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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

720きっと。:2020/10/25(日) 02:29:24 ID:KeTKQLrA0

「それで……あの、永琳さん」
『分かってるわ。メリーと八雲紫の居場所ね』
「は、はい! あ、あと、早苗さんと花京院さん、ポルナレフさんの安否も出来れば……」
『そっちは知らないわ。残念ながらね』

 軽やかに一蹴された三名の気持ちを思えば憂鬱にもなるが、それはさておき今の発言は阿求らにとって吉報と言えた。

「で、では……!」
『ええ。メリーというのはマエリベリー・ハーンの愛称だったわね? それならば彼女と八雲紫の二名。その数時間前時点での位置なら割り出せた』

 流石の賢者と誉めるべきか。予想より遥かに早く、かの天才は二人の位置を突き止めたという。〝数時間前〟というのが気に掛かる但し書きではあるが、阿求と幽々子にとって最も欲していた人物の情報が今から開示される。必然、鼓動は高まろうものだ。

 唾を飲む音が聞こえた。
 それは阿求のものか。傍で耳を立てる幽々子のものか。


『地図で言う所の〝C-3〟に二人は居る。念を押すけど、あくまでこれは数時間前での話。正確には、今日の午後2時前時点よ』


 阿求と幽々子は同時に顔合わせる。このレストランはD-4……広大な魔法の森を挟むものの、直線距離にすればかなり近い。
 まさしく値千金の情報であった。

「え…永琳さん! メリーと紫さんの二人共が同じ場所に居るのですか!? それにC-3といえば『ジョースター邸』と『紅魔館』の二つの施設があるみたいですが……」
『阿求。私が入手した、貴方たちにとって有益な情報とは今述べた通りの内容よ。〝午後2時頃、メリーと八雲紫はC-3に居た〟……それ以上でもそれ以下でもありません』

 予想以上に『目標』が伸ばせば届く近い距離にあった事実を伝えられ、否が応にも阿求の焦りは加速する。それと反比例するように、永琳のトーンは冷淡で落ち着いたものだった。
 逆に、何故そうまで落ち着いてられるんだと抗議の声を上げたいくらいだ。それすらも相手は許してくれなさそうな程に、両者の狭間には深い温度差が混在していた。

「感謝してますが……一体そんな情報何処で……?」
『ちょっとした〝縁〟を結んでね。姫海棠はたてとの友好の証、とでも言っておくわ。それより、貴方たちは貴方たちのやるべき事を優先させなさい。ウチのお姫様がそうした様に、ね』
「姫海棠……? あの烏天狗と接触したのですか? 永琳さん、今どちらにおられ───」
『最後に、隣で聞き耳を立てている幽々子さん。八雲紫と会えたなら、彼女の〝魂〟に以前迄との変容が無いかの確認……お願いするわね。重要な事ですので』


 それでは。
 永琳は短くそう言い残し、通話は途切れた。
 最後まで一方的で、どこか拒絶的な感情すら感じ取れるやり取りに終始していた。


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