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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
750
:
ビターにはなりきれない
:2020/11/04(水) 18:19:21 ID:UVCbRvCA0
「クソ! 何、だよあの女は……! 何処そこの神だとかぬかしていたが、ンな事ァどっちでもいい……!」
荒ぶらんとする武神を寸での間際で鎮めきったドッピオ。その功労者となったエピタフの予知が無ければ、きっと奴はその美貌の裏に隠した牙(ガトリング)をもって破壊の限りを尽くしたに違いない。
浮き現れた予知の通りに神奈子の意識を遮り、体のよく聞こえる共闘案を持ち出したドッピオの腹は、実のところ焦る気持ちでいっぱいだった。
矢も盾もたまらない神奈子の攻勢を懸念したドッピオだったが、それは杞憂に終わった。結果的にはこの提案が実を結び、そこから先は拍子抜けするほどトントン拍子で事が進んだのだ。
かくして迫る災害を見事逸らしたドッピオは、悪態を吐きながら今に至る。小心者な性格など何処吹く風ぞ、と言わんばかりに、彼の悪い面の顔がおもむろに出ていた。
あの場から脱することさえ出来たなら最早何だって良かったが、終わってみれば神奈子を味方につけるような成果さえ得られたのは、僥倖だと言えるだろうか。
単騎でマトモにぶつかったなら、とてもではないが勝てる相手には見えない。そんな強者と(ひとまずではあるが)共同戦線を結べたのだから、上出来だろう。欲を言えば何とか仕留めたかったものだが。
「にしても……ボスが放送で呼ばれたらしいってのは、どういう事だ? 普通に考えれば運営側のミスか、何か意図があっての虚報か……」
既にドッピオの意識は、神奈子から敬愛するボスへと移っている。一度はジョルノ・ジョバァーナに敗北を喫したとはいえ、彼の中での『頂点』は未だ揺るぎない帝王の椅子に座するボスだけだ。
従ってドッピオは、ボスの訃報など毛の先ほども信じていなかった。この自分すらがこうして生きているのだ。なれば帝王が自分を差し置いて退くなど、この世で一番ありえない出来事だ。
ボスは『トリッシュ・ウナ』の肉体を乗っ取り、そのまま闇へ消えた。放送で名が呼ばれた理由こそ不明だが、そこのカラクリにどういう形かで関わっている可能性も考えられる。
とにかく、ボスは生きている。生きているならば、それで十分。
これ以上を考える必要もなかった。考えるまでもなく、既にドッピオのやるべき事は決まっていたのだから。
どうでもいい事だが。
あの女は、自分の娘を殺すだとか言っていた。
誰を指しているのか。多分、話に出ていた『東風谷早苗』か『洩矢諏訪子』のどちらか、或いは両方か。
彼女らには手を出すなと釘を刺されている。一介の神がギャングに忠告とは、業の深い話だ。手を出すなというのはつまり、率先して殺して下さいと言ってる事と同じだろう。
「早苗か諏訪子……コイツらを優先的に狙うべきか」
神奈子とその家族に如何なる確執があるのかは知らないし、どうだっていい。しかしあの様子だと、どちらにせよ娘は神奈子のアキレス腱になる筈だ。
ギャングに忠告するとはいい度胸。娘を人質に取るのは職業柄お手の物だ。あの愚かな暗殺チーム共がボスに対抗して取った行動と同じく、家族を人質に取るってのは、交渉ごとをこれ以上なく有利に進められる有効手段なのだ。
正面からぶつかるには厳しい神奈子を手玉に取れる糸口。娘の指でも数本切断して写真でも送り付けてやれば、泣きつくぐらいはしてくるかもな。
近い将来に必ず立ち塞がる驚異へ対し、極めて悪どい算段で対抗策を立てるドッピオ。
周囲への注意力が散漫となるのも、必然といえた。
だが彼の持つ『強み』とは、周囲への危機管理に依存する必要がなかった。
だからこそ強みと言える。依存するは周囲でなく、視界いっぱいに映される『予知』にのみ終始すればよい。
大抵の場合、この力で事なきを得る。
今回も、そうに違いなかった。
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