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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
741
:
ビターにはなりきれない
:2020/11/04(水) 18:12:01 ID:UVCbRvCA0
「分かった分かった、ドッピオ。ひとまずこの話は隅に置いておこう。私がアンタを訪ねてここに足を運んだのは、まだ理由があるんだ」
これまでと違い、ここから先は向こうの『領域』だ。
それも他人には不可侵である筈の、神聖なエリア。土足で迂闊に上がり込むこの行為を何よりも嫌っていたのは、他ならぬ自分自身であった。
それを今。
神奈子は敢えて侵す。
「〝ディアボロ〟……ってのァ、誰のことだい」
音が鳴った。外からだ。
着雪の重さに耐えかねて、先端をポッキリと折らせた樹枝の───冬山の音だった。
湯呑みにヒビが入るような……不吉な予兆を含む音色。
「───口には気を付けろ、テメェ」
先程の。
喚き散らすような幼稚な怒気とは、また別種の。
捉えどころなく。薄気味悪い悪魔のような『殺意』が……神奈子の襟首を掴んでいた。
「離しなよ」
神色自若の態度で、神奈子は厳かに警告を伝える。不遜の過ぎるドッピオの振る舞いに対し、微動だにせず坐を保っていた。
神の襟首を掴むという大無礼を遂行せしめたドッピオの眼光は、殺意を振り撒く機械同然の様に冷たい。道徳などとうに捨てた者が作る貌だ。
右手には鉄製の丸い鈍器が握られていた。夥しい量の返り血がこびり付いた、人の血を吸った武器だ。
それが今、神奈子に向けられようとしている。
人間の童が、神に武器を向けようとしている。
「もう一度だけ、言う。───離せ」
言葉による重圧。神奈子が発した言霊には、人の力では不可抗力の重力が漲っていた。
未知数。ただの一言で気圧されたドッピオは、冷汗垂らす心中にて八坂神奈子を端的にそう表現した。
思わず眉根を歪めるドッピオ。握ったと思われたイニシアチブは、いつの間にか不動のままに握り返されていた。
「…………〜〜〜ッ!」
「血気盛んなのはお互い様、だけどね。とはいえ、しかし。無遠慮だったのは、寧ろこちらの方……」
悪かった。
素直に。誠心のままに。
神奈子はそう言って、謝罪した。
先程の威圧が、嘘のように霧散していた。
有無を言わさぬ負荷を押し付けられたかと思えば、次の瞬間に自ら頭を下げる。変遷の激しい神の姿を前に、ドッピオは出す言葉を失った。
「デリケートな話題だってのは承知の上さ。アンタと〝ディアボロ〟の間に垂らされた糸が、ただならぬ関係にある事くらい。それは例えば──家族の様な。誰しもが持つ、他人には踏み越えられたくない、生まれながらの垣根って奴だ」
「…………家、族」
「ああそうさ。私も『あの場』に居た。ディアボロという人間が、自分の娘を手に掛けたあの地獄にね」
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