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ジョジョ×東方ロワイアル 第八部
645
:
紅の土竜
:2020/07/31(金) 17:37:48 ID:LM0DDSIo0
腹の下から蹴り上げ、虚空を回った静葉の首を壁に打ち付けたサンタナは、少女の眼前に見せ付けるようにして大槍───鋭く構えた右腕を突き付ける。
「立派なことだ。負け犬ごっこなら、あの世でやれ」
時として地上には、このように無意味な蛮勇を振り翳す馬鹿な人間が現れる。震えるほどの恐怖をその身に刻み付けられておきながら、勝ち目の無い戦に投じる愚か者。
何故、弱い癖して戦おうとするのか。
何故、怖い癖して立ち向かおうとするのか。
何故、逃げないのか。
何故。何故。何故。
この女は神らしいが、身に宿す非力さも、心の脆弱さも、人間共と何一つ変わりはしない。
まして目の前の脅威と戦おうともせず、話がしたいなどとぬかして茶を濁す。つい先程は「来ないで!」と拒絶までしておきながら。言う事やる事がグチャグチャだ。
興醒めもここまで来ると、いっそ芸術。
殺してしまおう。サンタナは、殺意以外の全てを放り投げて腕に力を込めた。
「負け犬ならアナタだって同じじゃないっ!!」
カラン。
壁に打ち付けられた静葉の足元へ、何かが落ちた音がした。
「………………オレを、負け犬だと?」
それは、どういう。
「どういう、意味だ?」
不思議と、怒りは湧き上がらなかった。
平時であれば負け惜しみの戯言だと一笑に付すか、そうでなくともこの罵倒に気分を害し、どちらにせよ捻り潰すか。
ただ何故、この取るに足らない女はオレを指してその言葉に至ったのか。それが疑問だった。
「どういう意味だと、聞いている」
「ぅあ……っ」
首を絞める腕には思わず力が入る。怒りは湧かずとも、焦燥の気持ちが煮え始めていることは自覚出来た。
と、ここまで来て、こうも首を絞められたのでは言葉など発せられないだろうと。サンタナはゴミでも投げ棄てるようにして、静葉をその場から放った。
「あ……げほっ げほっ……っ!」
「なんとも脆い女だ。そのザマでよくぞ人を負け犬呼ばわり出来たもんだ」
「はぁ……はぁ……。その、げほっ 様子だと、当たりみたい、ね」
〝当たり〟……つまり、謀られたという事、か。
「小娘……カマをかけたのか」
「何となく、思っただけよ。……貴方の目、少しだけ私に似てた気が、して。それに『エシディシ』の名前を出した時の貴方の……何ていうか、態度とか、感情……それが、卑屈っぽく見えた。残りは……勘、だけど」
似てた、と静葉は言う。
サンタナと秋静葉の瞳が、似ている。
それはつまり、静葉がサンタナへ対し『同族意識』だのといった抽象的な感傷を抱き、負け犬などと吐いたのだろうか。
許されざる毒。闇の一族たる名誉を攻撃するような愚挙だ。これ程に屈辱的な中傷を受けて尚、何故だかそれに怒りを抱く気持ちになれない理由がサンタナには分かってしまった。
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