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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

778一世の夢と名も無き鳥 ◆e9TEVgec3U:2020/11/09(月) 01:56:50 ID:7dG6hTvE0

            ◆


もう何度目かの旧地獄の街並みに降り立ち前方を軽く一瞥しても、妹紅の立ち位置は殆んど変わっていない。
けれども前回から分単位で経った訳でも無いのに、その立ち姿を異質と断ずるかのように、取り巻く環境は激化し荒廃していた。

先程から更に範囲を広げて地面の上で走り続ける黒く滾る炎。
燃焼域も増えたのか、周囲の家屋がまた何棟か焼け滓となってその骨組を痛々しく曝け出している。
焦げ付く匂いも炎から漏れ出る呪詛の感覚も先程よりなお色濃く、若干の嫌悪の感情さえも顔に滲まされてしまったのを青娥は自覚する。

前方に幾つも広がる小さなマグマ溜まりの池。
土気色さながらの砂の上に、赤と黒を掻き混ぜた泥のような見た目で鎮座したそれは先程までの攻撃の余波か。
青娥の今立っている場所の後方にも幾らか点在しているものの、明らかに妹紅と対峙しているその間ばかりに穴は集中していた。
そして今もまだ対峙は終わらない。



「■■■、■■■■■■■■!!!!!」


目の前でまたそれが低く呻る。警戒心も顕に、光を飲み込む墨染の眼で殺意だけを輝かせて。
燐火がその顔に陰を作っては消えても、その瞳だけはひん剥いて視界の中から離れやしない。
どこまでもソレは人の形をして二足歩行で動くのに、その敵の胡乱な姿を目にした途端に何故か妙なまでに合点が行ってしまった。


「……まるでケダモノね」


ソレには聞こえていないだろうに。もしくは聴覚がよしんば神経までその放たれた言葉が伝わっても、相手は決して理解し得ないだろうに。
それでも、そう唾棄せざるを得なかった。そうしなければ煮立ちそうな感情がマグマの様に堰を切って湧き出てしまいそうだったから。

直線的でただただ暴力に身を任せた動き、次の一手を考えずに繰り出される攻撃、相手を見る目付きに視線、しどろもどろにすらも及ばない唸り声。
一つ一つのピースはただの気を違え狂わせてしまった人間にしか見えないが、点と点を繋げてしまえば後から幾らでもこじつけに至れてしまう要素ばかり。
搦手も連携攻撃も行わない、ただただ激情丸出しの攻撃手段もなんてことは無く、ただただ理性の欠片も見当たらないというだけで。
先程のマグマを生み出す攻撃も、結局は出鱈目に地中を進む敵を殺そうとしただけなのは地表面の痕跡を見れば大体把握できる。
その眼光も要するに相手を敵として見ているだけ。何も感じ取れなかったのも当然だ。だってそれが正しいのだから。


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