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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
688
:
Яessentimənt
:2020/08/14(金) 19:38:35 ID:nr6s2DUA0
(だったら───殺せばいい)
此処がピークだった。
不慮の事故により侵入を許してしまった、殺意と憎悪を煮え滾らせる罠。
これによる波長の最大点が、今この瞬間。
霊夢の脳髄を、無尽蔵に占領した。
生存者(Survivor)は、一人で事足りると。
だったら、殺せばいいと。
重力に敗北した少女の耳元で、囁いた。
霊夢は、その囁きを───した。
「私の上を…………」
地上からはハーヴェスト軍の自動追尾弾。
空中からは魔法使いの自機狙い星弾空爆。
幾度も避けてきた、見た目ばかりの流星群だ。
霊夢がこれを攻略するのに、時間は要らない。
「───翔んでんじゃないわよ!!」
刮目し、自らの血痕で作り上げた札を地に設置。
常置陣の札である。この地雷を踏むことで、対象者は大きく跳ね上がるという性質の罠だ。
かつて十六夜咲夜に対抗する術の一つとして、霊夢が放ったものでもあった。
「おいおいマジか」
冷や汗を垂らす魔理沙の頭に、影が被る。
霊夢の跳躍ではまず届かないであろう高所からの攻撃だった筈だ。敵は悠々と、空地から挟み込む弾幕を器用に抜けて飛んで来たと言うのだから、魔理沙の反応は一瞬遅れをきたす事となる。
常置陣で跳躍すると言っても、その軌道は直線とならざるを得ない。馬鹿一直線に空中へ飛んだのでは、魔理沙の星弾の餌食なのは目に見えていた。
常置陣を〝空中〟にて二重、三重に使用。札を次々と靴裏に差し込み、霊夢は軌道を続けざまに変更させる。魔理沙の目から見た霊夢は、もはや天狗のそれと大差ないスピードだった。
空気を炸裂させるような発破音だけが、魔理沙の鼓膜を打つ。星弾の数は大量に仕込んでおいたが、霊夢はその全てを無傷で潜り抜けている。神懸かりとしか言えなかった。
直線と、曲線を、天才的な判断力で使い分け。
時に緩やかに、時に激しく飛び交う巫女の姿。
彼女自身が正確無比の追尾弾だと見紛いかねない、変化自在の卓越した身のこなし。
ストレートな自分にはとても真似出来ない動作。
魔理沙が、霊夢を一番に羨む技能の一つであった。
「〝上下〟には興味無いけど……今日ばかりは、アンタが『下』よ! 魔理沙!!」
「……ッ! く……っそ!」
いつの間にかだった。
気付けば、魔理沙が霊夢を見上げる形になっている。
思わぬ方法で自分の上を行った相手の影が重なり、魔理沙は『詰み』の一歩手前に追い込まれたのだと悟る。
「繋縛陣、か!」
魔理沙を中心とした上下左右の計4ヶ所に、結界が浮き出ていた。博麗霊夢の『繋縛陣』が、見事に魔理沙を挟み込んだのだ。
(いや違う! 私をこの場所へ追い込んだんだ! コイツ、初めから此処にこの陣を設置してやがったッ!)
上下左右から迫る陣形には、抜け道が存在した。前と、後ろである。
後ろ───つまり魔理沙の背後には、ご丁寧に一本の巨木が立っていた。幹に激突する痛手を嫌うならば、残るルートは前方───霊夢の方向しか無い。
誘っていたのだ。霊夢は地面を飛び立つ直前に、既にこの場所へ『詰み』の土台を形成していた。縦横無尽に飛び交う霊夢に圧され、此処に後込んだのは魔理沙の失態だった。
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