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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部

682Яessentimənt:2020/08/14(金) 19:31:16 ID:nr6s2DUA0
『ジョセフ・ジョースター』
【夕方】B-5 果樹園小屋 跡地


「…………で、アンタはあたしになんか言うことないわけ?」
「痛ッ〜〜……! さ、先に殴ってきたのはオメーの方だよなァ……!?」
「あんなドえらいDISCを取り出したのはアンタでしょ」
「あーそうかいそうだともよ。全部オレが悪ぅござんしたよ……! スイマセンデシター」


 ひと組の男女が雪の上に大の字となっていた。顔面という顔面をアザに覆われた、見るも無惨なジョセフと徐倫の姿だ。
 二人の仲は良好などとはとても言えないが、少なくとも先程までのような一触即発な雰囲気は既に霧散している。
 ジョセフの波紋が徐倫を正気に戻したのだ。その犠牲にジョセフは顔面と、徐倫は身体の麻痺を引き換えとした。サバイバーが巻き起こす終末を考えれば、随分と安い買い物だ。
 節々の痛みを耐え忍びながらジョセフは何とか体を起こす。次いで行うのは波紋による治療だ。当然のように彼はそこに転がる女性ではなく、まずは自身の回復を優先した。

「ちょっと……こういうのって普通、女であるアタシをまず労わらない?」
「回復したお前さんが唐突に立ち上がって『さあ第2ラウンドだ!』なんて叫ばない保証があるんなら、先に治療してやるぜ」
「アタシはもう正気だっつーの!」

 首のみを回し、勝手で無軌道な男へと自身の怒りを露わにする徐倫。彼女の言う通り、サバイバーによって伝播された狂気の電気信号は、既に二人の体内には残っていない。
 徐倫は波紋のカットによって。そしてジョセフは元々影響が少なかった。この傍迷惑な能力は、基本的には時間経過による自然消滅でやり過ごすしかないというのが徐倫の語った体験談。ジョセフが波紋使いでなければ、事態はもっと深刻だったろう。

「つまりはオレが功労者ってワケよ。感謝されこそすれ、オレが謝る道理なんて」
「あるでしょ」
「……あるがよ。まあ、終わったオレ達についてはもういいさ。問題は───」

 痛みに暮れるジョセフが、果樹園林の方向を振り向く。霊夢と魔理沙は戦いの最中、あの林へとフィールドを変えた。
 サバイバーの影響が少なかったジョセフでさえ、たった今まで闘争を続行していたのだ。ならばあの二人は、今なおあの中で殺し合っている可能性が高かった。
 それに肝心要のジョナサンを確保に向かわせたてゐ達も心配だ。被害の深刻・拡大化を防げる人材が彼女らしか残っていなかった為、止むを得ず向かわせたが……。

(クソ……! どっちも切実だぜ、オレのせいで!)

 心中でジョセフは、事態の鎮静が毛ほども進んでいない現状を悔やむ。急を要するのはどちらかと言えば霊夢たちの方角だ。

「徐倫……まだ動けねーのか? 早いとこアイツら何とかしてやらねーとヤバいぜ」
「マダ ウゴケネーノカ?じゃないだろ……。この、ハモン?っての、もうちょっと手加減出来なかったの? 全然動かねーぞ」
「うるせーな仕方ねーだろ。オメー、本気で殴り掛かってくんだからよ」

 迎え撃つ側のジョセフが、鬼気迫る徐倫の暴走に臆したのは仕方ないことだと言える。
 何にせよ、彼女の波紋が抜け切るのはもう少し掛かりそうだ。自分の怪我だって決して軽いもの ではない。

 もどかしい気分だった。焦慮がジョセフの心を覆い始める。
 虫の知らせ、という感覚かもしれない。
 嫌な予感がした。


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