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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

706貴方にこの血が流れずとも:2020/09/29(火) 00:16:27 ID:mdXdZ3W20
パチパチと弾ける音がする。
ゆらゆらと炎が揺れては薪が燃えていく。
その炎はリサリサの死体を天へと還すには余りにも弱々しく、今の諏訪子には相応しかった。
彼女はぼうっとしていた。小さな火を眺めながら、ただ暖を取っている。
諏訪子は囲炉裏の前にいる。ついさっき目覚めた日本家屋に戻ってきたのだ。
彼女には強い目的があり、一刻も早くここを発つべきだった。しかし、諏訪子の状態はとても良好とは言い難い。
片腕片脚を一度切り離されるは、あわや心臓を引きずり出される手前だった死闘の連続。
そんな状態で戦いを繰り返し、雨に濡れた状態で意識を失ってしまった。
いざという時にロクに動けず、足を引っ張ったりでもしたら後悔してもし切れない。
加えて、諏訪子は誰かと落ち合う予定を立てておらず、今まで会った参加者の動向に対してかなり疎い。
さらに第二回放送の禁止エリアを聞き損じており、エリアを超えた移動に理由がほしかった。

「全部言い訳だ」

己を呪うよう言葉を吐く。自身に嫌気が差す。敗北は死を意味するこの場所で彼女は既に二度死んでいる。
故に護る者のためなら自分を犠牲にする腹積もりでさえいる。四の五の言っている場合ではない。
諏訪子は今猫の隠れ里にいる。ここで既に大規模な戦闘があったのは見て取れた。加えてつい先ほど二柱の神が激突したのだ。
戦いの爪痕深いこの場所に、好んで誰かが訪れる可能性は限りなく低い。危険を承知で移動しなければ参加者には会えない、彼女はそう踏んでいた。
ただ、それでも今は足を止めていたかった。
どうして、とそれだけが頭を埋め尽くしていて止まらなかった。


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