宙吊りになったパラシュートにぶら下がっている川田章吾は頭を掻くと、無いとわかっていてもタバコの一本でも転がっていないかとポケットを弄る。もちろんないが、一定の速度で触り布地の感触に集中すると、深く息を吸い、深く息を吐き、落ち着く。口ざみしいが一度頭をクールダウンだ。いつまでもこうしてはいられないが。
川田が意識を取り戻してから体感時間で数分、彼は安全に降りる状況を考えていた。自分の意識が飛んでいたということは既にプログラムが始まって何分経つのかわからないということだ。数分かもしれないし十分ほどかもしれないし、もしかしたら数時間単位かもしれない。となると基本的にゲームに乗る人間は時間と共に増えるため戦闘が起きる危険性も増しているということである。加えて放送を聞き逃している可能性もある。首輪は無いようだが禁止エリアがある可能性がないというわけではない。空中から毒ガスなりを散布すれば、あぶり出すということ自体はできる。他にも情報面でのディスアドバンテージもあるかもしれない。なによりこの『かもしれない』が続くこと自体が大きなリスク。一刻も早くこの宙吊り状態から脱することが重要だ。
だが同時に、彼は安易に脱け出すことの危険性もわかっていた。自分が頭部に負った外傷はどの程度のものか痛みと触診だけが頼りでほとんどわからない。その容態の自分が果たして飛び降りて耐えられるのかというと彼には自身が無かった。幸い下は土のようだが、だとしても自分が意識をまた失う可能性はある。そうなれば小学生だって自分を殺せるだろう。それに意識だけならまだいい方で、ちょっとした力みで血管に負荷が掛かりそのままオダブツなんてこともあり得る。マヌケな死に方だが、流血していないとはいえ骨や膜の内で内出血している恐れもあるのだ、十二分にありえる事態だ。
(どのみちここじゃ手当てもできないんだ。何迷ってる。)
「やるしかないだろ。」
だが川田は弱くも確かにピシャリと頬を叩くと迷いを捨てた。時間は待ってくれない、多少の危ない橋を渡ることになってもやるべきことはやらなくてはならない。
川田はまず取り出していたデイパックを投げ落とした。中身は確認したが、プログラムでなら入っているはずの筆記具や飲食物といったいつもの支給品は無く、あったのは拳銃とハリセンの二つのみ。そのうち拳銃だけを学ランに隠した。これであのデイパックを失くしてもさほど痛くはない。
次に川田自身が、椅子からぶら下がる。懸垂の要領で地面までの距離を稼ぐが、やはりまだ距離はある。しかも目算より離れている。3mはあるだろう。が、やるしかない。覚悟を川田は決めた。
ズドッ!
「っ……!」
なんとか受け身を取り地面を無様に転がる。肺の中の空気が口から吹っ飛び声ならぬ声を上げるが、しかし、無傷。体に走った衝撃は痛みとダメージに変換されるが、この程度なら想定内。死にはしない。
問題は頭だが……こちらはわかりようがないので大丈夫ということにしておく。立とうとしてみる。少しふらついた。でも立てる。歩ける。ならやれると自分を叱咤した。
「大丈夫、お兄さん?」
(人かっ!)
この距離まで気づかなかったか!我が身の不覚を恨みつつ咄嗟に銃を取り、相手へと突きつけ――
(――死んだ。)
川田は、己の死を確信した。
意を決して飛び降りたところに声をかけてきた、銀髪の男。誰なのかは知らないし先の声との目の前との違いもわからないしそもそもまだ状況を飲み込めていないが、とにかく、男は川田に銃口を向けていた。いや、それは正確ではない。向けつつあった。それはコンマ数秒後に訪れる未来の光景であり、これから死ぬ川田の脳が先走って見せた走馬灯だ。川田も男に向けて銃口を向けつつある。だが遅い。回避運動を取りつつある男に銃口を合わせるには、十分の一秒足りない。同時に引き金を引けば、死ぬのは川田であり生き残るのは男だ。
(俺は――)
最期に言葉を遺そうとして、頭の痛みに襲われて。
唐突な手首への痛みと共に走馬灯が一足早く終わった。
銃声が一つ木霊した。
-
「ぐあっ……」
「イったいなあぁ……いい加減離してよ?」
「ダメです。」
同時に火を吹いた二つの銃口は揃って地面に向けられ不満たらたらと言わんばかりに硝煙を上げている。そんな銃をそれぞれ持つ男達の手は、一人の少女の手でガッツリと抑えられていた。
川田と銀髪の男、ヘンゼルが「急に銃を向けてきた」ために思いがけず起こした早打ちを止めたのは、ヘンゼルと同行していた因幡月夜だった。
元々、川田を先に『発見』したのは彼女であり、声をかけることを提案したのも彼女であった。E-02で起こったジャック・ザ・リッパーと若狭悠里との戦闘でジャック・ザ・リッパーが発生させた霧から逃れるように、北上した彼女達とは反対に南下した二人は、視覚で平瀬村を、聴覚で川田の引っかかった木の音をそれぞれ捉えた。そしてどういうわけか「面白そう」と言い残してそそくさと先行してしまったヘンゼルを追い、案の定剣呑な展開となっていたので両者の手首を抑えつけたという次第である。出会って5秒も経たずにバトルするような人間達など両方死んでもらっても構わないと言えば構わないが、状況が状況であるためここは穏便に場を収めることとした。
――ちなみにE-02では夜叉猿jr.と竜宮レナが同じように霧に巻かれつつあったが、南側に霧が流れたために霧を挟んで車で移動するグレーテル達や徒歩で南下するヘンゼル達よりも、北のヤンと雲雀の戦闘を強く感じたという事情がある。そしてこの霧によりヘンゼルとグレーテルはニアミスしたのだが、それは本人達の知るところではなかった。
(どういう、ことだ……!)
そして、そんな事情に振り回された男である川田とヘンゼルの手首からミシリ嫌な音が上がる。苦痛に顔を歪ませながら、掴まれている川田は混乱の極みにあった。瞬間移動と言われても信じてしまいそうな意識の外からの踏み込みと、外見からは想像がつかない恐るべき握力、そしてあの場に躊躇なく突っ込んでこれる自信。全てが川田の生きてきた人生で未経験のものだ。これが桐山がやったというのならまだわかる。わかりたくないが、アレならできるだろうとわからされてしまう。だが目の前の少女は小学生とも見えるような容姿で、そんな人間がプログラムにいるのはおかしくて、そもそも銀髪の男のような外人が大東亜共和国にいることもおかしくて――
「そういうプレイ?」
「次は顎にし――あ。」
「あ。死んだ?」
「人聞きの悪いことを言わないでください。脈はあります。」
僅か30秒ほどの間に起こった状況の変化はデータとして脳を蹂躙する。
膨大な何かに頭を内側から破裂させられるような感覚を感じながら、川田はこの地獄で二度目となる失神を経験した。
(これは――大変なことになりました!)
そしてそれを目撃していた女が一人。
大和亜季はもう一つの支給品であるACOGを望遠鏡代わりにして倒れた男の前で子供たちが武器を持って何やら話しているのを見つけた。
あのあとY-12との短い話し合いで自分の機関銃と相手の銃とドスのセットを交換し、ダンボール片手に屋根によじ登った亜季。彼女はダンボールの下で屋根に伏せ、銃声のあった方向を警戒していた。身軽で体が小さい亜季が屋根に上がりその下でY-12が機関銃を手に襲撃に備えるというフォーメーションであったが、この考えが功を奏したのか、木に引っかかっているパラシュートを発見するとその近くの人影にも気づいたのだ。
――もっとも、彼女が見たのは地面に川田が倒れた後からだが。
(あんな子供たちが人を……い、いや!まだ死んだと決まったわけでは……)
銀髪のゴシックな感じの子供が男を撃ち殺した、そうとしか思えない状況に亜季は戦慄した。スコープ越しに見えるのは彼女達が守るべき『子』の役に類するような子供にしか見えないが、しかし目の前の光景がその認知を否定する。困惑と恐怖の中で、銃を持つのとは違う銀髪の和風な感じの子供と視線が合った。スコープ越しなのに確かに。
(え?なんで――)
そして、目があった少女の姿が、消えた。
「Y-12殿ォ!位置を変えますっ!」
弾かれたように立ち上がると片手でぶら下がりくるりとベランダへと降りる。あれは、あれは何かとてもマズイものだ。亜季の本能が告げている。今すぐ逃げなければ死ぬと!
(……また面倒なことが起こった気が……)
「で、この人どうする?」
一方自分が一方的に脅威と認定されたことをなんとなく厄介事として認識した月夜だが、盲目の彼女はもちろん亜季と目を合わせてなどいなかった。ただ単に超聴力で音源を割り出しそこに意識を向けただけである。が、そんなことは亜季にとっては知ったこっちゃない。既に彼女は月夜達二人を恐るべき子どもたちだと認識した。そして月夜はそのことを知らない。そのことがどんな影響を及ぼすのかをこの時知っている人間はいなかった。
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【F-02/01時03分】
【川田章吾@バトルロワイアル】
[役]:親
[状態]:頭に打撲、失神
[装備]:S&W M19@現実
[道具]:デイパック(ハリセン@バトルロワイアル入り)
[思考・行動]
基本方針:状況を把握する。
1:???
【ヘンゼル@BLACK LAGOON】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:拳銃、鉈、金槌
[道具]:釘
[思考・行動]
基本方針:皆殺し
1:因幡月夜と同行する事にしました。機会が来れば、或いはグレーテルと合流したら因幡月夜を殺すつもりです。
※その他…自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
特別支給品の有無は不明。
【因幡月夜@武装少女マキャヴェリズム】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:摸造刀:亜鉛合金製で重量は日本刀と変わらないが強度は脆い。
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:人を探す。
1:倒れた人物(川田)と謎の音源(亜季)に対処する。
2:ヘンゼルを警戒しつつも同行する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※ビラに書かれていた事はヘンゼルに尋ねて把握しました。
※霧はジャック・ザ・リッパーの発生させたものでした。E-02東南部を中心にまだ残っている可能性があります。
【大和亜季@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[役]:親
[状態]:戦慄
[装備]:ACOG@現実
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:帰還する。親や子と合流し、情報を集め協力する。
1:銀髪の子供達(ヘンゼルと月夜)から逃げる。
2:Y-12殿をひとまずは信用する。
3:鬼と遭遇したら…この機関銃を撃っていいものか?
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
M60機関銃@現実、デイパック、飲食物・医療品少しをY-12に渡しました。
【ACOG@現実】
いわゆるスコープ。電源がなくても使えるなど幅広い状況に対応できることから米軍を始め各国の軍隊などに導入が進んでいる。一応M60にも着けれる。
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投下終了です。
それと今後の企画運営についてですが、前述の体制を整えるために使うサイトとして『ハーメルン』、『pixiv』、『魔法のiらんど』、『暁』、『小説カキコ』、『マグネット』のいずれかにしようと思います。
全参加者が確定し次第具体的に詰めていき冬までにはバックアップに取りかかれればと考えています。
また参加者名簿が更新されました。
鬼
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン○Dr.ヘル/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○ギーグ/○三日月・オーガス/○堕姫(妓夫太郎)/○アルシア/○DIO
親
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○キング/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○ウェカピポの妹の夫/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○アリス・カータレット/○河島龍之介/○狛枝凪斗/○マジェント・マジェント/○草加雅人/○浅倉威/○若狭悠里/○川田章吾/○???
子
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○桐山和雄/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○ターニャ・デグレチャフ/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○名波翠/○ニケ
スマートフォン
○綾波レイ/○関織子/○豊穣礼佑/○プルツー/○たえちゃん/○源元気(げんげん)/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、犬山まな、桜井リク、間田敏和、織田敏憲、因幡月夜、ヘンゼル、ジャック・ザ・リッパー
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あれルールって親と鬼には説明されてるって認識だと思ってたけど違うんですか?
>>610の橘さんの下り見ると氏の想定だとルールは本来知られていないって風にも取れるんですが
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聞き逃した団長とかを除いて基本的にはだいたいみんな把握してますよ。
橘さんはそこから更に一歩踏み込んでルールの不明瞭な部分にまで気づいていたのでこのような書き方となりました。
あと『親』と『子』がそれぞれ残り一枠だったことに気づいたんで今度はOP書きます。
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こう考えると団長クッソ無能やんけ
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セリュー、ラピュセル、浅倉、アリスを予約して投下します
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「あ、あの…浅倉?さん」
「……何だ」
どうやらデイパックにあった記載の通り、目の前の男は浅倉という名前らしい。
そう思いながらアリス・カータレットはか細い声を上げた。
「何をしてるんですか?」
「鏡だ」
一瞥もせず答え、浅倉はゴムひもを握って作業を続けた。
掌に収まるサイズのコンパクトな鏡を利き手とは逆のほうに括り付け、固定しようとする。
しかし、片手ではうまくいかない。結果、イライラが募る。
アリスは浅倉が何をしたいか分からなかったが、とりあえず鏡をすぐに見れるようにしたいらしいというのは察することができた。
「……ちょっと待っててください」
焼きそばを食べるために座っていた椅子から降り、寝室に向かう。
イラついてる浅倉が何か言わないか不安だったが、意外にも彼は何も言わなかった。
枕元にそのまま置いてある救急箱を持ってまたキッチンへ。
その時に頭部の怪我の影響か、足がふらつき危うく転びそうになった。
「…何だこれは」
「怪我した所を固定するためのネット型包帯です。
こうして腕を通して、リストバンドみたいに」
鏡とヘビ柄のジャケットの袖を掴んで、ネットに通す。
一つだけだとすっぽ抜けるかもしれないので、重ねて巻いて固定する。
試しに二、三度腕を激しく降ってみても落ちる気配は無かった。
「どうですか?」
嘘をついた後ろめたさからの行動だったが、軽率だっただろうかと今更に思う。
しかしそんなに鏡が見たいとは、もしかしたら目の前の男は存外お洒落さんなのかもしれない。
そんなアリスの考えを知る由もなく、浅倉はネットに鏡が被らないように無言で調節する。
鏡がちょうどいい位置に来ると、心なしか満足げな顔を浮かべた。
その後デイパックからカードケースを取り出し、据え付けられた鏡の前に掲げる。
鏡写しの世界よりベルトが現れ彼の腰へと収まったのは、その直後の事だった。
「えっ!?」
突然現れたベルトに背後でアリスが驚愕の声を張るが、気に留めず叫ぶ。
「変身!」
部屋に短く、しかし力強い声が響いた。
素早くデッキが現れたベルトに差し込まれ、男の姿が変わっていく。
――そして、人の姿をした怪物(モンスター)、仮面ライダー王蛇が現れた。
-
「あ、あぁ……」
それを見たアリスは、まさに蛇に睨まれた蛙だった。
嘘がバレ、怒った浅倉が何かアニメの様に変身して自分を殺そうとしているのではないか、
王蛇を見てそんな妄想が駆け巡り、再び精神が恐慌状態に陥りそうになる。
しかし浅倉はそんなアリスを見ても何も感情を抱かず、仮面の下から冷厳に命じた。
「戻ってくるまでここにいろ」
「えっ、えと、ど、何処へ…いやっ、はい!分かりました……」
ガタガタと震えて慌てて返事をするアリス。
あえて少女を置いていくのはこの様子とケガならば、命令は守るだろうと浅倉は判断したからだ。
もし破って外に出たならば、その時はその時で両足をへし折ってやるつもりである。
今やってもいいがまだ祭りは始まったばかり、歩けないお荷物を連れていたらフットワークが悪くなってしまう。
転がしておくにしてもあの城戸真司のようなイライラするお人よしがいれば、
此方が戦っている間に勝手に捕まえたキープを持って行ってしまうかもしれない。
それを想像するだけでさらにイライラした。
「……お前はあいつの見張りをやれ。こっちが呼んだら来い。あと勝手に食うなよ」
念のため鏡の中のエビルダイバーにアリスの見張りと護衛を命じる。
自分は取り敢えず、このあたりにいる獲物を襲って回る腹積もりだ。
そう決めて窓を開けると浅倉は今は装甲に覆われた鏡のある左腕を一瞬見て、気まぐれに振り返った。
「これは、中々悪くない」
それだけ言うと、彼はアリスの反応も聞かずに飛び出していく。
台風の様に外へ消えていった浅倉の後ろ姿をアリスは呆然と見送る事しかできなかった。
逃げようか、と考えるが信じられないスピードで遠ざかっていく浅倉を見て、ケガをしている自分では確実に逃げ切れない事を悟る。
それに、出ていくとき彼が言ったのはお礼だったとアリスは思っている。
自分をここへ運んでくれたみたいだし、もしかしたら怖い人ではあるけれど、悪い人ではないのかもしれない。
出て行ったのも、外のみんなを守るためかもしれない。
善良な人々に囲まれて成長してきた彼女は、そう思ってしまったのだ。
その結果、彼を待とうという結論を出してしまった。
……周囲の人間から必要とされ、また自分も周囲を必要として生きてきた善良なアリスには想像もつかない。
浅倉威という男は誰もからも必要とされず、また彼も誰も必要としていないことを。
アリスに向けた行動の全てが、情の通わない気まぐれと打算でしかないことを。
【E-07/01時25分】
【アリス・カータレット@きんいろモザイク】
[役]:親
[状態]:顔に打撲傷。額から出血(止血済み)。恐怖。
[装備]:
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:元の世界に戻って、みんなで修学旅行へ行く
1:浅倉さんを待つ。
2:浅倉さんについたウソがバレないようにする。
※その他
※アルシアの顔を把握しました
※桐山の顔を把握しました
※アルシアと桐山を鬼役だと思っています
※エビルダイバーが彼女を見張っています。
※原作での修学旅行エピソード前からの参戦です。
-
黒光りするライフルを抱えて沖木島を爆走する影が一つ。
「何処へ隠れようと絶対に悪は殲滅してやる…!」
影の主――セリュー・ユビキタスは歪み切った醜悪な笑みを浮かべて、疾走を続けていた。
相棒である帝具のコロがいないのは痛手ではあったが、正義に燃える精神力だけは彼女にとっていつも傍にある無限の武器である。
悪はサーチ・アンド・デストロイ。
常人から見れば、彼女もまた鬼と変わらない、停止不能の怪物のように映っただろう。
そして、そんな彼女だからこそ、運命はもう一人の怪物を引き寄せたのかもしれない。
―――SWORD VENT―――
民を見つけ守るために、悪を見つけ滅するために周囲を警戒していた彼女の聴覚を奇妙な音を捉える。
その音に不吉なものを感じ、一旦停止して辺りを睥睨。
その直後の事だった。
「ハハハハハァァッ!」
蛇のような紫と銀の装甲を身にまとい、黄金のサーベルを備えた何者か……声から推察すると男か、が襲い掛かって来たのだ。
セリューは笑いながら襲いかかってきたという事実を元に、蛇男を悪と断定する。
振り下ろされるサーベルを身をひねって躱し、安全装置を外したライフルのトリガーを一片の容赦なく引いた。
しかし――、
「フッ、いいぜ……いい反応してるな。お前」
(チッ、この鎧、帝具クラスの装備か!)
ライフルの弾丸も、超常の存在である仮面ライダーにとって脅威ではあるが、決定打にはなりえない。
撃った弾はベノサーベルに防がれ一発として王蛇を貫けず、金属音を立てて地面へと落ちた。
コロがいれば、そう考えながらセリューは参加者間の格差に歯がみして後退する。
そんな彼女の焦りに付け込む様に、浅倉は嘲りの声を投げた。
「どうした、戦えよ」
「黙れ悪め…お前は、『鬼』だな」
「いや…俺は親だぜ。デイパックを持ってるってことは、お前も親だろ。
弱い親は食われる。それがルールだ!」
一度交錯しただけで分かる、セリューから向けられる心地よい殺意は、浅倉の精神を昂らせ、飢餓感を満たす。
それが、更なる闘争心をもたらす呼び水となるのだ。
セリューが放つ銃弾の雨を避けつつ、素早くデッキからカードを抜いて装填する。
―――ADVENT―――
再び響く電子音、それに伴い現れたモノにセリューは戦慄した。
(鎧型の帝具かと思ったら…コロみたいな生物型まで!?)
現れたのは白銀の装甲を備えたサイ型のミラーモンスター、メタルゲラス。
食っていいぞと浅倉に命じられ、空腹を満たそうとセリューに猛スピードで襲い掛かる。
しかし、セリューも帝都が誇る達人・オーガの元で修業した身だ、簡単に遅れは取らない。
メタルゲラスのパワーに任せたパンチをスウェーで躱して、僅かにできた半秒の隙に食い込む。
「オラアアアアアッ!!!」
裂帛の気合で放った正拳に確かな手ごたえを感じ、メタルゲラスがたたらを踏む。
そのまま攻め手を緩めず再びメタルゲラスの懐へと前進。
そしてもう一撃、速度に体重を乗せ、腕を振るう。
その拳は届いていただろう―――脇からやってきた王蛇の妨害さえなければ。
-
「ぐっ……!」
顔に苦みを浮かべて後退しようとするが、王蛇に掴まれた腕はビクともしない。
そして腕を掴まれているため、目の前でベノサーベルが構えられても動きようがない。
次の瞬間、鋭く大きい衝撃がセリューの鳩尾を叩き、思考が痛みでスパークする。
ゴロゴロと吹き飛ばされ、数メートル転がってようやく止まった。
此処にいたり、目の前の『悪』は強敵であることを悟る。
ましてや今はそのコロさえいない、撤退の二文字が脳裏をよぎった。
(悪に背を向けるわけにはいかない)
屈辱に顔を歪ませて、それでも頭は冷静に接近してくる蛇男を迎え撃つ。
「クハハハハァッ!」
狂笑の声を上げて此方へ駆ける蛇男とサイの怪物。
セリューは負けじと鬼女の表情でそれを見つめ、口腔の銃へ弾丸を装填し放とうとする。
今まさに血を血で洗う激突がなされようとした時―――新たな闖入者が現れた。
「待てぇええええええ!!」
声と共にメタルゲラスが音を立てて吹っ飛んでいく。
浅倉はそれを見送ってから、乱入してきた者へと向きなおった。
現れたのは、竜のミラーモンスターと痴女を足して二で割ったような格好の女。
女は今しがた戦っていた女を庇うように前へ出て、名乗りを上げた。
「我が名はラピュセル!蛇の戦士よ、それ以上女性に狼藉を働くなら、私が相手になろう!」
「あぁ〜…?」
漫画やゲームの様な名乗りを受け、怪訝そうな顔を仮面の下で浮かべる浅倉。
デイパックも持っておらず、今しがた襲っていた女程の年齢にも見えない。
こいつは『子』だろうか?と一瞬考える。
まぁいい、子であっても邪魔をするならこいつも獲物だ、次の瞬間にそう結論付けていたが。
「あなたは……?」
「心配しないで、貴方の味方です」
騎士のロールプレイにこれまでになく没入しながら魔法少女ラ・ピュセル――岸辺颯太は答えた。
目の前には見るからに悪そうな、鎧を着た何者か、背後には守るべき女性。
まさに自分が魔法少女アニメであこがれ続けてきたシチュエーションだ。
「そうですか!貴方も正義のために戦うんですね!なら私と一緒に悪を殲滅しましょう!」
……帰ってきた答えは感謝ではなく、かなり物騒なものだった。
喉まで出かかった「思ってたのと違う!」という叫びをこらえて、剣を引き抜きぬく。
対する蛇男はもう自分に対して獲物が増えたくらいにしか思っていないようで。
「フッ、二人纏めてか、いいぜ……」
そう呟くとまたベルトから新たなカードを取り出す。
―――ADVENT―――
電子音が響き、六メートルはある巨大な蛇、ベノスネーカーがミラーワールドより現れ二人の前に立ちはだかる。
後方を見れば、メタルゲラスも怒りに満ちた表情で復帰しているのが見えた。
ラ・ピュセルもセリューも二体の怪物を従える蛇男に息をのんだが、退く事はしない。
戦端が再び開かれたのは、その二秒後の事だった。
-
【E-08/01:30】
【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
[役]:親
[状態]:健康、イライラ(大)
[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:手鏡
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。今は目の前の奴らを殺す。
1:アリスの他にもう一匹子を見つけてキープする。
2:北岡が居たら殺す。
※その他
※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
※アリスを『子』だと思っています。
【セリュー・ユビキタス@アカメが斬る!】
[役]:親
[状態]:ダメージ(小)
[装備]:口と腕に仕込んだ内蔵銃
[道具]:八十九式小銃、予備弾倉。
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこを止める。悪は殺す
1:正義の女騎士さんと協力して悪(蛇男)を殺す。
※その他
※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
※コロは異能と判断されたのか没収されました。
※十王の裁きは五道転輪炉(自爆用爆弾)以外没収されています。
※他の武装を使用するにはコロ(ヘカトンケイル)@アカメが斬る!との連携が必要です。
【ラ・ピュセル(岸辺颯太)@魔法少女育成計画】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:マジカルフォン(私物)
[思考・行動]
基本方針:スノーホワイトの騎士として人々を助け、N市に帰る。
1:目の前の怪人に対処
2:出会った女性を守る?
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握
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投下終了です
企画まとめについてですがハーメルンとpixivしか使用したことがないので別所については分かりませんがハーメルンの方がよいかと思われます
pixivは使用した雑感としては余りこういった連載企画向きではない印象でした
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ん、これで枠が全部埋まったか(予約はあるけど)
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摂津のきり丸他で投下します。
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きり丸は、少女に声をかけそびれた。
奇妙な町の中にいたはずが、霧に包まれたと思った瞬間、山の中にいたのだ。少女も消えていた。足跡もない。
あやかしに化かされたとしか思えなかった。地獄だからそういうこともあるのだろう。
あたりを見回すと、『焼場』と書かれた看板が見つかった。
焼場。火葬場のことだ。死体がそこらじゅうにあった室町末期、庶民は基本的に土葬である。野晒しにすると疫病が流行る。
火葬されるのは公家や高僧、上級武家など身分の高い人に限られていた。生活必需品たる薪を大量に使い、勿体無いからだ。
ということは、近くにそこそこ大きな寺があるのだろうか?
「……いや、地獄に焼場ってのも変だな。全体的に亡者焼く場所だし。それに地獄に寺って、お地蔵様はいるだろうけど……」
取り留めも無い考えに耽るきり丸の耳に―――――金属音が届いた。
◆
島の南端部、氷川村の『沖木島診療所』。
民家を出た賈クと翼は、周囲に注意を払いつつ、医薬品の宝庫であろうこの場所に潜入していた。
翼の背にはマニッシュ・ボーイ。どうも賈クには懐かず、この赤子を拾った本人が背負うことになった。
「むう……何を持ち出したものか、これは迷う」
「薬品棚の中とか漁るか……鍵はガラス壊せばいいとして……警報装置は……電気来てないか。
まあいいや、俺が見繕うから、ちょっとここで待っててくれ。見張り頼む」
「うむ」
古代中国から来た賈クにとっては、見たこともないものばかりだ。文明度が全然違う。
しかし、あまり戸惑っていると翼に侮られる。ただでさえ耄碌爺か狂人を見る目だ。泰然としていよう。
戦闘となれば俺も剣を振るわなくもないが、逃げるにしかずだ。周囲に罠を仕掛けておくのもよかろう。
窓から外を見張る。透明で巨大な琉璃(ガラス)で窓や扉を作るとは、なんと贅沢な。
いずれ夢の中か幽冥界のような場所、現実とも思えぬが、さりとて死ぬわけにもいかぬ。
「ふー……あの赤子が、鬼でなければよいが……む?」
-
チャリン、と銭の落ちる音。机の上にあった銭を、無意識のうちに払い落としてしまったようだ。
屈んで拾うと、確かに円銭だが、穴が空いておらぬ。銀色だ。西域の銀銭によく似ているが、国主の顔や鬼神の図像はない。
円の中に3つの華。その周囲に小さく文字が……ええい、暗くてよう見えぬ。老眼ではないぞ。裏にも何か紋様が……。
シュ バ バ バ バ バババババ
「おおッ!?」
! 獣の如き影が、突如屋内に飛び込んで来た! 襲って来る! 咄嗟に剣を抜く!
「銭! 銭! 銭! 銭! 銭の! 音ーーーッ!」
◆
「……三国志じじいの次は、忍者少年かよ……勘弁してくれよ……」
翼は顔に縦線を走らせ、額を掌で抑える。ちょっと頭痛がして来た。なんだこのメンバーは。
突然押し入り、剣を抜いた老人を押し倒して百円玉を奪い取った、小学生らしき少年は、なぜか忍者のコスプレをしていた。
自ら名乗るところでは「摂津のきり丸」。本名を聞いたが、怪訝な顔で「本名です」と返すだけだ。
敵意はないようだ。一応、こちらも自己紹介はした。
「ふむ、忍者のう。間者のたぐいなら、俺も使っておったぞ。よく働くなら使ってやろう」
「げへへ、ぜひ雇って下さい! 銭は急げ! 銭ある時は鬼をも使う! 銭さえ下されば犬馬の労を厭いません!」
「いや、ロールプレイに乗らなくていいからさ……」
翼が弱々しくツッコむが、賈クもきり丸も本気で正気だ。きり丸は百円玉一枚を貰って喜んでいる。
「ぐへへ、銭だ銭だ! 見たことない銭だけど、銀じゃないな。錫の多い白銅かなあ」
「うむ、鏡などに使われておるな。しかしなかなか精巧なものよの。もうちょっと落ちておらぬかな」
そう言われて、きり丸は机の下をゴキブリめいて這い回る。翼は訝しむ。
-
「……あんたら、百円玉見たことないのか?」
「……百円? それ、永楽銭でいうといくらですか? 百文?」
「なんじゃ、永楽銭とは。五銖銭なら知っておるが、董卓以後は随分粗雑になってのう……」
三人がきょとんとした顔で、しばし見つめ合う。
……翼の顔が青ざめる。マジか。こいつら、マジで三国時代の武将と、戦国時代の忍者か。
「あ、翼さん。その赤ん坊、俺が世話しましょうか。よくバイトで子守りやってたんですよ。オシメも換えられますよ」
いや、戦国時代の忍者がバイトとか言うかよ。やっぱロールプレイ過多な現代人だろ。
翼は苦笑いし、赤ん坊を彼に預けた。それから賈クと共に、きり丸と情報共有を行い始める。
◆
きり丸に背負われ、赤ん坊『マニッシュ・ボーイ』はホッと安堵する。少し眠くなってきた。
フー、やれやれ……なんだか知らんが、子守り出来るヤツが来たのは良かったぜ。男だが……。
じじいの持ってた情報によれば、鬼ごっこは24時間も続く。ってことは、いずれ仮眠を取るヤツは必ず出て来る。
その時にゆっくりおれの情報を伝えりゃいいんだ。なるべく複数人に同時に伝えた方が、信じてもらいやすいだろう。
特にあのじじいは疑り深いから、早めに伝えておいて誤解を解いたがいいな。ガキどもは後でいい。
【I-07(診療所)/00時45分】
【賈ク@蒼天航路】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:作務衣(民家から拝借)、直剣(私物)
[道具]:デイパック(確認済みの不明支給品2、漢服)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。他人が死のうと、最終的に自分が生き残ればそれでよい。
1:多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。場合によっては鬼や主催者とも交渉する。
2:民家や診療所から使えそうなものを持ち出す。翼やきり丸は有能そうなので活用する。
3:赤子(マニッシュ・ボーイ)に牙があるのを見たため、鬼ではないかと疑っているが確証は持てない。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。
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【椎名翼@ホイッスル!】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:サッカーバッグ(水筒や包帯入り)、サッカーボール
[道具]:式札、財布(小遣い若干)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。主催者を殴れたら殴る。子や親の犠牲はなるべく出したくない。
1:多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。民家や診療所から使えそうなものを持ち出す。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
賈クのことは(日本語も通じるし)ただの変なじじいと思っている。きり丸についても現代人だと認識している。
【マニッシュボーイ@ジョジョの奇妙な冒険】
[役]:子
[状態]:健康、眠気 きり丸に背負われている
[装備]:死神13
[道具]:式札(オムツの中)
[思考・行動]
基本方針:生き残る。普通の赤ん坊のように振る舞い、自分を保護させる。
1:誰かが仮眠をとったら、自分の正体と能力を夢の中で伝える。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を鬼か子(たぶん子)であると推測。
【摂津のきり丸@落第忍者乱太郎/忍たま乱太郎】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:忍者装束、忍具一式、マニッシュ・ボーイ(おぶっている)
[道具]:水晶、百円玉
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。ついでに銭になりそうなものを収集する。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
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投下終了です。
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投下乙です。
これにて全ての参加者がひとまず確定し、いよいよ鬼ごっこは本格始動となります。
それではOPを投下します。
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合わせ鏡というものがある。
二つの鏡を並行に置くと、鏡の中に鏡が無限に現れるというものだ。
私は、前から疑問だった。
鏡の中の鏡に、自分が合わせ鏡の一つだと知る術があるのかということだ。
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「よし、1時一分前ダ、繋ゲ。」
「ああ。」
俺はズボンのポケットの中でカードデッキ、『オーディンのデッキ』をいつでも出せるように掴みながら片手でパソコンのエンターキーを押した。鬼ごっこが始まって約一時間、今からは時間が来しだい『鬼』と一部の『子』に支給されたスマートフォンが使えるようになる。これでこの沖木島にいる主催側の鬼がすべき業務の大部分が終わり、あとは随時の監視と『上役』への報告だけだ。
「始まったか。」
「……」
その『上役』から声をかけられたというのに、ツノウサギは口を開こうとしない。その目が俺を見る。代わりに話せってことか。
「ああ。アンタの言ったとおりカードデッキは配った。浅倉威も『親』として参加している。」
事前の打ち合わせで聞かされていたことを言うと、その『上役』――神崎士郎は温度のない目で俺を見て一度頷いた。
-
俺の名前は荒井。鬼だ。それ以外は何も知らない。記憶がないらしい。頭に霧がかかったような感覚で、ハッキリとしたことは何一つ思い出すことはできない。それで不自由を感じたことがないことが記憶が無いことの証明かもしれないが、失くしたものの大切さは失くしてから気づくというし、本当に記憶があったのかそれが大事なものかは俺に確かめる方法は無い。確かめたいという意志も希薄なのだろう。
俺は気がついたときにはこの『合わせ鏡の沖木島』で仕事をするように言われていた。断る理由もなかった。腹も減っていたし、飯が出るというからだ。周りの連中に人間らしい奴が少なくて、自分が鬼だということに自覚が出たのもこの時だ。なぜか俺は幹部待遇らしかったが、貰えるものは貰っておけと思った。気にかかったことはそのぐらいだ。後は……強いて言うなら、ここが地獄で、その中のミラーワールドとかいうもんの更に中のミラーワールドらしいということが、話がややこしくて印象に残っている。地獄→ミラーワールド→ミラーワールドの中のミラーワールドという入れ子構造らしい。けったいな話だ。そしてそのミラーワールドの管理を担当しているのが神崎士郎という男だった。
神崎は不思議な男だ。こいつは鬼ではないらしい。だが人間でもないらしい。地獄での序列にも加わっていないらしく、だが俺や同僚のツノウサギより格上らしい。御雇外国人というやつか。なんでもミラーワールドを作れるのはこの男だけで、ツノウサギ曰く、『神崎よりもっと上』が神崎にミラーワールドの中のミラーワールドでの『鬼ごっこ』を提案したらしい。全部ツノウサギからの受け売りなので信頼できる情報かはわかったものじゃないがな。
受け売りと言えば、もう二つ。奴に珍しく真剣な口調で言われたことがある。「神崎士郎には気をつけろ」と、「何かあったらコアミラーを壊せ」だ。冗談を言っているようには見えなかったが、前者はともかく後者は正気とは思えない話だ。この沖木島は、地獄のミラーワールドのコアミラーによってのみ出入りができる。これが壊れればこの『内側のミラーワールド』と地獄とを繋ぐ『外側のミラーワールド』が崩壊し、この世界に閉じ込められるハメになる。俺達がここに缶詰になっているのもそれを防ぐため、ショッピングモールとの出入り口の向かいにあるあの扉の先に安置されたコアミラーを保全するためだ。厳密にはライダーに変身することでも『外側のミラーワールド』には出られるが、そこから更に外側の地獄に出ることはできない。出ようとしても合わせ鏡の中の鏡に飛び込むように、またこちら側の、『内側のミラーワールド』の世界に戻ってしまう。つまりここから元の世界に帰るには、内と外の二つのミラーワールドと地獄の合わせて三つから抜け出る必要がある。ミラーワールドどうしは合わせ鏡としてループし続けるため、不正な手段での脱出は極めて困難だろう。しかしいったいなんだってこんなに厳重なんだ?前回の鬼ごっこで脱出されたらしいがそれがそんなに気に食わなかったのか?それにあの霧、いったいあれはなんだ?どこから出てくる?それとリザーバー、特に『鬼』役の人選。明らかに何人か鬼ごっこを破綻させかねない人間の名前が上がっていた。なぜわざわざそんな奴らに声をかけた?
「以後も何かあれば報告する。それと改めて言っておくが、アンタはなるべく『内側のミラーワールド』に顔を出さないようにしてくれ。」
「……」
神崎は俺を一瞥すると開け放していた奥の扉の先にあるコアミラーに滑るように入り、消えた。
俺とツノウサギは目配せすると、扉を閉めるために動く。この扉、銀行の金庫室にあるようなもので、鍵を開けるにも閉めるにも同時に二人で動かす必要がある。四人の主催側の鬼が持つ鍵はいずれも同じだが、このことで万が一鍵が盗まれても参加者が脱出できないようにしているらしい。命がけの場で信頼の置けるタッグを組める奴はそうはいないから、というのが理由らしいが、果たして本当にそうだろうか?
「フゥ��、行ったカ……」
傍らで露骨にホッとしているツノウサギからして、鬼達は神崎を相当警戒しているようだ。だったら鬼ごっこなんて開くな。
「……腹が減ったな。」
まあ、いい。俺にとっては、食い扶持があればそれでいい。俺にデッキが渡されているということは、ここも荒事に巻き込まれる可能性があるということだろうが、ようは殺せば良いのだろう。『鬼』だろうが『親』だろうが『子』だろうが――
■■■■■■■■■■■■■■■■■!
(なんだ、この感覚は?)
手を開く。いつからか、デッキを握り締めていたらしい。手汗が気持ち悪い。そしてその不快感より強く感じる、何かを忘れているという感覚。こんなに強く何かの感情を抱いたのは初めてだ。
「――この鬼ごっこ、どうなると思う。」
俺はツノウサギに聞いてみた。答えは返ってこなかった。
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投下終了です。
今回の鬼ごっこの主催側が神崎士郎になり、会場がミラーワールドの中のミラーワールドに再現された沖木島となりました。
また参加者名簿がほぼ確定しました。
鬼
○ペニーワイズ/○ヤン・バレンタイン/○Dr.ヘル/○ジェイソン・ボーヒーズ/○吉良吉影/○夜神月/○チャッキー/○ギーグ/○三日月・オーガス/○堕姫(妓夫太郎)/○アルシア/○DIO
親
○オルガ・イツカ/○水泳部の田所/○夜叉猿Jr./○買ク/○キング/○ヒデノリ/○稗田礼二郎/○阿部高和/○川尻しのぶ/○ウェカピポの妹の夫/○今泉慎太郎/○クローンヤクザY-12型/○エスター/○大和亜季/○花酒蕨/○アリス・カータレット/○河島龍之介/○狛枝凪斗/○マジェント・マジェント/○草加雅人/○浅倉威/○若狭悠里/○川田章吾/○セリュー・ユビキタス
子
水晶
○川尻早人/○摂津のきり丸/○桜井悠/○宮原葵/○佐山流美/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン/○/○/○
式札
○椎名翼/○雲雀恭弥/○マニッシュボーイ/○金谷章吾/○桐山和雄/○/○/○/○
お守り
○大場大翔/○野原しんのすけ/○円谷光彦/○ターニャ・デグレチャフ/○竜宮レナ/○中沢/○擬宝珠檸檬/○名波翠/○ニケ
スマートフォン
○綾波レイ/○関織子/○豊穣礼佑/○プルツー/○たえちゃん/○源元気(げんげん)/○/○/○
(未定)
グレーテル、かばん、犬山まな、桜井リク、間田敏和、織田敏憲、因幡月夜、ヘンゼル、ジャック・ザ・リッパー、岸辺颯太
またバックアップは予定を前倒しして9月までには『ハーメルン』等四サイトを中心に選定して行いたいと思います。
今後も絶望鬼ごっこパロディをよろしくお願いします。
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投下乙です
まさか主催が神崎士郎だったとは……
これで反転した地図が存在していた伏線が回収されたわけですね(違
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それ面白そうですね、今後ネタに困ったらそれ採用します。
開始から三ヶ月半、皆さんのおかげでついに一周目当龍とOP投下と相成りました。
おそらくOPが投下されるまでに143話も投下があって見せしめでもないのに1人普通に脱落しているというのはこの企画だけだと思います。
今後も企画を盛り上げて行く所存です。
というわけで宮原葵、吉良吉影、阿部高和、夜神月、桜井悠で書きます。
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間田敏和他で書きます。
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投下します。
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沖木島北部、座標D-06、鎌石小中学校。
森に囲まれ、小高い丘の上に立つ三階建ての校舎。正面に校庭。
建物は真っ直ぐ横に伸び、片側に体育館が隣接している。その間に連絡通路。
児童数は少なかろうが、島では有数の大型施設。災害時には避難所ともなるであろう。
そこに侵入する二人の少年あり。彼らは小学生でも中学生でもない。
悲しき男子高校生、『ヒデノリ』と『間田敏和』だ。ここで彼らが出遭うのは―――――
◆
「あるかなァ……アレが……クソッ」
間田は図工室へ入り、クロッキー人形……デッサン人形、モデル人形とも言うが……それを探している。
身長20cmや30cmのフィギュアならよくあるが、「等身大の」となるとなかなかない。値段もそれなりに張る。
全身可動の等身大マネキンが、確か数万円。仗助にブッ壊されたあの人形も、それぐらいしたはずだ。親が押入れにしまってたヤツだったが。
都会の画材屋とか、大きめの高校にならありそうなものだが、離島の小中学校には……見当たらない。やはり、自分で作るしかなさそうだ。
「間田さん、廊下から発煙筒と消火器持って来ました。まだ誰もいないっスね」
「おう、ご苦労さん。いずれ誰か来るだろーし、それまでに籠城の準備を調えとくぜー」
ヒデノリが戻ってきた。人形はないが、物品は豊富にある。立地もよく、逃げ隠れる場所も多い。
鬼がどんなヤツか不明だが、少なくとも人間なら、ここに籠ればそれなりに防げよう。
火をかけるなどして炙り出して来るかも知れないが……その時はその時だ。消火器もあるし。
「なんか見つかりました?」
「彫刻刀とか鋸とかロープとか、武器になりそうなもんはいろいろあるな。これでトラップ仕掛けようぜ。『ホーム・アローン』見た?」
「ああ、なんかありましたね、そういう映画。やりすぎじゃないの?ってぐらい罠張ってたやつ……」
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【D-06(鎌石小中学校内)/00時55分】
【ヒデノリ@男子高校生の日常】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:真田北高制服(ブレザーの冬服、上着なし)、鉈@ひぐらしのなく頃に、うまい棒@支給品、フライパン(民家から拝借)
[道具]:デイパック、医薬品少々、発煙筒、消火器などなど
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:使えそうな道具を探し、罠を張る。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【間田敏和@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:不明支給品(上着のポケットの中にあるが、まだ気づいていない)
[道具]:『サーフィス』(スタンド能力、発動には『等身大クロッキー人形』が必要)
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい。
1:使えそうな道具を探し、罠を張る。
2:『サーフィス』に使えそうな人形を探す。なければ作る。スタンド能力のことはとりあえず秘密。
※その他
各役の勝利条件・制限時間を把握。自分の役を子だと推測。
実は16歳以上なので、レギュレーション違反に気づいた管理者から追手がかかっている。そのうち殺しに来るかも知れない。
※アーチャー・インフェルノ(巴御前)&君原姫乃が校内にいるかどうかはルート次第。
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◆
鎌石小中学校の南東、座標E-07、東崎トンネル付近。の、下水道の底。
恐るべき鬼が、そこに潜んでいた。白塗りの顔、赤い鼻。ピエロの格好をした鬼。これも仮の姿ではあるが。
彼は捕食者だ。だが、つい先程、手痛いダメージを受けて撤退してしまった。あの忌々しい獲物―――『ハヤト』が放った、何らかの武器によって。
不死身の悪魔は、頭部を吹っ飛ばされたところで滅びはしない。外見はすぐに修復出来る。然れども、ダメージは大きい。
餌が必要だ。傷を癒やし、自信を取り戻すには。手頃な獲物を見つけ、幻術で恐怖させ、その肉を貪り食わねば。
彼は配布された地図を見やる。二枚あるが、どちらが正しいかはよくわからない。下水道が繋がっていれば、そこへ行ける。
闇の中で、書かれている文字は東洋の呪術的な象形文字らしいが、難なく理解できた。霊的な視力や認識によって読めるのであろうか。
その文字の一つを見て、彼はニンマリと笑う。学校。すぐ近くだ。子供たちの集まる場所だ。
【E-07(下水道の底)/00時55分】
【ペニーワイズ@IT/イット “それ”が 見えたら、終わり。】
[役]:鬼
[状態]:ダメージ(中)、ペニーワイズの姿で行動中、川尻早人への怒りと恐怖
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:恐怖させ、喰らう
1:喰いやすそうな獲物を狙う。手頃な相手は幻術で追い詰める。
2:鎌石小中学校へ向かう。
※その他
下水道で繋がっている場所なら何処からでも出現できます。
川尻早人の最も恐怖するもの(川尻しのぶの死)を把握しました。
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◆
「あれは……学校……!?」
高校生の少女が、幼女を連れて、ふらふらと東へ進む。
そこに見えたのは、明らかに学校だ。小学校。小学校。小学校。ああ、ああ。
いや、『るーちゃん』は「ここにいる」。チョコレートをあげたら喜んで食べてくれた、可愛い子。
いや、るーちゃんではな……るーちゃんだ。彼女はるーちゃんだ。それ以外の何だ。誰だ。るるるるる。
錯乱している彼女の精神は、この恐るべき悪霊『ジャック・ザ・リッパー』を、自分の妹として認識している。
ジャック・ザ・リッパーの方も、今は彼女に敵意はない。チョコレートをくれたからだ。
二人で還る。他はみんな、解体すればいい。彼女はそう思っている。
無邪気なようだが、思考も戦闘力も存在自体も、子であるのにほぼ鬼だ。
「りーねえ、あそこへ行くの?」
「……そうね、るーちゃん。あの学校へ行ってみましょう」
【D-06(鎌石小中学校の西側)/00時50分】
【若狭悠里@がっこうぐらし!】
[役]:親
[状態]:健康、精神錯乱気味、
[装備]:ゾルダのカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:チョコレート×10
[思考・行動]
1:るーちゃん(ジャック)を守り抜く。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握しました。
精神が錯乱してジャックをるーちゃん(妹)だと思っています。
【ジャック・ザ・リッパー@Fateシリーズ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:全員解体する。
1:美味しい魂の持ち主がいたら食べる。
2:りーねえ(若狭悠里)についていく。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を鬼だと思っている。
霊体化、及び神秘を纏っていない攻撃の無効化は制限されています。
レギュレーション? 知らない子ですね…。
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投下終了です。
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投下乙です。
レギュレーションの際の際をついていくジャックとそれよりも更にヤバい殺人ピエロ、そんな二人に狙われることになりそうなレギュレーション違反だけど別に強くはない間田。
これは波乱の予感ですね。
それでは私も投下します。
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ショッピングモールに響いたエレベーターの扉が開いたことを知らせるチャイム。
その音に反応したのは四人――二人の『鬼』と、二人の『子』だった。
青いつなぎに身を包んだイイ男――阿部高和が、この鬼ごっこに巻き込まれてから30分程経っていた。
いつの間にか身動きできないように拘束され、目や耳も妙な機械で塞がれ、鬼ごっこをしろと妙なルールを説明され、あとはパラシュートでポイ。渡されたのは自分の名前とさっきされた鬼ごっこのルールがご丁寧に内ポケットに刻まれたデイパック一つ。そしてそのデイパックの中には、二丁の拳銃。それだけが阿部がこの鬼ごっこで得た全てである。
阿部はしがない自動車整備士であり、こんなとんでもないことに巻き込まれる覚えはとんとない。日本かどうかもわからない場所に放り出され、はい鬼ごっこをしてください、なんて言われてもはいそうですかとはならないのだが、先方はそんな阿部の事情は頓着しないようだ。とりあえず森の中に立ち竦んでいても仕方がないので小山に登っていき、途中で見つけたトンネルから謎のショッピングモールに足を踏み入れ、そして――今の状況である。
「悠!」
「良かった、無事みたいで!」
エレベーターを降りたところ誰かの視線を感じたので身構えたところに出てきたのは、小学校の高学年ぐらいの男児と女児。二人は互いの無事を喜んでいてそれは阿部としても喜ばしいものではあるが、目の前で見知らぬ人間が喜んでいるのを黙ってみていられる場合ではない。なので声をかけようとして、まだ誰かの視線が自分に向けられていることに気づいた。話は、彼にはお構いなしに動いていくのだ。
「で、つまりアンタらも気づいたらここにいたと。」
「はい。私たち、このショッピングモールで映画を見に来たんですけど、気がついたら誰もいなくて。」
「僕もそうです。」
「私も似たようなものです。出張でここに来たらいつの間にか誰もいませんでした。それで人を探していたら、そこの女の子に会いまして、それから二人で知り合いを探していたんですよ。」
「僕も、目が覚めたらここにいました。」
「なるほど、全員このショッピングモールに気がついたらいたってわけか。」
阿部はそう言うと、集まった人間を見渡した。ここにいるのは全員で五人。先程の女児と男児、サラリーマン風の男に、紙袋を被った不審な男、そしてつなぎのいい男である阿部本人。一見するとなんの関連性も見えないこれらの人物でなぜ鬼ごっこをするのか、阿部はふっと息を吐いた。
男児と女児はここに来る前からの元々の知り合いらしいが、あとの人間は全員初対面である。彼らは阿部がエレベーターを使ったことでそれぞれの存在に気がつき――このとき明らかに不審な男が一人いたが、男児の説得によりとりあえず不審ではあっても危険ではないと判断された――今こうして膝を突き合わせている。その目的は二つ。一つは今自分たちに何が起きているかであり、一つはそれぞれの自己紹介だ。
(さて、まずは――)
1.鬼ごっこについて話し合う
2.自己紹介する
-
(――まずは、改めて自己紹介だな。ざっと話を聞いただけで名前もわからないからな。)
「じゃあ、とりあえず名前ぐらい教え合わないか。お互いなんて呼べばいいのかもわかんないんじゃやってらんないからな。俺は阿――」
「待ってくれませんか。」
ひとまず自己紹介を済ませてしまおうとした阿部を遮る声が上がった。紙袋の男からだ。
「ナニ?」
「僕はある事情で名前と顔を明かすことができない。それなのに皆さんの名前だけ聞くのは不誠実かと思いまして。」
「その紙袋を脱ぐ気はないってことか?」
「そういうことです。だから、まずはそのことについて説明させてほしい。」
「……わかった。アンタらはどうだ?」
「私も構いません。」
「私も。」
「僕も。」
「……だとさ。」
「ありがとう。」
反対意見は無いことを確認して礼を述べると、紙袋の男は話を続けた。
「非常事態なので明かしますが、僕は警察官です。ある事件を調べるために潜入捜査をしているので、皆さんに顔と名前を明かすことができない。最初にそのことを理解してほしいと思います。」
「刑事だぁ?てっきり捕まる側かと思ったぜ。」
「僕だって好き好んでこんな馬鹿みたいな格好をしているわけじゃないですよ。」
「私も、正直なところ貴方の言葉を信じることは難しいですね。警察官というのなら、警察手帳を持っているはずだ。」
「見せろと言いたいんですか?僕もそうしたいですが、潜入捜査中に警官だとわかるようなものは普通は持ちません。なので皆さんが僕に持つ不信感は、今後の僕の行動で晴らしていこうと思います。それとこれは皆さんへの警告ですが、なるべく顔や名前を明かさないようにしてください。ああ、あと僕のことはL……または竜崎と呼んでください。コードネームじゃありませんが、もしこの場所に僕の同僚がいれば、皆さんを保護してくれるはずです。」
(おいおい、またとんでもない奴がいたもんだ。)
Lの発言に困惑する阿部は他の三人の顔を見た。女児とサラリーマンは今の阿部がしているのと同じようななんとも言えない顔だが、男児は事前にLから話を聞いていたためか緊張はしていても理解を示しているようだ。もう少しLから話を聞き出してみるか、そう考えていると「少しいいかな?」とサラリーマンから声が上がった。
「潜入捜査で素性が明かせないというのはわかるが、それなら最初からただの警察官として我々に接触すれば良かったのではないかな?」
「ん、確かにな。」
阿部が聞こうとしたことをサラリーマンが聞いた。どうやら他の人間も同じようなことが気になったらしい。
「そういうわけにはいかない理由があったので。」
「理由、ですか。」
「ええ。皆さんにも素性を隠すようにしてもらいたいということや、僕の警察手帳が盗まれているということ、他にもありますが……皆さんにはたぶん信じてもらえないことだと思いますし、僕自身整理がついていないので、少ししてから説明したいんです。」
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Lはそれきり黙った。これ以上話す気は無いということか。
他の人間もそれを察してかける言葉が無くなる。そして場に沈黙が広がるかといったところで、「じゃあ、次は」と男児が声を上げた。
「僕は、えーっと、Uです。こっちの、えーっと……」
「それじゃあ、私はOで。私たちは、友達三人でこのショッピングモールにある映画館に来たんです。約束の時間より早く着いたんで、チラシとか見ながらUと二人でもう一人が来るのを待ってたら、いつの間にか誰もいなくなってたんです。それで私はそこの……サラリーマンの人とあっちのゲームのあるあたりで十分ぐらい前に会って。」
「僕もそんな感じでLさんと映画館で会いました。」
Uと名乗った男児とOと名乗った女児はそう話した。どうやらこの二人は自分からこのショッピングモールに来たらしい。ということはこの島の住人ということだろうか?桜が島という名前がついているあたり、ここは島なのだろうか?
(ゆさぶってみるか。)
「なるほど。そうだ、二人は何か気づいたこととかはあるか?人がいなくなっていたこと以外でだ。」
「……映画館の受付のところに、CMが流れてるテレビがありますよね?あそこに鬼ごっこのルールみたいなのが書いてあるのを見ました。」
「……女子トイレの窓から外を見たら土で埋まってました。ここは5階だから少なくとも10mはあるはずで、土砂崩れが起こるような場所でもないのにです。」
「外はそんなことに?」
「さっきは言いそびれてすいません。私も自分で自分が信じられなくて……狐に化かされたかもって。」
「いや、別に君を責める気はないさ。手早く自己紹介を済ましてみんなで確認しに行こう。さて、では次は私が。私は、そうですね、Kとでも読んでください。ここには出張で来まして、突然強い目眩を感じたと思ったら、同僚も利用者もスタッフも誰もいなくなっていました。それでそこのOさんと出会って、そこからはずっと一緒です。それでは――貴方が最後ですね。」
言葉通り手早く自己紹介をしたサラリーマンことKが阿部に水を向けた。この男もまた、U達と一緒でここに自分から来たということか。
(……コイツら、みんな元からこのショッピングモールにいたのか?そういやあの紙袋はそこら辺のこと話してないな。これが鬼ごっこの役になんか関係あるってことなのか?)
阿部は考える。何かがおかしい。コイツらと出会ってからどこか違和感を感じる。何か話すべきことが話されていない。それは――
(――そもそも、なんでこいつら鬼ごっこのことに触れないんだ?)
――それは誰一人鬼ごっこについて話していないことだ。Uが鬼ごっこのルールを見たといっただけで、自分達が巻き込まれているなどまるで知らぬ素振りなのだ。
(あぁ、クソッ!頭がこんがらがって来たぜ……俺も元からここにいたことにするか?それとも……)
皆の視線が阿部に集まる。ここで選択を間違えると命取りになる。そんな予感がしながら、口を開いた。
「俺は――」
【F-05/00時32分】
【阿部高和@くそみそテクニック】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:青いツナギ、ベレッタM92F@魔法少女まどか☆マギカ、ベレッタM92F@バトル・ロワイアル
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:親と子を探す
1:鬼ごっこの参加者だと伝えるor自分もショッピングモールにいたことにするor……?
2:Lの警告は……ま、話半分で聞いておくか。
※原作終了後からの参戦です
※自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握してます
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「……映画館の受付のところに、CMが流れてるテレビがありますよね?あそこに鬼ごっこのルールみたいなのが書いてあるのを見ました。」
(私たちが前に鬼ごっこをしたことは今は言わないつもり?悠。)
Oこと宮原葵は、Uこと桜井悠を凝視する。視線を返しながら軽く頷いたのを見て、葵もアイコンタクトを送った。
「……女子トイレの窓から外を見たら土で埋まってました。ここは5階だから少なくとも10mはあるはずで、土砂崩れが起こるような場所でもないのにです。」
(話すならタイミングを考えるべきね。)
悠の意を酌むと、葵は鬼ごっこについては触れずに済ませた。
今の状況はほぼ確実にあの時と同じ鬼ごっこだ。だがしかし、迂闊に鬼ごっこだと言えば第一印象から嘘つきだと思われかねない。親や警官でもそうなのだ、見知らぬ人に簡単に話せるようなことではない。
それに、今まで鬼らしきものを見てもいない。もしかしたら杞憂かもしれないのだ。話すにしてももう少し後が良いだろう。
「外はそんなことに?」
「さっきは言いそびれてすいません。私も自分で自分が信じられなくて……狐に化かされたかもって。」
(今はこれで良い……よね?)
【F-05/00時32分】
【宮原葵@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:爆弾化
[装備]:『水晶』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:死にたくない。
1:鬼ごっこについて黙っておくor鬼ごっこについて話す。
2:大翔が巻き込まれていたら合流したい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
吉良吉影のキラークイーンによって爆弾化しました。
【桜井悠@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『水晶』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:死にたくない。
1:鬼ごっこについて黙っておくor鬼ごっこについて話す。
2:大翔が巻き込まれていたら合流したい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
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「ええ。皆さんにも素性を隠すようにしてもらいたいということや、僕の警察手帳が盗まれているということ、他にもありますが……皆さんにはたぶん信じてもらえないことだと思いますし、僕自身整理がついていないので、少ししてから説明したいんです。」
(我ながら無茶な説明だな。この鬼ごっこにキラについてどの程度知られているかわからなかったとはいえ、臆病が過ぎたか。)
自分への不信感を感じながらもLこと夜神月は話が自分から離れたことで緊張を緩めた。
デスノート対策で顔と名前を隠すためとはいえかなり無茶のある説明になってしまった。今の状況を考えればこの段階で殺しにかかられてもおかしくはなかったことを考えると、なんとか切り抜けることに成功したのは僥倖である。しかし本番はここからだ。皆鬼ごっこについて話していないが、これは役によって今の状況についての理解に差があるからなのか、それともこちらに合わせたのか、それをこれから判断をつけなければならない。UとOが鬼ごっこが始まる前からの知り合いだとするとこの二人は同じ役の可能性が高いが、それも確実ではない。まずは誰が『鬼』かの判断をつけることが肝要である。
【F-05/00時32分】
【夜神月@DEATH NOTE】
[役]:鬼
[状態]:紙袋を頭に被っている
[装備]:ソード・カトラス@BLACK LAGOON
[道具]:デスノート@DEATH NOTE・スマートフォン(鬼)@オリジナル・ノートとペン@現地調達の入った四次元っぽい紙袋
[思考・行動]
基本方針:まずデスノートの真贋を確かめる。
1:Lとして振る舞い、皆と鬼ごっこについて調べる。
2:鬼を含んだ他の参加者でノートを試す。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
※四次元っぽい紙袋は効果を失いました。
※桜井悠・宮原葵・阿部高和の顔を把握しました。
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[役]:鬼
[状態]:健康、姿は川尻浩作
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ(うち一つはスマートフォン(鬼)@オリジナル)
[思考・行動]
基本方針:親の振りをしながら鬼以外を始末する
1:まずはこのメンバーと同行する。
2:参加者の役を見分ける方法を考える。
※その他
バイツァ・ダストは杜王町でないことと本人が能力を把握しきっていないことで使用不可。
宮原葵をキラークイーンで爆弾化しました。
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投下終了です。
げんげん書きます。
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投下乙です
阿部さんの主人公視点が頼もしい感じですね
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今泉慎太郎その他で投下します
-
アルシアは無言で周囲を見回す。取り逃がした少年と少女の姿は何処にも見えない。
途中で見つけた道に沿って走ったのが災いして、アルシアは真っ直ぐ西に向かった桐山を完全に見失っていた。
獲物を二人とも逃したのは失態だ、主人が知れば落胆するだろう。
「…………」
失態を挽回する為にアルシアは暫しの間考える。どうすれば獲物を効率よく狩れるのか。
先程の二人の様に、高い戦闘能力を持つ者や、逃げ足の速い者を確実に狩る為にはどうすれば良いか?
アルシアは考えて、紙袋に嘆きの鉈を仕舞い込む。
目立つ武器を隠して無力な振りをして油断させ、接近して一気に仕留めるのだ。
明らかにサイズが小さ過ぎる紙袋に、嘆きの鉈が吸い込まれていく。
アルシアは特に何も思わない。主人が武器を影に変えて、質量も大きさも関係無しに持ち歩いているのと、同じ魔導が使われているのかと思っただけだ。
この紙袋を用いれば大荷物も運ぶことが出来るというなら、さっき戦ったあの少年の死体を持って帰るのも良いだろう。
主人は喜んで操躯兵にするだろうから。
「………………?」
そんな事を考えながら、何処へ行こうか決めあぐねていたアルシアは、遠くから聞こえてくる声に気付いた。
────────────────────────
-
森を抜けて学校の前に立った今泉慎太郎は周囲を見回す。
エリアを越えたやり取りを経て、互いの位置を確認した今泉は、リクに校舎の何処かに隠れている様に伝えると、D-06に在る学校目指して移動したのだ。
今泉としては怖くて嫌だったのだが、流石に危険人物がうろついている中で、子供を移動させる訳にはいかなかった。
拡声器は襲われた時の用心として手に持っている。鈍器の代わりにはなるだろう。
おっかなびっくり周囲を窺いながら歩き続け、ついに今泉は学校に着いたのだ。
学校に着いたぞ!!と叫びたい気持ちを抑えて校舎へ入ろうとした今泉は、学校へと近づいて来る少女を見つけた。
「と、止まれ!」
パッと見た感じ相手は『子』だが、緊張のあまり裏返った声で叫んでしまった。
相手に要らぬ警戒をさせたか?と、直ぐに後悔して様子を窺うと、相手は全くの無表情で佇んでいた。
じろじろと眺め回しても何の反応も見せない。時折自分と同じ様に周囲を見回す少女は、黒い髪と血の気の無い白い肌に、貫頭衣を纏っただけだ。
あまり見ると変質者扱いされそうなので、目線を外して声を掛けてみる。
「ぼ…ぼくは今泉といいます、警察の者です」
話しかけても無反応。こちらに意識を向けてはいるが返事は返ってこない。
「ど、どうかしましたか?」
只ならぬ様子に問い掛ける、鬼に襲われて命からがら逃げてきたのか。
ひょっとしたら、性的暴行でも受けたのか………?
未だ見ぬ鬼に、今泉の胸中に怒りが湧き起こる。
「………………………」
少女は暫く今泉を無言で見詰めてから。
「さっき聞こえた声は、貴方のもの?」
「え?そうですよ。私達の声を聞いてきたんですか?」
無言で頷いた少女は、今泉が語った『校舎の中に待っている人が居るから一緒に探そう』という提案に「はい」と短く返事した。
────────────────────────
-
少女────アルシアは今泉の様子を無感情に観察していた。
元々今泉とリクの拡声器を用いた会話ん聞きつけて学校までやって来て今泉と遭遇。ら
拡声器というものを知らないアルシアは、明らかに声が聞こえる筈の無い距離まで声を届かせた今泉を、魔道の技を使う者と認識していた。
迂闊に手を出せば返り討ちに遭うかもしれない。
そこで様子を見ていたのだが、今泉はアルシアに感情が有れば驚くか呆れるほどに隙だらけだ。
即殺そうとしたが、もう一人校舎────この建物の名前らしい────内に居るらしいので、今泉を殺して逃げられたり警戒されたりすると面倒なので、当分は生かしておく事にする。
取り敢えずは二人揃うまで。
【D-06(鎌石小中学校前/01時22分】【今泉慎太郎@古畑任三郎】[役]:親[状態]:健康[装備]:警察手帳、拡声器@バトルロワイアル[道具]:デイパック[思考・行動]基本方針:可能な限り参加者を生還させる。1:子を守る。校舎内の桜井リクと合流する2:親を探す。3:鬼には出くわしたくない。*その他自分の役、各役の勝利条件・制限時間を把握。
※桜井リクご学校にいることを把握
※少女(アルシア)の顔を把握しました。鬼に襲われたものと思っています
【アルシア@白貌の伝道師】[役]:鬼
[状態]健康 魔力消費(中)
[装備]:嘆きの鉈・群鮫@白貌の伝道師・紐付き柳葉刀@BLACK LAGOON
[道具]:スマートフォン(鬼)
[思考・行動]
基本方針:出逢った全てを殺す
1:桐山を追う。殺したら死体を回収する
2:次からは獲物の脚を最初に潰す
3:校舎内のもう一人と合流したら纏めて殺す
※その他・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※桐山の顔を把握しました
※アリス・カータレットの顔を把握しました
※武器は全て4次元紙袋に収納しています。
────────────────────────
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「居ないね」
「居ないわね」
交番の周囲を探索するしんのすけと、交番の内部を探索するエスターが声を交わす。
拡声器を通じた桜井リクと『古畑』の遣り取りを聞いた三人はこの交番までやって来たのだが、『古畑』こと今泉は学校に向かって移動していた為に、当然のように行き違いになっていた。
今はしんのすけが交番の周囲を探索し、エスターは交番の内部で武器になるものを物色していた。
(うーん。私の向かった方向からすると、この位置に来るわけが無いんだけれど)
そしてグレーテルは、エスターを横目で監視しながら地図を見ていた。
グレーテルの感覚からすると、現在地に居るわけが無いのだから、気になるのは当然だった。
この地図には交番が記載されていないが、『
古畑』が話していた相手は学校に居る。
つまりは此処は学校にほど近い場所なのだろう。
だがそうすると、グレーテルの感覚と違い、大分北へと動いた事になる。
(まあ、地図を見て走った訳ではないものね)
グレーテルはそう結論を出すと、二人に向かって提案する。
「『古畑』さんは、学校に向かうって言ってたから私達も行ってみましょう」
グレーテルとしては、なるべく多くの人と会いたいのだから、当然の提案である。
「けど、学校の場所が分からないぞ」
しんのすけも他の人、出来れば大人と接触したいので否定しない。
「私達は『古畑』さんを見ていないし、私達の来た方向とは逆の方向に有るんじゃないかしら」
エスターとしては『親』とあう盾が欲しい。
三者三様ではあるが、彼等は他者との接触を望んでいた。
「なるほど、では、向かいますか」
しんのすけが言うと、三人は学校に向かって移動を開始した。
チーム見た目は子供】【E-06(交番)01時15分】【グレーテル@BLACK LAGOON】[役]:子[状態]軽トラを運転中[装備]:BAR[道具]:不明(社務所で凶器として使えそうなものを中心に回収)[思考・行動]基本方針:皆殺し1:取り敢えず学校に行く。※その他 自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・制限時間は全て未把握
地図(Bルート)を交番で把握しました。【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】[役]:子[状態]:健康[装備]:『お守り』[道具]:なし[思考・行動]基本方針:ネネちゃん家に行く。1:みんなで学校に行く。※その他自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【エスター@エスター】[役]:親[状態]:健康[装備]:ハンマー、青酸カリ@バトルロワイアル[道具][思考・行動]基本方針:子のふりをして立ち回る。1:子として親の庇護を受けつつ、参加者の情報を集める。2:制限時間が近づいたら、親を減らす。*その他自分の役、各役の勝利条件、制限時間を把握。※交番内で武器になりそうなものを入手したかも知れません。
-
投下を終了します
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投下乙です。
地図変更によって分校から鎌石小中学校まで飛ばされるとは…
間田はどれだけヤバイ奴らを惹きつけるんですかね(白目)
それとも拡声器の音を聞いて逃げ出すかな?
擬宝珠檸檬ほかで書きます。
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投下します。
-
島の南東隅、座標I-10、『琴ヶ崎灯台』の中。
「どうする……!? お、鬼が、二人も!?」
幼女、『擬宝珠檸檬』は、その頭脳をフル回転させて脱出法を探っている。歯の根が合わない。手が、膝が震える。
フラフラと入り込んだここは、確かに……比較的にしろ、安全ではあった。
ゲーム開始から1時間、他の親や子と合流は出来なかったが、彼女が鬼に襲撃されることはなかったのだから。
だが今や、安全ではなくなった。鬼が近づいている。それも、二人。二匹と言うべきか。
遠目に見下ろした、海岸を歩くあの少女の頭には―――二本の角らしきものがあった。ならば、鬼だ。
驚いて視線を巡らした先、灯台へ通じる道をこちらへ歩いてくる大柄な男は―――なにか、鉈のような武器を持っていた。
しかも見るもの全てを皆殺しにしようという、恐るべき殺気を放っている。震え上がった檸檬は涙目になり、即座に身を隠した。
どうする。灯台から降りれば、鬼たちの前に身を晒すことになる。捕まるか、殺される。
灯台の中にとどまれば、どうだ。入ってこられたら、逃げ場がない。飛び降りれば多分死ぬであろう高さ。死にたくない。
万が一運良く死ななくても、腕や足の骨を折るかも知れない。そうなれば致命的だ。逃げられない。
武器は……ある。支給品の『お守り』だ。使用は一回きりだが、鬼にぶつければその鬼を殺せる。
だが、今近づいてきている鬼は二匹。となれば……運良く二匹の鬼が殺し合いになり、相打ちになるか、手負いの一匹になるかすればいい。
それを祈るしか無い。こちらから姿を見せたり働きかけたりするのは愚策だ。鬼たちを一致団結させてはいけない。
いざとなれば、お守りをどちらかに使って殺し、怪我を承知で飛び降り、走って逃げるか。どこへ。ここは島の片隅、海岸沿いに……。
いや。自分が極めて幸運なら、どちらかが、あるいは両方ともが親か子で、自分を守ってくれるかも知れない。
鬼を追い払い、ここから自分を助け出してくれるかも知れない。檸檬は様々な可能性と希望を考慮しながら、お守りを強く握りしめる。
-
★
Ki…ki…ki mu…mu…m…
ki…ki…ki mu…mu…mu…
ki…ki…ki mu…mu…mu…
―――――“Kill mum"
ホッケーマスクを被り、マチェットを握りしめた巨漢『ジェイソン・ボーヒーズ』は、真っ直ぐに灯台を目指す。
そこに誰がいるのか、いないのか、行ってどうするのか。そんなことはどうでもいい。
誰かいれば殺す。それだけだ。鬼だろうと誰だろうと見敵必殺だ。いなければ他へ行くだけだ。
と、同じく灯台に近づいていく者がいる。つまり、獲物だ。ジェイソンは類稀な膂力でマチェットを強く握りしめる。
距離はやや遠いが、次第にはっきり見えてきた。白いマントを羽織り、頭にリボンをつけた、金髪の少女のようだ。
大股で歩み寄る。殺す。殺す。殺す。
★
剥き出しの殺気を感じ、立ち止まる。そちらへ目を向け、刀に手をかける。
もとはすぐ知れた。筋骨隆々の巨漢。顔をマスクで覆い、手に鉈を持つ。見るからに物騒な殺人鬼。
「なるほど。鬼とはこういうものか」
冷笑を浮かべ、刀を抜き、構える。毛むくじゃらで頭に角でも生えているかと思えば、ホラー映画に出て来るような奴とは。
ズカズカと無造作に歩み寄ってくる。言葉は……通じそうにない。灯台に誰かいるのを嗅ぎつけたか、たまたまか。
どちらにせよ、運が良い。この鬼はここで退治てくれよう。天下五剣が一「童子切安綱」、『花酒蕨』の名にかけて。
「名乗らずともよい。斬り捨て――――」
その時!
-
「WRRRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!」
猛烈な勢いで! 横から『タンクローリー』が突っ込んで来たッ!
★
『この場にとどまると、高確率でピエロに殺される』
……僕の『未来日記』はそう予知した。それを逃れるには、西北西へ行くべきだとも。
地図もコンパスも土地勘もなく、太陽も月も星々も見えないこの空で、方角を知るのは難しいが……標識はある。
『この先、琴ヶ崎灯台』と。そちらが西北西なのか、そうでないのか?
後で知ったことだが……この時、僕たちをタンクローリーに乗せて灯台へ向かった男『DIO』は……『東南東』へ向かっていたッ!
【I-10(灯台)/01時20分】
【擬宝珠 檸檬@こちら葛飾区亀有公園前派出所】
[役]:子
[状態]:健康、恐怖
[装備]:『お守り』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:生きて帰る。
1:親と合流したい。
2:鬼が登って来たらお守りを使う。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は未把握。自分の役を子と推測。
遠目に見た花酒蕨を鬼と誤認。同じくジェイソン・ボーヒーズを鬼と認識しました。
-
【I-10(灯台付近)/01時20分】
【花酒蕨@武装少女マキャヴェリズム】
[役]:親
[状態]健康
[装備]:太刀・棒手裏剣
[道具]:防弾ベスト・閃光弾
[思考・行動]
基本方針:親か子と合流する。
1:この鬼を斬る。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。ルールの本質に気付きました。
【ジェイソン・ボーヒーズ@13日の金曜日シリーズ】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:アイスホッケーマスク、マチェット
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品3つ
[思考・行動]
基本方針:殺す。見敵必殺。鬼も親も子も関係なし。
1:この少女を殺す。
-
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:タンクローリー、不明支給品(確認済み) 、『ザ・ワールド』(スタンド能力)
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:子を全員捕まえ、親は血を吸うか下僕とする。
1:親として振る舞い、織田敏憲、豊穣礼佑を利用して子を集める。
2:灯台へ向かう。
※その他
時間停止は五秒ほどです。
【豊穣礼佑@未来日記】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:はいぱーびじょんだいありー@未来日記
[道具]:『スマートフォン(子)』
[思考・行動]
基本方針:このゲームに勝利してエリートであることを示す。
1:DIO、織田敏憲を利用しながら情報を集める。
2:ピエロ(ペニーワイズ)との接触を避けるため、西北西方面に逃走したい。
3:未来日記所有者は優先的に殺す。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は未把握。自分の役を子と推測。
未来日記による予知で、ある程度の未来を把握しました。DIOを親の役と思っています。
【織田敏憲@バトル・ロワイアル(漫画)】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:ヘルメット、防弾チョッキ、ワルサーP38、ランドセル、トートバッグ
[道具]:ランドセルに飲食物、トートバッグにガスマスクや包丁、洗剤といったもの
[思考・行動]
基本方針:利用できそうな親か子と合流する。鬼らしき相手がいたら逃げる。
1:豊穣礼佑、DIOを利用しながらプログラムに備える。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は未把握。自分の役を子と推測。
DIOを親の役と思っています。
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投下終了です。
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皆さん投下乙です。
車乗ってると方角間違えがちですよね、私もPUBGで運転ミスってパラララされてやられがちなんでバイク乗るようにしてます。
しかしさすがに本編に登場した場所そのものが動くのは突然海に放り出される参加者が出たり拡声器の声の届く範囲とかリレーするのが面倒なのでなしにして下さい。
>>655の投下については地図には書かれていないが学校は存在しているということでお願いします。
また、アルシアが嘆きの鉈を紙袋にしまっていますが、>>3にて『物を中に入れることはできない』とされているので、その部分についても修正をお願いしたく思います(それができてしまうと海水詰め込んで地下にある主催本部を水攻めにできてしまうので)。
この企画で一般的な四次元デイパックを持っているのはなぜか一人だけ普通のデイパックが配られなかったっぽいアリスのみです(多分これは神崎の暗躍とかそんなんでしょう)。
では私も投下します。
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(チッ!アイツどこに行った?)
以前無学寺で息を潜めるマジェント・マジェントは悪態をついていた。侵入してきたげんげんをやり過ごそうとした彼だがげんげんはなかなか出て行かず、玉砂利のため自分が出て行くわけにもいかず、寺の中で彼と隠れんぼするハメになっていた。その中で邪魔なデイパックを隠したのだが、どうやらそれを見つけられたらしい。入っていたのは金塊のためさすがにくれてやる気にもなれず殺すことを視野に入れたマジェント・マジェントだったが、どういうわけかげんげんを見つけることはできなかった。
(外に出てったか?気づくか。じゃあどこに消えた?)
苛立たしげに振った拳が近くの姿見に小さな音と共に罅を入れたのを見て、彼は冷静さを取り戻し捜索を再開する。そんな彼は気づくことはなかった。彼の真後ろに、彼の割ったの鏡の中にげんげんがいたことを。
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どうも、げんげんです。
なんと今僕は、鏡の中にいます。
お寺の中で見つけたカバンの中に、金塊と変な金色のカードケースがあったんやけど、それ持ってたらいつの間にかベルトみたいなんが腰に巻かれてたんや。そんでな、ちょうどカードケースが入りそうなんで入れてみたら、ほら!こんなふうになんか変身して、鏡の中に入れるようになったんや。
信じられんよなあ?
なんで、信じてもらおうと思って、お寺にあったお経とか持ってきたわ。
これな、文字が全部鏡文字になっとんねん。
お寺そのものも鏡写しみたいになっとって、ふしぎな気分やわ。
それだけじゃないで!このカードな、イラストに書いてあるもんが出てくるんや。
『ADVENT』
ほらな!蟹人間が出てきたやろ!編集とかマジックなんてもんやないで。
たぶんこれは、鬼ごっこで使うアイテム的なものなんやろなあ。こんなものまで用意できるとか、いったいどんな奴が鬼ごっこをさせようとしてるんやろ。
とりあえずもう10分ぐらいこの鏡の世界を調べてみるで。ほな、また!
【源元気(げんげん)@Gengen Channel 脱落】
-
【F-08(無学寺)/00時37分】
【マジェント・マジェント@ジョジョの奇妙な冒険 SBR】
[役]:親
[状態]:健康(戦闘で左目を失っており、偏頭痛やよだれ・鼻水を垂れ流す後遺症がある)
[装備]:スタンド『20th Century BOY』(動かなければ絶対防御)、レミントン・ダブルデリンジャー@現実
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこで優勝する。
1:とりあえず『子』を守れば良いのかぁ?任せろ!
2:あの変態ヤローはどこ行った?
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
レギュレーション違反に気づいた主催者から追手がかかっている。優先順位は比較的高い。
デイパックと支給品二つ(シザースのデッキ@仮面ライダー龍騎、金塊@Gengen Channel)はミラーワールド内に放置されています。消滅するか、また既にしているかは不明です。
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投下終了です。
正直げんげんが三話も生存したのは修正案件かもしれませんが許してください。
どうせならきりの良い150投下目(現ルートでは40番目)に投下すれば良かったと投下してから気づきましたが後の祭りなので次投下する方は頑張ってください(ハードルを上げていくスタイル)。
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へ?げんげん死んだ?なんで?
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10分もミラーワールドにいればライダーすら消滅しちゃうからね
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>>668
地図AではG-07に「分校」が
地図BではG-03に「平瀬村分校跡」がありますね(G-07にはなにもない)
こっちはこっちで北西(F-02)にヘンゼルとかがいますけど
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>>668
了解しました
近日中に書き直して投下します
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稗田礼二郎ほかで書きます。
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投下します。
-
沖木島の中部、座標E-04、ホテル跡。と言うか、廃ホテル。
おそらくはバブル期、リゾート誘致のために建設され、バブル崩壊と共に放棄されたと思しい。
日本中にいくらでもあるような廃墟だ。電気や水は期待できないが……。
「香川県の沖木島、か……」
残っていた標識や看板から、それは読み取れた。知らない島だが、ではここは、地獄や常世ではなく、現世なのか。
いや、現世に存在した島が、異界に移された……もしくは、写された、のだろうか。
長髪の男、『稗田礼二郎』は、ブツブツと呟きながら腕組みをし、顎を撫でる。
無用な考察のようだが、何か脱出のヒントになるかも知れない。
そもそも、なぜ自分のような者が、こんなところで異様な『鬼ごっこ』に参加させられているのか。
借金をした覚えも、ヤクザの恨みを買った覚えもない。突然目の前が真っ暗になって、こうなった。
何者かに無作為に選ばれてしまったのか。支給された手裏剣と鉄球は、武器と言えば武器だが、銃ほどの殺傷力はない。
とすれば少なくとも殺人ゲームではなかろうが、殺人ゲームに発展するようにしているか……。
ザク、ザク、と砂利を踏みしめ、廃ホテルに足を踏み入れる。中は暗いが、薄っすらと外の光が漏れ入る。
「ん? これは……足跡だ。二人ぶん……新しいぞ」
床を覆う埃の上に、足跡がついている。自分が来る以前に、誰かが連れ立ってここへ入って来たようだ。
おそらく、鬼から逃げて来た子や親だろう。ならば合流して、情報を共有するとしよう。
稗田は足跡を追い、ホテルの奥へ進んでいく。
◆
-
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ………」
どこをどう走って来たか、もう覚えていない。
恐怖の余りパニック状態になった超能力少女『名波翠』は、モブ少年『中沢』の手を引っ張って山道をひた走り、気がついたらここにいた。
廃ホテルの一室、だろう。パニック・ホラー映画だと、怪物とか狂人とかゾンビがドアをぶち破って襲ってきて、『Here's Johnny!』とか言う感じの。
男の子と二人でホテルに来るとは思わなかったが、そんなロマンチックな事態ではまったくない。いちゃついたヤツらから死ぬ。それが流儀。
「あの……大丈夫?」
「大丈夫に見える?」
「いえ、その……」
「オーケー、大丈夫、オーライ。ビックリし過ぎて、パニクっただけ。ごめんね」
「ああいえ、こっちこそ……無理も無いよ、なんか怖い人っぽかったし」
中沢は割と冷静だが、こっちは猫を被ってる余裕もクソもなかった。感受性が強すぎるのも問題だ。
いや、アレはマジでヤバかった。神にも匹敵する凄まじいオーラ。只者であるはずがない。あのオーラが出てる時点で確定的に只者じゃない。
追っては来ないか。来たら来たで逃げるしかない。中沢を犠牲にする、のはまあ倫理的にアレとして。
こっちだってお前、超能力少女様やぞ。多少のお前、チンピラとかならお前、スーッ、ハーッ。
スカム映画脳か銀魂じみた支離滅裂な思考をやめ、ゆっくりと呼吸を整える。周囲を確認する。埃があたりに舞い散っている。口と鼻を覆う。
だいぶバタバタしたせいで、このへんの埃に足跡がついてしまった。やつがこれを追ってきたら。いや、『バックトラック』とか仕掛けてみるか。逆に。
「……あの……なんか、足音が」
「ひっ!?」
急に中沢に話しかけられ、心臓が喉から飛び出そうになる。こんなモブ野郎と吊り橋効果でラブデスターしてどないすんねん。
あの鬼が追って来たか。部屋の中へ隠れるか。いや、逃げ場がない。玄関ホールの方から男の声。
「おーい、誰かいるのか? 私は親の役だ! 安心してくれ!」
-
◆
名波さんに言われて、僕が様子を見に出る。玄関ホール近くにいたのは、長身痩躯で黒尽くめの男性。
さっきの、なんか音を出していた、あの男ではないようだ。黒髪で長髪、年齢はわかりにくいが、子どもではない。
「あ、あの……、そちらのお名前、は」
「ああ、『稗田礼二郎』だ。稗田でいい。君は?」
「な、『中沢』と言います……。子の役、だと、思いますけど」
距離を保ち、学生鞄で胸元を守りながら、おずおずと名乗る。殺気や悪意は感じない。
「君だけかね? 足跡は二人ぶんだが、奥に隠れているのか?」
「えと、あの。ほんとに、鬼じゃないんですね」
「そうだ。少なくとも、無害な子どもに危害を加えるような人間じゃないよ。安心してくれ」
稗田、という男は両手を挙げ、敵意がないことをアピールする。狡猾な鬼かも知れないが、かと言って見分ける方法も……。
あ、そうだ。『お守り』を鬼にぶつければ死ぬ、と書いてあった。いざという時はそれがある。
「ええと、じゃあ、その、奥にもうひとりいます。さっき鬼っぽい人に出くわして、パニックになって。
―――その、女の子なんで、僕が様子を見に」
包み隠さず話す。対応者として、ここは素直に話した方がいいと思った。それだけだ。
男は頷き、頬を緩める。
「そうか。偉いな、中沢くん」
褒められた。言われてみれば、褒められてもいい行動かも、知れない。警戒心が緩む。
「……私は別に喧嘩が強いわけでもなく、超能力者でもないし、大した武器もない。
だが私は、与えられた役目以前に、教育者であり年長者だ。君たちを守ろう。約束する」
「あ、ありがとうございます!」
-
【E-04(ホテル跡)/00時40分】
【稗田礼二郎@妖怪ハンター】
[役]:親
[状態]:健康、やや疲労
[装備]:スリケン@ニンジャスレイヤー、ジャイロの鉄球@SBR
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:廃ホテルで他の人や道具、情報を探す。
2:中沢くんを信頼し、もうひとりの子と会って、情報を共有する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【名波翠@テレパシー少女蘭】
[役]:子
[状態]:疲労(小)、キングへの恐怖
[装備]:『お守り』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:こんなアホなことをしでかした奴に一発焼き入れて帰る。
1:外へ出るのが怖い。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を子と推測。
テレパシーなどの超能力が使えるが、普段よりは疲れやすい。
【中沢@魔法少女まどか☆マギカ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:学生鞄(中身は教科書とかノートとか筆記用具とか)
[思考・行動]
基本方針:とりあえず人を探す。知り合いがいたら合流したい。
1:名波さんに着いていく。
2:稗田さんをとりあえず信用し、名波さんに紹介する。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を子と推測。
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投下終了です。
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投下乙です。
こちらかレナ達かどちらと出会うか・出会わないかで大きく状況が動きそうですが、果たしてこの出会いがどう影響してくるのか、気になりますね。
だからこの投下のメンバーとヤン・バレンタインで書きます。
それと久々にウィキの編集をして>>659まで更新しときました。
修正と再投下が来る話もありますが設定やリレー元の把握にご活用ください。
あと予定を前倒ししてハーメルンにてアーカイブを開始しました。
理由は私が@Wikiにログインするのに「私はロボットではありません」と言う奴が小一時間突破できなくてウィキの編集ができなくなりかけたからです。
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マジェント・マジェント、ギーグで書きます。
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投下します。
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「そうそう、ここだった。『無学寺』。上から見つけやすいように、でかい建物のある場所へ落っことしたんだぜ……」
主催者側の始末屋『牛頭鬼』が、金棒とバズーカを担いで山門を潜る。狙いは、レギュレーション違反者『マジェント・マジェント』。
そこそこ強力な超能力を持つ男。能力の詳細は、『構えをとってじっとしてれば絶対防御』というものだ。
ならば要は、意識の外から不意をうてばいい。膂力や反応速度や敏捷さは、所詮は人間、鬼に敵うわけはない。
こちらが気づかれないよう見つけ出し、このバズーカ『ハルコンネン』をブチ込んで、始末する。
あるいはビビらせて絶対防御姿勢を取ったところを、ワイヤーロープかなんかで縛り上げちまえばいい。
通信機で馬頭鬼との連絡もできる。他の参加者の位置情報は、これで聞けばいい。仕事が終わったら回収してもらう。
と……彼は物音に気づく。バキバキ、バリバリ、という……何かが砕けるような音。標的の出した音か?
いや……なんだ、あれは? 寺の裏山から降りてくる、赤い影は?
◆
「クソッタレ……! あの変態ヤロー、どこへ消えやがった!? ……グスッ。
消えるだけならまだしも、オレの金塊とか持って行きやがって! ムカつくぜ……! 絶対ブッ殺してやる!」
無学寺の中。全裸の変態筋肉男・源元気(げんげん)を見失ったマジェント・マジェントは、苛立ちを募らせ過ぎてブチ切れていた。
外だ。外に違いない。こうなりゃ隠れ潜んでても仕方ない。外へ出て、あいつを殺しに行こう。子でも親でも知ったことか。
腹いせに金目のものを適当に漁り、そこらへんにあった肩掛けカバンに投げ込んでいく。
そうこうするうち、寺の裏から、何かが砕けるような音が近づいてきた。大きい。
「ん? なんか騒がしいな……あいつか?」
いや、裏は確か山だ。……土砂崩れか? 雨も降ってねえのに?
スタンドを纏えば防御出来るが、ああーっと、土砂に埋もれて出られねーってのは困るぜ。
いかにオレでも、川底にハマっちまったことで学習はしてる。ここは普通に逃げとくか。
マジェントは冷静で的確な判断力を見せ、寺の外へ逃げ出した。そして、音のした方を振り返った。
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◆
「おい、馬頭鬼! なんだありゃあ! あの赤い影は!」
『ザザッ……あー、鬼の中じゃ一番やべえヤツだな。「ギーグ」。話が通じない、攻撃が通じない、無差別殺戮しか能のないやつだ。
撤退しろ。あいつに巻き込まれたら鬼でも死ぬ。自然災害みてえなもんだ。標的もついでに始末してくれるだろうよ』
「そ、そうか! じゃ、じゃあ逃げる!」
牛頭鬼は慌てて、今来た道を逃げていく。鬼で始末屋なのに、子のように逃げ回らねばならないとは。
「なんなんだよ……! クソっ、マジェントはこれで死んでくれるのか!? 馬頭鬼! 他のレギュ違反者はどこだ!?」
◆
「うっ……うっ うおわァあああああああーーーーーッ!?」
寺の境内で、マジェントは、見た。それ(IT)を。人間の女性の姿の様であり、あるいは、胎児の様なカタチをした、それを。
赤い霧のようなものが、移動し、広がり、近づいてくる。霧、空気、樹木、地面といった概念を破壊しながら。
(なんなんだ……! 『スタンド』かッ!? い……いや デカすぎるッ! それにヤバすぎるッ!)
「ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン」
それは意味不明な音を発しながら、でたらめに動き、縮み、伸び、転がり、蠢き、寺の屋根にのしかかった。
バキバキ、バキバキ、メキ、メリメリメリ……! バターのように屋根瓦が融解し、屋根瓦ではないなにかに変わっていく。
「……だがよォーーーッ、オレは『覚悟』できてるぜ……無敵だ! 『20th Century BOY』!」
グッ、と歯を食いしばると、マジェントは物陰に隠れ、その場にしゃがみ、スタンドを身に纏う。
災害めいてるが、土砂崩れや洪水ではない。スタンドでもない。あいつは『鬼(IT)』だ。少なくとも、動き回る怪物だ。
闇雲な動き。盲目か。こっちに気づいている様子はない。なら、防げる。あいつに呑み込まれても、通り過ぎてくれる。
そう信じる。スタンドは意志の力だ。立ち向かう力だ! 防いでやるッ!
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「チガウ…チガウ…チガウ」
こうげきの しょうたいが つかめない!
ZZZZZZT!! 落雷にも似た強烈な電流が周囲を焼き払う!
「…カエレ…」「アーアーアー」「イタイイタイ…」
こうげきの しょうたいが つかめない! つかめない! つかめない!
命中すれば、その攻撃は目から涙を溢れさせ、体を麻痺させ、凍結し、頭を混乱させていたはずだ。
だが……通用しないッ! マジェントの意志の力が、怒りが、ムカつきが、恐るべき『ギーグ』の攻撃を防いでいるッ!
黄金の精神も、漆黒の意思も持ち合わせぬ、たかが下っ端のクソ野郎が! 恐怖のラスボスの攻撃を無効化しているッ!
これは人間賛歌なのか!? それとも……!? ギーグの闇雲な攻撃は、なおも続く! 防ぎきれるのかッ!?
◆
ギーグはそのまま寺を侵蝕し、歪め、壊し、通り過ぎていく。
竜巻が通り過ぎたように、寺はバラバラになり、見る影もなくなった。ギーグの姿もない。
どこへ消えたのか? 地下、空中……あるいは海中か。その破壊の痕跡は、寺の外へ続いている……。
……何分が過ぎたのか。
マジェントは……生きている。スタンドをゆっくり解除し、抜け目なく目を周囲に走らせ、安全を確認する。
彼にとって幸運にも、牛頭鬼はどこかへ去っていた。すっ、と立ち上がる。彼の目には―――確かな自信。
「良ォーーしッ!」
【マジェント・マジェント……生存】
【ギーグ……生存、行方不明】
【源元気(げんげん)……消滅】
【牛頭鬼……生存、他のレギュレーション違反者のもとへ】
To Be Continued…⇒
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【F-08(無学寺跡)/00時55分】
【マジェント・マジェント@ジョジョの奇妙な冒険 SBR】
[役]:親
[状態]:健康(戦闘で左目を失っており、偏頭痛やよだれ・鼻水を垂れ流す後遺症がある)
[装備]:スタンド『20th Century BOY』(動かなければ絶対防御)、レミントン・ダブルデリンジャー@現実
[道具]:頭陀袋(無学寺から調達、金目のものが適当に詰め込まれている)
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこで優勝する。とりあえず『子』を守れば良いのかぁ?任せろ!
1:子や親を探す。
2:あの変態野郎(げんげん)を見つけ出して殺す。
3:災害(ギーグ)を無傷で乗り切ったことで自信がついた。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
レギュレーション違反に気づいた主催者から追手がかかっている。優先順位は比較的高い。
デイパックと支給品二つ(シザースのデッキ@仮面ライダー龍騎、金塊@Gengen Channel)はミラーワールド内に放置されています。
消滅するか、また既にしているかは不明です。
【???/???】
【ギーグ@MOTHER2】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:無し(支給品は全て破壊済み)
[思考・行動]
基本方針:皆殺し(ギーグがそう思っているわけではなく結果的にそうなるのである)
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投下終了です。
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投下乙です
下っ端のクズがあのギーグをwwww
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投下します
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町の近くまで来たアルシアは無言で周囲を見回す。取り逃がした少年と少女の姿は何処にも見えない。
脚の再生、アリスの捜索、武器の確保と、時間を食った事が災いして、アルシアは真っ直ぐ西に向かった桐山を完全に見失っていた。
獲物を二人とも逃したのは失態だ、主人が知れば落胆するだろう。
「…………」
失態を挽回する為にアルシアは暫しの間考える。
「………………?」
只々主人の考えた通りに動くだけだったアルシアにまともな考えが浮かぶ筈も無い。
嘆きの鉈が無ければ、無力な参加者を装っての不意打ちも可能だが、主人から授かった祭器を捨てるなど有り得ない。
考える事をやめて、獲物を求めて何処かへ行こうか決めあぐねていたアルシアの耳に、破砕音が聞こえた。
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ペニーワイズに一撃を受けたしのぶは気絶したままだ。応急処置はしたが、起こさない方が良いだろう。
何か行動するにしてもしのぶが目を覚ましてから。そう決めた早人は、家の中に籠城する事にしたのだった。
玄関は鍵を掛け、動かせる物を扉の前に積み重ねてある。
窓は…雨戸を閉めようとしたが、他の家が雨戸を閉めていないのに、この家だけ雨戸を閉めていては、目立ってしまう為にそのままだ。
それに、玄関を塞いだ今となっては、雨戸を閉めて仕舞えば家から脱出する事が困難にぬる。やはり窓は鍵を掛けるだけにしておくべきだろう。
一通り準備を終えた早人は窓から外に出てデイバッグの中身検める。
隼人は履き替えた靴に目を落とす。母が持っていたデイバッグに入っていた三つの品物の内、巨大な手甲は使えそうに無いので放置、早人にはやや大きい盾と、ツマミのついたかなり小さい靴を何とか履いた。
歯車や砂が内蔵されている盾はギミックの解明に時間がかかりそうなので、靴から先に調べる事にする。通常の靴には無い、このツマミに仕掛があるのだろう。
ツマミを回してみるが何も起きない。少し考えて、手近な石を蹴り飛ばすと、ライフル弾もかくやという勢いで石が飛んでいき、
隣家のガラスを粉砕したのみならず、家屋を貫通して屋根から飛び出して行った。
「ゲェーーー!!」
あまりと言えばあまりの威力に驚愕した早人だが、即座に身を翻した。あれだけの音を立ててしまったのだ。鬼が近くに居れば必ずやって来るだろう。
慌てて家の中に入り、窓を閉めて鍵を掛け、カーテンわ閉ざす。
そしてカーテンの隙間から外を窺っていると、果たしてソイツはやって来た。
ぱっと見は貫頭衣を纏っただけの少女。しかしてその矮躯では到底保持出来ない筈の巨大な鉈を持っている。
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「お、鬼か?」
少女は早人が放置した手甲を拾うと左右を見回す。付近に誰か居ないか探しているのだ。
一瞬の間、息を殺して様子を窺う早人と、少女の視線が交差する。
少女の顔を真正面から見る事になった早人は総毛立った。
早人の知る二人の鬼。吉良吉影とペニーワイズ。この両者と比べると明らかに少女は
『異質』だった。
あの二人には歓喜が有った。憤怒が有った。ドス黒くはあったが、確かに『意志』と『感情』が有ったのだ。
だが、今現在早人の視界に映る少女には『何も無かった』。
『黄金の精神』も『漆黒の意志』も、喜怒哀楽のいずれも見出せぬ『虚無』が顕れた顔に早人は心底怯えた。
何とか悲鳴を押し殺し、少女がこのまま気付かずに立ち去ってくれる事を祈る早人だが、現実は非情で有る。
少女の左手が霞むと飛来した刃が窓ガラスを破砕する。
「う、うああああああああああ!!!」
絶叫しながらも早人がドアの方へと転がった直後、早人の居た辺りの壁が撃砕された。壁だった構造材が室内に散乱し、破壊エネルギーの余波で家全体が激しく震える。
「ひいいいいいっ!」
家屋が倒壊してもおかしくない程の震動に、早人は頭を抱えて蹲った。震える手が扉へと伸びる。
散乱ささた瓦礫やガラス片を踏みしめる音がした。鬼が近づいて来ているのだ。
「うああっ!うああああああっ!」
鬼が見せた凄まじい破壊力と、未知の異質さに怯えきった早人は逃げ出そうとして────。
「ハッ!?ママッ!」
心が折れそうにったが、扉の向こうに居る母の事を思い出して顔を上げた。
此処を通せば、此奴は必ずママを殺すッ!だったら此処で此奴は必ず殺すッ!
鬼に向けられた早人の顔には苛烈な強い意志が宿っていた。
扉に背を預けると、背負ったランドセルを胸に抱え、猫草を鬼へと向ける。これで一撃を加えた後、このシューズで蹴り飛ばすッ!
「キシャアアアア!!」
光による刺激に猫草が空気弾を放つが、少女は右腕に装着した手甲で払いのけてしまった。風船の割れるような音が室内に響く。
無言のまま少女は左手のみで保持していた巨大な鉈を両手で握り、早人の恐怖を誘うように、緩慢な動きで振り上げる。
盾で受ける?不可能だ。受けて持つとは到底思えないし、盾が持ったとしても身体が砕ける。
早人の進退窮まったその時────。
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「早人っ!?」
轟音と震動に目を覚ましたしのぶが、早人のいる部屋へと駆けつけ、ドアを蹴破らんばかりの勢いで蹴り開けた。
少女の視線がしのぶに向けられた瞬間!!
再度放たれた空気弾!猫草の野生の本能が、敵と認識した少女の隙を見逃さず、攻撃したのだ!!
至近距離からの不意打ちで放たれた空気弾が、少女の顔面に向けを弾けさせる。
「う、おおおおお!!」
千載一遇の好機を逃さず、早人の蹴りが少女の腹部を捉え、射出された砲弾の様に宙を飛んだ少女の身体は、向かいの家に激突。その勢いで家屋を倒壊させた。
「は、早人!?」
「逃げるよ!!ママッ!」
しのぶの手を取り、早人は破砕孔から外に出る。これだけの騒ぎだ、他の鬼がやってくるとも限らない。
【E-07/01時27分】
【川尻早人@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:子
[状態]:健康、右手に切り(治療済み)、ペニーワイズへの怒り 、少女(アルシア)への恐怖
[装備]:『水晶』、ランドセル 、キック力増強シューズ@名探偵コナン、ほむらの盾@魔法少女まどか⭐︎マギカ
[道具]:猫草@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない、救急箱
[思考・行動]
基本方針:母を守り、帰還する
1:ペニーワイズ、鬼に警戒。
2:親か子と合流する
3:ここから離れる
※その他
※各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。
※自分の役を子であると推測しています
※ペニーワイズの『変身する能力』を認識しましたが、詳細は把握していません
※少女(アルシア)を認識しました。鬼だと思っています
※しのぶの支給品からキック力増強シューズとほむらの盾を装備しています。
ほむらの盾に関しては能力を知りません
【川尻しのぶ@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:親
[状態]:ダメージ(小)
[装備]:ー
[道具]:無し
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
1:早人……
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握
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アルシアは瓦礫の下で遠去かる二人の足音を聞いていた。
瓦礫の下から這い出るには時間がかかるが、あの二人はそれほど足が速くない。逃げた方向も足音から判別出来る。追いつくのは難しい事では無い。
アルシアは二人を追うべく、身体を圧迫する瓦礫を退かし始めた。
※粉砕王
手甲の臣具。文字通り装着者に対象を一撃で粉砕する怪力をもたらすが、使い方を誤ると自身もダメージをうける。
尤もアルシアはデメリットを無視して粉砕王を使用できるが。
相手を直接叩く以外にも巨大な瓦礫を投げ飛ばす、拳圧で相手を吹き飛ばすといった使い方も可能。
【E-07/01時27分】
【アルシア@白貌の伝道師】[役]:鬼
[状態]健康 魔力消費(中)
[装備]:嘆きの鉈・群鮫@白貌の伝道師、紐付き柳葉刀@BLACK LAGOON、粉砕王@
アカメが斬る!零
[道具]:スマートフォン(鬼)
[思考・行動]
基本方針:出逢った全てを殺す
1:桐山を追う。殺したら死体を回収する
2:次からは獲物の脚を最初に潰す
3:この付近に居る獲物を追う
※その他・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※桐山の顔を把握しました
※アリス・カータレットの顔を把握しました
※川尻早人を認識しました
※川尻しのぶを認識しました
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投下終了です
続いてグレーテル、エスター、しんのすけで投下します
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「居ないね」
「居ないわね」
交番の周囲を探索するしんのすけと、交番の内部を探索するエスターが声を交わす。
拡声器を通じた桜井リクと『古畑』の遣り取りを聞いた三人はこの交番までやって来たのだが、既に『古畑』こと今泉は学校に向かって移動していた為に、当然のように行き違いになっていた。
今はしんのすけが交番の周囲を探索し、エスターは交番の内部で武器になるものを物色していた。
(うーん。この地図交番がどこにも載って無いんだけど)
そしてグレーテルは、エスターを横目で監視しながら地図を見ていた。
自分の同類のエスターが凶器を漁っているのは、グレーテルとしては気になるのは当然だった。
(まあ此方に向かって来れば殺すだけ)
物騒な事を極自然に思考しながら地図を見る。
この地図には交番が記載されていないが、『
古畑』が話していた相手は学校に居る。
つまりは此処は学校にほど近い場所なのだろう。
だがそうすると、北に移動した事になるのだが、グレーテルの感覚からすれば、北に移動した覚えは無い。
グレーテルの感覚が正しければ、『地図に載っていない学校が存在する事になる』。
(まあ、地図を見て走った訳ではないものね)
グレーテルはそう結論を出すと、二人に向かって提案する。
「『古畑』さんは、学校に向かうって言ってたから私達も行ってみましょう」
グレーテルとしては、なるべく多くの人と会いたいのだから、当然の提案である。
「けど、学校の場所が分からないぞ」
しんのすけも他の人、出来れば大人と接触したいので否定しない。
「私達は『古畑』さんを見ていないし、私達の来た方向とは逆の方向に有るんじゃないかしら」
エスターとしては『親』という肉盾が欲しい。
三者三様ではあるが、彼等は他者との接触を望んでいた。
「なるほど、では、向かいますか」
しんのすけが言うと、三人は学校が有ると思われる方向に向かって移動を開始した。
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【チーム見た目は子供】
【G-08(交番)01時15分】
【グレーテル@BLACK LAGOON】
[役]:子
[状態]軽トラを運転中
[装備]:BAR
[道具]:不明(社務所で凶器として使えそうなものを中心に回収)
地図(Bルート)
[思考・行動]
基本方針:皆殺し
1:取り敢えず学校に行く。
※その他 自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・制限時間は全て未把握
地図(Bルート)を交番で把握しました。
【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:ネネちゃん家に行く。
1:みんなで学校に行く。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【エスター@エスター】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:ハンマー、青酸カリ@バトルロワイアル
[道具]
[思考・行動]
基本方針:子のふりをして立ち回る。
1:子として親の庇護を受けつつ、参加者の情報を集める。
2:制限時間が近づいたら、親を減らす。
*その他
自分の役、各役の勝利条件、制限時間を把握。
※交番内で武器になりそうなものを入手したかも知れません。
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投下を終了します
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皆さん投下乙です。
未だかつてこんなにも輝いているマジェント・マジェントは見たことがありません。
これは空前のマジェント・マジェントブームが来ますね。
そして再投下と思ったら展開が変わり二話になるとは。
二話連続で鬼と戦う早人は殺人鬼に狙われる星の下にでも生まれれているのでしょうか。
それでは私も投下します。
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気疲れという言葉があるが超能力者の場合はそれは疲労と同義である。テレパシーというものは高い感受性であり悪臭や騒音や振動を一般人が不快に思うのと同様に、場の空気、特に怨念のようなものはストレスとなる。
(全然戻ってこんなあ。やっぱりこの場所自体がイヤな感じがする。)
名波翠は荒れた息を整えながら床伝いに伸ばすイメージで伝わせていたテレパシーを中断した。
中沢と共に鬼から逃亡して小一時間、彼が逃げ込んだ先のホテルに侵入してきた男と会話している様子を翠はテレパシーで伺っていた。壁などを無視すれば直線距離で50mもない。この程度であれば普段なら会話を盗み聞くぐらいはできるはずであったのだが、体調と環境のせいで成果は得られなかった。得られたのは余計な疲労だけ。骨折り損のくたびれ儲けとは正にこのことである。
(ま、さっきみたいなんやないだけでもええか。話し込んでるってことは少なくとも人間やろ。)
しかしそれで引き下がるような玉ではない。戦闘にはなっていなさそうだと判断すると立ち上がり服の埃を落とし始める。相手が一般人ならば今の自分でもまず確実に畳める。爆弾やらマシンガンやらを持たれていれば厳しいが、拳銃ぐらいなら念力で引き金を固めてしまえばつけ込む隙もできるだろう。そう計算をつけると、手近な窓ガラスを鏡代わりにし髪を整えようとして、翠は気づいた。
(なんでや……『見られ』てる……?)
窓ガラスの前に立った途端感じた、悪寒と視線。超能力者としての感覚が告げる、襲われる側が晒される目。ハンターに狙われた野生動物や実験室のネズミにでもなったイメージ。
ピシッ、という音を立てて、翠はガラスにヒビを入れていた。
「何やっとるんや……私は。」
本能的に、無制御に力を使った結果を見ながら、翠はハァとため息を自分に向けてついた。どうやら自覚している以上に参っているようだ。意識せずに力を使ってしまうとは。もう少し冷静にならないといけない。
手早く手櫛で髪を整えると翠は扉に手をかける。割れたガラスが一欠片落ちたことには気づかなかった。
「――それで、中沢くんと一緒にここまで逃げてきたんです。」
「なるほど……なら『早く』ここを離れたほうが良さそうだ。」
「ええ、ここじゃ誰がどこから入ってくるかもわかりませんし……」
(大学のセンセイとか言うとったけど、物分りよくて助かるわ。ここに残るとか言ってたら見捨てるとこやで。)
稗田の手をわざとらしく握りながら翠は内心で何度目かのため息をつく。しかしそれは今までの違って安堵の色が濃い。ゆえに稗田の目が笑っていないことに気づきつつも、翠の心には一つ安心感が広がっていた。
(にしても心の読めんオッチャンやな。固く心を閉ざしてる。これやったら本当に『親』かもわからんやん。)
稗田がそうしているのには彼女が力を使って探りを入れてきているのを感じ取ったからなのだが、まさか自分が超能力者だと勘付かれているとは思わない彼女はごちる。超常現象に遭遇した数なら十を越す彼女だが、いかんせん相手が悪い。彼女が立ち向かうことになったものに類するものと超能力もなしに出会い生還しているのだ、稗田はある種彼女にとって天敵と言えるだろう。
既に稗田の中では半ば翠は『鬼』という判定の元で考えねばならないものとして固まりつつある。少なくとも、ただの一般人ではないとほぼ確信していた。
「だが、どこに逃げるのかが問題だ。」
しかしそのことを稗田はお首にも出さない。現状彼だけならどうにかなるだろうが、中沢はそうはいかないだろう。翠が『鬼』であろうとなかろうと、刺激してプラスにはならない。中沢が翠の態度で手の平を返すような人間ならば話も別だが、彼の言動を考えると無意味な仮定だろう。よって稗田は子供たちを保護する大人として振る舞う。
「この絵図を見てほしい。縮尺もわからないが、瀬戸内海の島なら徒歩でも充分移動が可能な面積のはずだ。道は二つ。」
そう言って稗田は壁に落書きされた文字――の下に薄く貼られていた島の絵を指し示す。近代的な測量とは無縁のそれはしかしこの島において数少ない島の全景を現したものだ。
「一つは神塚山を登る。森山だが山頂を目指せば高低差の関係で遭難する危険性は低いだろう。そこから北の学校か南の神社、または東の灯台を目指す。」
「もう一つは、ここから真っ直ぐ北上して鎌石村を目指す。道標は無いが池まで出られればあとは辺りを伝っていけばいい。」
「北上って、あの鬼の方に行くってことですか。」
「確かにそうだが方角「最初のルートにしましょう。ね、中沢くん。」――君はどうしたい?」
「その……どっちでもいいんじゃないかと……」
「そうか、なら決まりだな。」
結論は出た。
稗田は二人の目を見てから言うと立ち上がった。
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百万、二百万、三百万と、札束が宙を舞う。片手で現金をお手玉しながら、ヤン・バレンタインはもう片方の手でスマホをいじっていた。画面を見るに使えるようになるまであと一、二分。時間を持て余しているようにも見える。が、そうではない。柄にもなく、と本人は前置きした上で困惑していた。
キュベレイMk-Ⅱ、プルツー機の上で。
――そういえばこの紙袋の中身見てなかったな、と山頂が近づいてきて冷静になったのがきっかけである。
単なる憤慨が幾分落ち着いたことで冷静な苛立ちになり、なにかやつあたりできるものでもと無造作に紙袋に手を突っ込んだ。それがいけなかった。
最初に出てきたのは妙な機械だった。通信機器らしいことはわかったがまだ何分か待たなくてはいけないらしい。アタリっぽいが判断は保留。しかし少し機嫌は良くなった。
次に出てきたのは札束の入ったカバンだった。正直ハズレだが、地獄の沙汰も金次第という言葉もあるし現金を貰って悪い気はしない。なかなかいい流れである。そしてこうなると次への期待が高まる。
そして三つめ。正体のわからない手触りに中身を確認すればいいものの、そんなことに使う秒を惜しんで手を引き抜いた。するとどうなるか?プラモぐらいのものが出した途端に巨大化してヤンには見えた。そして。
ドッシイイイイイイン!!!
「ええ……」
困惑の声を上げるヤンの前で、赤い機体は木々を押し潰し横たわった。
「限度があんだろよ。こいつは四次元ポケットか?」
悪態をつきながらヤンは札束を四つに増やしお手玉を続ける。まさかこんなもんが出てくるとは思わなかった。どう考えても鬼ごっこには過ぎたるSFチックなロボットが出てきた。つーかこれガンダムだろ。ガンダムで鬼ごっこしろってか?あれって走るスピード百キロぐらいか、俺が走った方が速えじゃねえか。てかこんなデケえもんで追いかけたらソッコー見つかるっての。動かし方も分かんねーし。コックピットに入れもしねえ。
「ん、来たか。」
そんなことを考えながらも、ヤンの耳はこちらに向かい来る足音を捉えた。吸血鬼の聴力は数十m先の森を歩く一般人程度難なく見つける。ましてこの地獄、生きているものは参加者だけ、音源=人である。
キュベレイが倒れて大きな音を立てた時はどうしようかと思ったが、彼はそれを誘蛾灯として利用することにしたのだ。あの音を聞きつければバカな人間が向かってくることが望める。ちょうど連絡手段も手に入ったことだし『鬼』の牢獄に戻ることは休憩がてら先送りにして待ち伏せることを選んだ。そして待つこと数分、そろそろ移動を考え始めたところで足音が聞こえてきたのだが。
「チッ、離れ始めたな。」
足音は距離を取り始めた。こっちから行くっきゃねぇな、と呟くと、ヤンはキュベレイから飛び降りた。
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(近づいてくるな……『鬼』かはわからんけど、たぶん、イヤな感じ……)
「静かに……止まってくれ。」
ホテルを後に歩き始めて20分弱、進行方向とは少々違うが、山頂の方角からなにかが倒壊する音がして5分ほど。怪音に驚き小休止を兼ねて息を潜めていたがそれきり何もないので山登りを再開していた中沢達は、稗田の一声でまた息を潜めた。「誰か近づいてくる。たぶん一人だ」とほとんど声を発さずに話す稗田の言うとおり、三人の視界に人影が一つ写る。全身黒ずくめで、重そうに荷物を抱きかかえている、おそらくは男。そして外人。その荷物がカバンと銃だとわかる頃になって、人影ことピアスの男は「おい誰かいるのか!」と声を荒げた。
「俺は『親』だ!そこにいるんだろ『鬼』さんよぉ!出てこねえとぶっ放すぞ!!」
「私が話してくる。もしもの時はすぐに逃げるんだぞ。」
「ちょっと、稗田さん!」
「名波さん、危ないから。」
(グダグダしてねえで全員出てこいよ。)
さてピアスの男ことヤンはもちろん『親』ではないし中沢達のひそやかな話し声も全て聞こえている。今回彼は『親』と騙って接触することを選んだ。理由は前回とは違う手を使ってみようと思ったから、以上である。
しかしその演技は程々にうまかった。特にぶっ放すぞというのはとても脅しとは思えない(実際脅す気は無くぶっ放す気マンマン)ほどで、それが稗田に接触することを選ばせた。
そしてここに四人の人間が集まることになり、この島で幾度となく行なわれた『役の確認』・『自己紹介』・『自分が情報を持っていないことをとりあえず言っておく』の情報交換三点セットをヤンが銃をチラつかせながら一分で済ませ。
「――つーわけで、森の中彷徨ってたら突然木が倒れだしてなんだと思ったらコイツが寝てたんだよ。」
「「「ええ……」」」
中沢たち三人はクッソ適当なヤンの説明と共にキュベレイを見つけた。
これぞヤンの作戦、『都合の悪いことはよくわかんないけどそうだからで済ませる』である。
どうせこの地獄、わけのわからない存在に溢れているのだ。吸血鬼の自分が言うのもなんだが、ビッグフットが参加者ならロボットが落ちてたってそう問題になりはしないだろうという極めてシンプルな考えである。そもそもここが鬼ごっこの舞台ということすらろくに知らない奴が多いのだ、バレねえバレねえ。
あとさっき会ったビッグフット達については完璧に説明は放棄した。吸血鬼なら姿とか変えられるし、そういうタイプの参加者もどうせいるだろう。なので今まで誰とも会ってこなかったという後先考えていない嘘を平然とついた。てかビッグフットに会ったなんて云ったらシャブキメてんのかって思われてそっちの方がヤベー。
(いやー俺頭良いわ、この調子でこれ動かせるヤツ見つければOK、ハズレでもぶっ殺せばOK、完璧だわ。)
自分の支給品のロボットを置いてくのがイヤということで、主催者本部に行くことは更に後回しになるような選択をしているのだが本人はまるで頓着しない。どだい計画性とは無縁の男だ、軌道の変更も修正もその時次第である。
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(いやいやいやどないなっとんねん。)
そしてそんな男に巻きこまれる側は溜まったものではない。言動がチンピラっぽい謎外人に謎ロボットを見せられた翠は、もう何度目かわからない困惑を覚えながらとりあえずテレパシーをしてみた。
それまでホラーだったのが突然のSFなんてんなわけあらへんやろという気持ちで過去を読み取る。物へのサイコメトリーはよほどのもので無ければつい数分前の強い感情のものぐらいしか読み取れないが、音がした時間を考えれば対象の範囲内、直ぐにその時の様子が頭に見えてくる。その光景は、ヤンが紙袋からプラモを取り出したと思ったらそれが巨大化するビジョン。
(はいアイツ嘘ついてた。自分がやったんやん。ほんであの紙袋なんやねんもっとわけわからんもんやん。)
結果、翠、速効でヤンの嘘を看破。しかし同時に新たな困惑に襲われる。見えたビジョンからすると、謎の四次元ポケット的な紙袋があった。なんとなくだが、物を大きさとか無視して入れられる感じのものだろう。そういう不思議な物自体があることは別にいい。ホントはあんまりよくないが、いい。問題は、あんまりにも色々出てくることだ。
(人の形した神にロボットに四次元ポケット、なんでもありか。あーもう!つながりがなさすぎる!これ一つの超能力者とかが起こせるレベル超えとるわ。)
通常、超常的なアイテムにはある程度の法則性がある。ようするに、『ノリ』が一つなのだ。たとえば江戸時代にタイムスリップするような時には当然ロボットは出てこない。だからそういうわけのわからないことに巻き込まれたときは、そのわけのわからないことと関連のありそうなものから探っていくのだ。
が、今回のおそらく鬼ごっこにはそれがない、もしくは見つけられていない。それが隠された関連性なのか巨視的な視点が必要な関連性なのかはわからないが、ともかく見えてこない。手がかりを探ってよけい謎が出てくるとなると翠としてもいよいよ今回のことが大事に思えてきた。
(アカン、これはウチの手に負えんわ。悔しいけど、蘭がいたとこで生きて戻れるとも思えんぐらいや。まして一人やったらいつ死んでも……って!ガラにもないわこんなん。蘭やったら諦めん。それに!もう一度凛さんの顔を一目見んかったら死んでも死にきれん!待っててください凛さん!)
ちなみに彼女、いかんせん男の趣味がイマイチで、いわゆる恵体な男性がタイプである。思い人も柔道をやっているガタイがいい男だ。
(誰の男の趣味がイマイチやって!って一人でやってても寂しいだけやな……ギャグやってる場合ちゃうわ、次はあのヤンとか言うヤンキーや。ちょっとだけ心見させてももらうからなあ……)
ピシャリと見えないように顔を叩いて気合を入れる。くぐってきた修羅場は一つや二つではないのだ、この程度で折れるメンタルはしていない。どんなわけのもわからないものでも時間をかけて調べていけば手がかりの一つぐらいは見つかるのだ、たった一時間ほどで諦めるわけにはいかない。
ちょうど中沢も稗田もロボットに注意が向いている。二人がもし超能力者でも直接ヤンに触る形でのテレパシーなら勘づかれ難いだろうという計算をすると、翠は足を向けた。向かう先は、当然ヤンのもと。
「あン?なんだ嬢ちゃん?」
「ヤンさん、さっき私たち『鬼』に会って……ここもすぐに離れた方が……」
(よし、手に触った。ほな見させてもら――)
そしていかにもこの状況に怯える可憐で儚い少女を装いながらおずおずという擬態語が似合う動きでヤンの手をとりテレパシーを使――『何見てんだよ』――
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(アカン!こいつウチと同――)
「なぁ?何見てんだよ、翠だっけ?翠、ミドリ、グリーンか。ヘイ!リトルグリーンモンスター!」
ヤンは音もなく飛ぶと近くの木の上へと翠を攫った。中沢達は、気づかない。元々ヤンがいた位置は死角。中沢達がそういう位置関係になるタイミングを見計らったのは、他ならぬ翠。
(しまったッ!ウチは何を焦っとったんやッ!誘い込まれた?超能力者とバレてた?今バレた?ちゃう!そんなことよりもっと考えるべきは……)
「なーんか心がスースーする感覚がしてよォ��。いやあ経験だねえ、何でもやってみるもんだ。で、オタク何者?」
(……ほとんど、見えへんかったけど、一つだけわかる……コイツは間違い無くッ!鬼やっ!!)
実のところ、ヤンがテレパシーに気づいたのは偶然だ。彼を吸血鬼にした組織にそういうことを得意とするタイプや人の心の中にでも現れるタイプがいたからだ。それが翠にとって不幸な点であったが、もう一つ。吸血鬼の反射神経が迅速なヤンの対応を招き翠の窮地も招いた。
(ま、まだやっ!まだ死ねん!死ねるかいな!ウチは――)
「あらあらあら?俺の言葉通じてる?通じてるよなあなんか知んねえけど。で、なんで黙ってるわけ?」
(クソッ、なんでこんな、ちゃう、考えろ、何を、なんか、なんでもいいから――)
「あぁ……なんかわかんねえけど話せないか、話せない。んじゃしかたねーなぁしかたねー。死ね。」
(殺されんためにウチは――)
ヤンの手がそれまでの甘い首の締め方から持ち直される。それは次の瞬間にはくびり殺すための準備動作であり、翠はそこに賭けた。
「ウチは、『鬼』や。」
「……あぁ?」
「ウチは、『鬼』なんや。アンタと一緒で。」
ヤン・バレンタインは改めてスマホを見る。
画面には十二人の顔写真がアイコンとして並びその名前が記されている。
もちろんそこに翠の名は無い。
名波翠は自分のテレパシーが通じないのを自覚しながらも打開策を考える。
相手は他の『鬼』を把握しているかもしれないしそもそもこれが鬼ごっことも限らない。
そうであっても自分の嘘が嘘とバレないように、騙し切る必要がある、だから。
「私は、『子』の役だけど、『鬼』なんです。」
口から出たのは正しく出任せ。
これ一つで命がけで騙しきらなくてはならない。
-
【E-05/01時02分】
【名波翠@テレパシー少女蘭】
[役]:子
[状態]:疲労(小)、キングとヤンへの恐怖
[装備]:『お守り』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:こんなアホなことをしでかした奴に一発焼き入れて帰る。
1:アカン口からデマカセ言うたけどこれどないして信じさせたらええねん。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を子と推測。
テレパシーなどの超能力が使えるが、普段よりは疲れやすい。
【稗田礼二郎@妖怪ハンター】
[役]:親
[状態]:やや疲労
[装備]:スリケン@ニンジャスレイヤー、ジャイロの鉄球@SBR
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:ロボットに興味。一度四人でしっかり情報共有をしたい。
2:中沢くんは信頼するが、名波くんは警戒。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【中沢@魔法少女まどか☆マギカ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:学生鞄(中身は教科書とかノートとか筆記用具とか)
[思考・行動]
基本方針:とりあえず人を探す。知り合いがいたら合流したい。
1:稗田さんに着いていく。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を子と推測。
【ヤン・バレンタイン@HELLSING】
[役]:鬼
[状態]:健康、苛立ち
[装備]:FN P90 短機関銃 2挺 サプレッサー&スコープつき(弾丸を多少消費)、スマホ(鬼)、五千万円@ランナウェイ、キュベレイMk-2@機動戦士ガンダムZZ
[道具]:四次元っぽい紙袋
[思考・行動]
基本方針:殺し、犯し、食らう
1:鬼だぁ?なにいってんだこいつ。
2:トンファー使いの少年と大猿を「鬼を襲う狂った鬼」と認識。一旦撤退し、本部や他の鬼へ連絡に行く。
3:プラモ入ってんなとは思ったけどロボットかよ。わかるかこんなん!
※その他
生きている人間の血を吸って殺すと、知能のないゾンビのような食屍鬼(グール)に変えてしまう。
※E-05にて1時数分前にキュベレイMk-2が出現し木々を押し倒しました。周囲に音が響きました。
【キュベレイMk-2(プルツー搭乗機)@機動戦士ガンダムZZ】
プルツーが駆るニュータイプ用MS。宇宙空間ではファンネルを用いた強力なオールレンジ攻撃が可能。地上でも使えなくもない。
【五千万円@ランナウェイ】
ランナウェイにて主人公達が手に入れた二億を山分けした札束。カバンに一杯に詰まっている。
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投下終了です。
コミケで今季の覇権アニメの若おかみは小学生の同人誌を買い損ねるという痛恨のミスを犯して悔しいのでおっことたえちゃんと草加雅人で書きます。
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ターニャ、ウェカピポの妹の夫、ヘルで書きます。
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投下します。
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「う……」
顔に水をかけられた感覚。意識を取り戻し、目をしばたたく。ここはどこか、家屋の中のようだ。
顔面がヒリヒリと痛い。鼻血が出ている。歯は無事だ。何が……起きた。記憶をたぐる。
そうだ。突然この奇妙な島に転移させられ、「鬼ごっこをしろ」とか命令されたのだ。確実に『存在X』のせいだろう。クソッタレめ。
しばらくして、河島龍之介、リュウと名乗ったヤクザの男と出会い……情報交換を行った直後、『鬼』に襲撃されたのだ。
反撃を行おうとしたが、その鬼の背からもう一体の鬼が出現した。目の前が真っ暗になり……それから、どうなったか。
気絶から回復した時、そうだ、路上に投げ出されていた。鬼が捨てていってくれたとも思えないが、では、リュウが救出してくれたのか。
あたりを見回しても、リュウも鬼も姿が見えなかった。リュウは、どうなった。捕まったか、死んだか。鬼は。
とにかく、路上に倒れていてもしょうがない。さっきの鬼や新たな鬼に見つかってはおしまいだ。
リュウは……生きていれば、会えるかも知れない。死んでいればそれまでだ。
ふらつく頭を抑え、民家へ近づく。身を隠さねば。視野が狭まり、足元がおぼつかない。あの鬼の攻撃は何だったのか。気分が悪い。
そんな状態でうろついていたから――――この有様だ。
目の前でペットボトルの水を呷っているアホそうな男が、こちらの覚醒に気づいた。
黒髪だが、顔つきは西洋人のようだ。腰には長剣。と、妙な鉄球。
「…………」
「……おはよう、ございます」
顔を歪めて苦笑し、男に小声で挨拶する。こいつが鬼ということか。
こちらは、椅子にロープで縛られている。殺されずに済んだと考えれば最悪ではないが、何をされるか。
男は眉根を寄せ、鼻を鳴らし、首を巡らして、奥へ呼びかける。
「ガキが目を覚ましました!」
「おう」
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のそり、と白髭の男がソファから身をもたげ、近寄ってくる。
そいつの顔は紫色で、ジジイのくせに筋骨隆々。アホそうな黒髪の男よりは明らかに賢く、強い。
明らかに子ではない。親か、鬼か。その手には携帯端末と杖。杖は、こっちの顔面を殴った鈍器か。思い出して来た。
「小娘。ワシは『Dr.ヘル』じゃ。名を名乗れ」
「……『ターニャ・デグレチャフ』……です」
「そうか。ワシは役目上は『鬼』じゃが、お前を殺す気は『いまのところ』ない。ラッキーと思え。ありがたいと思えい」
「あっ、はい。感謝いたします」
作り笑顔を浮かべ、追従を述べる。生殺与奪を握られている以上、仕方あるまい。彼は続けて、こう告げた。
「お前をこれから、このゲームの『本部』へ連れて行ってやる。子は殺さずともよいそうでな。
そこで内部の情報を集め、ワシに報告せよ。手段は問わん。お前が考えよ」
……なるほど。この私を戦略的・戦術的に活用してくれる、ありがたい上司というわけか。
しかし、おめでたい奴だ。私が彼の、いわば裏切りを『本部』とやらへ告げ口したらどうなる。この会話が盗聴されていればどうする。
もし『本部』へ送られた私が、その場で殺されたら……まあ、それはこいつには関係ないか。別の『子』を送ればいいだけだ。
ともあれ私が帰還出来るか否かは、この作戦にかかっている。いいだろう、乗ってやる。嬲り殺されるよりは遥かにマシだ。
ならば、猫を被って幼女のフリをする必要もあまりない。有用な人材であることをアピールせねば。
「その……いくつか、質問と要求、よろしいですか」
「ある程度は許可する。作戦には信頼関係が必要じゃからの」
「感謝します。まず……子である私は、詳しくこのゲームのルールを知りません。
あなたが知っている限りのことを教えて頂きたい。無論、こちらからも知っている限りの情報を出します」
「もっともじゃな。なかなか聡明じゃぞ。手駒としては良い奴よ。ワシは有能な奴は好きでな」
Dr.ヘルとやらが、ニタリと笑う。そうだ、当たりを引いたと思うがいい。こちらもそっちを値踏みさせてもらおう。
黒髪の男はヘルに無言で促され、慌てて私の束縛を解いた。
-
◆
黒髪の男―――『ウェカピポの妹の夫』は、手持ち無沙汰気味にペットボトルの水を呷る。
デイパックの中身は確認し、ヘルとターニャにも公開した。
アメリカ製の拳銃、コルトSAA「ピースメーカー」が二挺と、見慣れない擲弾が一つ。内ポケットには親のルールも書いてあった。
護身用に拳銃と擲弾をターニャが欲しがり、ヘルも許可したのでくれてやった。彼女が庇護者であるオレたちを殺す理由はあるまい。逆らえば殺す。
これでひとまず、愛も信頼もない、恐怖と打算で結びついたチームが出来た。
ただ、このターニャとかいうガキは……どうも、不気味だ。気味の悪い笑顔といい漂う殺気といい、Dr.ヘルの同類だ。
マジで『子』なのか? 『鬼』じゃあないのか? いや、鬼か子かは『本部』とやらで判別出来るだろう。
オレとしては、こいつらを仲間として生き残ればいい。話を聞く限り、鬼が親を殺すメリットはあまりないらしい。
Dr.ヘルの気まぐれが続く限り、オレの身は安全というわけだ。少々屈辱的だが……。
◆
Dr.ヘルは白鬚をしごき、ターニャの提言に耳を傾ける。
骨子はこうだ。作戦計画には賛同するが、自分を今、なんの準備もなしに本部へ連れて行くのは得策ではない。
中で何をされるか分からないし、連絡できるとも限らない。リスクが、不確実性が大きすぎる。
それよりも、もっと情報と手駒を集めるべきだ。この計画に賛同する子を、親を、さらには鬼を。
このゲームの盤面をひっくり返すというからには、それぐらいせねばならない。
「……ふむ。まあ、そうじゃな。……おまえを襲ったその鬼は、この近くにおるかな?」
「生きていれば、おそらく。話が通じるとは思えませんが……」
「そのヤクザ者も気になるな。鬼を殺すか、撃退したのであれば……この『お守り』を使ったのかも知れぬが」
Dr.ヘルが、ターニャから奪った『お守り』を掌で弄ぶ。ターニャは小銃ともども、支給品を彼に預けることにした。
敵対的な鬼に立ち向かう場合、彼が持っていた方が確実に鬼に命中させられるだろう。『子』が使用せねば駄目とは説明書に書いていない。
要は、この鬼に自分を守らせるのだ。いざとなればこの拳銃と、スタングレネードがある。
また、ヘルの持つ『スマートフォン』を用いれば、1時から他の鬼と連絡が取れるらしい。もうすぐだ。
作戦に賛同する鬼が多いとも思えないが、鬼たちが何という名で、どこにいるかを知るのも重要だろう。
「そのスマートフォンで他の鬼を確認し次第、襲撃された現場へご案内いたします」
「よかろう」
-
【チーム・ヘルインザ地獄】
【C-05/00時55分】
【ターニャ・デグレチャフ@幼女戦記】
[役]:子
[状態]:健康、顔面負傷
[装備]:コルトSAAピースメーカー@現実、M84スタングレネード@現実
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:このゲームから早期の脱出を目指す。
1:ヘルの対主催作戦に乗る。そのために準備を整える。
2:ヘルのスマートフォンで他の鬼を確認する。
2:自分が襲われた場所へ行き、何が起きたか調べる。
※その他
Dr.ヘル、ウェカピポの妹の夫と情報を共有し、鬼と親の持つ情報をある程度獲得。
【ウェカピポの妹の夫@ジョジョの奇妙な冒険 第7部 SBR】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:鉄球、剣、コルトSAAピースメーカー@現実
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:決闘を汚した主催者に責任をとらせる(女なら殴りながら犯す)。
1:逆らえば殺されそうなので、ヒゲの男について行く。
※その他
Dr.ヘル及びターニャと情報を共有。
【Dr.ヘル@真マジンガーZERO】
[役]:鬼
[状態]:超健康
[装備]:バードスの杖(ただし現在は機能が停止しているため実質は頑丈な棍棒程度、本人はまだ気がついていない)
[道具]:四次元っぽい紙袋、『スマートフォン(鬼)』、不明支給品2つ(確認済み)、島の地図2枚、
『お守り』(ターニャから説明書ごと奪取)、モンドラゴンM1908(小銃。ターニャから奪取)
[思考・行動]
基本方針:戦いに勝利し、この企画の主催にいるであろう兜十蔵をぶち殺す。その後に改めて世界征服に乗り出す。
1:従来のルール以外にゲームをクリアする方法があれば、兜十蔵の鼻を明かす為にもそちらを優先したい。
2:自分の対主催計画に他の参加者を巻き込み、情報と手駒を集める。敵対者は打倒する。
3:スマートフォンで他の鬼を確認する。
4:ターニャが襲われた場所へ行き、何が起きたか調べる。
※その他
ウェカピポの妹の夫及びターニャと情報を共有。
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投下終了です。
>>716
おっと、「ヒゲの男」のところを「Dr.ヘル」に訂正します。
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投下乙です
この二人といるとウェカピポの妹の夫の無能さ際立ちますね
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投下乙です。
だんだんと役を利用した行動をとる参加者が増えてきましたね。
まだまだ二週目に入っていない参加者も多いことを考えると人間関係が混沌としてきそうです。
それでは私も投下します。
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「いちおう言っておくけど、俺は鬼じゃな――」
金谷章吾が言い終わるより早く、佐山流美は物干し竿を振るう。ステンレス製のそれは重量から取り回しが悪く素人が振るったところでそうそう当たるものでもないが、直撃すれば一発で致命傷になりかねないものだ。それを危なげなくかわしながら章吾はどう目の前の相手をやり過ごすかを考え、流美はいかに目の前の相手を早く殺すかを考えた。
G-06で遭遇した二人が戦闘に突入するのにさしたる時間はいらなかった。スピードに任せた突貫を仕掛けた流美だが警戒されていたために空振りに終わり、しかし相手が無手のこともありラッシュを仕掛けることでリーチ差を活かしイニシアチブを握る。一方の章吾はたえちゃんが逃走しかつ農協のおっこに事情を話して立て籠るなり逃げるなり援護に来るなりの判断と実行ができるまで時間稼ぎをするつもりだった。鬼の単身での撃退も考えないわけでもないが、あまり体力を使えば後に響くためわざわざリスキーな手段はとりたくない。そのため最低限の動作でありながら慎重に攻撃を回避することに努めていた。そしてその結果起こるのは、戦闘の長期化である。
(早く、早く!)
(こいつ、こんだけ振っててまだ振りませんのかよ……)
焦りに駆られて物干し竿を振り回す流美は、息が上がりながらもしかし章吾を攻め立てる。腕が上がらなくなってきたことと振り慣れてきたことで大ぶりな軌道が小さく無駄のないものとなるが、駄目。いまだ当たらない。そのことが更に流美を焦らせる。
一方の章吾もこうして時間を稼いでいることに限界を感じつつあった。流美の気力と執念は想定を上回っており、その執拗な攻撃は徐々にであるが回避を困難なものしつつある。依然章吾は一発たりともかすりすらしていないが、常に振るわれるため足を止めることができない。これでは足を使わされてしまう。そしてもう一つ。この戦闘の中で二人は元の場所から離れ徐々に農協へと近づいていっている。章吾の誘導で東に回り込むような形にはしているが、しかし直線距離で言えば10や20mは詰められてしまっていた。これは考えものである。いっそ息があるうちにカウンターを仕掛けるか、それとも農協までダッシュで逃げてしまうか。そう考えたところで流美の物干し竿が顔面に迫った。
「ッ!」
息を呑む。バックステップでは流美の踏み込みと突き出しによるリーチの延長から逃れられず、尻もちをつくように倒れ込むこと刺突を凌ぐ。ぐっ、と声にならぬ息が漏れる。ハッ、と喜色の混じった声なき息が流美から漏れる。そこから振り下ろし。ローリングでの回避。凪ぎ。伏せて回避。再びの振り下ろしと、ローリング。
(やばい……立てねえ……!)
(殺った……!)
必死のラッシュが引き寄せたワンチャンスでありワンミス。章吾の体勢とともに崩れた均衡が勝負を動かす。うつ伏せになったその背中を刺し貫かんとでも言うかのように流美は全力で跳躍した。空中で物干し竿を背中に垂直になるように立て、全体重をもって振り下ろす。上半身を狙ったその一撃はどこに当たろうとも骨折か内臓破裂を確実に引き起こすだろう。
もし当たればだが。
「ナメんな。」
「ぎゃっ!」
行われたのは逆立ち放たれたのは後ろ蹴り。上半身の腕力・握力・背筋力を連動させた強引な体勢の変更とその副産物として上方向に向けられた下半身を蹴りとして使うカウンター。それが流美の顔面を急襲する。前歯を叩き折られながらも地面に刺さった物干し竿を引き抜こうとするも、一瞬早く勢いを無くした章吾の脚がそれを絡めとる。そしてポールダンスの要領で上下の動きを横への動きに変えた章吾に無防備な体を抑え込まれた。
まさしく一瞬の一転攻勢。絶対的な優勢が次の瞬間には絶望的な劣勢へとシフトする。腕を極められ大地に組み伏せられた流美は、その時になって自分の危機に気づいた。
なんで、どうして、と自問する。わけのわからぬうちに自分は武器を無くし身動きできなくされている。つい数秒前までは明らかに勝っていたはずなのに、なんたる理不尽!
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(包丁まで持ってたのか……ヤバかったな。)
一方の章吾に訪れたのは安堵感。不利な均衡をひとまず勝利で終わらせられたことは大きい。後は拘束したまま刃物などの凶器を没収して絞め落として逃げれば当座の安全は作り出せるだろうと考えながら流美から包丁を奪い取る。火事場の馬鹿力とでも形容したくなる強い抵抗はされたが、関節を極めているのだ、その状態で遅れを取るほど章吾はぬるい男ではない。今までの流美の動きからして彼女が武器を無くした段階で勝ちの目は完全に消えていた。
だから、まだ流美は限り無く詰みに近い五分であり。
「……んな。」
「は?ようやく話す気に――」
「ナメんなァッッ!!」
章吾の腕に熱が走る。そこに赤い線が真一文字に刻まれ空中へと歪に拡がっていくと同時に痛みが襲い、体勢が崩れる。
「死――ねええええええええ!!」
「クソっ――」
奪い取った包丁を取り落とす。それを抜け目無く奪い返した流美が振り下ろす包丁を手首を殴りつけて防ぐ。それと同時に別方向から向かってきた光に反射的に腕を上げ顔を守ると、再び熱が走った。
(こいつ、包丁を――)
「死ねっ!死んで!!」
(――包丁を2本持ってやがった!)
反転攻勢、両手に包丁を握った流美のラッシュが章吾を襲う。今度は物干し竿の時のように走り回って逃げることはできない。下半身は抑え込みをひっくり返されたため流美に乗っかられている。それは刃物を持った相手にマウントポジションを取られたことを意味する。この体制では格闘技でもそうそう勝ち目は無い。まして上にいる側が凶器を持っているとなれば。
「クソっ!クソクソっ!早く死ねって!」
(待て、止めろ、死ぬだろ、嘘だ、助けてくれ。)
結果は歴然としている。
流美の腕が振り下ろされる度に章吾は必死に腕を盾にする。それは命を繋ぐために必要な行為であるが、一撃毎に筋肉を破り骨を絶ち神経を斬り腱を抉られていく。出血とともに章吾の脳内を駆けるアドレナリンが増加、体感時間が引き伸ばされ自分の命が失われていくのが痛感させられる。ビクビクと痙攣する2本の腕を介して体に叩き込まれる。それと共にその視界には流美ではなく他の物が見えてきた。母だ。入院している母が章吾には見えた。それは走馬灯であったが章吾にはそれが何なのかすらわからなかった。ただただ必死に頭部を腕で抑えながら、なぜかすごく遠いものに思えていくその面影だけが印象的だった。
「これで、終わりだああっ!!!」
どこかで誰かが叫んでいた。必死な顔だった。誰が終わりなのか。章吾だ。章吾自身が終わりなのだ。
(――終われねえ。)
だめだ。
(――帰るんだ。)
いいやここで死ね。
(――生きて帰るんだっ!)
いいや違う、金谷章吾。お前はここで死――
「俺は、死ねねえっ!!」
「がっ、あがあああああっ!!!」
問答無用!それは頭突き!自分の顔面を掠める包丁を見向きもせず、佐山流美の鼻っ面に前頭部を叩き込むっ!そしてすぐさま追撃として向けられるのは、歯!それが流美の右目を喰いちぎったのだ!!
(逃げないとマズイ!)
流美は手をにやろうとするのを気合で抑えると、猛然とダッシュを始める。激痛の中辛うじて残った理性は、ふつふつと沸いてくる恐怖心と共に撤退を選択する。潰れた視界では自分がどこに行こうとしているのかもわからなくても、急速に戦場から離れることには変わりなかった。
そして残された章吾は、しばしの間茫然としていた。腕の痛みと寒さと口の中の水晶体ら眼球の味だけが意識を覚醒させ続けている。遅れてやってきた生きているという実感も、相手の眼を喰らったという行為も、困惑を深めるだけ。ただそれでも、この場を離れなければという意識だけは残されていた。
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【G-06/00時38分】
【金谷章吾@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:左下腕10ヶ所・右下腕9ヶ所・左上腕6ヶ所・右上腕3ヶ所の包丁による刺し傷、失血(小・継続中)、精神的疲労(中)
[装備]:『式札』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:絶対に生きて帰る
1:何がなんでも生きて帰る。
2:自分以外の存在を捜索。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
佐山流美を『鬼』と誤認。
【佐山流美@ミスミソウ】
[役]:子
[状態]:、右目喪失、失血(小・継続中)、顔に傷、血は止まっている
[装備]:包丁×2、『水晶』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:殺される前に殺してやる
1:逃げる。
2:たえちゃんを殺す。
3:自分がどの役か知りたい
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は第18話開始直後。
金谷章吾を『鬼』と誤認しました。
※流美が現地調達した物資が近くの物陰に隠されています。内容は後続の書き手さんにおまかせします。
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投下終了です。
おっこたちは何か違ったんでまたいつか書こうと思います。
狛枝、綾波、桜井リクで書きます。
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投下乙です。
なんたる泥臭く陰惨な殺し合い…バトロワらしくなってきましたね。
クローンヤクザY-12型ほかで書きます。
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投下します。
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「Y-12殿ォ!位置を変えますっ!」
屋根の上から、押し殺し、動揺した声。彼女がすぐベランダへ飛び込んで来た。
「なにかありましたか」
「こ、子供が! 少年が拳銃で、男性を撃ちました!」
「人数は」
「二人! 共に銀髪! 拳銃を撃ったのとは別の子供が、少女が、『こっちを見ました』!」
それを聞くと、銃や荷物を担ぎ、二人で急いで家を出る。彼女が見ていたのとは逆方向へ。
子供が、人を拳銃で撃つ。ネオサイタマならチャメシ・インシデントだ。だが……『こっちを見た』とは。
自分もサイバーサングラスで動く人影を確認していたが、彼女の軍用スコープほどに遠くがはっきり見えるわけではない。
相手がこっちを見たのは、偶然か。彼女の声や物音が届く距離ではないはず。ならば、その子供は、子供たちは何者か。
……もしや、『ニンジャ』では。
ニンジャ。自分は彼らの実在を知っている。超常的なカラテやジツを振るい、常人をたやすく殺害する恐るべき戦士だ。
身体能力も極めて優れている。数百メートル離れた我々を見つけることもできよう。それが、最悪二人。
もしも彼らが鬼で、こちらが標的となったとしたら、我々では……。
「鬼の可能性があります」
「ええ。子だとしても、危険人物です!」
最悪ニンジャであった場合、そうでなくても、対処法は。いわゆる「武田信玄のサンダンウチ・タクティクス」。
狭い場所に誘い込み、ニンジャでも回避出来ない状態で、ありったけの銃弾を叩き込むこと。そう研修されている。
我々クローンヤクザの強みは、単純な物量と一糸乱れぬ一斉行動、感情に乏しく死を恐れぬことだ。
しかし今、クローンヤクザである自分はひとりだけ。相手も銃で武装している。
ヤマト=サンは銃器の扱いこそそれなりだが、殺人の経験はなさそうだ。
ならば、今は逃げるしかない。幸いに機関銃はある。迎撃に適した場所を探そう。
フーリンカザン(訳注:地の利、環境、状況など)を味方につけるのだ。
「追って来ますか」
「……いまのところ、来ませんね。しばらくは警戒しましょう」
-
◆
「……どうかした?」
「気の所為。それより……向こうの方で、声がした。ノイズ混じりの、『拡声器』を使ったみたいな声」
「ふーん。この状況で拡声器使うようなバカがいるの? 戦いはやめましょう、とか言ってる?」
「そこまでは。だいぶ遠いけど……そっちの方へ、車が走るような音もする。あと、別方向で何か大きな音……」
月夜がそれぞれ指差す。ヘンゼルは、鼻を鳴らす。それはまあ、いろいろ面白そうだ。
どうやら彼女は、平瀬村に誰かが潜んでいるのを察知し―――そこから自分の意識を逸らさせようとしている。
その拡声器を使ったバカや、車に乗った連中を、代わりの犠牲にしても構わないというのか。
「いいよ、じゃあ拡声器の方へ行こう。この男はどうする?」
「武器を取り上げて、放っておく。死ねばそれまで」
「そう。薄情だね」
月夜は―――「ビラに書かれていた」とヘンゼルから聞いたことを、全て信じたわけではない。
見ず知らずの男に躊躇いなく銃を発砲するような人間だ。まず間違いなく悪人。鬼かどうかはともかく、危険な奴だ。
こちらを攻撃しようとしても、少なくとも剣の間合いにいれば、斬り捨てるか無力化することは出来る。
……とにかくも、信頼できる人間から詳しく話を聞かねばならない。彼を斬るか否かはそれまで保留しよう。
「親を探す。もっと詳しい情報が必要」
「こいつは『親』じゃないかな? ……とりあえず、こいつの銃とデイパックは貰っていこう」
目が見えないというのは嘘じゃなさそうだが、鋭敏な聴覚がそれを補っている。便利な奴だ。
じゃあ、聴覚を封じたら? 嘘を教えて、取り返しのつかないことをさせたら? その時、彼女はどんな顔をするか。
ヘンゼルはサディスティックな笑みを浮かべ、気絶した川田を蹴り転がし、銃を奪い、デイパックを背負う。
その時、月夜の顔色が変わった。この……『音』は!
-
重低音が、近づいてくる。大型トラックがエンジンを鳴らすような轟音が。
荒い息遣い。足音。そして凄まじい威圧感。ヘンゼルにも感じ取れた。戦慄し、冷汗が滴り落ちる。
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
「車じゃ……ない……? これは……?」
【F-02北西端/01時14分】
【大和亜季@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[役]:親
[状態]:戦慄
[装備]:ACOG(銃器用照準器)@現実、ドス・ダガー、チャカ・ガン
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:帰還する。親や子と合流し、情報を集め協力する。
1:Y-12殿をひとまずは信用する。
2:銀髪の子供達(ヘンゼルと月夜)から逃げる。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【クローンヤクザY-12型@ニンジャスレイヤー】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:埋込式サイバーサングラス、ヤクザスーツ、M60機関銃@現実
[道具]:デイパック(不明支給品2、確認済み)、飲食物・医療品少し
[思考・行動]
基本方針:子を探し、守る。親とは協力する。鬼と遭遇したら排除するか、子を連れて逃走する。
1:ヤマト=サンをとりあえず護衛する。
2:銀髪の子供達(ヘンゼルと月夜)から逃げる。襲ってくれば迎撃。鬼かニンジャ、あるいは両方ではと疑う。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。個人名がないため、仮に「Y-12」と名乗る。
このゲームを「ヨロシサンによる自分の機能テストか、非合法組織による殺人ゲーム、あるいはその両方」と認識。
生き残るつもりだが、ヨロシサンの株価が下がりそうな行い(自分の正体をバラすなど)は基本的にしない。
-
【F-02/01時15分】
【ヘンゼル@BLACK LAGOON】
[役]:子
[状態]健康、戦慄
[装備]:拳銃、鉈、金槌、S&W M19@現実(川田から奪取)
[道具]:釘、川田のデイパック(ハリセン@バトル・ロワイアルが入っている)
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:因幡月夜と同行する。機会が来れば、或いはグレーテルと合流したら月夜を殺すつもり。
2:重低音と共に近づく謎の人物に警戒。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。特別支給品の有無は不明。
【因幡月夜@武装少女マキャヴェリズム】
[役]:子
[状態]健康(盲目)、戦慄
[装備]:摸造刀(亜鉛合金製)
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:信頼できる人間を探し、確かな情報を入手する。
1:ヘンゼルを警戒しつつも同行する。人殺しは阻む。襲ってくれば斬る。
2:重低音と共に近づく謎の人物に警戒。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
盲目のため、文字の読解や顔の判別等は不可能だが、優れた聴力で広範囲の探知が可能。
ビラに書かれていた事はヘンゼルに尋ねて把握したものの、ヘンゼル自身が怪しいため内容についても疑っている。
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【川田章吾@バトルロワイアル】
[役]:親
[状態]:頭に打撲、失神
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:状況を把握する。
1:???
【キング@ワンパンマン(リメイク)】
[役]:親
[状態]:ゴメオによる催淫、キングエンジン
[装備]:
[道具]:デイパック(タブレット@絶望鬼ごっこ、醤油、ゴメオ@現実)
[思考・行動]
基本方針:帰りたい……
1:子どもたち(翠と中沢)の誤解をときたい。
2:一応、自分のできる範囲で子と親を保護する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
投下終了です。
-
投下乙です。
キングさん一時間もキメて放置されてたと思ったらまさかの登場。
それにしても
>ドッドッドッドッドッドッドッド
>ドッドッドッドッドッドッドッド
>ドッドッドッドッドッドッドッド
↑この文字列は腹筋に悪いと思う
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オルガ・イツカほかで書きます。
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投下します。
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一般に、陸地は暖まりやすく冷えやすいが、海は暖まりにくく冷えにくい。
そのため日中、陸上の空気は海上の空気より速く暖められ、上昇する。
これによって地表付近の気圧が下がるため、海辺では海から陸へ風が吹く。
一方、日が沈むと、陸上の空気は海上よりも速く冷え、陸から海へ風が吹く。
しかしながら……この異常な超自然の空間は、昼とも夜ともつかない。太陽は出ていないが、空は不気味に赤い。
時計は深夜をさしているが、それほど暑くも寒くもない。裸でいれば少し肌寒くは感じるが。
ならば一体、風の向きはどうなっているのか? 風は止まり、凪いでいるのか?
答えは……『海から陸へ』吹いている。原理はともかく、今はそうなっている。島を取り囲む不気味な霧の作用、なのだろうか。
そして、この海風によって、『大場大翔』は酷く迷惑していた。
(くっ……臭い! 鼻が曲がる! 頭がどうにかなりそうだ!)
口と鼻を抑え、臭いの源から必死に遠ざかる大翔を、海風に乗った悪臭が追ってくる。
走る。走る。闇雲に逃げる。その先に――――
◆
悪臭の源は、革靴だ。それを履いている男も、また臭い。しかもブリーフ一丁だ。変態だ。
その変態の傍らで、機関銃を構えて臥せている男がひとり。彼は変態ではない。ちゃんと服も着ている。それほど臭くもない。
では、なぜ彼―――『オルガ・イツカ』は、この臭い男の傍らにいるのか。
それは悪臭男―――『水泳部の田所』を追跡し、こちらへ向かってくる者たちがいるからだ。
(わけがわからねえが、あのガキどもに話を聞くしかねえな……この変態はまあ、アレとして)
海から陸へ、すなわち、接近してくる二人の子供の方向から、オルガと田所へ向かって風が吹いている。
田所の放つ悪臭は、二人の子供へは届かない。はずだ。しかし、こちらへ向かってくる。
(つまり、この変態の足跡と、それについた臭いを追って来てるわけだが……)
-
田所は、オルガにねっとりした視線を向けつつも黙っている。下手な動きをすれば、機関銃の銃口がこっちを向くだろう。
一応田所も日本刀を持っているが、フィクションの剣豪でもあるまいし、機関銃相手に勝てるとは思えない。
とにかく、自分を追っている誰かを誘き出すつもりなのだろう。それが何を招くかは、いまのところ分からない。
◆
「海岸線の物陰を伝いながら、ね。風がこっちへ吹いてるってことは……、あった、足跡。臭いもする」
少し前。哀れな少年『円谷光彦』から服と靴を奪った少女『プルツー』は、靴下とブリーフだけになった光彦を連れて、彼が見たという男を追っていた。
聞くならく、男は色黒で中肉中背、ブリーフ一丁、刀を持っていて、臭い。どうもまともな人物像が浮かんでこない。狂人や変態だろうか。
だが、現状唯一の手がかりだ。スマートフォンとかいう通信機器はあるが、まだ通じない。光彦から取り上げた『お守り』とやらは胡散臭い。
手元に武器はないが……石ぐらいは落ちている。刀相手に接近戦を挑む必要もない。自分なら、小石を投げても並の男なら倒せるだろう。
いくつかの小石を拾い、ポケットに入れると、男の追跡を再開する。
獲物を狙う野獣に睨まれているような感覚。野獣の臭い。面白い。なんとかいう英雄は石を投げてライオンを倒したという。
生身の人類の最強の武器は、拳でも蹴りでも、爪でも牙でもない。投擲能力だ。遺伝子の奥からふつふつと狩猟者の感覚が呼び起こされる。
その時……プルツーは僅かな殺気を感じた。野獣の、ではない。銃口がこちらを向いている。例の悪臭男か。あるいは別の存在か。
「伏せろ。狙われている」
小声で光彦を制し、地面に伏せさせる。どうする。銃に投石で挑むのは、流石に無謀か。ならば……。
「待て。敵意はない。そちらとの対話を望む」
プルツーは右手を掲げ、殺気と悪臭の方向へ呼びかけた。言葉が通じる相手であれば、言葉こそが最強の武器となり得る。
ややあって、物陰から男が二人、姿を現した。ブリーフ一丁の刀を持った男と、もうひとり。特徴的な髪型をした、機関銃を構えた男。
「ああ……こっちも、子供を撃つのは好きじゃない。いろいろ話も聞きたいしな」
「それはなにより。こちらも突然状況に投げ込まれて、困惑しているんだ」
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【A-02/00時42分】
【オルガ・イツカ@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:UZI@現実
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:とにかく生き残る。
1:子供たちと会話する。少女(プルツー)と臭い男(田所)を警戒。
※その他
自分の役・各役の人数・会場の地図・制限時間は全て未把握。各役の勝利条件は一応把握。
【水泳部の田所@昏睡レイプ! 野獣と化した先輩】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:日本刀、野原ひろしの革靴@クレヨンしんちゃん、ブリーフ
[道具]:デイパック、睡眠薬(持参)
[思考・行動]
基本方針:家に帰る。
1:とりあえず誰かの話を聞き、現状を把握したい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【プルツー@機動戦士ガンダムZZ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『スマートフォン(子)』、『お守り』、光彦の服と靴
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:生き残る。
1:この鬼ごっこの目的と自分の記憶について考える。
2:機関銃の男と会話する。もうひとりの男(田所)にはあまり近づきたくない。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
地獄の雰囲気にのまれてニュータイプの力が若干鈍っていましたが、慣れつつあります。
この鬼ごっこを「記憶を操作された人間に関する実験」だと考察しました。
-
【円谷光彦@名探偵コナン】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:パンツと靴下のみ
[道具]:DBバッジ(現在通信不能)
[思考・行動]
基本方針:生還の為に行動。子や親と合流したい。
1:このゲームは誰が、どのように、何故行ったのかを考える。
2:機関銃の男と会話する。もうひとりの男(田所)にはあまり近づきたくない。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
この鬼ごっこを「記憶を操作された人間に関する実験」だと考察しました。
◆
「ハァ、ハァ、ハァ。ああ、気持ち悪かった……」
やや内陸に逃れ、やっと悪臭から解放された大翔は、大きく深呼吸する。
悪魔が出現する時は悪臭を放つこともあるというが、その前触れだったのだろうか。悪魔というか、この会場では鬼か。
とにかく、あそこへは近づかないでおこう。反対側へ、内陸へ逃げなくては。そして仲間を見つけなくては。
それにしても、人がいない。まずは民家を探してみよう。誰か隠れているかも知れない。
【B-02/00時43分】
【大場大翔@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:とにかく人と会う
1:鬼と異臭を警戒。
2:幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
-
◆
銀髪の妖艶な美女がひとり、密かに歩む。露出度の高い服装で、頭に簪。腰から無数の帯を生やし、三本足の下駄を履く。
全身には―――ヒビのような紋様。唇からは牙が覗く。然り、彼女は紛れもなく『鬼』だ。名を『堕鬼』。
兄の『妓夫太郎』と一心同体、人から鬼に堕ちて百年、悪行非道は数知れず。
鬼退治されて地獄に堕ちて、やれと言われたのは『鬼ごっこ』。
丸一日の期限内に、島の中にいる生者を捕まえろ。子は三十六匹、子を守る親の役は二十四匹。子とろの鬼は十二匹。
子は過半数を捕まえればよく、殺して数を減らせばなおよい。そうすりゃ、現世へ戻れると。
―――いやはや、さすがは地獄の鬼。なに、やることは現世と変わりはしない。
人間に化けることは出来る。帯を分けて分身を作り、島に潜ませて子や親を襲わせてもいい。ただ……まだるっこしい。
時間は充分あるし、他の鬼も張り切っている。全力で楽しもう。愉しもう。
醜い人間を捕まえて、何もかもを奪ってやろう。神も仏もあるものか、いれば必ず殺してやろう。
そう思い、早速襲った連中は、意外な反撃をかましてきた。帯が焼け、体が焼けた。殺せなかった。
焼いた奴は反動で死んだらしいが、こちらには幸先の悪い始まりとなった。負傷は再生中だが、気分が悪い。
なに、も少し楽に殺せそうな連中を探し出し、いたぶり殺して、気晴らしにしてくれよう。ああ、憎い憎い。
「くさぁい、くさい。におう、におう。なにやら子どものにおいがするねえ」
【B-02/00時43分】
【堕鬼(妓夫太郎)@鬼滅の刃】
[役]:鬼
[状態]:負傷(再生中)
[装備]:無し
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:殺し、食らい、現世へと復活する。
1:幸せそうな子や親を食い殺し取り立てる。
※その他
スマートフォン(鬼)の所在は不明。落としたのかも、元から入ってなかったのかもしれません。
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投下終了です。
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かばんほかで書きます。
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投下します。
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場所はF-06の北にある民家の、一階にあるリビング。
「ミカヅキオーガスさん、良かったら、僕と一緒に――」
話し掛けてくるかばんの声。手に握るスコップが返す熱さ。ミカは一歩前に踏み出して――
「『おにごっこ』しませんか?」
脱力した。
「はあ?」
「え、いや、おにごっこって何なのか、知らなくて……。ミカヅキオーガスさんは、知ってますか?」
鬼ごっこの鬼に向かって「鬼ごっこしよう」とは。どうも調子が狂う。
いや、何してる。隙だらけだ、殺せ。戦場でぼさっとしてる方が悪い。自分は鬼で、こいつは子だ。
……ルールを頭の中で確認する。確か、子を全員殺さなくても、過半数を主催者の本部へ連れていけばいいんだったか。
人数的には、その方が手っ取り早い。そこで殺されるんだろうが、今ここで殺す必要はない。どうせすぐそこだ。連れて行ってやろう。
「……知ってる。けど、それは、遊びで」
スコップをゆっくり下ろす。ミカの答えに、かばんの瞳が好奇心に輝く。
「良かった。ええと、狩りごっこは知ってます。友達のサーバルちゃんと初めて出逢った時に、追いかけられて。
ぴょーんってジャンプして押し倒されちゃったんですけど、『食べないで下さい』って言ったら『食べないよ』って言われて」
「似たようなものだろ。鬼……っていうのも、知らないか」
「はい。教えて下さい」
「怖い化物。人に似てて、でかくて凶暴で、人を捕まえて食っちまう。まあほんとは人さらいとかよそ者とか、犯罪者の類だろうけど。
子どもたちは、そういう悪いやつから逃げるために訓練するんだ。遊びっていうのは、そういうもんだろ……」
「ミカヅキオーガスさんは、いろんなことを知ってるんですね」
「三日月でいいよ」
つい、話し込んでしまう。ここは地獄で、殺し合いの場だというのに。
―――そんな和やかな時間は、突然破られた。
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◆
「ハァ、ハァ、ハァ、うぐっ、ハァ、ハァ……!!」
逃げる、逃げる、逃げる。前歯を折られ、右眼を喪失し、返り血と自分の血で血みどろになった少女は、血まみれの包丁を握りしめて必死に逃げる。
溢れ出るアドレナリンで痛みを感じない。強い恐怖。狭い視界。死にたくない。殺されたくない。生存本能と逃走本能に火がついて、走る足が止まらない。
闇雲に、盲滅法に逃げて、どこかの民家に転がり込む。身を隠す。血は止まっているが、負傷を手当てし、生き延びねば。
「……なんだ、お前」
冷たい、男の声。
顔を上げると、黒髪の少年がスコップを―――人を充分殺せるほどには大きく重いショベルを―――こちらに向けていた。
背筋が凍る。殺気が向けられている。さっきの少年とは違う。人殺しの目だ。快楽殺人犯ではなく、敵を冷静にたくさん殺してきた、優秀な兵の目だ。
どうする。殺される前に殺すか。いや、勝てない。こっちは負傷と疲労で限界が近い。相手は強く、長柄武器を持っている。無理だ。
だが……その背後に怯えた表情をした、帽子の少女がいる。彼女を守ろうとしているのだろうか。いきなり自分を殺そうともしない。
ならば、鬼ではないかもしれない。
◆
突然飛び込んで来た、この少女は……ミカにとっては危険に見えた。血みどろで、血まみれの包丁を持ち、前歯と右眼は失われている。
何者かに襲われ、必死に抵抗して傷を負い、必死に逃げて来たのではあろう。ということは、彼女を追う者がいる。鬼、だろう。
危険が差し迫っている。面倒事を持ち込みやがって、としか言いようがない。生かしておく理由は……だが、かばんの目の前だ。
「武器を捨てろ!」
ミカがそう叫ぶと、少女は包丁を床に落とし、ひざまずいて両手を挙げた。
スコップで包丁を弾き飛ばし、部屋の隅へ転がす。まだ隠し持っているかもしれないが。
「何しに来た?」
「たひゅ、助けて! 鬼に追われてるんです! 殺されそうになって! 必死で!」
「そうだろうな。俺たちに襲いかかったりしないか? 俺なら返り討ちにできるぞ」
「ひません! 助けて! 助けて!」
「名前は?」
「さ、佐山流美です! 助へて下さい! 鬼が追って来る!」
涙を流し、必死の形相で助けを乞う少女を前に、ミカは……珍しくも迷っている。
このままこいつと、こいつらと同行するか? それとも今、ここで殺すべきか? どちらを? どちらも?
追って来る鬼からすれば、自分も子か親に見えるだろう。安全のために、鬼として振る舞うか?
あるいは……鬼と戦うか? こいつらを守るために? しかし、なんのメリットが? オルガなら、どうする?
-
「み……ミカヅキさん! 早く逃げましょう!」
かばんに袖を引かれ、舌打ちしてスコップを下ろす。今はそうしよう。武器はある。
子にはゲームのルールが詳しく伝達されていない。彼女たちに何も教えず、本部へ連れて行けばいい。暴れれば殺す。
鬼は……なんとかしよう。こっちが鬼だと名乗っても襲ってくるようなら、始末する。
「わかった。逃げるぞ。……それと、お前」
再び、流美にスコップの尖端を向ける。
「まだ信用したわけじゃない。あまり俺たちに近寄るな。妙な真似をすれば殺す。かばんもこいつに近寄るな」
【F-06/00時50分】
【かばん@けものフレンズ】
[役]:子
[状態]:健康、怯え
[装備]:かばん、帽子
[道具]:未確認(背負っているかばんの中)
[思考・行動]
基本方針:誰かいないか探す。ここが何なのか調べる。
1:ミカヅキさんと一緒に行動したい。
2:鬼から逃げる。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。現状を理解していないが、知ろうとはしている。
『おにごっこ』についてざっくり把握しました。
【三日月・オーガス@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ】
[役]:鬼
[状態]:五体満足・阿頼耶識
[装備]:スコップ(現地調達)
[道具]:四次元っぽい紙袋(ガンダム・バルバトスルプスレクス@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ、スマートフォン(鬼)、(人形または機械っぽい)不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:とにかく生き残る。
1:鬼であることは隠し、かばんと流美を本部へ連れて行く。暴れれば殺す。
2:鬼が襲ってきたら対処する。自分が鬼だと告げてもいい。
3:流美を警戒。自分にもかばんにも近づかせない。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
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【佐山流美@ミスミソウ】
[役]:子
[状態]:右目と前歯喪失、失血(小)、顔に傷、血は止まっている、恐怖、半狂乱
[装備]:『水晶』、包丁(服の下に隠している)
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:殺される前に殺してやる。(目につく全員を殺すってわけではない)
1:鬼から逃げる。こいつら(三日月&かばん)に自分を守らせる。
2:「たえちゃん」を殺す。鬼は殺す。殺せそうな場合に限るが。
3:自分がどの役か知りたい。たぶん子だと推測。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は第18話開始直後。金谷章吾を『鬼』と誤認しました。
彼が呼びかけた「たえちゃん」を「小黒妙子」のことだ、そして鬼だと思い込んでいます。
投下終了です。
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花酒蕨ほかで書きます。
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投下します。
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「WRRRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!」
猛烈な勢いで! 横から『タンクローリー』が突っ込んで来たッ!
「「!!」」
灯台の下、殺し合いを始めるべく対峙していた花酒蕨とジェイソンは、咄嗟に左右に跳び離れる!
この程度の襲撃に反応出来ない二人ではない!
「鬼か、狂人か? それとも両方かの! ひょひょひょひょ!」
タンクローリーは急ブレーキ! 荷台が大きく折れ曲がるジャックナイフ現象を起こす!
鰐の尻尾めいた薙ぎ払いを、蕨は高く跳び上がって難なく回避! 空中でひらりと縦回転し、荷台の上に跳び乗り、運転席の上へ!
「どちらでも構わん! 敵は確実に殺しておくに限るぞよ!」
運転席の天井に、上から刀を突き刺す! しかし……手応えなし! さっきまで確かにいたはずの運転手がいないッ!
さらに、急にガッシリと、自分の身体が何者かに押さえつけられる! 動けない!
「!?」
罠か! このまま灯台にぶつけ……爆発させて殺す気か!
そう思った瞬間、タンクローリーは灯台に激突する直前で急停止! そして……背後に気配!
「気に入った・・・殺そうとする一瞬・・・ 汗もかいていないし呼吸もみだれていないな 冷静だ・・・」
-
ブワァッ、と蕨の全身に冷や汗が噴き出る。こいつは……ヤバい!
圧迫が消えた。刀で背後を薙ぎ払うが、すでにそこにはいない。振り返った眼の前、灯台の壁に……真横に立っている。
その傍らの空中に……幼い子供と、ヘルメットを被った学生らしき少年が、浮かんでいる。
少しして、彼らは地面にゆっくりと落下した。生きているが、動かない。気絶しているようだ。
「私の連れだ・・・少し眠ってもらった。さて・・・レディ」
ふわり、と彼は、金髪で体格のいい男は、停止したタンクローリーの荷台の上に降り立った。悠然と、平然と。
「君も私の仲間にならないか? 君は美しく、優れた戦闘力の持ち主・・・殺すのは惜しい」
身体が……動かない。震え、畏怖し、魅了され、威圧されている。なんだこれは。カリスマというやつなのか。
「安心して・・・そんなに怖がらなくていいんだよ。私の名は『DIO』・・・『親』の役さ。友だちになろう。名前はなんというのかね?」
ヤツが話しかけてくる言葉は、なんと心が・・・安らぐんだ・・・危険な甘さがあるんだ・・・だからこそ、恐ろしい!!
「……花酒……蕨……」
声を絞り出すようにして、名乗る。名乗ってしまう。瞳から光が失われていく。
「ふむ、いい名だ、蕨。君の、この鬼ごっこにおける『役』は?」
「……親……の、役……です」
『親』と称しているが、こいつは確実に『鬼』だ。今見えた。唇の中に牙が。
それに、彼の傍らに何らかの気配がある。さっき彼らを抱え上げ、地面に下ろしたのは、そいつだ。
自分を押さえつけ、タンクローリーを無理やり急停止させたのも、そいつだ。姿が見えないが、いる。
「蕨。このDIOの仲間になってくれるかな?」
「はい」
片膝をつき、刀を置き、頭を垂れる。こう答えるしかない。断れば殺される、いや……見捨てられる。この方に。それだけはいやだ。
……いや、何を考えている。こいつは鬼だ。逃げろ。離れろ。逃げろ!動け!
-
◆
DIOは蕨をひざまずかせたまま車を降り、もうひとり……ジェイソンの方へ向かっていく。
彼は既に何度も死に、黄泉還り、不死身の存在と化している。紫外線で塵と化す程度の吸血鬼などものの数ではない。
ジェイソンは躊躇せず、唸り声をあげ、この男を殺そうと向かってくる。DIOは余裕の表情を崩さない。
「話が通じそうにもないか・・・ならばしょうがない」
肩を竦めたDIOは、振り下ろされるマチェットを左手で払い除け、右手の人差し指をジェイソンの眉間に突き刺した。
「私の下僕になってもらう」
ズキュウウウン! DIOの指先が蜘蛛のように変形し、鋭い針が伸びてジェイソンの脳みそに食い込むッ!
これは『肉の芽』! 吸血鬼DIOの細胞から成る脳のコントローラー!
DIOに対して、ヒトラーに従う兵隊のような、邪教の教祖に憧れる信者のような気持ちを呼び起こすッ!
「GUUUUUUUU・・・・・・」
ズシィン。ジェイソンの巨体がその場に崩れ落ち、膝をつく。そのまま平伏し、DIOに忠誠を誓う。
「よしよし。これで手駒は二つ増えたというわけだ・・・。こいつの名前はわからんが、どーでもいいことだな・・・運転手にでもするか」
DIOはついでに、ジェイソンが腰にぶら下げていた支給品入りの紙袋を奪う。これを持っているということは、当然こいつは鬼だ。
くるり。後ろを振り返ると、蕨がいない。逃げたか。いや……気配は、上。灯台の上だ。行き止まり、どん詰まり、逃げ場なし。無駄。
そこへ逃げるわけもない。あるいは―――何か、誰か見つけたか。そいつを助けて、隙を見て飛び降り、逃げるか逃がすか。無駄。
否。ホージョーとかいう、あの子供がいない。蕨が拐って逃げたか。DIOは笑う。活きが良い獲物は面白い。
「いいだろう。降りてこい蕨。私はここで待っているぞ。灯台の上にはこいつを向かわせよう」
ぱちり。指を鳴らすと、ジェイソンが立ち上がり、灯台の扉を蹴り破る。
恐れをなして戻ってくればよし。こいつを切り伏せ、堂々と脱出してもよし。殺される程度ならそれまで。
刃向かって来ても、我が『ザ・ワールド』に勝てる能力の持ち主ではない。無駄だ。肉の芽を埋め込み、改めて下僕にしてやろう。血を吸ってもいい。
「安心しろ。殺しはしない。手駒は多いほうがいいからな・・・フフフフハハハ」
-
【I-10(灯台)/01時25分】
【花酒蕨@武装少女マキャヴェリズム】
[役]:親
[状態]健康、DIOへの畏怖
[装備]:太刀・棒手裏剣
[道具]:防弾ベスト・閃光弾、豊穣礼佑(気絶中)
[思考・行動]
基本方針:親か子と合流する。
1:DIOから逃げる。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。ルールの本質に気付きました。
豊穣は「はいぱーびじょんだいありー@未来日記」と「スマートフォン(子)」を持っています。
【ジェイソン・ボーヒーズ@13日の金曜日シリーズ】
[役]:鬼
[状態]:健康(肉の芽)
[装備]:アイスホッケーマスク、マチェット
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:DIOの命令に服従する。
1:灯台の中に潜む者を見つけ、皆殺しにする。
【DIO@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:タンクローリー、スマートフォン(鬼)、『ザ・ワールド』(スタンド能力、時間停止は五秒ほど)
[道具]:四次元っぽい紙袋(不明支給品3つ、ジェイソンから奪取)
[思考・行動]
基本方針:親として振る舞い、子を集めて全員捕まえる。親や他の鬼は血を吸うか下僕とする。
1:仮面の大男(ジェイソン)を蕨にけしかけて様子を見る。
※その他
足元に織田敏信が気絶させられて転がっています。
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投下終了です。
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更なる投下乙です。
じわじわと不穏な空気が増しバトル展開が増えてきましたね。
サイコホラーみたいなところもあればパニックアクションみたいなところもあり。
映画で言うと冒頭でイチャついてたカップルが第一の犠牲者になるような、そんな本番感、いよいよといった趣きがあります。
というわけでここからは落としていきたいと思います。
そろそろ企画開始から半年経つのにまだ二人しか脱落していないというのは、いくら登場話コンペをくぐり抜けた選ばれし参加者達を一話二話で落としなくといえどデスゲームもの感が薄れますしね。
リク、しんのすけ、グレーテル、エスター、金谷章吾、レイ、狛枝、今泉で書きます。
もしかしたらヘンゼルと『子』のスマホ持ってるキャラも書くかもしれません。
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乙です
往年のホラー映画のエースも一瞬で服従させるDIO様の圧倒性よ
そして遂に……見たいような見たくないような
期待
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ほいじゃ投下します。
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「ハァ……着いたぁ。」
膝に手をやりながらため息を吐く、よれよれのスーツに広いデコの男、今泉慎太郎。彼が警察官だと一見してはわからないほど――というか警察官だと言われて警察手帳を見せられたとしても疑わしく思われるほどにオーラが無いが、これでも一応刑事。彼はこんな奇怪な場所であっても子供を保護するために、学校へと急ぎ走ってきたのだ……直線距離で100m程なのに安全そうな道を往くためぐるりと北から回り込んだりもしたが。
さてほとんどの学校がそうであるように、今泉が辿り着いたこの学校も北が校舎で南が校庭という配置になっている。車両が入れるように大きな門が設置された南に対し、北は相対的に小さな、こじんまりとした門があった。今泉は声の主を探してチラチラと見るが、いない。そのまま視線を上げる。校舎の2階3階と目をやったところで、屋上で動くものを見つけた。「おーい」と大声――と言っても実際にはカラカラに掠れた小さな叫び声だったが――で呼びかければ、人影は周囲を見渡すような動きをする。その人影と目が合うのに時間はかからなかった。
「古畑さん、ですか?」
少しして今泉の前に現れたのは、没個性的な少年だった。小学校の高学年ほどの年齢という印象はこの場所から来る先入観があったとしても妥当であろう、平均的でクラスでも嫌われてるわけでもさりとて好かれてるわけでもないような、物語の背景に写り混むエキストラのような、そんな少年だ。そんな少年は、駆け下りて来たのか息を乱して校舎の扉を開けた。ここに来て今泉は自分が古畑と名乗ったことを思い出して「そう、です」と告げる。目の前の子供より緊張していた。
「……『鬼』、ですか?」
「いや、その、『親』、らしいんだ。」
「親……?」
「その、桜井リクくんだよね、入ってもいいかな!」
門を隔てて、二人の荒い息遣いが重なる。今泉としては目の前のゴールに一刻も早く駆け込みたかった。
ハッキリ言うが、普段の今泉であればここまで来れない。こんな異常事態に巻き込まれたとなればどこか安全そうな場所に隠れて警察が来るのを待つような、ホラーものでいう序盤で死ぬ人間の精神性を持つのが彼だ。そんな彼がここまで来れたのは、『子供が学校にいる』という事実があったからだ。子供ならば襲われないし、襲われたとしても逃げられる。誰かと一緒にいるというならば安心できる選択肢だ。しかも学校という、頑丈で様々な設備がある建物が、籠城に適した『城塞』があるとなれば、そこまで逃げればなんとかなると思える。そこに警官としての申し訳程度の自負心で『子供を安全な場所に保護する』という自己暗示をかけようやくここまで来たのだ。
そしてそんな今泉を見た少年、桜井リクの感じた感覚は――
(この人は、『鬼』だ!)
――目の前の人物が危険な存在であるという直感であった!
脳ではなく、心で。論理ではなく、肌で。リクは目の前のハゲかけた中年男性が危険極まりない存在であるという確信を覚えた。それは言葉にできない、形容し難い感覚。まるで百万匹のゴキブリを見たときのような、現実にはありえないであろう光景すら想起させるような、総毛立ち。今までの十余年の人生で体感したことの無い、名状し難き感情。
そして真に驚くべきは――この直感、単なる勘違い!当然だが、今泉は『鬼』ではない!挙動不審!それが招いた、致命的な第一印象の悪さが原因!
しかし、その誤解が解かれる手段は無い!自分が疑われているとはつゆほども知らぬ今泉と、『鬼』に『鬼』だと言うはずもないリク。そしてこの鬼ごっこという環境。そのどれもが相互理解を阻害する。
(このスマホのことは黙っておこう……この人には『知られてはダメ』……そんな気がする。)
疑心とも言えぬ確信的な不信感は、リクの口を閉ざさせる。彼がそのポケットに入れた手に持つのは、彼の支給品であるスマートフォン。時刻が1時を回り使えるようになったそれには、チャットが投稿されていた。
「こんにちは、今学校にいます」と。
-
「…あ、そういえば。」
「どうしたんだい?」
「これ、もうすぐ使えるようになるみたい……」
「……それって、君のじゃないの?」
「気がついたら持ってたの。」
「支給品ってことかな……良いなぁ、僕なんて変なおもちゃの入ったアタッシュケースとボールだったよ。」
H-7からもうすぐG-7に移ろうかというあたりで、綾波レイはスマホを取り出し狛枝凪斗へと見せた。
特に行くあてもなくとりあえず歩きながら情報交換をしていた二人、時刻が1時に迫りその存在が使用可能になるのを綾波は思い出し。そして見せれば、「電話は、使えないか」「待つしかないみたいだね」となる。そして二人が歩く先に大きな建物が見えたところで、その時を迎えた。
桜井リク「こんにちは、今学校にいます」
「学校か。あれかな?」
拡声器か何かで話す声が聞こえてくるのとほぼ同時、1時になって一分と経たないうちに投稿があった。どうやらこのスマホ、ラインのようなグループトーク機能だけが使えるようだ。他は時刻と電池残量だけが表示されるというわびしいもの。画面をいじると、グループに入っているメンバーの一覧に切り替わる。顔写真のアイコンと名前、それが九つ並んだ。
綾波レイ
関織子
豊穣礼佑
プルツー
たえちゃん
源元気(げんげん)
グレーテル
桜井リク
ヘンゼル
「一番上だね。あいうえお順ってわけじゃなさそうだけど。知り合いはいる?」
「いいえ。」
「うーん……ま、これで他の『子』の子たちと連絡ができそうだね。何か書いてみたら?」
「……」
「なんでもいいんじゃないかな。」
「……」
綾波レイ「こんにちは」
「……うん、いいんじゃない。」
「さてと」と言って狛枝はデイパックから彼の支給品を取り出す。ロゴのついた蓋を開けると、中に入っていたのは金属製のベルトのようなものと、細々とした機械。その機械のうちの一つを手に取ると狛枝は二三弄り、ややあって円筒形の形をしたそれは底の部分から赤い光を発した。
「これなら、レーザーポインターとして使えそうだ。」
「どうするの?」
「ちょっと距離があるけど、あそこの学校からでもここは見えると思うんだ。その桜井リクっていう子がいるなら、ライトで合図を送れば気づくはずだよね。」
そんなものか、と綾波は思った。学校からの呼びかけが続くなか、狛枝がアタッシュケースから取り出した懐中電灯みたいなものをペンライトのように振るのを眺めながら綾波はスマホを見る。少しして、変化が訪れた。それは車のエンジン音だった。
「よっ、オラ野原しんのすけ。」
「こんにちは、しんのすけくん。僕は狛枝凪斗。こっちは綾波レイ。ていっても、さっき初めて会ったんだけどね。」
十数分後、二人はG-8の交番近くで三人の子供たちと出会っていた。呼びかけの後、自分たちの近くを通り過ぎて行った一台の軽トラ。チラリと見えた人影は子供と思われるもので、声だけしてライトの合図に気づかなかった人間のいる学校よりもそちらを追いかけるのを優先することを二人は少々迷うも選んだ。さすがに移動速度の差はいかんともしがたくすぐに見えなくなってしまったが、幸いなことに先方は道に迷っていたようで、チラチラと視界に入り音と排ガスを出すそれに辿り着くことに成功した。しかも聞けば、行き先はどちらも学校。
「学校なら反対っかわだよ。案内するさ。その代わり僕達も車に載せてほしいんだけど……」
こうして5人の学校を目指す人間が集まった。
-
(――!気絶してたのか、今……!?)
ハッ、と顔面と両腕に走った痛みで意識が覚醒する。地面の臭いと血の臭い、そして腕から脳へと走る熱さと寒さと激痛が活を入れ金谷章吾を立ち上がらせた。
彼が佐山流美との戦いを終え移動を始めてからはや十数分、その身に刻まれた傷は深刻なダメージを彼にもたらしていた。両腕をそれぞれ反対側の両脇に挟むことで動脈を圧迫し止血してはいるが、その程度では失血はどうにもならなかった。血液は一秒毎に一滴、身体から流れに流れてコップ二杯分に達しようかとしている。早急に適切な止血と輸血が求められるだろう。
(ク……目のかすみが酷くなってる……平衡感覚も……これは……)
荒い息をすれば傷を刺激するため努めて呼吸を安定させるように注意を図れば、気になるのは自分の状況。章吾は自覚症状が危険な領域へと向かっていくのを感じながら足を急ぐ。視界は端から視野が黒くなり、中央は白くモヤがかかり、色彩が消えていく。聴覚はプールの中にでも潜っているかのように遠くくぐもる。そして徐々に腕からは痛みが引いていく。
(引く?なんで……痛みを感じてない……?)
血の気が引くのを覚えた。失血で文字通り血が引けて、痛みも感じなくなって、それすらも気づかないところであった。意識が朦朧としている。非常にマズい。だがどうすることもできない。ただとにかく誰か手当てができそうな人と出会えるよう望み歩くだけ。出会わなければ、死。それは、それだけは避けなくてはならない。そんな執念が彼にチャンスを引き寄せた。
「さく……らい……?」
どこからか声が聞こえた気がした。声色も言っている内容も分かったものではないが、一つだけ聞き取れた。自らを桜井と名乗る声だ。
章吾にとって桜井と言えば、隣のクラスの桜井悠だ。彼もまたこの間の鬼ごっこに巻き込まれた一人だ。その桜井がこの島にいるというのも不思議ではなかった。なぜならこれは鬼ごっこなのだから。
それは奇妙な勘違いであった。桜井悠と桜井リク、命懸けの舞台を潜り抜けた男子小学生という二人。その二人が同じゲームに参加すれば、勘違いする人間も出るというものであった。
(行かないと……)
足を前へと向ける。行き先は決まった。辿り着くべき場所はハッキリした。ならそこに向かうだけだ。
もはやなにも判然としない意識で、章吾の足は学校へと向かった。
そして歩き始めて小一時間、ほとんど見えなくなった視界が遂に建物とそれを取り囲むコンクリートを捉える。手で触る、ざらついた感触、これだ。
(ここだ!ここにいるぞ、俺は!助けてくれ!)
だがそれまでだった。声が出ない。足が動かない。立ち続けることができない。もはや平衡感覚は消失し、天地がひっくり返った覚えもなく、いつの間にか章吾は地面に転がっていた。
時間切れだった。死に場所が知り合いの近くになっただけだった。声も出ないし身体も動かないし、できる行動は何一つ無かった。ただただなんの刺激も無かった。手も足も目も口も耳も鼻も肌もなにもかも。全て、全て「ダメ」だった。そんな章吾の中で唯一生きていたのは、心だった。
(死ねねえ……)
(……こんなところじゃ……)
(……終われない!)
章吾は絶叫していた。そのことに本人は気づかなかった。喉も声は発していなかった。ただ単に横隔膜と肺と気管と声帯と口腔が、獣のような咆哮を発していた。
そしてその咆哮を最後に、金谷章吾は闇に落ちた。
-
「そういえば狛枝くん、君の支給品はなんだったかな?武器とか、銃とかそういうのは……」
「ボールとおもちゃの入ったアタッシュケースでしたよ。どうぞ。」
「え、いいの!?」
「重いしかさ張るんで。これがさっき使った使ったレーザーポインターで、こっちがカメラで……」
「あ、さっきの赤い光はこれか。」
「古畑さんは?」
「僕?僕は……これ。」
「拡声器?」
「酷いよなあ、そこら辺に落ちてるのとおんなじようなもんが配られるなんて……」
「僕ももう一つはサッカーボールで、ほんと、こういうのツイてなくて……」
「それを言うなら僕のほうが……」
「いや僕のほうがゴミクズで……」
「いやいや僕のほうがゴミクズが大きくて……」
「あの二人って、もしかしてスゴいネガティブなのかな……」
「わからないわ……」
(マトモな『親』は私だけか。)
「どったのエスターちゃん。なんか難しい顔してるゾ。」
「なんでもない、しんのすけ。」
「フフ、楽しい集まりね。」
幸運にも学校に集まった七人の参加者。
『親』である今泉、狛枝、エスターと『子』であるリク、綾波、しんのすけ、グレーテル。
彼ら七人は2階の理科室に集まり情報交換をしていた。と言っても、ほとんどの人間が何が起こったのかを理解していないため、『親』として今泉と狛枝がルールを説明しただけで、それすらも二人のどちらもデイパックに書かれたルールに不幸にも気づかなかったためあやふやなものであった(そしてもちろんエスターは黙っていた)。そんな七人は今度は支給品の開示をとしていた時のこと、前触れなく野獣のような吠え声が聞こえた。
(良い声で鳴くのね。)
「な、何だい今の声!?狛枝くん!」
「僕に言われても……とりあえず、みんな、見に行かない?」
「ええ。」
グレーテルは一人その声に込められた感情を理解し薄く笑うと狛枝に同意した。彼女にとって章吾の咆哮は聞きなれたもの、それに多分に含まれる負の感情は容易に読み取れるものだ。間違いなく手負いの、死にかけの子供がいる。それを理解した彼女は銃の入る袋を気持ち強く握った。
謎の声の捜索体制は、古畑こと今泉は学校の東側から、狛枝は西側から、それぞれ『子』の役を伴い行うこととなった。『子』を理科室に残すということも考えられたが、今泉が子供たちだけでは危険だと極めて強く主張したため、どちらかと行動を共にすることとなった。
「グレーテルさんもこっちに?」
「あら?嫌だった?寂しいわ、貴方とは仲良くできそうだと思ったのだけれど。」
「ああ、ゴメンゴメン!僕みたいな人間と好き好んで一緒に何かしようとしてくれるとは思わなくて。こんなところで不謹慎かもしれないけれど、両手に花だなって。」
ちなみに内訳は今泉側がリクとしんのすけ、そしてエスター。狛枝側が綾波とグレーテルである。もちろんグレーテルが狛枝側を選んだのは、そちらが声の主と接触する方だと踏んだからだ。本能的に今泉が声から遠い方を選んだのかそれとも不幸にも狛枝が死体を見つけることになるために何らかの力が働いたかはともかく、グレーテルとしてはより面白い方である狛枝と行動を共にするのも良い。
そして二組は30分になったら一度理科室に戻ることを確認し、それぞれ校舎で唯一鍵が開いている玄関から逆方向に進み出した。外は薄暗いが見えないわけではない。狛枝はアタッシュケースを渡す代わりに今泉から受け取った拡声器をイジりながら歩き、綾波とグレーテルの二人もそれに続く。彼らの鼻に異臭が感じられたのは、校舎から少し離れてすぐのことであった。
そして彼らは発見した。両腕から血をしとどに流し、服を真っ赤に染めた、リクと同じぐらいの少年を。「古畑さん」と狛枝が拡声器で校舎の逆方向に呼びかける。以外か否か、その場の全員は冷静だった。血塗れの人間を見ても落ち着いて生死を確かめ息があることを確かめる。
そして、最後に、狛枝がこちらに向かってきた今泉達に保健室から担架を持ってくるように言うため、ほんの少しこの場を離れて校舎へと近づいた時――
綾波レイの喉に深々と刃物が突き刺さった。
-
それは一瞬だった。グレーテルが神社で集めた後にスカートの中に隠し持っていた古紙を綾波の喉に押しつけ、その体が困惑で強張ったところに同じく持ち出していた刃物を古紙の上から突き立てる。ただそれだけ。
(なに、が……)
綾波の目の前で笑顔で口の前に指を立てながら、グレーテルが刃物を引き抜く。吹き出る血と声にならぬ音は古紙が止める。そしてグレーテルが近くの木の高枝に刃物を投擲し、それが葉に隠れるようにまたも突き立てられたのを目で追った綾波は叫び声を聞いた。口を喜色に歪めながら、絹を割くような声でグレーテルが叫んでみせていた。
「こ、これは……!」
「わからないの……突然レイが倒れたと思ったら、こんなことに……!」
グレーテルの叫び声で振り向き異変に気づいた狛枝に、グレーテルはオロオロと言ってのける。綾波は見たことがあまりないが、他の人間ならドラマの子役のようだとその演技を表現するかのような、見事な芝居。そして同様に駆け寄って来る古畑達と合わせて六組十二の目が綾波へと注がれた。
「死、死んでる!?」
「まだ息はあるわ!何か言おうとしてる!」
(貴女が刺したのに。)
「手当てが必要だ!傷口を抑えて!」
「わかったわ!」
(喉が締められて……息が……)
「レイちゃん!レイちゃん!」
「しんのすけ離れて!」
(……)
綾波の状態に恐慌するもの、応急処置をしようとするもの、その体にとりつき揺さぶる者、その誰もが気づかない。何者かに襲われたらしき綾波に注がれて気づかない。綾波の傷口を抑えるフリをして頸動脈を締めるグレーテルの、その涙目の下で三日月形に歪む口元には気づかない。
だが綾波は最期の力を振り絞りグレーテルを跳ね除けた。強引に立ち上がる。言わなければならない、行動しなくてはならない。ここに一人の鬼がいることを伝えなくてはならない。そして言動で示した。
「……、…………!」
(声が、でない。)
声が出なかった。声帯を震わす酸素が無かった。話す言葉が思いつかなかった。脳を動かす酸素が無かった。動きで伝えられなかった。筋肉を動かす酸素が無かった。最後の酸素は、グレーテルを跳ね除けるのに使ってしまった。
(それでも……)
それでも、綾波は手を伸ばす。犯人を指し示す。
そしてその手がグレーテルに取られたところで、綾波はただの肉塊と化した。
「レイちゃん!返事してよ!」
「しんのすけくん、綾波さんは、もう……」
(まず一人ね。)
綾波が最期に伸ばした手を天使のように両手で包み込み、涙流れる頬に当てて俯くグレーテルは全力で笑いを堪えながら震えていた。
彼女が綾波を殺したのはなんてことはない、殺したかったからだ。動機はない。その殺しにはトリックもない。
ただ単に誰でもいいから殺したくて、思いの外大集団になってしまい殺しにくくなって、そこに死にかけの人間が現れたからまた殺そうと思って、二組に別れたから殺すチャンスだと思って、一瞬でも二人きりになったから殺した。それだけだ。
別に狛枝でも良かったし、この殺人がバレても良かったと思っている。抜け目なく返り血を避け最後の悪あがきができないような殺し方をし凶器も隠蔽したが、今この場で犯人として糾弾されることすら望んでいた。そうなれば、一網打尽に蜂の巣にできる。狛枝達からは役がどうとか言われていたがそんなことは関係無いしどのみちルール的にも皆殺しでさほど問題はない。つまり、『いつもどおり』で構わない。結局彼女はそう解釈していた。
(刑事さん、貴方はどうするのかしら?)
グレーテルの前髪に隠れた目が古畑へと向けられる。彼女がこのタイミングで殺したのには理由と言うほどではないが刑事の存在も影響している。果たしてトリックも動機もない殺人をどう捜索するのか、興味が湧いたのだ。
(さあ、鬼ごっこよ。)
グレーテルは静かに笑う。彼女は知らない。その刑事は古畑任三郎なる男ではなく名警部ではないことを。彼が史上最低のワトソンと呼ばれる無能であることを。
-
【G-07(分校)/01時29分】
【今泉慎太郎@古畑任三郎】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:警察手帳、拡声器@バトルロワイアル
[道具]:デイパック(555ギア@仮面ライダー555、サッカーボール@ホイッスル!!)
[思考・行動]
基本方針:可能な限り参加者を生還させる。
1:!?
2:親を探す。
3:鬼には出くわしたくない。
※その他
古畑任三郎と名乗っています。
[ルールの把握度]
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
各役の人数・会場の地図は未把握。
【桜井リク@ラストサバイバル】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:スマートフォン(子)
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:絶対に生きて帰る
1:!?
2:古畑さん(今泉)は信用できない。
※その他
今泉慎太郎の名前を古畑任三郎として認識しています。
[ルールの把握度]
制限時間を把握。
自分の役・各役の勝利条件を推測。
各役の人数・会場の地図は未把握。
【狛枝凪斗@スーパーダンガンロンパ2】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:拡声器
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:希望の為の踏み台になる。
1:!?
2:どちらかの陣営が希望になり得るか見定める。
3:セカンドインパクト……どういうことだ?
※その他
プロローグ終了時からの参戦。
[ルールの把握度]
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
各役の人数・会場の地図は未把握。
【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:ネネちゃん家に行く。
1:!?
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【エスター@エスター】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:ハンマー、青酸カリ@バトルロワイアル
[道具]
[思考・行動]
基本方針:子のふりをして立ち回る。
1:!?
2:子として親の庇護を受けつつ、参加者の情報を集める。
3:制限時間が近づいたら、親を減らす。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
各役の人数・会場の地図は未把握。
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【グレーテル@BLACK LAGOON】
[役]:子
[状態]:愉悦Σ(・ω・ノ)ノ
[装備]:BAR
[道具]:スマートフォン(子)+不明(社務所で狭軌として使えそうなものを中心に回収)
[思考・行動]
基本方針:皆殺し
1:一応犯人じゃないように振る舞っておく。飽きたら銃を乱射したり?
※その他
[ルールの把握度]
制限時間を把握。
自分の役・各役の勝利条件を推測。
各役の人数・会場の地図は未把握。
【金谷章吾@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:気絶、左下腕10ヶ所・右下腕9ヶ所・左上腕6ヶ所・右上腕3ヶ所の包丁による刺し傷、失血(中・継続中)、精神的疲労(中)
[装備]:『式札』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:絶対に生きて帰る
1:何がなんでも生きて帰る。
2:自分以外の存在を捜索。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
佐山流美を『鬼』と誤認。
【綾波レイ@新世紀エヴァンゲリオン 脱落】
-
投下終了です。
誤字とかあったらwiki収録時に直しときます。
-
あと名波翠、稗田礼二郎、中沢、ヤン・バレンタイン、川尻早人、川尻しのぶ、アルシア、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、ニケ、桐山和雄、アリス・カータレット、浅倉威、セリュー・ユビキタス、岸辺颯太で書きます。
-
二次二次さんに書き込めなかったのでこちらに書きます。
投下乙です。
魔力供給に不安があるマスター達の、同盟とまでは行かない奇妙な関係。こういうのは性格的には問題の出にくい組み合わせでも不和と内乱の土壌となり得るのでここに一つ火薬庫ができたと見ていいのではないでしょうか。
この薄氷の関係が真の仲間と言えるほどに深められるのか、それとも足手まといへの排除や価値観の衝突で空中分解するのか、表面上は砕けた雰囲気だけに非常に不穏な展開への道が巧妙に隠されていて面白かったです。
さて本題ですが>>764を取り下げ、おっこ、たえちゃん、草加で書きます。
ついでにスマホ(子)所持者のまとめも載せときます。
脱落
綾波レイ
げんげん
農協組
おっこ
たえちゃん
学校組
リク
グレーテル
その他
プルツー(光彦と行動中)
ヘンゼル(月夜と行動中)
今更ですけど別々の場所の人物を同時に扱わなきゃいけないんで通信装置ってすごく厄介ですね。
油断してましたがそれはともかく企画続行です。
-
投下乙です。
おお、ついにマーダーによる死者が……このまま虐殺が始まるのか?
>>750でついジェイソンに唸り声をあげさせましたが、「唸り声もあげず」に訂正します。ダメージボイスぐらいはいいでしょう。
>>751で織田敏憲様の名前を「敏信」と間違えたので、小指の爪の先をケジメします。
犬山まなほかで書きます。
-
投下します。
-
「とりあえず、私と大猿さんがいた『菅原神社』周辺には、鬼はいないみたい。あっちの、山の中だね」
「そこから、この村とは逆方向へ移動すれば……」
島の北西、座標C-02、海沿いの民家。竜宮レナと犬山まなは、情報を交換しつつ、必要な物資を集める。
水と食糧、医薬品、武器になりそうなものを、民家で調達したリュックサックに詰めていく。荷物持ちはいるが、あまり多くは必要ではない。
基本的には、鬼から制限時間いっぱいまで逃げ切れば勝ちだ。ただ……大猿のデイパックの内ポケットには、こう書いてあった。
『貴方の役は『親』です。
子の勝利条件:制限時間まで一人でも逃げ切る、もしくは、『鬼』が全員死ぬ。
親の勝利条件:『子』が勝利条件を満たしなおかつ『子』の生きている人数が『親』の生きている人数より多い(このとき『親』のみ勝利する)。
鬼の勝利条件:制限時間までに生きている『子』の過半数を主催者本部(F-05神塚山山頂地下)に捕まえる、もしくは、生きている参加者の内過半数が『鬼』になる。
制限時間は24時間です。』
雲雀はあまり興味なさそうだったが、レナとまなは顔を曇らせた。
各役の総数は不明だが、今ここに子が二人、親が一人(一頭)、鬼(自称)が一人いる。
仮にこのまま制限時間が来た場合、親が子よりもともと少なければ、子が勝利することは出来ない。すなわち、生還出来ない。
と、言うことは……考えたくないが、子が勝利するには、子の数がある程度「減る」……殺されるか、捕まるかは別として……必要がある。
そうならないような、親と子が両方助かるような方法もあるはずだ。あるようにせねばならない。
また、本部がF-05ということは、会場をアルファベットと数字で格子状に区分しているのだろう。どっちがAで01かは不明だが。
ただ、鬼に捕まって本部へ送られた子は、殺されるのか? 子が勝利した場合、死んだり捕まったりした子はどうなる?
現状、わからないことばかりだ。神塚山には近づかないようにし、情報収集につとめるしかない。鬼の情報も聞きたいが、雲雀とはどうも会話が噛み合わないし……。
回想と物思いをやめたレナがまなの方を振り返ると、なにやら仏の顔がついた板をいじっている。
「うーん……やっぱり、スマホアプリ開けないや……まだネット繋がってない……」
「スマホアプリ? ネット? まなちゃん、なにそれ?」
「へ? スマホはスマートフォン、アプリはアプリケーション、ネットは……インターネットだけど」
「? ? ?」
平成30年(2018年)の中学1年生と、昭和58年(1983年)の中学2年生。30年以上もの、文字通りのジェネレーション・ギャップがある。
レナは多分まなの両親よりも年上だ。1983年といえば、アメリカや北欧でようやく携帯電話が多少普及し始めた時代。
当時の日本ではコードレスフォンがせいぜいで、ネットといえばパソコン通信が一部で利用されていた程度だ。
レナにはまったく馴染みのない謎めいた電子機器を、ひとつ下のまながやすやすと使いこなしている。レナは眉根に指をあて、もう一方の掌を向ける。
-
「えー……ちょっと待って、今年って昭和何年かな?かな?」
「昭和? 今年は平成30年だよ。西暦だと2018年」
「へ? へいせい? にせんじゅうはちねん?」
「昭和って、えーと、64年で終わりだっけ。その年が平成元年で」
「……よーし、わかったわかった。タイム・リープ(時間跳躍)ね。筒井康隆の『時をかける少女』。今年(1983年)の7月に映画化するやつ」
「?」
レナは持ち前の推理力で一人合点した。なにしろここは地獄めいた異常な空間で、大猿とか吸血鬼とかがうろちょろしているのだ。
30年以上も未来から来た少女と出逢ったって不思議はなかろう。実際その理解は正しかった。
なお映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は1985年なので、レナはまだ知らない。
「何の話?」
「あー……私ね、あなたから見てだいぶ過去から、ここへ来たみたい。だから、そのスマホっていうのも、知らない」
「そう……なんだ」
まなにとっても、不思議なことは比較的慣れっこだ。地獄だし、吸血鬼や大猿とも遭遇しているし、そういうものか、と呑み込んだ。
◆
少女たちが物資を集め、情報を交換している頃、雲雀恭弥と夜叉猿Jr.は周囲を警戒していた。
というか、夜叉猿Jr.にとっては雲雀こそ警戒対象だ。鬼と自称しているこの人間は、どう見ても危険人物だ。
まなという少女を鬼から庇っていたかと思えば、自分に襲いかかろうとしてくる。好戦的な男らしい。
今は幸いにおとなしくしているが、いつ何時暴れだすか。しかし、味方につけておけば充分な戦力とも言える。
雲雀は……座って頬杖を突き、あくびをひとつ。やや退屈を感じ始めている。ヒバードもいないし、携帯も通じない。
あの鬼はやや期待はずれだった。この大猿と戦ってもいいが、あっさり倒せそうでもあるし。あるいは、ここに鬼を呼び寄せるか。
だいたい不本意にも、貧弱な草食動物たちと群れて行動してしまっている。なぜこの自分が鬼から逃げ回らねばならないのか。
犬山まなは「私と一緒なら鬼の方から寄って来ます!」とか言っていたが、思い返せば信じがたい。
F-05……神塚山山頂地下にあるとかいう鬼の本部とやらへ、直接殴り込んだが手っ取り早いのではないか……と、思った矢先。
-
「「…………!」」
大猿と少年は顔を同時に、同じ方向へ向ける。殺気。鬼の気配。子供の叫び声。菅原神社とは真逆の方向。
大猿はその場にとどまり、低い唸り声をあげ、少女たちに異変を知らせる。少年は、すでに飛び降り、飛び出している。いい笑顔で。
「雲雀さん!」
まなが叫ぶ。自由すぎる人間だが、ほっておくのもどうか。レナは引き留めようとしたが、まなは結構な勢いで駆けていく。
レナは後を追い、夜叉猿Jr.もやむなく追う。一行は――――
◆
「くさぁい、くさい。におう、におう。なにやら子どものにおいがするねえ」
鬼の鋭敏な嗅覚が、周囲の様々な臭いを情報として伝える。堕鬼は既に―――近くにいる少年、大場大翔を嗅ぎつけている。
樹木の上へ登り、目でも確認する。しゅるしゅると帯が伸び、彼が潜んでいるあたりへ近づいていく。
「う……うわっ!? な、なんだこれ!? 布!? 鬼か!?」
大翔が帯に囲まれた。帯は、まだ大翔を捕獲しない。逃さぬように取り囲み、大声で騒がせる。これは罠で、釣りの餌だ。
遠目に大翔の姿を確認した堕鬼は、鼻で嗤った。
「不細工」
ここには一匹だけだが、少し北と少し南に、固まって複数いる。臭いでわかる。子以外にも何匹かいるようだ。
そいつらをここへ誘き寄せ、一網打尽といこう。いや、さっきのように反撃を喰らう可能性もある。疑心暗鬼を煽り、殺し合わせたがいいか。
汚い年寄りと不細工は、そのまま死ねばいい。美しいのがいれば、帯で捕らえて喰ってしまおう。
近づいてくるのは……南の方。この北は崖で、行き止まりだ。北の方もいずれ来る。逃げ場がない方へ、追い詰める。
-
【C-02/01時00分】
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[役]:子
[状態]:健康(雛見沢症候群に感染、無自覚)
[装備]:デイパック(夜叉猿Jr.より譲り受ける 中身は支給品2つ、医薬品や水、食糧など)
[道具]:お守り
[思考・行動]
基本方針:帰還する。子や親と合流し、共に脱出を目指す。鬼からは逃げる。
1:まなと雲雀を追う。
※その他
制限時間と親のルールを把握。各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
雲雀を鬼だと思っているが、敵対する気がないなら仲間だと信じる。
雛見沢症候群は空気経由や皮膚・粘膜・体液との接触で感染し、疑心暗鬼などを契機に発症する。
【犬山まな@ゲゲゲの鬼太郎(6期)】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:リュックサック(現地調達、医薬品や水、食糧など)
[道具]:スマホ(自分の)、支給品(未確認)
[思考・行動]
基本方針:生還する。子や親と合流し、協力する。鬼からは逃げる。
1:雲雀を追う。
※その他
制限時間と親のルールを把握。各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
雲雀を鬼だと思っているが、敵対する気がないなら仲間だと信じる。
【夜叉猿Jr.@刃牙シリーズ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:鬼は殺す。子を守護る。
1:レナとまなを守護る。鬼らしき少年(雲雀)には警戒する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。鬼ではないと自認。
人語は多少解するが話せないし、文字の読み書きも出来ない。ノンバーバル・コミュニケーションは可能。
-
【雲雀恭弥@家庭教師ヒットマンREBORN!】
[役]:子
[状態]:健康、高揚
[装備]:雲雀のトンファー@家庭教師ヒットマンREBORN!、雲のボンゴレリング@家庭教師ヒットマンREBORN!
[道具]:携帯電話(ガラケー)
[思考・行動]
基本方針:親、子、鬼を咬み殺す。他者とは群れない。
1:強者と戦う。鬼が来るなら好都合。
2:鬼のもとへ走る。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を鬼だと誤解している。
そもそも把握したところでルールに従って行動する気がない自由過ぎる男。式札はポイ捨てした。
【B-02/01時00分】
【堕鬼(妓夫太郎)@鬼滅の刃】
[役]:鬼
[状態]:負傷(再生中)
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:殺し、食らい、現世へと復活する。
1:幸せそうな子や親を食い殺し、取り立てる。
2:帯で大翔を取り囲み、この場に周囲の親や子を誘き寄せ、一網打尽にするか殺し合わせる。
3:今度は反撃を受けないよう慎重に観察する。
※その他
スマートフォン(鬼)の所在は不明。落としたのかも、元から入ってなかったのかもしれません。
【大場大翔@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康、混乱
[装備]:『お守り』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:とにかく人と会う。幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。
1:鬼と異臭を警戒。
2:なんだこの帯は!?
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
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投下終了です。
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ペニーワイズほかで書きます。
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投下します。
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沖木島北部、座標D-06、鎌石小中学校。
学校の傍らの用水路から、ぬうっと顔を出すものあり。白塗りの顔、赤い鼻のピエロ。『ペニーワイズ』だ。
「それ(IT)」は独特の感覚により、この場所に『子』がいることを嗅ぎつけている。しかし……。
「このにおいは……『鬼』もいるな……それも、子どもの鬼……」
気配を遮断していても、微かに感じ取れる。ドブのにおい。死のにおい。屍のにおいだ。よく嗅いだことがある。存在として自分に近い。
ただ、幼い。悪霊として、悪魔として、存在として、幼さを感じる。ややこしいやつだ。
まあいい。同業者がいるなら、獲物を横取りされないよう急いだがよかろう。この学校にいる子や親を殺し、喰らうのだ。
◆
その西側。
少女と共にいる幼女が、ふと立ち止まり、臭いを嗅ぐようなしぐさをする。
「……どうしたの? るーちゃん」
「んー……なんか、わたしたちと似たようなのがいる」
幼女は『それ』に気づく。彼女こそは『ジャック・ザ・リッパー』。
その正体は、ドブに捨てられた数万の堕胎児の霊の集合体。それゆえに、彼女の一人称は「わたしたち」だ。大勢だからだ。
彼女を「るーちゃん」と呼んだ少女は、虚ろな瞳で小首を傾げる。
「へえ。やっぱり、誰かいるんだ。わたしたちと似たような人たちが」
彼女、『若狭悠里』は、一般的な意味でそれを理解した。誤解した。
自分たちと同じような、子や親の役の人がいると。それはそれで間違ってはいない。
なぜ「るーちゃん」がそんなことを察知したのかは、思考の埒外にある。
-
◆
ギコギコギコギコ……鋸が木材を切断し、おがくずを散らす。コンコンコンコン……彫刻刀が形を整える。
少年『間田敏和』は、自分の切り札となる『クロッキー人形』を自分で造ることにした。
木工などやったことはないが、やるしかない。簡易罠を張り終えたヒデノリにも手伝わせる。
「間田さん。この人形、なんなんスか?」
「ま、黙って手伝ってよ……説明は難しいんだが、おれの切り札になるからさ」
やや小ぶりで、廃材や椅子を組み合わせた程度のものだが、少しずつ形にはなってきた。
スタンド能力は意志の力、できて当然と思い込む精神のパワーだ。市販のクロッキー人形でなくても、発動できると信じよう。
精神力次第ではフィクションの陰陽師みたいに、紙の札とかでもできるかもしれないが、そんな精神力は彼にはない。
また一度に動かせるのは一つだけだと、かつていろいろ試してわかっている。でもスペアがあった方がいいか。
少し汗をかき、制服の上着を脱ぐ。と、ひらりと何か落ちた。
「……ん」
「どうしました?」
「いや……なんか、上着のポケットに入ってた」
間田が取り出したのは、一枚の紙。それに、なにか挟まれている。紙には次のような文章があった。
『「式札」……参加者の死体を一つ対象に選んで発動する。死体に乗せると参加者の役がわかる。
この時対象の役が『鬼』だった場合、濃い霧が発生しその死体のあるエリアを即座に禁止エリアとする。使用後自壊する。』
「「…………」」
間田とヒデノリは顔を見合わせた。『子』であろう間田にも支給品があったとようやく判明したが、どうすればいい。
これを使うには、死体が必要だ。禁止エリアを発生させるトラップに使うとしても、『鬼』の死体でなければ意味がない。
しかも、これをのせた本人は禁止エリアに取り残されるだろう。エリアをどう区切っているのかすら不明だし、禁止されたらどうなるのか。
「……ま、まあ、なんかの役には立つだろ。おれが『子』だってことの証明にはなるしさ……たぶん」
「親も持ってるかも知れませんけど、まあ……っつうか『鬼』も死ぬんですね」
「そりゃ、鬼の役も人間なんだろーしな。殺し合いになるぜー」
「鬼ごっこなんだし、逃げりゃいいんでしょ。鬼役が何人いるか知りませんけど」
-
◆
「注意して」
「うん。……うん?」
ただならぬ気配に、悠里は訝しむ。ジャック・ザ・リッパーは、武器を構え、ランタンから硫酸の霧を発生させる。
殺意のにおい。子どもを狙い、騙し、ドブの中へ引きずり込むような、悪意を感じる。ドブに捨てられ続けた彼女にとっては好ましくない感覚。
ここから離れるか。いや、むしろ危険。わたしたちを狙わなくとも、りーねえを襲う危険は充分。目を離した隙に彼女はドブの底だろう。
ここで始末する。こいつは、「わたしたち」の敵だ!
【D-06(鎌石小中学校)/01時10分】
【ペニーワイズ@IT/イット “それ”が 見えたら、終わり。】
[役]:鬼
[状態]:ダメージ(中)、ペニーワイズの姿で行動中、川尻早人への怒りと恐怖
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋(不明支給品3つ)
[思考・行動]
基本方針:恐怖させ、喰らう
1:喰いやすそうな獲物を狙う。手頃な相手は幻術で追い詰める。
2:鎌石小中学校へ向かう。
※その他
下水道で繋がっている場所なら何処からでも出現できます。
川尻早人の最も恐怖するもの(川尻しのぶの死)を把握しました。
同類(ジャック・ザ・リッパー)の気配を感じました。鬼だと誤認しています。
-
【ジャック・ザ・リッパー@Fateシリーズ】
[役]:子
[状態]:健康、魔力消費(小)
[装備]:ボロボロのコート、ナイフ数本
[道具]:ランタン、不明支給品(式札か水晶、ベルトポーチの中)
[思考・行動]
基本方針:りーねえ以外は全員解体する。
1:美味しい魂の持ち主がいたら食べる。
2:りーねえ(若狭悠里)についていく。
3:こいつ(ペニーワイズ)は敵だ。ここで始末する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を鬼だと思っている。
霊体化、及び神秘を纏っていない攻撃の無効化は制限されています。レギュレーション違反っぽいため、牛頭鬼が始末に来るかもしれません。
気配遮断、霧夜の殺人(夜間のみ先制攻撃)、情報抹消(目撃者の記憶を消す)、精神汚染(精神干渉魔術を遮断)、外科手術のスキルを持ちます。
弱体化の程度は不明。ここが地獄であるためか魔力はそれほど消費しませんが、大規模な術の行使には魂喰いなどを必要とするでしょう。
同類(ペニーワイズ)の気配を感じ、敵と認識しました。恐怖を感じなさそうですが。
ランタンから宝具『暗黒霧都(ザ・ミスト)』を周囲数メートルに展開しました。幻惑等の効果を持ち、吸い込むと常人なら数分で死にます。
標的を選んだり外したりすることも可能で、りーねえには効果を及ぼしません。風が強ければ吹き流されます。
【若狭悠里@がっこうぐらし!】
[役]:親
[状態]:健康、精神錯乱気味
[装備]:ゾルダのカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:チョコレート×10
[思考・行動]
1:るーちゃん(ジャック)を守り抜く。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
精神が錯乱してジャックをるーちゃん(妹)だと思っています。
-
【ヒデノリ@男子高校生の日常】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:真田北高制服(ブレザーの冬服、上着なし)、鉈@ひぐらしのなく頃に、うまい棒@支給品、フライパン(民家から拝借)
[道具]:デイパック、医薬品少々、発煙筒、消火器などなど
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:使えそうな道具を探し、罠を張る。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。学校内部にいくつか罠を張りました。
【間田敏和@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:『サーフィス』(スタンド能力)、即席の木製人形、式札
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい。
1:使えそうな道具を探し、罠を張る。
2:スタンド能力のことはとりあえず秘密。
※その他
各役の勝利条件・制限時間を把握。自分の役を子だと推測。
実は16歳以上なので、レギュレーション違反に気づいた管理者から追手がかかっている。そのうち殺しに来るかも知れない。
※アーチャー・インフェルノ(巴御前)&君原姫乃が校内にいるかどうかはルート次第。
-
◆
「……フーッ、ビビらせやがって。馬頭鬼、あと何人だ。近くに誰かいるか」
『ちょい待て……データを照合して……あれ、これどうなってんだ』
「早くしてくれよ」
島内某所。バズーカと金棒を装備した主催者側の鬼・牛頭鬼は、ギーグの襲撃を回避し、馬頭鬼と通信していた。
彼は人知れずレギュレーション違反者を始末する仕事を担っている。落選者もたぶん彼によって始末されるのだろう。
あるいは、既に他の次元へ転送されたか。
『……近くに学校がある。鎌石小中学校。そこに二人いるな』
「二人?」
『ああ。「間田敏和」と「ジャック・ザ・リッパー」。間田は子だが、違反は16歳以上ってだけだ。
多少の超能力も持ってるが大したことはない。―――問題は後者だな。子なのに並の鬼よりやべえ。なんでこいつ鬼じゃねえんだ』
「……てこたアレか? ジャック・ザ・リッパーは放置して、間田をそいつが殺すのを待ったがいいか?」
『かもな。でもまあ、排除しとくに越したこたねえ。返り討ちにされねえよう気をつけろ』
ふん、と鼻を鳴らす。鬼を返り討ちに出来るぐらいの奴か。詳しいデータを送信してもらう。敵を知り己を知れば、なんとかだ。
『あ、それと―――源元気は死んだが、マジェント・マジェントは生きてるらしい』
「やっぱそうか」
『今んとこ、残ってるレギュレーション違反者はそいつらだけだ。全部殺さねえと回収しねえぞ』
「今んとこ? まだ増えたりする?」
『さーな。超能力者はぽつぽついるんだが、なぜかそいつらは違反になってねえし……』
牛頭鬼はため息をつく。まったく、上は何を考えているんだ。いや、考えるな。命じられた仕事をするだけだ。
「……じゃ、行くか。学校へ!」
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投下終了です。
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ああもう…タイトルは「Know Your Enermy」じゃなくて「Know Your Enemy」でした、すみません。
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投下乙です
やっぱりジャックは違反者扱いになるのか……強いもんね
そしてそんなジャックに某動画サイトで最近弱体化(?)著しいペニーワイズが勝てるのか楽しみです
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投下乙です。
なんでしょう、雲雀が刃牙の登場人物に思えてきました。私の頭の中ではこいつ見ると神イントロが鳴ります。
そしてこちらも不穏な展開になっていく地図にある方の学校。
ペニーワイズは絶鬼で生まれました、二次二次の発明品じゃありません、我がレスのオリジナルです、しばし遅れをとりましたが、今や巻き返しの時です(コ並感)
それでは若おかみは小学生!の映画公開から一週間が経って多少のネタバレしても大丈夫だと思うので投下します。
-
「……なんか静かですねぇ、ここの外にも誰もいないし……」
さっきまでとは全然違う、って言おうとして、でもけっきょくあたしは言えなかった。だんだん大きくなっていく不安が、喉につっかえたみたいに感じて――
関織子ことおっこは若おかみで小学生だ。おばあちゃんがおかみをやっている春の屋旅館で、毎日頑張っている。その日もお昼ごはんをおなかいっぱい食べたあと、紺の着物に着替えて表を掃除していた。いつもと違ったのは、普段は掃除をしない奥まった所までほうきで掃いていたことと、その最中に見知らぬ場所――この『鬼ごっこ』の舞台にいつの間にかいたこと、だ。
鬼ごっこと言っても、おっこも金谷章吾という同い年の男の子に言われただけなので正直ピンと来ていない。章吾はこれが鬼ごっこだと言うと、どこかに行ってしまった。追いかけてみたものの見つけることはできず、入れ替わるようにして出会った『たえちゃん』という女の子と共に、章吾が帰ってくるのを待っていたのだが……
「1時、ですね……」
「……うん。」
別れてから30分、章吾は1時には戻ってくると言っていたのだが、まだ帰ってきていなかった。彼が言うには何か危ないらしく、そんなことあるわけ無いと思いながらもだんだんとおっこは不安になってきていた。それに、これまでにほとんど誰とも会わなかったのも気になった。おっこはいつの間にか見たことのない建物にいたのだが、その建物には何人もの人がいた気配はあるのにぜんぜん人が見つからないどころか窓から見える外にも誰もいない。そして上を向くと、赤い空があった。雲かどうかもわからない黒い何かがところどころに浮かぶ、嫌な感じのする空。すごく嫌な予感がした。
外に出て章吾を探しに行きたい気持ちと、中にいて章吾を待ちたい気持ち、両方がどんどん強くなっていく中で、壁にかけられた時計に遅れて手もとのスマートフォンでも1時をむかえた。
「あ、なんだろう。」
約束の時間を過ぎてもなにをすべきかは定まらずましてや深夜らしい時刻といえどもまんじりともせず、ただスマホをチラチラと見ること一分ほど、変化は外部から訪れた。外部といってもスマホの画面にだ。おっこにもたえちゃんにもよくわからないが、トークアプリのようなものがなにか動いていた。見たところ、桜井リク、そして綾波レイというユーザー(?)がコメントしているようだ。つまりはこれは通信機能があるということであり――
「あの、たえちゃんさんってメールできませんか?」
「さ、触ったの今日が初めて……」
この二人には能動的に行える手段は無かった。豚に真珠猫に小判、いっそ機械オンチ二人に支給されたスマホくんが可愛そうである。
はぁ、と揃ってため息をついた。何かしないといけないとは思っている。しかしどちらの道を選べばいいのかがわからない。章吾を探しに行くのが正解か。しかしどこを探す?もしかしたら鬼に襲われて怪我をしているかもしれない。だったら自分も襲われたりそれで章吾の足を引っ張ったりするのでは?じゃあここで待つのが正解か。それは時間を無駄にすることになるんじゃ?それなら使えそうなものでも漁ろうか。でもそれはこの農協で働く人に迷惑をかけるのでは?
ぐるぐると巡り廻る思考の中で、おっこの手は半ば無意識に帯に仕舞われた飴玉へと伸びた。たえちゃんにお裾分けして二人とコロコロと口の中で転がす。考え事をする時は五分間隔で甘い物を摘むおっこの脳は、これがないとまともに妙案を出してくれないのだ。
口の中に広がる甘みと香りが脳をスッキリとさせるのを感じながら何度目かの黙考を継続する。そして飴がすっかり欠片になる頃になっておっこはすっくと立ち上がるとたえちゃんに向かって言った。
「たえちゃんさん、手伝ってもらえませんか?」
-
「――それで、親戚のおじさんの家に引き取られることになって。」
「じゃあ荷物とかも失くしちゃったてことですか?」
「あ、それは先に送ってたから……これはこっちだよね?」
数十分後、二人は農協の屋上にいた。おっこのだした結論は「ここで警察とか消防の人が来るのを待つ」というものだった。一度行き違いを経験したことと章吾の警告、二つのことから学習しこの建物で人を待つことにしたのだ。スマホが使えないことも影響し、とりあえず自分たちにできることは何かと考えた結果、現在はそれぞれ親戚に引き取られた繋がりでエピソードトークをしながら、屋上にあったものを中心に使って『SOS』の文字を書いている。よく災害のときにあるアレ、それをなんとなく作っておけばヘリとかで探してくれてる人に見つかるかもしれない。
「おっこちゃんのお母さんは?」
「あー……あたしの両親はさっき言った交通事故で……あ!死んではないですよ!こないだも三人で温泉プリンっていうのを食べて――」
話しながらだがおっこはテキパキと、たえちゃんもそんなおっこの見様見真似で、広くはないといえそこそこのスペースがある屋上に文字を作っていく。上から見たときのことを考えて文字を太くしていけば、次第に横からでも字として見えるようになっていった。この分ならあと少しだ。
「おっこちゃん、これが終わったらどうしよっか?」
「そうですね……食べ物とか探しましょうか。もしかしたら助けが来るまで二日三日かかるかもしれないですし。」
「それはやだなぁ。お風呂とかどうしよう。」
「あ、水道使えるのかな。電話と電気は使えなかったけど。あと甘い物もあるといいですよね。」
まるでキャンプかなにかのような穏やかな空気すら流れる。鬼ごっこ開始から約百分、二人は未だなんら直接の危機に遭遇していない。それが幸か不幸かはわからないが、しかし、ただ一人そんな二人を憎々しく見る人物がいた。
(二十四時間しか時間がないのになに言ってるんだ……)
農協に潜む草加雅人は苦い顔をしていた。てっきりどちらかはこの農協から外に出て人を探しに行くなりするかと思ったらまさかの籠城。こういうときはホラー映画でよくあるように無駄に危険な行動をするのではと予想していたのだが、想像以上に堅実な行動をとっていた。想定外である。おかげで出ていくタイミングを完全に失った。二人はときどき屋上から降りてきたりもするため気づかれずに出ていくことも難しい。そして何よりあの二人と関わることは「なにかマズイ」。あの二人からは名状し難い、知っているようで未知の違和感がある。
(まあ……目に入るところに『子』を二人置けたと考えればいいか。)
フン、と音なく鼻を鳴らして草加雅人は一人強引に溜飲を下げた。この鬼ごっこ、ルールを考えれば『親』である自分が『子』を二人確保したと見ればそう悪い状況ではない。あの二人がまるでルールを理解していないようであるのは気にはなるが、しかし草加の勝利にとってはむしろ好都合。各役の人数は不明だが、自分が知る範囲で『子』>『親』≧『鬼』という構図にしておくのは勝利への基本であろう。タイムアップまでこの構図を維持し逃げ切る、それが重要だ――そういうルールである以上、何かしらの妨害は入るだろうが。
(『子』にとっては『親』も敵、襲われないとも限らないし。)
部屋の奥で耳をそばだてながら草加は自分が動くタイミングについて考え始める。残り時間約1350分。この長丁場のどこで仕掛けるべきなのか。今からでも動き出し未知のリスクを覚悟で動くべきか。真理が巻き込まれている可能性を考えれば妥当な判断だ。しかしまるで土地勘もなければ地図もないことは考えなくてはならない。では出遅れるのは覚悟で今は休み後の先をとるか。鬼ごっこであることを考えれば、昼になる頃には参加者は軒並み疲れ果てているだろう。自分が『鬼』で他の『鬼』と連携がとれるのならば、三交代ないし四交代のローテーションで休み無く追い立てる。であれば休める内に休んでおくのも悪くはないが、その場合鬼ごっこの流れから取り残される恐れや真理に危害が加えられる可能性もある。判断は慎重にしなくてはならない。
参加者の空白地帯と化したH-06、周囲にいた者は皆遠ざかっていき、三名を残して農協は陸の孤島となった。仮におっことたえちゃんが外に出たとしてもおそらく小一時間は誰とも会わなかっただろうが、動かないことを選んだことで更に長い間人と会わないかもしれない。惨劇の舞台に生じた奇妙な凪がいつまで続くのか、それを知る者がいるのかもわからずとにもかくにも時間は過ぎていく。
-
【H-06(農協)/01時31分】
【たえちゃん@コロちゃん】
[役]:子
[状態]:疲労(小)
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:『コロちゃん』
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
1:おっこちゃんと一緒に農協で泊まる準備をしながら章吾くんの帰りを待つ。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は引き取られる直前
【関織子@若おかみは小学生!】
[役]:子
[状態]:疲労(小)
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:紅水晶
[思考・行動]
基本方針:家に帰る。
1:たえちゃんさんと一緒に農協で泊まる準備をしながら章吾くんの帰りを待つ。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は劇場版の夏前(原作の六巻開始前)です。以後原作で明示されなかった事柄は劇場版に準拠するものとします(例:おっこの生年。原作ではおそらく1991年、映画ではおそらく2006年)。
【草加雅人@仮面ライダー555】
[役]:親
[状態]:健康、たえちゃんへの嫌悪感(小)、おっこへの嫌悪感(微)
[装備]:日本刀@現実
[道具]:デイパック(確認済支給品1)
[思考・行動]
基本方針:真理が巻き込まれているかを確認し、いるならば保護する。
1:子供達の様子を見ながら周囲を警戒する。
2:このまま潜む?真理を探しに行く?それとも接触する?いっそ寝る?
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
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ハァーイ、ジョージ。映画若おかみは小学生!は見に行った?劇場なら93分、ノベライズなら最初の100ページで把握ができてとても書きやすいんだ。今期と前期の覇権アニメだから主な観客は成人男性だし、文科省推薦だから見て損はないと思うよ?take it(見に行け)。
あと名簿と地図が無いと参加者に動き回らせる動機づけが不自然なものになりがちでパロロワのテンプレはよくできてると思いました。
それとチャッキー・月・吉良・チームヘルインザ地獄で書くと宣言して投下終了です。
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因幡月夜、ヘンゼル、キング、川田で書きます
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投下します
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鳴り響く轟音。
周囲を覆い尽くす威圧感。
盲目の月夜にも理解出来る。これは鬼だと。
全身が強張る。轟音で距離も動きも掴めない。
肌に突き刺さる威圧感。外部情報を耳に頼る月夜にとっては致命的な轟音。
周囲の状況が全く分からない中、月夜は只恐怖した。
襲い掛かられても、間合いが掴めず、相手の動きが判らないのでは対処の仕様が無い。状況が掴めないまま、強まる威圧感に全身が強張るのを覚えた。
-
クスリの回った頭でキングは眼前の少年少女について考察した。
二人共剣呑な空気を漂わせているが、これは何時もの事なので気にしない。
刀の柄に手をかけた少女の方はまあ善良な人間だと思う。
しかし、銃を持った少年の方は何やら強烈に嫌な予感がする。戦闘能力それ自体は大した事はないが、感じる嫌な気配は、怪人の中でもとびきり凶悪な者に匹敵する。
一人一人ならまだしも、2人並んでいると、実に妙な組み合わせで有る。そもそも接点というか、共通項が見出せない。
自分の様に、この地に放り出されて、仕方無く一緒にいるのだろうか。
考えていても仕方ない。無言で考えていたキングは、意を決して一歩を踏み出した。
-
キングの不幸は二つ。
キマった薬の為に、キングエンジンの轟音がどうにも止まらなかった事。
そしてもう一つは、出会った二人の片方が、狂犬という比喩ですら足りぬ狂人であった事。
キングエンジンの轟音で月夜の耳が塞がらなければ、キングが只の一般人だと即座に聴き取ったろう。
一度死んだという経験が無ければ、ヘンゼルはキングが放つ圧に押されて固まったままだったろう。
結果としてヘンゼルよりも先に月夜が行動して、キングと交渉しただろうが、そんな結果は訪れなかった。
-
「ネヴァー・ダイ……。ネヴァー・ダイなんだ。僕は殺されない。僕達は決して死なない。殺すのは…僕達だ!!」
子も親も関係無い。鬼ですら、例え真実地獄の底からやって来た怪物だろうと、決して己は殺されない。
ネヴァー・ダイ。糞溜の中でヘンゼルの精神わ支えた信仰は、死と蘇生という奇跡を経て、狂信へと至る。
キングの放つ威圧感に怯んだヘンゼルは、狂信に精神の平穏を求め、内に漲る殺意を解き放つ。
何であろうと殺すだけ、己は決して死なないのだから、常に自分が殺す側。
狂い切った精神に相応しい、狂った信仰に基づいて、ヘンゼルの身体が動く。
キングエンジンの轟音の中でも、右手に握られたM19が火を噴いた音は、月夜の耳にハッキリと届いた。
────────────────────────
-
静まり返った場に、ヘンゼルの哄笑が響く。
訳の分からない事を喚きながら笑い続けるヘンゼルに構わず、月夜は無言でキングに近付いた。
倒れた男が生きているのは、耳朶に聞こえる鼓動と呼吸音で理解している。
取り敢えず、ヘンゼルを誤魔化すべく無言で脈を取る。
「……………………………………」
「どうしたの?死んでないならトドメを刺すけど」
顔を歪めた月夜を見て、至近で起きた殺人にショックを受けたのだろうと当たりをつけた、ヘンゼルが声を掛ける。
嗜虐の意図がたっぷりと込められた声が、この可憐な容姿の少年の本質を、何よりも如実に表していた。
月夜は無言。剥き出しの白い肩が震えているのは、目の前で起きた殺人を止められなかった事に対する憤りか。
「…………………………………………………………………………」
-
────こ、この人。全くの素人です!?
握った手首から理解(わか)る情報。皮膚の堅さ、肉のつき方、骨の太さ、骨肉の靭さ。それら全てが物語るのは、この男が全くの素人だという事実。
念の為に首筋や胸に指を這わせてみたが、結果は同じ。
「大胆なんだね〜」「僕にもやってよ〜」などというヘンゼルの煽りに、額に青筋が浮かぶのを覚えた。
────こんな相手に怯えたのですか私は!!
それは恥辱。在ってはならない、許されざる事態。
それは失態。犯してはならない、決して知られてはならない事態。
いくら轟音で耳を塞がれたとは言え、こんな只の素人に怯えた自分が許せない。怯えた事実が許せない。
即座にヘンゼルをこの男共々ブッコロして、全てを糊塗したい衝動に月夜は駆られていた。
因幡月夜はお子ちゃまである。
その剣腕と容姿と怜悧さから誤解され易いが、因幡月夜のメンタルは外見相応のところが多分にある。
「はあああああ…………………」
取り敢えず大きく息を吐いて気を鎮める。まだヘンゼルをブッコロする訳にはいかない。
全く以って気を許せないが、こんなんでも目の代わりにするしかない。
他の人────出来れば親と合流したいが、この男を起こせばヘンゼルが殺しにかかるので論外だ。
「ねえねえ、ソイツ何か持ってた」
「タブレットに小瓶が二つ」
後ろも見ずに、キングの所持品をヘンゼルに渡す。
ヘンゼルが小瓶の中身を確認するのを聴き取りながら、キングの体を調べる。
身体を探った時に、肋骨が折れているのに気がついていた。おそらくは高速で飛来した弾丸が、絶妙な角度で肋骨に当たり、向きを変えたのだろう。
軽量高速で飛来し、円錐状をしている為に重心が後方にある銃弾では、稀に有る現象だが、銃は専門外の月夜には、その辺は分からなかった。
────────────────────────
タブレット等に興味の無いヘンゼルは、小瓶の中身を調べていた。
二つ目の小瓶の蓋を開けて、匂いを嗅いだヘンゼルは、口元を笑みの形に歪めた。
一つ目は何だか判らなかったが、これは判る。
使った事も使われた事もあるシロモノだ。
思わず笑い出しそうになるのを堪えて、ヘンゼルは小瓶を二つ共ポケットに収めた。
「それでさ、これからの事なんだけど」
────────────────────────
-
「こっちの方で合ってる?」
鼻唄混じりにハンドルを握るヘンゼルに、無表情に頷き、毛布だの缶詰だのが乱雑に積まれた、後部座席に座る月夜は開けた窓から外の音に耳を傾けている。
バックミラーで月夜の様子を窺って、ヘンゼルはポケットの中に想いを馳せる。
ポケットの内の釘と『小瓶』がその役割を果たす時を考えると、自然と唇が釣り上がった。
ロアナプラで"遊んだ"イワンの様に、スマートボールの打ち台にする対象は、今のところ月夜である。
全部打ち込むまで生きてて欲しいな〜。などと思いながらヘンゼルはアクセルを踏み込んだ。
静まり返ったこの島で、車での移な動は兎に角目立つが、鬼が襲って来ても車の速度に追いつく事は出来ないだろうし、前に立ちはだかれば、質量と速度を以って排除────要するに轢けば良い。
銃撃が厄介だが、移動する目標に当てるのは難しい。
そんな考えの全てを明かした訳では無いが、車での移動を主張したヘンゼルに、持久力の無い月夜も賛同。
ヘンゼルが適当な民家を物色して鍵を見つけた車に乗り込み、同じく民家で調達した物資を積んで、拡声器を使った者が居ると思しき場所へと向かっていた。
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-
【H-03/01時40分】
【ヘンゼル@BLACK LAGOON】
[役]:子
[状態]健康、上機嫌、車を運転中
[装備]:拳銃、鉈、金槌、S&W M19@現実(川田から奪取)
[思考・行動]
[道具]:釘、川田のデイパック(ハリセン@バトル・ロワイアルが入っている)
デイパック(タブレット@絶望鬼ごっこ、醤油、ゴメオ@現実)
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。
1:因幡月夜と同行する。機会が来れば、或いはグレーテルと合流したら月夜を殺すつもり。
2:面白いオモチャが手に入った!!
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。特別支給品の有無は不明。
【因幡月夜@武装少女マキャヴェリズム】
[役]:子
[状態]健康(盲目)、不機嫌、車で移動中
[装備]:摸造刀(亜鉛合金製)
[道具]:不明
[思考・行動]
基本方針:信頼できる人間を探し、確かな情報を入手する。
1:ヘンゼルを警戒しつつも同行する。人殺しは阻む。襲ってくれば斬る。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
盲目のため、文字の読解や顔の判別等は不可能だが、優れた聴力で広範囲の探知が可能。
ビラに書かれていた事はヘンゼルに尋ねて把握したものの、ヘンゼル自身が怪しいため内容についても疑っている。
【F-02/01時40分】
【川田章吾@バトルロワイアル】
[役]:親
[状態]:頭に打撲、失神
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:状況を把握する。
1:???
【キング@ワンパンマン(リメイク)】
[役]:親
[状態]:ゴメオによる催淫、気絶中、左第六肋骨骨折
[装備]:
[道具]:無し
基本方針:帰りたい……
1:子どもたち(翠と中沢)の誤解をときたい。
2:一応、自分のできる範囲で子と親を保護する。
3:ヘンゼルを警戒
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
-
投下を終了します
-
投下乙です。
キング……なんて運が悪くて悪運が強い男……。
勝ち誇るヘンゼルの悪運もいつまで続くのか?
きり丸ほかで書きます。
-
投下します。
-
「……お、なんだこれ?」
座標I-07、沖木島の南端の氷川村にある診療所。
マニッシュ・ボーイのオムツを換えていたきり丸は、支給品である『式札』と説明書を発見した。
正確には、マニッシュ・ボーイが彼の目につくよう落としたのだ。鬼ではなく子であるとアピールするために。
「これは『式札』……翼さんが持ってたやつか」
自分には水晶が与えられたように、彼と翼には式札が与えられたようだ。使用法はさっき聞いている。
まあ当然、こいつは『子』だろう。この赤ん坊にこれを使用する判断力があるとは思えないが……。
「気をつけい。そやつ、鬼やも知れぬぞ」
戸口に老人が立っている。賈クだ。三国志なら多少は知っているが、果たしてその本人か、狂人か。
「鬼ならとっくに襲って来てますよ。子でしょ。ほら、この札を持ってました」
「ほう、ちょっと見せてみい。……ふむ、翼のものと同じだな」
「ええ」
賈クは式札と説明書を受け取り、矯めつ眇めつ眺める。なるほど、鬼にかような支給品が与えられているのはおかしい。
やはり疑心暗鬼に過ぎぬか。苦笑して、賈クは式札と説明書をきり丸に返す。
「俺と翼は、奥で少し休む。誰ぞ来たら起こせ」
「はーい」
あれからしばらく何事もないが、先程から妙に眠い。
翼も眠気を訴えている。まあ、いきなり知らぬ場所に連れて来られて気疲れせぬほうがおかしい。
要は丸一日、鬼から逃げ切ればよいのだ。眠れる時に眠っておいたがよかろう。押し入れから布団を引っ張り出し、寝転がる。
-
◆
「……?」「……!?」
気がつくと、賈クと翼は―――見知らぬ遊園地にいた。
「……じ、爺さん! なんだここは!?」
「知らぬ! これは、鬼の妖術か!?」
二人は飛び起き、周囲を警戒する。賈クが剣を抜き、翼もカンフーを構える。空は赤くないが、雲が不気味にうねっている。
少しして、目の前の空中にあの赤子が出現する。傍らには大鎌を持った、ピエロの仮面の死神。赤子は両手を挙げ、にこにこと笑い、おどけながら喋る。
「ラリホー、ようこそお二人さん。おれを助けてくれてありがとよ。……あああ、待て待て、敵意はねえ」
「きさま……やはり、鬼か?」
「違うって、たぶん……どっちかおれにもわかんねえんだが、あんたらに敵意はねえったら。
自己紹介させてもらうぜ。おれの名は『マニッシュ・ボーイ』。生後イレブンマンスの天才児にして、スタンド使い……ま、超能力者ってやつさ」
翼が賈クを見、賈クが頷く。
「こやつは悪党だが、嘘をついてはおらぬようだ。俺には人生経験でわかる。信じよう」
赤子がキャッキャと喜ぶ。やがて、死神が赤子の声で喋り始める。
「おれは、生まれつきこーいう能力を持ってる。眠ってる他人の精神を『悪夢世界(ナイトメアワールド)』の中に包み込む。
そう、ここは『夢の中』……なんでもおれの思い通りさ。あんたらもポップコーンやソフトクリームが食べたきゃあ、すぐ出せるぜ」
赤子は空中からタバコとライターを取り出し、火をつけ、一服する。
「おれの精神が大人びてるのも、ひょっとしたらこの能力の影響かもなあーっ。現実世界じゃあ、多少の催眠術程度にしか使えねえが。
名付けて『死神13(デス・サーティーン)』……不吉な名前だが、気にしねーでくれ」
翼は固唾を飲み込む。わけがわからないが、いきなり地獄へ放り込まれて鬼ごっこをしろとか言われている身だ。信じざるを得ない。
「……敵意がないなら、味方ってことだな」
「そうそう。それを主張したい。なにしろ現実のおれは無力な赤ん坊で、保護者が必要なんだ。お礼がしたいし、当然生きて還りたい。
おれは役に立つぜ。近くで鬼が眠るか気絶してるなら、おれがこの世界に引きずりこんで殺せる。ある程度なら傷を治すことだってなあーっ」
賈クは笑う。こいつはいい。要するに西域の胡(えびす)が使う幻術のようなものだ。赤子と死神に向けて両手を広げる。
「それは素晴らしい。翼よ、大した拾い物をしたではないか! では、その術について詳しく聞かせてくれい!」
-
煙とともに、赤子が消える。死神は赤子の顔になり、賈クに顔を近づけ、指を一本立てる。
「ひとつ、いいかな。おれは爺さん、あんたが話してた『ルール』を聞いて把握してる。ビラも拾った。
『親の人数が子より少ない時に、子が勝利条件を満たせば、親の勝ち』……だろ? つまり、親と子のどっちかしか勝てねえ」
「ああ、そうだ」
「つまり、子がもともと親より多けりゃあ、子を『間引き』しねーと、子は勝てない。だろ?」
「そうなるな」
「爺さん、おれを殺さねえ、生還させると約束しろ。そうすりゃあ味方になる。協力して、どちらも勝てるような方法を見つけ出すんだ!」
赤子の顔は真剣だ。賈クはその目をじいっと見つめる。答えは一つ。
「……よかろう。翼も、よいな」
「当たり前だ。改めて言うまでもねーよ」
【I-07(診療所)/01時15分】
【摂津のきり丸@落第忍者乱太郎/忍たま乱太郎】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:忍者装束、忍具一式、マニッシュ・ボーイ(オムツを換えている)
[道具]:水晶、百円玉、式札(マニッシュ・ボーイの)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。ついでに銭になりそうなものを収集する。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
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【賈ク@蒼天航路】
[役]:親
[状態]:健康、仮眠中
[装備]:作務衣(民家から拝借)、直剣(私物)
[道具]:デイパック(確認済みの不明支給品2、漢服)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。他人が死のうと、最終的に自分が生き残ればそれでよい。
1:多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。場合によっては鬼や主催者とも交渉する。
2:民家や診療所から使えそうなものを持ち出す。翼やきり丸は有能そうなので活用する。
3:マニッシュ・ボーイの能力を知り、味方として協力する。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。
【椎名翼@ホイッスル!】
[役]:子
[状態]:健康、仮眠中
[装備]:サッカーバッグ(水筒や包帯入り)、サッカーボール
[道具]:式札、財布(小遣い若干)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。主催者を殴れたら殴る。子や親の犠牲はなるべく出したくない。
1:多くの親や子と早めに提携し、情報を集める。民家や診療所から使えそうなものを持ち出す。
2:マニッシュ・ボーイの能力に驚愕。味方であると信じる。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
賈クのことは(日本語も通じるし)ただの変なじじいと思っている。きり丸についても現代人だと認識している。
【マニッシュ・ボーイ@ジョジョの奇妙な冒険】
[役]:子
[状態]:健康、睡眠中
[装備]:『死神13(デス・サーティーン)』…眠っている動物の精神を悪夢世界に閉じ込めるスタンド能力。
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:生き残る。
1:肉体的には無力なので、他者に自分を保護させる。協力はするが、最終的に自分が生き残ればそれでよい。
2:賈クと翼に自分の能力を詳しく伝える。起きた後も夢の中の記憶は残す。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を鬼か子(たぶん子)であると推測。
肉体的には生後11ヶ月の幼児に過ぎず、食事は離乳食がメイン。ハイハイで結構動けるが、立って歩くのは難しい。
言語は完全に理解出来るが、(都合により)流暢に話すことは出来ない。筆談や、スタンド使い同士の念話は可能。
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投下終了です。
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川尻早人ほかで書きます。
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投下します。
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「は、早人!?」
「逃げるよ!!ママッ!」
しのぶの手を取り、早人は破砕孔から外に出る。
しのぶは……さっきから恐怖と困惑の連続だ。いつの間にか拉致され、わけのわからない鬼ごっこに投げ込まれ、息子までいて。
腹のキズは深くはない。アドレナリンのせいかそれほど激痛ではないが、痛みを感じるってことは、夢じゃあない。
鬼。あのピエロや、さっきの女の子がそうだというのか。ごっこじゃあなく、本物の鬼だと!
しかも、さっきから早人は八面六臂の大活躍だ。ピエロを撃退し、すごいキックで女の子の鬼を蹴り飛ばしたッ!
「は……早人ッ! わけが、わけがわからないけど……どうするの!?」
「逃げるんだ! そして、どこかへ隠れなくてはッ! 殺したわけじゃあない! 必ず追ってくるッ!」
ボゴオッ! 背後で瓦礫の吹き飛ぶ音! 少女の姿をした、あの恐ろしい鬼が、瓦礫を弾き飛ばして立ち上がった!
次にやつはどうするか? 早人は逃げながら考える! 距離がある! 近づくのは危険かもしれない! ぼくがやつなら!
「ママ、伏せてェーーッ!」
「ヒイッ!?」
咄嗟に身を伏せるしのぶ! その頭上に、やや大きな瓦礫が! やつが投げたのだ!
抛物線を描き落下してきたそれは、身を伏せようとどうしようと、しのぶと早人を押しつぶす! だがッ!
「今だッ!」
瞬間! 早人は精神力を爆発させ、『オーバーヘッドキック』を繰り出したッ! 彼の履く『キック力増強シューズ』が足の筋力を向上させたのだ!
ドグシャアッ! ギュオンッ!
「!!」
瓦礫を猛烈な勢いで蹴り飛ばす! 少女の姿の鬼『アルシア』は難なく回避するが……すでに早人らの姿はない!
シューズは走る速度やジャンプ力も強化する! 彼は着地すると、しのぶを抱え、ランドセルを背負ったまま猛烈な速度で跳び上がる!
「おおおおおおおーーーーッ!?」
「きゃあああああーーーーッ!?」
-
◆
「う、痛……! ハッ!」
「ぶ、無事よ……! ハァ、ハァ、ハァ……」
早人は母の無事を確認する。跳躍を繰り返し、デタラメに走り回り、早人たちはアルシアから逃走することに成功した。
そして、目の前に……二人の少年と一人の少女に、立ち向かう。
少年の一人、中学生ぐらいの学ランの男は、機関銃を突きつけている。ゆっくりと、早人は両手をあげる。
「安心……して下さい、というのも、なんですけど……。ぼくは川尻早人。『鬼』じゃあなく『子』です。
この女の人は『親』の役で……川尻しのぶ。ぼくの実の母親です!」
「…………」
少年たちは……少女をかばってるってことは、たぶん鬼じゃあない。鬼の可能性もあるが、低い。
話が通じるなら、仲間にするべきだ。ここまで鬼に襲われっぱなしで、ママ以外とは合流出来ていない。
「お騒がせして、巻き込んでしまったのは謝ります! 必死に逃げて来たんです!
もうすぐ……少女の姿をした、ヤバい鬼が追ってくる。その前に、ここから逃げないとッ!」
「お……お願いしますッ! 私からも……! このままでは、殺されてしまうッ! 助けてッ!」
◆
桐山は……『少女の姿の鬼』と聞いて、眉根を寄せた。おそらく、あいつだ。
他にも似た鬼がいる可能性はあるが、この母子が来た方角からして、他に考えにくい。
どうするか。人数は多いが、戦えそうな奴は少ない。対抗手段を自分が戦うとしても、あれを相手にして、こいつらを守り切るのは困難だ。
「逃げよう」
桐山が呟き、イリヤとカレイドルビー、ニケも無言で同意する。
「で、どっちへ逃げるの?」
「そりゃ、その鬼の逆方向だろ。つまり、こいつらが来た方の逆」
ニケが親指でそちらを示す。
「ああっと、俺はニケ。こいつはイリヤと、桐山。あと、カレイドルビー。よろしくな」
簡潔に自己紹介を済ますと、一行は走り出した。
-
【E-06/01時33分】
【川尻早人@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:子
[状態]:疲労(小)、右手に切り傷(治療済)、ペニーワイズへの怒り、少女(アルシア)への恐怖
[装備]:ランドセル、キック力増強シューズ@名探偵コナン、ほむらの盾@魔法少女まどか☆マギカ
[道具]:(ランドセルの中に)猫草@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない、水晶、救急箱
[思考・行動]
基本方針:母を守り、帰還する。
1:ニケたちと同行し、鬼から逃げる。
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。 自分の役を子であると推測。
ペニーワイズを鬼と認識。彼の『変身する能力』を認識しましたが、詳細は把握していません。
少女(アルシア)を鬼と認識。「ほむらの盾」の能力は知りません。
【川尻しのぶ@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:親
[状態]:腹部に傷(小、応急処置済)、恐怖
[装備]:なし
[道具]:なし(デイパックの中身は早人とアルシアが装備中)
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい。
1:早人に従い、鬼から逃げる。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
-
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:カレイドルビー
[道具]:水晶
[思考・行動]
基本方針:この島から脱出する。
1:ニケ君たちに協力する。
2:早人らとともに鬼から逃げる。
※その他
ニケが見つけた紙により、自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・制限時間を把握しました。
【ニケ@魔法陣グルグル】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:お守り、鬼ごっこのルールが書かれた紙
[思考・行動]
基本方針:ククリ達と合流してギリを倒しに行く。
1:イリヤ達と協力してこの島から脱出する。
2:早人らとともに鬼から逃げる。
※その他
見つけた紙により、自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・制限時間を把握しました。
【桐山和雄@バトル・ロワイアル(漫画)】
[役]:子
[状態]健康
[装備]:イングラムM10サブマシンガン、デルタドライバー
[道具]:銃のマガジン(複数)、式札
[思考・行動]
基本方針:ニケとイリヤを勝利者とする。
1:「子(一定人数)」「二人に害意や悪意を持つ親」「親を減らそうとする親」「鬼」を水面下で排除する。
2:早人らとともに鬼から逃げる。その鬼をアリシアと推測。
※その他
ニケが見つけた紙により、各役の人数・各役の勝利条件・制限時間を把握しました。
アルシアと戦闘し、超常の存在がいることを知りました。
デルタギアは誰でも変身できるよう調整されていますが、オルフェノクや適合者以外が変身すると凶暴になります。
-
◆
アルシアは……川尻早人の『足跡』を追う。追いながら思考する。
足跡は深くめり込み、歩幅は相当に離れている。かなり人間離れした脚力だ。だが制御しきれていない。おそらく彼の靴に仕掛けがある。
やはり、今度こそ、脚を最初に潰す。それと……彼が庇っていた女には、戦闘力はない。文字通りの足手まとい。彼女を先に狙うか。
そして……やつらが逃げていく先。この気配は感じたことがある。先程仕留めそこねた、黒服の少年。
偶然か必然か、標的は合流する。単体で手こずった両者に手を組まれては、少々厄介かもしれない。
こちらの魔力と装備は充分だが、近接戦闘用が多い。投擲以外に、遠距離攻撃用の武器があれば、足止めにはなるか。
【E-07/01時33分】
【アルシア@白貌の伝道師】
[役]:鬼
[状態]健康、魔力消費(中)
[装備]:嘆きの鉈・群鮫@白貌の伝道師、紐付き柳葉刀@BLACK LAGOON、粉砕王(手甲)@アカメが斬る!零
[道具]:スマートフォン(鬼)
[思考・行動]
基本方針:出逢った全てを殺す。
1:桐山を追う。殺したら死体を回収する。
2:次からは、今度こそ、獲物の脚を最初に潰す。
3:この付近に居る獲物(早人・しのぶ)を追う。
4:遠距離攻撃用の武器が欲しいところ。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
桐山、アリス・カータレット、川尻早人、川尻しのぶの顔を認識しました。
-
投下終了です。
-
投下乙です
こちらもなかなか混沌としてきましたね
-
>>811
ああっと、「対抗手段を持つ自分が」ですね。
-
皆さん投下乙です。
森の中でゴッツい男二人がほぼ何もしないうちから伸びてたり赤ん坊と三国武将がビジネスライクに会話したりと、私の知るパロロワとは大幅に違う風向きでじわりじわと話が進み一読者としても楽しく読ませてもらっています。
一方で因縁ついて回り戦いに突入しそうだったり常にピンチにラッシュさせたりという場所もあったり。
あそこはこの投下の次に私が爆発させます。
では私も投下します。
-
(一時か。こちらの時計、もとい携帯ではそうなっているが、実際の時刻だとは鵜呑みにできないな。デスノートはこの時計の時間を基準にするのかどうか確かめておく必要がある。だが今はその前に。)
「Kさん、どうされました?顔色が悪いようですが。」
「いや……少し頭痛がしまして……」
「気絶から目覚めたばかりで少し動き回りすぎたのかもしれませんね。たしかドラッグストアがあったはずです、合流したら探してみましょう。」
「お気遣いありがとうございます……」
Lこと夜神月はそう言ってKこと吉良吉影を心配してみせる。その顔に浮かぶのは、吉良とは対象的な安堵の表情だがもちろんそれを吉良に見せることはない。
(まさか『鬼』全員の顔と名前が公開されるチャットアプリがあるとは……これで誰が『鬼』かはわかったが、このスマホが『鬼』以外の手に渡った時のことを考えるのが怖いぞ。馬鹿な真似をしてでも顔を隠しておいたのは不幸中の幸いとでも言うべきかな。彼みたいに無様な顔をしたくはない。)
(クソっクソっクソっ!なんでこんなものを配った!これじゃあ私が『鬼』だと隠しようがない!)
二人の『鬼』は程度に差があれど苦い顔をする。月は微かに、吉良は目に見えて。その原因は二人がそれぞれに隠し持つスマホ。『鬼』全員の顔と名前を共有するそれは、同士討ちを避け連携をとれるようにするための重要なアイテムではあるが、人の波に隠れる二人にとっては情報漏洩という観点からして天敵である。一応『鬼』と明言されているというわけではないものの、どう見ても殺人鬼や人外だと思われる者も含めて12人、人数のことも考えるとこれだけで判断材料には充分であろう。
そしてこのスマホに関してはもう一つ問題がある。それは。
((しかし、まだ誰も書き込まないな。))
-
「俺は――気づいたときには椅子に縛り付けられて変な鬼ごっこのルールを聞かされたあと、飛行機から落っことされてたな……そんな顔するなよ、信じられないだろうがこいつはマジだ。」
阿部高和はそうハッキリと言った。彼が選んだのは、駆け引き無しの情報開示だった。
悩んでいたのは僅かな間だった。もともとごちゃごちゃした駆け引きは好きではない、それが面倒事となれば尚更だ。
「アンタらの言いたいこともわかるが、とりあえずこのルールを見てくれ。こいつを見てどう思う?」
「すごく……(わかりみが)大きいです。」
言葉に続けて彼が見せたのはデイパックの内側に記されたルール。それを見てその場の人間に困惑とそれ以上の感情が広まる。その感情の種類は役によって違ったが全員が同じ結論に達した。「前提が変わった」と。
そして結論への対応はワンテンポ『子』の方が早かった。
「実は私たちも話したいことがあるんです。鬼ごっこについて。」
(一歩遅れたか……)
(何を話す気だ?)
アイコンタクトで桜井悠と示し合わせた宮原葵は、先ほどまでの考えを捨てて積極的に情報を公開することにして口を開く。それは阿部さんによりルールを知らされたからではなくルールの存在が知られていることを知ったからだ。これがあの鬼ごっこであることを理解してもらうには相手にも鬼ごっこについて知っていてもらう必要があり、今までは自分たち以外に知っている人間がいなさそうだったので黙っていたが、こうなったら一気に喋ってしまったほうが良い。隠していても自分たちの利益になる段階は過ぎたと踏んだ。
一拍置いて再び葵は悠と視線を交わす。こういう大人相手に話す時は葵の方が的を得る受け答えができるため葵が話すのが良い、そう言葉にはせず二人は判断すると、葵は数秒目をつむり、そして言うべきことを纏めると話を再開した。
「実は私とUの二人は、前にも似たような経験があるんです。前回は運動会の日に児童十六人と教師一人が鬼ごっこをさせられて、それで……」
「体育の先生が鬼に殺されたんです。」
「……そう、体育教師が牛の頭をした鬼に殺されました。それと、鬼ごっこが終わったあと、私たちは失踪したことになってて、先生のことはみんな「最初からそんな人いなかった」って言って……信じてもらえないかもしれないけれど、あの時と同じかもしれないかなって思うんです。」
「なるほど、よく話してくれたな……しっかし、どうしたもんか……」
リピーターと言わんばかりのカミングアウトに青年たちは顔を見合わせた。『鬼』にせよ『親』にせよ、この鬼ごっこに前があると聞いている者はいない。
(問題は、他の『子』もそうであるかだな。二人だけが特別なのか、全員に共通するのか、あるいは一部の人間だけなのか。そもそも彼らが嘘を言っている可能性もある。デスノートで喋らせるか?)
(おそらくこの二人が体験したのはスタンドによる攻撃だろう。『バイツァ・ダスト』のような認識に作用するタイプか。今の私の状況もあるいは……)
(拉致られたと思ったらオカルトか?やれやれ、コイツは想像できないぐらい大事らしいな。)
「二人とも、辛いとは思うがもう少し詳しく聞かせてくれないか。」
「わかりました。」
それぞれに考えるところは別々にあれど話を聞くことに異論はない。自分たちの話に聞く耳を持たれたことに葵と悠も緊張を弛めると、先ほどより少し大きな声で葵が話を続けた。
-
「私たちはその日運動会の準備の為に学校に早く来ていました。六年生の各クラスから選ばれた、大道具係十六人です。」
「気がついたら私たちは教室の机で眠っていました。黒板にはあそこのルールと似たようなことが書かれてて、窓から見える空が赤かったのと、学校の敷地の外が霧で見えなくなってたのを覚えています。」
「教室の時計を見ると九時を過ぎていたので、たぶん二時間近くは意識が無かったと思います。それで、とりあえず先生に指示をもらおうって感じになって、伊藤――児童が一人職員室に走っていったんです。そうしたら……」
「そうしたら、悲鳴が聞こえてきました。教室にあったタブレットを見ると、学校の地図があって、そこには児童らしいアイコンと鬼という字のアイコンがありました。それで職員室の鬼のアイコンが変形して、児童のアイコンに噛みついてたんです。」
「何が起こったのかわからなくて、しばらく私たちは教室でじっとしていました。何か良くないことが起こってるのはわかったんだけど、確かめに行く勇気もなくて。」
「そうして教室にいたら、少ししてウサギみたいな生き物が入ってきて。それが、それが鬼だったんです。」
ほぼ淀み無く話し終えると葵は半秒ほど視線を悠と交わして「続きを話してもいいですか?」と問いかける。それを止めたのは月だった。
「その前に、いくつか質問をさせてもらうよ。君は最初に十六人の児童が鬼ごっこにさせられたと言った。その十六人について話してもらえないか。」
「……名前は、すみません。勝手に言うのは良くないと思うんで、それ以外なら。私たち六年二組からは男子二人と女子二人、一組からは……男子が三人で……三組は……たしか、女子が一人……二人……?」
「あ、O、もしかしてだけど……」
「?どうしたんだい。」
「その……思い出せないんです。誰がいたのか。何人かの印象に残ってる子以外が全然……」
「僕もそうです。あんなことがあったのに、半分以上思い出せなくて、まるで、夢の中であったことみたいにあやふやなんです。」
「正直信じられないな。ま、俺も妙なことに巻き込まれたばっかなんで嘘を言ってるとは思わないけれどな。」
阿部さんの言葉を最後に一度その場に沈黙が訪れる。その言葉通り大人たちにとっては子供たちの話はにわかには信じがたい。それは鵜呑みにできないという意味で嘘を言っているとは思っていないが信用できないことに変わりない。各々が得た情報は予想だにしないもの。微かな疑心が膨れようとしたところで口を開いたのは、再び月であった。
「子供に隠し事を明かされて大人が黙っているのもどうかと思うんで聞いてもらいたいんですが……おそらくこれから僕が言うことは彼らが言ったことと同じか、あるいはそれ以上に荒唐無稽かもしれないんです。だが今言っておかないと後々問題になるかもしれないので、信じられないかもしれないが本気で聞いてほしいと思います。」
「そんなに固くならなくてもいいさ、刑事さん。俺もこいつらも冗談みたいなことを話したんだ。で、その荒唐無稽な話ってのは?」
「なら言わせてもらいますが……僕はここに来る直前に臨死体験をしている。あるいはこう言うべきですかね、『死んだかもしれない』と。僕がここに来る前までの記憶で最後に憶えているのは、銃撃戦で撃たれて意識が朦朧としていた、というものです……あまりに突拍子もないし、幽霊か何かだと思われて『鬼』だと誤解されたくなかったんで黙っていましたが、話しておくべきだと思いまして。」
(他の人間が秘密を明かしたのに黙っているとただでさえ低い信用が損なわれるからな。他の参加者にも同様の経緯の人間がいるか確かめておくためにも、万が一デスノートが通じない可能性を考えても、ここはある程度正直に話しておくか。)
(……ここは私も便乗しておくべきか?)
「実は……私もなんです。さっきはここに出張に来たと言っていましたが、本当はここに来る前に怪奇現象というか、心霊現象にあいまして。自分の身に何が起こったかわからず、憶測で話してしまいました。Aさんも、ここに来る前は、なにか変わったことはありませんでしたか?」
「あん?ここに来る前か。俺は――」
-
――やらないか
――俺はノンケだってかまわないで食っちまう人間なんだぜ
――俺のケツの中でションベンしろ
――ところで俺のキンタマを見てくれ こいつをどう思う?
――今度はウンコォ? お前俺をバキュームカーとまちがえてんじゃねえのか!?
(言えねえ。)
男たるものまさか小学生を前にして公園の公衆便所でスカトロホモセックスをしていたとは言い出すわけにもいかず、阿部さんはこの鬼ごっこに参加して以来の深刻な表情を浮かべた。こんなところでカミングアウトを強いられるとは。
「どうしました?」
「いや、ああ、少し考えててな。記憶は多少曖昧だが、死にかけた覚えはないはずだ。」
「そうですか……では二人にはあらためてその鬼ごっこについて話してもらいたいんですが、その前に我々はこの建物の出入り口を抑えるべきだと思うんです。移動しましょう。」
「そりゃどういう意味だ?」
「この建物がルールに記された鬼の牢獄である可能性があるからです。もちろんあれを完全に信じたわけではないですが、しかし無視はできない。ここが牢獄だと気づかずに『子』が集まってそれが原因で何か怒らないとも限らないですし、避けられるリスクを避けておくべきでしょう。それに避難経路を把握してことも大事ですから。」
(しばらくは信用を得るために得点稼ぎだな。)
(この男、あまり『鬼』らしくない動きだ……『親』か?反対しておこう。)
「このショッピングモールは一階にしか出入り口はないですよ。僕達ならだいたいのつくりもわかります。」
「しかし、もし鬼ごっこなら迂闊に移動するのは危険ではないですか?この人数では隠密行動というのも難しいと思いますが。」
「では、チームを二つに分けましょう。本来なら戦力を分散しますが、今の我々に武器はありませんし、戦わずに逃げるなら数の少ないほうがいい。一網打尽にされて共有した情報が失われるのは各個撃破されるより避けなければならないことです。」
「あの、確かに一度で全滅するのはマズイとは思いますけど、それでもバラバラになるのは『鬼』に見つかりやすくなるんじゃないかなーって。」
「私もそう思います。リスクを分散しようとしてかえってリスクを大きくすることになると思います。」
(さすがにそこまで馬鹿じゃないか。)
「確かにね。だから言ってしまえば、片方のグループを囮にすることが前提になっている。そして囮役は僕達大人が行く。大人と子供でグループを分けて、まず僕達がエスカレーターで先行して各階を偵察する。出入り口まで行って安全だとわかったら三人のうちの誰かがエレベーターで上がり君達を迎えに行く。この建物に『鬼』がいないか簡単にでも確認できれば、ここをセーフハウス……拠点にできるだろう。というわけで、Aさん、Kさん、二人には僕についてきてほしい。」
「断りにくいこと言ってくれるじゃないの。俺はいいぜ。」
「フゥー……わかった。腹を括ろう。私も同行しよう。」
(起爆できる射程距離から外れてしまう、宮原の爆弾は解除しておくか。そして……『キラークイーン』!Lを爆弾に!)
それぞれに腹の中を明かさないまま話は進む。彼らが会議を終えて動き出したのはそれから数分後のことだった。
-
(これが使えるようになって数分、まだ誰も書き込まないな。様子を見ているのか?あるいはK……吉良吉影のように他の人間と同行していてこれを使えないでいるか。いや、そもそもこのアカウントが信用できるのか?明らかに人間でないのが何人かいるぞ。)
(高性能な携帯らしいが、動きがないな。しばらくすれば誰か書き込むだろう。まあ、私はやらないが。)
(あの二人とも『鬼』っぽいのになんで使わねえんだよ、早く書き込めよ。てか人形の手じゃこれ反応しねえのかよ!)
それぞれが互いにそれとなく死角に回り、互いの視線を避ける月と吉良、そして彼らの会話を全て聞き追いかけて先回りしてきたチャッキーの『鬼』三人は、それぞれスマホを手にして画面を注視していた。そもそも月が別行動を提案したのはスマホを確認する隙を作るためでもありそのかいあってこうして彼らは文明の利器を使える機会を得たのだが一つ問題があった。誰も書き込まないのだ。
この時、『鬼』十二人のうち鬼の牢獄の三人を除くと、ヤンとミカは他の役と行動中、ペニーワイズとジェイソンと堕姫とアルシアとDIOは戦闘やその前後、ギーグはそもそもスマホを消し飛ばしていて、残るは主催への反逆を企てるDr.ヘルだけ。つまり十二人中四人しか使えないという状況である。そして誰も予想していなかった事態だが、チャッキーは人形であるためスマホが反応せず、この時スマホが使えるのは実質三人だけである。そして吉良にこのスマホで誰かと会話をする気は薄く、月も危険性を警戒して自分から話す気はない。つまり何が起こるかというと。
(((なかなか誰も書き込まないな。)))
まさかの不使用。せっかくの情報交換の機会が使われない。
(もうすぐAも戻ってくる頃だ。また後で見るか?)
(もうすぐあのつなぎの男が子供達を連れてくる頃だな。これ以上これを見るのもあの紙袋男に怪しまれそうだな。)
(音量はボタンで動かせるのか。消しとくか。)
『子』がスマホを活用したのとは対象的に、『鬼』陣営、初動が遅れることになろうとする。果たしてこのままスマホが活用されないのかそれとも誰かしらが口火を切って使われようとするのか。それは十二人の掌の上である。
-
【F-05/01時04分】
【夜神月@DEATH NOTE】
[役]:鬼
[状態]:紙袋を頭に被っている
[装備]:ソード・カトラス@BLACK LAGOON、スマートフォン(鬼)@オリジナル
[道具]:デスノート@DEATH NOTE・ノートとペン@現地調達の入った四次元っぽい紙袋
[思考・行動]
基本方針:まずデスノートの真贋を確かめる。
1:Lとして振る舞い、皆と鬼ごっこについて調べる。特に葵と悠に注視。
2:鬼を含んだ他の参加者でノートを試す。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
※四次元っぽい紙袋は効果を失いました。
※桜井悠・宮原葵・阿部高和の顔を把握しました。
※スマホによって全ての『鬼』の顔と名前を把握しました。
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[役]:鬼
[状態]:ストレス、姿は川尻浩作
[装備]:スマートフォン(鬼)@オリジナル
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:親の振りをしながら鬼以外を始末する
1:まずはこのメンバーと同行する。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
バイツァ・ダストは杜王町でないことと本人が能力を把握しきっていないことで使用不可。
夜神月をキラークイーンで爆弾化しました。
【阿部高和@くそみそテクニック】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:青いツナギ、ベレッタM92F@魔法少女まどか☆マギカ、ベレッタM92F@バトル・ロワイアル
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:親と子を探す
1:さっき入ってきた入り口に全員で集まる。
2:思ったより面倒なことになったじゃないの、やれやれだぜ……
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握、各役の人数・会場の地図を未把握。
※原作終了後からの参戦です。
【宮原葵@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『水晶』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:死にたくない。
1:一階に降りて合流する。
2:大翔が巻き込まれていたら合流したい。
※その他
[ルールの把握度]
各役の勝利条件・制限時間を把握、自分の役・各役の人数・会場の地図は未把握。
※自分の支給品に気づいているかは不明です。
【桜井悠@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『水晶』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:死にたくない。
1:一階に降りて合流する。
2:大翔が巻き込まれていたら合流したい。
※その他
[ルールの把握度]
各役の勝利条件・制限時間を把握、自分の役・各役の人数・会場の地図は未把握。
※自分の支給品に気づいているかは不明です。
【チャッキー@チャイルドプレイシリーズ】
[役]:鬼
[状態]:健康、グッドガイ人形の体(新品)
[装備]:ナイフ、スマートフォン(鬼)@オリジナル
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品一つ(確認済み)
[思考・行動]
基本方針:子か親の前では人形のふりをして様子見、可能なら不意打ちで殺害する。別に殺さなくても良いらしいが殺した方が手っ取り早い
1:支給品の反撃を食らわないように警戒。話が通じるなら他の鬼と組むことも考慮する……だから誰か話せよ!
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
※人形なのでスマホを操作できません。
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投下終了です。
名波翠、稗田礼二郎、中沢、ヤン・バレンタイン、アリス・カータレット、浅倉威、セリュー・ユビキタス、岸辺颯太、川尻早人、川尻しのぶ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、ニケ、桐山和雄、アルシア、ペニーワイズ、ジャック・ザ・リッパー、若狭悠里、ヒデノリ、間田敏和あたりのキャラで書きます。
あらためて現在位置調べたらいつの間にかE-06周辺が伏魔殿みたいになってますね。
乱戦したい方がおられましたら代わりにリレーお願いします(正直書ききれる気がしない)。
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投下乙です。
まさか人形だからスマホが使えないなんて!そういやそうですね。
腹の探り合い、悩み、派手なバトルやアクションがなくても話は進み。
鬼が三人も集い阿部さんもいる魔窟に、次は何が起きるのでしょうか。
大量に予約されてるので、それを外して……キングほかで書きます。
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投下します。
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「……ハァ、ハァ、ハァ……うう……うぐお……」
ゴメオ。正式には5-メトキシ-N,N-ジイソプロピルトリプタミン(5-methoxy-N,N-diisopropyltryptamine)。
頭字語で5-MeO-DIPT(ごめお・でぃぷてぃー)と略される幻覚剤。日本国内では麻薬に指定され、違法である。
摂取から30分ほどで効果が現れ始め、3-6時間効果が持続する。摂取後1時間ほどは吐き気を催すこともある。
五感に幻覚を感じ、場合により高揚感や多幸感を覚え、聴覚や触覚、性感が鋭敏になり、肛門括約筋が緩む。
1時間ほど前、小瓶の中の液状のそれを、誤って鼻と口から摂取してしまった憐れな男―――『キング』は、その効果に苦悶していた。
体温が上がり、腹がシクシク痛む。尻の穴がヒクヒクする。吐き気を催し、目の前がぐるぐると回る。頭痛と耳鳴りがする。
なんらかの毒物。危険だ。このまま死ぬかも知れない。しかも、確実にあの少女と少年に誤解された。鬼だと思われた。誤解を解かねば。
だが、動けない。水を飲まねば。なんでこんな目に。厄日だ。
そんな状態のまま、少女と少年を追いかけることも出来ず、物陰にうずくまり、数十分は身動きもできなかった。草むらで吐き下しもした。
……そして、ようやく少し動けるようになった彼は、フラフラと山道をさまよい歩き……別の少女と少年たちの近くに現れたのだ。
だが……不幸にも、少年は銃を持った狂犬だった。彼はキングを撃ち……荷物を奪い、車を民家から調達し、少女と共に立ち去った。
キングは……悪運の強いことに、生きていた。偶然にも銃弾は絶妙な角度で肋骨に当たり、左第六肋骨を骨折させただけで済んだ。
それでも、ただでさえ朦朧としていたキングの意識は一瞬で刈り取られ、激痛と共に失神、倒れ伏したのだった。
◆
「う……痛ッ……」
頭痛と共に、意識が覚醒する。生きている。痛みがある。殺されていない。眼の前が少しずつ明るくなり、自分の手足が見えてくる。
何が……あったか。いや、今思い起こすのはヤバい。脳みそがショートしかけてる。どこかへ隠れ、休息せねば。
ドッドッドッドッドッドッドッド
心音がやけに大きく聴こえる。ああ、そうだ、生きねば。生き残らねば。
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
-
違う。これは、自分の心音じゃない。誰か、他のやつの……!
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
「あの……」
男に呼びかけられた。その顔を見た時、川田は何度目かの失神を……するところだった。
金髪をオールバックにした白人。青褪めた、怒り狂ったような凄まじい顔。左目のあたりに三本の傷。凄まじい威圧感。
そうか、俺はここで死ぬのか。川田はそう覚悟し、かえって冷静になった。深呼吸をする。頭が冴えてくる。
◆
激痛と共に覚醒した時、既に少年少女はいなかった。どうやら殺されずには済んだらしい。偶然か、温情か。
銃で撃たれた割りに、大した傷ではない。内臓は無事なようだ。だが、焼け付くように痛い。左の肋骨が折れている。
手当てが必要だ。歯を食いしばる。謎の薬物の効果も全然消えていない。呼吸が荒く、脂汗と涙が溢れてくる。なんでこんな目に。
いや、もうひとりいる。その少年……なのか、学生服の男は、手で頭を押さえて朦朧としていた。
「あの……」
呼びかけに応え、こちらを見て、大きく目を見開いた。まあこっちの恰好を見ればびっくりするだろう。
武器は持っていないようだ。こちらは右手を挙げ、弱々しく微笑み、敵意がないことをアピールする。相手も弱々しく微笑み、片手を挙げた。
「ええと……こんにちは。俺は『キング』。『親』の役だ。敵意はない。安心してくれ」
「ああ……俺は『川田章吾』。……なんかフラフラしてるが、大丈夫かよ?」
「……ちょっと今、調子が悪くて……さっき撃たれたし。そっちも、フラフラだけど」
「運が悪くてね。パラシュートで投下された時、樹木に引っかかって……。落ちたら頭を打撲して、妙なガキどもに殺されそうになって……うう……」
「お互い、大変だな……ここにいても危ない。どこか、民家へ隠れて手当てしよう。肩を貸す。立てるか?」
左脇腹を押さえ、右肩を貸す。
「ああ……すまん。なんとか……」
-
◆
拳銃とデイパックは、当然持ち去られていた。自分が殺されなかったのは……この男が近づいてきたからだ。
川田はそう思い、涙を流した。止まらなかった。彼は、俺の命を救ったヒーローだ。そう思った。
肩を貸してくれたキングの心音は、早鐘のように鳴り続ける。恐怖はもはや感じない。これが、俺を守ってくれる。
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
ドッドッドッドッドッドッドッド
◆
「……どうやら、あの子供たちは立ち去ったようです。でも……二人、歩いてくる……」
平瀬村の民家。注意深くヘンゼルたちを軍用スコープで監視していた大和亜季は、機関銃を構えているY-12に告げる。
「危険ですか」
「いえ……手負いです。あの子供たちに撃たれた、学生服の男性と……威圧感のある金髪の男性。互いに肩を貸しています」
「どうしますか、ヤマト=サン」
「…………助けましょう。こちらから迎えに行きましょう!」
彼らの動きは覚束ない。亜季は決意し、Y-12に同行を促した。Y-12は同意し、周囲を警戒しつつ彼らに近づく。
近づくにつれ、妙な音と威圧感が増して来る。あの金髪の男性から発されているようだが、敵意や悪意は感じない。
「止まりなさい! 役と名前を!」
遮蔽物の陰から亜季が呼びかける。キングはビクリとしたが、川田が手を挙げて進み出る。尋ねて来るなら、鬼ではなかろう。
「……親の役だ。どっちもな。俺は川田章吾、こっちはキングさん。武器はねえし、ご覧の通り怪我してる。助けてくれないか」
ややあって、亜季とY-12が姿を現す。
「勿論です。私は大和亜季、こちらはY-12さん。我々も親の役です。協力しましょう!」
-
【F-02/01時50分】
【キング@ワンパンマン(リメイク)】
[役]:親
[状態]:ゴメオによる催淫(あと数時間持続)、キングエンジン(心音)、左第六肋骨骨折
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:帰りたい……
1:子どもたち(翠と中沢)の誤解をときたい。
2:一応、自分のできる範囲で子と親を保護する。
3:川田と共に民家へ身を隠し、回復を待つ。
4:銀髪の子供(ヘンゼル)を警戒。
5:大和亜季とY-12を信用する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【川田章吾@バトルロワイアル】
[役]:親
[状態]:頭に打撲
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:状況を把握する。
1:キングについていく。
2:大和亜季とY-12を信用する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
-
【大和亜季@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[役]:親
[状態]:戦慄
[装備]:ACOG(銃器用照準器)@現実、ドス・ダガー、チャカ・ガン
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:帰還する。親や子と合流し、情報を集め協力する。
1:Y-12殿をひとまずは信用する。
2:銀髪の子供達(ヘンゼルと月夜)から逃げる。
3:川田とキングを助け、手当てする。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【クローンヤクザY-12型@ニンジャスレイヤー】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:埋込式サイバーサングラス、ヤクザスーツ、M60機関銃@現実
[道具]:デイパック(不明支給品2、確認済み)、飲食物・医療品少し
[思考・行動]
基本方針:子を探し、守る。親とは協力する。鬼と遭遇したら排除するか、子を連れて逃走する。
1:ヤマト=サンをとりあえず護衛する。
2:銀髪の子供達(ヘンゼルと月夜)から逃げる。襲ってくれば迎撃。鬼かニンジャ、あるいは両方ではと疑う。
3:川田とキングを助け、手当てする。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。個人名がないため、仮に「Y-12」と名乗る。
このゲームを「ヨロシサンによる自分の機能テストか、非合法組織による殺人ゲーム、あるいはその両方」と認識。
生き残るつもりだが、ヨロシサンの株価が下がりそうな行い(自分の正体をバラすなど)は基本的にしない。
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投下終了です。
…川田がいつの間にか自分の役を把握してることに気づきましたが、
途中でキングから話を聞いて推測したんでしょう。たぶん。きっと。
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投下乙です。
ようやく不運な二人がマトモな人に出会えましたね。
誤解もとけてるよう見えて徐々にこんがらがったりとどこもかしこも真綿で首を絞めるようにろくでもなくなっていってます。
ところでみんな『親』ですね。
もしかしてこれはフリですかね?
というわけで投下します。
-
「やれ。」
短く発せられた仮面ライダー王蛇・浅倉威の言葉と、それに合わせてベノスネーカーが発した毒液を合図に第二ラウンドは始まった。
二人の女戦士は左右にそれぞれに己の身を弾き、三者はベノスネーカーを中心に正三角形になるように対峙する。それを崩すように真っ先に動いたのはベノスネーカーに合わせた王蛇だったが、一番に攻撃を加えたのはセリュー・ユビキタスであった。
(まずは数を減らす!)
タタタタタン、と軽快なリズムを上げて手に持った八十九式からライフル弾が発せられる。それが殺到するのは王蛇――ではなくベノスネーカー。銃では有効打にならないと見てまずはそのペットから潰しにかかる。そのセリューの目論見は、銃弾を全く意に介さず振るわれた蛇の尻尾で見当違いであると知らされることになった。容赦なく襲い来る尻尾の薙ぎ払いを間一髪でスウェーバックすることで直撃を避け浅い裂傷一つで済ませる。
(どちらも硬い!)
「お前達はそいつで遊んでろ。」
「ッ!逃げてっ!」
無力感を感じた。セリューの顔は歪んだ。
僅か数秒、一つの攻撃だけでこの場では自分が足手まといであると理解させられた。目の前の悪鬼は標的を助太刀に現れた正義の女騎士へとあっさり替え、顔すら向けずに手下をけしかけてくる。
二度三度と振るわれる尻尾を銃を盾になんとか凌ぎながら打開策を考えるも、妙案はそんなに都合良く出てこない。視界の端では女騎士が裏拳を悪漢に入れている。悪漢も頭突きから横蹴りで打ち返す。あちらは一進一退だ。視線を反対側に向ける。先程ぶっ飛ばされたメタリックなサイのような化け物が猛然とダッシュしている。まず間違いなく二人に割って入る気だろう。目の前を見る。振るわれた尻尾で視界が縦に回る。殴り飛ばされながらわかったことは、この装備では勝ち目は無くものの一分で自分は敗北するだろうということだ。
数秒の考察の末に土の味とともに覚えたのは、自分たちが絶体絶命という事実、ただそれだけ。だが。
(なら、私がすべきことは一つ!)
だがそれがわかったことで彼女の方針は固まった。
「――たとえ刺し違えたとしても、悪を倒す!正義は――」
「なっ!?」
「あぁ……?」
「――負けない!」
メタルゲラスが戦場に復帰するより一歩早く、ベノスネーカーの尻尾が心臓を抉るより半歩速く、セリューは駆ける。飛びつく。王蛇へと。裸絞!
この突然の行動に王蛇もピュセルも一瞬動きは止まるがどちらも直ぐに行動を起こした。二人が出した結論はその性格や境遇とは裏腹に同じ、「この女は時間を稼いでいる」、それが二人の共通理解。そしてそんな手段を取った理由についても同じ結論を出している。すなわち、「この隙を突ければ私(ピュセル)の勝ちで、防ぎきれば俺(王蛇)の勝ち」ということ。
(ダメだ!間に合わない!)
(まず一人だ。)
-
そして二人は再三、同じ理解に達していた。現在の状況は、二対一。ピュセル一人でセリューを追ってきたベノスネーカーと戻ってきたメタルゲラスの妨害をやり過ごして、セリューの拘束ができているうちに王蛇を倒す。それは「無理」であると。
ピュセルの魔法によりその手に持つ剣が神速で伸びそれはさながら銃弾のように王蛇の元へと伸びるが、先程セリューの背を抉ったベノスネーカーの尻尾が手元へと伸ばすことで危なげなくその軌道をずらし、王蛇の仮面を掠めるものへと変えた。これで終わり。次なる攻撃をしようにも、メタルゲラスは既に王蛇の前に割り込もうとし、返す尻尾がベノスネーカーによってピュセルの首へと振るわれる。防御、回避、逃走、それらの行動をとらされることを強制させられる。
岸辺颯太は剣と身を引きながら歯噛みした。判断ミスだ。あれでは一手足りなかった。自分か彼女かがもう少し考えを巡らせるなり手札があるなりすれば、あるいは連携が取れれば良かったが、これでは彼女が無駄死にする。しかも、自分はたぶんそれをとめられない。さっきのタイミングで逃げてくれればまだマシだった――一瞬のことで言葉にはならない思いを文字にすれば彼が感じたことはそんなところだ。憤怒、悲哀、諦観、ないまぜに。だがそれでも彼がピュセル(乙女)である以上戦いをやめる気はない。最後まで全力を尽くす。それが使命である――
そんな彼の幼稚な自負心は、一つの勘違いは、彼が守ろうとする女の言葉でひっくり返った。
「自爆します!離れて!」
「ハァ?」
「はあっ!?」
唐突な爆発宣言。まさかの展開である。そんな怪人がBパートの中間ぐらいでやりそうな展開がくるとは思いもしなかった。だが直ぐに、それこそ王蛇より早く理解した。
(特攻――!)
なるほど彼女の身体能力は少し見ただけでも常人離れしたものである。そして彼女は言動が正義の味方である。この二つの組み合わさったとき思いつくのはなんだろうか?
特撮ヒーローである。
筆者はそうである。皆さんもそうであろう。誰だってそうなのだ。
超人的な力と悪を憎む心、この二つを目の当たりにすればとりあえずヒーローを思いつく。このあたり特撮好きと魔法少女好きの共通項である。もちろん魔法少女と言っても戦わないタイプの魔法少女もいるのだが、岸辺颯太が好きなのはバリバリに変身ポーズをキメてバリバリに戦い2クール目から3クール目ぐらいにかけて強化フォームが出て漫画版の戦闘描写がやけに気合入ってるタイプの魔法少女ものである。
なのでこの展開は彼にとっては見覚えのあるものだ。強敵相手に一矢報い、しかしトドメを刺すことができずに途中退場する、アレ。もしくは最序盤に主人公に先達が道を指し示して死ぬ、アレ。まさにそれが今彼の目の前で起こっている。
颯太は我が身を恥じた。先程は大変彼女に失礼なことを思ってしまった。魔法少女度は彼女の方が圧倒的に上である。守るつもりが命がけで助けられようとしているなど想像もつかなかった。彼女の言葉を聞いてからから僅かな間に颯太は大いに恥じ入り、そして彼は行動を決めた。ここで背を向けてはならない!と。
「うおおおおおおおおっ!」
邪魔だと言わんばかりに剣を投げ捨てる。よもや投げるとは思っていなかったであろうメタルゲラスは脳天に直撃を受けもんどり打つ。それを踏み越え彼は王蛇へと走る。振るわれようとするベノスネーカーの尻尾を鞘を顔面にぶん投げることで狙いを狂わせ、怪人へと取り付く。既に女性の足の肉が握力で千切られていき拘束がとけかかっているがまだ時間はある。そして仕掛けるのはタックル!
-
一方の浅倉は彼の行動に呆れ鼻を鳴らしていた。ピュセルの剣を二三受けたが一発では致命傷になりえないことを把握している。まして武器を捨てたのならどうということはない。背中の女を盾にしてもいいしソードベントで迎撃も不可能ではない。身体能力は高いようだが喧嘩慣れしていない。それが颯太への評価である。それゆえ彼はバックステップと共に硬鞭を放つという、回避とカウンターを一度に行うような、スマートな行動をとった。そしてそれが失敗であった。
「――獲った!」
「何だと……!」
「真剣、白刃取り……!」
回避に専念するでもカウンターに専念するでもない、下がりながらの一撃。当然それは攻撃行動としても防御行動としても不完全なものである。普通はその不完全さで相手の反応を遅らせたり更なる対応を取らせたりするので問題は無い、むしろどちらかに専念するよりも良手であるのだが、しかしここに例外がある。それは喰らう側が行動を決め打ち――つまり何があっても絶対にやるという『覚悟』がある場合。王蛇の事情など知ったことではなく確実に一つの行動をすると決めていたために、王蛇の攻防一体の動作は結果的に悪手へと変わる。その結果が。
(こいつ、胸で。)
「胸の脂肪で剣を耐えたッ!!」
ラ・ピュセルの胸の谷間に確かに確保されるベノサーベル!強かに打たれるも、死を覚悟した人間に敬意を表するために、彼は魔法少女になって以来五本指に入るほどに傷を負うことを覚悟した。もちろん痛いのは嫌だ。憧れの存在になったとはいえそこまでは本音ではやりたくない。が、そうは言っていられないのが今だ。意地があるのだ、魔法少女には。ここで貫き通さなくてはならない、ここで退いてはならない、そんな意地が。
(肋が折れてる、たぶん。)
(息ができない。痛い。苦しい。)
(でも、生きてる。)
(私も!生きているぞ!)
もっと早く、本気で戦うことを決意していれば。もっと鋭く、血生臭く泥臭く戦うことと向き合っていれば。自分は彼女にあんな命を投げ捨てるような行動を取らせはしなかっただろう。正直、自分には真似出来ない。特攻すれば誰かが助かるとわかっても、いざ実行に移そうとすれば、たぶん無理だ。自分の中にある岸辺颯太としての部分が拒絶してしまう。だから、名も知れぬ正義の女戦士を尊いと思う。閃光のように眩しく思う。そして尊敬に値する決死の行動には必死の行動で報いねばならぬと、自分の中にあるラ・ピュセルの部分が訴える。
その内なる声に応えるよう裂帛の気合いの大声と共に、颯太は、ピュセルは魔法を使った。彼の、彼女の魔法は、『剣の大きさを自由に変えられるよ』 。そして剣は今まさにこの胸にある!
「離れてください!そして……飛んでけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ハハッ!やればできるじゃないかっ!あぁっ!!」
――――STRIKE VENT――――
セリューの拘束から解放された王蛇がメタルホーンを召喚し振るうも、遅い。ラ・ピュセルの手により王蛇が手放したベノサーベル、その柄の部分が超スピードで延ばされ王蛇を文字通り視界から消えるまで遠くへ運ぶ。装甲の薄い腹部に突き立てられた柄は王蛇の身体をくの字に変える。王蛇の哄笑は秒で遠く消え、視界に映らぬほど遠くでポトリと落ちた。
「逃げます」と一言だけ言ってピュセルはきびすを返した。使い魔が浮き足立っているうちに離れよう、主との距離が離れれば追って来ないはずだ、そう読んでセリューの答えは待たずにお姫様抱っこで抱え上げ走り出す。後ろから毒液が飛んできたりもしたがダッシュの最高速の方が早い。何よりその足取りが軽い。あるべき魔法少女像の一端を見い出した彼からすれば、もう何も恐くなかった。
-
【E-08/01時32分】
【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
[役]:親
[状態]:イライラ(中)、腹部へのダメージ(大)
[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:手鏡
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。今は目の前の奴らを殺す。
1:???
2:アリスの他にもう一匹子を見つけてキープする。
3:北岡が居たら殺す。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握、各役の人数、会場の地図を未把握。
※アリスを『子』だと思っています。
※現地上空を吹っ飛んでいます。どちらの方向にどのように飛んでいるかは皇族の書き手さんにお任せします。
【セリュー・ユビキタス@アカメが斬る!】
[役]:親
[状態]:ダメージ(小)、左足首付近と背中の一部の肉が抉れている。
[装備]:口と腕に仕込んだ内蔵銃
[道具]:八十九式小銃、予備弾倉。
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこを止める。悪は殺す
1:正義の女騎士さんと協力して悪(蛇男)を殺す。なので追撃したい。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握、各役の人数、会場の地図を未把握。
※コロは異能と判断されたのか没収されました。
※十王の裁きは五道転輪炉(自爆用爆弾)以外没収されています。
※他の武装を使用するにはコロ(ヘカトンケイル)@アカメが斬る!との連携が必要です。
【ラ・ピュセル(岸辺颯太)@魔法少女育成計画】
[役]:子
[状態]:ダメージ(小)、肋にヒビ、高揚、セリューへの敬意。
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:マジカルフォン(私物)
[思考・行動]
基本方針:スノーホワイトの騎士として人々を助け、N市に帰る。
1:とっとと逃げる。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
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投下終了です。
ラ・ピュセルが死ぬはずがなんか勝っちゃう展開が思いついたので予定変えました。
今度は擬宝珠檸檬、花酒蕨、ジェイソン・ボーヒーズ、DIO、豊穣礼佑、織田敏信で書きます。
あとこちらで書くのもなんですが安価多ロワさんを応援してます。
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投下乙です
ピュセルが助かったはいいがフラグ立ててますね…
皇族の書き手いたら怖いな
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皇族の書き手ってなんだよ後続の書き手だった……
投下します。
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擬宝珠檸檬はこの世の終わりのような顔をしていた。
つい先ほど、迫り来る『鬼』を確認した。それは良い。いや良くはないのだがまだ良い。問題はその後だ。
突如現れたタンクローリーが突っ込んできて、『鬼』がそれに襲いかかって、何か良くわからないことになったあと別の『鬼』が来た。ただでさえ絶望的な状況だったのに『鬼』より強そうな謎の人物が出てきたりともう檸檬にはどうすることもできない展開である。正直失神しそうだった。でも耐えた。だがしかし当の『鬼』がついにこの灯台に踏み入ってきたとなればポックリ気絶する運びとなった。
(!『子』か!)
一方その『鬼』こと、『親』の花酒蕨は、外見に似合わぬ身体能力で豊穣礼佑を抱えて灯台の中に入ると階段を駆け上がりドアを押し開けたところで自分を見て気を失った檸檬を発見した。
彼女がわざわざ灯台に入ったのには檸檬を助けるため、というわけではもちろん無い。というか彼女は別に灯台に誰かいると知って入ったわけではない。それは単純にDIOの迎撃のためである。
車を持ち超スピードで動く人外相手に、開けた場所を走って逃げられるわけがない。となると逃げ場は一択、灯台である。狭い場所であれば足の早い動物がその脚力を活かせぬようにあの超スピードをいくらかは封じられる可能性がある。そうすればどうにか太刀打ちはできる……かもしれない。それに保護(拉致ともいう)した『子』が何かイイ感じのアイテムとか持ってる……かもしれない、というか持ってないと詰む。正直なところ他人の持ち物ガチャに賭けざるをえないところまで追い詰められているのだ。
まず何も無いだろうとは思うがそれでも一縷の望みをかけて豊穣の身体を弄る。何か指に触れた、引き当てた、引き出す、出てきたのは、スマホ。
(ハズレか。)
一応見てみるとチャットアプリのようなものが見えた。役に立つかはいまいちピンとこない。となると時間がもったいないので次だ。
再び弄る何か指に触れた、今度はデカい、たぶんノート、出てきたのは、やっぱりノート、内容は。
『5 がつ 15 にち てんき くもり じかん あさ
でっどえんどー。』
(不吉!)
見なきゃよかった。なんだこの糞日記。
余計な時間を食っている間に階段を駆け上がってくる足音が聞こえた。おそらくはさっきDIOになにかされたいかにも殺人鬼然とした方の『鬼』であろう。DIOとひとまず戦わなくていいことで安堵半分、いつ何をしてくるかわからないことで恐怖半分、といったところだ。とにかくもう時間がない。こうなったらあっちの倒れてる女児の方だと豊穣にそうしたように身体を検める。三度何か指に触れた、今度は、これはたぶんお守りだろうなと確信しながら引き抜く、そしてやっぱりお守りで蕨は腹をくくった。三連続で役に立つものは手に入らなかった。期待はしていなかったが、やはり辛い。しかしこうなった以上なんとか殺人鬼をぶちのめすことをまずは考えなくてはならない。なぜなら既に彼奴は階段を登りきり自分の背後に迫っているのだから。
奥歯に力を入れ向き直る。怪人と目があった。倒れる子供たちを背にする形で蕨はジェイソンと対峙する。絵面は無力な子供を守る少年漫画のヒロイン、といった風にも見える。実際はぶっちゃけあっち狙ってくれないかな、とか思ってたりもするがそんな彼女の考えは全く無視してジェイソンはマチェットを振り下ろした。もちろん蕨は躱すが、ジェイソンももちろん追撃する。狭い室内で一対一が始まった。
(あの二人は眼中に無いか、空気読むな。)
役的にも人道的にも『鬼』が『子』に手出ししないように囮になるというのは良いのだが、それで死にそうになる本人はたまったものではない。だがこうなってしまった以上やるしかないのが兵の辛いところ。床を蹴り壁を蹴り家具を蹴り、なんとか凌ぐがそれだけでは埒があかないため刀を振るう。だが手応えはあれど効いている感じがしない。フェイントも交えて揺さぶるが相手がダメージに頓着しないこともあり捗捗しい成果は得られない。徒労感と疲労感がかさむばかりだ。
-
(狙うは額の――)
ならば狙いを変える。さきほどDIOに何かされたのか、額の一部に謎の物体がある。もしやこれが弱点ではと当たりをつけつわ切りかかる。膂力は凄いが剣技ならば一日の長が蕨にある、雑に振られたマチェットを見切ると容赦なく頭に振り下ろした。
予想は的中した。今まで切っても叩いても効いていなかったのが途端に頭を抑えて悶え苦しみだした。頭の形もいびつに変形していく。そして数秒が経ち、頭が爆発した。
「……なぜ?」
まさか爆発するとは、これには蕨、キョトンである。だがとにかくなんだかよくわからないが一応倒せたらしい。彼女からすればDIOの前哨戦のため警戒を切ることなく気を配り襲撃に備える。今のところDIOが攻めてくる気配は無い。打ち倒した『鬼』もビクビクと痙攣を続けている。他には……あった、紙切れだ。一枚の紙切れが女児の近くに落ちている。拾って見てみた。
『生きている参加者一人を対象に選んで発動する。対象が『鬼』だった場合、お守りを対象にぶつけると対象は死亡する。使用後自壊する。 』
こんな便利なものだったとは、と一瞬思ったが真に受けるのは馬鹿らしいので蕨はなんとも微妙な顔になった。心なしかリボンもしょげている。たぶんさきほど女児から頂いたお守りの説明書なのだろうが、鵜呑みにできるような内容ではない。これがあればDIOもなんとかできるかもしれないが……
(!)
さっきを感じとっさに伏せる。腰の辺りを薙ぐようにマチェットが頭上を通り過ぎた。見なくてもわかる、誰が奇襲をしたかなど。
「本当に不死身か!」
「……!」
頭もすっかり再生しマチェットを振りかぶるジェイソンがそこにいた。確かに頭が爆発したのを見たのに、少し目を話した隙に何事もなかったかのように再生している。催眠術か超再生か、ともかくとんでもなくヤバイ相手ということはわかった。ひょっとしたらDIOより危険かもしれない。突っ込んでくるところにカウンターを合わせながら、蕨の顔が歪んだ。何かおかしい、そう直感が告げ棒手裏剣を投擲したのとほぼ同時に、ジェイソンは走り抜け蕨の後ろで倒れる女児の頭にマチェットをぶち込んだ。
パターンが変わった。それを理解しもはや100%の殺す気で投げた手裏剣を受けて何事もなかったかのように行動する怪物を前に、躊躇なく背後から太刀で金的を見舞う。かすかに鈍った隙に脇を抜け、新たな標的とされていた男児、豊穣を確保しに向かう。その彼女の試みは自分の頭と首に走った痛みで妨げられた。掴まれている!
(こんなものに頼ることになるとはな!)
自分の身体が片手で持ち上げられる。体型でいえば小学生と変わりないのだ、軽々と担がれるともう片方の手のマチェットが首筋へと狙いをつけられる。刃が突きつけられ引き切られようとする正にその直前、蕨はお守りを喉元に殴り当てていた。
「……!」
「ほう――!」
首筋に熱が走る。不充分な加速しか得られなかったマチェットは赤い線を蕨に残すだけに終わり、それを持つ手が、腕が、身体が瞬時に変化していった。
ジェイソンの喉元から身体全体へと瞬時に白いものが走っていく。それは、塩。身体があっという間もなく塩へと変じていく。全くもってオカルトな光景。それを蕨は見ていた。自分の身体が支えを失い地面へと投げ出されるまでの、数分にも感じるような一秒ほどの間。人一人が無機物に変わっていくファンタジー。それを目の当たりにして忘我。
花酒蕨はこうしてこの鬼ごっこを「理解」したのであった。
-
【I-10(灯台)/01時28分】
【花酒蕨@武装少女マキャヴェリズム】
[役]:親
[状態]疲労(小)、DIOへの畏怖
[装備]:太刀・棒手裏剣(どちらも損傷・小)
[道具]:防弾ベスト・閃光弾、はいぱーびじょんだいありー@未来日記、スマートフォン(子・豊穣礼佑)
[思考・行動]
基本方針:『親』か『子』と合流する。
1:DIOから逃げる。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握、各役の人数、会場の地図を未把握。ルールの本質に気付きました。
豊穣はを持っています。
【豊穣礼佑@未来日記】
[役]:子
[状態]:気絶
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・行動]
基本方針:このゲームに勝利してエリートであることを示す。
1:DIO、織田敏憲を利用しながら情報を集める。
2:ピエロ(ペニーワイズ)との接触を避けるため、西北西方面に逃走したい。
3:未来日記所有者は優先的に殺す。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
未来日記による予知で、ある程度の未来を把握しました。
DIOを『親』の役と思っています。
【擬宝珠 檸檬@こちら葛飾区亀有公園前派出所 脱落】
【ジェイソン・ボーヒーズ@13日の金曜日シリーズ 脱落】
【残り 67名(鬼11名 親23名 子33名)】
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投下終了です。
かばん、三日月・オーガス、佐山流美、阿部高和、宮原葵、桜井悠、夜神月、吉良吉影、チャッキーあたりで書きます。
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投下乙です
ついに鬼の一人が脱落!檸檬はまあ仕方ないか…
お守りを当てるにも達人の伎倆は必要、ましてスタンド使いのDIOともなればポルナレフ並でもないと無理
蕨は灯台から脱出できるのか?あるいは一時屈して不意をうかがうか?
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現在位置はこんな感じでしょうか。
A-02:オルガ・イツカ、水泳部の田所、円谷光彦、プルツー
B-02:堕鬼/妓夫太郎、大場大翔
C-02:犬山まな、雲雀恭弥、竜宮レナ、夜叉猿Jr
C-05:Dr.ヘル、ウェカピポの妹の夫、ターニャ・デグレチャフ (川島龍之介)
D-06:若狭悠里、ジャック・ザ・リッパー、ヒデノリ、間田敏和、ペニーワイズ、牛頭鬼
E-05:ヤン・バレンタイン、名波翠、中沢、稗田礼二郎
E-06:川尻早人、川尻しのぶ、桐山和雄、ニケ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
E-07:アルシア、アリス・カータレット
E-08:浅倉威、セリュー・ユビキタス、岸辺颯太/ラ・ピュセル
F-02:キング、川田章吾、クローンヤクザY-12型、大和亜季
F-05:吉良吉影、夜神月、チャッキー、阿部高和、桜井悠、宮原葵
F-06:三日月・オーガス、かばん、佐山流美
F-08:マジェント・マジェント (源元気)
G-07:今泉慎太郎、エスター、狛枝凪斗、野原しんのすけ、グレーテル、金谷章吾、桜井リク (綾波レイ)
H-03:因幡月夜、ヘンゼル
H-06:草加雅人、関織子、たえちゃん
I-06:摂津のきり丸、賈ク、椎名翼、マニッシュ・ボーイ
I-10:DIO、織田敏憲、花酒蕨、豊穣礼佑 (ジェイソン・ボーヒーズ、擬宝珠檸檬)
行方不明:ギーグ
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時系列はこうですかね。(判明分のみ)
23:55 源元気に殺害指令
00:00 親の投下開始
00:01 大場大翔、因幡月夜、夜叉猿Jr.、アルシア、花酒蕨、グレーテル、エスター、ヘンゼル
00:02 稗田礼二郎、川尻しのぶ、ウェカピポの妹の夫、今泉慎太郎、クローンヤクザY-12型、擬宝珠檸檬、金谷章吾
00:03 織田敏憲、竜宮レナ、桐山和雄、中沢、間田敏和、たえちゃん
00:04 風見雄二、摂津のきり丸、村田幸雄、犬山まな、佐山流美、名波翠
00:05 支給された地図が2種類あると主催者側が気づく 椎名翼、源元気
00:06 オルガ・イツカ、雲雀恭弥、綾波レイ、関織子、大和亜季、マジェント・マジェント
00:07 かばん
00:08 河島龍之介、桜井リク
00:10 水泳部の田所、夜神月、円谷光彦、ターニャ・デグレチャフ、桜井悠、宮原葵
00:11 Dr.ヘル、豊穣礼佑
00:12 ヒデノリ
00:15 川尻早人 翠がキングを鬼と思い、中沢と逃げ出す 金谷が農協で織子を保護、たえちゃんを農協へ向かわせ、流美と戦う きり丸が少女を目撃
00:20 若狭悠里がジャック・ザ・リッパーと合流
00:22 間田とヒデノリが合流、鎌石小中学校へ向かう
00:24 堕鬼/妓夫太郎が河島とターニャを襲撃 ターニャは気絶 河島はカイザギアを使ってターニャを奪還するが反動で灰になり死亡 堕鬼がカイザギアの攻撃で負傷(治療中)
00:25 吉良が葵と合流、葵が爆弾化される 賈クが翼&マニッシュボーイと合流、赤子が鬼ではと疑う
00:26 月と悠がショッピングモールで合流、阿部とチャッキーもいる
00:29 野原しんのすけ
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00:30 まながヤンに襲われ、ヤンと雲雀が戦闘開始 稗田がレナを見失いホテル跡へ入る 夜叉猿Jrがレナに花を差し出す マジェントと源のいる寺へ牛頭鬼とギーグ接近 たえちゃんが農協へ駆ける
00:31 三日月・オーガス オルガと田所が同行、プルツーと光彦が同行、大翔もいる
00:32 吉良・月・葵・悠・阿部が合流 月は紙袋を被っており怪しまれる
00:33 月夜がヘンゼルからビラの内容を聞き把握、同行
00:35 Dr.ヘルがふらつくターニャをぶん殴って捕獲、ウェカピポの妹の夫を手下に加える
00:36 たえちゃんと織子が農協で合流 草加が農協に潜む
00:37 げんげんがマジェントの支給品を勝手に使い消滅(ミラーワールドに転移したため)
00:38 金谷が流美と戦闘、互いに重傷を負う 流美は右眼と前歯を喪失、逃げ出す
00:40 稗田が廃ホテルで中沢・名波と合流
00:42 アリスを痛めつけるアルシアを桐山が攻撃、殺しきれぬと見てほぼ無傷で撤退 アリスのデイパックを入手 オルガ&田所、プルツー&光彦が合流
00:43 大翔を堕鬼が嗅ぎつける
00:44 豊穣礼佑が織田敏憲と合流
00:45 三日月がかばんと遭遇 きり丸が賈ク・翼・マニッシュと合流
00:50 早人がペニーワイズを撃退、しのぶと合流 雲雀と夜叉猿Jrがヤンを撃退、まな及びレナと共に民家に隠れる ヤンは神塚山へ撤退し報告に行く 若狭とリッパーが鎌石小中学校へ向かう
三日月&かばんと流美が遭遇、三日月は鬼であることを隠して二人を本部へ連れて行く
00:53 アルシアが負傷を治癒し武器を入手、桐山を追跡
00:55 アリスがアルシアから逃げ延びるが藪の中で気絶 狛枝凪斗が綾波レイと合流 ペニーワイズが鎌石小中学校へ向かう 間田とヒデノリが鎌石小中学校で籠城準備中
ギーグが無学寺を破壊、牛頭鬼は撤退 マジェントはスタンドでギーグの攻撃を凌ぎ、生存 E-05にてキュベレイMk-2がヤンの紙袋から出現、轟音を立てて木々を押し倒す
Dr.ヘルとターニャが対主催で手を組む(義弟もいるけど)
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01:00 スマホ使用解禁 エスター、グレーテル、しんのすけが合流し車で移動 リクが分校へ 今泉が交番で拡声器を使用 灯台に檸檬が登り、ジェイソンと蕨が近づいている
堕鬼が帯で大翔を捕捉、周囲の親や子を引き寄せる 雲雀が鬼の気配を感じて北上、まな・レナ・夜叉猿Jr.が追う
01:01 同行する大和亜季とY-12型が外の銃声に反応 リクと綾波がスマホのグループトーク機能で挨拶
01:02 稗田・中沢・名波とヤンが合流 ヤンは親であると偽るが、名波が心を読んできたので誘拐 名波はヤンに「自分は子役の鬼だ」と告げる
01:03 川田がヘンゼル&因幡に捕捉され失神 亜季が望遠スコープでその様子を目撃
01:04 吉良が葵の爆弾化を解除、月を爆弾化する
01:10 鎌石小中学校付近にペニーワイズ出現、リッパーを嗅ぎつけるが鬼と誤認 リッパーがペニーワイズを嗅ぎつけ、敵と認識 間田とヒデノリは校内に罠を張り即席木製人形を作成 牛頭鬼も学校へ向かう
01:14 亜季とY-12が逃走、迎撃準備
01:15 DIOが豊穣・織田と合流 エスター、グレーテル、しんのすけが交番に到着 学校(分校)へ向かう ヘンゼル・因幡・川田のもとへキングが接近
マニッシュの式札をきり丸が発見 賈クと翼が夢の中でマニッシュと会話
01:20 ジェイソンと蕨が交戦開始直前、DIOがタンクローリーで襲撃
01:25 アリスが浅倉威に確保される DIOがジェイソンに肉の芽を埋め込む 蕨は豊穣を抱えて灯台へ逃走
01:27 アルシアが早人・しのぶを襲撃されるが撃退され、瓦礫の下敷きに 早人・しのぶは逃走
01:28 灯台内部でジェイソンと蕨が戦闘、檸檬は気絶したままジェイソンに殺される 蕨が檸檬のお守りを使ってジェイソンを殺す
01:29 分校にリク、今泉、エスター、グレーテル、しんのすけ、狛枝、綾波が集合 スマホ持ちの子が全員判明 金谷が分校まで辿り着くが重傷で気絶 グレーテルが綾波を殺害
01:30 桐山、ニケ、イリヤが合流 桐山が持っていたアリスのデイパックからカレイドルビー、デルタドライバー(仮面ライダー変身アイテム)入手 セリュー、浅倉威、岸辺颯太が交戦
01:31 たえちゃん・織子が農協に宿泊準備 草加も潜んだまま
01:32 颯太が浅倉を突き飛ばし、セリューと共に逃走
01:33 早人・しのぶと桐山、ニケ、イリヤ&カレイドルビーが合流し、共にアルシアから逃走 アルシアは早人らを追跡
01:40 ヘンゼルがキングを銃撃、肋骨を折って気絶させ所持品を奪う 民家で車を調達、月夜と共に分校へ
01:50 川田・キング・亜季・Y-12が平瀬村で合流
以上です。まだ2時間経ってないとは。
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すっごいわかりやすくてありがたいんでパクらせてもらってwikiに収録しときます。
しっかしこうやって改めて見てみるとコイツら分刻みで動きすぎですね。
10分に一度以上のペースで殺し合うとか鬼ごっこって言ってんのに普通のバトロワよりも殺伐としてます。
ただこのルートの本編が今現在だいたい60話で72人が全員二周していることを考えると案外こんなもんな気もします。
死亡ペースもこの間の投下で二人落ちたため時間で考えると割と妥当なラインですね。
ちなみに現在二周しかしてないキャラはこんな感じです。
チャッキー、Dr.ヘル、ウェカピポの妹の夫、ギーグ、オルガ、田所、プルツー、光彦、草加雅人、かばん、ミカ、狛枝、リク、今泉、アリス、浅倉、イリヤ、ニケ、セリュー、ピュセル
残り66人で20人いるんで始まったばかりとも言えますね。
まあうちは最後の一人まで殺し合う必要はあんまりないのでこのペースなら半年後あたりには終盤になってそうです。
さすがに2018年度中に終わらせて一周年で完結、というのは厳しいですが、どうせなら平成最後の日の4/30に完結させたいのでそこ目指して頑張ります。
そしてこの企画が終わってたら今度はロワか聖杯を5/1に立てようと思います。
捕らぬタヌキの皮算用ですね。
しかし少なくともこの鬼ごっこだけは意地でも完結させますので書き手・読み手の皆様にはもう半年お付き合いいただければ幸いです。
追伸:
ウェカピポの妹の夫とかがいる「チーム・ヘルインザ地獄」が二ヶ月ほど考えたもののどうにも書けないので書き手の方を急募します。
現状最も有力な対主催グループで面白くできそうな要素もあるのでギーグや浅倉を突っ込ませるのは最終手段にしときたいです。
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あと半年ですか…どうなるんでしょうね。ヘルチームはそのうち書くかも知れません。
オルガほかで書きます。
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したらばが不安定なようですね。明日以後にします。
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投下します。
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島の北西端、座標A-02。海に突き出した岬。
オルガ、田所、プルツー、光彦の4名は、互いに訝しみながらも合流し、自己紹介と情報交換を行う。
子は親の、親は子の情報を得た。ビラやデイパックの裏の文章で、三つの役の勝利条件も知った。そして……。
「宇宙コロニーと地球の戦争、か……。どっかで聞いたような話だな」
オルガが眉根を寄せ、呟く。田所と光彦は、面識はないが同じ地球の日本出身。対して、オルガとプルツーは。
惑星間規模の大戦「厄祭戦」から300年後、火星で生まれ地球と戦ったオルガ・イツカ。
宇宙世紀0089、火星と木星の間、小惑星基地アクシズで生まれたクローン人間プルツー。
同じ宇宙なのか異なる世界なのかは不明だが、もし同じだとすれば―――プルツーはオルガより遥かに昔の人間だろう。
宇宙世紀以前、「キリスト紀元」の地球に生きている田所と光彦は、もっと昔の人間ということになる。
「何百年かの未来にも、人類は存続し……飽きもせずに戦争を繰り広げているというわけか。まったく、愚かな種族だ」
プルツーが鼻を鳴らす。この火星生まれの男は、モビルスーツを知っているという。
そんな男と、この地球人どもと、この私。全く接点のない我々が、なぜこんな場所で一堂に会しているのか。
『記憶操作された人間を集めている』『自分への演習』という推測は、あたっているのか外れているのか。
まさか本当に、時間や距離を超えて―――なにかオカルティックな力によって、洗脳されているわけでもない様々な人間を集めているのか。
あるいは、これは現実ではなく仮想現実で、こいつらは単なる電子情報、アバターに過ぎないのか。どれも有り得そうに思えてくる。
光彦も交え、三人で対話と考察を行う。熱が入る。
「……これもうわかんねぇな」
ブリーフ一丁で日本刀を持った男、田所が、何度目かの同じ言葉を呟く。そうとしか言いようがない。完全に理解を越えた出来事だ。
機関銃を持った変な髪型の男と謎の少女は、いわゆる『オタク』らしく、自分には理解できない用語で会話している。
もうひとりの少年は、自分と同じくブリーフ一丁だ。いや、自分はゲイだがショタコンではない。盛っている場合ではない。今すべきことはなんだ。
-
「あのさぁ……まず、ここに親と子がいるんだろ」
苛ついた田所が呼びかけ、三人が振り返る。
「鬼ごっこしろっていうんなら、どこか別んとこいこうや。ここ、どん詰まりじゃん」
光彦が頷く。確かに、こんなところで鬼に襲われたら、逃げ場がない。答えの出ない話をしている場合ではない。
「そうですね。その、衣服も調達したいですし……民家を探しましょう」
◆
光彦も、オルガも、プルツーも。口には出さないが、わかっている。
親は子を守る。しかし、子が親より多く生き残ってゲームが終わった時―――生還出来るのは、親だけだ。
はっきり書いてはいないが、ルール上はそういうことになる。鬼と子だけなら話は単純だが、親が絡むとややこしくなる。
親と子が同じ数なら? ルール上は子が勝利し、親は生還出来ない。利害は一致しているようで、食い違う。どちらもが勝つ方法はないのか?
プルツーは……自分だけ生き残ればよい、とする。明快だ。オルガと光彦は……判断を保留している。
田所は……よくわかっていない。彼は平凡な一学生で、人殺しの経験も覚悟もない。要は鬼から逃げればいいのだろう、としか考えていない。
とにかく、他の参加者とも合流せねば。シンプルな彼の思考が一同を動かした。
「……!」
道を進むうち、プルツーが血相を変え、頭を抱えてうずくまる。これは。なんだ。眼の前に閃光が走ったような感覚。
「どうかしましたか?」
「……なにか、いる。この先だ。危険を感じる。気をつけろ……!」
並外れた直感力、認識力、精神感応能力。ニュータイプであるプルツーには、まざまざと危険が感じられた。
同じニュータイプか。いや、違う。強烈な思念波、邪悪な気配。悪魔か、鬼か。しかも―――それだけではない。子供の叫び声。襲われている。
そして、これは。それらの気配よりもっと遠く、轟音と共に突如出現した、この存在の感覚は。
『モビルスーツ』。そう伝わってくる。なぜ、なぜそれが、ここに。
-
◆
「南から来る……北のも、動いたね」
座標B-02の物陰で、堕鬼が呟く。風に乗って臭いや音声が伝わってくる。
帯で取り囲んだ籠の鳥、少年は、動転して叫び、わめいている。こちらは帯を動かし、煽り立てる。
殺しはしない。生き餌、友釣り、一網打尽。そううまくいくかどうか。慎重に見張る。こちらは手負い。二度も不覚を取るのはゴメンだ。
充分にひきつけたところで、帯を散らし、崖へ向かって追い立てるとしよう。
【A-02/01時02分】
【オルガ・イツカ@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:UZI@現実
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:とにかく生き残る。
1:とりあえず民家へ行き、衣服や靴を調達する。
2:プルツーの話に興味はあるが、判断は留保。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。
【水泳部の田所@昏睡レイプ! 野獣と化した先輩】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:日本刀、野原ひろしの革靴@クレヨンしんちゃん、ブリーフ
[道具]:デイパック、睡眠薬(持参)
[思考・行動]
基本方針:家に帰る。
1:とりあえず民家へ行き、衣服や靴を調達する。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。
-
【プルツー@機動戦士ガンダムZZ】
[役]:子
[状態]:健康、警戒、困惑
[装備]:光彦の服と靴、小石少々
[道具]:『スマートフォン(子)』、『お守り』
[思考・行動]
基本方針:生き残る。
1:この鬼ごっこの目的と自分の記憶について考える。
2:とりあえず民家へ行き、衣服や靴を調達する。
3:鬼(堕鬼)の気配と子供(大翔)の叫び声に警戒。遠くにモビルスーツらしき反応も感知。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子と推測。
地獄の雰囲気にのまれてニュータイプの力が若干鈍っていましたが、慣れつつあります。
この鬼ごっこを「記憶を操作された人間に関する実験」だと考察しました。他の可能性も考慮しています。
【円谷光彦@名探偵コナン】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:パンツと靴下のみ
[道具]:DBバッジ(現在通信不能)
[思考・行動]
基本方針:生還の為に行動。子や親と合流したい。
1:このゲームは誰が、どのように、何故行ったのかを考える。
2:とりあえず民家へ行き、衣服や靴を調達する。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子と推測。
この鬼ごっこを「記憶を操作された人間に関する実験」だと考察しました。他の可能性も考慮しています。
-
【B-02/01時03分】
【堕鬼(妓夫太郎)@鬼滅の刃】
[役]:鬼
[状態]:負傷(再生中)
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:殺し、食らい、現世へと復活する。
1:幸せそうな子や親を食い殺し、取り立てる。
2:帯で大翔を取り囲み、この場に周囲の親や子を誘き寄せ、一網打尽にするか殺し合わせる。
3:今度は反撃を受けないよう慎重に観察する。
※その他
スマートフォン(鬼)の所在は不明。落としたのかも、元から入ってなかったのかもしれません。
【大場大翔@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康、混乱
[装備]:『お守り』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:とにかく人と会う。幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。
1:鬼と異臭を警戒。
2:なんだこの帯は!?
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を子と推測。
投下終了です。
-
アリスほかで書きます。
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投下します。
-
「はあ……痛ッ……」
座標E-07、とある民家。痛々しく顔を腫れ上がらせ、包帯を額に巻いた金髪の少女が、呆然とベッドに座っている。
一体何が起きたのか、理解が出来ない。拉致、投下、鬼、打撲、出血、気絶。記憶が断片化しそうになるのを必死につなぎ合わせる。
これは、悪夢か。現実か。意味がわからないが、ここで鬼ごっこをしろ、親の役だ、と言われている。親は鬼から子を守るのだと。
しかし、自分に戦う力などない。皆無だ。鬼はと言えば、完全にバケモノで、自分をいきなり殺しに来た。
その鬼は、幸運にも別の鬼と殺し合いを始め、私を放置して去っていったようだ。気絶した私を助けてくれたのが、浅倉という男。
彼は―――鬼ではないが、怖い人のようだった。私を助け、食糧まで与えてくれたのだから、根は悪い人ではないと思うのだが。
しかも彼は、何か……特撮ヒーローに変身することが出来るらしい。そして私に「ここにいろ」と告げ、外へ出ていった。
好意的に解釈するなら、彼はその力で他の参加者を助けに行った、のかも知れない。きっとそうだ。そう信じよう。
善良で無力な彼女、アリス・カータレットには、他に選択肢はなかった。気紛れかも知れないが、強力な親に守られている。
彼女は幸運だと言える。ただ問題は、浅倉にひとつ、ウソをついたこと。自分は『子』だと告げたこと。
なぜ、そう告げたか。彼女は「鬼ごっこ」のルールを読み、既に気づいているからだ。
『親』が生還するには、『子』が親より多く生き残らなくてはならない。
すなわち、子が何人いるか不明な現状、生還を望む親は……子を守り、他の親を「間引く」可能性があると。
アリスは、こう見えても18歳だ。奪われたデイパックにも「あなたは親です」と明記してあった。
だが、浅倉にバカ正直に告げれば―――彼は、自分を、殺しただろう。確信出来る。
体の震えがひどくなってきた。傷のせいではない、恐怖のせいだ。このウソをつきとおさねば、自分は死ぬ。
あるいは、一縷の望みとして……自分が死んでも、親が勝利すれば、生き返れるかも知れない。でも、死にたくはない。決して。
どうする。どうすることも出来ない。何も。ここで震えて、浅倉の帰りを待つことしか。だが武器もない自分が、無防備なまま、誰かに襲撃されたら?
膝を抱えて震えるアリスの潜む家に、何者が近づいていた。
-
◆
「フー……とにかく、他の参加者と合流しねえとな……ひとりじゃあ心もとねーしよ。グスッ」
森の中。山道を辿って進んでいくのは、左目を失ったシルクハットの男。マジェント・マジェントだ。
座標F-08、無学寺を襲った謎の災害から生き延びた彼は、その災厄が転げ落ちてきた方向へ進んでいた。
次から次へアレが来る様子はない。ならば、むしろそっちへ遡った方が安全だろう、という程度の思いつきだ。
実際、アレによって地面がえぐり取られ、木々がなぎ倒されて道がついている。
ふと目を脇へ向けると、民家が立っている。慎重に観察すると、新しい足跡が見えた。中に誰かいるか、いないか。
誰もいなくても、物資を回収したり休息をとったりは出来よう。マジェントはそう判断し、その家へ近づいていく。
◆
その東、座標E-08、東崎トンネル付近。
ここでは本来のゲームである「鬼ごっこ」をよそに、怪物二体を従えた怪人と、二人の正義の味方が対峙している。
怪人が従えるのはミラーモンスター。サイ型のメタルゲラスと、大蛇型のベノスネーカー。いずれ劣らぬ魔物ども。
しからば、この怪人は『鬼』なのか? 残念ながら『親』だ。その身に纏う装束も怪物たちも、「支給品」とその産物に過ぎない。
彼とこの支給品は、ある意味この鬼ごっこの舞台の根幹をなす秘密に最も近いと言えるのだが、当人にその自覚はない。
生憎、彼―――浅倉威は、極めて自己中心的な悪人だ。そんな男が、超常の力を振るう。危険極まりない。
対する正義の味方のうち、セリュー・ユビキタスは、浅倉に勝るとも劣らない危険人物だ。
彼女の正義は偏狭で、独善的で、自己中心的だ。相手を悪と認定すれば殺害も辞さない、否、殺害を最優先する狂った女だ。
そんな女が、銃で武装している。危険極まりない。
もうひとり、ラ・ピュセルこと岸辺颯太は、さほど危険ではない。純粋な戦闘力だけなら、モンスターたちに充分対抗できよう。
ただ、彼女……彼……ラ・ピュセルは、殺し合いには向いていない。所詮は、魔法少女に憧れていた夢見がちな少年に過ぎない。
未来には無惨に殺される運命が待っている。それはここになるのか、あるいは。
―――やがて、ラ・ピュセルの活躍で浅倉は突き飛ばされ、セリューとラ・ピュセルは逃走に成功した。互いの先には何があるか。
-
◆
ところで……その南。座標F-08、無学寺。
時刻は午前1時30分過ぎ。その数十分前、この場所では大規模な破壊が行われ、寺は原型を留めないほど粉砕されてしまった。
それをしでかしたのは、ギーグという『鬼』。全てを破壊するために動き回る現象めいた災厄。
神塚山の東斜面に沿って、転げ落ちるように寺を破壊し尽くしたギーグは……では、どこへ行ったのか?
破壊の痕跡は、そのまま東へ。道路を横切って海へ続いている。海へ落ちたのだ。
しかしながら、ギーグはその程度では死なない。そもそも死ぬのかどうか。
子、親、鬼の区別なく、全てを破壊するため――――ギーグは再び上陸した。座標E-09からE-08にかけての海岸に。
「ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン
ネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサンネスサン」
【E-07/01時31分】
【アリス・カータレット@きんいろモザイク】
[役]:親
[状態]:顔に打撲傷。額から出血(止血済み)。恐怖。
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:元の世界に戻って、みんなで修学旅行へ行く。
1:浅倉さんを待つ。
2:浅倉さんについたウソがバレないようにする。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。各役の人数、会場の地図を未把握。
※原作での修学旅行エピソード前からの参戦です。浅倉に、自分は『子』であるとウソをつきました。
※アルシアと桐山の顔を把握しました。共に『鬼』だと思っています。
※鏡の中で、浅倉と契約したミラーモンスターの一体「エビルダイバー」が彼女を見張っています。
-
【マジェント・マジェント@ジョジョの奇妙な冒険 SBR】
[役]:親
[状態]:健康(戦闘で左目を失っており、偏頭痛やよだれ・鼻水を垂れ流す後遺症がある)
[装備]:スタンド『20th Century BOY』(動かなければ絶対防御)、レミントン・ダブルデリンジャー@現実
[道具]:頭陀袋(無学寺から調達、金目のものが適当に詰め込まれている)
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこで優勝する。とりあえず『子』を守れば良いのかぁ?任せろ!
1:子や親を探す。
2:あの変態野郎(げんげん)を見つけ出して殺す。
3:災害(ギーグ)を無傷で乗り切ったことで自信がついた。
※その他
[ルールの把握度]
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
※レギュレーション違反に気づいた主催者から追手がかかっている。優先順位は比較的高い。
※デイパックと支給品二つ(シザースのデッキ@仮面ライダー龍騎、金塊@Gengen Channel)はミラーワールド内に放置されています。
消滅するか、また既にしているかは不明です。
【E-08/01時32分】
【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
[役]:親
[状態]:イライラ(中)、腹部へのダメージ(大)
[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:手鏡
[思考・行動]
基本方針:皆殺し。今は目の前の奴らを殺す。
1:???
2:アリスの他にもう一匹子を見つけてキープする。
3:北岡が居たら殺す。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。各役の人数、会場の地図を未把握。
※アリスを『子』だと思っています。
※現地上空を吹っ飛んでいます。どちらの方向にどのように飛んでいるかは後続の書き手さんにお任せします。
-
【セリュー・ユビキタス@アカメが斬る!】
[役]:親
[状態]:ダメージ(小)、左足首付近と背中の一部の肉が抉れている
[装備]:口と腕に仕込んだ内蔵銃
[道具]:八十九式小銃、予備弾倉
[思考・行動]
基本方針:鬼ごっこを止める。悪は殺す
1:正義の女騎士さんと協力して悪(蛇男)を殺す。なので追撃したい。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。各役の人数、会場の地図を未把握。
※コロは異能と判断されたのか没収されました。
※十王の裁きは五道転輪炉(自爆用爆弾)以外没収されています。
※他の武装を使用するにはコロ(ヘカトンケイル)@アカメが斬る!との連携が必要です。
【ラ・ピュセル(岸辺颯太)@魔法少女育成計画】
[役]:子
[状態]:ダメージ(小)、肋にヒビ、高揚、セリューへの敬意
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:マジカルフォン(私物)
[思考・行動]
基本方針:スノーホワイトの騎士として人々を助け、N市に帰る。
1:とっとと逃げる。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
【ギーグ@MOTHER2】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:無し(支給品は全て破壊済み)
[思考・行動]
基本方針:皆殺し(ギーグがそう思っているわけではなく結果的にそうなるのである)
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。そんな知性も理性もない。
※会場からは出られない。参加者がある程度かたまっているのを察知し、周囲を破壊しながらじわじわと向かってくるようだ。
※ほぼ無敵。たぶん「お守り」がないと倒せないが、そも命中するのかどうか。お守りも効かなければ、もうどうしようもない。
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投下終了です。
サブタイは『鏡の国のアリス』の「赤の女王」のセリフから。
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Dr.ヘルほかで書きます。
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投下します。
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「……時間じゃな。確認するぞ」
Dr.ヘルはスマートフォンを起動し、グループトーク・アプリを開く。既に使い方は習得済みだ。天才ゆえに。
ターニャと、ウェカピポの妹の夫(以下、義弟と略称)も頷く。後者はよくわかっていない。
グループトークのメンバーの名が、顔写真付きで表示される。こいつら12人が、このゲームにおける『鬼』だ。
ペニーワイズ
ヤン・バレンタイン
Dr.ヘル
ジェイソン・ボーヒーズ
吉良吉影
夜神月
チャッキー
ギーグ
三日月・オーガス
堕姫(妓夫太郎)
アルシア
DIO
アルファベット順でも五十音順でもない。何人か日本人らしき名前もある。ターニャは眉を顰めた。
「ペニーワイズ? ジェイソン・ボーヒーズ? チャッキー? なんだこれは。ホラー映画やスプラッタ映画の登場人物か」
現代日本のエリートサラリーマンから異世界の幼女に転生させられた彼女には、聞き覚えのある名だ。
当該映画を見たことはたぶんないが、名前と容姿程度は知っている。特にジェイソンなど、ホッケーマスクの殺人鬼としてあまりにも有名だ。
白塗りピエロのペニーワイズ、人形に憑依したチャッキーも、それなりに知られている。こいつらが鬼なら、親や子は随分死ぬだろう。
訝しむヘルと義弟に、ターニャは彼らについて軽く説明する。また『ギーグ』のアイコンは、顔なのかどうか判別がつかない。そして……
「こいつです。『堕姫(妓夫太郎)』が、私とリュウを襲った二人一組の鬼。女の方が堕鬼で、背中から出て来た男の鬼が妓夫太郎というらしい」
「ほう。……そやつも含めて、まあ当然、本部に逆らってやろうという鬼はそうおるまい。子や親を集めるということになるか」
「ですね。鬼がゲームを放棄するメリットは皆無。単なる殺したがりの鬼も多いようですし……」
-
さて、どうするか。鬼限定のコミュニケーションツールとはいえ、我々がここにいます、と告げ知らせるのはよくあるまい。鬼が来ても困る。
仮に「善良な」……親や子を殺したくないという鬼がいたとしても、そいつとの対話は他の鬼全員に筒抜けだ。密談は出来ない。
誰もまだメッセージを発信していないようだし、だんまりを決め込んでもよい。対話している連中の動向を知ることが出来るだけだ。
「ともあれ、これで鬼全員の名と姿はわかった。次じゃな」
「はい。私が襲撃された場所へ行きましょう」
◆
同じくC-05、ターニャが一度目の気絶から目覚めた地点。リュウと出会い、堕鬼に出遭った場所から、そう離れてはいない。
犯人は犯行現場に戻る、と言うが……幸い、堕鬼は襲撃現場から既に離れていた。ターニャとヘルは移動しながら対話を重ね、推理する。
無防備に気絶していたターニャにトドメを刺さなかったのは、なぜか。可能性としてはリュウに殺されたか、重傷を負わされ、逃走したのだ。
では、リュウはどこへ。あのヤクザ者が、ターニャを上回るほどの戦闘能力を持つ堕鬼を、なんの武器もなしに倒せるとは考えにくい。
ターニャが持っていた『お守り』のような、強力な支給品を使ったと考えられよう。それはどこか? 今も彼が持っているのか?
「……なんじゃ、この灰は」
ヘルが、道路上に残った灰を発見する。衣服も灰化したのか失われていた。わずかに人の形を残している。リュウか、堕鬼か。
「……リュウでしょう。彼が持っていたドスを見つけました。それと、これを」
義弟を連れたターニャは、ドスを手に、無感情に言う。義弟は頑丈なアタッシュケースを抱えている。
「おい、ターニャ……それじゃあこのケース、持っただけで灰になるとかじゃあねーよな……」
「大丈夫でしょう。中身を確認して下さい」
言われるままに義弟がケースを開くと、ゴテゴテとした謎の金属製のベルトと、携帯電話などのアイテムが入っている。
「なんじゃ、これは……通信機器か?」
「ケースの裏面に着用法が書いてありますね。……これは……『仮面ライダー』の変身ベルトってやつ、でしょうか」
「はァ?」
義弟が聞き返す。ターニャは彼にもわかるよう言葉を選び、淡々と話す。
「フィクションの変身ヒーローですよ。本物かおもちゃか知りませんが、もし本物なら……リュウはこれを使って変身し、そして……」
「死んだ、と。鬼に殺されたのなら、ターニャは生きておらん。鬼を倒すか撃退した後、なんらかの理由で灰になったと?」
「たぶん……このベルトのデメリットなのでしょう。装着すれば鬼を圧倒する戦闘力を手に入れ、戦闘終了後に死ぬ。灰になって」
-
ターニャは無意識に、ドスを握りしめる。義弟が鼻を鳴らす。
「……なんじゃあそりゃあ。結局、鬼に殺されるのと大して違いがねえじゃあねーか」
「鬼を倒し、仲間を守ることは可能です。でなければ、私はここに生きていない」
正義など、義憤など、戦場での感傷など、柄にもない。
死んだのは今まで面識もなかったヤクザ者で、共にいたのも10分にもなるまい。涙は一滴も出ない。それでも。
彼は自分を救い、死んだ。それが事実。それで充分だ。
【チーム・ヘルインザ地獄】
【C-05/01時15分】
【Dr.ヘル@真マジンガーZERO】
[役]:鬼
[状態]:超健康
[装備]:バードスの杖(ただし現在は機能が停止しているため実質は頑丈な棍棒程度、本人はまだ気がついていない)
[道具]:四次元っぽい紙袋、『スマートフォン(鬼)』、不明支給品2つ(確認済み)、島の地図2枚、
『お守り』(ターニャから説明書ごと奪取)、モンドラゴンM1908(小銃。ターニャから奪取)
[思考・行動]
基本方針:戦いに勝利し、この企画の主催にいるであろう兜十蔵をぶち殺す。その後に改めて世界征服に乗り出す。
1:従来のルール以外にゲームをクリアする方法があれば、兜十蔵の鼻を明かす為にもそちらを優先したい。
2:自分の対主催計画に他の参加者を巻き込み、情報と手駒を集める。敵対者は打倒する。
3:アタッシュケースの中身(カイザギア)を解析する。
※その他
ウェカピポの妹の夫及びターニャと情報を共有。
【ターニャ・デグレチャフ@幼女戦記】
[役]:子
[状態]:健康、顔面負傷、静かな怒り
[装備]:コルトSAAピースメーカー、M84スタングレネード、ドス
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:このゲームから早期の脱出を目指す。
1:ヘルの対主催作戦に乗る。そのために準備を整える。
※その他
Dr.ヘル、ウェカピポの妹の夫と情報を共有し、鬼と親の持つ情報をある程度獲得。
-
【ウェカピポの妹の夫@ジョジョの奇妙な冒険 第7部 SBR】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:鉄球、剣、コルトSAAピースメーカー
[道具]:デイパック、カイザギア@仮面ライダー555
[思考・行動]
基本方針:決闘を汚した主催者に責任をとらせる(女なら殴りながら犯す)。
1:逆らえば殺されそうなので、Dr.ヘルとターニャについて行く。
※その他
Dr.ヘル及びターニャと情報を共有。
名が長過ぎるので、地の文では義弟と略称することにする。本名は不明。
ヘルやターニャには名乗ったと思うが、誰にも名前で呼ばれない。これからも呼ばれないだろう。
投下終了です。
レナほかで予約します。
-
投下乙です
次にカイザギアを使うことになるのは誰になるのか?今後の展開が非常に気になります
-
更なる投下乙です。
やはり各所が動いてくるのは群像劇という感じがしていいですね。
個人的なことで特筆すると懸案だった地獄組が動いたのがとてもありがたいです。
あそこはあのままならほぼ100%書けなかったので。
書いてて今が序盤なのか中盤なのか終盤なのかわからなくなってきましたがグループをシャッフルしていくのは今度増えてくと思います。
さて投下します。
-
【1】
帰りは行きよりも早かった。
三日月・オーガスは『鬼』から逃走するために、もと来た道を戻ることを選んだ。それが一番シンプルな答えだからだ。ミカは基本的に単純な解決策を好む。それは自分の判断力が高くはないという自己分析と、信頼できるやり方を重視するという考え方からくるものだ。そしてもう一つ、理由がある。自分が出てきた鬼の牢獄に『子』を連れて行くのはこの鬼ごっこにおける正解だからだ。
かばんはともかく怪我人の佐山流美の足取りは決して早いものではなかったが、襲われた恐怖かミカへの恐怖か、足を止めることはなかった。三人が知ることはなかったが時間にすれば一時半ほどには神塚山の山腹に到着する。無言で歩き続けるミカに引っ張られた少女達は、少しして洞窟を見つけた。
「あ、あの!」
「……なに?」
かばんちゃんの声に、ようやくミカは足を止めた。戻ってきたはいいものの自分からあのショッピングモールに案内するのは怪しいと思い直し、そのまま通り過ぎてしまおうと思ったのだが、幸か不幸か入り口が見つかったようだ。
「ミカヅキさん、洞窟がそこに……少し休んでいきませんか?」
「わかった。」
既に流美の方は疲労困憊という有様だった。ここに来て拒否するのも不自然と思い一泊置いて賛意を示す。
こうして三人はこのゲームの肝となる場所に足を踏み入れた。
-
【2】
「なあU、アイツは一体何してるんだ?」
「あれは漢字ドリルですよ。」
「漢字ドリル?それってあの?」
「はい。落ち着きたいときはああやってドリルとかやるんです。」
「お前たちは映画見に来たんじゃなかったのか?」
「こういう時のためにいつも持ち歩いてる、とか言ってました。」
「……たまげたなぁ。」
精神統一のために一心不乱にドリルをやっている宮原葵とそれを眺める桜井悠、阿部高和の二人。彼らは打ち合わせ通り五階で合流し一階に移動したところであった。
夜神月と吉良吉影、二人のキラの口車により阿部さんが子供達を迎えに行くことになり、警戒はしたものの特になんの異常もなく行って帰ってこれて今に至る。軽く情報交換をしたところ、特に二人の知るショッピングモールと変わりがないようだ。阿部さんからすればやけに慎重に動いたがなんてことはない、今のところ単に無人のショッピングモールにいるだけ、とでも言えてしまいそうなほどなんにもなかった。
館内の時計を見る。既に一時を軽く回っていた。本当に鬼ごっこなどあるのだろうか?
「だんだん手のこんだドッキリに思えてきたな。前回もこんなふうだったのか、U?」
「ぜんぜん。最初は一体だった鬼がどんどん増えていって、最後の方は鬼のほうが多いぐらいでした。」
「となるとこいつはまだ始まったばかりってことなのか。何日もかかるのは考えもんだ、急ぎの仕事はないがな。」
「整備工、でしたっけ?」
振り向くと、月と吉良がいた。彼らは合流後このショッピングモールは安全性が高いと判断し、二人だけで地下を捜索していた。主に気分が優れない吉良のために医薬品などを見に行ったというが。
「ああ。そういうアンタは、サラリーマンだっけ。その戦利品もスーパー勤めの知恵かい?」
「私が万引きをするような男に見られていたとは……心外ですね。」
「冗談だよ、そんな顔してると男前が台無しだぜ? てことは――」
「ええ、僕です。」
ドン、とテーブルに置かれた食料品を満載した買い物カゴ。それを持ってきたLこと月は「気になることがあります」と続けた。
「O、U、二人に聞きたいんだけれど、このお惣菜に見覚えはあるかい?」
「そのシールはここの地下で売られてるお惣菜に貼られてるものと一緒です。」
「こっちの値引きシールもそうですね。」
「うん、なるほど。そこまではいい。では……このお惣菜、その値札の部分を見てほしい。何か気づいたことはないかな。」
「うーん……特に変わったところはないですよ。」
「……すみません、もう少し時間をください。」
「いや、大丈夫だ。多分君たちにとってこれはなんら異常の無いものだからね。」
紙袋に開けられた小さな穴の奥で、月の目が瞬いた。
「おそらく僕達は、別々の時間から連れてこられている。」
「まさか二人も二十一世紀の人間だとはな……」
「僕がゼロ年代後半で、二人が10年代中盤か。」
「平成ってなんだよ、昭和は俺だけか……」
月により食料と共にもたらされた仮設はすぐさま検証が行われ、秒でそれぞれの時代がてんでバラバラであることが確認された。当たり前すぎてわざわざ今が何年の何月かなどと聞きもしなかったが、聞けば一発であった。明らかにそれぞれの話に齟齬がある。なんなら時代どころか歴史が違うレベルで話が噛み合わない。
「桜ヶ島知らないんですか?」
「桜島ではないんだろう? 聞いたことないな。さくらテレビは?」
「それはどこのローカル局ですか? しかし誰も岸辺露伴を知らないとは。いや、私も詳しいわけではないんですが、週刊少年ジャンプで連載を持っている売れっ子漫画家らしい。」
「からっきしだな。俺はこの中じゃ一番時代が古いし、全部さっぱりだ。そういえばジャンプ作ってる集英社はあるのか?」
「集英社はあります。」
「集英社はありますよ。」
「集英社はあるでしょう。」
「集英社はあるんじゃないんですか。」
「集英社はあるのか……」
ひとしきりの会話でおそらくそれぞれが並行世界の人間であり時間も空間も違うところから集められたという仮設が強まっていく。問題は、それが真実であるかわからないということと、なぜそんな人間を集めて鬼ごっこをやろうというのかということだ。タイムスリップなどができるなら洗脳ぐらいできそうなので現状自分たちが何をされたかわからないということしかわからない。いくつかそれらしい理由を考えつくも妄想の域を出ず、手詰まり。そんな時だった。
「あの! た、助けて下さい!」
新たな世界からの参加者のエントリーだ。
-
【3】
「目が完全に抉れてる、とてもじゃないがここにある医薬品じゃ処置できない」「ど、どうなってるんですか? 目、目が、とても、どうなって」「ヒトですか?」「ジャパリパーク? フレンズ? また別の世界か?」「見えなくて、あの痛くはなくて」「公衆電話は使えなかった。期待はしてなかったが、クソっ!」「やっぱりこれってあの鬼ごっこだったんだ……」「どんな鬼に襲われたか、それが――」
(うるさいなあ。)
合計八人、新たな人間が加わることで人口密度が増えたショッピングモールの一階は、にわかに騒がしくなっていた。
明白に顔面を負傷し『鬼』に襲われたと言う少女。それを連れてきた指先の黒い少女と頸部に突起を持つ少年。この場に現れた三つの『異物』を五人には衝撃をもって受け入れる。
ここまでの彼らは、異常事態に直面しつつもパニックにはそうそう陥らなかった。それは互いに出会った人間が自分たちの周りにいてもおかしくない人間であったからだ。
どこにでもいそうな男女の小学生。なんの変哲もない。
ブルーカラーの男。素肌の上からつなぎを着ていることは奇異だが、話す限りは愛想の良い快男児。
ホワイトカラーの男。悪趣味なスーツを着ているが、立ち振る舞いは腰の低い紳士。
紙袋の男。最も奇怪であり他の人間の不審さを忘れさせるほどだが、ここまで初対面で属性もバラバラな集まりの会話を引っ張ってきた警察官。
いずれも、それぞれの奇妙な人生において出会うかもしれないタイプの人間であった。最も怪しいLですら現実味のないものではなかった。
だが、ここに来て新たに出会った三人は、その奇怪さの度が超えていた。
もっとも、この状況にほくそ笑む人間もいたのだが。
(三日月・オーガス、彼も『鬼』の一人だ。)
紙袋の下で月はこのチャンスを活かす策を練り実行に移す機会を探っていた。
他の人間にそうしたのと同様に実名を明かさないように求めたため名前を知らないが、流美に応急手当をしながら彼はデスノートを試す絶好の人柱をどう動かそうかと考えていた。かねてからの問題であったデスノートの真贋の確認、それを行う適当な人材が見つかったからだ。彼がこの場で名前を知るのは、桜井悠と吉良吉影の二人。この二人で試すことも可能ではあるが、閉鎖的な人間関係の場所での殺人にデスノートは極めて向いていない。言い変えるのならば、クローズドサークルでのトリックに使い難い。しかるにできれば外部の人間、すなわち他の『鬼』を対象にしたいところだが、そこで一つの問題がある。果たして『鬼』にデスノートが効くのか、そしてそれをどう確認するのか、ということだ。デスノートは人間でなければ使えないが、『鬼』というのは名前だけならば人外だろう。他の『鬼』たちは外見からしてそうだ。それに効果を確認する手段もない。これらの問題からデスノートを試用するのを先送りにしていたのだ。
しかし、それも終わりだ。この場に来た三日月・オーガス、彼は一見して人間に見え、名乗ってもいない。かばんを背負った少女、すなわちかばんちゃん達には名乗っている可能性もあるが、それはむしろ好都合。自分がデスノートを持っているという疑いを減らしてくれる――自分が無意識のうちにデスノートを軸に物事を考えていることに月は無自覚だった。
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「これじゃどうにも……病院に運ぶ必要があります。それと最低限の手当てだけでもしないと。下のドラックストアに医薬品がありました、どなたか医薬品の知識がある方はいませんか?」
いるはずないだろうが、とは言わず月は一同に聞く。案の定いないため「僕が探してきます。どなたか一緒についてきて下さい」と言い残して駆け出す。名前を書くためには一度人目を避ける必要があるが、リーダーのポジションにいる自分はそう簡単には抜けられない、なら自分にしかできない要件を見つければいい。
「私が行きます。一度行ってますから。」
(『鬼』が二人地下に……余計なことを。)
(この男に一人で動かれるのは何かマズイ。監視しておくか。)
吉良がついてくることは望ましくないが、妥協する。この場で単独行動することは怪しまれかねないので人を誘った以上、これも覚悟の上だ。
足早にドラックストアへと男二人で走り、テキパキと吉良に棚に並ぶ医薬品を手に取らせていく。その間に月は従業員用の扉を開け身を滑り込ませた。既に頭の中で書き込む文面は考えていた、十五秒あれば書き終わる。
「Lさん、どうしました?」
「在庫の棚を調べます。まだ持てますか?」
『三日月・オーガス、しゃっくりが止まらなくなり23:55に死ぬ』
「ええ――おおっと!」
「――生理食塩水の箱がありました。戻りましょう。」
(なんとか間に合ったな。)
吉良が扉を開けて後に続いた頃には、月は棚から段ボール箱を取り出し今まさに出ようというところであった。正面衝突するような形になった二人は回れ右してもと来た道を戻る。その道すがら、月は満足げに微笑んでいた。
このデスノートの使用により、その効力の確認と同時に、『鬼』を一人制限時間の終了直前まで生存させることができた。これは擬似的なデスノートによる延命策である。別世界のL――本物の、竜崎の方――が、月に対して行った必死の策、それを他人に向けて施したのだ。これによって三日月・オーガスはその時間まで決して死ぬことはなく、それは間接的に『鬼』全体の勝利への大きな布石となる。一石二鳥にも三鳥にもなる一手であった。
「大変です! 容態が急に!」
「わかった、すぐに手当――は?」
「な、これは!?」
そして戻ってきた彼が見たのは。
「ミカヅキさんが急に倒れたんです!」
心臓を抑えてこと切れていた三日月・オーガスの姿であった。
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【4】
「たぶん、二キロぐらい、で、格好は……」
「なるほど、しっかし子供の外見の『鬼』か。油断できないな――かばんだっけ? そこ抑えてくれ。」
「はい。」
意識を保つために流美へと話しかけながら看ている阿部さんの声を聞きながら、ミカは油断なく周囲に気を配っていた。彼は追跡してくる『鬼』に備えるということで一人入り口の前で警戒に当たっている。ときおりその体が微かに揺れる。どうも先からしゃっくりが出始めた。
(次は何をすればいい。)
一度戻ってきたが、彼はこれからの方針を決めあぐねていた。別段殺さなくてもいいらしいが、『子』をここまで誘導するのはなかなかに骨だ。それにせっかく集めた『子』をどう留めておくかも考えなくてはならない。はっきり言えば殺してしまった方が楽なのだが……
「?」
普段使わない頭を回していると胸に痛みを感じた。ギリギリと、思わず手で抑えるほどの。しかも止まらない。立っていられない。バルバトスに乗ったときのものより数倍の痛み、その痛みは心臓を早鐘のように動かして――いなかった。
「止まっ……てる……」
心臓が動いていない。そう理解したときには、デスノートに名前を書かれて40秒が経っていた。
デスノートには、実現不可能なことを書かれた場合それを無視するというルールがある。今回無視されたのは『23:55に死ぬ』という部分だ。たとえば、航空機の不調で一時間後に確実に死ぬ人間がいたとして、その人物の名前を二時間後に死ぬという言葉と共に書いたらどうなるか? 答えは単純、時間指定が無視される――つまり書かれてから40秒で死ぬ。
今回も同じだ。確実にその時間までに死ぬ、DEAD ENDフラグの立っている人間に対して、その寿命を超える時間を指定してデスノートを使用したのなら……
(まさか……この鬼ごっこは、『絶対に制限時間より早く終わる』のか!? いやそれよりまずは――)
「全員動かないで下さいっ!」
にわかに混乱した場に月の言葉が響いた。
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【F-05/01時49分】
【かばん@けものフレンズ】
[役]:子
[状態]:怯え
[装備]:かばん、帽子
[道具]:未確認(背負っているかばんの中)
[思考・行動]
基本方針:誰かいないか探す。ここが何なのか調べる。
1:!?
2:鬼から逃げる。そしてサヤマルミさんを助ける。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
現状を理解していないが、知ろうとはしている。
『おにごっこ』についてざっくり把握しました。
自分たちがバラバラの世界から集められた可能性に気づきました。
【佐山流美@ミスミソウ】
[役]:子
[状態]:右目と前歯喪失、失血(小)、顔に傷、恐怖、半狂乱
[装備]:『水晶』、包丁(服の下に隠している)
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:殺される前に殺してやる。(目につく全員を殺すってわけではない)
1:!?
2:鬼から逃げる。こいつらに自分を守らせる。
3:「たえちゃん」を殺す。鬼は殺す。殺せそうな場合に限るが。
4:自分がどの役か知りたい。たぶん『子』だと推測。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は第18話開始直後。金谷章吾を『鬼』と誤認しました。
彼が呼びかけた「たえちゃん」を「小黒妙子」のことだ、そして『鬼』だと思い込んでいます。
【阿部高和@くそみそテクニック】
[役]:親
[状態]:動揺
[装備]:青いツナギ、ベレッタM92F@魔法少女まどか☆マギカ、ベレッタM92F@バトル・ロワイアル
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:親と子を探す
1:!?
2:思ったより面倒なことになったじゃないの、やれやれだぜ……
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握、各役の人数・会場の地図を未把握。
原作終了後からの参戦です。
自分たちがバラバラの世界から集められた可能性に気づきました。
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【桜井悠@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:動揺
[装備]:『水晶』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:死にたくない。
1:!?
2:大翔が巻き込まれていたら合流したい。
※その他
[ルールの把握度]
各役の勝利条件・制限時間を把握、自分の役・各役の人数・会場の地図は未把握。
自分たちがバラバラの世界から集められた可能性に気づきました。
【宮原葵@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:動揺
[装備]:『水晶』
[道具]:ドリルや若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:死にたくない。
1:!?
2:大翔が巻き込まれていたら合流したい。
※その他
[ルールの把握度]
各役の勝利条件・制限時間を把握、自分の役・各役の人数・会場の地図は未把握。
自分たちがバラバラの世界から集められた可能性に気づきました。
【夜神月@DEATH NOTE】
[役]:鬼
[状態]:紙袋を頭に被っている
[装備]:ソード・カトラス@BLACK LAGOON、スマートフォン(鬼)@オリジナル
[道具]:デスノート@DEATH NOTE・ノートとペン@現地調達の入った四次元っぽい紙袋
[思考・行動]
基本方針:まずデスノートの真贋を確かめる、はずだったが……?
1:Lとして振る舞い、皆と鬼ごっこについて調べる。特に葵と悠に注視。
2:なんとかこの場を丸く収める。
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
四次元っぽい紙袋は効果を失いました。
桜井悠・宮原葵・阿部高和の顔を把握しました。
スマホによって全ての『鬼』の顔と名前を把握しました。
自分たちがバラバラの世界から集められた可能性に気づきました。
【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】
[役]:鬼
[状態]:ストレス、姿は川尻浩作
[装備]:スマートフォン(鬼)@オリジナル
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:『親』の振りをしながら『鬼』以外を始末する
1:!?
※その他
[ルールの把握度]
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
バイツァ・ダストは杜王町でないことと本人が能力を把握しきっていないことで使用不可。
夜神月をキラークイーンで爆弾化しました。
自分たちがバラバラの世界から集められた可能性に気づきました。
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投下終了です。
>>762の投下話に登場したキャラ全員で書きます。
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投下乙です
結局オルガと再会できないままミカは脱落か
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<削除>
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投下乙です。
鬼の本部で鬼が鬼であることを隠したまま鬼を誤殺するとは。月が三日月を消すと書けば風流ですね。
この場にはさらにチャッキーもいますが、どう絡んで行けばいいのやら…。
予約通り、レナほかで投下します。
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「あ! た、助けて! 助けてくれーッ!」
「帯……!?」
時刻1:05、座標B-02。C-02から北上した雲雀たちは、森の中で『帯』に翻弄される少年……大場大翔を発見した。
黒髪で、年齢は小学校高学年か、中学生か。雲雀よりは年下そうだ。
『帯』は彼を縛り付けるでなく、ふわふわと纏い付き、この場から動けなくしている。鬼の仕業に違いない。
そして、明らかな罠。触れるのは危険。全員がそう判断する。
「ってうわあ!? 鬼!?」
「あ、違うよ! この大猿さんは、親! ……ええと、あなたは?」
「お、大場大翔、です! 小学六年! 子です!」
「わかった。私たちは……ちょっと待って。鬼がいるのよね」
帯越しに大翔と会話するレナ。その後ろにまな。雲雀は……レナとまなを運んで来た夜叉猿Jr.と共に、あたりを警戒している。
鬼の気配。強い。あの吸血鬼よりも、遥かに。しかも、二体の鬼が一緒にいる!
「ふぅん、楽しめそうだね。出て来なよ」
雲雀がトンファーを構え、笑って挑発する。夜叉猿Jr.は歯を剥き出し、感覚を研ぎ澄ます。……なにか、におう。
◆
堕鬼は―――動かない。南から現れた新手の少年と大猿は、自分には及ばぬまでも、多少は強そうだ。油断は禁物。
そいつらが連れてきた二人の少女は、なかなか上物だ。特に、黒髪。鬼や妖怪を誑し込む魔性を感じる。もう一方もただならぬ何かがある。
面白い。こいつらは殺さずに確保しよう。さて、北の方はどうか。
-
◆
銃を構えるオルガ。日本刀を構える田所。その後ろから、プルツーと光彦。四人は警戒を怠らず、慎重に進む。
鬼がいる、とプルツーが察知した。田所や光彦にはよくわからないが、戦場を渡り歩いたオルガもなんとなく感じる。
悪意、敵意、殺意。子供の叫び声。相手は、こちらの様子を虎視眈々とうかがっているだろう。来れば迎え撃つ。もしくは逃げる。
しかし背後は崖と海だ。そこまで逃げ帰っても仕方ない。やはり、迎撃しかないか。
「「あ」」
前を行く田所とオルガがなにかに気づいた。色鮮やかな布が何枚も、ふわふわと浮いている。浮き続け、水中の魚のように巡っている。異常だ。
「ありゃあ、なんだ? なんかの手品か?」
「中に子供がいる。鬼の罠……だろうな」
物陰に隠れ、観察する。布の中に少年がひとり。その周囲に、少年ひとり、少女ふたり。それと、奇怪な大猿。
「猿……か? お、鬼なのか?」
「どうだかな。鬼ならあのガキどもを襲ってるはずだ。だが、一緒に周りを警戒してるっぽいな……」
考えにくいが、アレも『親』なのだろうか。とにかく、子に敵対的ではない。善良な鬼かも知れない。合流すべきか?
◆
大翔の周りに、レナ、まな、雲雀、夜叉猿Jr.、オルガ、田所、プルツー、光彦。八名が揃った。大翔と堕鬼を加えて十。いや、妓夫太郎もいる。
堕鬼は観察する。こっちは、くさくて汚いのがふたりとガキがふたりか。女のガキは上物だが……くさいのは早めに殺そう。
九匹のうち、上物は三。まあまあだ。帯を動かし、散らす。大翔を囲む帯が飛び去り、より大きな囲いを形成する。
-
◆
「……臭い!」
まなが顔をしかめ、鼻を抑える。白粉臭い帯の囲いが散り、風向きの関係で、田所の革靴の臭いがここまで漂ってきたのだ。
「あっちに、なにかいる!」
まなが指差す方に、レナ、雲雀、夜叉猿Jr.、解放された大翔の注意が向く。鬼か?
オルガとプルツー、光彦は、田所を睨む。臭いに慣れて忘れていた。こいつは臭いのだった。
「しゃあねえな。合流しよう。俺が話をつける」
プルツーに機関銃を手渡し、オルガは両手をあげて物陰から進み出る。周囲の布の動きは緩やかだが、まだ鬼が襲ってくる様子はない。
合流させて、一網打尽にしようというハラだろう。それならこいつらと協力して脱出するしかない。
「悪い悪い。俺はオルガ・イツカ。親の役だ。そこに仲間もいる。この布は鬼のしわざだろ?」
「……そうだね。私は竜宮レナ。この大翔って子を囮にして、私たちを誘き寄せたんだと思うけど……姿を見せない」
年上に見えるが、レナは警戒を解かない。まなと大翔は年下、雲雀は戦闘狂、大猿は人語が話せない。自分がチームの代表として交渉するしかない。
振り向いたオルガの背後から、ぞろぞろと三人。少女、大柄な男性(臭い)、それと……パンツ一丁の少年。身ぐるみ剥がれたのだろうか。
そう言えば少女の衣服はいまいち似合わず、男性風だ。何があったのだろうか。いや、今はそれどころじゃない。
「協力する! この鬼から逃げるぞ!」
「了解!」
次の瞬間、多数の帯が一斉に、一同へ襲いかかった!
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【B-02/01時10分】
【チーム・竜犬猿鳥】
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[役]:子
[状態]:健康(雛見沢症候群に感染、無自覚)、警戒
[装備]:デイパック(夜叉猿Jr.より譲り受ける 中身は支給品2つ、医薬品や水、食糧など)
[道具]:お守り
[思考・行動]
基本方針:帰還する。子や親と合流し、共に脱出を目指す。鬼からは逃げる。
1:鬼を警戒。オルガたちと協力し、この場を脱出する。
※その他
制限時間と親のルールを把握。各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
雲雀を鬼だと思っているが、敵対する気がないなら仲間だと信じる。
雛見沢症候群は空気経由や皮膚・粘膜・体液との接触で感染し、疑心暗鬼などを契機に発症する。
【犬山まな@ゲゲゲの鬼太郎(6期)】
[役]:子
[状態]:健康、警戒
[装備]:リュックサック(現地調達、医薬品や水、食糧など)
[道具]:スマホ(自分の)、支給品(未確認)
[思考・行動]
基本方針:生還する。子や親と合流し、協力する。鬼からは逃げる。
1:鬼を警戒。オルガたちと協力し、この場を脱出する。
※その他
制限時間と親のルールを把握。各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子であると推測。
雲雀を鬼だと思っているが、敵対する気がないなら仲間だと信じる。
特異的な幸運(偶然力)の持ち主。妖怪を目視可能。人懐こく、容易に妖怪を魅了する「妖怪たらし」。
【夜叉猿Jr.@刃牙シリーズ】
[役]:親
[状態]:健康、警戒
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:鬼は殺す。子を守護る。
1:レナとまなを守護り、鬼と戦う。新たに現れた子らも守護る。親も無力なら守護る。
2:鬼らしき少年(雲雀)を警戒するが、共闘できるならする。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。鬼ではないと自認。
人語は多少解するが話せないし、文字の読み書きも出来ない。ノンバーバル・コミュニケーションは可能。
-
【雲雀恭弥@家庭教師ヒットマンREBORN!】
[役]:子
[状態]:健康、高揚、警戒
[装備]:雲雀のトンファー@家庭教師ヒットマンREBORN!、雲のボンゴレリング@家庭教師ヒットマンREBORN!
[道具]:携帯電話(ガラケー)
[思考・行動]
基本方針:親、子、鬼を咬み殺す。他者とは群れない。
1:鬼と戦う。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を鬼だと誤解している。
そもそも把握したところでルールに従って行動する気がない自由過ぎる男。式札はポイ捨てした。
【チーム・即席鉄華団】
【オルガ・イツカ@機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ】
[役]:親
[状態]:健康、警戒
[装備]:
[道具]:デイパック(不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:とにかく生き残る。
1:鬼を警戒。レナたちと協力し、この場を脱出する。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。
【水泳部の田所@昏睡レイプ! 野獣と化した先輩】
[役]:親
[状態]:健康、警戒
[装備]:日本刀、野原ひろしの革靴@クレヨンしんちゃん、ブリーフ
[道具]:デイパック、睡眠薬(持参)
[思考・行動]
基本方針:家に帰る。
1:鬼を警戒。レナたちと協力し、この場を脱出する。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。
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【プルツー@機動戦士ガンダムZZ】
[役]:子
[状態]:健康、警戒、困惑
[装備]:光彦の服と靴、小石少々、UZI@現実
[道具]:『スマートフォン(子)』、『お守り』
[思考・行動]
基本方針:生き残る。
1:鬼を警戒。レナたちと協力し、この場を脱出する。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子と推測。
地獄の雰囲気にのまれてニュータイプの力が若干鈍っていましたが、慣れつつあります。
この鬼ごっこを「記憶を操作された人間に関する実験」だと考察しました。他の可能性も考慮しています。
遠くにモビルスーツらしき反応を感知しました。
【円谷光彦@名探偵コナン】
[役]:子
[状態]:健康、警戒
[装備]:パンツと靴下のみ
[道具]:DBバッジ(現在通信不能)
[思考・行動]
基本方針:生還の為に行動。子や親と合流したい。
1:鬼を警戒。レナたちと協力し、この場を脱出する。
2:その後は民家へ行き、衣服や靴を調達する。
※その他
各役の人数・会場の地図は未把握。自分の役を子と推測。
この鬼ごっこを「記憶を操作された人間に関する実験」だと考察しました。他の可能性も考慮しています。
-
【他(レナたちと合流)】
【大場大翔@絶望鬼ごっこ】
[役]:子
[状態]:健康、混乱
[装備]:『お守り』
[道具]:若干のお小遣いなど
[思考・行動]
基本方針:とにかく人と会う。幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。
1:鬼を警戒。レナたちと協力し、この場を脱出する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を子と推測。
【鬼(物陰)】
【堕鬼(妓夫太郎)@鬼滅の刃】
[役]:鬼
[状態]:負傷(再生中)
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ
[思考・行動]
基本方針:殺し、食らい、現世へと復活する。
1:幸せそうな子や親を食い殺し、取り立てる。
2:反撃を受けないよう慎重に観察。まずは帯を向かわせ、実力を探る。
3:レナ、まな、プルツーの三少女を上物と判断。殺さずに確保する。
※その他
スマートフォン(鬼)の所在は不明。落としたのかも、元から入ってなかったのかもしれません。
投下終了です。
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間田ほかで予約します。
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投下乙です
遂に二つのチームが合流していよいよ鬼との本格戦闘開始ですか、わくわくします
-
投下乙です。
ついに転がっていた火種が大きな爆弾の導火線に火をつけましたね。
どんどん加速していきたいです。
地図に無い方の学校を書くのを取りやめ、農協組と主催の神崎で書きます。
-
投下します。
-
泥のような空気の質感。
一人の男が小さな手鏡を掌で弄んでいた。
部屋の中には他に人もなく、動くものはただ一つ、鏡の中の、蟹だけだった。
金色の蟹だ。珍しい。しかも金属質だ。それが人間のように二足歩行している。
男は無言でそれを見ていたが、唐突とも思えるほど不自然に胸に手をやり、懐から懐中時計を取り出した。その動作は、動くはずのない彫像が突然動き出したかのような違和感のあるもので、一言で言うのなら『不気味』である。なにかが違う。致命的に普通の人間ではない。異様だ。どこが、というわけではないがともかく、おかしい。
その男――神崎士郎が次に動いたのは、時計が二時を示した時のことだった。
-
02:01
「こっちにもペットボトルあったよ。」
「お茶請けが出てきました。」
(やっぱりこのまま立て籠る気か。)
依然として部屋に潜む草加雅人は、小さく聞こえてくるたえちゃんと関織子の会話に聞き耳を立てていた。
草加が選択したのは籠城であった。確かに今このときにも真理の身に危険が降り掛かっているのではないかという不安とそれから来る焦燥感があるのだが、しかしどこにいるかもわからないのに闇雲に走り出すことの愚は理解していた。この農協に入った際に地元の子供が描いたらしい絵をいくつか見たが、どうやらここは島らしい。そして学校名が二つあったことを考えると、それなりに人口の多い、あるいは面積の広い孤島なのだろう。そんな場所で宛もなく人探しなどできはしない。拡声器かなにかで呼びかけるのなら話は別だが、鬼ごっこでそんなことをすれば格好の標的になる。ここは我慢の場面だろう。
(? なんだ。)
背を棚に預け何とはなしに窓から見える赤い空を見ていると、ふと、視界の隅で何かが動いた気がした。もちろんこの場所には草加以外いない。服が風で靡いたというのも締め切ったここでは考えにくい。
草加は手に握る日本刀の鯉口をいつでも切れるように指を這わせた。今の草加の装備はこれ一つ、あとはデイパックとそれに入っていた謎のカードケースのみ。相手がオルフェノクのような超常の存在なら心許ないが、そういう存在だからこそ神出鬼没に襲いかかってくるかもしれないのだ、覚悟を決める。フェンシングの心得があるからといって太刀打ちできるとは思えないが、一発入れられるかどうかで対応も変わってくる。そうやってじぃと警戒していると、空気の流れの変化と共に強烈な殺気を感じた。
「折れた!?」
それは、蟹だった。とっさに抜き放った日本刀が直撃したもののまるで効いた様子はなく、半ばで折れて天井に突き刺さった。そしてその蟹の異常な点は、棚のガラス戸からハサミを伸ばしてきたところだ。棚に潜んでいたというわけではない、ガラスに写る部屋から身を乗り出すように襲い掛かってきたということだ。
「オルフェノクじゃないのか……鬼か!」
驚きながらも即座に体制を立て直し追撃に備える。相手の強さはまるでわからないが、オルフェノク並と仮定するのならばとてもではないが生身で勝てはしない。拳銃のような武器があっても苦しいだろう。そしてこちらの手札は実質的に謎のカードケース一つのみとなるとここは逃げる以外に道はない。そう考え脱出経路を探る草加の目の前で、蟹は『引っ込んだ』。
「ぐっ!?」
と思いきや後ろから突き飛ばされた。後方には、先と同じようにガラスから伸ばされたカニ爪。ガラスを行き来する、と直感的に勘づいた草加の行動は速かった。手首のスナップでポケットから抜いたカードケースを投げる。ガラスを叩き割ったそれは棚にぶつかり砕けたが、苦悶の声を挙げ蟹が引っ込んだことに比べれば些細なことだ。ガラスから伸ばしていた分の蟹の腕は綺麗にもげ、しかしその断面からは血が流れることもない。どうやらガラスというのが何か重要なのだろう。しかしいったいあれは何なのか。いや、もっと他に考えるべきことは――
奇襲ととりあえずの撃退。草加は冷静に対処しながらも、決して混乱していないわけではなかった。なんだかよくわからないものをなんだかよくわからないもの方法でひとまず撃退したが、それがどの程度のものなのか、どのような意味を持つのかははかりかねていた。
「ね、ねえ。今の音って……」
「しまったな、気づかれたか。」
扉の外から聞こえてきた少女たちの声に草加は渋い顔をした。剣を抜いてから僅か五秒ほどで一旦ケリがついた戦闘であったが、その戦いの音は同じ建物にいる人物に異変を知らせるには充分にすぎるものだったようだ。さすがにそんなことにまで気を払う余裕は無かったが、これで予定が崩れてしまった。
(まずはそれらしい説明を考えないとな。)
草加は依然ガラスに気を張りながらも頭の片隅で少女たちへの対応策を練り始める。こうなってしまっては接触は避けられない。なんとか丸め込めるようにしなければ。
そう考える草加を蟹は窓ガラスの隅で見ていたが、いつの間にか消えていた。
-
神崎士郎が砕けたライアのデッキに向ける目は見るものが見れば厳しいとわかるものであった。この二時間で既にシザースとライア、二つのデッキが戦わずに失われている。更にミラーモンスターであるボルキャンサーも片腕を持って行かれた。
とはいえ、これで一つ状況は動いた。この鬼ごっこ、ライダーバトルと違い戦うことは必須ではなくなっている。もとより鬼ごっことはそういうものだが、しかしこの男にそれを受け入れる気はなかった。だからこそ、野良のミラーモンスターと化したボルキャンサーに草加を襲撃させたのだ。まさかライダーに変身しないどころがデッキを失うとは思わなかったようだが、凪いだ場所に波紋を拡げられたので最低限の目的は果たせたようである。
ではなぜそんなことをしたのか、彼は何をしたいのか、神崎士郎という人物がこの鬼ごっこに協力している理由とは。それを誰かに明かしたことはない。自分から話すことはなかったし鬼達に聞かれても答えはしなかった。
彼はある鬼からこの鬼ごっこの説明を受け、ただこの鬼ごっこの参加者にデッキを支給することだけを求めた。ミラーワールドの構築による会場の設営などに手を貸しもしたが、それは彼にとってはどうでもいいことのようであった。ただデッキとミラーワールドがあれば良い、鬼たちは神崎についてそう考えていた。
十三のライダーのデッキのうち元から浅倉威が持っていた王蛇のデッキを本人に、それ以外は適当に配られるようにし、鬼側は特に強力と思われるオーディンのデッキ以外の支給を認めた。そして今現在、会場には十のデッキが現存していて、失われたものを除けばゾルダ・王蛇のデッキが既に使用されている。『鬼』への対抗手段としてはちょうどいいおもちゃだと鬼側も考えており、今までデッキは単なる強力な支給品の一つとして扱われてきた。
「これで前に進む。」
だが話が変わった。当たり前だが、神崎のこの行動は越権行為である。いくら主催の一人といっても、彼に独断専行で参加者に干渉する権限は無い。たしかに鬼ごっこでは主催側がルールを守る気は一切ないが、だからといって他の主催に通達もなしに勝手な行動をとってもいいわけではない。そこを許せば主催同士でのバトルロワイアルになってしまう。ツノウサギなどの幹部の鬼はそのあたりは最低限心得ていた。
つまり今回の神崎の行動は、鬼としても見過ごせないものである。鬼ごっこに毛ほども興味のないにも関わらず意味不明な干渉をした、発覚すればそう思われるだろう。そしてそうなっても構わないと思うほどの何かがある。
「そうだ……戦え。」
神崎は一人呟く。
彼が何を目的としているのか、それを知る者は会場にはいない。四体の幹部の鬼も同じだ。その行動の意図は不明である。
デッキ所有者が最後の一人になるよう仕向けるために戦いを加速させようとしているという神崎の行動は、この時点ではゲームの盤上にいる誰もが知ることのないものであった。
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【H-06(農協)/02時02分】
【たえちゃん@コロちゃん】
[役]:子
[状態]:疲労(小)
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:『コロちゃん』
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい
1:おっこちゃんと一緒に農協で泊まる準備をしながら章吾くんの帰りを待つ。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は引き取られる直前
【関織子@若おかみは小学生!】
[役]:子
[状態]:疲労(小)
[装備]:『スマートフォン(子)』
[道具]:紅水晶
[思考・行動]
基本方針:家に帰る。
1:たえちゃんさんと一緒に農協で泊まる準備をしながら章吾くんの帰りを待つ。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
参戦時期は劇場版の夏前(原作の六巻開始前)です。以後原作で明示されなかった事柄は劇場版に準拠するものとします(例:おっこの生年。原作ではおそらく1991年、映画ではおそらく2006年)。
【草加雅人@仮面ライダー555】
[役]:親
[状態]:健康、たえちゃんへの嫌悪感(小)、おっこへの嫌悪感(微)
[装備]:
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:真理が巻き込まれているかを確認し、いるならば保護する。
1:子供達と接触する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
不明支給品のライアのデッキ@仮面ライダー龍騎は破壊されました。
【全体備考】
神崎士郎が契約の切れた野良ミラーモンスターを利用して会場への介入を開始しました。
02時00分以降、恒常的に戦闘の意欲が無くかつデッキを所有している参加者の下にミラーモンスターがけしかけられデッキを使うように追い込みます。
ただしこの行動は不正なものであるため極力参加者を殺さずまた他の主催の目につかないように行われます。
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投下終了です。
名波翠、稗田礼二郎、中沢、ヤン・バレンタイン、アリス・カータレット、川尻早人、川尻しのぶ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、ニケ、桐山和雄、アルシア、ペニーワイズ、ジャック・ザ・リッパー、若狭悠里、ヒデノリ、間田敏和あたりのキャラで書きます。
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投下乙です。
ついに主催者側の(不正な)介入が始まりましたか。鬼ごっこなのに戦えとはなんたる理不尽。
デッキ持ちで戦闘意欲がないとなると…そのうちヘルのとこにも来ますね。
草加はいきなりデッキを失ってしまいましたが、どうなるのでしょう。
たくさん予約されましたが、間田は予約しています(>>894はトリップキーの打ち間違いです)。ヤンほかは、その次に投下予定です。
まあルート分岐ルールがあまり機能してませんので、予約ありでも動かし済みでもどんどんルート分岐させていいと思います。
まとめwikiの更新が大変そうですが、自分は管理者ではないので…頑張って下さい。
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投下乙です
神崎、安定のクソゲームマスター
エビルダイバーは浅倉が契約してるから今はブランクデッキのライアがボルキャンサーと契約してたら蟹草加が爆誕したかと思うと惜しい
>>903
555のカイザギアと龍騎のカードデッキは別物ですよ
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投下乙です
カードデッキが予想以上に支給されていた事実に驚きです、誰がどのライダーになるのか……
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やっちまったぜ。
先程の書こうと思います宣言を取り下げます。
>>762の登場キャラ全員で書きます。
デッキは神崎が主催の一人だからですね。
多くのパロロワの主催と違って絶望鬼ごっこの鬼は願いを叶える力とか別にないんで、デスゲームを目的を達するための手段としか考えてない節がある神崎が協力する理由は一つだと思います。
平ライさんみたいな感じだったら割と素直に協力してくれるかもしれませんが。
ついでになりますが平成ライダーロワさん放送話投下乙です。
ノリもジャンルも違いますが一話一話がしっかり面白くなっていて誠に勝手ながらライバル視しております。
あとWikiに関しては最近サボってましたがそろそろ怒られそうなんでそろそろ更新します。
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>>904
おっと、そうですね。
投下します。
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座標D-06、鎌石小中学校。
ここに子が二人、親が二人、鬼が一人いる。ただし、子はふたりとも「レギュレーション違反者」だ。
『間田敏和』は、年齢が16歳以上であるため。『ジャック・ザ・リッパー』は……強すぎるため。
主催者側が何を考えてこの二人を会場に呼び寄せたのか。それは不明だ。当の主催者側の鬼たちさえも。
とにかく、そうであるからには始末せねばならない。『牛頭鬼』はそのために派遣された。通信機に馬頭鬼からの情報が入る。
『鬼があの学校にひとりいる。ペニーワイズだ』
「つってもな……あからさまに鬼の手助けするのも、どうよ。つーか、俺が行っても大丈夫か?」
『同じ鬼で、知性と理性はある。さっきのギーグみてえにこっちを襲ったりはしないはずだ。たぶん』
「たぶん、か。……しばらく外で様子見したがよさそうだな」
そう言って牛頭鬼が観察していると、校庭から奇妙な霧が立ち込め始めた……。
◆
「……なんか、やな気配がしますね」
「ああ……ヤバいやつが……たぶん、鬼が来てる、な……」
ヒデノリと間田は、冷気を、鳥肌が立つのを感じた。常人より少しは勘が鋭い二人だ。危険の接近を感じるのも早い。
「どうします。逃げますか」
「そうだな。罠がどれだけ通じるか……足止めぐれーにゃあなるかもな……」
脱出経路は当然準備してある。窓からロープを垂らせば、すぐにも脱出できる。
拠点をいきなり捨てることになるが、これは鬼ごっこだ。危険な鬼が相手なら、固執せずに逃げるが勝ちだ。
他の親や子と合流した方がいい。木製人形をコンパクトにまとめ、最低限の必要物資をデイパック等に詰め込む。
「……ん」
間田の手が震え、持ったものがポトリと落ちる。なにかおかしい。ヒデノリも気づく。
-
「なんか……空気が淀んでる、感じが……換気を……?」
「いや、窓は開いてる……室内の空気が悪いとかじゃあない……これ……は!」
外からだ。外から有毒のガスが漂ってきている! 二人は即座に口と鼻を抑え、カーテン布でマスクをし、荷物を背負って窓の外へ!
◆
「子より少し大きいな。親か……? あの子鬼のせいで勘違いしたのか……?」
ペニーワイズは少し失望しながら、獲物を狙い、学校の水道管を縦横無尽に駆け巡る。
気配を感知する。別の鬼が一、親が……三。校舎の外、別の鬼の近くに親が一。校舎内に、二。狙うならこちらだ。
だが……見当をつけて飛び出した先に、標的は既にいなかった。窓にロープ。別の鬼の接近に気づいて逃げたか。
ふと、気づく。妙なにおいが漂っている。霧だ。窓の外……校舎の外からじわじわと広がってくる。
別の鬼のしわざか。いちいち余計なことを。鬼同士で殺し合ってもしょうがないが、一言文句でもつけてやるか。
そう思い、霧の出処、その鬼のいる方へ目を向ける。そいつといた別の親は、もう殺されただろうか。
「……なんだ、あれは?」
◆
「るーちゃん」が周囲を警戒している。ならば、私はこの子を守らねばならない。
若狭悠里はそう判断し、先程のようにカードケースを水たまりに掲げ、『変身』と叫ぶ。
瞬時に彼女の体を緑色の戦闘服が包む。戦車をイメージさせる装甲、肩のランプ。右腰には銃。
彼女に与えられた支給品は、「仮面ライダーゾルダ」のカードデッキだ。
常人に恐るべき戦闘力を与え、鏡面から契約したミラーモンスター『マグナギガ』を召喚することもできる。
ここで呼んでもいいし、学校にはいくつか鏡もあるだろう。るーちゃんと協力して鬼を倒す。可能だ。私たちなら!
-
◆
「ゲホッ、ゲホッ……フーッ、危なかった……」
「まさか、毒ガス使うとは思わなかったッスね……」
座標C-06、観音堂付近。二人は深呼吸し、新鮮な空気を肺に満たす。火をかける程度は予想していたが、ある意味それよりヤバい。
やはり、籠城は危険だ。鬼ごっこというからには、身軽になって逃げ回らねばならないようだ。
鬼を迎撃して殺せるようなやつがいれば話は別だが、現状ではどうしようもない。
「どうします、これから」
「他の親や子と合流する、ってのが一番だろーな。仲間を探そう。いざとなりゃあ、そいつらを囮にして逃げる」
「いや倫理的にどうかとは思いますけど、生き残るなら……個人的には子を守りたいんですがね」
「じゃあ普通にオレを守ってくれよ。確か、親が勝つには子の方が……あっ」
「?」
「い、いや、なんでもない。とにかく頼むぜ、ヒデノリくん」
間田はようやく気がついた。親が勝つ、イコール、子が負ける。自分がマジで子なら、親が勝てば自分は帰れない。
子が親より多ければ、子は勝つために何人か間引かねばならない。逆に親は、子をより多く生かさねばならない。
敵は鬼だけじゃあない、『お互い』もだ。これはただの鬼ごっこじゃあないのだ。背筋が寒くなる。気づかれないようにせねば。
ヒデノリと間田は、道と民家と標識を辿り、学校から北西……鎌石村へ向かう。幸い牛頭鬼は学校の方へ注目していた。
-
【D-06(鎌石小中学校)/01時16分】
【鬼(校舎内)】
【ペニーワイズ@IT/イット “それ”が 見えたら、終わり。】
[役]:鬼
[状態]:ダメージ(中)、ペニーワイズの姿で行動中、川尻早人への怒りと恐怖
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋(不明支給品3つ)
[思考・行動]
基本方針:恐怖させ、喰らう
1:喰いやすそうな獲物を狙う。手頃な相手は幻術で追い詰める。
2:なんだ、あいつらは?
※その他
下水道で繋がっている場所なら何処からでも出現できます。
川尻早人の最も恐怖するもの(川尻しのぶの死)を把握しました。
同類(ジャック・ザ・リッパー)の気配を感じました。鬼だと誤認しています。
【チーム・りーねえ&るーちゃん】
【ジャック・ザ・リッパー@Fateシリーズ】
[役]:子
[状態]:健康、魔力消費(小)
[装備]:ボロボロのコート、ナイフ数本
[道具]:ランタン、不明支給品(式札か水晶、ベルトポーチの中)
[思考・行動]
基本方針:りーねえ以外は全員解体する。
1:美味しい魂の持ち主がいたら食べる。
2:りーねえ(若狭悠里)についていく。
3:こいつ(ペニーワイズ)は敵だ。ここで始末する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を鬼だと思っている。
霊体化、及び神秘を纏っていない攻撃の無効化は制限されています。レギュレーション違反っぽいため、牛頭鬼が始末に来るかもしれません。
気配遮断、霧夜の殺人(夜間のみ先制攻撃)、情報抹消(目撃者の記憶を消す)、精神汚染(精神干渉魔術を遮断)、外科手術のスキルを持ちます。
弱体化の程度は不明。ここが地獄であるためか魔力はそれほど消費しませんが、大規模な術の行使には魂喰いなどを必要とするでしょう。
同類(ペニーワイズ)の気配を感じ、敵と認識しました。恐怖を感じなさそうですが。
ランタンから宝具『暗黒霧都(ザ・ミスト)』を周囲数メートルに展開しました。幻惑等の効果を持ち、吸い込むと常人なら数分で死にます。
標的を選んだり外したりすることも可能で、りーねえには効果を及ぼしません。風が強ければ吹き流されます。
【若狭悠里@がっこうぐらし!】
[役]:親
[状態]:健康、精神錯乱気味、ゾルダに変身中
[装備]:ゾルダのカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:チョコレート×10
[思考・行動]
1:るーちゃん(ジャック)を守り抜く。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
精神が錯乱してジャックをるーちゃん(妹)だと思っています。
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【チーム・根暗&メガネ】
【C-06(観音堂付近)/01時16分】
【ヒデノリ@男子高校生の日常】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:真田北高制服(ブレザーの冬服、上着なし)、鉈@ひぐらしのなく頃に、フライパン(民家から拝借)
[道具]:デイパック(中身は医薬品少々、うまい棒@支給品、発煙筒など)
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:学校から離れ、鎌石村へ向かう。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。親が帰還するためには「子を減らす」必要がある可能性には気づいていない。
学校内部にいくつか罠を張りました。
【間田敏和@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:即席の木製人形(背負っている)
[道具]:『サーフィス』(スタンド能力)、式札、学校から持ち出したいくつかの道具
[思考・行動]
基本方針:家に帰りたい。
1:学校から離れ、鎌石村へ向かう。
2:スタンド能力のことはとりあえず秘密。
※その他
各役の勝利条件・制限時間を把握。自分の役を子だと推測。「間引き」の必要性に気づきました。
実は16歳以上なので、レギュレーション違反に気づいた管理者から追手がかかっている。そのうち殺しに来るかも知れない。
投下終了です。ヤンほかで予約します。
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投下乙です。
学校の一室でゴキブリを薬剤で殺すかのように毒霧で炙るという絶望鬼ごっこ原作リスペクトがグッドですね。
ヤバい子×ヤバい親×ヤバい鬼と順調にヤバさが上がっていくのもいいです。
しかしペニーワイズさんは他の鬼が裏切ったり返り討ちにあったりする中精力的に殺しに回ってますね。
それと業務連絡です。
ウィキの画像認証がどうにも突破できないためしばらくの間ウィキの更新を延期します。
今年中には復旧すると思います。
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画像認証、面倒ですよね。ハーメルンのアーカイブに直接貼ってもいいかも知れません。
投下します。
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「私は、『子』の役だけど、『鬼』なんです。」
時刻01:02、座標E-05。森の中の木の上。名波翠は生き残るため、口から出まかせの嘘をついた。
そう言われた男……吸血鬼ヤン・バレンタインは、「何いってんのこいつ」って表情だ。翠も「何いってんのウチ」って表情だ。
状況を整理しよう。
ヤンは雲雀&夜叉猿Jr.から逃走した後、なんだかんだで稗田・中沢・翠と合流。親を装って近づき、情報をある程度交換した。
彼らは地図情報を西の廃ホテルで少し把握しており、神塚山の山頂から島の反対側のどこかを目指そうとしていた。
その山頂にこそ鬼の本部があり、ヤンも当初そこを目指していたのだが、合流前に支給品として巨大ロボが出て来たことで状況が変わった。
これを置いていくのはもったいない。こいつを操れるやつがいないかと、ヤンは思ったのだ。これを動かせたら無敵ではないか。その程度の理由だ。
だが、翠にテレパシーで心を読まれかけたため、ヤンは吸血鬼の身体能力で彼女を攫い、音もなく近くの木の上に跳び上がった。
木の下、見えない位置に中沢と稗田がいる。稗田はヤンと、心を読もうとした翠を訝しんでいる。翠はヤンに縊り殺されそうになったが、生き残るため「自分は鬼だ」と嘘をついた。
ヤンは翠の首を掴んだまま、鬼用のスマホを開いてグループトーク・アプリを確認し、十二人の鬼の中に名波翠の名も顔写真もないことを知った。
雲雀や夜叉猿Jr.もいなかったが、それはどうでもよくなった。翠は、ヤンが他の鬼の名や姿を把握しているだろうと推測し(それは実際正しいが)―――冒頭の台詞を吐いた。
そういう状況だ。
「…………」
ヤンは考える。子の役で、鬼。つまり、鬼のような能力を持った子だ。子に違いはない。十二人の鬼ではないのだから。
確か子や親には超常能力を持った奴らはいないってルールだった気もするが、主催者側の気まぐれとか「面白そうだから」とかそんな理由で、そういう奴も参加してるんだろう。
ああそうか、あのトンファーのガキや大猿が鬼のリストにいないってことは、そういうことか。ああいう子や親もいる、ってだけだ。
ヤンは足りない頭なりの理解力で理解し、翠を「利用価値のある『子』」だと考えた。首を絞める手を、緩める。
-
「……じゃあ、まあ、生かしておいてやるぜ。有り難く思えや。俺の言うことなんでも聞かなきゃあ、すぐブッ殺すがよ」
「あ、ありがとうございます。ゲホッ」
翠は安堵し、涙目で息をつく。何故か不明だが、殺されずに済んだ。とりあえずは。
だが。言うことをなんでも聞かなければ、殺すと言われた。どうする。たとえば、このいたいけな乙女の肉体を要求されたら。
舌噛んで死ぬか。いや、『お守り』というのがあった。鬼に当てると鬼が死ぬとかいうやつ。この状況では、どれだけ近づいていても命中はすまい。
怪しい動きをしたら今度こそ殺される。相手は鬼だ。中沢も稗田もただの人間、瞬く間に殺されるだろう。
「じゃあ、要求だ。あのロボットを動かしてみろ。出来なきゃ、動かせるやつを探せ。なるべく急いでだ」
「え」
「あのおっさんとガキは……まあ、どうでもいい。おめーに超能力があるなら、なんとかできンだろ。どうにかしろ。しねーと殺す」
「え」
◆
物音に稗田が振り向くと、ヤンと翠がいた。翠はやや青褪めた顔をし、首の周りを爪で掻いている。
「どうした」
「……ちょっと、虫に刺されて」
別にヤンにキスされたわけでも、血を吸われたわけでもない。首を絞められた跡を見咎められてはまずいと双方が思ったからだ。
ヤンはヘラヘラしながら、稗田に話しかける。
「えーと、ヒエダさん、だっけ。この子がさァ、この巨大ロボに乗ってみたーいんだってさ」
「……ほう」
稗田は眉根を寄せる。彼は自分の心を読もうとした翠を、半ば『鬼』ではないかと疑っている。中沢は自分の意見がないのでまごまごしている。
「どう思う、中沢くん」
「え。……乗るって、上に? それとも、コックピットに? まさか、動かせるわけじゃないです……よね」
「どうだろうな。アニメに出て来るような代物だが、本物の物質だ。操縦席に入れば何かわかるかもしれん。本当に動かせたら、鬼にも対抗できるかもな」
翠は……脂汗を垂らし、目をぐるぐるさせている。動かせるのか? 動かせなくても、動かせるやつが都合よくこの島にいるのだろうか?
こんなもんを支給品にするぐらいだから、吸血鬼やなんやらがいるぐらいだから、一人ぐらいいるかもしれない。もし、それが自分だったら?
これを動かして、うまいことやれば、ヤンが外にいればぺちゃんこに踏み潰せるだろう。外にいれば。当然こいつはコックピットに入る気だ。心を読まなくてもわかる。
「よォし、善は急げ! お嬢ちゃん、やってみな!」
ヤンが手を叩き、翠を急かす。翠は呆然と、赤いロボットに触れる。まず、コックピットはどこか。
物へのサイコメトリーは、よほどのもので無ければ、つい数分前の強い感情のものぐらいしか読み取れないが……。
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【AMX-004-3 キュベレイMk-2。プルツー専用機。カラーリングは赤。ヘッドセット型サイコミュ・コントローラーを通じて、外部からの遠隔無人機体制御が可能な改良型。】
すらすらと頭の中にメッセージが流れ込んできた。あり得ない。まさか、説明書が読み取れるとは。
サイコミュとは。サイコ・コミュニケーター。精神感応による伝達。そんなものはないはずだ。自分にもそれほどの力は。
同時刻。島の北西部で―――少女、プルツーが顔をしかめ、頭をおさえた。何かが起きようとしている。
【E-05/01時12分】
【名波翠@テレパシー少女蘭】
[役]:子
[状態]:疲労(小)、キングとヤンへの恐怖
[装備]:『お守り』
[道具]:
[思考・行動]
基本方針:こんなアホなことをしでかした奴に一発焼き入れて帰る。
1:アカン口からデマカセ言うたけどこれどないして信じさせたらええねん。
2:巨大ロボを操縦なんてできるかアホ! …あれ、なんやこれ。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を子と推測。テレパシーなどの超能力が使えるが、普段よりは疲れやすい。
【ヤン・バレンタイン@HELLSING】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:FN P90 短機関銃 2挺 サプレッサー&スコープつき(弾丸を多少消費)、スマホ(鬼)、五千万円@ランナウェイ、キュベレイMk-2@機動戦士ガンダムZZ
[道具]:四次元っぽい紙袋
[思考・行動]
基本方針:殺し、犯し、食らう
1:トンファー使いの少年と大猿を「鬼を襲う狂った鬼」と認識。一旦撤退し、本部や他の鬼へ連絡に行く。のはまあ、後回し。
2:翠は生かしておいて利用してみる。
3:巨大ロボを翠が動かせるか興味津々。できなきゃできるやつを探させ、無理だっつうんなら皆殺し。
※その他
生きている人間の血を吸って殺すと、知能のないゾンビのような食屍鬼(グール)に変えてしまう。
※E-05にて1時数分前にキュベレイMk-2が出現し木々を押し倒しました。周囲に音が響きました。
-
※ヤンはトンファー使いの少年と大猿を「鬼っぽいが子や親だろう」と推測しました。
【稗田礼二郎@妖怪ハンター】
[役]:親
[状態]:やや疲労
[装備]:スリケン@ニンジャスレイヤー、ジャイロの鉄球@SBR
[道具]:デイパック
[思考・行動]
基本方針:生き残り、現世へ帰還する。
1:ロボットに興味。一度四人でしっかり情報共有をしたい。
2:中沢くんは信頼するが、名波くんとヤンは警戒。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
【中沢@魔法少女まどか☆マギカ】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:『お守り』
[道具]:学生鞄(中身は教科書とかノートとか筆記用具とか)
[思考・行動]
基本方針:とりあえず人を探す。知り合いがいたら合流したい。
1:稗田さんに着いていく。名波さんを守れたら守れたらいいかも知れない。
2:ヤンさんがちょっと怖い。銃持ってるし。
※その他
各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。自分の役を子と推測。
-
投下終了です。予約は特にありません。
-
現在位置はこんな感じでしょうか。だいぶ固まってきましたね。
B-02:堕鬼/妓夫太郎、大場大翔、犬山まな、雲雀恭弥、竜宮レナ、夜叉猿Jr、オルガ・イツカ、水泳部の田所、円谷光彦、プルツー
C-05:Dr.ヘル、ウェカピポの妹の夫、ターニャ・デグレチャフ (川島龍之介)
C-06:間田敏和、ヒデノリ
D-06:若狭悠里、ジャック・ザ・リッパー、ペニーワイズ、牛頭鬼
E-05:ヤン・バレンタイン、名波翠、中沢、稗田礼二郎
E-06:川尻早人、川尻しのぶ、桐山和雄、ニケ、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
E-07:アルシア、アリス・カータレット、マジェント・マジェント
E-08:浅倉威、セリュー・ユビキタス、岸辺颯太/ラ・ピュセル
E-09:ギーグ
F-02:キング、川田章吾、クローンヤクザY-12型、大和亜季
F-05:吉良吉影、夜神月、チャッキー、阿部高和、桜井悠、宮原葵、かばん、佐山流美 (三日月・オーガス)
F-08:(源元気)
G-07:今泉慎太郎、エスター、狛枝凪斗、野原しんのすけ、グレーテル、金谷章吾、桜井リク (綾波レイ)
H-03:因幡月夜、ヘンゼル
H-06:草加雅人、関織子、たえちゃん
I -06:摂津のきり丸、賈ク、椎名翼、マニッシュ・ボーイ
I -10:DIO、織田敏憲、花酒蕨、豊穣礼佑 (ジェイソン・ボーヒーズ、擬宝珠檸檬)
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企画主さんは現在こういう状態のようです。
ttps://syosetu.org/novel/164791/
仕方ないですね。実際なんかしたらばに書き込みにくくなっています。
企画そのものは存続するようですので、今年も可能なら粛々と投下します。特に予約はありません。
このスレを使っていいのか、次スレを立てていいのか、別の場所に移るのかわかりませんが…。
企画主さんにSNSとかがあれば連絡が早いのですけど。
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最近荒らし規制したから巻き添え食ったのかな?
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お知らせが来ています。残念…
ttps://syosetu.org/novel/164791/104.html
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おっと、こっちですね。
ttps://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=204815&uid=246024
自由に…ならばどこかで存続も可能でしょうか。
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マジか………
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とりあえずお疲れ様です
残念なことこの上ないですが書き手の皆様今まで非常に面白い物語を読ませていただきありがとうございました
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