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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

813宇宙一巡後の八雲紫:2021/02/13(土) 19:42:48 ID:WSuwR3hw0
 ふと、ではないが。
 かねてよりずっと気にかけていた事柄もあった。

(阿求たちは……今どこでどうしているんだろう)

 この場所で友達となった稗田阿求を始め、メリーを支えてくれた様々な人物を放ったままである現状を苦痛にも感じていた。
 優先すべくはジョースター、と偉そうに言ったものの。そもそも自分は霍青娥といったDIOの配下に急襲を受け、紅魔館に攫われたのだ。
 阿求。ジャイロ。ポルナレフ。皆、無事なのだろうか。放送では豊聡耳神子の名があった。つまりは〝そういうこと〟になる。
 ジョースターの居所にあてはないと言ったが、阿求達とはここより南東の『太陽の畑』で離れ離れとなった。流石に今はもう居ないだろうが、戻ってみる価値はある。戻って、再会して、そして。


(……そして、幽々子にも)


 胸中で呟かれたその言葉。
 それはメリーのものではなく、紫の声色で再現されていた。

 唯一無二の従者の訃報を聞かされ、更にその下手人が唯一無二の親友だと知り、半狂乱となった姿。最後に見た彼女の光景は、そんな醜態染みたものだ。
 原因は、紛うことなき自分/紫。魂魄妖夢を撃った時の生々しい痛覚が、今でも腕に染み込んでいる。

(あの子にも、会わなければ。会って、話さなければならない事がある)

 会って「すみませんでした」で終わる話ではない。正当防衛が働いたとはいえ、大事な人の、大事な存在を奪ったというのだ。
 ただでさえ放送時の幽々子の取り乱しようは尋常ではなかった。その後の彼女の容態を知る由はないが、あのコンディションにケアが無いまま会うなどすれば、最悪の事態も考えられる。

 その〝最悪な事態〟が起こってしまった時。
 八雲紫/メリーは、どうすべきなのか。
 良くも悪くも〝託された者〟でしかないメリーにとって。
 そして〝奪われた者〟の幽々子にとって。
 これもまた……あまりに残酷で、皮肉な運命であった。


 間もなく、夜が降りてくる。
 星芒を失った宇宙のように黒々と広がる暗幕に、北斗七星の灯火を添えられるかどうか。
 まるで宇宙を一巡するような。そんな目的の旅。
 永く、壮大に輪廻する───とある少女の、銀河鉄道の夜。
 運命の車輪は、既に道なき宇宙の線路を走っていた。


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