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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
652
:
紅の土竜
:2020/07/31(金) 17:45:01 ID:LM0DDSIo0
サンタナは伊吹萃香という『糧』を受け、この形態───鬼の流法を手にした。小鬼だけでなく、あのレミリアやドッピオとの戦いすらそうだ。
一口に糧とは言うものの、ここに至った経緯は決して易きに流れた道程ではない。
確かにあの小鬼の一押しが決定打になった事は認めよう。然れど、隘路を潜った源の力……即ち、意志の顕現たる出処は、サンタナ自身の変化が齎した『信念』である。
何を糧とするか。何を負とするか。
決めるのは結局、己自身が心に宿す針だ。
この秋静葉が今まで一体どれだけの糧を得てきたのかは知らないが。
そしてその糧が、どれ程の修羅場の盤上に成り立つ戦果なのかは知らないが。
他者であるサンタナの目から見ても、この静葉は得てきた糧に〝身を食い潰されている〟ように見える。
本来の己が持つキャパシティに釣り合っていないのだ。容量をオーバーした分の糧の〝重み〟が、彼女の自我を乗っ取ろうと囁き続ける。そこまで行くと、もはや糧とは言えない。糧から反転した『負』が、静葉の肩へと溶かした鉛のようにのしかかるのは自明だ。
いずれ……いや、決して遠くない未来に、静葉は自重に圧し潰されてくたばる。少女を殺すのは、眼前に立ち塞がる敵対者の数々ではなく、自らが糧にしてきた〝と思っている〟亡霊の呪言……怨嗟の声そのものに違いない。
「別の手段があったのではないか? ……何故、わざわざ苦しい思いまでして糧を取り込もうと藻掻く」
サンタナには分からない。
ここで言うところの『糧』というのはつまり、他者の命を指す。サンタナにとっては少し違うが、少女にとってはそうなのだろう。それらを奪えば奪うだけ、自らの歩みを鈍重にする。静葉の様相を見れば、あからさまな事情であった。
糧が、負に化け、寿命を縮める。静葉がそれを明確に自覚しているならば、どう考えても彼女の目的にはそぐわない手段。アレルギー症状が出ると分かっていながら、それらを強引に胃袋へ押し込んでいる様なものだ。
ゲーム優勝コースを往くには、誤ったルートであるというのは火を見るより明らかなのに。
サンタナには、分からない。
「……分からない。分からないから、よ」
「……何?」
「私には、何も分からない。どうすれば妹を救えるか。どうすれば弱さを乗り越えられるか。
……いえ。正確には、分からなくなってしまった。DIOさんと会って、色々な事を話して。それまで私がやってきた行為は、自分にとって本当に正解だったのかなって」
またしても、DIO。
彼奴がこの華奢な小娘に何を吹き込んだかは知る由もないが……成程。中々にエグい事をする男だ。
「悟らされたの。私が『本当に闘うべき相手』を。おかしな言い方になるけど……私が闘う相手とは、目の前の敵じゃあない。闘って、下して、殺してきた相手。真の敵は目の前ではなく、『背後』にいた」
そうなれば、ある意味ではサンタナよりも困難な道となる。薙ぎ払うべき敵が目の前に立ち塞がるなら力で除外すればいい。それこそが純粋な生存競争なのだから。
しかし静葉の場合。
敵は背後の、見えるけども見えない敵だという。そのような概念的な相手にどう対処すればいいのか、こればかりはサンタナにも皆目見当がつかない。強者ゆえの未知とも言えた。
───『貴方、強いもの。理解なんて出来るわけ……ないわ』
先程、静葉が突き付けたばかりの言葉が唐突に浮かぶ。彼女の言わんとした意味だけなら理解出来た。しかし理解のその先が、やはりサンタナには不明だ。
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